JP2001145430A - 花粉特異的ジンクフィンガー転写因子の遺伝子を用いて花粉稔性を低下させる方法 - Google Patents
花粉特異的ジンクフィンガー転写因子の遺伝子を用いて花粉稔性を低下させる方法Info
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Abstract
な、葯の組織に特異的な遺伝子を利用する遺伝子工学的
手法を提供する。 【解決手段】 (i)特定の塩基配列を有するDNA、
(ii)(i)の塩基配列を有するDNAとストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御
する転写因子をコードするDNA、又は(iii)
(i)もしくは(ii)の断片であるDNAのいずれか
である核酸と、この核酸に作動可能に連結されたプロモ
ーターとを含む、植物発現カセットを準備し、花粉の発
達を制御する内因性の転写因子を有する植物の細胞を提
供する工程では内因性の転写因子をコードする遺伝子
は、核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
され、発現カセットを植物細胞に導入し、植物細胞を植
物体に再生し、内因性の転写因子の発現が抑制された植
物体を選択する。ただし、(ii)のDNAは、花粉の
発達を制御する転写因子をコードするDNAを含まな
い。
Description
組織に特異的に発現する遺伝子およびその利用に関す
る。本発明は、特に、小胞子に特異的に発現する、ペチ
ュニア由来のジンクフィンガー型転写因子群(ZPT2
−5、ZPT3−1およびZPT4−1)の遺伝子およ
びその利用に関する。
な局面で問題になる。たとえば、交雑育種における交配
の際、自家受粉を避けるために、多くの労力がかかる除
雄(雄しべの除去)の作業が行われる。種苗産業におい
ては、交雑育種によって得られた優れた品種を商業的に
保護したいという立場から、花粉稔性の無い形質が求め
られている。このような要請から、花粉の稔性を制御す
る技術(pollination control)が
強く求められてきた。従来、特定の作物では、細胞質雄
性不稔性の系統が交雑育種に用いられ、一定の成功を収
めてきた。しかし、細胞質不稔形質は多くの場合、耐病
性の低下などの好ましくない副次効果を伴い、さらに形
質が不安定であること、種子の大量生産が困難なことな
どの問題がある。化学薬品処理によって稔性を低下させ
る方法も研究されているが、安全性評価および作用機作
解明が遅れており、実用化には至っていない。そこで、
遺伝子工学を用いた優れた雄性不稔化技術が求められて
いる。
る。支持体組織としての葯に取り囲まれた状態で進行す
る花粉の発達は、小胞子形成細胞(花粉母細胞)の減数
分裂直後にあたる四分子期、四分子からの小胞子の放出
期、花粉細胞の拡大および空胞形成に特徴付けられる一
核期、有糸分裂により栄養細胞および生殖細胞への分化
が生じる有糸細胞分裂期、その後の二核期という、各段
階に区分される。これらの段階を経て、最終的に葯が開
裂し、成熟した花粉粒が放出される。従って、小胞子
は、花粉の発達を阻害し、花粉稔性を失わせるための人
為的な制御に最も適した対象組織の一つといえる。
化技術には大きな期待が寄せられている。特に、小胞子
のような花粉細胞の直接の前駆体において特異的に発現
する遺伝子を利用できれば、植物に好ましくない形質を
付与することなく、雄性不稔化を達成し得る可能性が高
いと考えられる。雄しべの種々の組織に特異的なプロモ
ーター、および、それを含む雄生不稔化のための遺伝子
構築物の例は、いくつか報告されている(Shivan
naおよびSawhney編, Pollenbiot
echnology for crop produc
tion and improvement (Cam
bridge UniversityPress)p
p.237−257, 1997)。しかし、発現の組
織特異性および時期特異性が高い、花粉稔性の制御のた
めに有用な新たな遺伝子に対する要望が継続的に存在し
ている。
規な転写因子として、PEThyZPT2−5、 PE
ThyZPT3−1、およびPEThyZPT4−1
(以下、それぞれ、ZPT2−5、ZPT3−1および
ZPT4−1と略す)を含む7つのジンクフィンガー
(ZF)型転写因子のcDNA配列を特定した。そし
て、ノーザンブロット分析から、それぞれの転写因子が
葯特異的に、葯の発達の異なる段階において一過性の発
現を示すことを報告した(Kobayashiら,Pl
ant J.,13:571,1998)。しかし、こ
れらの転写因子の植物における生理的な機能および作
用、ならびに転写因子をコードする遺伝子の正確な発現
部位およびその発現調節機構は不明であった。
不稔に代表される植物形質の改変に有用な、花粉に特異
的な遺伝子を利用する遺伝子工学的手法を提供すること
にある。
チュニアから単離した、葯特異的な転写因子群(ZPT
2−5、ZPT3−1およびZPT4−1)をコードす
る遺伝子をペチュニアに再導入した。その結果、花粉の
正常な発達が阻害され、花粉の稔性が著しく低下するか
(ZPT2−5およびZPT4−1)、または、ほぼ完
全に失われる(ZPT3−1)ことを見出した。さらに
本発明者らは、ZPT3−1およびZPT4−1のゲノ
ム遺伝子からそれぞれ上流領域を単離し、そのプロモー
ター活性の組織特異性を調べた。その結果、一核期から
二核期にかけての小胞子において、プロモーター活性が
組織および時期特異的に発現されることを見出した。本
発明は、これらの知見に基づいて完成された。
不稔性の植物を作出する方法であって、以下の工程を包
含する方法に関する:(i)配列番号1によって示され
る塩基配列の第1位から第777位までの配列を有する
DNA、(ii)(i)の塩基配列を有するDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズし、花粉の発
達を制御する転写因子をコードするDNA、または(i
ii)(i)もしくは(ii)の断片であるDNAのい
ずれかである核酸と、上記核酸に作動可能に連結された
プロモーターとを含む、植物発現カセットを提供する工
程;花粉の発達を制御する内因性の転写因子を有する植
物の細胞を提供する工程であって、ここで、内因性の転
写因子をコードする遺伝子は、上記核酸とストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする、工程;発現カセッ
トを植物細胞に導入する工程;発現カセットが導入され
た植物細胞を植物体に再生する工程;および、再生され
た植物体であって、上記核酸が発現されることによっ
て、内因性の転写因子の発現が抑制された植物体を選択
する工程。
不稔性の植物を作出する方法であって、以下の工程を包
含する方法に関する:(i’)配列番号3によって示さ
れる塩基配列の第1位から第1640位までの配列を有
するDNA、(ii’)(i’)の塩基配列を有するD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、
花粉の発達を制御する転写因子をコードするDNA、ま
たは(iii’)(i’)もしくは(ii’)の断片で
あるDNAのいずれかである核酸と、上記核酸に作動可
能に連結されたプロモーターとを含む、植物発現カセッ
トを提供する工程;花粉の発達を制御する内因性の転写
因子を有する植物の細胞を提供する工程であって、ここ
で、内因性の転写因子をコードする遺伝子は、上記核酸
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、工
程;発現カセットを植物細胞に導入する工程;発現カセ
ットが導入された植物細胞を植物体に再生する工程;お
よび、再生された植物体であって、上記核酸が発現され
ることによって、内因性の転写因子の発現が抑制された
植物体を選択する工程。
不稔性の植物を作出する方法であって、以下の工程を包
含する方法に関する:(i”)配列番号5によって示さ
れる塩基配列の第1位から第1948位までの配列を有
するDNA、(ii”)(i”)の塩基配列を有するD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、
花粉の発達を制御する転写因子をコードするDNA、ま
たは(iii”)(i”)もしくは(ii”)の断片で
あるDNAのいずれかである核酸と、上記核酸に作動可
能に連結されたプロモーターとを含む、植物発現カセッ
トを提供する工程;花粉の発達を制御する内因性の転写
因子を有する植物の細胞を提供する工程であって、ここ
で、内因性の転写因子をコードする遺伝子は、上記核酸
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、工
程;発現カセットを植物細胞に導入する工程;発現カセ
ットが導入された植物細胞を植物体に再生する工程;お
よび、再生された植物体であって、上記核酸が発現され
ることによって、内因性の転写因子の発現が抑制された
植物体を選択する工程。
(ii”)のDNAは、それぞれ、(iv)配列番号1
3によって示される塩基配列の第1位から第1886位
までの配列を有するDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズし、花粉の発達を制御する転写因子を
コードするDNAを含まない。配列番号13によって示
される塩基配列は、ペチュニアから単離された別の転写
因子ZPT3−2をコードするcDNA配列である(K
obayashiら、前出)。
ける方法は、植物に雄性不稔性を付与する方法として、
利用され得る。
の実施態様において、上記核酸は上記プロモーターに対
して順方向で連結され、上記植物体の細胞内でセンス方
向に転写され得る。
の実施態様において、上記核酸は上記プロモーターに対
して逆方向で連結され、上記植物体の細胞内でアンチセ
ンス方向に転写され得る。
の実施態様において、上記植物は双子葉植物である。双
子葉植物は、好ましくはナス科植物であり、より好まし
くはペチュニア属植物である。
の実施態様において、上記発現カセットは植物発現ベク
ターに組み込まれている。
また、上記いずれかに記載の方法により作出された、雄
性不稔性の植物が提供される。
が改変された植物を作出する方法であって、以下の工程
を包含する方法に関する:(a’)配列番号7によって
示される塩基配列の第1位から第2624位までの配列
を有するDNA、または(b’)(a’)の一部の配列
を有し、小胞子に特異的なプロモーター活性を示すDN
Aのいずれかを含むプロモーターと、上記プロモーター
に作動可能に連結された異種遺伝子とを含む、植物発現
カセットを提供する工程;発現カセットを植物細胞に導
入する工程;および、発現カセットが導入された植物細
胞を、植物体に再生する工程。
が改変された植物を作出する方法であって、以下の工程
を包含する方法に関する:(a”)配列番号8によって
示される塩基配列の第1位から第3631位までの配列
を有するDNA、または(b”)(a”)の一部の配列
を有し、小胞子に、および任意に葯の開裂組織に、特異
的なプロモーター活性を示すDNAのいずれかを含むプ
ロモーターと、上記プロモーターに作動可能に連結され
た異種遺伝子とを含む、植物発現カセットを提供する工
程;発現カセットを植物細胞に導入する工程;および、
発現カセットが導入された植物細胞を、植物体に再生す
る工程。
実施態様において、上記形質は稔性であり、形質が改変
された植物は、雄性不稔植物である。従って、本発明の
上記方法は、植物に雄性不稔性を付与する方法として、
利用され得る。
実施態様において、上記形質は和合性であり、形質が改
変された植物は自家不和合性植物である。従って、本発
明の上記方法は、植物に自家不和合性を付与する方法と
しても、利用され得る。
実施態様において、上記植物は双子葉植物である。双子
葉植物は、好ましくはナス科植物であり、より好ましく
はペチュニア属植物である。
実施態様において、上記発現カセットは植物発現ベクタ
ーに組み込まれている。
た、上記いずれかに記載の方法により作出された、形質
が改変された植物が提供される。
の(I’)または(II’)のDNAを含むプロモータ
ーに関する:(I’)配列番号7によって示される塩基
配列の第1位から第2624位までの配列を有するDN
A、または(II’)(I’)の一部の配列を有し、小
胞子に特異的なプロモーター活性を示すDNA。
の(I”)または(II”)のDNAを含むプロモータ
ーに関する:(I”)配列番号8によって示される塩基
配列の第1位から第3631位までの配列を有するDN
A、または(II”)(I”)の一部の配列を有し、小
胞子に、および任意に葯の開裂組織に特異的なプロモー
ター活性を示すDNA。
小胞子に特異的なプロモーターのいずれかと、上記プロ
モーターに作動可能に連結された異種遺伝子とを含む、
植物に雄性不稔性を付与するために有用な植物発現カセ
ットに関する。
細に説明する。(ZPT3−2、ZPT3−1およびZ
PT4−1遺伝子由来の転写因子)本発明の第1から第
3までの局面である、雄性不稔性の植物を作出する方法
において有用な核酸は、以下のいずれかである:(i)
配列番号1によって示される塩基配列の第1位から第7
77位までの配列を有するDNA、(i’)配列番号3
によって示される塩基配列の第1位から第1640位ま
での配列を有するDNA、(i”)配列番号5によって
示される塩基配列の第1位から第1948位までの配列
を有するDNA、または、(i)〜(i”)のいずれか
の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズし、花粉の発達を制御する転写因子を
コードするDNA(すなわち、(ii)、(ii’)ま
たは(ii”))、または、上記いずれかのDNAの断
片(すなわち、(iii)、(iii’)または(ii
i”))であるDNA。
(i)、(i’)または(i”)のDNA、すなわち、
ZPT2−5、ZPT3−1またはZPT4−1をコー
ドするDNA、または、その断片であり、より好ましく
は(i)、(i’)または(i”)のDNAである。
子の調節領域のDNAに結合してmRNAの合成を制御
するタンパク質をいう。ある種の転写因子は、そのDN
A結合ドメインにジンクフィンガー(ZF)モチーフと
呼ばれる保存性の高いアミノ酸配列を有することが知ら
れている。ZPT2−5は、Cys2/His2型(E
PFファミリー)のジンクフィンガー(ZF)タンパク
質であって、176アミノ酸からなる全長のアミノ酸配
列内に2つのZFモチーフを含み、さらにDLNL配列
と称される疎水性領域を含む転写因子である。ZPT3
−1は、同様に、EPFファミリーのZFタンパク質で
あって、437アミノ酸からなる全長のアミノ酸配列内
に3つのZFモチーフを含み、さらにDLNL配列を含
む転写因子である。ZPT4−1は、同様に、EPFフ
ァミリーのZFタンパク質であって、474アミノ酸か
らなる全長のアミノ酸配列内に4つのZFモチーフを含
み、さらにDLNL配列を含む転写因子である。いずれ
も、Kobayashiら(前出)を参照のこと。ZP
T2−5、ZPT3−1およびZPT4−1をコードす
るcDNA配列(配列番号1、3および5)を、それぞ
れ、対応する推定アミノ酸配列(配列番号2、4および
6)と共に図1A〜1B、図2A〜2Cおよび図3A〜
3Dに示す。
「断片」とは、植物体に導入され、適切な様式で発現さ
れたときに、当該植物の内因性の転写因子の発現を抑制
し得る断片をいう。この断片は、上記(i)、
(i’)、(i”)、(ii)、(ii’)または(i
i”)のDNAの、ジンクフィンガーモチーフをコード
する領域以外から選択され、少なくとも約40塩基対以
上、好ましくは約50塩基対以上、より好ましくは約7
0塩基対以上、さらに好ましくは約100塩基対以上の
長さを有する。
ンのための「ストリンジェントな条件」とは、特定の塩
基配列(例えば、ペチュニア由来のZPT2−5、ZP
T3−1またはZPT4−1をコードするDNA)と、
これと相同性の高い他の塩基配列(例えば、ペチュニア
以外の植物に存在する、ZPT2−5、ZPT3−1ま
たはZPT4−1のホモログをコードするDNA)との
オリゴヌクレオチド二本鎖を形成させるのに十分な条件
を意図する。本発明に適用されるストリンジェントな条
件の代表的な例として、次の条件が挙げられる:1M
NaCl、1%SDS、10%デキストラン硫酸、32P
標識プローブDNA(1x107cpm)および50μ
g/mlサケ精子DNAを含む溶液中で、60℃で16
時間ハイブリダイズさせた後、2xSSC/1%SDS
で60℃、30分間の洗浄を2回繰り返す。
−1およびZPT4−1をコードするDNA、およびこ
れらとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、
花粉の発達を制御する転写因子をコードするDNAを単
離するためには、公知の転写因子の遺伝子によりコード
されるアミノ酸配列の保存領域に対応するデジェネレー
トプライマー対を用い得る。このプライマー対を用い
て、植物のcDNAまたはゲノミックDNAを鋳型とし
てPCRを行い、その後、得られた増幅DNA断片をプ
ローブとして用いて、同じ植物のcDNAライブラリー
またはゲノミックライブラリーをスクリーニングするこ
とができる。そのようなプライマー対の例として、5’
−CARGCNYTNGGNGGNCAY−3’(配列
番号9)と、3’−RTGNCCNCCNARNGCY
TG−5’(配列番号10)との組合せが挙げられる
(ここで、Nはイノシンであり、RはGまたはAであ
り、そしてYはCまたはTである)。上記プライマー配
列は、それぞれ、上記ZPT転写因子群のジンクフィン
ガーモチーフに含まれるアミノ酸配列QALGGHに対
応する。
ントなハイブリダイゼーション条件はまた、PCRの条
件としても規定され得、代表的な例においては、上記デ
ジェネレートプライマー(配列番号9および10)が用
いられ得る。この際のPCR反応条件は、94℃で5分
間の変性の後、94℃で30秒間、50℃で30秒間、
そして72℃で1分間を30サイクル繰り返し、最後
に、72℃で7分間インキュベーションを行う条件であ
り得る。
者の指針に基づいて行うか、当業者に周知の手法で行い
得る。遺伝子ライブラリーの作製法、および遺伝子のク
ローニング法なども当業者に周知である。例えば、Sa
mbrookら,Molecular Clonin
g:A Laboratory Manual、第2版
(Cold Spring Harbor Labor
atory,1989)を参照のこと。得られた遺伝子
の塩基配列は、当該分野で公知のヌクレオチド配列解析
法または市販されている自動シーケンサーを利用して決
定し得る。
達を制御する」とは、代表的には、この転写因子の発現
が阻害されるとき、花粉の形態または機能において有意
な変化が観察されることをいう。本発明における転写因
子は、代表的には、それをコードする遺伝子の発現が阻
害されることにより、好ましくは約75%以上、より好
ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上
の花粉細胞を、成熟する前に死滅せしめる。ここで、転
写因子の発現が阻害されるとは、ノーザンブロット法に
より測定したとき、mRNAの量が、野生型のコントロ
ール植物と比較して約10分の1以下になることをい
う。
離、同定された遺伝子によってコードされる転写因子
(すなわち、ZPT2−5、ZPT3−1およびZPT
4−1、およびこれらのホモログ)が花粉の発達を制御
することは、本明細書の開示に従って形質転換植物を作
出し、その花粉の特性を観察することによって、確認し
得る。
転写因子をコードするDNAを利用して、植物細胞にお
いて、当該DNAと同一のまたは相同な塩基配列を含む
内因性遺伝子の発現を抑制し得る。標的となる内因性遺
伝子もまた、花粉の発達を制御する転写因子である。本
発明の方法によれば、好ましくは、花粉の発達を制御す
る内因性転写因子以外の発現を実質的に抑制することな
く、内因性転写因子の発現のみを選択的に抑制すること
によって、植物に雄性不稔性が付与される。
適用される植物細胞は、花粉の発達を制御する内因性の
転写因子を有する植物の細胞であって、この内因性の転
写因子をコードする遺伝子は、上記ZPT2−5、ZP
T3−1またはZPT4−1、またはこれらのホモログ
のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
するものとして規定される。ここで「ストリンジェント
な条件」の定義は、ZPT2−5、ZPT3−1および
ZPT4−1のホモログの特定に関連して上述した条件
と同じである。本発明の範囲を限定する意図ではない
が、上記方法によって雄性不稔性を付与し得る植物は、
上記ZPT遺伝子群が単離されたペチュニア、または上
記ZPTホモログをコードする遺伝子が単離された植物
と、進化系統学上近縁の植物であることが望ましい。こ
こで、進化系統学上近縁とは、代表的には同じ目に分類
され、好ましくは同じ科に分類され、より好ましくは同
じ属に分類され、さらに好ましくは同じ種に分類される
植物である。もっとも、花粉の発達が種子植物の生殖に
不可欠である事実を考慮すれば、ZPT2−5、ZPT
3−1およびZPT4−1と同一または類似の機能を果
たす転写因子が他の植物にも広く存在し得ることは容易
に理解される。
として、代表的にはコサプレッションおよびアンチセン
ス技術を利用し得る。コサプレッションは、植物細胞に
組み換え遺伝子を導入したとき、その遺伝子自体、およ
びその遺伝子の一部と相同な配列を含む内因性遺伝子の
両者の発現が抑制されることをいう。コサプレッション
が利用される場合、本発明における発現カセットは、転
写因子をコードするDNAまたはその断片を、プロモー
ターに対して順方向で連結された形態で含む。転写因子
をコードするDNAまたはその断片は、発現カセットと
して植物細胞に導入された後、プロモーターの制御下で
センス方向に転写され得る。この導入DNAの作用によ
り、所望とする遺伝子発現の抑制が可能となる。コサプ
レッションは、形質転換植物の一部の個体で認められ、
他の個体では十分に起こらない場合が多い。そのため、
通常、遺伝子発現が意図されたように抑制された個体
が、慣用的な手順に従って選択される。
子を導入したとき、導入遺伝子の転写産物(mRNA)
が、内因性遺伝子の転写産物(mRNA)の相補的な配
列とハイブリッドを形成して、内因性遺伝子がコードす
るタンパク質の翻訳が阻害されることをいう。アンチセ
ンスが利用される場合、本発明における発現カセット
は、転写因子をコードするDNAまたはその断片を、プ
ロモーターに対して逆方向で連結された形態で含む。転
写因子をコードするDNAまたはその断片は、発現カセ
ットとして植物細胞に導入された後、プロモーターの制
御下でアンチセンス方向に転写され得る。このアンチセ
ンス転写物の作用により、所望とする遺伝子発現の抑制
が可能となる。
由来のプロモーター)本発明の第4および第5の局面で
ある、形質が改変された植物を作出する方法において有
用なプロモーターは、(a’)配列番号7によって示さ
れる塩基配列の第1位から第2624位までの配列を有
するDNA、(a”)配列番号8によって示される塩基
配列の第1位から第3631位までの配列を有するDN
A、または、(a’)または(a”)の一部の配列を有
し、小胞子に特異的なプロモーター活性を示すDNAの
いずれかを含むプロモーターである。本発明における上
記プロモーターは、好ましくは(a’)または(a”)
のプロモーター、すなわち、ZPT3−1またはZPT
4−1遺伝子のプロモーターである。
プロモーター領域の、組識特異的な発現活性に必須でな
い配列を除去して得られる、小胞子に特異的なプロモー
ター活性を有する配列は、本発明の範囲内にある。この
ような配列は、常法に従ってプロモーターのデリーショ
ン実験を行うことによって、得ることができる。簡潔に
は、ZPT3−1またはZPT4−1遺伝子のプロモー
ター領域の様々な欠失変異体(例えば、ZPT3−1ま
たはZPT4−1遺伝子のプロモーター領域を、5’上
流側から種々の長さに欠失させた変異体)と、適切なレ
ポーター遺伝子(例えば、GUS遺伝子)とを融合した
プラスミドを用いて、欠失変異体の組識特異的プロモー
ター活性を測定することによって、その活性に必須な領
域を特定し得る。
特定されると、さらにその領域内の配列または隣接配列
を改変して、プロモーターの発現活性の程度を高めるこ
とも可能である。このようにして得られる改変体もま
た、小胞子に特異的なプロモーター活性を示す限り、本
発明の範囲内にある。
モーター活性を示す」とは、プロモーターが、天然の植
物中で、または任意の構造遺伝子に連結させた発現カセ
ットとして植物に導入されたときに、DNAの転写を開
始させることにより遺伝子の発現を指示する能力を、小
胞子において特異的に示すことを意味する。ここで「特
異的」とは、同じ植物体の花の、他のすべての組織(タ
ペート層、花糸、花柱、花頭、花弁、萼(がく)などを
含む;ただし葯の開裂組織を除く)よりも、プロモータ
ーの発現活性が高いことをいう。上記特異的なプロモー
ターは、好ましくは、同じ植物体の花の他のすべての組
織および花以外の部分(根、葉、茎など)よりも、プロ
モーターの発現活性が高く、より好ましくは、同じ植物
体の花の他のすべての組織および花以外の部分において
実質的に活性を示さない。「葯の開裂組織に特異的なプ
ロモーター活性を示す」も、上記と同様に定義される。
発現活性の程度は、常法に従って、小胞子におけるプロ
モーターの発現レベルと、花の他の組識における同じプ
ロモータの発現レベルとを比較することによって、評価
され得る。プロモーターの発現レベルは、通常、そのプ
ロモーターの制御下で発現される遺伝子産物の産生量に
よって決定される。
明の方法は、植物の生殖に関連する形質を改変すること
が意図される。ここで「改変」とは、形質転換後の植物
における生殖器官の少なくとも一部が、形質転換前の植
物(野生種または園芸品種)に存在していた機能を失う
か、形質転換前の植物に存在しなかった機能を獲得する
か、または形質転換前の植物と比べて特定の機能の程度
が増強もしくは低減されることをいう。このような形質
の改変は、本発明におけるプロモーターに作動可能に連
結された任意の異種遺伝子が、この遺伝子を導入された
形質転換植物において、プロモーターの制御下で小胞子
に特異的に発現される結果として生じ得る。多くの組織
特異的プロモーターにおいて、その組織特異性が種間を
越えて保存されていることは周知であるので、本発明の
プロモーターもまた幅広い植物種に適用し得ることが容
易に理解される。形質の改変の程度は、形質転換後の植
物の形質を、形質転換前の植物の形質と比較することに
より評価され得る。改変される好ましい形質としては、
雌性不稔および自家不和合性が挙げられるが、これらに
限定されない。
cDNAをプローブとして用いて、植物のゲノミックラ
イブラリーをスクリーニングし、そして対応のゲノミッ
ククローンからコード領域の上流配列を単離することに
より得ることができる。cDNAの例として、上述した
ペチュニア由来の転写因子であるZPT3−1およびZ
PT4−1のcDNAが挙げられる。
単離されたものに限定されず、合成ポリヌクレオチドも
含み得る。合成ポリヌクレオチドは、例えば、上記のよ
うにして配列決定されたプロモーターの配列またはその
活性領域を、当業者に周知の手法によって合成または改
変することにより入手し得る。
築)本発明における転写因子をコードするDNAは、当
業者に周知の方法を用いて、適切なプロモーターに作動
可能に連結された発現カセットとして、公知の遺伝子組
換え技術を用いて、植物細胞に導入され得る。同様に、
本発明における小胞子特異的プロモーターは、所望の異
種遺伝子に作動可能に連結された発現カセットとして、
植物細胞に導入され得る。
ー」は、植物で発現する任意のプロモーターを意味し、
構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、および
誘導性プロモーターのいずれをも含み得る。
の刺激と関係なく一定のレベルで構造遺伝子を発現せし
めるプロモーターをいう。異種遺伝子が植物の他の組織
または器官で発現しても、植物に望ましくない形質を与
えない場合には、構成的プロモーターの使用が簡便であ
り、好ましい。構成的プロモーターの例としては、カリ
フラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモ
ーター(P35S)、およびノパリン合成酵素のプロモ
ーター(Tnos)が挙げられるが、これらに限定され
ない。
おいては、少なくとも小胞子において特異的に構造遺伝
子を発現せしめるプロモーターをいう。このような組織
特異的プロモーターには、本発明におけるZPT3−1
およびZPT4−1遺伝子由来のプロモーターに加え
て、葯特異的に発現活性を示す他の公知のプロモーター
が含まれる。したがって、小胞子特異的プロモーターと
転写因子をコードする配列とを含む、天然のZPT3−
1およびZPT4−1遺伝子の発現カセット自体を、必
要に応じて他の調節エレメントと組み合わせて、使用す
ることも本発明の範囲に含まれる。
理的ストレスなどの特定の刺激を与えたときに構造遺伝
子を発現せしめ、刺激の非存在下では発現活性を示さな
いプロモーターをいう。誘導性プロモーターの例として
は、オーキシンで誘導可能な、グルタチオン S−トラ
ンスフェラーゼ(GST)プロモーター(van de
r Kop,D.A.ら、Plant Mol. Bi
ol.,39:979,1999)が挙げられるが、こ
れに限定されない。
または「植物発現カセット」とは、本発明における転写
因子をコードするDNAと、これに作動可能に(すなわ
ち、当該DNAの発現を制御し得るように)連結された
植物発現プロモーターとを含む核酸配列、ならびに、本
発明における小胞子特異的プロモーターと、これに作動
可能に(すなわち、インフレームに)連結された異種遺
伝子とを含む核酸配列をいう。
れ得る「異種遺伝子」とは、ZPT3−1およびZPT
4−1遺伝子以外のペチュニアにおける内因性遺伝子、
もしくはペチュニア以外の植物における内因性遺伝子、
または植物に対して外来の遺伝子(例えば、動物、昆
虫、細菌、および真菌に由来する遺伝子)であって、そ
の遺伝子産物の発現が小胞子において所望される任意の
遺伝子をいう。本発明における異種遺伝子の好ましい例
は、コードする遺伝子産物が細胞毒性を示し、その発現
によって花粉の発達を阻害する遺伝子である。このよう
な遺伝子の具体例としてbarnase遺伝子(Bea
ls,T.P.およびGoldberg,R.B.,P
lant Cell,9:1527,1997)が挙げ
られるが、これに限定されない。
加えて、さらに種々の調節エレメントが、宿主植物の細
胞中で作動し得る状態で連結されている核酸配列をい
う。好適には、ターミネーター、薬剤耐性遺伝子、およ
びエンハンサーを含み得る。植物発現ベクターのタイプ
および使用される調節エレメントの種類が、宿主細胞に
応じて変わり得ることは、当業者に周知の事項である。
本発明に用いる植物発現ベクターは、さらにT−DNA
領域を有し得る。T−DNA領域は、特にアグロバクテ
リウムを用いて植物を形質転換する場合に遺伝子の導入
の効率を高める。
質をコードする領域の下流に位置し、DNAがmRNA
に転写される際の転写の終結、およびポリA配列の付加
に関与する配列である。ターミネーターは、mRNAの
安定性に寄与し、そして遺伝子の発現量に影響を及ぼす
ことが知られている。ターミネーターの例としては、ノ
パリン合成酵素遺伝子のターミネーター(Tnos)、
およびカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35
Sターミネーターが挙げられるが、これらに限定されな
い。
抜を容易にするものであることが望ましい。カナマイシ
ン耐性を付与するためのネオマイシンホスホトランスフ
ェラーゼII(NPTII)遺伝子、およびハイグロマ
イシン耐性を付与するためのハイグロマイシンホスホト
ランスフェラーゼ遺伝子などが好適に用いられ得るが、
これらに限定されない。
者に周知の遺伝子組換え技術を用いて作製され得る。植
物発現ベクターの構築には、例えば、pBI系のベクタ
ーまたはpUC系のベクターが好適に用いられるが、こ
れらに限定されない。
された発現カセット、またはこれを含む発現ベクター
は、公知の遺伝子組換え技術を用いて、所望の植物細胞
に導入され得る。導入された発現カセットは、植物細胞
中のDNAに組み込まれて存在する。なお、植物細胞中
のDNAとは、染色体のみならず、植物細胞中に含まれ
る各種オルガネラ(例えば、ミトコンドリア、葉緑体)
に含まれるDNAをも含む。
葉植物および双子葉植物のいずれも含む。好ましい植物
は、双子葉植物である。双子葉植物は、離弁花亜綱およ
び合弁花亜綱のいずれも含む。好ましい亜綱は、合弁花
亜綱である。合弁花亜綱は、リンドウ目、ナス目、シソ
目、アワゴケ目、オオバコ目、キキョウ目、ゴマノハグ
サ目、アカネ目、マツムシソウ目、およびキク目のいず
れも含む。好ましい目は、ナス目である。ナス目は、ナ
ス科、ハゼリソウ科、ハナシノブ科、ネナシカズラ科、
およびヒルガオ科のいずれも含む。好ましい科は、ナス
科である。ナス科は、ペチュニア属、チョウセンアサガ
オ属、タバコ属、ナス属、トマト属、トウガラシ属、ホ
オズキ属、およびクコ属などを含む。好ましい属は、ペ
チュニア属、チョウセンアサガオ属、およびタバコ属で
あり、より好ましくは、ペチュニア属である。ペチュニ
ア属は、P.hybrida種、P.axillari
s種、P.inflata種、およびP.violac
ea種などを含む。好ましい種は、P.hybrida
種である。「植物」は、特に他で示さない限り、花を有
する植物体および植物体から得られる種子を意味する。
び根などの植物器官における各組織の細胞、カルスなら
びに懸濁培養細胞が挙げられる。
は、当業者に周知の方法、例えば、アグロバクテリウム
を介する方法、および直接細胞に導入する方法が用いら
れ得る。アグロバクテリウムを介する方法としては、例
えば、Nagelらの方法(FEMS Microbi
ol. Lett., 67:325(1990))が
用いられ得る。この方法は、まず、植物発現ベクターで
(例えば、エレクトロポレーションによって)アグロバ
クテリウムを形質転換し、次いで、形質転換されたアグ
ロバクテリウムをリーフディスク法などの周知の方法に
より植物細胞に導入する方法である。植物発現ベクター
を直接細胞に導入する方法としては、エレクトロポレー
ション法、パーティクルガン、リン酸カルシウム法、お
よびポリエチレングリコール法などがある。これらの方
法は、当該分野において周知であり、形質転換する植物
に適した方法が、当業者により適宜選択され得る。
えば、カナマイシン耐性などの薬剤耐性を基準として選
択される。選択された細胞は、常法により植物体に再生
され得る。
現ベクターが機能的であることは、当業者に周知の手法
を用いて確認し得る。例えば、内因性遺伝子の発現の抑
制を目的とする場合、この確認は、ノーザンブロット解
析を用いた転写レベルの測定によって行い得る。このよ
うにして、内因性の転写因子の発現が抑制された所望と
する形質転換植物体を選択することができる。組織特異
的プロモーターを用いた異種遺伝子の発現を目的とする
場合も、異種遺伝子の発現の確認は、通常、対象組織か
ら抽出されたRNAを試料とするノーザンブロット解析
を用いて行い得る。この解析法の手順は当業者に周知で
ある。
発現が抑制され、花粉の稔性が低下したことは、例え
ば、転写因子をコードするDNAを含む発現ベクターで
形質転換して得られた植物の花粉の形態を、必要に応じ
て組識化学的染色を行ったうえ、顕微鏡観察することで
確認できる。
が小胞子に特異的に発現されたことは、例えば、プロモ
ータとGUS遺伝子とが作動可能に連結された発現ベク
ターで形質転換して得られた植物における、葯を含む花
の組織でのGUS活性の分布を、常法により組識化学的
染色を行うことで確認できる。
る。本発明の範囲は、実施例のみに限定されるものでは
ない。実施例で使用される制限酵素、プラスミドなど
は、商業的な供給源から入手可能である。
るポリヌクレオチドを含む植物発現ベクターの構築)以
前に報告した葯特異的ZF遺伝子(Kobayashi
ら、前出)のうち、PEThyZPT2−5(ZPT2
−5)、PEThyZPT3−1(ZPT3−1)、お
よびPEThyZPT4−1(ZPT4−1)のcDN
Aを、それぞれ、カリフラワーモザイクウイルスの35
Sプロモーターの下流につないで、植物発現ベクターを
作成した。具体的には、下記の通りである。
(CLONTECH Laboratories In
c.から購入)中のカリフラワーモザイクウイルス35
Sプロモーターを含むDNA断片(HindIII−X
baI断片)およびNOSターミネーターを含むDNA
断片(SacI−EcoRI断片)を順次プラスミドp
UCAP(van Engelen,F.A.ら、Tr
ansgenic Res.,4:288,1995)
のマルチクローニングサイトに挿入し、pUCAP35
Sを作製した。一方、ZPT2−5のcDNAを含むp
Bluescript ベクターをKpnIサイトおよ
びSacIサイト(いずれもベクター中のサイト)で切
断し、上記pUCAP35SのKpnIおよびSacI
サイトの間に挿入した。さらにこの組み替えプラスミド
をEcoRIおよびHindIIIで切断し、ZPT2
−5をコードするDNA断片をバイナリーベクターpB
INPLUS(van Engelen, F.A.
ら、前出)のEcoRIおよびHindIIIサイトに
導入した。構築されたZPT2−5遺伝子は、図4
(a)から明らかなように、カリフラワーモザイクウイ
ルス(CaMV)の35Sプロモーター領域(P35
S;0.9 kb)、本発明のZPT2−5をコードす
るポリヌクレオチド(ZPT2−5;約0.8kb)、
およびノパリン合成酵素のターミネーター領域(Tno
s;0.3kb)から構成されている。図4中のPno
sは、ノパリン合成酵素のプロモーター領域、NPTI
IはネオマイシンホスホトランスフェラーゼII遺伝子
を示す。
を含むpBluescript ベクターをKpnIサ
イトおよびSacIサイト(いずれもベクター中のサイ
ト)で切断し、pUCAP35SのKpnIおよびSa
cIサイトの間に挿入した。さらにこの組み換えプラス
ミドをEcoRIおよびHindIIIで切断し、ZP
T3−1をコードするDNA断片をバイナリーベクター
pBINPLUSのEcoRIおよびHindIIIサ
イトに導入した。構築されたZPT3−1遺伝子は、図
4(b)から明らかなように、カリフラワーモザイクウ
イルス(CaMV)の35Sプロモーター領域(P35
S;0.9kb)、本発明のZPT3−1をコードする
ポリヌクレオチド(ZPT3−1;約1.7kb)、お
よびノパリン合成酵素のターミネーター領域(Tno
s;0.3kb)から構成されている。
を含むpBluescript ベクターをKpnIサ
イトおよびSacIサイト(いずれもベクター中のサイ
ト)で切断し、上記pUCAP35SのKpnIおよび
SacIサイトの間に挿入した。さらにこの組み換えプ
ラスミドをEcoRIおよびHindIIIで切断し、
ZPT4−1をコードするDNA断片をバイナリーベク
ターpBINPLUSのEcoRIおよびHindII
Iサイトに導入した。構築されたZPT4−1遺伝子
は、図4(c)から明らかなように、カリフラワーモザ
イクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター領域
(P35S;0.9kb)、本発明のZPT4−1をコ
ードするポリヌクレオチド(ZPT4−1;約2.0k
b),およびノパリン合成酵素のターミネーター領域
(Tnos;0.3kb)から構成されている。
−1プロモーター領域の単離ならびにGUSレポーター
遺伝子との連結)ZPT3−1およびZPT4−1のc
DNAをプローブにして、ペチュニアのゲノムDNAラ
イブラリーから、対応するゲノミック・クローンを単離
し、転写開始点上流のDNA断片(プロモーター領域;
約2.7kbおよび約3.6kb)をサブクローニング
した。それぞれのDNA断片をGUSレポーター遺伝子
の上流につないでバイナリー・ベクターにクローニング
した。具体的には、以下の通りである。
を、通常のランダムプライム法(Sambrookら、
前出)を用いて[α32P]dCTPで標識して放射性
標識プローブを作製し、これを用いてEMBL3ベクタ
ー(Stratagene製)中に作製したペチュニア
(Petunia hybrida var. Mit
chell)のゲノミックライブラリーをスクリーニン
グした。得られたクローンから遺伝子上流領域を含む約
2.7kbのゲノムDNA断片(PstI−SacI)
をpBluescriptSKベクターのPstI−S
acIサイトにサブクローニングし(pBS−ZPT3
−1−PS)、塩基配列を決定した(図5A〜5B)。
次に、このプラスミドを鋳型とし、SalI認識配列を
含むプライマー(3’−TATGGAGCTCGTCG
ACAG TTGATGGTTCATTTTTCTGG
CTATTGTC−5’;配列番号11)および市販の
M13−20プライマーを用いてPCRを行い、ZPT
3−1タンパク質翻訳開始点のすぐ下流(塩基番号26
61)にSalIサイトを導入した。そして、PstI
およびSalIで切断して得られたDNA断片をpUC
APGUSNTのGUSコード領域の上流に挿入した
(pUCAP−ZPT3−1−GUSNT)。これによ
ってZPT3−1遺伝子コード領域のN末端近傍の領域
でin frameでGUSコード領域と接続された。
さらにpUCAP−ZPT3−1−GUSNTをAsc
IおよびPacIで切断して得られるDNA断片(ZP
T3−1プロモーター、GUSコード領域およびNOS
ターミネーターを含む)をpBINPLUSベクターに
挿入し、pBIN−ZPT3−1−GUSを得た(図7
(a))。
同様にゲノムDNAを単離し、ZPT4−1遺伝子上流
領域を含む約3.6kbのDNA断片(EcoRI−E
coRI)をpBluescriptSKベクターのE
coRI−EcoRIサイトにサブクローニングし(p
BS−ZPT4−1−EE)、塩基配列を決定した(図
6A〜6B)。このプラスミドを鋳型にし、BamHI
認識配列(3’−CATGGATATAGGATCCT
ATATC−5’;配列番号12)を含むプライマーお
よびM13−20プライマーを用いてPCRを行い、Z
PT4−1タンパク質翻訳開始点のすぐ下流(塩基番号
3641)にBamHIサイトを導入した。そして、E
coRIおよびBamHIで切断して得られたDNA断
片をpUCAPGUSNTのGUSコード領域の上流に
挿入した(pUCAP−ZPT4−1−GUSNT)。
これによってZPT4−1遺伝子コード領域のN末端近
傍の領域でin frameでGUSコード領域と接続
された。さらに、上記と同様にしてDNA断片(Asc
I−PacI)をpBINPLUSベクターに挿入し、
pBIN−ZPT4−1−GUSを作製した(図7
(b))。
胞への導入)上記の各発現ベクターを、以下の手順で、
アグロバクテリウムを介して、ペチュニア(Petun
ia hybrida var. Mitchell)
に導入した。
エンスLBA4404株(CLONTECH Labo
ratories Inc.から購入)を250mg/
mlのストレプトマイシンと50mg/mlのリファン
ピシンを含むL培地中、28℃で培養した。Nagel
ら(1990)(前出)の方法に従って、細胞懸濁液を
調製し、実施例1および2で構築したプラスミドベクタ
ーをエレクトロポレーションにより、上記菌株に導入し
た。
レオチドを、以下の方法によって、ペチュニア細胞へ導
入した:上記(1)で得られたアグロバクテリウム・チ
ュメファシエンスLBA4404株をYEB培地(DN
A Cloning第2巻、78頁、Glover
D.M.編、IRL Press、1985)で振とう
培養(28℃、200rpm)した。得られた培養液
を、滅菌水で20倍に希釈し、ペチュニア(Petun
ia hybrida var. Mitchell)
の葉片と共存培養した。2〜3日後、抗生物質を含む培
地で上記細菌を除去し、2週間ごとに選択培地で継代
し、上記5種類の融合遺伝子と共に導入された、pBI
NPLUS由来のNPTII遺伝子発現によるカナマイ
シン抵抗性の有無に基づいて、形質転換されたペチュニ
ア細胞を選抜した。選抜した細胞を、常法によりカルス
を誘導した後、植物体に再分化した(Jorgense
n R.A.ら,Plant Mol. Biol.,
31:957,1996)。
質転換ペチュニアの表現型)実施例1のベクターを導入
して得られた形質転換体を用い、ZPT2−5、ZPT
3−1およびZPT4−1の発現の制御に伴う花粉の形
態変化を観察することによって、これらZPT遺伝子群
のcDNA導入による植物への影響を検討した。具体的
には、以下の通りである。
を35Sプロモーターの制御下に導入した形質転換体
(14個体)から、ノーザンブロット解析によって、コ
サプレッションによる遺伝子発現の抑制が起こった個体
(3個体)を選抜した。(なお、14個体のうち他の4
個体では、導入したZPT2−5遺伝子の過剰発現が観
察された。)ノーザンブロット解析の条件は、次の通
り:7%SDS、50%ホルムアミド、5xSSC、2
%ブロッキング試薬(Boehringer Mann
heim製)、50mMリン酸ナトリウム・バッファー
(pH7.0)、0.1%ラウリルサルコシン・ナトリ
ウム、50μg/ml酵母tRNA、および32P標識プ
ローブDNA(1x107cpm)を含む溶液中で、6
8℃で16時間ハイブリダイズさせた後、2xSSC/
0.1%SDSで68℃、30分間の洗浄。
において、以下のような表現型が観察された(図8)。
おいて、正常な(野生型の)ペチュニアでは、クロマチ
ンの凝縮による細糸状構造の形成に続き(前期Iの細糸
期)、相同染色体が対合する(前期Iの接合糸期)。次
に、中期I(metaphaseI)に入ると、4分染
色体が細胞赤道面にならび、その後、紡錘装置によって
相同染色体が均等に細胞の両極に分離する。他方、ZP
T2−5遺伝子のコサプレッションを起こした形質転換
体では、中期Iにおいて4分染色体が細胞赤道面に正し
く並ぶことのないまま、染色体の極分離が進行した。こ
のとき、染色体の両極への分配が著しく不均等であっ
た。
染色体分離の後、2回目の染色体分離によって、4つの
ハプロイドのグループが形成され、その後に細胞質分離
が起こる。他方、上記のコサプレッションを起こした形
質転換体では、一回目の染色体分離の直後に細胞質分離
および細胞分裂が起こった。また、この不均等な細胞分
裂は一回でとどまらず、少なくともさらに二回繰り返さ
れて、最高8個の小胞子細胞が形成された。不均等な染
色体分離のために、これらの小胞子細胞に含まれる染色
体数は不均一であり、それに伴って、細胞の大きさも著
しく不均等であった。結果として、正常なペチュニアに
おいて四分子期にあたる時期に、これらの形質転換体で
は、正常より多い数の小胞子(最高8個)が形成されて
いた(図8(f);つぼみのサイズ6mmにおけるZP
T2−5コサプレッション形質転換体の花粉細胞の写
真。また、図9(b);四分子期における形質転換体の
花粉細胞の写真も参照)。
胞子の一部(10−20%)はその後も発達を続けた
が、大部分の小胞子細胞は、これらを包むカロース層が
分解される前に、破裂した。この段階で破裂せずに生き
残った小胞子は、六面体に近い異常形態を示し、正常な
小胞子の4面体形態とは明らかに異なっていた。異常形
態の小胞子は、その後、一見正常な有糸分裂によって二
核となって、花粉粒を形成した。しかし、これらの花粉
粒は稔性をほとんど失っていた。すなわち、正常なペチ
ュニアの雌ずいにこれらの形質転換体の花粉粒をかける
と、コサプレッションを示した3系統からの花粉では、
種子形成が全く無いか、または、わずかに種子が形成さ
れるのみ(最高でも10%、つまり、ペチュニア1株あ
たりで産生される種子の数が、約10個の花の平均とし
て、コントロールの1割)であった。コサプレッション
を示さない形質転換体3系統からの花粉では、野生型の
コントロール植物の場合と同様の、正常な種子形成が確
認された。
た、雌性配偶体形成にも異常を示し、雌性稔性が正常個
体の25−35%に低下していた。すなわち、胚珠(雌
性配偶体)の発達は外観上正常であったものの、野生型
の花粉で受粉したとき過半数の胚珠が受精できず、受精
したものも以後の発達に異常を示し、多くが死滅(ab
ort)した。この場合も、コサプレッションを示さな
い形質転換体では、野生型のコントロール植物の場合と
同様の、正常な雌性配偶体形成が観察された。
を35Sプロモーターの支配下に導入すると、ZPT2
−5遺伝子を導入した場合と同様の形質変化が、15個
体中、3個体に表れた(図9)。すなわち、これらの形
質転換体では、減数分裂の過程でZPT2−5の場合と
全く同様の異常が見られた。そして、小胞子期まで発達
する細胞数は非常に少なく、生き残った小胞子は形態異
常(6面体)を示した。さらに、成熟した花粉粒は稔性
を失っていた。しかし、ZPT2−5の場合とは異な
り、これらの個体では雌性稔性には影響がなかった。
ット法による遺伝子発現解析の結果、ZPT3−1遺伝
子を導入した個体においては、ZPT3−1とZPT4
−1との両方の遺伝子の発現抑制が観察された。両遺伝
子は、構造的類似性が高い。すなわち、コード領域全体
の塩基配列の相同性は37%であり、ZPT3−1の2
番目のZF領域とZPT4−1の3番目のZF領域、お
よびZPT3−1の3番目のZF領域とZPT4−1の
4番目のZF領域とを、相同性値が最大化されるように
近傍の配列を含めて、塩基配列レベルで、それぞれ比較
したときの相同性の平均値は86%である(配列比較は
Clustal Vプログラムによる)。従って、上記
の発現抑制事象は、一つの遺伝子の導入によって二つの
遺伝子の発現抑制(コサプレッション)が起こったこと
による可能性が高い。このことは、これら二つの遺伝子
の機能が重複していることを示唆し、両遺伝子の各々の
導入によって共通した表現型の変化が見られることとも
符合する。
を35Sプロモーターの支配下に導入すると、ZPT2
−5遺伝子を導入した場合と同様の形質変化が、13個
体中、2個体に表れた。すなわち、これらの形質転換体
では、減数分裂の過程でZPT2−5の場合と全く同様
の異常が見られた。そして、小胞子期まで発達する細胞
数は非常に少なく、生き残った小胞子は形態異常(6面
体)を示した。さらに、成熟した花粉粒は稔性をほとん
ど失っていた。しかし、ZPT3−1の場合と同様に、
これらの個体では雌性稔性には影響がなかった。上述し
た理由から、本実施例においても、ZPT3−1とZP
T4−1との両方の遺伝子の発現抑制(コサプレッショ
ン)が起こった可能性が高い。
1またはZPT4−1をコードする遺伝子の導入によっ
て、きわめて高い効率で、花粉の発達を阻害し、稔性を
喪失させることができる(ZPT3−1で99%以上、
ZPT2−5およびZPT4−1で90%以上)。ま
た、これらの遺伝子群の導入は、その効果が花粉(ZP
T2−5の場合、花粉および雌性配偶体)に特異的であ
り、植物の他の形質に影響を与えない点で、選択的な形
質改変技術として有用であり得る。
−1プロモーター活性の組織特異性)実施例2のベクタ
ーを導入して得られた形質転換体を用い、GUS活性に
よる組織化学的染色を行うことによって、上記DNA断
片が有する組織特異的プロモーター活性を検出した。具
体的には、以下の通りである。
流領域とGUSとの融合遺伝子を導入して得られた形質
転換体の花を用い、X−GUSを基質にしてGUS活性
の分布を調べた(Gallagher,S.R.編、G
US protocols:using the GU
S gene as a reporter of g
ene expressin、Academic Pr
ess,Inc.,pp.103−114,199
2)。その結果、GUS活性は1核期の小胞子において
特異的に検出された(図10(a)〜(c))。
流領域とGUSとの融合遺伝子を導入して得られた形質
転換体の花を用い、上記と同様にGUS活性の分布を調
べた。その結果、GUS活性は、一核期から二核期にか
けての小胞子および葯の開裂組織において特異的に観察
された(図10(d)〜(f);葯の開裂組織を図10
(e)および(f)に矢印で示す)。
4−1遺伝子のプロモーターは、一核期の小胞子(ZP
T3−1)および一核期から二核期にかけての小胞子
(ZPT4−1)にそれぞれ特異的な活性を示す。ZP
T4−1遺伝子のプロモーターは、一核期から二核期に
かけての葯の開裂組織にも特異的な活性を示す。
る前駆細胞である。従って、これらのプロモーターは、
花粉の発達に関連する詳細な研究のためのツールとして
有用である。さらに、これらのプロモーターまたはその
活性断片を用いて、細胞毒性のある遺伝子などを小胞子
に特異的に発現させ、花粉細胞を死滅させまたは機能を
失わせることによって、花粉の発達を直接的かつ効率的
に制御し得る。
T4−1遺伝子由来の転写因子をコードするDNA、な
らびに、ZPT3−1およびZPT4−1遺伝子由来の
プロモーターを利用する本件発明の方法は、遺伝子工学
的に植物の形質を選択的に改変する技術、特に、雄性不
稔形質を付与する技術として有用である。
書中、単に「ZPT2−5遺伝子」ともいう)のcDN
A配列、および対応するアミノ酸配列を示す図である。
2つのジンクフィンガーモチーフ、およびDLNL配列
(アミノ酸145位〜155位)を下線で示す。
書中、単に「ZPT3−1遺伝子」ともいう)のcDN
A配列、および対応するアミノ酸配列を示す図である。
3つのジンクフィンガーモチーフ、およびDLNL配列
(アミノ酸408位〜417位)を下線で示す。
書中、単に「ZPT4−1遺伝子」ともいう)のcDN
A配列、および対応するアミノ酸配列を示す図である。
4つのジンクフィンガーモチーフ、およびDLNL配列
(アミノ酸438位〜449位)を下線で示す。
−1の各cDNA配列を発現するための植物発現ベクタ
ー(pBIN−35S−ZPT2−5、pBIN−35
S−ZPT3−1およびpBIN−35S−ZPT4−
1)の構成を示す概略図である。
列を示す図である。転写開始点(2567位)を太矢印
で、翻訳開始コドン(ATG)を下線太字で示す。
列を示す図である。転写開始点(3503位)を太矢印
で、翻訳開始コドン(ATG)を下線太字で示す。
ロモーターを解析するための植物発現ベクター(pBI
N−ZPT3−1−GUSおよびpBIN−ZPT3−
1−GUS)の構成を示す概略図である。
5S−ZPT2−5を導入したペチュニア(コサプレッ
ションを起こした形質転換体)の花粉とを撮影した、生
物の形態を示す写真である(倍率は400倍)。図8
(a)〜(d)は野生型ペチュニア、そして図8(e)
〜(h)はコサプレッション形質転換ペチュニアについ
ての、それぞれつぼみの異なる成長段階における花粉を
示す。花粉はいずれも、常法によりDAPI(4’,6
−diamidino−2−phenylindole
dihydrochloride n−hydrat
e)で染色した。
5S−ZPT3−1を導入したペチュニアの花粉とを撮
影した、生物の形態を示す写真である(倍率は700
倍)。図9(a)および(c)は野生型ペチュニア、図
9(b)および(d)は形質転換ペチュニアについて
の、それぞれ四分子期および小胞子期における花粉を示
す。四分子期の花粉はDAPIで、小胞子期の花粉はサ
フラニンで、それぞれ常法により染色した。なお、pB
IN−35S−ZPT4−1を導入したペチュニアの花
粉でも、図9(b)および(d)と全く同様の形態が観
察された。
BIN−ZPT4−1−GUSを導入したペチュニアの
GUS染色した花の器官を撮影した、生物の形態を示す
写真である。いずれも、葯が一核期にある花(つぼみ)
を撮影対象とした。図10(a)および(d)は、つぼ
みの外観を実寸大で、図10(b)および(e)は、葯
の低倍率(40倍)での断面図を、図6(c)および
(f)は、小胞子(図6(c);倍率は700倍)また
は葯の開裂組織周辺(図6(f);倍率は200倍)の
高倍率での断面図を、それぞれ示す。
Claims (27)
- 【請求項1】 雄性不稔性の植物を作出する方法であっ
て: (i)配列番号1によって示される塩基配列の第1位か
ら第777位までの配列を有するDNA、(ii)
(i)の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな
条件下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御する転写
因子をコードするDNA、または(iii)(i)もし
くは(ii)の断片であるDNAのいずれかである核酸
と、該核酸に作動可能に連結されたプロモーターとを含
む、植物発現カセットを提供する工程、 花粉の発達を制御する内因性の転写因子を有する植物の
細胞を提供する工程であって、ここで、該内因性の転写
因子をコードする遺伝子は、該核酸とストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする、工程、 該発現カセットを該植物細胞に導入する工程、 該発現カセットが導入された植物細胞を植物体に再生す
る工程、および該再生された植物体であって、該核酸が
発現されることによって、該内因性の転写因子の発現が
抑制された植物体を選択する工程を包含し、 ただし、上記(ii)のDNAは、(iv)配列番号1
3によって示される塩基配列の第1位から第1886位
までの配列を有するDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズし、花粉の発達を制御する転写因子を
コードするDNAを含まない、方法。 - 【請求項2】 雄性不稔性の植物を作出する方法であっ
て: (i’)配列番号3によって示される塩基配列の第1位
から第1640位までの配列を有するDNA、(i
i’)(i’)の塩基配列を有するDNAとストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御
する転写因子をコードするDNA、または(iii’)
(i’)もしくは(ii’)の断片であるDNAのいず
れかである核酸と、該核酸に作動可能に連結されたプロ
モーターとを含む、植物発現カセットを提供する工程、 花粉の発達を制御する内因性の転写因子を有する植物の
細胞を提供する工程であって、ここで、該内因性の転写
因子をコードする遺伝子は、該核酸とストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする、工程、 該発現カセットを該植物細胞に導入する工程、 該発現カセットが導入された植物細胞を植物体に再生す
る工程、および該再生された植物体であって、該核酸が
発現されることによって、該内因性の転写因子の発現が
抑制された植物体を選択する工程を包含し、 ただし、上記(ii’)のDNAは、(iv)配列番号
13によって示される塩基配列の第1位から第1886
位までの配列を有するDNAとストリンジェントな条件
下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御する転写因子
をコードするDNAを含まない、方法。 - 【請求項3】 雄性不稔性の植物を作出する方法であっ
て: (i”)配列番号5によって示される塩基配列の第1位
から第1948位までの配列を有するDNA、(i
i”)(i”)の塩基配列を有するDNAとストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御
する転写因子をコードするDNA、または(iii”)
(i”)もしくは(ii”)の断片であるDNAのいず
れかである核酸と、該核酸に作動可能に連結されたプロ
モーターとを含む、植物発現カセットを提供する工程、 花粉の発達を制御する内因性の転写因子を有する植物の
細胞を提供する工程であって、ここで、該内因性の転写
因子をコードする遺伝子は、該核酸とストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする、工程、 該発現カセットを該植物細胞に導入する工程、 該発現カセットが導入された植物細胞を植物体に再生す
る工程、および該再生された植物体であって、該核酸が
発現されることによって、該内因性の転写因子の発現が
抑制された植物体を選択する工程を包含し、 ただし、上記(ii”)のDNAは、(iv)配列番号
13によって示される塩基配列の第1位から第1886
位までの配列を有するDNAとストリンジェントな条件
下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御する転写因子
をコードするDNAを含まない、方法。 - 【請求項4】 前記核酸が前記プロモーターに対して順
方向で連結され、前記植物体の細胞内でセンス方向に転
写され得る、請求項1から3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 前記核酸が前記プロモーターに対して逆
方向で連結され、前記植物体の細胞内でアンチセンス方
向に転写され得る、請求項1から3のいずれかに記載の
方法。 - 【請求項6】 前記植物が双子葉植物である、請求項1
から3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 前記植物がナス科植物である、請求項6
に記載の方法。 - 【請求項8】 前記植物がペチュニア属植物である、請
求項7に記載の方法。 - 【請求項9】 前記発現カセットが植物発現ベクターに
組み込まれている、請求項1から3のいずれかに記載の
方法。 - 【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載の方
法により作出された、雄性不稔植物。 - 【請求項11】 植物に雄性不稔性を付与する方法であ
って: (i)配列番号1によって示される塩基配列の第1位か
ら第777位までの配列を有するDNA、(ii)
(i)の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな
条件下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御する転写
因子をコードするDNA、または(iii)(i)もし
くは(ii)の断片であるDNAのいずれかである核酸
と、該核酸に作動可能に連結されたプロモーターとを含
む、植物発現カセットを提供する工程、 花粉の発達を制御する内因性の転写因子を有する植物の
細胞を提供する工程であって、ここで、該内因性の転写
因子をコードする遺伝子は、該核酸とストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする、工程、 該発現カセットを該植物細胞に導入する工程、 該発現カセットが導入された植物細胞を植物体に再生す
る工程、および該再生された植物体であって、該核酸が
発現されることによって、該内因性の転写因子の発現が
抑制された植物体を選択する工程を包含し、 ただし、上記(ii)のDNAは、(iv)配列番号1
3によって示される塩基配列の第1位から第1886位
までの配列を有するDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズし、花粉の発達を制御する転写因子を
コードするDNAを含まない、方法。 - 【請求項12】 植物に雄性不稔性を付与する方法であ
って: (i’)配列番号3によって示される塩基配列の第1位
から第1640位までの配列を有するDNA、(i
i’)(i’)の塩基配列を有するDNAとストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御
する転写因子をコードするDNA、または(iii’)
(i’)もしくは(ii’)の断片であるDNAのいず
れかである核酸と、該核酸に作動可能に連結されたプロ
モーターとを含む、植物発現カセットを提供する工程、 花粉の発達を制御する内因性の転写因子を有する植物の
細胞を提供する工程であって、ここで、該内因性の転写
因子をコードする遺伝子は、該核酸とストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする、工程、 該発現カセットを該植物細胞に導入する工程、 該発現カセットが導入された植物細胞を植物体に再生す
る工程、および該再生された植物体であって、該核酸が
発現されることによって、該内因性の転写因子の発現が
抑制された植物体を選択する工程を包含し、 ただし、上記(ii’)のDNAは、(iv)配列番号
13によって示される塩基配列の第1位から第1886
位までの配列を有するDNAとストリンジェントな条件
下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御する転写因子
をコードするDNAを含まない、方法。 - 【請求項13】 植物に雄性不稔性を付与する方法であ
って: (i”)配列番号5によって示される塩基配列の第1位
から第1948位までの配列を有するDNA、(i
i”)(i”)の塩基配列を有するDNAとストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御
する転写因子をコードするDNA、または(iii”)
(i”)もしくは(ii”)の断片であるDNAのいず
れかである核酸と、該核酸に作動可能に連結されたプロ
モーターとを含む、植物発現カセットを提供する工程、 花粉の発達を制御する内因性の転写因子を有する植物の
細胞を提供する工程であって、ここで、該内因性の転写
因子をコードする遺伝子は、該核酸とストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする、工程、 該発現カセットを該植物細胞に導入する工程、 該発現カセットが導入された植物細胞を植物体に再生す
る工程、および該再生された植物体であって、該核酸が
発現されることによって、該内因性の転写因子の発現が
抑制された植物体を選択する工程を包含し、 ただし、上記(ii”)のDNAは、(iv)配列番号
13によって示される塩基配列の第1位から第1886
位までの配列を有するDNAとストリンジェントな条件
下でハイブリダイズし、花粉の発達を制御する転写因子
をコードするDNAを含まない、方法。 - 【請求項14】 形質が改変された植物を作出する方法
であって: (a’)配列番号7によって示される塩基配列の第1位
から第2624位までの配列を有するDNA、または
(b’)(a’)の一部の配列を有し、小胞子に特異的
なプロモーター活性を示すDNAのいずれかを含むプロ
モーターと、該プロモーターに作動可能に連結された異
種遺伝子とを含む、植物発現カセットを提供する工程、 該発現カセットを植物細胞に導入する工程、および該発
現カセットが導入された植物細胞を、植物体に再生する
工程を包含する、方法。 - 【請求項15】 形質が改変された植物を作出する方法
であって: (a”)配列番号8によって示される塩基配列の第1位
から第3631位までの配列を有するDNA、または
(b”)(a”)の一部の配列を有し、小胞子に、およ
び任意に葯の開裂組織に、特異的なプロモーター活性を
示すDNAのいずれかを含むプロモーターと、該プロモ
ーターに作動可能に連結された異種遺伝子とを含む、植
物発現カセットを提供する工程、 該発現カセットを植物細胞に導入する工程、および該発
現カセットが導入された植物細胞を、植物体に再生する
工程を包含する、方法。 - 【請求項16】 前記形質は稔性であり、形質が改変さ
れた植物は、雄性不稔植物である、請求項14または1
5に記載の方法。 - 【請求項17】 前記形質は和合性であり、形質が改変
された植物は自家不和合性植物である、請求項14また
は15に記載の方法。 - 【請求項18】 前記植物が双子葉植物である、請求項
14または15に記載の方法。 - 【請求項19】 前記植物がナス科植物である、請求項
18に記載の方法。 - 【請求項20】 前記植物がペチュニア属植物である、
請求項19に記載の方法。 - 【請求項21】 前記発現カセットが植物発現ベクター
に組み込まれている、請求項14または15に記載の方
法。 - 【請求項22】 請求項14から21のいずれかに記載
の方法により作出された、形質が改変された植物。 - 【請求項23】 植物に雄性不稔性を付与する方法であ
って: (a’)配列番号7によって示される塩基配列の第1位
から第2624位までの配列を有するDNA、または
(b’)(a’)の一部の配列を有し、小胞子に特異的
なプロモーター活性を示すDNAのいずれかを含むプロ
モーターと、該プロモーターに作動可能に連結された異
種遺伝子とを含む、植物発現カセットを提供する工程、 該発現カセットを植物細胞に導入する工程、および該発
現カセットが導入された植物細胞を、植物体に再生する
工程を包含する、方法。 - 【請求項24】 植物に雄性不稔性を付与する方法であ
って: (a”)配列番号8によって示される塩基配列の第1位
から第3631位までの配列を有するDNA、または
(b”)(a”)の一部の配列を有し、小胞子に、およ
び任意に葯の開裂組織に、特異的なプロモーター活性を
示すDNAのいずれかを含むプロモーターと、該プロモ
ーターに作動可能に連結された異種遺伝子とを含む、植
物発現カセットを提供する工程、 該発現カセットを植物細胞に導入する工程、および該発
現カセットが導入された植物細胞を、植物体に再生する
工程を包含する、方法。 - 【請求項25】 以下の(I’)または(II’)のD
NAを含むプロモーター: (I’)配列番号7によって示される塩基配列の第1位
から第2624位までの配列を有するDNA、または
(II’)(I’)の一部の配列を有し、小胞子に特異
的なプロモーター活性を示すDNA。 - 【請求項26】 以下の(I”)または(II”)のD
NAを含むプロモーター: (I”)配列番号8によって示される塩基配列の第1位
から第3631位までの配列を有するDNA、または
(II”)(I”)の一部の配列を有し、小胞子に、お
よび任意に葯の開裂組織に、特異的なプロモーター活性
を示すDNA。 - 【請求項27】 請求項25または26に記載のプロモ
ーターと、該プロモーターに作動可能に連結された異種
遺伝子とを含む、植物に雄性不稔性を付与するために有
用な植物発現カセット。
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CN109476715A (zh) * | 2016-05-26 | 2019-03-15 | 纽海姆有限公司 | 产无籽果实的植物 |
CN111154756A (zh) * | 2020-01-07 | 2020-05-15 | 深圳市作物分子设计育种研究院 | 植物花药花粉发育后期特异性表达启动子及其应用 |
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