JP2001145014A - 画像信号処理装置、画像信号処理方法及び記録媒体 - Google Patents

画像信号処理装置、画像信号処理方法及び記録媒体

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JP2001145014A
JP2001145014A JP32534399A JP32534399A JP2001145014A JP 2001145014 A JP2001145014 A JP 2001145014A JP 32534399 A JP32534399 A JP 32534399A JP 32534399 A JP32534399 A JP 32534399A JP 2001145014 A JP2001145014 A JP 2001145014A
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image processing
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image signal
frame
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Kazuki Konishi
一樹 小西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレーム画像を領域分割して適切な画像処理
を行うことができる画像信号処理装置を提供することを
課題とする。 【解決手段】 本発明の画像信号処理装置は、画像デー
タを生成するイメージゾーン(30)と、フレーム画像
を中央部と周辺部の領域に分割し、該領域に応じて異な
る画像処理を行う画像処理手段(31)と、画像処理さ
れた画像データを記憶するメモリーゾーン(32)と、
画像処理手段により画像処理された第1のフレーム画像
とその前のフレームである第2のフレーム画像との相関
演算を行う相関演算手段(1)と、相関演算の結果に応
じてカメラの手振れ量を検出する手振れ検出手段(1)
と、手振れ量に応じてレンズを駆動する駆動手段とを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理技術に関
し、特に、フレーム画像を領域分割して画像処理する画
像処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】像ぶれ防止制御のためのイメージセンサ
ーを用いた技術としては、特開平6−38091号公報
がある。特開平6−38091号公報は、カメラ一体型
VTRにおいて、手振れ等によって生じる画像ブレの検
出および補正を行うものであり、以下のような構成を有
する。
【0003】x方向およびy方向のそれぞれについて入
力画像情報を加算平均し、その加算結果から得られる輝
度傾斜部に基づいて画像ブレを検出することにより、少
ない情報量で画像ブレが検出でき、また加算平均された
画像又は各傾斜部の重心を時間軸方向につなぎあわせて
画面全体として同一の波形パターンを確認すれば視覚的
に画像ブレを検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加算平
均回路などからなる画像ブレ検出回路や移動値演算部な
どからなる画像ブレ補正回路をすべてハードウエアで構
成するために回路規模が膨大になりコストが高いという
問題点を持っている。また、フレームのどの部分も同様
の画像処理を行っているため、フレーム中心部にいる主
被写体の動きと、手振れの分離が不十分になり、適切な
手振れ補正ができないという問題点がある。本発明の目
的は、フレーム画像を領域分割して適切な画像処理を行
うことができる画像信号処理装置、画像信号処理方法及
び記録媒体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、フレーム画像を複数の領域に分割し、該領域に応じ
て異なる画像処理を行う画像処理手段を有する画像信号
処理装置が提供される。本発明の他の観点によれば、フ
レーム画像を複数の領域に分割し、該領域に応じて異な
る画像処理を行うステップを有する画像信号処理方法が
提供される。本発明のさらに他の観点によれば、フレー
ム画像を複数の領域に分割し、該領域に応じて異なる画
像処理を行う手順をコンピュータに実行させるためのプ
ログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
体が提供される。上記のように本発明によれば、フレー
ム分割した領域に応じて異なる画像処理を行うことによ
り、領域の性質を活かした画像処理を行うことができ
る。例えば、フレームの中央部に存在する主被写体の動
きとカメラの手振れとを区別するために、フレームの中
央部とその周辺部とで異なる画像処理を行うことができ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、実施
例に沿って図面を参照しながら説明する。本実施例は、
比較的低い振動を受ける機器(カメラ)の振動抑制の為
に用いられる装置に適用することができる。例えば、カ
メラ等の機器に生ずる10Hz程度以下の周波数の振動
(手振れ等)を、イメージセンサーを用いて検出して、
これを像ぶれ防止の情報として像ブレ抑制を図るシステ
ムに適用することができる。 (第1の実施例)図1に本発明の第1の実施例によるカ
メラのブロック図を示す。1はMPU(マイクロプロセ
ッシングユニット)、2はメモリー、42はA/D変換
器、45はタイマー、3はセンサー、4はピッチ(垂
直)方向に補正レンズ6を駆動するための補正レンズ駆
動装置、5はヨー(水平)方向に補正レンズ6を駆動す
るための補正レンズ駆動装置、6は手振れを補正するた
めの補正レンズ、43はEEPROM、44は補正レン
ズ6の位置を検出する位置センサーである。
【0007】マイコン41は、MPU1、メモリー2、
タイマー45及びA/D変換器42を有する。センサー
3の出力は、マイコン41のA/D変換器42に入力さ
れる。A/D変換器42は、信号をアナログ形式からデ
ジタル形式に変換し、MPU1又はメモリー2に出力す
る。MPU1は、補正レンズ駆動装置4,5、位置セン
サー44及びEEPROM43を制御する。
【0008】図2は、マイコン41及びセンサー3の構
成を示すブロック図である。マイコン41は、MPU
1、メモリー2、タイマー45及びA/D変換器42を
有する。センサー3は、センサーのイメージゾーン(イ
メージセンサー)30、画像処理部31、メモリーゾー
ン32、読み出し用のシフトレジスタ33、読み出し用
のアンプ34、及びセンサーのドライバー35を有す
る。
【0009】MPU1は、駆動パルスや通信制御信号を
ドライバー35に供給する。ドライバー35は、イメー
ジゾーン30、画像処理部31、メモリーゾーン32及
びシフトレジスタ33を駆動する。図3は、イメージゾ
ーン30、画像処理部31及びメモリーゾーン32の構
成を示す回路図である。
【0010】310,311は減算器、312は加算
器、313はバッファ、314はコンパレーター、31
5,316はスイッチである。センサー3は、イメージ
ゾーン30、画像処理部31、メモリーゾーン32等を
含み、C−MOSプロセスによりワンチップ(半導体チ
ップ)上に形成される。
【0011】図4は、本実施例によるカメラの処理を示
すフローチャートである。カメラのメインスイツチをオ
ンすると、カメラのメインシーケンスが開始される。ス
テップSA1では、MPU1が初期処理の一連の動作の
中でEEPROM43から、各種のパラメータを読み込
み、メモリー2の所定のアドレスに格納する。
【0012】次に、ステップSA2では、撮影者が防振
システムの一連の動作を開始させるためのスイッチをオ
ンにするまで待機する。スイッチがオンにされると、ス
テップSA3へ進む。ステップSA3では、処理に用い
る変数の初期化等の処理を行う。ただし、ブレ補正は未
だ行わない。
【0013】その後、MPU1は、サンプリングのタイ
ミングを得るためにタイマー45を起動する。このタイ
マー45は、一定間隔毎に割り込みを発生するものであ
る。その間隔は、手振れの防止能力によって決定される
が、通常は10ms〜33ms程度になる。MPU1
は、このタイマー45からの割り込みが発生するたび
に、画像処理されたセンサー3の出力をA/D変換器4
2の入力端子に読み込み、補正レンズ6の駆動位置を求
める。また、イメージゾーン30の画素数も仕様による
が、例えば128×128画素である。
【0014】以下、その具体的な手順について説明す
る。まず、ステップSA5では、MPU1がセンサー3
の電荷蓄積(画像データ生成)を制御する。蓄積時間の
決定は、カメラのAE(自動露出)情報により行っても
良いし、あらかじめ一定時間の予備蓄積を行い、その出
力値の平均値などを用いても良い。イメージゾーン30
のクリア動作を行った後、イメージゾーン30の電荷生
成及び電荷蓄積が開始する。
【0015】ステップSA6では、上記で決定した蓄積
時間が経過したら、イメージゾーン30に蓄積された電
荷を読み出して画像処理を行い、メモリーゾーン32ヘ
転送する。この画像処理は、画像処理部31により行わ
れる処理であり、エッジ抽出と二値化もしくはいずれか
の処理である。本実施例ではエッジ抽出と二値化を行
い、その結果得られる信号によりブレ量の検出を行う。
【0016】図3に示すように、イメージゾーン30か
ら読み出された電荷はその画素と隣の画素の差が減算器
310,311で計算される。減算器310は、自分の
画素の電荷量から隣の画素の電荷量を引いた値を出力す
る。減算器311は、隣の画素の電荷量から自分の画素
の電荷量を引いた値を出力する。ただし、減算器31
0,311の低電圧の基準はGNDであるので、その値
が負のときは減算器310,311の出力電圧は0Vに
なる。
【0017】加算器312は、減算器310の出力と減
算器311の出力とを加算する。加算器312の出力
は、自分の画素と隣の画素の電荷量の差の絶対値とな
り、画像の輝度値が大きく変化する画像のエッジ部分に
相当する部分で大きな出力となる。加算器312の出力
は、バッファ313に一時的に記憶される。コンパレー
タ314は、バッファ313の出力とリファレンス電圧
refとを比較し、二値化信号を出力する。バッファ3
13の出力がリファレンス電圧ref未満のときは、コ
ンパレータ314は0V(論理値0)を出力する。バッ
ファ313の出力がリファレンス電圧ref以上のとき
は、コンパレータ314は電源電圧(論理値1)を出力
する。コンパレータ314の出力は、順次メモリーゾー
ン32に転送される。
【0018】上記の画像処理部31は、画素ごとに同じ
構成のものを水平方向の画素数分用意する。コンパレー
タ314のアンプのゲインは可変であり、画像のブラン
ク信号を発生する期間はそのゲインを零にする。また、
バイパススイッチ315,316をオンにすることで、
画像処理をしない信号(生信号)を出力することもでき
る。バイパススイッチ315はエッジ抽出をバイパスす
るためのスイッチであり、バイパススイッチ316は二
値化をバイパスするためのスイッチである。スイッチ3
15,316は、エッジ抽出及び二値化の選択を独立に
制御できるので、エッジ抽出のみ、又は二値化のみの画
像処理を行うことも可能である。MPU1の能力が高い
ときは、エッジ抽出のみにした方が精度の高い動きベク
トルを得ることができるので、これを採用するのが好ま
しい。
【0019】例えば、図3に示すように、イメージゾー
ン(例えば128×128画素)30のフレームを16
分割し、中央の4領域を中央部、周辺の12領域を周辺
部とする。中央部の主被写体の動きとブレを区別(分
離)してブレ検出するために、周辺部の画像のみを用い
てブレ検出を行う。
【0020】周辺部の12領域をイメージゾーン30か
らメモリーゾーン32に転送する際には、コンパレータ
314のアンプのゲインを、画像処理するために適切な
ゲイン(通常は1)にし、中央部の4領域を転送する際
にはコンパレータ314のアンプのゲインを零にする。
【0021】画像処理部31は、各ラインの各画素につ
いて以下の処理を行う。 0〜L−1ライン: すべての画素:二値化及びエッジ
抽出 L〜M−1ライン:0〜P−1画素:二値化及びエッジ
抽出 L〜M−1ライン:P〜Q−1画素:ブランク(コンパ
レータのゲイン=0) L〜M−1ライン:Q〜ラスト画素:二値化及びエッジ
抽出 M〜ラストライン: すべての画素:二値化及びエッジ
抽出
【0022】この場合の実際の転送手順は、以下のよう
になる。MPU1は、まず二値化及びエッジ抽出の画像
処理命令(バイパススイッチ315及び316をオフに
するための命令)をセンサー3に送る。センサー3内で
は、スイッチ315,316がオフされ、コンパレータ
314のゲインも適切な値(例えば1)に設定される。
この状態でMPU1は、垂直転送パルスをL個出力す
る。この垂直転送パルスにより、0〜L−1ラインの全
画素について二値化及びエッジ抽出の処理が行われ、イ
メージゾーン30からメモリーゾーン32にLライン分
の画像信号が転送される。
【0023】その垂直転送パルスを出力し終えたら、L
〜M−1ラインのP〜Q−1画素に対応するコンパレー
タ314のアンプのゲインのみを零にする。そして、垂
直転送パルスを(M−L)個出力する。その垂直転送パ
ルスを出力し終えたら、P〜Q−1画素に対応するコン
パレータ314のアンプのゲインを元にもどす。そし
て、垂直転送パルスを(ラスト−L)個出力する。垂直
転送パルスを出力するたびに、ライン毎に転送がなさ
れ、同時にエッジ抽出及び二値化の処理が一ラインのす
べての画素に対して行われ、メモリーゾーン32に順次
転送され、記憶される。ただし、中央部の画素について
はコンパレータ314のアンプのゲインが0にされる。
その結果、メモリーゾーン32には、中央部の画素値が
0(一定値)として記憶される。周辺部の画素は、エッ
ジ部が論理値1となり、その他が論理値0となる。
【0024】ステップSA7では、メモリーゾーン32
にすべての画素の情報が転送されたら、MPU1は、シ
フトレジスタ33及びアンプ34を介して、A/D変換
器42に画像信号を読み込む。アンプ34のゲインは、
電荷蓄積の制御情報を用いて決定する。
【0025】ステップSA8では、1回目の処理か否か
を判断する。一回目の処理であるときには、ステップS
A14へ進む。ステップSA14では、垂直転送パルス
に続き、水平画素数分の水平転送パルスがMPU1から
出力されると、水平転送パルスに同期して画像信号はA
/D変換され、さらにDMA(ダイレクトメモリアクセ
ス)機能を用いてメモリー2へ転送される。これによ
り、メモリー転送中も画像信号の処理すなわちブレ検出
の演算を行うことが可能になる。この際のA/D変換は
1ビットで行い、メモリー2にもビット単位での転送が
なされる。A/D変換された8画素の情報は、1バイト
として転送される。
【0026】次に、ステップSA5へ戻り、2回目のフ
レーム画像について上記の処理を繰り返す。ステップS
A8において、2回目以降の電荷蓄積の場合、ステップ
SA9に進む。ステップSA9では、MPU1が今読み
込んだ画像信号と前回(1タイミング前の割り込み)の
画像信号の相関値を求める。次に、ステップSA10で
は、各領域(エリア)の動き量(動きベクトル)を求め
る。1回目の場合は、16分割された各エリアの画像を
メモリー2へ記憶するのみで、補正レンズ6の駆動を行
わない。メモリー2に記憶された画像は二値化された値
なので、その容量も少なく、汎用のMPU1に内蔵され
るメモリーの容量でも十分記憶可能な量とすることがで
きる。
【0027】また、イメージゾーン30の画素数を12
8×128画素とした場合、フレームを16分割し、中
央の4領域を中央部、周辺の12領域を周辺部とする
と、各領域の画素数は1024画素である。ここで、各
領域内の中央部の1/4領域を、以下、中央1/4領域
と呼ぶ。各領域の画素数を1024画素とすると、中央
1/4領域の画素数は256画素であり、中央1/4領
域の各ラインの画素数は16画素である。
【0028】例えば、各領域内の中央1/4領域につい
て、画像の動き量を演算してブレ量を求めるとする。中
央1/4領域の1ラインの画素数は16画素であるの
で、この演算は、16ビットマイコンのビット演算機能
を用いることで容易に実現でき、MPU1にとって負荷
は重くない。MPU1は、16分割された各領域の前回
の画像の中央1/4領域を読み出し、各領域毎に画像の
相関をとっていく。各領域のデータは、二値化され記憶
されているので、各中央1/4領域のデータは1ライン
につき16ビットとなっている(全画素128×128
画素とした場合)。
【0029】次に、MPU1は、メモリー2から読み出
したデータをレジスタに格納し、このデータと、メモリ
ー2にDMA転送された今回の電荷蓄積によるデータと
を比較する。この比較は、メモリー2に記憶した今回の
電荷蓄積によるデータの読み出し位置を1画素ずつずら
しながら行う。両者の各画素の差の和を求め、その値を
1画素ずらす毎に異なる領域に記憶していく。各画素の
差の和は、ビット比較を行い、異なるビットの数を数え
ることで行う。2ライン目以降も同様の比較を行い、そ
の際の各画素の差の和を1ライン目の値が記憶されてい
る領域に加算していく。これが相関値である。
【0030】そして、記憶された相関値が最も小さくな
ったところが、その領域における前回からの動き量(動
きベクトル)となる。すなわち相関値が最小になった際
の中央部から垂直及び水平方向にずらした画素数が垂直
及び水平方向の動き量となる。この量を記憶する。
【0031】同様の処理を、センサー3で画像処理を行
った周辺部の全領域について行う。ステップSA11で
は、全領域について処理が終了したか否かを判断する。
終了していなければ、ステップSA9へ戻り、次の領域
の処理を繰り返す。終了していれば、ステップSA12
へ進む。
【0032】ステップSA12では、求まった動きベル
トルの平均値を垂直(ピッチ)方向及び水平(ヨー)方
向について求める。このピッチ方向の量をYp、このヨ
ー方向の量をYyとする。次に、16分割された各領域
内の中央1/4領域のデータをメモリー2に記憶する。
また、MPU1は、一方向の加算平均を求めて射影像を
つくり、その相関値から動きベクトルを求めても良い。
次に、ステップSA13では、MPU1は、ピッチ方向
量Ypから補正レンズ6の駆動位置を求める。本実施例
では、ムービングマグネット(MM)を用いてコイルに
流す電流に比例した位置に補正レンズ6が移動する駆動
装置を用いる。MPU1は、ピッチ方向量Ypの値から
コイルに与える電流値を求める。コイルに流す電流は、
アナログ量として与えるのではなく、PWM(パルス幅
変調)したものをデジタル量として与えるようにしてい
る。これは、MPU1を用いて電流を制御する際にコス
ト的に有利であるなどの理由による。
【0033】ピッチ方向量Ypの値からPWMのデュテ
ィーを求めるテーブルを用意しておき、MPU1はピッ
チ方向量Ypの値から該当するPWMのデュティーの値
が格納されているメモリーのアドレスを求め、その値を
読み込むことでPWMのデュティーを設定する。なお、
このテーブルはEEPROM43に設定しておくことが
のぞましい。
【0034】このようにしてPWMの周期、デュティー
が求まったならば、MPU1は所定のレジスタにこの値
を設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正
レンズ駆動装置4に与えられる。駆動信号を与えられた
補正レンズ駆動装置4は、与えられた信号に比例する電
流値をコイルに流し、補正レンズ6をピッチ方向(垂直
方向)の所定位置に駆動する。すなわち、次の駆動信号
が与えられるまでは、いま与えられた駆動信号に従って
補正レンズ6を所定位置に保持する。
【0035】次に、MPU1は、ヨー方向量Yyから補
正レンズ6の駆動位置を求める。MPU1は、ヨー方向
量Yyの値からコイルに与える電流値を求める。コイル
に流す電流は、アナログ量として与えるのではなく、P
WM(パルス幅変調)したデジタル量として与えるよう
にしている。ヨー方向量Yyの値からPWMのデュティ
ーを求めるテーブルを用意しておき、MPU1はヨー方
向量Yyの値から該当するPWMのデュティーの値が格
納されているメモリーのアドレスを求め、その値を読み
込むことでPWMのデュティーを設定する。なお、この
テーブルはEEPROM43に設定しておくことがのぞ
ましい。
【0036】このようにしてPWMの周期、デュティー
が求まったならば、MPU1は所定のレジスタにこの値
を設定する。これによりPWMされた駆動信号が補正レ
ンズ駆動装置5に与えられる。駆動信号を与えられた補
正レンズ駆動装置5は、与えられた信号に比例する電流
値をコイルに流し、補正レンズ6をヨー方向(水平方
向)の所定位置に駆動する。すなわち、次の駆動信号が
与えられるまでは、いま与えられた駆動信号に従って補
正レンズ6を所定位置に保持する。
【0037】このようにして、MPU1は、補正レンズ
6の駆動を行う処理を行う。すなわち、上述のようにタ
イマー45からの割り込みが生じるたびにイメージゾー
ン(イメージセンサー)30のデータを画像処理した出
力をA/D変換器42に読み込み、デジタル演算を行
い、その結果から所望の補正レンズ6の駆動位置を与え
るコイルに流す電流値(PWMのデュティー)を求め、
その値を所定のレジスタに設定することで補正レンズ6
を駆動する。
【0038】次に、ステップSA14で上記と同様に読
み込んだデータをメモリー2に記憶し、ステップSA5
に戻って処理を繰り返す。このような処理を繰り返すこ
とにより、動きベクトルを検出し、補正レンズを適切に
駆動することができる。本実施例において、イメージゾ
ーン30の画素数を128×128画素としたが、これ
は説明上の都合からであり、本実施例は他の画素数のイ
メージゾーンにも適用可能である。またフレームを16
分割したが、それ以外の分割数にフレームを分割した場
合にも本実施例は適用可能である。
【0039】(第2の実施例)第2の実施例は、図1に
示す第1の実施例と比べ、センサー3のみが異なり、そ
の他の部分は同じである。図5は、第2の実施例による
マイコン41及びセンサー3の構成を示すブロック図で
ある。
【0040】マイコン41は、MPU1、メモリー2、
タイマー45及びA/D変換器42を有する。センサー
3は、センサーのイメージゾーン(イメージセンサー)
30、メモリーゾーン32、エッジ抽出及び二値化を行
う第1の画像処理部31、射影像を求める第2の画像処
理部36、アナログメモリ37、読み出し用のシフトレ
ジスタ33、読み出し用のアンプ34、及びセンサーの
ドライバー35を有する。
【0041】MPU1は、駆動パルスや通信制御信号を
ドライバー35に供給する。ドライバー35は、イメー
ジゾーン30、メモリーゾーン32、第1の画像処理部
31、第2の画像処理部36、アナログメモリ37、及
びシフトレジスタ33を駆動する。
【0042】図6は、第2の画像処理部36、アナログ
メモリ37及びシフトレジスタ33の構成を示す回路図
である。第2の画像処理部36の上には、第1の画像処
理部31が接続される。第1の画像処理部31は、図3
に示す画像処理部31と同じ構成である。すなわち、第
1の画像処理部31のコンパレータ314の出力端子
は、第2の画像処理部36のバッファ360の入力端子
に接続される。360,362,365はバッファ、3
61,364は加算器、363はアナログスイッチであ
る。回路動作の説明は、後に行う。
【0043】なお、このセンサー3は、イメージゾーン
30、メモリーゾーン32及び画像処理部31,36等
を含み、C−MOSプロセスによりワンチップ(半導体
チップ)上に形成される。
【0044】図7は、第2の実施例によるカメラの処理
を示すフローチャートである。カメラのメインスイッチ
をオンにすると、カメラのメインシーケンスが開始す
る。ステップSB1では、MPU1が初期処理の一連の
動作の中でEEPROM43から各種のパラメータを読
み込み、メモリー2の所定のアドレスに格納する。
【0045】次に、ステップSB2では、撮影者が防振
システムの一連の動作を開始させるためにスイッチをオ
ンにするまで待機する。スイッチがオンにされると、ス
テップSB3へ進み、処理で用いる変数の初期化等を行
う。ただし、ブレ補正は未だ行っていない。
【0046】その後、MPU1は、サンプリングのタイ
ミングを得るためのタイマー45を起動する。このタイ
マー45は、一定間隔毎に割り込みを発生するものであ
る。その間隔は、手振れの防止能力によって決定される
が、通常は10ms〜33ms程度になる。MPU1
は、このタイマー45からの割り込みが発生するたび
に、画像処理されたセンサー3の出力をA/D変換器4
2に読み込み、補正レンズ6の駆動位置を求めていく。
また、イメージゾーン30の画素数も仕様により異なる
が、例えば128×128画素である。
【0047】次に、ステップSB5では、MPU1がイ
メージゾーン30の電荷蓄積を制御する。蓄積時間の決
定は、カメラのAE情報を基に行っても良いし、あらか
じめ一定時間の予備蓄積を行い、その出力値の平均値な
どを用いても良い。次に、ステップSB6では、イメー
ジゾーン30のクリア動作を行った後、決定した蓄積時
間が経過したら、イメージゾーン30に蓄積された電荷
をメモリーゾーン32ヘ転送する。
【0048】次に、ステップSB7では、メモリーゾー
ン32に転送された信号は、第1の画像処理部31に供
給される。第1の画像処理部31は、エッジ抽出及び二
値化を行い、第2の画像処理部32に出力する。第2の
画像処理部36は、射影像を求める。第1及び第2の画
像処理部31,36は、全ての処理を行う必要はなく、
いずれかの処理を行ってもよい。本実施例では、エッジ
抽出、二値化及び射影像算出処理を行う。その結果、得
られる信号を基にブレ量の検出を行う。図3に示す第1
の画像処理部31のバイパススイッチ315及び316
をオンにすると、画像処理をしない信号(生信号)を出
力することもできる。バイパススイッチ315及び31
6は、それぞれ二値化及びエッジ抽出を行うか否かを選
択的に制御できるので、エッジ抽出のみ、又は二値化の
みの画像処理を行うことも可能である。
【0049】本実施例では、バイパススイッチ316の
みをオンにする。エッジ抽出は、第1の実施例と同様に
行われる。すなわち、イメージゾーン30から読み出さ
れた電荷は、その画素と隣の画素の差が減算器310,
311で計算される。減算器310は、自分の画素の電
荷量から隣の画素の電荷量を引いた値を出力し、減算器
311は、隣の画素の電荷量から自分の画素の電荷量を
引いた値を出力する。ただし、減算器310,311の
低電圧の基準はGNDであるので、その値が負のときは
減算器310,311の出力電圧は0Vとなる。
【0050】加算器312は、減算器310の出力と減
算器311の出力とを加算する。加算器312の出力
は、自分の画素と隣の画素の電荷量の差の絶対値とな
り、画像の輝度値が大きく変化する画像のエッジ部分に
相当する部分で大きな出力となる。バッファ313は、
加算器312の出力を一時的に記憶する。次いで、エッ
ジ抽出された信号は、バッファ313からバイパススイ
ッチ316を経由して、図6のバッファ360に記憶さ
れる。
【0051】第1の画像処理部31は、各画素ごとに同
じものを水平方向の画素数分用意される。加算器312
のアンプのゲインは可変であり、画像のブランク信号が
発生する期間ではそのゲインを零にする。例えば、フレ
ームを16分割し、中央の4領域を中央部、周辺の12
領域を周辺部とする。中央部の主被写体の動きとブレを
区別するために、周辺部の画像を用いてブレ検出を行
う。周辺部の12領域を転送する際は、加算器312の
アンプのゲインを画像処理のために適切なゲイン(通常
は1)に設定し、中央部の4領域を転送する際は加算器
312のアンプのゲインを零に設定する。
【0052】第1の画像処理部31は、各ラインの各画
素について以下の処理を行う。 0〜L−1ライン: すべての画素:エッジ抽出 L〜M−1ライン:0〜P−1画素:エッジ抽出 L〜M−1ライン:P〜Q−1画素:ブランク(加算器
のゲイン=0) L〜M−1ライン:Q〜ラスト画素:エッジ抽出 M〜ラストライン: すべての画素:エッジ抽出
【0053】上記の場合の実際の転送手順は以下のよう
になる。MPU1は、まずエッジ画像処理命令(バイパ
ススイッチ315をオフ、バイパススイッチ316をオ
ン)をセンサー3に送る。センサー3内では、スイッチ
315,316が所定の位置にセットされ、加算器31
2のゲインが適切な値に設定される。この状態で、MP
U1は垂直転送パルスをL個出力する。パルスを出力し
終えたら、P〜Q−1画素に対応する加算器312のア
ンプのゲインを零に設定する。そして、垂直転送パルス
を(M−L)個出力する。パルスを出力し終えたら、P
〜Q−1画素に対応する加算器312のアンプのゲイン
を元にもどす。そして、垂直転送パルスを(ラスト−
L)個出力する。
【0054】垂直転送パルスを出力するたびに、ライン
毎に転送がなされ、同時にエッジ抽出の処理が一ライン
のすべての画素に対して行われる。第2の画像処理部3
6は、バッファ360に記憶された信号を用いて射影像
を求める。垂直方向の射影像を求める回路は、垂直方向
の加算を行う加算器361とその加算結果を保持するメ
モリー362からなるユニットが水平方向の画素数分設
けられる。水平方向の射影像を求める回路は、水平方向
の加算を行う加算器364とその加算結果を保持するメ
モリー365からなるユニットが各エリア毎に垂直方向
の画素数分設けられる。
【0055】まず、射影像を求めるモードに、センサー
3の第2の画像処理部36を設定するとともに、バッフ
ァ(水平方向射影像値バッファ365、垂直方向射影像
値バッファ362)をクリアする。エッジ抽出された信
号がバッファ360に記憶された状態で、アナログスイ
ッチ363は一番上段のスイッチのみをオン、下の2段
のスイッチをオフにする。
【0056】アナログスイッチ363の制御端子には、
垂直転送パルスYVがカウンター368でカウントされ
た後、エンコーダー367でエンコードされた信号が入
力される。MPU1から垂直転送パルスYVがカウンタ
ー368に入力するたびに、アナログスイッチ363が
オンになる部分が変化する。垂直転送パルスYVが一つ
入力すると上から2段目のスイッチがオンし、さらにも
う一つの垂直転送パルスが入力すると上から3段目のス
イッチがオンする。
【0057】この状態で、MPU1から水平転送パルス
がセンサー3に入力されると、バッファ360は入力し
たパルス数分左方向に信号の転送を行う。アナログスイ
ッチ363のオンした部分に接続された加算器364の
一方の端子には、アナログスイッチ363を介して、バ
ッファ360の左端の信号が入力する。水平転送パルス
が入力するたびに、加算器364はバッファ365の信
号とバッファ360の信号とを加算する。すなわち、バ
ッファ360内の水平方向の信号が足し合わされ、分割
されたエリア内の水平方向の射影像が求められる。
【0058】また、垂直転送パルスYVが入力するたび
に、バッファ365には垂直方向の次の画素の信号が記
憶されるので、分割されたエリア内の垂直方向の画素数
分だけ垂直転送パルスを入力すれば、そのエリア内にお
ける全ラインの水平方向の射影像を求めることができ
る。この動作は、水平方向に分割された各エリアで同時
に行われる。本実施例では、4分割されているので、4
つのエリアで各エリア内における水平方向の射影像を同
時に求めることができる。
【0059】アナログスイッチ363が一番上段のスイ
ッチのみをオンにした状態で、加算器361は、垂直方
向の1番目の画素の信号とバッファ362の信号(=
0)とを加算する。加算結果は、バッファ362に記憶
される。これは、水平方向の全ての画素について同時に
行われる。よって、垂直転送パルスが入力するたびに、
次の画素のエッジ抽出された信号がバッファ362の信
号に足し合わされる。分割されたエリア内の垂直方向の
画素数分だけ垂直転送パルスを入力すれば、そのエリア
内における垂直方向の射影像を求めることができる。
【0060】水平方向には4分割されているので、水平
方向及び垂直方向のそれぞれ4個づつの射影像が求めら
れる。垂直方向の射影像は、エンコーダー367から供
給される転送信号により、バッファ362からアナログ
メモリー37に転送される。水平方向の射影像は、エン
コーダー367から供給される転送信号により、バッフ
ァ365からアナログメモリー37に転送される。
【0061】以上のように、垂直転送パルスを出力する
たびに、ライン毎に転送がなされ、同時にエッジ抽出の
処理が一ラインのすべての画素に対して行われ、また適
切に水平転送パルスを与えてやることにより第2の画像
処理部36で射影像の算出処理が行われ、処理された出
力はアナログメモリー37に順次転送され、記憶され
る。
【0062】次に、ステップSB8では、アナログメモ
リー37にすべての画素の信号が転送されたら、MPU
1はシフトレジスタ33、アンプ34を介して、A/D
変換器42に画像信号を読み込む。アンプのゲインは、
電荷蓄積を制御したときの情報を基に決定する。
【0063】ステップSB9では、1回目の処理か否か
を判断する。一回目の処理であるときには、ステップS
B15へ進む。ステップSB15では、垂直転送パルス
に続き、水平画素数分の水平転送パルスがMPU1から
出力されると、水平転送パルスに同期して、画像信号は
A/D変換され、さらにDMA機能を用いてメモリー2
へ転送される。これにより、メモリー2への転送中も画
像信号の処理すなわちブレ検出の演算を行うことができ
る。
【0064】次に、ステップSB5へ戻り、2回目のフ
レーム画像について上記の処理を繰り返す。ステップS
B9において、2回目以降の電荷蓄積の場合はステップ
SB10に進む。ステップSB10では、MPU1は今
読み込んだ画像信号と前回(1タイミング前の割り込
み)の画像信号の相関をとり、ステップSB11でブレ
量を求める。1回目の場合、16分割された各エリア内
の中央1/2領域のデータをメモリー2へ記憶する。補
正レンズの駆動は未だ行わない。
【0065】読み込まれた画像は射影像なので、その容
量も少なく、汎用のMPU1に内蔵されるメモリーの容
量でも十分記憶可能な量とすることができる。MPU1
は、16分割された各エリアの前回の水平方向射影像の
中央1/2領域の部分を読み出し、各エリア毎に射影像
の相関をとる。メモリー2から読み出したデータをレジ
スタに格納し、これとメモリー2にDMA転送された今
回の蓄積によるデータとを比較する。この比較は、メモ
リー2に記憶した今回の蓄積によるデータの読み出し位
置を1画素ずつずらしながら行う。両者の各画素の差の
和を求め、その値を1画素ずらす毎に異なる領域に記憶
していく。そして、記憶された相関値が最小になったと
ころが、そのエリアにおける前回からの水平方向の動き
量(水平方向動きベクトル)となる。相関値が最小とな
る画素数を記憶する。
【0066】同様の処理を垂直方向の射影像について行
い、垂直方向の動き量(垂直方向動きベクトル)を求
め、相関値が最小となる画素数を記憶する。次に、ステ
ップSB12では、全エリアの処理が終了したか否かを
判断する。終了していなければ、ステップSB10へ戻
り、同様の処理を、センサー3で画像処理した周辺部の
全エリアについて行う。全エリアの処理が終了したら、
ステップSB13へ進む。
【0067】ステップSB13では、求まった動きベル
トルの平均値を垂直(ピッチ)方向及び水平(ヨー)方
向について求める。その垂直方向平均値をYpとし、そ
の水平方向平均値をYyとする。次に、16分割された
各エリアの前回の水平方向射影像の中央1/2領域の部
分をメモリー2に記憶する。
【0068】次に、ステップSB14では、MPU1は
垂直方向平均値Ypから補正レンズ6の駆動位置を求め
る。本実施例では、ムービングマグネット(MM)を用
いたコイルに流す電流に比例した位置に補正レンズ6が
移動する駆動装置4,5を用いる。
【0069】MPU1は、垂直方向平均値Ypの値から
コイルに与える電流値を求める。コイルに流す電流はア
ナログ量として与えるのではなく、PWM(パルス幅変
調)したものをデジタル量として与えるようにしてい
る。これは、MPU1を用いて電流を制御する際にコス
ト的に有利であるなどの理由による。
【0070】垂直方向平均値Ypの値からPWMのデュ
ティーを求めるテーブルを用意しておき、MPU1は垂
直方向平均値Ypの値から該当するPWMのデュティー
の値が格納されているメモリーのアドレスを求め、その
値を読み込むことでPWMのデュティーを設定する。な
お、このテーブルはEEPROM43に設定しておくこ
とがのぞましい。
【0071】このようにしてPWMの周期、デュティー
が求まったならばMPU1は所定のレジスタにこの値を
設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正レ
ンズ駆動装置4に与えられる。駆動信号を与えられた補
正レンズ駆動装置4は、与えられた信号に比例する電流
値をコイルに流し、補正レンズ6をピッチ方向(垂直方
向)の所定位置に駆動する。すなわち、次の駆動信号が
与えられるまでは、いま与えられた駆動信号に従って補
正レンズ6を所定位置に保持する。
【0072】ついで、MPU1は、水平方向平均値Yy
から補正レンズ6の駆動位置を求める。MPU1は、水
平方向平均値Yyの値からコイルに与える電流値を求め
る。コイルに流す電流は、アナログ量として与えるので
はなく、PWM(パルス幅変調)したデジタル量として
与えるようにしている。水平方向平均値Yyの値からP
WMのデュティーを求めるテーブルを用意しておき、M
PU1は、水平方向平均値Yyの値から該当するPWM
のデュティーの値が格納されてしるメモリーのアドレス
を求め、その値を読み込むことでPWMのデュティーを
設定する。なお、このテーブルはEEPROM43に設
定しておくことがのぞましい。
【0073】このようにしてPWMの周期、デュティー
が求まったならばMPU1は所定のレジスタにこの値を
設定する。これによりPWMされた駆動信号が補正レン
ズ駆動装置5に与えられる。駆動信号を与えられた補正
レンズ駆動装置5は、与えられた信号に比例する電流値
をコイルに流し、補正レンズ6をヨー方向(水平方向)
の所定位置に駆動する。すなわち、次の駆動信号が与え
られるまでは、いま与えられた駆動信号に従って補正レ
ンズ6を所定位置に保持する。
【0074】このようにして補正レンズ6の駆動を行う
処理をMPU1が行う。すなわち、上述のようにタイマ
ー45からの割り込みが生じるたびに、イメージゾーン
30のデータを画像処理した出力をA/D変換器42に
読み込み、デジタル演算を行い、その結果から所望の補
正レンズの駆動位置を与えるコイルに流す電流値(PW
Mのデュティー)を求め、その値を所定のレジスタに設
定することで補正レンズ6を駆動する。
【0075】次に、ステップSB15で上記と同様に読
み込んだデータをメモリー2に記憶し、ステップSB5
に戻って処理を繰り返す。このような処理を繰り返すこ
とにより、動きベクトルを検出し、補正レンズを適切に
駆動することができる。本実施例において、イメージゾ
ーン30の画素数を128×128としたが、これは説
明上の都合からであり、本実施例は他の画素数のイメー
ジゾーンにも適用可能である。また、フレームを16分
割したが、それ以外の分割数にフレームを分割した場合
にも本実施例は適用可能である。
【0076】(第3の実施例)第3の実施例は、図1に
示す第1及び第2の実施例と比べ、センサー3のみが異
なり、その他の部分は同じである。図8は、第3の実施
例によるマイコン41及びセンサー3の構成を示すブロ
ック図である。
【0077】マイコン41は、MPU1、メモリー2、
タイマー45及びA/D変換器42を有する。センサー
3は、センサーのイメージゾーン(イメージセンサー)
30、エッジ抽出、二値化及び射影像処理を行う画像処
理部39、第1のメモリーゾーン320、第2のメモリ
ーゾーン321、第1の読み出し用のシフトレジスタ3
30、第2の読出し用シフトレジスタ331、相関演算
を行う画像処理部38、読み出し用のアンプ34、及び
センサーのドライバー35を有する。
【0078】MPU1は、駆動パルスや通信制御信号を
ドライバー35に供給する。ドライバー35は、イメー
ジゾーン30、画像処理部39、メモリーゾーン32
0,321、及びシフトレジスタ330,331を駆動
する。なお、このセンサー3は、イメージゾーン30、
画像処理部38,39、及びメモリーゾーン320,3
21等を含み、C−MOSプロセスによりワンチップ
(半導体チップ)上に形成される。
【0079】図9は、第3の実施例によるカメラの処理
を示すフローチャートである。カメラのメインスイッチ
をオンにすると、カメラのメインシーケンスが開始す
る。ステップSC1では、MPU1が初期処理の一連の
動作の中でEEPROM43から各種のパラメータを読
み込み、メモリー2の所定のアドレスに格納する。
【0080】次に、ステップSC2では、撮影者が防振
システムの一連の動作を開始させるためのスイッチをオ
ンにするまで待機する。スイッチがオンにされると、ス
テップSC3へ進み、処理で用いる変数の初期化等を行
う。ただし、ブレ補正は未だ行っていない。
【0081】その後、MPU1は、サンプリングのタイ
ミングを得るためのタイマー45を起動する。このタイ
マー45は、一定間隔毎に割り込みを発生するものであ
る。その間隔は、手振れの防止能力によって決定される
が、通常は10ms〜33ms程度である。MPU1
は、このタイマー45からの割り込みが発生するたび
に、センサー3の出力をA/D変換器42に読み込み、
補正レンズ6の駆動位置を求める。また、イメージゾー
ン30の画素数は、例えば128×128画素である。
【0082】次に、ステップSC5では、MPU1がイ
メージゾーン30の電荷蓄積を制御する。蓄積時間の決
定は、カメラのAE情報を基に行っても良いし、あらか
じめ一定時間の予備蓄積を行いその出力値の平均値など
を用いても良い。次に、ステップSC6では、イメージ
ゾーン30のクリア動作を行った後、決定した蓄積時間
が経過したら、イメージゾーン30に蓄積された電荷を
画像処理部39に転送する。画像処理部39は、エッジ
抽出、二値化、及び射影像算出もしくはいずれかの処理
を行う。画像処理部39の構成は、図3及び図6に示し
た構成と同じである。
【0083】図3に示すバイパススイッチ315,31
6をオンすることにより、画像処理をしない信号(生信
号)を出力することもできる。バイパススイッチ31
5,316は二値化及びエッジ抽出を選択的に独立して
制御できるので、エッジ抽出のみ、又は二値化のみの画
像処理を行うことも可能である。本実施例では、バイパ
ススイッチ316のみをオンにし、エッジ抽出及び射影
像算出処理を行い、その結果得られる信号によりブレ量
の検出を行う。
【0084】エッジ抽出は、図3の回路を用い、第1及
び第2の実施例と同様に行われる。射影像算出処理は、
図6の回路を用い、第2の実施例と同様に行われる。す
なわち、イメージゾーン30から読み出された電荷は、
その画素と隣の画素の差が減算器310,311で計算
される。減算器310は、自分の画素の電荷量から隣の
画素の電荷量を引いた値を出力し、減算器311は隣の
画素の電荷量から自分の画素の電荷量を引いた値を出力
する。ただし、減算器310,311の低電圧の基準
は、GNDであるので、その値が負のときは減算器31
0,311の出力電圧は0Vとなる。そして、減算器3
10,311の出力を加算器312で加算する。加算器
312の出力は、自分の画素と隣の画素の電荷量の差の
絶対値となり、画像の輝度値が大きく変化する画像のエ
ッジ部分に相当する部分で大きな出力となる。この出力
は、バッファ313に一時的に記憶される。次いで、バ
イパススイッチ316を経由してエッジ抽出された信号
は、バッファ360に記憶される。
【0085】次に、この信号を用いて射影像を求める。
図6において、垂直方向の射影像を求める回路は、垂直
方向の加算を行う加算器361とその結果を保持するメ
モリー362からなるユニットが水平方向の画素数分あ
る。水平方向の射像を求める回路は、水平方向の加算を
行う加算器364とその結果を保持するメモリー365
からなるユニットがエリア内の垂直方向の画素数分あ
る。
【0086】まず、射影像を求めるモードに画像処理部
38を設定するとともに、バッファ(水平方向射影像値
バッファ365、垂直方向射影像値バッファ362)を
クリアする。バッファ360にエッジ抽出された信号が
記憶された状態で、アナログスイッチ363は一番上段
のスイッチのみをオン、下2段のスイッチをオフにす
る。アナログスイッチ363の制御端子には、垂直転送
パルスYVがカウンター368でカウントされた後、エ
ンコーダー367でエンコードされた信号が入力され
る。MPU1から垂直転送パルスが入力されるたびに、
アナログスイッチ363のオンになる部分が変化する。
垂直転送パルスが一つ入力すると上から2番目のスイッ
チがオンし、さらにもう一つの垂直転送パルスが入力す
ると上から3番目のスイッチがオンする。
【0087】この状態で、水平転送パルスが入力する
と、バッファ360は入力したパルス数分左方向に信号
の転送を行う。アナログスイッチ363のオンした部分
に接続された加算器364の一方の端子には、アナログ
スイッチ363を介して、バッファ360の左端の信号
が入力するので、水平転送パルスが入力するたびに、加
算器364でバッファ365の信号とバッファ360の
信号が順次たしあわされる。すなわち、バッファ360
の信号が足し合わされ、分割されたエリアの水平方向の
射影像が求められる。垂直転送パルスが入力するたび
に、バッファ350には垂直方向の次の画素の信号が記
憶されるので、分割されたエリアの垂直方向の画素数分
だけ垂直転送パルスを入力すれば、そのエリア内におけ
る全ラインの水平方向の射影像を求めることができる。
この動作は、水平方向に分割された各エリアで同時に行
われる。4分割されている場合には、4つのエリアで各
エリアにおける水平方向の射影像を同時に求めることが
できる。
【0088】アナログスイッチ363は、一番上段のス
イッチのみがオンの状態では、加算器361で垂直方向
の1番目の画素の信号がバッファ362の信号(=0)
とたされ、バッファ362に記憶される。この処理は、
水平方向の全ての画素について同時に行われる。垂直転
送パルスが入力するたびに、次の画素のエッジ処理され
た信号がバッファ362の信号にたしあわされるので、
分割されたエリアの垂直方向の画素数分だけ垂直転送パ
ルスを入力すれば、そのエリアにおける垂直方向の射影
像を求めることができる。
【0089】水平方向には4分割されているので、水平
方向及び垂直方向のそれぞれ4個づつの射影像が求まっ
たことになる。この射影像の信号を、エンコーダー36
7から出力される転送信号により、第1のメモリーゾー
ン320に転送する。このような画像処理部39は、各
画素ごとに同じものを水平方向の画素数分用意される。
加算器312のアンプのゲインは可変であり、画像のブ
ランク信号を発生する期間のときはそのゲインを零にす
る。
【0090】例えば、フレームを16分割し、中央の4
領域を中央部、周辺の12領域を周辺部として扱う。中
央付近の主被写体の動きとブレを区別するために、周辺
部の画像のみを用いてブレ検出を行う。周辺部の12領
域を転送する際は加算器312のアンプのゲインを画像
処理するために適切なゲイン(通常は1)にし、中央部
の4領域を転送する際は加算器312のアンプのゲイン
を零にする。
【0091】第1の画像処理部39のうちの画像処理部
31に相当する部分は、各ラインの各画素について以下
の処理を行う。 0〜L−1ライン: すべての画素:エッジ抽出 L〜M−1ライン:0〜P−1画素:エッジ抽出 L〜M−1ライン:P〜Q−1画素:ブランク(加算器
のゲイン=0) L〜M−1ライン:Q〜ラスト画素:エッジ抽出 M〜ラストライン: すべての画素:エッジ抽出
【0092】上記の場合の実際の転送手順は以下のよう
になる。MPU1は、エッジ画像処理命令(バイパスス
イッチ315をオフ、バイパススイッチ316をオン)
をセンサー3に送る。バイパススイッ315,316は
所定の位置にセットされ、加算器312のゲインも適切
な値に設定される。この状態で、MPU1は垂直転送パ
ルスをL個出力する。パルスを出力し終えたら、P〜Q
−1画素に対応する加算器312のアンプのゲインを零
にする。そして、垂直転送パルスを(M−L)個出力す
る。パルスを出力し終えたら、P〜Q−1画素に対応す
る加算器312のアンプのゲインを元にもどす。そし
て、垂直転送パルスを(ラスト−L)個出力する。
【0093】垂直転送パルスを出力するたびに、ライン
毎に転送がなされ、同時にエッジ抽出の処理が一ライン
のすべての画素に対して行われ、また適切に水平転送パ
ルスを与えてやることにより射影像の算出の処理が行わ
れ、処理された出力は第1のメモリーゾーン320に順
次転送され、記憶される。
【0094】もし2回目以降の蓄積であったならば、M
PU1は今読み込んだ画像信号と前回(1タイミング前
の割り込み)の画像信号の相関をとることによりブレ量
を求める。1回目の場合は、第1のメモリーゾーン32
0の内容を第2のメモリーゾーン321に転送する動作
のみを行う。
【0095】第1のメモリーゾーン320にすべての画
素の信号が転送されたら、MPU1はまず水平方向の射
影像の相関値を画像処理部(相関演算回路)38で求
め、アンプ34を介して、A/D変換器42に読み込
む。アンプ34のゲインは、蓄積を制御したときの情報
を用いて決定する。
【0096】相関値の計算は、以下のように行う。ステ
ップSC7では、水平方向の射影像を選択する。第1の
シフトレジスタ330には第1のメモリーゾーン320
の分割されたエリアの一番目のエリアの水平方向の射影
像のデータのうち中央1/2領域の部分を転送する。ま
た、第2のシフトレジスタ331には、第2のメモリー
ゾーン321の分割されたエリアの一番目のエリアの水
平方向の射影像のデータのうち先頭から1/2の部分を
転送する。
【0097】次に、ステップSC8では、二つのシフト
レジスタ330,331のデータを同期して出力し、そ
の差の絶対値の和(相関値)を求めていく。次に、ステ
ップSC9では、シフトレジスタ330,331の全て
のデータの出力が終わったら、相関演算回路38の出
力、すなわち二つのシフトレジスタ330,331のデ
ータの差の絶対値の和(相関値)をアンプ34を介して
MPU1が読み込み、その値をメモリー2に記憶する。
【0098】次いで、ステップSC10では、第2のシ
フトレジスタ331に第2のメモリーゾーン321の分
割されたエリアの一番目のエリアの水平方向の射影像の
データを一画素ずらした(シフトした)ものを転送す
る。そして、二つのシフトレジスタ330,331のデ
ータを同期して出力し、その差の絶対値の和を求めてい
く。シフトレジスタ330,331の全てのデータの出
力が終わったら、相関演算回路38の出力、すなわち二
つのシフトレジスタ330,331のデータの差の絶対
値の和(相関値)をアンプ34を介してMPU1が読み
込み、その値をメモリー2に記憶する。
【0099】次に、ステップSC11では、全画素(全
ビット)のシフトが終了したか否かを判断する。終了し
ていなければ、ステップSC8へ戻り、上記の動作を第
2のメモリーゾーン321の分割されたエリアの一番目
のエリアの水平方向の射影像のデータの全ビットをずら
し終えるまで続ける。そして、全ビットずらし終えた
ら、記憶された相関値のうち、最小の値を与えるところ
が、そのエリアにおける前回からの水平方向の動き量
(水平方向動きベクトル)となる。このときの画素数を
記憶する。
【0100】同様の処理を垂直方向の射影像についても
行い、そのときの画素数を記憶する。すなわち、MPU
1は、まず垂直方向の射影像の相関値を相関演算回路3
8で求め、アンプ34を介して、A/D変換器42に読
み込む。アンプ34のゲインは蓄積を制御したときの情
報を用いて決定する。
【0101】相関値の計算は、以下のように行う。ま
ず、ステップSC12で垂直方向の射影像を選択する。
第1のシフトレジスタ330には第1のメモリーゾーン
320の分割されたエリアの一番目のエリアの垂直方向
の射影像のデータのうち中央1/2領域の部分を転送す
る。また、第2のシフトレジスタ331には第2のメモ
リーゾーン321の分割されたエリアの一番目のエリア
の垂直方向の射影像のデータのうち先頭から1/2の部
分を転送する。
【0102】次に、ステップSC13では、二つのシフ
トレジスタのデータを同期して出力し、その差の絶対値
の和(相関値)を求めていく。シフトレジスタ330,
331の全てのデータの出力が終わったら、ステップS
C14において、相関演算回路38の出力、すなわち二
つのシフトレジスタ330,331のデータの差の絶対
値の和(相関値)をアンプ34を介してMPU1が読み
込み、その値をメモリー2に記憶する。次いで、ステッ
プSC15では、第2のシフトレジスタ331に、第2
のメモリーゾーン321の分割されたエリアの一番目の
エリアの垂直方向の射影像のデータを一画素ずらしたも
のを転送する。そして、二つのシフトレジスタ330,
331のデータを同期して出力し、その差の絶対値の和
を求めていく。シフトレジスタ330,331の全ての
データの出力が終わったら、相関演算回路38の出力、
すなわち二つのシフトレジスタ330,331のデータ
の差の絶対値の和(相関値)をアンプ34を介してMP
U1が読み込み、その値をメモリー2に記憶する。
【0103】ステップSC16では、全画素(全ビッ
ト)のシフトが終了したか否かを判断する。終了してい
なければ、ステップSC13へ戻り、上記の動作を第2
のメモリーゾーン321の分割されたエリアの一番目の
エリアの垂直方向の射影像のデータの全ビットをずらし
終えるまで続ける。そして、記憶された相関値のうち、
最小値を与えるところが、そのエリアにおける前回から
の垂直方向の動き量(水平方向動きベクトル)となる。
このときの画素数を記憶する。
【0104】同様の処理を、センサー3で画像処理を行
った周辺部の全エリアについて行う。そして求まった動
きベルトルの平均値を垂直(ピッチ)方向及び水平(ヨ
ー)方向について求め、これらの量をそれぞれYp,Y
yとする。最後に、第1のメモリーゾーン320の内容
を第2のメモリーゾーン321に転送する。
【0105】ついで、MPU1は、垂直方向平均値Yp
から補正レンズ6の駆動位置を求める。本実施例では、
ムービングマグネット(MM)を用いたコイルに流す電
流に比例した位置に補正レンズ6が移動する駆動装置
4,5を用いる。MPU1は、垂直方向平均値Ypの値
からコイルに与える電流値を求める。コイルに流す電流
はアナログ量として与えるのではなく、PWM(パルス
幅変調)したデジタル量として与えるようにしている。
これはMPU1を用いて電流を制御する際にコスト的に
有利であるなどの理由による。垂直方向平均値Ypの値
からPWMのデュティーを求めるテーブルを用意してお
き、MPU1は垂直方向平均値Ypの値から該当するP
WMのデュティーの値が格納されているメモリーのアド
レスを求め、その値を読み込むことでPWMのデュティ
ーを設定する。なお、このテーブルはEEPROM43
に設定しておくことがのぞましい。
【0106】このようにしてPWMの周期、デュティー
が求まったならばMPU1は所定のレジスタにこの値を
設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正レ
ンズ駆動装置4に与えられる。駆動信号を与えられた補
正レンズ駆動装置4は、与えられた信号に比例する電流
値をコイルに流し、補正レンズ6をピッチ方向(垂直方
向)の所定位置に駆動する。すなわち、次の駆動信号が
与えられるまではいま与えられた駆動信号に従って補正
レンズ6を所定位置に保持する。
【0107】ついで、MPU1は、水平方向平均値Yy
から補正レンズ6の駆動位置を求める。MPU1は、水
平方向平均値Yyの値からコイルに与える電流値を求め
る。コイルに流す電流は、アナログ量として与えるので
はなく、PWM(パルス幅変調)したデジタル量として
与えるようにしている。水平方向平均値Yyの値からP
WMのデュティーを求めるテーブルを用意しておき、M
PU1は水平方向平均値Yyの値から該当するPWMの
デュティーが格納されているメモリーのアドレスを求
め、その値を読み込むことでPWMのデュティーを設定
する。なお、このテーブルはEEPROM43に設定し
ておくことがのぞましい。
【0108】このようにしてPWMの周期、デュティー
が求まったならばMPU1は所定のレジスタにこの値を
設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正レ
ンズ駆動装置5に与えられる。駆動信号を与えられた補
正レンズ駆動装置5は、与えられた信号に比例する電流
値をコイルに流し、補正レンズ6をヨー方向(水平方
向)の所定位置に駆動する。すなわち、次の駆動信号が
与えられるまではいま与えられた駆動信号に従って補正
レンズ6を所定位置に保持する。
【0109】このようにして補正レンズ6の駆動を行う
処理をMPU1が行う。すなわち、上述のようにタイマ
ー45からの割り込みが生じるたびに、イメージゾーン
30のデータを画像処理した出力をA/D変換器42に
読み込み、デジタル演算を行い、その結果から所望の補
正レンズ6の駆動位置を与えるコイルに流す電流値(P
WMのデュティー)を求め、その値を所定のレジスタに
設定することで補正レンズ6を駆動する。
【0110】その後、ステップSC5へ戻り、次のフレ
ーム画像の電荷蓄積(生成)を行い、上記と同様の処理
を繰り返す。本実施例において、イメージゾーン30の
画素数を128×128としたが、これは説明上の都合
からであり、本実施例は他の画素数のイメージゾーンに
も適用可能である。また、フレームを16分割したが、
それ以外の分割数にフレームを分割した場合にも本実施
例は適用可能である。
【0111】以上説明してきたように本実施例において
は、センサー3をC−MOSプロセスで製造することに
より、イメージゾーン(イメージセンサー)、メモリー
ゾーン、画像処理部などをワンチップ上に形成する。ま
た、第1及び第2の実施例では、画像処理の一部分をセ
ンサー3にて、残りの部分をMPU1などの演算手段に
て行うことで、比較的処理能力の低いマイコンを用いた
場合においても小さな回路規模で実時間処理を可能にす
る。すなわち、低コストで画像のブレ量を検出するシス
テムを構成することができる。
【0112】更に、画像処理のための画像データ生成の
ためのフレームを複数の領域に分割し、例えば中央部と
周辺部に分割し、各々の領域において生成された画像デ
ータの画像処理方法を異ならせることで、具体的には主
被写体の存在する確率が高いフレームの中央部において
はブランク信号(一定値)を出力するようにし、その確
率の低い周辺部はエッジ抽出、二値化、射影像の算出な
どの画像処理を行うことで、主被写体の動きと手振れの
分離を行い、適切な手振れ補正を行うことができる。
【0113】上述した実施例の機能を実現するべくコン
ピュータ(MPU又はCPU)に対し、上記実施例の機
能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを
供給し、そのコンピュータに格納されたプログラムに従
って動作させることによって実施したものも、本発明の
範疇に含まれる。
【0114】この場合、上記ソフトウェアのプログラム
コード自体が上述した実施例の機能を実現することにな
り、そのプログラムコード自体、およびそのプログラム
コードをコンピュータに供給するための手段、例えばか
かるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構
成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体と
しては、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、
光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テー
プ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることが
できる。
【0115】また、コンピュータが供給されたプログラ
ムコードを実行することにより、上述の実施例の機能が
実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピ
ュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシ
ステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同
して上述の実施例の機能が実現される場合にもかかるプ
ログラムコードは本発明の実施例に含まれることは言う
までもない。
【0116】さらに、供給されたプログラムコードがコ
ンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続され
た機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そ
のプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボー
ドや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の
一部または全部を行い、その処理によって上述した実施
例の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは
言うまでもない。
【0117】なお、上記実施例は、何れも本発明を実施
するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過
ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解
釈されてはならないものである。すなわち、本発明はそ
の精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、
様々な形で実施することができる。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
レーム分割した領域に応じて異なる画像処理を行うこと
により、領域の性質を活かした画像処理を行うことがで
きる。例えば、フレームの中央部に存在する主被写体の
動きとカメラの手振れとを区別するために、フレームの
中央部とその周辺部とで異なる画像処理を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2及び第3の実施例によるカ
メラを示すブロック図である。
【図2】第1の実施例のマイコン及びセンサーの内部構
造の概略図である。
【図3】第1の実施例のセンサー画像処理部の構造の概
略図である。
【図4】第1の実施例によるカメラの動作を示すフロー
チャートである。
【図5】第2の実施例のマイコン及びセンサーの内部構
造の概略図である。
【図6】第2の実施例のセンサー画像処理部の構造の概
略図である。
【図7】第2の実施例によるカメラの動作を示すフロー
チャートである。
【図8】第3の実施例のマイコン及びセンサーの内部構
造の概略図である。
【図9】第3の実施例によるカメラの動作を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 MPU(マイクロプロセッシングユニット) 2 メモリー 3 センサー 4 ピッチ方向に補正レンズを駆動するための補正レン
ズ駆動装置 5 ヨー方向に補正レンズを駆動するための補正レンズ
駆動装置 6 手振れを補正するための補正レンズ 30 センサーのイメージゾーン 31 エッジ抽出及び二値化を行う画像処理部 32 メモリーゾーン 33 読み出し用のシフトレジスタ 34 読み出し用のアンプ 35 センサーのドライバー 36 射影像を求める画像処理部 37 アナログメモリー 38 相関演算を行う画像処理部 39 エッジ抽出、二値化、射影像を求める画像処理部 41 マイコン 42 A/D変換器 43 EEPROM 44 位置センサー 45 タイマー 310,311 減算器 312 加算器 313 バッファ 314 コンパレータ 360,362,365 バッファ 361,364 加算器 363 アナログスイッチ 320.321 メモリーゾーン 330,331 読み出し用のシフトレジスタ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム画像を複数の領域に分割し、該
    領域に応じて異なる画像処理を行う画像処理手段を有す
    る画像信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記画像処理手段は、前記フレーム画像
    を中央部と周辺部に分割して画像処理を行う請求項1記
    載の画像信号処理装置。
  3. 【請求項3】 さらに、画像データを生成するイメージ
    ゾーンと、 画像データを記憶するメモリーゾーンとを有し、 前記画像処理手段は、前記イメージゾーンで生成された
    画像データに対して画像処理を行い、 前記メモリーゾーンは、前記画像処理手段により画像処
    理された画像データを記憶する請求項1又は2記載の画
    像信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記画像処理手段は、分割された領域の
    うちのいずれの領域については一定値の画像データを出
    力する請求項1〜3のいずれかに記載の画像信号処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記画像処理手段は、エッジ抽出を行う
    請求項1〜4のいずれかに記載の画像信号処理装置。
  6. 【請求項6】 前記画像処理手段は、二値化処理を行う
    請求項1〜4のいずれかに記載の画像信号処理装置。
  7. 【請求項7】 前記画像処理手段は、射影像算出処理を
    行う請求項1〜4のいずれかに記載の画像信号処理装
    置。
  8. 【請求項8】 さらに、前記画像処理手段により画像処
    理された第1のフレーム画像とその前のフレームである
    第2のフレーム画像との相関演算を行う相関演算手段を
    有する請求項1〜7のいずれかに記載の画像信号処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記イメージゾーン、前記画像処理手段
    及び前記メモリーゾーンがワンチップ上に形成されてい
    る請求項3記載の画像信号処理装置。
  10. 【請求項10】 前記ワンチップは、C−MOSで形成
    されている請求項9記載の画像信号処理装置。
  11. 【請求項11】 さらに、前記相関演算の結果に応じて
    カメラの手振れ量を検出する手振れ検出手段と、 前記手振れ量に応じてレンズを駆動する駆動手段とを有
    する請求項8記載の画像信号処理装置。
  12. 【請求項12】 前記手振れ検出手段は、垂直方向及び
    水平方向の手振れ量を検出し、 前記駆動手段は、垂直方向及び水平方向にレンズを駆動
    する請求項11記載の画像信号処理装置。
  13. 【請求項13】 (a)フレーム画像を複数の領域に分
    割し、該領域に応じて異なる画像処理を行うステップを
    有する画像信号処理方法。
  14. 【請求項14】 さらに、(b)前記ステップ(a)の
    前に画像データを生成するステップと、 (c)前記ステップ(a)の後に前記画像処理された画
    像データを記憶するステップとを有する請求項13記載
    の画像信号処理方法。
  15. 【請求項15】 さらに、(d)前記ステップ(a)の
    後に前記画像処理された第1のフレーム画像とその前の
    フレームである第2のフレーム画像との相関演算を行う
    ステップを有する請求項13又は14記載の画像信号処
    理方法。
  16. 【請求項16】 さらに、(e)前記相関演算の結果に
    応じてカメラの手振れ量を検出するステップと、 (f)前記手振れ量に応じてレンズを駆動するステップ
    とを有する請求項15記載の画像信号処理方法。
  17. 【請求項17】 (a)フレーム画像を複数の領域に分
    割し、該領域に応じて異なる画像処理を行う手順をコン
    ピュータに実行させるためのプログラムを記録したコン
    ピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. 【請求項18】 さらに、(b)前記手順(a)の前に
    画像データを生成する手順と、 (c)前記手順(a)の後に前記画像処理された画像デ
    ータを記憶する手順とを有する請求項17記載のコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体。
  19. 【請求項19】 さらに、(d)前記手順(a)の後に
    前記画像処理された第1のフレーム画像とその前のフレ
    ームである第2のフレーム画像との相関演算を行う手順
    を有する請求項17又は18記載のコンピュータ読み取
    り可能な記録媒体。
  20. 【請求項20】 さらに、(e)前記相関演算の結果に
    応じてカメラの手振れ量を検出する手順と、 (f)前記手振れ量に応じてレンズを駆動する手順とを
    有する請求項19記載のコンピュータ読み取り可能な記
    録媒体。
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