JP2001143939A - 電気部品 - Google Patents

電気部品

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JP2001143939A
JP2001143939A JP32518099A JP32518099A JP2001143939A JP 2001143939 A JP2001143939 A JP 2001143939A JP 32518099 A JP32518099 A JP 32518099A JP 32518099 A JP32518099 A JP 32518099A JP 2001143939 A JP2001143939 A JP 2001143939A
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bobbin
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JP32518099A
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Kazuhiro Takahashi
和浩 高橋
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NEC Miyagi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度等の環境の大きな変化や衝撃に対してボ
ビンおよびコアの位置関係を安定させ、衝撃や振動に対
して機械的な安定を図ることのできる電気部品を実現す
ること。 【解決手段】 ボビン54の筒状部品52の両端の枠状
のツバ55、56には取付部材58、59が下方に突出
するように配置されている。2つのコア83、84が中
穴57に挿入された状態でこれらのコアの上に棒状スペ
ーサ86、87が載置され、ボビン54よりも高い位置
のこれらの上面に平板状スペーサ88が配置される。バ
ネ部材91の第1の構成部91Aは平板状スペーサ88
を介してコア83、84を下向きに押圧し、第4および
第5の構成部91D、91Eがボビン54の下端を上向
きに押圧することで、両者がクリアランスを生じること
なく位置決めされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は巻線を施したボビン
とそのボビンの中穴にコアを挿入してなるトランスある
いはコイル等の電気部品に関する。
【0002】
【従来の技術】巻線を施したボビンと磁性体からなるコ
アを用いた電気部品は、自己誘導や相互誘導作用によっ
て所望の電気的な特性を得ることができ、代表的にはト
ランスやコイルとして実用化されている。
【0003】このような電気部品のうちボビンにE字状
のコアの中央の突出片を挿入する形式の部品では、挿入
が可能となるようにボビンの中穴の方が突出片のサイズ
よりも若干大きくなっている。このため、ボビンとコア
を組み合わせた後に、両者の位置関係を固定するように
しないと両者の位置関係の狂いによって電気的な特性が
変わったり、このようなクリアランスからくる、いわゆ
るガタツキが発生してしまうという問題がある。ガタツ
キが発生すると、振動や衝撃で部品同士が衝突し、その
結果として機械的な不具合を生じることになる。
【0004】そこでこのようなガタツキを防止するため
に、従来ではボビンとコアの組み合わされた箇所に接着
剤や充填材等の材料を使用し、接着や含浸あるいは封止
を行っていた。特に宇宙空間で使用する電気部品のよう
に、ロケットの発射時のような機械的な振動や衝撃が加
わる部品についてはこのような配慮が必要であった。
【0005】ところが、ボビンとコアの組み合わされた
箇所に接着剤や充填材等の材料を使用すると、温度が広
範囲に変動する環境では構成部品同士の温度変化による
熱膨張や収縮の度合いの違いによってこれらの部品の間
に比較的大きな動きが発生する。これが機械的なストレ
スを生じさせて構成部品へ過剰な力が加わるようにな
り、コアが機械的に歪んで透磁率が変化する等の特性変
動を起こす場合があった。また、このような構成部品へ
の過剰な力の発生によって、構成部品にクラックが生じ
る場合もあった。そこで、接着剤等の材料を使用せずに
コアとボビンをバネの加圧によって固定する手法が提案
されている。
【0006】図10は従来提案されたこのような電気部
品の分解された状態を表わしたものである。この電気部
品11は、中空の筒状部品の外周部分に巻線を施したボ
ビン12の底部を図示しない基板に取り付けるための端
子台13に固定している。ボビン12の中穴14にはそ
の両側から、断面がE字状のコア15、16の中央部分
に位置する凸部15A、16Aが挿入されるようになっ
ている。
【0007】端子台13は、ボビン12の側部とそれぞ
れ対向するように2つの凸字状の側壁13A、13Bを
備えている。E字状のコア15、16の凸部15A、1
6Aがボビン12に挿入された状態で、これらE字状の
コア15、16の両側部15B、15C、16B、16
Cが凸部15A、16Aの上の長方形の部分によって挟
まれるようになっている。この状態で、Σ字状のバネ部
材18を端子台13および2つのE字状のコア15、1
6を取り囲むように取り付けると、ボビン12とE字状
のコア15、16の位置関係が固定される。このような
技術は、特開平6−132129号公報にも開示されて
いる。この図10に示した技術では、端子台13の底面
と平行な図示しないプリント基板の面と同一方向(水平
方向)に衝撃が加わっても、バネ部材18の存在によっ
てボビン12とE字状のコア15、16の位置関係が狂
うことがない。
【0008】図11は、従来提案された他の電気部品の
構成を表わしたものである。この電気部品21では、巻
線を施したボビン22の図示しない中穴に2つのE字状
のコア23、24の中央部分に位置する凸部(図示せ
ず)が挿入されている。ボビン22の上部の貫通孔には
Ω字型の2本のバネ部材25、26の中央部分が挿入さ
れており、これらのバネ部材25、26の両端部が2つ
のE字状のコア23、24を図で下向きに押圧してい
る。このボビン22にはその下部にも図示しないが同様
の2本のバネ部材が取り付けられており、これらのバネ
部材の両端部は2つのE字状のコア23、24を図で上
向きに押圧している。
【0009】図11に示したこの提案では、ボビン22
の上下に設けられたバネ部材の押圧力のバランスによっ
て2つのE字状のコア23、24とボビン22の位置決
めが行われている。特開平11−111530号公報に
も同様な技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように接着剤や充
填材等の材料でボビンとコアを固定した際の温度変化に
よる不都合を回避するために、バネ部材を使用してこれ
らの位置関係を固定する技術が従来から提案されてい
る。しかしながら、図10に示した提案では、バネ部材
18がボビン12とE字状のコア15、16を水平方向
で固定している。したがって、垂直方向に衝撃が加わっ
たような場合には、バネ部材18の押圧箇所がずれてし
まい、ボビン12とE字状のコア15、16の位置関係
が狂ってしまう。また極端な場合にはバネ部材18が抜
け落ちてしまう場合も考えられる。
【0011】一方、図11に示した提案の場合には、上
下両方向からのバネ圧によってボビン22の中穴に対す
るコア23、24の位置関係が決まっている。このた
め、宇宙空間のように温度変化が激しい等の環境変化が
激しい箇所では、バネ部材の加圧力をこれに見合うだけ
とる必要があるが、実際には加圧力を高くとるには限界
がある。
【0012】そこで本発明の目的は、温度等の環境の大
きな変化や衝撃に対してボビンおよびコアの位置関係を
安定させ、衝撃や振動に対して機械的な安定を図ること
のできる電気部品を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、(イ)中空の筒状部品の外周部分に巻線を施したボ
ビンと、(ロ)このボビンの高さよりも位置的に低い位
置にその最上部が配置され、また位置的に高い位置にそ
の最下部が配置されていて、閉磁路を形成するようにし
た磁性体からなるコアと、(ハ)このコアの上に載置さ
れその最上部がボビンの高さよりも位置的に高くなるよ
うな厚さを有するスペーサと、(ニ)このスペーサとボ
ビンの最下部とを挟持するバネ部材とを電気部品に具備
させる。
【0014】すなわち請求項1記載の発明では、コアよ
りもボビンの方がその最上部の高さが高い場合が通常で
あるのに鑑みて、ボビンの内部に入っていないコアの部
分にスペーサを載置してボビンの高さよりも高くして、
このスペーサとボビンの最下部とをバネ部材で弾性的に
挟持することにより、スペーサに対して下向きに、また
ボビンに対して上向きに押圧力を加えて、両者の嵌合部
分がクリアランスを生じることなく接触するようにし
て、ボビンとコアの位置関係を安定させるようにしてい
る。
【0015】請求項2記載の発明では、(イ)両端のツ
バ部に挟まれた筒状部品の外周部分に巻線を施したボビ
ン本体と、このボビン本体のツバ部にこれよりも下方に
向けて突出するように配置された取付部材とを備えたボ
ビンと、(ロ)磁性体からなりボビン本体を貫通する中
穴にその凸部を挿入することで閉磁路を形成するととも
にその最上部の高さがボビンの最上部の高さよりも低い
形状のコアと、(ハ)このコアの上部に配置され、その
上面の高さがボビンの最上部の高さよりも高くなるよう
な厚さを有するスペーサと、(ニ)このスペーサの上面
とボビンの底部とを挟持するバネ部材とを電気部品に具
備させる。
【0016】すなわち請求項2記載の発明では、本体の
下側にプリント基板等の取付部に固定するための取付部
材を備えたボビンについては、請求項1記載の発明と同
様にコアの上面にスペーサを載置して嵩(かさ)上げを
するとともに、スペーサの上面とボビンの底部とをバネ
部材で挟んで、スペーサに対して下向きに、またボビン
に対して上向きに押圧力を加えて、両者の嵌合部分とし
ての中穴の内面と突部がクリアランスを生じることなく
接触するようにして、ボビンとコアの位置関係を安定さ
せるようにしている。
【0017】請求項3記載の発明では、(イ)両端のツ
バ部に挟まれた筒状部品の外周部分に巻線を施したボビ
ン本体と、このボビン本体のツバ部にこれよりも下方に
向けて突出するように配置された取付部材とを備えたボ
ビンと、(ロ)磁性体からなりボビン本体を貫通する中
穴にその凸部を挿入することで閉磁路を形成するととも
にその最上部の高さがボビンの最上部の高さよりも高い
形状のコアと、(ハ)このコアの上部とボビンの底部と
を挟持するバネ部材とを電気部品に具備させる。
【0018】すなわち請求項3記載の発明では、請求項
1および請求項2記載の発明と異なり、ボビンに取り付
けたコアの高さがボビンの最上部の高さよりも元々高く
なるような形状のコアを採用し、嵩上げのためのスペー
サを不要としている。したがって、本発明の場合にはコ
アの上部とボビンの底部とをバネ部材で単純に挟持すれ
ばよい。
【0019】請求項4記載の発明では、請求項1〜請求
項3記載の電気部品でコアはそれぞれ中央に凸部を配置
した断面がE字状の2つの磁性体から構成され、これら
の磁性体がボビン本体の中穴にそれぞれの凸部を挿入し
た形で装着するように配置されることを特徴としてい
る。これらの凹部の先端は接触していてもよいし、所定
の特性を得るためにこれらの間にギャップが存在してい
てもよい。
【0020】すなわち、請求項4記載の発明の場合には
コアがE字状の2つの磁性体の組み合わせで構成される
場合を表わしている。
【0021】請求項5記載の発明では、請求項1〜請求
項3記載の電気部品でコアは中央に凸部を配置した断面
がE字状の1つの磁性体とI字状の1つの磁性体から構
成され、E字状の磁性体の前記凸部がボビン本体の中穴
の一方から挿入され、中穴の他方にE字状の磁性体に対
向するようにI字状の磁性体が配置されることを特徴と
している。
【0022】すなわち、請求項5記載の発明の場合には
コアがE字状の磁性体とI字状の磁性体の組み合わせで
構成される場合を表わしている。
【0023】請求項6記載の発明では、請求項1または
請求項2記載の電気部品でバネ部材は、中央が凸状に湾
曲した長方形の第1の構成部と、この第1の構成部の両
端からそれぞれ凸状に湾曲した方向にほぼ直角に折れ曲
がった同一サイズの長方形の第2および第3の構成部
と、これら第2および第3の構成部の端部からそれぞれ
対向面の方向に折れ曲がって突出した突片からなる第4
および第5の構成部からなり、これら第4および第5の
構成部がボビンの底部に掛止しており、第1の構成部の
凸状に湾曲した中央部分がスペーサを下方向に押圧する
ものであることを特徴としている。
【0024】すなわち請求項6記載の発明では、断面が
ほぼΣ型をした1つのバネ部材を使用して、ボビンの底
部とスペーサの上部との間を挟持させることで、簡単に
電気部品の各部品の位置的な固定ができるようにしてい
る。
【0025】請求項7記載の発明では、請求項2記載の
電気部品で、スペーサの上面とボビンの底部とを挟持す
るバネ部材は、コアを装着しその上部にスペーサを載置
したボビンを収容するホルダと、このホルダに上側から
スペーサに圧接する状態で弾性的に掛止する第1のバネ
から構成され、ホルダに左右方向から弾性的に掛止する
第2のバネがホルダに収容されたコアの左右方向の動き
を規制していることを特徴としている。
【0026】すなわち請求項7記載の発明では、上下方
向の動きを規制するバネ部材を、ボビン等を収容し上部
が開けられたホルダと、そのホルダの上方からホルダと
掛止することでスペーサを介して下向きに圧接する第1
のバネで構成することにしている。更にこの請求項7記
載の発明では、左右方向の動きの規制を第2のバネで行
っている。
【0027】
【発明の実施の形態】
【0028】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0029】図1は本発明の一実施例における電気部品
の分解された状態を示したものである。この電気部品5
1は、中空の筒状部品52の外周部分に巻線53を施し
たボビン54を備えている。ボビン54の筒状部品52
の両端の枠状のツバ55、56のそれぞれ下端部分に
は、筒状部品52の中穴57の長さ方向と直交する方向
に細長い直方体をした取付部材58、59が下方に突出
するように取り付けられている。取付部材58、59に
は図示しないプリント基板への実装を目的とした実装用
端子81が植設されている。
【0030】筒状部品52の中穴57には、断面がE字
型をしたコア83、84が、それらの中央の凸部83
A、84Aの対向面が互いに接触するようにボビン54
の両側から挿入されるようになっている。2つのコア8
3、84の対向面を接触させることで、コア83、84
内に閉磁路を形成して、電気部品51をトランスやコイ
ルとして機能させる。2つのコア83、84の挿入を容
易にするために、中穴57の内側の寸法は、中央の凸部
83A、84Aの外側の寸法よりも多少大きめに設定さ
れている。このため、中穴57と凸部83A、84Aが
組み合わされた状態で、これらの間にクリアランスが生
じることになる。
【0031】本実施例で2つの直方体をした棒状スペー
サ86、87は、弾力性のあるゴム等の部材からなり、
2つのコア83、84が中穴57に完全に挿入された状
態でそれらの凹凸の形成されていない基部83B、84
Bの上面にそれらの底面を接触させるように配置され
る。これらの棒状スペーサ86、87の長手方向の長さ
は、2つのコアの基部83B、84Bの同一方向の長さ
と一致している。
【0032】平板状スペーサ88は金属等の剛性のある
長方形をした平板であり、その一辺の長さが前記した基
部83B、84Bの一辺の長さと一致しており、他辺の
長さは2つのコアの基部83B、84Bの長手方向と直
交する方向の辺83C、84Cの合計した長さと一致し
ている。
【0033】バネ部材91は断面がほぼΣ型をしてお
り、中央が下側に出っ張った凸状に湾曲した長方形の第
1の構成部91Aと、この第1の構成部91Aの両端か
らそれぞれ凸状に湾曲した方向(図で下方向)にほぼ直
角に折れ曲がった同一サイズの長方形の第2および第3
の構成部91B、91Cと、これら第2および第3の構
成部91B、91Cの端部からそれぞれ対向面の方向に
折れ曲がって突出した突片からなる第4および第5の構
成部91D、91Eからなっている。これら第4および
第5の構成部91D、91Eは取付部材58、59の下
側の面に掛止し、第1の構成部91Aの凸状に湾曲した
中央部分が一対の棒状スペーサ86、87を図で下側に
押すような形で電気部品51の位置的な固定が行われる
ようになっている。なお、バネ部材91の特性によって
は、棒状スペーサ86、87が必ずしも弾力性あるいは
柔軟性を有する素材で作製される必要がない。
【0034】図2は、図1に示した平板状スペーサ88
およびバネ部材91を取り付ける前の電気部品の組み立
て状況を表わしたものである。両コア83、84の上下
方向の長さL1は図1に示したボビン54の枠状のツバ
55、56の上下方向の長さL2(図1参照)よりも短
い。したがって、棒状スペーサ86、87がない状態で
図1に示したバネ部材91を取り付けると、2つのコア
83、84の端部が上下に押圧されるだけで、ボビン5
4に対する2つのコア83、84の位置決めを行うこと
ができない。
【0035】そこで、2つのコア83、84に直接圧力
が加わるように棒状スペーサ86、87をコア83、8
4の上部にそれぞれ載置して、図2に示したようにボビ
ン54の巻線53の部分や枠状のツバ55、56の高さ
よりも棒状スペーサ86、87の上面の高さの方が高く
なるようにしている。そしてこの状態で2つの棒状スペ
ーサ86、87の上に図1で示した平板状スペーサ88
を被せ、平板状スペーサ88の上面と取付部材58、5
9とが挟持される形でバネ部材91を取り付けることに
している。
【0036】図3は、バネ部材が取り付けられた電気部
品を表わしたものであり、図4はそのA−A方向の断面
を表わしたものである。バネ部材91はその第1の構成
部91Aが下方に湾曲しているので、図で矢印101方
向の押圧力を平板状スペーサ88に与える。平板状スペ
ーサ88はこの力を2つの棒状スペーサ86、87を介
して2つのコア83、84に伝達する。この結果、これ
ら2つのコア83、84には下向きの力が加わることに
なる。
【0037】一方、バネ部材91の第4および第5の構
成部91D、91E(図4では第4の構成部91Dのみ
が現われている。)は取付部材58、59の底部に引っ
掛けられており、ここから矢印102方向の押圧力がボ
ビン54に加えられている。したがって、ボビン54は
図で上向きの力を受け、2つのコア83、84は下向き
の力を受けて、E字型をしたコアの中央の凸部83A、
84Aとボビンの中穴57(図1参照)が圧接した状態
となる。これにより両者の取り付けの際のクリアランス
が除去され、両者の位置関係が常に固定されることにな
る。しかも、バネ部材91を用いて位置の固定が行われ
るので、電気部品51が広範囲な温度変動の生じる環境
に置かれても、接着剤等で固定する場合と比較すると各
部品に機械的なストレスが発生することが大幅に軽減さ
れる。
【0038】発明の第1の変形例
【0039】図5は本発明の第1の変形例における電気
部品の分解された状態を示したものである。この第1の
変形例の電気部品51Aは、その構成部品として図1に
示した2つの直方体をした棒状スペーサ86、87が無
くなっている。また、先の実施例のコア83、84の代
わりに縦断面が凸型で横断面がE字型をした2つのコア
183、184を使用している。これらのコア183、
184の中央部分から突出して配置された凸部83A、
84Aの形状およびサイズは先の実施例と同一である。
【0040】図6は、この第1の変形例における電気部
品の組み上がった状態を示したものである。2つのコア
183、184の凹凸の形成されていない基部183
B、184B(図5参照)の上下方向の長さL3は、図
1に示したボビン54の枠状のツバ55、56の上下方
向の長さL2よりも長くなっている。したがって、2つ
のコアの凸部83A、84Aをボビン54の中穴57に
両者の対向面が互いに接触するように取り付けると、凸
部83A、84Aの上面の高さはボビン54の各部の高
さよりも若干高くなるようになっている。
【0041】このため、図6に示すようにこれらのコア
の凸部83A、84Aの上に平板状スペーサ88を載置
した状態でバネ部材91を取り付けると、これによる矢
印101方向の押圧力は2つのコア183、184を下
向きに押圧する力を与える。これに対してバネ部材の底
部に配置された第4および第5の構成部91D、91E
(図5参照)は、取付部材58、59に対して矢印10
2方向の押圧力を与え、ボビン54(図5参照)を上向
きに押圧する力を与える。
【0042】これにより、2つのコア183、184の
底面が取付部材58、59の上面と圧接することにな
り、両者の取り付けの際のクリアランスが除去され、こ
れらの位置関係が常に固定されることになる。しかも、
バネ部材91を用いて位置の固定が行われるので、電気
部品51が広範囲な温度変動の生じる環境に置かれて
も、各部品にストレスが蓄積されることはなく、従来指
摘された問題が生じることもない。
【0043】発明の第2の変形例
【0044】以上説明した実施例および変形例では電気
部品のコアとして2つのE字型の磁性体を使用した。本
発明の第2の変形例では、この代わりに、図7に示した
ように凹凸の部分が長くなったE字型のコア283とI
字型のコア284を使用して閉磁路を形成するようにし
てもよく、このような場合にも本発明を適用することが
できるのは当然である。また、この場合にも図5で説明
したようにE字型のコア283の基部の上下方向の長さ
を凸部283Aの同一方向の長さよりも長くするととも
に、I字型のコア284のこの方向の長さを同様に長く
することも有効であることはいうまでもない。
【0045】また本発明はボビンに組み込んだときに、
上面がボビンの上面よりも位置的に下に来るコアに対し
て、それがE字型でなくても同様に適用可能であること
も当然である。
【0046】発明の第3の変形例
【0047】図8は本発明の第3の変形例における電気
部品の分解された状態を示したものである。先の実施例
の図1と同一部分には同一の符号を付しており、これら
の説明を適宜省略する。この第3の変形例の電気部品5
1Cでは、先の実施例のバネ部材91の代わりに、コア
83、84を装着したボビン54を収容するホルダ30
1と、このホルダ301を使用して平板状スペーサ88
を押圧するための第1のバネ302と、コア84を押圧
するための第2のバネ303を使用している。
【0048】ここでホルダ301は取付部材58、59
を両側から挟むように保持する第1および第2の側板部
301A、301Bと、これら2つの側板部301A、
301Bを連結すると共にコア83の水平方向の動きを
規制する連結板部301Cから構成されている。第1お
よび第2の側板部301A、301Bは、それぞれ上端
近傍に第1のバネ用突起305A、305Bを設けてい
ると共に、連結板部301Cに比較的近い箇所に第2の
バネ用突起306A、306Bを設けている。それぞれ
の側板部301A、301Bは、その下部に2本ずつの
プリント基板固定用つめ308を配置している。また、
側板部301A、301Bの下端近傍の両側部には取付
部材載置用つめ309が設けられている。これらの取付
部材載置用つめ309は、互いに対向する他方の側板部
301B、301Aの方向に直角に折れ曲っており、取
付部材58、59を載置するようになっている。
【0049】この第3の変形例では、ボビン54の中穴
57にコア83、84を両側から装着した状態でコア8
3の一端を連結板部301Cに接触させてホルダ301
に取り付ける。そして、棒状スペーサ86、87および
平板状スペーサ88を順に載置した後に、第1のバネ3
02の両端に開けられた穴302A、302Bを第1の
バネ用突起305A、305Bにそれぞれ差し込んで、
上下方向の固定を行う。また、第2のバネ303の両端
に開けられた穴303A、303Bを第2のバネ用突起
306A、306Bに差し込んで、左右方向の固定を行
うようにしている。
【0050】図9は、このようにして組み上げた電気部
品の外観を表わしたものである。電気部品51Cの側板
部301A、301B(この図では側板部301Aは隠
れて見えない。)の下に突出しているプリント基板固定
用つめ308は、図示しないプリント基板に設けられた
穴に挿入されることでこれに固定される。実装用端子8
1もプリント基板上の対応する穴に通されてハンダによ
り固定されることになる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように請求項1および請求
項2記載の発明によれば、コアとボビンを組み合わせて
電気部品を構成するときに、組み合わせ状態でボビンの
最上部の方がコアよりも位置的に高くなる通常の部品構
成としている。そして、スペーサを使うことにより、安
価な部品構成のままコアとボビンを上下方向におけるそ
れぞれ最端部を実質的に構成する部品に変換し、バネ部
材で単に挟持するだけで両者の位置関係を安定した状態
で固定することにした。これによって、衝撃や振動に対
して機械的な安定を図った安価で信頼性の高い電気部品
を実現することができる。
【0052】また請求項3記載の発明によれば、ボビン
に取り付けたコアの高さがボビンの最上部の高さよりも
元々高くなるような形状のコアを採用したので、嵩上げ
のためのスペーサを不要とし、部品点数を減少させるこ
とができ、量産によるコストの低減を図ることができ
る。
【0053】更に請求項6記載の発明では、断面がほぼ
Σ型をした1つのバネ部材を使用して、ボビンの底部と
スペーサの上部との間を挟持させることで、簡単な構成
の安価な部品で簡単に電気部品の各部品の位置的な固定
ができることになる。
【0054】また、請求項7記載の発明では、上下方向
の動きを規制するバネ部材を、ボビン等を収容し上部が
開けられたホルダと、そのホルダの上方からホルダと掛
止することでスペーサを介して下向きに圧接する第1の
バネで構成しているので、ホルダに各種部品を組み込ん
だ後で上下方向の固定を行うことができ、作業が簡単で
ある。また、ホルダ自体を基板に固定することで、この
電気部品を簡単に固定することができる。更にこの請求
項7記載の発明では第2のバネも使用しているので、左
右方向の動きの規制も行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における電気部品の分解され
た状態を示した説明図である。
【図2】図1に示した平板状スペーサおよびバネ部材を
取り付ける前の電気部品の組み立て状況を表わした斜視
図である。
【図3】本実施例でバネ部材が取り付けられた完成状態
の電気部品を表わした斜視図である。
【図4】図3のA−A方向で切断した電気部品の断面図
である。
【図5】本発明の第1の変形例における電気部品の分解
された状態を示した説明図である。
【図6】図5に示した第1の変形例における電気部品の
組み上がった状態を示した斜視図である。
【図7】本発明の変形例としてコアをE字型とI字型の
2つの部品で構成した場合の組み合わせを示した斜視図
である。
【図8】本発明の第3の変形例における電気部品の分解
された状態を示した斜視図である。
【図9】第3の変形例における電気部品の組立後の斜視
図である。
【図10】従来提案された電気部品の分解された状態を
示す斜視図である。
【図11】従来提案された他の電気部品の斜視図であ
る。
【符号の説明】
51、51A 電気部品 54 ボビン 55、56 ツバ 57 中穴 58、59 取付部材 83、84、183、184 E字型のコア 83A、84A、283A 凸部 86、87 棒状スペーサ 88 平板状スペーサ 91 バネ部材 91A 第1の構成部 91B 第2の構成部 91C 第3の構成部 91D 第4の構成部 91E 第5の構成部 284 I字型のコア 301 ホルダ 302 第1のバネ 303 第2のバネ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空の筒状部品の外周部分に巻線を施し
    たボビンと、 このボビンの高さよりも位置的に低い位置にその最上部
    が配置され、また位置的に高い位置にその最下部が配置
    されていて、閉磁路を形成するようにした磁性体からな
    るコアと、 このコアの上に載置されその最上部が前記ボビンの高さ
    よりも位置的に高くなるような厚さを有するスペーサ
    と、 このスペーサと前記ボビンの最下部とを挟持するバネ部
    材とを具備することを特徴とする電気部品。
  2. 【請求項2】 両端のツバ部に挟まれた筒状部品の外周
    部分に巻線を施したボビン本体と、このボビン本体の前
    記ツバ部にこれよりも下方に向けて突出するように配置
    された取付部材とを備えたボビンと、 磁性体からなり前記ボビン本体を貫通する中穴にその凸
    部を挿入することで閉磁路を形成するとともにその最上
    部の高さが前記ボビンの最上部の高さよりも低い形状の
    コアと、 このコアの上部に配置され、その上面の高さが前記ボビ
    ンの最上部の高さよりも高くなるような厚さを有するス
    ペーサと、 このスペーサの上面と前記ボビンの底部とを挟持するバ
    ネ部材とを具備することを特徴とする電気部品。
  3. 【請求項3】 両端のツバ部に挟まれた筒状部品の外周
    部分に巻線を施したボビン本体と、このボビン本体の前
    記ツバ部にこれよりも下方に向けて突出するように配置
    された取付部材とを備えたボビンと、 磁性体からなり前記ボビン本体を貫通する中穴にその凸
    部を挿入することで閉磁路を形成するとともにその最上
    部の高さが前記ボビンの最上部の高さよりも高い形状の
    コアと、 このコアの上部と前記ボビンの底部とを挟持するバネ部
    材とを具備することを特徴とする電気部品。
  4. 【請求項4】 前記コアはそれぞれ中央に凸部を配置し
    た断面がE字状の2つの磁性体から構成され、これらの
    磁性体が前記ボビン本体を貫通する中穴にその両側から
    それぞれ凸部を挿入した形で装着されることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3記載の電気部品。
  5. 【請求項5】 前記コアは中央に凸部を配置した断面が
    E字状の1つの磁性体とI字状の1つの磁性体から構成
    され、E字状の磁性体の前記凸部が前記ボビン本体の中
    穴の一方から挿入され、中穴の他方にE字状の磁性体に
    対向するようにI字状の磁性体が配置されることを特徴
    とする請求項1〜請求項3記載の電気部品。
  6. 【請求項6】 前記バネ部材は、中央が凸状に湾曲した
    長方形の第1の構成部と、この第1の構成部の両端から
    それぞれ前記凸状に湾曲した方向にほぼ直角に折れ曲が
    った同一サイズの長方形の第2および第3の構成部と、
    これら第2および第3の構成部の端部からそれぞれ対向
    面の方向に折れ曲がって突出した突片からなる第4およ
    び第5の構成部からなり、これら第4および第5の構成
    部が前記ボビンの底部に掛止しており、前記第1の構成
    部の凸状に湾曲した中央部分が前記スペーサを下方向に
    押圧するものであることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の電気部品。
  7. 【請求項7】 前記スペーサの上面と前記ボビンの底部
    とを挟持するバネ部材は、コアを装着しその上部にスペ
    ーサを載置したボビンを収容するホルダと、このホルダ
    に上側から前記スペーサに圧接する状態で弾性的に掛止
    する第1のバネから構成され、前記ホルダに左右方向か
    ら弾性的に掛止する第2のバネが前記ホルダに収容され
    たコアの左右方向の動きを規制していることを特徴とす
    る請求項2記載の電気部品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006310589A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Shindengen Electric Mfg Co Ltd コイル装置及びその製造方法
JPWO2015087546A1 (ja) * 2013-12-13 2017-03-16 三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社 電子部品の固定構造

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