JP2001141894A - 画像撮影方法および画像撮影装置 - Google Patents

画像撮影方法および画像撮影装置

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JP2001141894A
JP2001141894A JP2000251313A JP2000251313A JP2001141894A JP 2001141894 A JP2001141894 A JP 2001141894A JP 2000251313 A JP2000251313 A JP 2000251313A JP 2000251313 A JP2000251313 A JP 2000251313A JP 2001141894 A JP2001141894 A JP 2001141894A
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image
anisotropic
phosphor
screen
phosphor screen
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JP2000251313A
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English (en)
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Toshitaka Agano
俊孝 阿賀野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光体スクリーンと画像検出器を用いて被写
体画像を撮影する画像撮影装置において、ボケやモアレ
よる画像品質の劣化を改善する。 【解決手段】 放射線を発する放射線源8と画像情報を
担持する潜像電荷の量に応じた画像信号を各エレメント
16a毎に読み取る光読出方式且つ改良型直接変換方式
の放射線固体検出器10との間に、異方化の方向が1次
元のみの異方化蛍光体スクリーン90を、各隔壁材料9
0aの間隔が配列ピッチPGをなし、該隔壁材料90a
の配列方向がエレメント16aの配列方向と略直角とな
るように配設する。副走査方向の読取りの空間周波数で
あるサンプリングピッチの空間周波数fS=1/PS
が、隔壁材料90aの配列ピッチの空間周波数fG=1
/PGの2倍以上となるように設定する。或いは、空間
周波数fS=1/PSと、空間周波数fG=1/PGと
の差が1以上となるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方化蛍光体スク
リーンを用いて画像撮影を行なう画像撮影方法および画
像撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、2次元画像読取装置を用いた
装置、例えばファクシミリ、複写機或いは放射線画像撮
像装置などが知られている。
【0003】例えば、医療用放射線画像撮像装置などに
おいては、被験者の受ける被爆線量の減少、診断性能の
向上などのために、X線などの放射線に感応するセレン
板などの光導電体(層)を有する放射線固体検出器(静
電記録体)を2次元画像読取装置として使用し、該放射
線固体検出器にX線を照射し、照射された放射線の線量
に応じた量の電荷を放射線固体検出器内の蓄電部に潜像
電荷として蓄積させることにより、放射線画像情報を蓄
電部に静電潜像として記録すると共に、レーザビーム或
いはライン光源で放射線画像情報が記録された放射線固
体検出器を走査することにより、該放射線固体検出器か
ら放射線画像情報を読み取る方法や装置が知られてい
る。
【0004】この方法や装置おいて2次元画像読取装置
として使用される放射線固体検出器としては、種々のタ
イプのものが提案されているが、検出器内で画像情報を
担持する潜像電荷を発生させる電荷生成プロセスの面か
らは、光変換方式のものや直接変換方式のもの、或いは
直接変換方式の1つであって、読取光を走査して潜像電
荷を読み出す改良型直接変換方式のものがあり、一方、
前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じた画像信号
を取得する電荷読取プロセスの面からは、TFT読出方
式と光読出方式とがある。
【0005】ここでTFT読出方式とは、TFT(薄膜
トランジスタ)を走査駆動して、蓄積部に蓄積した潜像
電荷を放射線画像信号に変換して出力するものであり、
光読出方式とは、読取用の電磁波(一般には可視光が用
いられる)を照射して蓄積部に蓄積した潜像電荷を画像
信号に変換して出力するものである。
【0006】また、光変換方式の放射線固体検出器と
は、放射線を一旦光に変換した後に、この光により電荷
を発生させるようにしたものであって、例えば、絶縁基
板上に光電変換素子(検出電荷を蓄積する蓄電部を有す
る)が2次元状に配列されて成る2次元画像読取装置
(放射線固体検出部)と、この2次元画像読取装置上に
形成された、画像情報を担持する放射線が照射されると
該画像情報を担持する可視光を発する蛍光体(シンチレ
ータ)とを有して成るものがある(例えば特開昭59-211
263 号、特開平2-164067号、PCT国際公開番号WO92
/06501号、Signal,noise,and read out considerations
in the development of amorphous siliconphotodiode
arrays for radiotherapy and diagnostic x-ray imag
ing,L.E.Antonuk et.al ,University of Michigan,
R.A.Street Xerox,PARC,SPIE Vol.1443 Medical Imag
ing V;Image Physics(1991) ,p.108-119 など)。2次
元画像読取装置は、TFT読出方式を用いており、蛍光
体から発せられた前記蛍光を検出して画像情報を担持す
る潜像電荷を光電変換素子の蓄電部に一旦蓄積し、各光
電変換素子と接続されたTFTが走査駆動されることに
より、蓄電部に蓄積した潜像電荷を放射線画像信号に変
換して出力するものである。
【0007】直接変換方式の放射線固体検出器とは、放
射線を光導電層に照射して直接電荷を発生させるように
したものであって、例えば、記録用の放射線の照射を受
けることにより導電性を呈する光導電層と、該光導電層
で発生した電荷を収集する、2次元状に配列された多数
の電荷収集電極および各電荷収集電極毎に接続された蓄
電部としてのコンデンサで構成された2次元画像読取装
置とから成るものがあり、各電荷収集電極により収集さ
れた電荷が画像情報を担持する潜像電荷となってコンデ
ンサに蓄積されるものである(例えば、(i) MATERIAL P
ARAMETERS IN THICK HYDROGENATED AMORPHOUS SILICON
RADIATION DETECTORS,Lawrence Berkeley Laboratory.U
niversity of California,Berkeley.CA 94720 Xerox Pa
rc.PaloAlto.CA 94304)、(ii)Metal/Amorphous Silicon
Multilayer Radiation Detectors,IEE TRANSACTIONS O
N NUCLEAR SCIENCE.VOL.36.NO.2.APRIL 1989) 、(iii)
特開平1−216290号など)。光変換方式と同様にTFT
読出方式を用いており、TFTが走査駆動されることに
より、コンデンサに蓄積された潜像電荷が放射線画像信
号に変換されて出力される。
【0008】改良型直接変換方式の放射線固体検出器と
は、本願出願人が特願平10−232824号や同10−271374号
などにおいて提案しているものであり、上述のように読
取光を走査して潜像電荷を読み出すものであって、記録
用の放射線に対して透過性を有する第1導電体層、該第
1導電体層を透過した記録用の放射線の照射を受けるこ
とにより導電性を呈する記録用光導電層、第1導電体層
に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体と
して作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の電荷に対
しては略導電体として作用する電荷輸送層、読取用の電
磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光
導電層、読取用の電磁波に対して透過性を有する第2導
電体層を、この順に積層して成り、記録用光導電層と電
荷輸送層との界面に形成される蓄電部に画像情報を担持
する潜像電荷を蓄積するものである。前記各層から構成
された検出器は、画像信号を取得するに際して光読出方
式を用いるものであり、それ自体は多数の検出素子が2
次元状に分布配設されているものではないが、読取用の
電磁波としての読取光で走査されることにより、実質的
に2次元画像読取装置として機能する。
【0009】また、本願出願人は、上述の直接変換方式
や改良型直接変換方式の放射線固体検出器において、感
度を高め画質を向上させるため、つまり検出器に照射さ
れる放射線の照射量(線量)に対する該検出器から出力
される信号値の割合を高めるために、検出器の記録用放
射線の照射側に放射線吸収効率の高い蛍光体スクリーン
を配置して撮影を行なう方法や装置を提案している(例
えば特願平10−232824号や特願平10−243379号など)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに蛍光体スクリーンを配置して撮影を行なうと、蛍光
体スクリーン内で光がボケて、鮮鋭度が落ちて画質が劣
化するという問題が生じる。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、蛍光体スクリーンを配置して撮影を行なっても、
鮮鋭度劣化の問題を低減することができる画像撮影方法
および装置を提供することを目的とするものである。
【0012】また、本発明は、鮮鋭度劣化の問題を低減
することにより生じ得るモアレ現象や、主走査方向と副
走査方向の鮮鋭度のバランスが崩れるといった問題を低
減することができる画像撮影方法および装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の画像
撮影方法は、被写体の一方側に記録用の電磁波を発する
波源を配し、前記被写体の他方側に画像情報を担持する
潜像電荷を蓄電部に蓄積する2次元画像読取装置を配し
て前記被写体の画像を撮影する画像撮影方法であって、
2次元画像読取装置と被写体との間に異方化蛍光体スク
リーンを配して被写体の画像を撮影するようにしたこと
を特徴とするものである。
【0014】ここで「異方化蛍光体スクリーン」とは、
スクリーンの厚さ方向に延びる蛍光反射性の隔壁部材に
より蛍光体充填領域が多数の微小房に細分区画された構
造を有するものである。「隔壁部材により蛍光体充填領
域が多数の微小房に細分区画された構造」とあるが、隔
壁部材と蛍光体充填領域とがストライプ状に交互に多数
配列された1次元配置のものであってもよいし、隔壁部
材を市松模様状に配設させるなど、細分区画された蛍光
体充填領域すなわちセルが2次元状に分布した2次元配
置のものであってもよい。
【0015】後者の場合には、異方化蛍光体スクリーン
を上面より見た際の蛍光体充填領域の平面形状すなわち
セル形状はどのようなものであってもよく、例えば、方
形であってもよいし、円形であってもよい。
【0016】なお、後者のようにセルが2次元状に分布
した形態の異方化蛍光体スクリーンとしては、例えば以
下のようなものを使用することができる。
【0017】第1例としては、本願出願人が特願 2000-
132356号において提案しているように、異方化蛍光体ス
クリーンを平面方向に沿って1次元方向に細分区画する
ストライプ状の隔壁と該隔壁により区画された蛍光体充
填領域とからなるストライプ蛍光体層が少なくとも2層
積層されてなり、かつ隣接する蛍光体層のストライプ状
隔壁が互いに略90゜(略直交)または略60゜の角度
で交差しているものである。
【0018】第2例としては、本願出願人が特願 2000-
132355号において提案しているように、下記の工程から
なる製造方法によって製造されたものである: 1)実質的に蛍光体からなる蛍光体フィルムを形成する
工程; 2)この蛍光体フィルムに一定幅の溝を一定の間隔で多
数設け、各溝に隔壁材料を分散含有する液を充填し、そ
して固化させて、1次元構造の隔壁を有するストライプ
蛍光体フィルムを複数枚製造する工程;および 3)複数枚のストライプ蛍光体フィルムを隣接するフィ
ルムのストライプが互いに交差するように積層する(好
ましくはさらに加熱圧着する)工程。
【0019】第3例としては、同じく本願出願人が特願
2000-132355号において提案しているように、下記の工
程からなる製造方法によって製造されたものである: 1)実質的に蛍光体からなる蛍光体フィルムを形成する
工程; 2)この蛍光体フィルムに一定幅の溝を一定の間隔で多
数設け、各溝に隔壁材料を分散含有する液を充填し、更
にこの蛍光体フィルムの表面にも該隔壁材料分散液を塗
布し、次いで固化させて、1次元構造の隔壁を有し、か
つ片面に隔壁層が設けられたストライプ蛍光体フィルム
を複数枚形成する工程; 3)複数枚のストライプ蛍光体フィルムを隣接するフィ
ルムのストライプが互いに平行になるように積層して
(好ましくはさらに加熱圧着して)、積層体ブロックを
形成する工程;および 4)この積層体ブロックをストライプが現れている積層
面に沿ってスライスする工程。
【0020】本発明による第2の画像撮影方法は、前記
異方化蛍光体スクリーンを配したことによって生じ得る
モアレ現象を低減することを目的としたものであって、
多数の線状電極がストライプ状に多数配列されてなる2
次元画像読取装置と、異方化の方向が1次元のみの異方
化蛍光体スクリーンを使用する場合において、線状電極
の配列方向にはモアレを発生させないように、異方化蛍
光体スクリーンを配置するようにしたものである。即
ち、本発明による第2の画像撮影方法は、被写体の一方
側に記録用の電磁波を発する波源を配し、被写体の他方
側に画像情報を担持する潜像電荷を蓄電部に蓄積する2
次元画像読取装置を配し、被写体と2次元画像読取装置
との間に異方化蛍光体スクリーンを配して被写体の画像
を撮影する画像撮影方法であって、2次元画像読取装置
として、潜像電荷の量に応じた電気信号を取得するため
の線状電極がストライプ状に多数配列されてなるものを
使用し、異方化蛍光体スクリーンとして、異方化の方向
が1次元のみのものを使用し、該異方化蛍光体スクリー
ンを、異方化の方向が線状電極の配列方向と略直角とな
るように配設することを特徴とするものである。
【0021】ここで、「異方化の方向」とは、異方化蛍
光体スクリーン内に設けられた、蛍光反射性の隔壁部材
の配列方向を意味する(以下同様)。
【0022】本発明による第3の画像撮影方法は、前記
異方化蛍光体スクリーンを配したことによって生じ得る
モアレ現象を低減することを目的としたものであって、
2次元画像読取装置により読み取られた画像信号に含ま
れ得るモアレ成分を低減若しくは除去するようにしたも
のである。即ち、本発明による第3の画像撮影方法は、
被写体の一方側に記録用の電磁波を発する波源を配し、
被写体の他方側に画像情報を担持する潜像電荷を蓄電部
に蓄積する2次元画像読取装置を配し、被写体と2次元
画像読取装置との間に異方化蛍光体スクリーンを配して
被写体の画像を撮影する画像撮影方法であって、2次元
画像読取装置により読み取られた画像信号の読取ピッチ
(センサピッチ)の空間周波数と異方化蛍光体スクリー
ンの異方化ピッチの空間周波数との差を1サイクル/m
m以上とすることを特徴とするものである。
【0023】この第3の画像撮影方法においては、2次
元画像読取装置により読み取られた画像信号の内、異方
化蛍光体スクリーンにより生じるモアレ周波数を担持す
る信号成分を減衰させるようにするのが望ましい。
【0024】ここで「画像信号の読取ピッチ」とは、蓄
電部に蓄積された潜像電荷の量に応じた画像信号を取得
する際の読取ピッチP0を意味する(以下同様)。該読
取ピッチP0がどのように規定されるかは、2次元画像
読取装置の構成によって、それぞれ異なる。例えば、改
良型直接変換方式の放射線固体検出器を2次元画像読取
装置として使用する場合には、線状電極の配列ピッチP
Cや読取光の走査ピッチ(サンプリングピッチ)PSと
なる。また、直接変換方式の放射線固体検出器を2次元
画像読取装置として使用する場合には、電荷収集電極の
配列ピッチPDとなる。また、光変換方式の放射線固体
検出器を2次元画像読取装置として使用する場合には、
光電変換素子の配列ピッチPPとなる。
【0025】また「画像信号の読取ピッチの空間周波
数」とは、前述のように読取ピッチをP0としたとき、
f0=1/P0で表されるものをいう。また「異方化ピ
ッチの空間周波数」とは、異方化蛍光体スクリーンの異
方化ピッチ、即ち隔壁部材の配列ピッチをPGとしたと
き、fG=1/PGで表されるものをいう。なお、読取
ピッチP0は、上述のように、2次元画像読取装置の構
成によって、それぞれ異なる。
【0026】また「異方化蛍光体スクリーンにより生じ
るモアレ周波数」とは、異方化ピッチPGと読取ピッチ
P0とが異なる場合に、均一な記録用の電磁波が2次元
画像読取装置に照射されたとしても、空間的な位相の違
いから、画像上に周期的な濃淡を引き起こすモアレ現象
における、濃淡の繰返し周波数であって、改良型直接変
換方式の放射線固体検出器を用いる場合にはストライプ
状電極のピッチの空間周波数fC或いは長手方向に走査
して潜像電荷を読み出す際のサンプリングピッチの空間
周波数fSと異方化ピッチの空間周波数fGとの差であ
り、直接変換方式の放射線固体検出器を用いる場合には
隔壁部材の配列方向における電荷収集電極の空間周波数
fDと異方化ピッチの空間周波数fGとの差であり、光
変換方式の放射線固体検出器を用いる場合には隔壁部材
の配列方向における光電変換素子の空間周波数fPと異
方化ピッチの空間周波数fGとの差である。なお、読取
ピッチPAは、上述のように、2次元画像読取装置の構
成によって、それぞれ異なる。
【0027】本発明による第4の画像撮影方法は、前記
異方化蛍光体スクリーンを配したことによって生じ得る
モアレ現象を低減することを目的としたものであって、
モアレ成分を生じさせないように2次元画像読取装置の
読取ピッチを設定するようにしたものである。即ち、本
発明による第4の画像撮影方法は、被写体の一方側に記
録用の電磁波を発する波源を配し、被写体の他方側に画
像情報を担持する潜像電荷を蓄電部に蓄積する2次元画
像読取装置を配し、被写体と2次元画像読取装置との間
に異方化蛍光体スクリーンを配して被写体の画像を撮影
する画像撮影方法であって、2次元画像読取装置により
読み取られる画像信号の読取ピッチの空間周波数を、異
方化蛍光体スクリーンの異方化ピッチの空間周波数の2
倍以上とすることを特徴とするものである。
【0028】この第4の画像撮影方法においては、2次
元画像読取装置により読み取られた画像信号の内、異方
化蛍光体スクリーンの異方化ピッチの空間周波数を担持
する信号成分を減衰させるようにするのが望ましい。
【0029】一方、本発明による第5の画像撮影方法
は、前記異方化蛍光体スクリーンを配したことによっ
て、主走査方向と副走査方向の鮮鋭度のバランスが崩れ
るといった問題を低減することを目的としたものであっ
て、被写体の一方側に記録用の電磁波を発する波源を配
し、被写体の他方側に画像情報を担持する潜像電荷を蓄
電部に蓄積する2次元画像読取装置を配し、被写体と2
次元画像読取装置との間に、異方化の方向が1次元のみ
であって、該該異方化の方向が2次元画像読取装置の主
走査方向または副走査方向と同じになるように異方化蛍
光体スクリーンを配して被写体の画像を撮影する画像撮
影方法であって、2次元画像読取装置により読み取られ
た画像信号の主走査方向の鮮鋭度と副走査方向の鮮鋭度
を略等しくするようにしたこと特徴とするものである。
【0030】本発明による第1の画像撮影装置は、上記
第1の画像撮影方法を実現する装置、即ち、入射した記
録用の電磁波を受けて、画像情報を担持する潜像電荷を
蓄電部に蓄積する2次元画像読取装置を備えてなる画像
撮影装置であって、該2次元画像読取装置と被写体との
間に配された異方化蛍光体スクリーンを備えて成るもの
であることを特徴とするものである。
【0031】2次元画像読取装置としては、読取用の電
磁波が照射されることにより、蓄電部に蓄積された潜像
電荷の量に応じた大きさの画像信号を出力する光読出方
式のものを使用するのが好ましい。特に、本願出願人が
特願平10−232824号、同10−271374号、同11-87922号、
同11-89553号などにおいて提案している検出器を使用す
ると、高効率、高解像度のものとすることができる。
【0032】本発明による第2の画像撮影装置は、上記
第2の画像撮影方法を実現する装置、即ち、異方化蛍光
体スクリーンと、該異方化蛍光体スクリーンを介して入
射した記録用の電磁波を受けて、画像情報を担持する潜
像電荷を蓄電部に蓄積する2次元画像読取装置とを備え
てなる画像撮影装置であって、2次元画像読取装置が、
潜像電荷の量に応じた電気信号を取得するための線状電
極がストライプ状に多数配列されてなるものであり、異
方化蛍光体スクリーンが、異方化の方向が1次元のみの
ものであって、該異方化の方向が線状電極の配列方向と
略直角となるように配設されているものであることを特
徴とするものである。
【0033】また、本発明による画像撮影装置は、異方
化蛍光体スクリーンと、該異方化蛍光体スクリーンを介
して入射した記録用の電磁波を受けて、画像情報を担持
する潜像電荷を蓄電部に蓄積する2次元画像読取装置と
を備えてなる画像撮影装置であって、2次元画像読取装
置により読み取られた画像信号に含まれ得る、異方化蛍
光体スクリーンにより生じるモアレ成分を低減するモア
レ成分低減手段を備えたことを特徴とするものである。
ここで「モアレ成分を低減する」とは、2次元画像読取
装置により読み取られた画像信号に含まれるモアレ成分
を低減若しくは除去するようにすること、およびモアレ
成分を生じさせないように画像信号を取得することの両
者を含む意味である。
【0034】具体的には、上記第3の画像撮影方法を実
現する第3の画像撮影装置は、モアレ成分低減手段を、
画像信号の読取ピッチの空間周波数と異方化蛍光体スク
リーンの異方化ピッチの空間周波数との差を1サイクル
/mm以上とするものとしたことを特徴とするものであ
る。
【0035】この第3の画像撮影装置においては、モア
レ成分低減手段を、2次元画像読取装置により読み取ら
れた画像信号の内、異方化蛍光体スクリーンにより生じ
るモアレ周波数を担持する信号成分を減衰させる第1の
画像処理手段を備えたものとするのが望ましい。
【0036】また、上記第4の画像撮影方法を実現する
第4の画像撮影装置は、モアレ成分低減手段を、画像信
号の読取ピッチの空間周波数が異方化蛍光体スクリーン
の異方化ピッチの空間周波数の2倍以上となるようにし
たものであることを特徴とするものである。
【0037】この第4の画像撮影装置においては、モア
レ成分低減手段を、2次元画像読取装置により読み取ら
れた画像信号の内、異方化蛍光体スクリーンの異方化ピ
ッチの空間周波数を担持する信号成分を減衰させる第2
の画像処理手段を備えたものとするのが望ましい。
【0038】本発明による第5の画像撮影装置は、上記
第5の画像撮影方法を実現する装置、即ち、異方化の方
向が1次元のみの異方化蛍光体スクリーンと、該異方化
蛍光体スクリーンを介して入射した記録用の電磁波を受
けて、画像情報を担持する潜像電荷を蓄電部に蓄積する
2次元画像読取装置とを備え、異方化蛍光体スクリーン
が、異方化の方向が2次元画像読取装置の主走査方向ま
たは副走査方向と同じになるように配されてなる画像撮
影装置であって、2次元画像読取装置により読み取られ
た画像信号の主走査方向の鮮鋭度と副走査方向の鮮鋭度
を略等しくする鮮鋭度バランス手段を更に備えたことを
特徴とするものである。
【0039】上記において「画像信号の主走査方向の鮮
鋭度と副走査方向の鮮鋭度を略等しくする」に際して
は、鮮鋭度の優る方向と同じになるように鮮鋭度の劣る
方向の鮮鋭度を向上させて両方向の鮮鋭度を等しくする
ようにしてもよいし、逆に、鮮鋭度の劣る方向と同じに
なるように鮮鋭度の優る方向の鮮鋭度を劣化させて両方
向の鮮鋭度を等しくするようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明による第1の画像撮影方法および
装置によれば、光読出方式の画像検出器と被写体との間
に異方化蛍光体スクリーンを配設して撮影を行なうよう
にしたので、スクリーン内で発生した蛍光は蛍光体充填
領域で拡散しボケが生じ得るが、隔壁部材で反射するの
で、隔壁部材の配列方向には、該隔壁部材の配列ピッチ
以上に亘って蛍光が拡がることがないため、隔壁部材の
配列方向における鮮鋭度劣化を低減することができる。
【0041】また本発明による第2の画像撮影方法およ
び装置によれば、異方化の方向が線状電極の配列方向と
略直角となるように、異方化の方向が1次元のみの異方
化蛍光体スクリーンを配設するようにしたので、線状電
極の配列方向にはモアレを発生することがない。
【0042】また本発明による第3の画像撮影方法およ
び装置によれば、2次元画像読取装置により読み取られ
た画像信号の読取ピッチの空間周波数と異方化蛍光体ス
クリーンの異方化ピッチの空間周波数との差を1サイク
ル/mm以上とするようにしたので、後述するように、
読取ピッチの空間周波数f0が異方化ピッチの空間周波
数fGの2倍以上となるようにできない場合であって
も、表示画像上に周期的に現れる視認可能な濃淡の数を
少なくすることにより、モアレを視覚上目立たなくする
ことができる。
【0043】この場合、2次元画像読取装置により読み
取られた画像信号の内、異方化蛍光体スクリーンにより
生じるモアレ周波数を担持する信号成分を減衰させるよ
うにすれば、画像上に現れるモアレを視覚上殆ど目立た
なくすることができる。また、画像情報に含まれる1
(サイクル/mm)以下の重要な成分を失うこともな
い。
【0044】また本発明による第4の画像撮影方法およ
び装置によれば、モアレ成分を生じさせないように、2
次元画像読取装置により読み取られる画像信号の読取ピ
ッチの空間周波数を、異方化蛍光体スクリーンの異方化
ピッチの空間周波数の2倍以上に設定するようしたの
で、いわゆるサンプリング定理にしたがい、モアレ現象
による画像の濃淡が原理的に発生しないようになる。
【0045】この場合、表示画像上には隔壁部材を表す
濃淡が再生されるようになるが、2次元画像読取装置に
より読み取られた画像信号の内、異方化ピッチの空間周
波数を担持する信号成分を減衰させるようにすれば、こ
の隔壁部材を表す濃淡を視覚上目立たなくすることがで
きる。
【0046】また本発明による第5の画像撮影方法およ
び装置によれば、異方化の方向が1次元のみの異方化蛍
光体スクリーンを使用する場合において、2次元画像読
取装置により読み取られた画像信号の主走査方向の鮮鋭
度と副走査方向の鮮鋭度を略等しくするようにしたの
で、主走査方向の鮮鋭度と副走査方向の鮮鋭度が異な
り、主/副の各走査方向の鮮鋭度バランスが崩れるとい
う問題は解消される。
【0047】また、異方化蛍光体スクリーンをストライ
プ状隔壁が互いに略90゜で交差した上記第1例に示し
た構造とすれば、放射線の照射により最上層で発生した
光は、ストライプに平行な方向には若干拡散するものの
垂直な方向には隔壁により拡散せず、次層では拡散が抑
制される方向が逆となる。これにより、結果として、2
次元セル構造に近い、最上層のストライプに垂直な方向
(主走査方向)と平行な方向(副走査方向)の両方向に
画質バランスの取れた放射線画像を得ることができる。
このため、この異方化蛍光体スクリーンを医療診断のた
めの放射線画像形成方法に使用した場合に、特に有利と
なる。
【0048】また、異方化蛍光体スクリーンをストライ
プ状隔壁が互いに略60゜で交差した上記第1例に示し
た構造とした場合にも、開口率をそれほど低下させず
に、主副両走査方向に画質バランスの取れた放射線画像
を得ることができる。
【0049】また、第1例の構造を有する異方化蛍光体
スクリーンとする場合において積層数を2〜10層とす
ることにより、主副両走査方向の画質バランスを取るこ
とができるとともに、比較的平易な加工工程でスクリー
ンを安定して製造することができる。
【0050】また、異方化蛍光体スクリーンを上記第2
例に示した製造方法により製造されたものとすれば、蛍
光体フィルムの塗布形成、溝切り、隔壁材料分散液の充
填を連続して実施することができるとともに、蛍光体フ
ィルム形成のための塗布、溝切り、溝充填(または溝切
り同時充填)、および積層からなる3〜4工程で異方化
蛍光体スクリーンを製造することができる。つまり、従
来の方法よりも平易な工程からなり、かつ工程数を減ら
すことができる。
【0051】また、異方化蛍光体スクリーンを上記第3
例に示した製造方法により製造されたものとすれば、蛍
光体フィルムの塗布形成、溝切り、隔壁材料分散液の充
填および隔壁層の形成を連続した操作で実施できるとと
ともに、蛍光体フィルム形成のための塗布、溝切り、溝
充填(または溝切り同時充填)、積層、スライスからな
る4〜5工程で異方化蛍光体スクリーンを製造すること
ができる。つまり、従来の方法よりも平易な工程からな
り、かつ工程数を減らすことができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0053】最初に、光読出方式の一態様である改良型
直接変換方式の放射線固体検出器を2次元画像読取装置
として用いた画像撮影方法および画像撮影装置について
図1を参照して説明する。
【0054】図1(A)は改良型直接変換方式の放射線
固体検出器を模式化(側断面図)して示した、画像撮影
装置の一実施の形態の構成を示す図、図1(B)は放射
線固体検出器を第2導電体層側から見た平面図、図1
(C)は図1(B)と対応させて示した異方化蛍光体ス
クリーンの平面図である。図2は、異方化蛍光体スクリ
ーンの概略構成図であって、図2(A)は斜視図、図2
(B)は拡大平面図、図2(C)は、図2(B)内I−
Iで切断した断面図である。
【0055】画像撮影装置1は、図1(A)に示すよう
に、記録用の電磁波としてのX線などの放射線を発する
放射線源8と、2次元画像読取装置の一態様である改良
型直接変換方式の放射線固体検出器10と、放射線固体
検出器10と放射線源8との間に配置された異方化蛍光
体スクリーン90とから構成されている。
【0056】放射線固体検出器10は、記録用の放射線
に対して透過性を有する第1導電体層(電極層)11、
該第1導電体層を透過した記録用の放射線の照射を受け
ることにより導電性を呈する記録用光導電層12、第1
導電体層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略
絶縁体として作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の
電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層1
3、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を
呈する読取用光導電層14、読取用の電磁波に対して透
過性を有する第2導電体層(電極層)15を、この順に
積層してなるものである。記録用光導電層12と電荷輸
送層13との界面に潜像電荷を蓄積する蓄電部19が形
成される。
【0057】第2導電体層15の電極は、図中斜線で示
すように、潜像電荷の量に応じた電気信号を取得するた
めのエレメント(線状電極)16aがストライプ状に多
数配列されて成るストライプ電極16となっており、各
エレメント16aが、所定のピッチPC(mm)でエレ
メント16aの長手方向に対して略直角な方向に配列さ
れている。
【0058】異方化蛍光体スクリーン90は、図2
(B),(C)に拡大図を示すように、該スクリーン9
0の厚さd方向に延びる蛍光反射性の隔壁部材90aに
より蛍光体充填領域90bがストライプ状に細分区画化
された構造を有している、異方化の方向が1次元のみの
ものである。この異方化蛍光体スクリーン90は、図1
(C)に示すように、各隔壁部材90aの間隔が所定の
ピッチPG(mm)をなし、該隔壁部材90aの配列方
向、即ち該スクリーン90の異方化の方向がエレメント
16aの配列方向と同じになるように配設されている。
エレメント16aの配設位置と隔壁部材90aの配設位
置の関係は、前述のように両者の配列方向が同じ向きで
ある限り、特に問題としない。
【0059】ここで、異方化蛍光体スクリーン90の蛍
光体充填領域90bとしては、記録用の電磁波(本例に
おいては放射線)の照射を受けて該蛍光体充填領域90
b内で発光した光に対する散乱長1/αbが20〜20
0μmの範囲にあり、吸収長1/βbが1000μm以
上のものを使用する。散乱長1/αbが20μmより短
いと、スクリーン90の放射線照射側表面近くで発光し
た光がその反対側に配置された検出器10まで到達せ
ず、検出されなくなるため感度が低下する。一方、異方
化蛍光体スクリーン90の隔壁部材90aとしては、蛍
光体充填領域90b内で発光した光に対する散乱長1/
αaが0.05〜20μmの範囲にあり、吸収長1/β
aが1000μm以上のものを使用する。散乱長1/α
aが20μmより長いと、蛍光体充填領域90b内で発
光した光が隔壁部材90aを越えて拡がってしまい、鮮
鋭度が低下することになる。また、両者90a,90b
の吸収長1/βa,1/βbが1000μmより短い
と、蛍光体充填領域90b内で発光した光が吸収されて
感度の低下をきたす。そして、両者90a,90bの散
乱長1/αa,1/αbの比率(1/αb)/(1/α
a)は、3.0以上であるのが好ましい。この比率が
3.0より小さいと、蛍光体充填領域90b内での光閉
じ込め効果が不十分となり、鮮鋭度と発光量とのバラン
スが悪くなる。
【0060】上記において、光に対する散乱長1/α
a,1/αbとは、光が1回散乱するまでに直進する平
均距離を意味し、散乱長が短いほど光散乱性が高いこと
を意味する。一方、光に対する吸収長1/βa,1/β
bとは、光が吸収されるまでの平均自由距離を表してお
り、吸収長が長いほど光吸収性が低いことを意味する。
光散乱長および光吸収長は、本願出願人による特願平 1
1-134599号に記載のように、異方化蛍光体スクリーン9
0の厚さdと透過率Tの測定値から、クベルカ「(Kube
lka) の理論に基づく下記式(1)により算出された値
である。
【0061】 T(d)=(η−ξ)/(ηeγ−ξeγ)・・・(1) ここで、αはαa,αbを代表し、βはβa,βbを代
表し、 γ=β(β+2α) ξ=(α+β−γ)/α η=(α+β+γ)/α である。
【0062】測定した透過率Tと厚さdのデータを上記
式(1)に代入して、最小2乗法などにより最適化する
ことにより、散乱長1/αおよび吸収長1/βを求める
ことができる。
【0063】異方化蛍光体スクリーン90の、好ましい
その他の態様を以下に列記する。 1)蛍光体充填領域90bが、少なくとも蛍光体と結合
剤とからなるものである。 2)蛍光体充填領域90bにおける蛍光体の体積比率が
40〜95%の範囲にあり、空隙(空気)の体積比率が
0〜体積比率が0〜20%の範囲にある。 3)隔壁部材90aが、少なくとも低光吸収性微粒子と
高分子物質から成る。 4)隔壁部材90aにおける低光吸収性微粒子の体積比
率が30〜90%の範囲にある。 5)隔壁部材90aにおける低光吸収性微粒子の粒子径
が、0.01〜5.0μmの範囲にある。 6)隔壁部材90aにおける低光吸収性微粒子が、アル
ミナ微粒子である。 7)隔壁部材90aが、更に空隙を含む。 8)隔壁部材90aにおける空隙の体積比率が、10〜
70%の範囲にある。 9)隔壁部材90aにおける低光吸収性微粒子と空隙
(空気)との屈折比率が、1.1〜3.0の範囲にあ
る。 10)隔壁部材90aが、更に蛍光体を含む。 11)隔壁部材90aが、更に蛍光体充填領域90bで
発せられた光を吸収する。 12)異方化蛍光体スクリーン90の厚さが、50〜1
500μmの範囲にある。 (13)隔壁部材90aおよび蛍光体充填領域90bの
幅は、該スクリーン90の全表面積に対する蛍光体充填
領域90bの面積比率、いわゆる開口率が40〜98%
の範囲となるよう設定されている。
【0064】この画像撮影装置1において、放射線固体
検出器10に放射線画像情報を記録して読み出すに際し
ては、最初に第1導電体層11と第2導電体層15のス
トライプ状電極16との間に直流電圧を印加し両導電体
層を帯電させる。第1導電体層11側の面を放射線源8
に向くように配置し、この第1導電体層11に被写体9
を透過した放射線を異方化蛍光体スクリーン90を介し
て照射し、該第1導電体層11を透過した放射線を記録
用光導電層12に入射させる。すると記録用光導電層1
2内に電子(負電荷)とホール(正電荷)の電荷対が生
じ、その内の一方の電荷が、記録用光導電層12と電荷
輸送層13との界面に形成される蓄電部19に放射線画
像情報を担持する潜像電荷として蓄積される。次にスト
ライプ電極16側からライン状の読取用の電磁波をエレ
メント16aの長手方向に走査すると、読取用光導電層
14内に電子(負電荷)とホール(正電荷)の電荷対が
生じ、その内の潜像電荷の極性と逆極性の電荷(輸送極
性電荷)が電荷輸送層13内を記録用光導電層12側に
移動する。輸送極性電荷が蓄電部19に達すると、該蓄
電部19に蓄積されている潜像電荷と輸送極性電荷との
間で電荷再結合が行なわれ、エレメント16aを介して
潜像電荷に応じた電流が流れる。この電荷再結合により
生じる電流を不図示の信号処理回路で各エレメント16
a毎に検出することにより、画像信号が得られる。各エ
レメント16aから読み取られる信号は、いわゆる主走
査方向の信号であり、ライン状の読取用の電磁波を該エ
レメント16aの長手方向に走査することは、副走査す
ることに対応する。
【0065】ところで、放射線源8から発せられる放射
線は、被写体(例えば人体など)9に照射され、該被写
体9内の物質により応じて吸収,散乱,透過が起こり、
被写体9を透過した放射線が異方化蛍光体スクリーン9
0の方向に向かう。放射線が異方化蛍光体スクリーン9
0内に入射すると該スクリーン90内で蛍光が発生し、
発生した蛍光は第1電極層11に向かう。この際、蛍光
は蛍光体充填領域90bで拡散しボケが生じ得るが、隔
壁部材90aで反射するので、隔壁部材90aの配列方
向には、該隔壁部材90aの配列ピッチPG以上に亘っ
て蛍光が拡がることがないため、隔壁部材90aの配列
方向における鮮鋭度劣化が低減される。
【0066】ここで、2次元画像読取装置としての放射
線固体検出器10による主走査方向の読取りの空間周波
数、即ちエレメント16aの配列ピッチの空間周波数f
C=1/PC(サイクル/mm)が、隔壁部材90aの
配列ピッチの空間周波数、即ち異方化ピッチの空間周波
数fG=1/PG(サイクル/mm)の2倍以上となる
ように設定すれば、周知のサンプリング定理から推測さ
れるように、エレメント16aの配設位置と隔壁部材9
0aの配設位置の関係に拘わらず、隔壁部材90aの配
列方向にはモアレ現象による周期的な濃淡は原理的に発
生しない。一方、この場合、異方化蛍光体スクリーン9
0そのものの信号成分が読み出されることになり、エレ
メント16aの配設位置と隔壁部材90aの配設位置の
関係によっては、表示画像上に、隔壁部材90aを表す
濃淡画像が被写体画像に重畳されて表示され、被写体画
像が見にくくなることがある。
【0067】そこで、隔壁部材90aそのものの信号成
分を除去すべく、2次元画像読取装置(本例では放射線
固体検出器10)により読み取られた画像信号の内、異
方化蛍光体スクリーン90の異方化ピッチPGの空間周
波数を担持する信号成分、即ち、隔壁部材90aの配列
ピッチPGの逆数で表される空間周波数fG=1/PG
を担持する信号成分SGを減衰させれば、画像上に現れ
る隔壁部材90aを視覚上目立たなくすることができ
る。
【0068】図3は、このように隔壁部材90aそのも
のの信号成分を除去する、本発明による第1の画像処理
手段としての画像処理手段70を備えた放射線画像撮影
装置7を説明する図である。
【0069】この放射線画像撮影装置7は、図3(A)
にそのブロック図を示すように、上記放射線画像撮影装
置1に、さらに画像処理手段70を接続した構成となっ
ている。画像処理手段70は、放射線固体検出器10か
らのアナログの出力信号をデジタル化するA/D変換器
71,デジタル化された信号を記憶するフレームメモリ
72,フレームメモリ72からの信号の内、前記空間周
波数fGを担持する信号成分SGを減衰させるデジタル
フィルタ73,デジタルフィルタ73の出力信号を記憶
するフレームメモリ74から成っている。
【0070】この放射線画像撮影装置7においては、フ
レームメモリ72に放射線固体検出器10の出力信号を
記憶する。この出力信号には、異方化蛍光体スクリーン
90そのものの信号成分が含まれており、該信号に基づ
いて画像表示させると、図3(B)のcに示すように、
エレメント16aの配設位置と隔壁部材90aの配設位
置の関係によっては、隔壁部材90aを表す濃淡を示す
縦縞の画像aが、被写体画像bに重畳されて表示される
ことがある。
【0071】デジタルフィルタ73は、この隔壁部材9
0aを表す濃淡画像aを担持する画像信号、すなわち前
記空間周波数fGを担持する信号成分SGを減衰させる
ものである。デジタルフィルタ73の振幅特性の例を図
3(C)に示す。このようにデジタルフィルタ73によ
り前記空間周波数fGを担持する信号成分SGを減衰さ
せれば、その出力信号には、図3(b)のbに示よう
に、略被写体画像を担持する信号のみが含まれることに
なる。この信号をフレームメモリ74に記憶し、診断な
どの必要なときに該信号を読み出せばよい。
【0072】なお、本例では、放射線固体検出器10に
より読み取られた画像信号の内、異方化蛍光体スクリー
ン90の異方化ピッチPGの空間周波数fGを担持する
信号成分SGを減衰させる手段としてデジタルフィルタ
73を使用したが、これに限らずアナログフィルタであ
ってもよいのは勿論である。すなわち、上記例では、異
方化蛍光体スクリーン90は、隔壁部材90aが主走査
方向に配列されたものであるから、前記空間周波数fG
を担持する信号成分SGを減衰させる簡単なトラップ
(バンドエリミネーションフィルタ)とすればよい。
【0073】また、放射線固体検出器10による主走査
方向の読取りの空間周波数fCが異方化ピッチの空間周
波数fGの2倍以上となるように設定することができな
い場合であっても、エレメント16aの配列ピッチの空
間周波数fC=1/PC(サイクル/mm)と、隔壁部
材90aの配列ピッチの空間周波数fG=1/PG(サ
イクル/mm)との差、すなわちモアレ周波数が1(サ
イクル/mm)以上となるようにすれば、画像上に周期
的に現れる視認可能な縦縞の濃淡の数を少なくできるの
で、モアレを視覚上目立たなくすることができる。
【0074】この場合、2次元画像読取装置(本例では
放射線固体検出器10)により読み取られた画像信号の
内、異方化蛍光体スクリーン90(詳しくは隔壁部材9
0a)により生じるモアレ周波数を担持する信号成分S
Mを減衰させれば、モアレを視覚上殆ど目立たなくする
ことができる。また、1(サイクル/mm)以下の重要
な成分を失うこともない。
【0075】このためには、例えば、図3における画像
処理手段70のデジタルフィルタ73が、異方化蛍光体
スクリーン90により生じるモアレ周波数を担持する信
号成分SMを減衰させるものとし、画像処理手段70を
本発明による第2の画像処理手段として機能させるよう
にすればよい。図3(D)は、そのためのデジタルフィ
ルタ73の振幅特性の例を示したものである。
【0076】次に、異方化蛍光体スクリーン90の隔壁
部材90aの配列方向、即ち異方化の方向を、エレメン
ト16aの配列方向と略直角となるように配設した画像
撮影装置について、図4を参照して説明する。
【0077】図4(A)は、放射線固体検出器を模式化
(側断面図)して示した図、図4(B)は放射線固体検
出器を第2導電体層側から見た平面図、図4(C)は図
4(B)と対応して示した異方化蛍光体スクリーンの平
面図である。
【0078】異方化蛍光体スクリーン90は、図4
(C)に示すように、各隔壁部材90aの間隔が所定の
ピッチPG(mm)をなし、該隔壁部材90aの並び方
向、即ち該スクリーン90の異方化の方向がエレメント
16aの配列方向と略直角となるように配設されてい
る。このように、画像撮影装置2の構成は、上述の画像
撮影装置1の隔壁部材90aの配列方向を変更しただけ
で、その基本構成において変わるところはない。
【0079】この放射線画像撮影装置2において、放射
線検出器10に放射線画像情報を記録して読み出す方法
は、上述の画像撮影装置1と同様である。この画像撮影
装置2においても、異方化蛍光体スクリーン90が設け
られているので、隔壁部材90aの配列方向における鮮
鋭度劣化が低減される。また、異方化蛍光体スクリーン
90の異方化の方向がエレメント16aの配列方向と略
直角となるように異方化蛍光体スクリーン90が配設さ
れているので、エレメント16aの配列方向にはモアレ
現象による周期的な濃淡は発生しない。
【0080】ここで、エレメント16aの長手方向に走
査して潜像電荷を読み出す際の副走査方向の読取りの空
間周波数であるサンプリングピッチの空間周波数fS=
1/PS(サイクル/mm)が、隔壁部材90aの配列
ピッチの空間周波数fG=1/PG(サイクル/mm)
の2倍以上となるように設定すれば、隔壁部材90aの
配列方向にもモアレ現象による周期的な濃淡は原理的に
発生しない。
【0081】また、隔壁部材90aの配列ピッチの空間
周波数fGが上記の関係を満たすようにできない場合で
あっても、エレメント16aの長手方向に走査して潜像
電荷を読み出す際のサンプリングピッチの空間周波数f
S=1/PS(サイクル/mm)と、前記空間周波数f
G=1/PG(サイクル/mm)との差、すなわちモア
レ周波数が1(サイクル/mm)以上となるようにすれ
ば、画像上に周期的に現れる視認可能な横縞の濃淡の数
を少なくできるので、モアレを視覚上目立たなくするこ
とができる。
【0082】なお、本例においても、上記図3に示した
ように、放射線固体検出器10により読み取られた画像
信号の内、前記空間周波数fGを担持する信号成分SG
を減衰させたり、或いは異方化蛍光体スクリーン90に
より生じるモアレ周波数を担持する信号成分SMを減衰
させる画像処理手段を備えた装置とし、画像上に現れる
隔壁部材90aや、周期的に現れるモアレによる濃淡
を、視覚上目立たなくすることができるのは勿論であ
る。
【0083】また、上述の画像撮影装置1および2にお
いては、異方化蛍光体スクリーンの隔壁部材90aの配
列方向が、夫々1方向だけのものについて説明したが、
本発明は、異方化の方向がいずれか1方向のもののみに
限るものではなく、隔壁部材90aによって細分区画さ
れた蛍光体充填領域90bすなわちセルが2次元状に分
布した2次元配置のものであってもよい。
【0084】例えば、図5に示すように、異方化蛍光体
スクリーン90の2次元領域に亘り、隔壁部材90aを
市松模様状に配列させた態様の異方化蛍光体スクリーン
90を使用すれば、エレメント16aの長手方向(副走
査方向)および該長手方向に対して略直角な方向(主走
査方向)の何れについても、本発明の効果が得られるの
は勿論である。
【0085】また、隔壁部材を市松模様状に配列させた
ものに限らず、例えば以下に示す第1例〜第3例の形態
のものであってもよい。
【0086】第1例の異方化蛍光体スクリーン190
は、本願出願人が特願 2000-132356号において提案して
いるように、平面方向に沿って1次元方向に細分区画す
るストライプ状の隔壁と該隔壁により区画された蛍光体
充填領域とからなるストライプ蛍光体層を各層のストラ
イプが所定の角度で交差するようにして2層以上積層し
た構成のものである。
【0087】図6(A)は、第1例の異方化蛍光体スク
リーン190を構成するストライプ蛍光体フィルム19
1の概略斜視図である。図6(A)において、斜線部分
が隔壁192であり、白抜き部分が蛍光体充填領域19
3である。
【0088】隔壁192の幅(平面方向の幅の平均
値)、蛍光体充填領域193の幅(平面方向の幅の平均
値)、ストライプ蛍光体フィルム191の全表面に対す
る蛍光体充填領域193の面積の比率(開口率)、隔壁
192の蛍光体からの発光光に対する散乱長や吸収長、
蛍光体充填領域193の発光光に対する散乱長や吸収長
の好ましい値は、上述の異方化蛍光体スクリーン90と
同様である。
【0089】図6(B)は、図6(A)に示したストラ
イプ蛍光体フィルム191を多数積層した形態の異方化
蛍光体スクリーン190の一態様を分解した概略斜視図
である。図6(B)において、隣接するストライプ蛍光
体フィルム191は互いにそのストライプ状隔壁が直交
するように、すなわち90゜の角度で交差して2層で元
のストライプ方向と一致するように積層されている。
【0090】図6(C)は、他の形態の異方化蛍光体ス
クリーン190を分解した概略斜視図である。図6
(C)において、隣接するストライプ蛍光体フィルム1
91は互いにそのストライプ状隔壁が略60゜(特に6
0゜±1゜)の角度で交差して3層で元のストライプ方
向と一致するように積層されている。
【0091】なお、いずれの場合も、各ストライプ蛍光
体フィルム191の隔壁192および蛍光体充填領域1
93の幅は同じであることが望ましく、またストライプ
方向が同じになる1つ置きあるいは2つ置きのストライ
プ蛍光体フィルム191は、そのストライプが完全に一
致して重なるように目合わせすることが望ましい。
【0092】異方化蛍光体スクリーンを図6(B)に示
した構造とすることによって、放射線の照射によりまず
最上層の第1層目で発生した発光光は、ストライプに平
行な方向には若干拡散するものの垂直な方向には隔壁に
より拡散せず、第2層目では拡散が抑制される方向が逆
となる。スクリーン190を上から透視して見たセル形
状は四角形であり、結果として、2次元セル構造に近
い、最上層のストライプに垂直な方向(主走査方向)と
平行な方向(副走査方向)の両方向に画質バランスの取
れた放射線画像を得ることができる。また、異方化蛍光
体スクリーンを図6(C)に示した構造とした場合に
も、開口率をそれほど低下させずに、主副両走査方向に
画質バランスの取れた放射線画像を得ることができる。
ただし、この場合には、スクリーン190を上から透視
して見たセル形状は三角形である。
【0093】なお、図示した例ではストライプ蛍光体フ
ィルム191の積層数がいずれも4層であるが、積層数
は4層に限定されるものではなく、例えば2〜100
層、好ましくは2〜10層の範囲にするとよい。積層数
を2〜10層とすることにより、主副両走査方向の画質
バランスを取ることができるとともに、平易な加工でス
クリーンを製造することができる。
【0094】この第1例の異方化蛍光体スクリーン19
0は、例えば図7(A)〜(D)に図示した方法によっ
て以下のように製造することができる。
【0095】先ず、蛍光体粒子および結合剤を溶剤に加
え、これを充分に混合して塗布液を調製する。この塗布
液を塗布機を用いて、ガラス板、金属板、プラスチック
シートなどの仮支持体上に塗布し乾燥して、図7(A)
に示すような、実質的に蛍光体からなる蛍光体フィルム
195を多数枚形成する。蛍光体の密度を更に高めるた
めに、得られた蛍光体フィルム195をカレンダー処理
によって加熱圧縮してもよい。なお、蛍光体フィルム1
95は、結合剤を使用せずに、金属板などの基板上に蛍
光体を焼結または気相堆積(蒸着)させて形成してもよ
い。
【0096】一方、低光吸収性微粒子および高分子物質
を有機溶剤に加え、これを充分に混合して、隔壁形成用
の塗布液を調製する。隔壁材料分散液は、低光吸収性微
粒子と熱軟化性樹脂を混合して熱混練した液であっても
よい。また所望により、隔壁材料分散液には発光量を増
加させる目的で蛍光体を含有させてもよいし、あるいは
画像の鮮鋭度向上の目的で発光光を吸収するような物質
を含有させてもよい。この隔壁形成用塗布液を塗布し乾
燥して、図7(A)に示すような薄膜の隔壁形成用フィ
ルム196を多数枚形成する。
【0097】次いで、図7(B)に示すように、蛍光体
フィルム195と隔壁形成用フィルム196とを交互に
多数枚積層して積層体を形成する。得られた積層体を、
図7(C)に示すように、圧力をかけながら加熱して隣
接するフィルム間を密着させて、積層体ブロックを形成
する。
【0098】次に、図7(D)に示すように、積層体ブ
ロックを積層面に沿ってスライスすることにより、図6
(A)に示したような、蛍光体フィルム195の細片か
らなる蛍光体充填領域193と隔壁形成用フィルム19
6の細片からなる隔壁192とが交互に並んだ構成のス
トライプ蛍光体フィルム191を複数枚形成することが
できる。
【0099】次に、得られた複数枚のストライプ蛍光体
フィルム191を、隣接するフィルム191のストライ
プが互いに略90゜または略60゜の角度で順に回転す
るように交差させて積層し、加熱圧着する(図6の
(B)および(C)参照)。このとき、ストライプ方向
が同じになる1つ置きまたは2つ置きのフィルム191
は、そのストライプの隔壁192同士が、また蛍光体充
填領域193同士が重なるように目合わせを行なう。
【0100】次に第2例の異方化蛍光体スクリーン19
0について説明する。第2例の異方化蛍光体スクリーン
190は、本願出願人が特願 2000-132355号において提
案している第1の製造方法によって形成されたものであ
る。
【0101】図8(A)は1枚の刃182の形状を示す
正面図である。刃182の先端の形状は、図示するよう
に先端に行くにしたがって薄くなっていてもよいし、あ
るいは刃全体が同じ厚みであってもよく、任意の形状と
することができる。また、刃全体の形状は、カッターの
ように先が尖っていてもよいし、あるいは円盤状など任
意の形状とすることができる。
【0102】図8(B)は図8(A)の刃182を多数
枚並べた形状を示す正面図である。図示するように、多
数枚の刃182を溝197の間隔と同じ間隔で並べて固
定した例えばスリッターなどの連結刃183を用意す
る。
【0103】図8(C)は、長尺状の蛍光体フィルム1
95に図8(B)に示す連結刃183を用いて多数の溝
197を同時に設ける工程を概略的に示す断面図であ
る。なお、図8(C)において、184はローラであ
る。
【0104】第2例の異方化蛍光体スクリーン190
は、例えば図8および図9(A)〜(D)に図示した方
法によって以下のように製造することができる。
【0105】最初に第1例の場合と同様にして実質的に
蛍光体からなる蛍光体フィルム195を形成した後に、
得られた蛍光体フィルム195に図8(B)に示す連結
刃183を用いて、図8(C)に示すように、仮支持体
上の長尺状の蛍光体フィルム195をローラ184で搬
送しながら、上から連結刃183を押し付けることによ
り、蛍光体フィルム195に溝197を切る。
【0106】図9の(A)および(B)は、多数の溝1
97が切られた状態の蛍光体フィルム195を示す部分
概略断面図である。溝197は、図9(A)に示すよう
に、蛍光体フィルム195を貫通してしていてもよい
し、あるいは(B)に示すように蛍光体フィルム195
の途中で終了していてもよい。ただし、溝197の深さ
は蛍光体フィルム195の厚さの1/3〜1/1の範囲
にあることが好ましい。また、溝197の幅(上部の
幅)は画質性能上必要とされる隔壁の厚みに依存する
が、2〜100μm、好ましくは5〜60μmとすると
よい。溝と溝との間隔(上部の間隔)は20〜500μ
mとするとよい。
【0107】一方、第1例と同様にして隔壁材料分散液
を調製しておく。そしてこの隔壁材料分散液を、例えば
蛍光体フィルム195の溝197が切られた側の表面に
塗布することにより各溝197に充填した後、有機溶剤
を使用した場合には乾燥することにより、熱軟化性樹脂
を使用した場合には冷却することにより、隔壁材料を固
化させる。溝197以外のフィルム表面に隔壁材料を残
さないようにするために、塗布後ドクターブレードなど
でフィルム表面から余分な隔壁材料を掻き落としてもよ
い。
【0108】あるいは、溝197を切る前にまず、フィ
ルム表面に隔壁材料分散液を塗布し、次いで分散液が固
化する前にその表面に連結刃183を押し付けて溝19
7を切り、溝197に分散液を充填してもよい。隔壁材
料分散液は、溝197を切ると同時に溝197の中に導
入される。この操作によれば、隔壁材料分散液中で溝切
りが行なわれるので、連結刃183により開かれた溝1
97には分散液のみが入り込み(通常は空気も入り込
む)、溝197中の分散液の充填率を高めることができ
る。特に、溝197の幅が狭い場合には有効な手段であ
る。
【0109】図9の(C)および(D)は、多数の溝1
97に隔壁材料が充填されたストライプ蛍光体フィルム
191を示す部分概略断面図であり、(E)は(C)に
対応した概略斜視図である。図9(C)〜(E)におい
て、斜線部分は隔壁材料が充填固化された隔壁192で
あり、白抜き部分は蛍光体充填領域193である。
【0110】このようにして得られた長尺状の蛍光体フ
ィルム195を所望の大きさに裁断することにより、蛍
光体充填領域193と隔壁192とが交互に並んだ構
成、すなわち1次元構造の隔壁192を有するストライ
プ蛍光体フィルム191を複数枚得ることができる。
【0111】上記方法によれば、どちらの操作手順であ
っても、蛍光体フィルム195の塗布形成、溝切り、隔
壁材料分散液の充填を連続して実施することができる。
【0112】次に、得られた複数枚のストライプ蛍光体
フィルム191を、仮支持体より剥ぎ取った後、第1例
と同様に、隣接するフィルム191のストライプが互い
に交差するように例えば2〜100枚の範囲で積層し、
加熱圧着して、厚さ方向にストライプが交互に交差した
隔壁構造を有する異方化蛍光体スクリーン190を形成
する。なお、各蛍光体フィルム191の厚さ、配置順、
および各層のストライプ方向の関係は第1例と同様にす
るとよい。一例として、4枚のストライプ蛍光体フィル
ム191を互いにストライプが直交するように積層する
工程を概略的に示す斜視図を図9(F)に示す。
【0113】この方法によれば、蛍光体フィルム形成の
ための塗布、溝切り、溝充填(または溝切り同時充
填)、積層からなる3〜4工程で異方化蛍光体スクリー
ンを製造することができる。
【0114】次に第3例の異方化蛍光体スクリーン19
0について説明する。第3例の異方化蛍光体スクリーン
190は、本願出願人が特願 2000-132355号において提
案している第2の製造方法によって形成されたものであ
る。
【0115】第3例の異方化蛍光体スクリーン190の
製造方法においては、まず第2例と同様にして仮支持体
上に長尺状の蛍光体フィルム195を形成する。
【0116】次いで、第2例と同様にして、蛍光体フィ
ルム195に多数の溝197を一定の間隔で設けた後、
各溝197に隔壁材料分散液を充填する。更に、この隔
壁材料分散液を蛍光体フィルム195の表面にも塗布
し、固化させて、フィルム上に隔壁層198を形成す
る。
【0117】隔壁層198の形成は具体的には、例えば
溝197の切られたフィルム表面に隔壁材料分散液を塗
布する際に、充分な液量で塗布して掻き落としをしない
ことにより、分散液の溝197への充填とフィルム表面
への塗布を同時に行なうことができ、容易に実施でき
る。隔壁層198の厚さは、2〜100μm、好ましく
は5〜60μmとするとよい。
【0118】あるいは、溝197を切る前にフィルム表
面に隔壁材料分散液を充分な液量で塗布し、次いで分散
液が固化する前にその表面に刃182を押し付けて溝1
97を切ることにより、溝切りと分散液の溝への充填を
同時に行なってもよい。
【0119】上記方法によれば、どちらの操作手順であ
っても、蛍光体フィルム195の塗布形成、溝切り、隔
壁材料分散液の充填および隔壁層の形成を連続した操作
で実施できるという利点がある。
【0120】得られた長尺状の蛍光体フィルム195を
所望の大きさに裁断することにより、蛍光体充填領域1
93と隔壁192とが交互に並んだ、すなわち1次元構
造の隔壁192を有し、かつ片面に隔壁層198が設け
られた構成のストライプ蛍光体フィルム191を複数枚
形成することができる。
【0121】図10(A)はストライプ蛍光体フィルム
191を示す部分概略断面図である。同図において、ス
トライプ蛍光体フィルム191は隔壁192、蛍光体充
填領域193および隔壁層198から構成されている。
【0122】次に、得られた複数枚のストライプ蛍光体
フィルム191を、仮支持体より剥ぎ取った後、各フィ
ルム191の隔壁層198が上側となり、かつ隣接する
フィルム191のストライプが互いに平行になるよう
に、すなわちストライプ方向が一致するように積層し、
加熱圧着して、積層体ブロックを形成する。一例とし
て、5枚のストライプ蛍光体フィルム191からなる積
層体ブロックを示す部分概略断面図を図10(B)に示
す。
【0123】次に、この積層体ブロックをストライプが
現れている積層面に沿ってスライスする。このようにし
て、2次元構造の隔壁を有する異方化蛍光体スクリーン
(スクリーンの上面図は図10(B)と同じである)を
得ることができる。この異方化蛍光体スクリーンの厚さ
は50〜1500μmとするとよい。
【0124】この方法によれば、蛍光体フィルム形成の
ための塗布、溝切り、溝充填(または溝切り同時充
填)、積層、スライスからなる4〜5工程で異方化蛍光
体スクリーンを製造することができる。
【0125】なお、第1例〜第3例の異方化蛍光体スク
リーンは、特に支持体や保護膜を備えている必要はない
が、該スクリーンの搬送や取扱い上の便宜や特性変化の
回避のために、支持体および/または保護膜を備えてい
てもよい。また、感度を高めるために、スクリーンの片
側(支持体を設ける場合にはスクリーンと支持体との
間)に光反射層を備えていてもよい。
【0126】本発明に使用される画像検出器は、上述し
た放射線固体検出器10に限定されるものではなく、画
像情報を担持する潜像電荷をストライプ状電極により読
み出すものであれば、何れのものにも適用することがで
き、読取光を走査して画像信号を取得するものに限定さ
れず、スイッチ切替えによって画像信号を取得するもの
であってもよい(例えば、米国特許第 5,268,569号、本
願出願人による特願平11-87922号や同11-87923号な
ど)。
【0127】また、上述の画像撮影装置1および2にお
いては、第2導電体層15の電極がストライプ電極16
であるものについて説明したが、第2導電体層15の電
極を平板状のものとし、この平板状の第2導電体層15
側にレーザなどのスポット状の読取光を走査して静電電
荷を読み出す方式のものにも適用することが可能であ
る。この場合、読取光を走査して潜像電荷を読み出す際
のサンプリングピッチの空間周波数fSが、隔壁部材9
0aの配列ピッチの空間周波数fGの2倍以上となるよ
うに設定すれば、モアレ現象を発生させずに済み、また
サンプリングピッチの空間周波数fSと隔壁部材90a
の配列ピッチの空間周波数fGとの差、すなわちモアレ
周波数が1(サイクル/mm)以上となるようにすれ
ば、画像上に周期的に現れる視認可能な濃淡の数を少な
くすることにより、モアレを視覚上目立たなくすること
ができる。ここで、サンプリングピッチの空間周波数f
Sは主走査方向または副走査方向の何れか一方でもよい
し、両方向であってもよい。
【0128】また、上述の説明は、2次元画像読取装置
として、改良型直接変換方式の放射線固体検出器を使用
したものについて説明したが、本発明はこれに限らず、
蛍光体スクリーンとして異方化蛍光体スクリーンを使用
するものであれば、どのようなものにも適用することが
できる。勿論、2次元画像読取装置と異方化蛍光体スク
リーンとが一体となったものであってもよいし、両者が
別体となったものであってもよい。
【0129】例えば、2次元画像読取装置として直接変
換方式の放射線固体検出器を使用する場合には、夫々が
画素に対応する複数個の電荷収集電極が、絶縁基板上に
所定のピッチPD(mm)で、互いに直交するX方向お
よびY方向にマトリックス状に配列されているものと
し、また、異方化蛍光体スクリーンの隔壁部材が、配列
ピッチPG(mm)で前記X方向およびY方向の少なく
ともどちらか一方向に配置されているものとする。前記
X方向およびY方向は、それぞれ、主走査方向および副
走査方向の内のいずれか一方に対応する。
【0130】また、2次元画像読取装置として光変換方
式の放射線固体検出器を使用する場合には、上記直接変
換方式の放射線固体検出器における電荷収集電極を光電
変換素子に置き換え、複数個の光電変換素子が、絶縁基
板上に所定のピッチPP(mm)でX方向およびY方向
にマトリックス状に配列されているものとし、また、異
方化蛍光体スクリーンの隔壁部材が、配列ピッチPG
(mm)で前記X方向およびY方向の少なくともどちら
か一方向に配置されているものとするとよい。
【0131】ここで、隔壁部材の配列方向における、読
取りの空間周波数に対応する電荷収集電極の配列ピッチ
の空間周波数fD=1/PD(サイクル/mm)、或い
は光電変換素子の配列ピッチの空間周波数fP=1/P
P(サイクル/mm)が、隔壁部材の配列ピッチの空間
周波数fG=1/PG(サイクル/mm)の2倍以上と
なるように設定すれば、上述の改良型直接変換方式の放
射線固体検出器を用いた画像撮影装置1および2と同様
に、視認可能な周期的な濃淡を画像上に引き起こすモア
レ現象が原理的に発生しない。
【0132】また、隔壁部材の配列ピッチの空間周波数
fGが上記の関係を満たすようにできない場合であって
も、fD=1/PD(サイクル/mm)やfP=1/P
P(サイクル/mm)と、隔壁部材の配列ピッチの空間
周波数fG=1/PG(サイクル/mm)との差、すな
わちモアレ周波数が1(サイクル/mm)以上となるよ
うにすれば、画像上に周期的に現れる視認可能な縦縞或
いは横縞の濃淡の数を少なくできるので、モアレを視覚
上目立たなくすることができる。
【0133】なお、上記図3に示したものと同じよう
に、直接変換方式或いは光変換方式の放射線固体検出器
により読み取られた画像信号の内、異方化蛍光体スクリ
ーンの異方化ピッチの空間周波数を担持する信号成分を
減衰させたり、或いは異方化蛍光体スクリーンにより生
じるモアレ周波数を担持する信号成分を減衰させる画像
処理手段を備えた装置とし、画像上に現れる隔壁部材
や、周期的に現れるモアレによる濃淡を、視覚上殆ど目
立たなくすることができるのは勿論である。
【0134】また、上述した説明においては、2次元画
像読取装置としての放射線固体検出器を使用し、蓄電部
に蓄積された放射線画像情報を担持する潜像電荷の量に
応じた電気信号を読み取るものとして説明したが、本発
明による画像読取方法および装置に使用される2次元画
像読取装置は、放射線に限らず、一般的な光(可視光に
限らない)を照射することによって、画像信号を読み取
ることができるものであればどのようなものであっても
よい。
【0135】次に、異方化の方向が1次元のみの異方化
蛍光体スクリーンを使用する場合において、2次元画像
読取装置により読み取られた画像信号の主走査方向の鮮
鋭度と副走査方向の鮮鋭度のバランスを取るように構成
した画像読取装置について説明する。
【0136】上述の図1或いは図4に示すように、隔壁
部材90aがストライプ状に配列されて成る、異方化の
方向が1次元のみの異方化蛍光体スクリーン90を用い
た場合には、隔壁部材90aの配列方向には、該隔壁部
材90aの配列ピッチPG以上に亘って蛍光が拡がるこ
とがないため、隔壁部材90aの配列方向における鮮鋭
度劣化が低減される。一方、隔壁部材90aの配列方向
と直交する方向、即ち隔壁部材90aの長手方向と同じ
方向には蛍光が自由に拡がるため、該方向においては、
鮮鋭度劣化の改善効果は得られずボケが生じる。このた
め、異方化の方向が2次元画像読取装置の主走査方向ま
たは副走査方向と同じになるように異方化蛍光体スクリ
ーンを配置して撮影を行なうと、このままでは、主走査
方向の鮮鋭度と副走査方向の鮮鋭度が異なり、主/副の
各走査方向の鮮鋭度バランスが崩れる。
【0137】この場合、図11に示すように、放射線固
体検出器10により読み取られた画像信号の主走査方向
の鮮鋭度と副走査方向の鮮鋭度を略等しくする鮮鋭度バ
ランス手段80を備えたものとするとよい。この場合、
図3に示した画像処理手段70と組み合わせた構成とし
た方がよいのは言うまでもない。
【0138】ここで、鮮鋭度バランス手段80として
は、図11(B)に示すように、鮮鋭度の優る方向Yと
同じになるように鮮鋭度の劣る方向Xの鮮鋭度を向上さ
せて両方向の鮮鋭度を等しくするように画像信号に対し
て所定の信号処理を施すものとしてもよいし、図11
(C)に示すように、逆に、鮮鋭度の劣る方向Xと同じ
になるように鮮鋭度の優る方向Yの鮮鋭度を劣化させて
両方向の鮮鋭度を等しくするように画像信号に対して所
定の信号処理を施すものとしてもよい。鮮鋭度を向上さ
せたり、鮮鋭度を劣化させたりする画像処理の方法は、
どのような方法を用いるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像撮影装置の一実施の形態の構
成を示す図であって、放射線固体検出器を模式化(側断
面図)して示した図(A)、放射線固体検出器を第2導
電体層側から見た平面図(B)、図1(B)と対応させ
て示した異方化蛍光体スクリーンの平面図(C)
【図2】異方化蛍光体スクリーンの概略構成図であっ
て、斜視図(A)、拡大平面図(B)、図2(B)内I
−Iで切断した断面図(C)
【図3】画像処理手段を備えた画像撮影装置を説明する
図であって、装置の構成を示すブロック図(A)、2次
元画像読取装置の出力信号が担持する画像を説明する図
(B)、異方化蛍光体スクリーンの異方化ピッチの空間
周波数を担持する信号成分を減衰させるフィルタの特性
例を示す図(C)、異方化蛍光体スクリーンにより生じ
るモアレ周波数を担持する信号成分を減衰させるフィル
タの特性例を示す図(D)
【図4】異方化蛍光体スクリーンの配列方向を変えた態
様の画像撮影装置の構成を示す図であって、放射線固体
検出器を模式化(側断面図)して示した図(A)、放射
線固体検出器を第2導電体層側から見た平面図(B)、
図4(B)と対応させて示した異方化蛍光体スクリーン
の平面図(C)
【図5】異方化蛍光体スクリーンの隔壁材料を市松模様
状に配列させた態様を示す図
【図6】第1例の異方化蛍光体スクリーンに使用される
ストライプ蛍光体フィルムの概略斜視図(A)、第1例
の異方化蛍光体スクリーンの一態様を分解した概略斜視
図(B),(C)
【図7】第1例の異方化蛍光体スクリーンを製造する方
法を説明する図であって、蛍光体フィルムと隔壁形成用
フィルムを示す図(A)、各フィルムから積層体を形成
する工程を示す図(B)、(B)の積層体から積層体ブ
ロックに加工する工程を示す図(C)、(C)の積層体
ブロックから平面方向にストライプ構造を有するストラ
イプ蛍光体フィルムを得るスライス工程を示す図(D)
【図8】第2例の異方化蛍光体スクリーンを製造する方
法を説明する図であって、1枚の刃の形状を示す正面図
(A)、多数枚の刃を並べた形状を示す正面図(B)、
長尺状の蛍光体フィルムに多数の溝を同時に設ける工程
を概略的に示す断面図(C)
【図9】第2例の異方化蛍光体スクリーンを製造する方
法を説明する図であって、溝が切られた状態の蛍光体フ
ィルムの例を示す部分概略断面図(A),(B)、多数
の溝に隔壁材料が充填されたストライプ蛍光体フィルム
の例を示す部分概略断面図(C),(D)、(C)に対
応した概略斜視図(E)、ストライプ蛍光体フィルムを
互いにストライプが直交するように積層する工程を概略
的に示す斜視図(F)
【図10】第3例の異方化蛍光体スクリーンに使用され
るストライプ蛍光体フィルムの例を示す部分概略断面図
(A)、(A)のストライプ蛍光体フィルムからなる積
層体ブロックの例を示す部分概略断面図(B)
【図11】鮮鋭度バランス手段を備えた画像撮影装置を
説明する図であって、装置の構成を示すブロック図
(A)、鮮鋭度の優る方向Yと同じになるように鮮鋭度
の劣る方向Xの鮮鋭度を向上させる態様を説明する図
(B)、鮮鋭度の劣る方向Xと同じになるように鮮鋭度
の優る方向Yの鮮鋭度を劣化させる態様を説明する図
(C)
【符号の説明】
1 画像撮影装置 8 放射線源 9 被写体 10 改良型直接変換方式の放射線固体検出器(2次
元画像読取装置) 16 ストライプ電極 16a エレメント(線状電極) 70 画像処理手段(第1および第2の画像処理手段
として機能する) 80 鮮鋭度バランス手段 90 異方化蛍光体スクリーン 182 刃 183 連結刃 184 ローラ 190 異方化蛍光体スクリーン 191 ストライプ蛍光体フィルム 192 隔壁 193 蛍光体充填領域 195 蛍光体フィルム 196 隔壁形成用フィルム 197 溝 198 隔壁層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/14 H04N 5/321 H04N 1/04 H01L 27/14 K 5/321 H04N 1/04 E

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体の一方側に記録用の電磁波を発
    する波源を配し、前記被写体の他方側に画像情報を担持
    する潜像電荷を蓄電部に蓄積する2次元画像読取装置を
    配して前記被写体の画像を撮影する画像撮影方法におい
    て、 該2次元画像読取装置と前記被写体との間に異方化蛍光
    体スクリーンを配して前記被写体の画像を撮影すること
    を特徴とする画像撮影方法。
  2. 【請求項2】 前記2次元画像読取装置として前記潜
    像電荷の量に応じた電気信号を取得するための線状電極
    がストライプ状に多数配列されてなるものを使用し、前
    記異方化蛍光体スクリーンとして異方化の方向が1次元
    のみのものを使用し、該異方化蛍光体スクリーンを前記
    異方化の方向が前記線状電極の配列方向と略直角となる
    ように配設することを特徴とする請求項1記載の画像撮
    影方法。
  3. 【請求項3】 前記2次元画像読取装置により読み取
    られた画像信号の読取ピッチの空間周波数と前記異方化
    蛍光体スクリーンの異方化ピッチの空間周波数との差を
    1サイクル/mm以上とすることを特徴とする請求項1
    記載の画像撮影方法。
  4. 【請求項4】 前記2次元画像読取装置により読み取
    られた画像信号の内、前記異方化蛍光体スクリーンによ
    り生じるモアレ周波数を担持する信号成分を減衰させる
    ことを特徴とする請求項3記載の画像撮影方法。
  5. 【請求項5】 前記2次元画像読取装置により読み取
    られる画像信号の読取ピッチの空間周波数を、前記異方
    化蛍光体スクリーンの異方化ピッチの空間周波数の2倍
    以上とすることを特徴とする請求項1記載の画像撮影方
    法。
  6. 【請求項6】 前記2次元画像読取装置により読み取
    られた画像信号の内、前記異方化蛍光体スクリーンの異
    方化ピッチの空間周波数を担持する信号成分を減衰させ
    ることを特徴とする請求項5載の画像撮影方法。
  7. 【請求項7】 前記異方化蛍光体スクリーンとして、
    異方化の方向が1次元のみのものを使用し、該該異方化
    の方向が前記2次元画像読取装置の主走査方向または副
    走査方向と同じになるように該異方化蛍光体スクリーン
    を配して、 前記2次元画像読取装置により読み取られた画像信号の
    主走査方向の鮮鋭度と副走査方向の鮮鋭度を略等しくす
    ることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の
    画像撮影方法。
  8. 【請求項8】 前記異方化蛍光体スクリーンとして、
    該スクリーンを平面方向に沿って1次元方向に細分区画
    するストライプ状の隔壁と該隔壁により区画された蛍光
    体充填領域とからなるストライプ蛍光体層が少なくとも
    2層積層されてなり、かつ隣接する蛍光体層のストライ
    プ状隔壁が互いに略90゜または略60゜の角度で交差
    しているものを使用することを特徴とする請求項1,
    3,4,5,6のうちのいずれか1項記載の画像撮影方
    法。
  9. 【請求項9】 前記異方化蛍光体スクリーンとして、
    下記の工程からなる製造方法によって製造されたスクリ
    ーンを使用することを特徴とする請求項1,3,4,
    5,6のうちのいずれか1項記載の画像撮影方法: 1)実質的に蛍光体からなる蛍光体フィルムを形成する
    工程; 2)前記蛍光体フィルムに一定幅の溝を一定の間隔で多
    数設け、各溝に隔壁材料を分散含有する液を充填し、そ
    して固化させて、1次元構造の隔壁を有するストライプ
    蛍光体フィルムを複数枚製造する工程;および 3)複数枚の前記ストライプ蛍光体フィルムを隣接する
    フィルムのストライプが互いに交差するように積層する
    工程。
  10. 【請求項10】 前記異方化蛍光体スクリーンとし
    て、下記の工程からなる製造方法によって製造されたス
    クリーンを使用することを特徴とする請求項1,3,
    4,5,6のうちのいずれか1項記載の画像撮影方法: 1)実質的に蛍光体からなる蛍光体フィルムを形成する
    工程; 2)前記蛍光体フィルムに一定幅の溝を一定の間隔で多
    数設け、各溝に隔壁材料を分散含有する液を充填し、更
    に該蛍光体フィルムの表面にも該隔壁材料分散液を塗布
    し、次いで固化させて、1次元構造の隔壁を有し、かつ
    片面に隔壁層が設けられたストライプ蛍光体フィルムを
    複数枚形成する工程; 3)複数枚の前記ストライプ蛍光体フィルムを隣接する
    フィルムのストライプが互いに平行になるように積層し
    て、積層体ブロックを形成する工程;および 4)前記積層体ブロックをストライプが現れている積層
    面に沿ってスライスする工程。
  11. 【請求項11】 入射した記録用の電磁波を受けて、
    画像情報を担持する潜像電荷を蓄電部に蓄積する2次元
    画像読取装置を備えてなる画像撮影装置において、該2
    次元画像読取装置と前記被写体との間に配された異方化
    蛍光体スクリーンを備えて成るものであることを特徴と
    する画像撮影装置。
  12. 【請求項12】 前記2次元画像読取装置が、読取用
    の電磁波が照射されることにより、前記蓄電部に蓄積さ
    れた潜像電荷の量に応じた大きさの画像信号を出力する
    光読出方式のものであることを特徴とする請求項11記
    載の画像撮影装置。
  13. 【請求項13】 前記2次元画像読取装置が、前記潜
    像電荷の量に応じた電気信号を取得するための線状電極
    がストライプ状に多数配列されてなるものであり、 前記異方化蛍光体スクリーンが、異方化の方向が1次元
    のみのものであって、該異方化の方向が前記線状電極の
    配列方向と略直角となるように配設されているものであ
    ることを特徴とする請求項11または12記載の画像撮
    影装置。
  14. 【請求項14】 前記2次元画像読取装置により読み
    取られた画像信号に含まれ得る、前記異方化蛍光体スク
    リーンにより生じるモアレ成分を低減するモアレ成分低
    減手段を備えたことを特徴とする請求項11または12
    記載の画像撮影装置。
  15. 【請求項15】 前記モアレ成分低減手段が、前記画
    像信号の読取ピッチの空間周波数と前記異方化蛍光体ス
    クリーンの異方化ピッチの空間周波数との差を1サイク
    ル/mm以上とするものであることを特徴とする請求項
    14記載の画像撮影装置。
  16. 【請求項16】 前記モアレ成分低減手段が、前記2
    次元画像読取装置により読み取られた画像信号の内、前
    記異方化蛍光体スクリーンにより生じるモアレ周波数を
    担持する信号成分を減衰させる第1の画像処理手段を備
    えたものであることを特徴とする請求項15記載の画像
    撮影装置。
  17. 【請求項17】 前記モアレ成分低減手段が、前記画
    像信号の読取ピッチの空間周波数を、前記異方化蛍光体
    スクリーンの異方化ピッチの空間周波数の2倍以上とす
    るものであることを特徴とする請求項14記載の画像撮
    影装置。
  18. 【請求項18】 前記モアレ成分低減手段が、前記2
    次元画像読取装置により読み取られた画像信号の内、前
    記異方化蛍光体スクリーンの異方化ピッチの空間周波数
    を担持する信号成分を減衰させる第2の画像処理手段を
    備えたものであることを特徴とする請求項17記載の画
    像撮影装置。
  19. 【請求項19】 前記異方化蛍光体スクリーンが、異
    方化の方向が1次元のみのものであって、該異方化の方
    向が前記2次元画像読取装置の主走査方向または副走査
    方向と同じになるように配されてなるものであり、 前記2次元画像読取装置により読み取られた画像信号の
    主走査方向の鮮鋭度と副走査方向の鮮鋭度を略等しくす
    る鮮鋭度バランス手段を更に備えたことを特徴とする請
    求項11から18いずれか1項記載の画像撮影装置。
  20. 【請求項20】 前記異方化蛍光体スクリーンが、該
    スクリーンを平面方向に沿って1次元方向に細分区画す
    るストライプ状の隔壁と該隔壁により区画された蛍光体
    充填領域とからなるストライプ蛍光体層が少なくとも2
    層積層されてなり、かつ隣接する蛍光体層のストライプ
    状隔壁が互いに略90゜または略60゜の角度で交差し
    ているものであることを特徴とする請求項11,12,
    14,15,16,17,18のうちのいずれか1項記
    載の画像撮影装置。
  21. 【請求項21】 前記異方化蛍光体スクリーンが、下
    記の工程からなる製造方法によって製造されたものであ
    ることを特徴とする請求項11,12,14,15,1
    6,17,18のうちのいずれか1項記載の画像撮影装
    置: 1)実質的に蛍光体からなる蛍光体フィルムを形成する
    工程; 2)前記蛍光体フィルムに一定幅の溝を一定の間隔で多
    数設け、各溝に隔壁材料を分散含有する液を充填し、そ
    して固化させて、1次元構造の隔壁を有するストライプ
    蛍光体フィルムを複数枚製造する工程;および 3)複数枚の前記ストライプ蛍光体フィルムを隣接する
    フィルムのストライプが互いに交差するように積層する
    工程。
  22. 【請求項22】 前記異方化蛍光体スクリーンが、下
    記の工程からなる製造方法によって製造されたものであ
    ることを特徴とする請求項11,12,14,15,1
    6,17,18のうちのいずれか1項記載の画像撮影装
    置: 1)実質的に蛍光体からなる蛍光体フィルムを形成する
    工程; 2)前記蛍光体フィルムに一定幅の溝を一定の間隔で多
    数設け、各溝に隔壁材料を分散含有する液を充填し、更
    に該蛍光体フィルムの表面にも該隔壁材料分散液を塗布
    し、次いで固化させて、1次元構造の隔壁を有し、かつ
    片面に隔壁層が設けられたストライプ蛍光体フィルムを
    複数枚形成する工程; 3)複数枚の前記ストライプ蛍光体フィルムを隣接する
    フィルムのストライプが互いに平行になるように積層し
    て、積層体ブロックを形成する工程;および 4)前記積層体ブロックをストライプが現れている積層
    面に沿ってスライスする工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003090900A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Fuji Photo Film Co Ltd シートの製造方法及び放射線像変換パネル
JP2008523381A (ja) * 2004-12-09 2008-07-03 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 相互作用深度感度を持つ画素化検出器
CN100420259C (zh) * 2003-11-27 2008-09-17 财团法人工业技术研究院 摄影机数组校准系统与方法
JP2014013230A (ja) * 2012-06-04 2014-01-23 Canon Inc 放射線検出装置及び撮像システム
WO2015068348A1 (ja) * 2013-11-05 2015-05-14 キヤノン株式会社 放射線撮像装置および放射線撮像システム

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