JP2001141714A - 二酸化窒素ガスの検出装置 - Google Patents

二酸化窒素ガスの検出装置

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JP2001141714A
JP2001141714A JP32087199A JP32087199A JP2001141714A JP 2001141714 A JP2001141714 A JP 2001141714A JP 32087199 A JP32087199 A JP 32087199A JP 32087199 A JP32087199 A JP 32087199A JP 2001141714 A JP2001141714 A JP 2001141714A
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nitrogen dioxide
dioxide gas
porous body
reagent
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Yoko Maruo
容子 丸尾
Takashi Oyama
孝 大山
Takayoshi Hayashi
孝好 林
Toru Tanaka
融 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より精度良く二酸化窒素ガスが検出でき
るようにする 【解決手段】 発光部101からの発光光を、ミラー型
ビームスプリッタからなる分波器111で、分波器11
1を透過する光と反射する光とに分波し、分波器111
を透過した光は、検知素子102に照射し、検知素子1
02の透過光を受光部103で受光し、分波器111を
反射した光は、受光部103aで直接受光する。これら
受光部103,103aでは、受光光を光電変換して信
号電流を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二酸化窒素ガス
の検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、SO2,NOxによる環境への影響
が問題とされている。SO2,NOxは化石燃料の燃焼に
より発生し、酸性雨や光化学スモッグの原因となってい
る。日本では、これらの汚染物質について、例えば大気
中の二酸化窒素(NO2)濃度に環境基準が設定され、
各地で常時監視局での自動測定法によるガス濃度測定が
行われている。環境基準としては、1時間あたりの1日
におけるNO2濃度の平均値が、おおよそ60ppb以
下となっている。
【0003】上記のNO2濃度を測定するガス濃度測定
器は、数ppbの微量なガスの測定が可能であるが、高
価で且つメンテナンスを必要とする。また、自動測定す
る場合には電力等膨大な経費がかかる上、電源や設置場
所の確保が必要である等制約が多い。しかし、ガス濃度
の分布調査や地球環境影響評価を精度良く行うために
は、観測点を多くして全国規模で環境の監視を行う必要
がある。このために、安価、小型、且つ使い方が簡便な
ガスセンサーあるいは簡易測定法(あるいはモニタリン
グ装置)の蓄積的な利用が考えられる。
【0004】現在、NO2などのガス濃度を測定するセ
ンサーとして、半導体ガスセンサー、固体電解質ガスセ
ンサー、電気化学式ガスセンサー、水晶発振式ガスセン
サーなど幅広く開発が進んでいる。しかし、これらは短
時間での応答を評価するために開発されたものであっ
て、データの蓄積が必要な監視用に開発されたものは少
ない。また、検出感度が1ppm程度であるために実環
境の濃度(例えばNOxでは約10ppb)には対処で
きない。また、多くの場合、他ガスによる影響が無視で
きない。
【0005】他に、検知管式気体測定器を使う方法があ
るが、この方法についても、測定する場所での短時間で
の測定を目的として開発されたものであり、蓄積的な使
用は難しい。さらに、測定者が現場に行かなければなら
ないこと、および色を読みとる際に個人差がでるなどの
問題がある。また多くの場合、他ガスの干渉等または妨
害が問題となる。上記ガスの簡易測定法としては、ポン
プにより空気を取り込み、NOxガスをサンプリングバ
ッグに直接捕集(直接捕集法)、固体の吸着剤で捕集
(固体捕集法)、あるいは吸収液中に捕集(液体捕集
法)し、集めたガスをガスクロマトグラフィで分析する
方法が一般的である。
【0006】しかし、いずれの方法もサンプルだけでな
くポンプ等周辺機器の運搬が必要となり、観測点を多く
して全国規模で測定を行うことが容易ではない。加え
て、直接捕集法については、サンプリングバッグの大き
さに限りがあるために、蓄積することが難しい。また、
固体捕集法および液体捕集法については、捕集したガス
を検出するための処理が必要等の問題があり、データの
収集が容易ではない。また、いずれの方法も、捕集の後
で分析を行うものであるため、時間ごとに変化する実際
の環境における二酸化窒素ガスの濃度の時間変化を監視
することが困難である。
【0007】吸引等が必要でない簡便なモニタリングの
方法として、環境測定用の受動式(パッシブ)サンプラ
ーの利用が注目されている。NOx用の受動式サンプラ
ーとしては、ナイトレーションプレート法やトリエタノ
ールアミン(TEA)バッヂ法がある。風速、温度およ
び湿度についての影響を検討し、定量性を検討してい
る。一方、サンプリング後の測定は、サンプルを洗浄し
て溶液とし、イオンクロマトグラフィ、吸光光度法によ
り分析する方法が一般的であった。しかし、これらのサ
ンプラーは、回収した後で分析を行うまでに、洗浄等の
手間がかかることが問題である。
【0008】以上の問題点を解消する手法として、二酸
化窒素ガスを、透明なマトリクス吸着剤である多孔体の
孔中に吸着した検知剤と反応させた後、分光光度計によ
り検知剤が吸着している多孔体からなる検知素子を透過
する光の可視UV吸収スペクトルを測定し、二酸化窒素
ガスの量を検出することを特徴とする二酸化窒素ガス検
出装置が提案されている。この検出装置では、可視UV
吸収スペクトルを測定するための光源として、小型で安
定した光出力が得られ、かつ安価に入手できる、特定の
波長の光を主に発するLEDを用いるようにしている。
光源としてのLEDは、上記の検知剤と二酸化窒素ガス
とが反応したときの検知素子の光吸収のピーク位置に合
わせた波長の光、例えば波長530nmの発光が得られ
るものを用いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の二酸化窒素ガス
検出装置では、例えば10分ごとなど、所定の時間間隔
で検知素子を透過する可視UV吸収スペクトルを測定
し、1つ前に測定した吸収スペクトルとの差分を取るこ
とで、測定環境における二酸化窒素濃度の10分間の平
均値を測定するようにしている。このように、上記の二
酸化窒素ガスの検出装置では、所定時間間隔で差分値を
求めるようにしているので、電源の変動などにより光源
の強度が変化すると、精度よく二酸化窒素濃度を求める
ことができないと言う問題があった。
【0010】本発明は、以上のような問題点を解消する
ためになされたものであり、従来より精度良く二酸化窒
素ガスが検出できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の二酸化窒素ガス
の検出装置は、所定の波長の光を放出する発光部と、こ
の発光部から放出された光を第1の光と第2の光に分波
する分波部と、この分波部が分岐した第1の光を受光し
て受光した光量に応じた電気信号を出力する第1の光検
出部と、分波部が分波した第2の光を受光して受光した
光量に応じた電気信号を出力する第2の光検出部と、分
波部と第1の光検出部との間の分波部が分波した第1の
光の光路に配置された検知素子と、第1の光検出部が出
力した電気信号の状態を第2の光検出部が出力した電気
信号の状態で参照して計測する電気計器とを少なくとも
備え、検知素子は、透明な多孔体と、実質的に多孔体の
全ての孔内に配置されて亜硝酸イオンと反応してジアゾ
化合物を生成するジアゾ化試薬と、多孔体の孔内にジア
ゾ化試薬とともに配置されてジアゾ化合物とカップリン
グしてアゾ色素を生成するカップリング試薬と、多孔体
の孔内にジアゾ化試薬とともに配置された酸とから構成
したものである。
【0012】この発明によれば、検知素子の孔内に二酸
化窒素ガスが浸入して二酸化窒素が吸着すると、この結
果生成される亜硝酸イオンがジアゾ化試薬と反応してジ
アゾ化合物を生成し、生成したジアゾ化合物カップリン
グ試薬がカップリングしてアゾ色素を生成し、検知素子
に色がついた状態となる。そして、発光部から放出され
た光の一部は検知素子を介して第1の光検出部に入射
し、検知素子の色の変化が第1の光検出部の出力した電
気信号の変化として出力される。一方、発光部から放出
された光の残りは直接第2の光検出部に入射し、発光部
の光出力の変化が第2の光検出部の出力した電気信号の
変化として出力される。そして、第1の光検出部の出力
した電気信号が、第2の光検出部の出力した電気信号で
標準化される。
【0013】上記の発明において、多孔体の平均孔径
は、ジアゾ化試薬およびカップリング試薬が入り込める
以上の大きさで、加えて、20nm以下である。上記の
発明において、ジアゾ化試薬は、ベンゼン,ナフタレ
ン,ビフェニル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェ
ン,チアゾール等の複素芳香族化合物であって、1級ア
ミノ基もしくはアセトアミド基を備えた化合物であり、
カップリング試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニ
ル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チアゾー
ル等の複素芳香族化合物であって、1〜3級アミノ基も
しくはアルコオキシ基もしくは水酸基を有する化合物で
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。 実施の形態1 はじめに、本発明の第1の実施の形態における二酸化窒
素ガスの検出装置について説明する。図1に示すよう
に、例えば、所定の波長の光を発するLEDからなる発
光部101を備え、この発光部101からの発光光を、
ミラー型ビームスプリッタからなる分波器111で、分
波器111を透過する光と反射する光とに分波する構成
とした。
【0015】また、分波した光の中で、分波器111を
透過した光は、以降に説明する検知素子102に照射
し、検知素子102の透過光を受光部103で受光する
構成とした。そして、分波した光の中で、分波器111
を反射した光は、受光部103aで直接受光する。これ
ら受光部103,103aでは、受光光を光電変換して
信号電流を出力する構成とした。
【0016】また、変換増幅部104では、受光部10
3より出力された信号電流を増幅して電流−電圧変換す
る。変換増幅部104で増幅された二酸化窒素ガスの検
出濃度に対応する電圧信号は、A/D変換部105でデ
ジタル信号に変換する。一方、変換増幅部104aで
は、受光部103aより出力された信号電流を増幅して
電流−電圧変換する。変換増幅部104aで増幅された
電圧信号は、A/D変換部105aでデジタル信号に変
換する。
【0017】そして、この実施の形態では、出力検出部
106において、A/D変換部105でデジタル信号に
変換された二酸化窒素ガスの検出濃度に対応する信号
を、A/D変換部105aでデジタル信号に変換された
信号で参照して出力するようにした。したがって、出力
検出部106は、検知素子102の透過率に対応する信
号となっている。このため、この実施の形態1によれ
ば、例えば発光部101の光出力が変動しても、この光
出力の変動が出力検出部106から出力される信号に影
響を与えない。
【0018】ここで、発光部101には、例えば、53
0nmの発光波長を有する緑色LEDを用いればよい。
また、受光部103,130aは、例えば、フォトダイ
オードである。このフォトダイオードとしては、例え
ば、190〜1000nmの波長に感度のあるものを用
いればよい。また、図1の二酸化窒素の検出装置は、電
源となる二次電池とともに、例えば図2に示すような、
12cm×6cm程度の面積を有する容器201内に配
置され、通気口203が形成された板202で蓋がさ
れ、遮光された状態で測定環境に配置される。
【0019】次に、上記の二酸化窒素ガスの検出装置に
おける検知素子について詳細に説明する。まず、検知素
子の作成に関して説明すると、図3(a)に示すよう
に、ジアゾ化試薬として芳香族アミンであるスルファニ
ル酸(sulfanilic acid:SA)とカップリング試薬とし
てN,N−ジメチルナフチルアミン(N,N-dimehtylnaph
thylamine:DMNA)とを水とエタノールの混合液に溶
解した検知剤溶液301を、容器302中に作製する。
スルファニル酸の濃度は0.02mol/lとすればよ
い。
【0020】次に、図3(b)に示すように、この検知
剤溶液301に、平均孔径4nmの多孔質ガラスである
多孔体303を浸漬する。この多孔体303は、コーニ
ング社製のバイコール7930を用いればよい。このバ
イコール7930は平均孔径4nmである。また、多孔
体303は、8(mm)×8(mm)で厚さ1(mm)
のチップサイズとする。バイコール7930は硼珪酸ガ
ラスであり、加熱することでアルカリ成分とシリコンを
中心とする他の成分とを分離させ、過熱した状態で酸処
理することでアルカリ成分を溶出させて多孔質体とした
ものである。このように製造過程で酸処理されているた
め、このバイコール7930の孔内は、酸性環境となっ
ている。すなわち、バイコール7930の孔内には予め
酸が存在した状態となっている。
【0021】なお、多孔体の孔内が酸性状態となってい
ない場合は、前もって酸洗浄するなどのことにより、孔
内を酸性環境として酸が存在した状態とすればよい。そ
して、酸洗浄により孔内を酸性とするときは、多孔体
が、例えばpH1となっていればよい。なお、透明な多
孔体としては、有機高分子からなる多孔体を用いるよう
にしても良い。上記の多孔体303を検知剤溶液301
に2時間浸漬し、多孔体303の孔内に検知剤溶液を含
浸させた後でこれを風乾し、図3(c)に示すように、
窒素ガス気流中に半日間放置して乾燥し、検知素子30
3aを作製する。なお、上記では検知素子を板状とした
が、これに限るものではなく、ファイバ状に形成するよ
うにしても良い。
【0022】次に、上記の検知素子を用いた二酸化窒素
ガスの基本的な検出方法について説明すると、まず、図
3(d)に示すように、検知素子303aの厚さ方向の
吸光度を測定する。なお、図3(d)において、I0
入射信号光強度、Iは透過光強度である。次に、図3
(e)に示すように、例えば、300ppbの濃度の二
酸化窒素が存在する検出対象の空気304中に、検知素
子303aを3時間程度晒す。そして、検知素子303
aを検出対象の空気304中より取り出し、図3(f)
に示すように、この検知素子303aの厚さ方向の吸光
度を再び測定する。
【0023】この2回の吸光度の測定(吸光光度分析)
結果を図4に示す。透過光測定波長350nm以下は、
検知素子を構成する多孔質ガラス(バイコール793
0)自体の吸収があるために測定していない。図4で
は、検出対象の空気に晒す前の吸光度の測定結果を破線
で示し、晒した後の吸光度の測定結果を実線で示す。ま
ず、実線および破線ともに、水の吸収と思われる吸収が
波長1350nm付近と1900nm付近にある。この
吸収は、検出対象空気の湿度および検知素子の放置時間
により変化した。従って、上記の検知素子を用いた二酸
化窒素ガスの検出方法では、有効な測定波長範囲は35
0〜1000nmと判断される。
【0024】そして、波長400〜600nmの特に5
30nm付近において、実線と破線との間に大きな変化
が見られる。つまり、検出対象空気に晒した後の吸光度
の測定では、波長530nmにおける吸収が発現してい
る。従って、検出対象空気に晒すことで、検知素子中
に、波長530nmの光吸収を有する新たな物質が生成
されていることになる。そして、新たな生成物質は、ス
ルファニル酸と亜硝酸イオンとが反応して生成したジア
ゾ化合物に、N,N−ジメチルナフチルアミンがカップ
リングして生成したアゾ色素と推定できる。二酸化窒素
は、水に溶けることで亜硝酸イオンとなる。また、新た
に出現した吸収のピークは1つであることから、他の副
反応が起こっていないことが確認できる。
【0025】前述したように、多孔体である検知素子
は、まず、図5(a)に示すような、例えば平均孔径が
20nm以下の孔501を複数備えた透明なマトリクス
吸着剤である。そして、この検知素子(多孔体)502
の孔501中には、ジアゾ化試薬とカップリング試薬と
が酸とともに配置されている。そして、このような多孔
体を空気中に晒すと、実際には、空気中の水分が孔内に
吸着して薄い水の膜を作る。結果として、この多孔体で
ある検知素子502の孔501内壁には、ジアゾ化試薬
とカップリング試薬と酸が溶解している水溶液(検知剤
溶液)の薄い膜503が形成された状態となっている。
そして、孔501内に入ってきた二酸化窒素分子504
は、検知剤溶液と出会って次に示すような2つの反応を
起こすことになる。
【0026】まず、図5(b)に示すように、二酸化窒
素が水に溶解することで生成された亜硝酸イオン511
と、ジアゾ化試薬であるスルファニル酸512とが反応
(ジアゾ化)し、ジアゾ化合物513を生成する。そし
て、ジアゾ化合物513と、カップリング試薬である
N,N−ジメチルナフチルアミン514とがカップリン
グし、アゾ化合物(カップリング化合物)515を生成
する。ここで、アゾ化合物(アゾ色素)は、一般に20
0〜2000nmの中のいずれかの波長域に光吸収を持
っている。例えば、図5(c)に示したアゾ化合物51
5は、500〜550nm付近に吸収波長を有すること
が知られている。これは、図4に示した結果に一致す
る。
【0027】従って、例えば、分光光度計(吸光光度
計)により吸収スペクトルを測定すれば、アゾ化合物の
検出(定量)を行うことができる。なお、ジアゾ化は、
酸が2当量以上存在する中で、芳香族第一アミン(Ar
NH2)と亜硝酸イオン(NO2 -)とが反応してジアゾ
化合物(ArN2 +)を作る反応である。このため、上述
した反応は、基本的には二酸化窒素ガス以外では起こら
ない。ここで、この反応は、ArNH2+NO2 -+2H+
→ArN2 ++2H20という反応であるため、理論的に
は酸を2当量必要とする。すなわち、前述したように、
多孔体の孔中に必要量の酸とともにジアゾ化試薬とカッ
プリング試薬とを配置(担持)させておく必要がある。
なお、上述した反応は、気相中でも起こり得るが、前述
したように、実際の環境では水分がない状態が存在し得
ないため、実質的に、検知素子の孔内には水の薄い膜が
存在し、水溶液中で上述した反応が起こることになる。
【0028】そして、前述したように、二酸化窒素ガス
が吸着することで結果として生成したアゾ化合物を光吸
収により測定することで、間接的に二酸化窒素ガスの測
定を行うことができる。ここで、例えば、多孔体をアゾ
化合物の光吸収波長域における光が透過する材料から構
成すれば、二酸化窒素ガスを吸着させた多孔体(検知素
子)の光吸収特性を測定することで、吸着した二酸化窒
素ガスの検出が行えることになる。加えて、この実施の
形態では、検知素子の雰囲気の湿度を測定し、測定した
湿度データにより、測定した検知素子の光吸収特性を補
正するようにしたので、より精度よく二酸化窒素ガスの
検出が行えるようになる。
【0029】二酸化窒素濃度が300ppbの空気中
に、検知素子を3時間晒したとき、吸光度の測定の結果
は、図4に示したように、波長530nmにおける吸光
度の変化が0.1程度と高く、高感度なサブppmレベ
ルの二酸化窒素ガスの検出ができている。測定は吸光光
度計の薄膜測定用のホルダに、上記の検知素子を入れる
だけであり、簡単に行うことができる。そして、吸光度
の差と濃度との関係を求めれば、ppbレベルの定量が
可能となる。感度指数として暴露量(濃度(ppb)×
暴露時間(時間))当たりの最大吸収波長での吸光度変
化を求めた。上記(図4)の場合、300ppbの二酸
化窒素ガスの中に3時間暴露した際の吸光度変化は0.
1であり、感度指数は1.1×10-4ppb-1・hr-1
となり、非常に高い感度が得られる。
【0030】ところで、ジアゾ化試薬として、例えば、
ベンゼン,ナフタレン,ビフェニルなどの芳香族または
チオフェン,チアゾールなどの複素芳香族で、1級アミ
ノ基またはアセトアミド基を有する化合物を用いるよう
にしてもよい。また、カップリング試薬として、ベンゼ
ン,ナフタレン,ビフェニルなどの芳香族またはチオフ
ェン,チアゾールなどの複素芳香族で、アミノ基(1〜
3級),アルコオキシ基,あるいは,水酸基を有する化
合物を使用してもよい。
【0031】また、ジアゾ化試薬およびカップリング試
薬を多孔体の孔中に導入する方法として、上述したよう
に、両者を溶液として多孔体に含浸させて孔中に導入し
て乾燥する方法の他に、両者を蒸着して孔中に導入する
方法、両者を溶融して孔中に導入する方法がある。これ
らの場合、前もって多孔体の孔中に酸を導入しておくこ
とで、酸性環境とすればよい。また、両者を単独,もし
くは,他の化合物と混合し、ゾルゲル法により多孔体を
作製する際にジアゾ化試薬およびカップリング試薬を孔
中に導入する方法がある。上記のように、多孔体の孔内
にジアゾ化試薬およびカップリング試薬を備えた検知素
子を用いれば、検出対象の二酸化窒素ガスの吸着面積が
増大し、感度および蓄積容量を増大させることができ
る。
【0032】また、検知素子を構成している多孔体が、
おおよそ400〜1000nmの波長領域において、高
い透過率を有しているので、検知素子の透過率を測定す
ることで、二酸化窒素が検知素子に吸着することで生成
されるアゾ色素による吸光度の変化を測定できる。した
がって、検知素子を検出対象の空気に晒す前と晒した後
とで検知素子の吸光度を測定することで、二酸化窒素ガ
スの検出が容易に行える。そして、吸光度の測定におい
ては、単一ピークの変化を見ればよいので、測定が容易
である。図6に示すように、測定対象の空気における二
酸化窒素ガス濃度が高くなると、検知素子の所定の波長
における光の透過率が低下していく。図6は、図1に示
した発光部101の波長をおおよそ530nmとした場
合である。
【0033】ここで、検知素子を構成する多孔体をガラ
ス(硼珪酸ガラス)から構成した場合、多孔体の平均孔
径を20nm以下とすることで、可視UV波長領域(波
長200〜2000nm)での透過スペクトルの測定に
おいて、可視光領域(350〜800nm)では光が透
過した。しかし、検知素子に用いる多孔体の平均孔径が
20nm以上となると、可視領域で急激な透過率の減少
が観測された。
【0034】上記の結果を図7に示す。図7では、点線
が石英ガラスの透過率を示し、一点鎖線が硼珪酸ガラス
からなる孔径2.5nmの多孔体の透過率を示し、実線
が上述したバイコール7930の透過率を示し、破線が
硼珪酸ガラスからなる孔径20nmの多孔体の透過率を
示している。なお、一点鎖線と破線で示すサンプルは、
ゲルテック社(GELTECH)製のものである。ま
た、すべて、透過率測定方向の厚さは1mmとした。検
知素子に用いる多孔体は、平均孔径が20nm以下とし
たほうがよい。また、350〜800nmの可視光領域
で透明な多孔体を用いる。ところで、上述では、多孔体
の比表面積は1g当たり100m2以上である。
【0035】次に、二酸化窒素ガスの検知素子の他の作
製方法について説明する。まず、ジアゾ化試薬としてス
ルファニルアミド(SFA)と、カップリング試薬とし
てN,N−ジメチルナフチルアミン(DMNA)とを、
エタノールの混合液に溶解した検知剤溶液を作製する。
ここで、スルファニルアミドの濃度は0.02mol/
lとし、またN,N−ジメチルナフチルアミンの濃度は
0.005mol/lとすればよい。次に、検知剤溶液
に、平均孔径4nmの多孔体を浸漬する。この多孔体
は、前述と同様に、コーニング社製のバイコール793
0を用いればよい。このバイコール7930は平均孔径
4nmである。また、多孔体は、8(mm)×8(m
m)で厚さ1(mm)のチップサイズである。
【0036】そして、この多孔体を検知剤溶液に2時間
浸漬し、多孔体の孔内に検知剤溶液を含浸させた後でこ
れを風乾し、窒素ガス気流中に半日間放置して乾燥すれ
ば、検知素子が作成できる。図8には、この検知素子
を、測定対象の空気に晒す前と晒した後の吸収スペクト
ルを示した。破線は、晒す前の状態を示している。そし
て、実線が、300ppbの濃度の二酸化窒素ガスが存
在する空気中に、上記の検知素子を3時間晒した後の結
果を示している。図8から明らかなように、実線には、
波長530nm付近に新しい吸収ピークが1つのみ現れ
ている。
【0037】図8に示した、530nm付近の吸収はス
ルファニルアミドがジアゾ化したジアゾ化合物とN,N
−ジメチルナフチルアミンがカップリングした結果生成
したアゾ色素によるものと考えられる。そして、吸光度
の変化も0.1程度と高く、上記の検知素子を用いた二
酸化窒素ガスの検出でも、高感度なppbレベルの二酸
化窒素ガスの検出が可能なことがわかった。この検知素
子の結果(図8)についても感度指数を求めると1.3
×10-4ppb-1・hr-1となり、非常に高い感度が得
られたことがわかる。
【0038】図1の検知素子102を上記の方法により
作成し、実際に二酸化窒素ガスの濃度を測定した結果
(経時変化)を図9に示す。図9では、黒丸で受光部1
03aからの出力を示し、黒四角で受光部103からの
出力を示している。そして、白丸で出力検出部106か
ら得られた出力(透過率)を示す。この濃度測定では、
二酸化窒素ガス濃度が常に一定の状態を、図1の二酸化
窒素ガスの検出装置で測定した結果である。この場合、
受光部103からの出力の変動は、検出素子102の透
過率の変動とは異なり、発光部101の光出力の変動な
どの他の要因によるものである。しかしながら、受光部
103aの出力も、上記の他の要因により同様に変動す
るので、図9から明らかなように、出力検出部106か
ら得られる結果は、検出素子102の光透過状態を反映
して常に一定のものとなっている。
【0039】実施の形態2 次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。
図10に示すように、例えば、所定の波長の光を発する
LEDからなる発光部101を備え、この発光部101
からの発光光を、キューブ型ビームスプリッタからなる
分波器1011で、分波器1011を透過する光と反射
する光とに分波する構成とした。また、分波した光の中
で、分波器1011を透過した光は、上記に説明した検
知素子102に照射し、検知素子102の透過光を受光
部103で受光する構成とした。そして、分波した光の
中で、分波器1011を反射した光は、受光部103a
で直接受光する。これら受光部103,103aでは、
受光光を光電変換して信号電流を出力する構成とした。
【0040】また、変換増幅部104では、受光部10
3より出力された信号電流を増幅して電流−電圧変換す
る。変換増幅部104で増幅された二酸化窒素ガスの検
出濃度に対応する電圧信号は、A/D変換部105でデ
ジタル信号に変換する。一方、変換増幅部104aで
は、受光部103aより出力された信号電流を増幅して
電流−電圧変換する。変換増幅部104aで増幅された
電圧信号は、A/D変換部105aでデジタル信号に変
換する。
【0041】そして、この実施の形態でも、出力検出部
106において、A/D変換部105でデジタル信号に
変換された二酸化窒素ガスの検出濃度に対応する信号
を、A/D変換部105aでデジタル信号に変換された
信号で参照して出力するようにした。したがって、出力
検出部106は、検知素子102の透過率に対応する信
号となっている。このため、図10の二酸化窒素ガスの
検出装置においても、例えば発光部101の光出力が変
動しても、この光出力の変動が出力検出部106から出
力される信号に影響を与えない。
【0042】図10の二酸化窒素ガスの検出装置で、実
際に二酸化窒素ガスの濃度を測定した結果(経時変化)
を図11に示す。図11では、黒丸で受光部103aか
らの出力を示し、黒四角で受光部103からの出力を示
している。そして、白丸で出力検出部106から得られ
た出力(透過率)を示す。この濃度測定では、二酸化窒
素ガス濃度が常に一定の状態を、図10の二酸化窒素ガ
スの検出装置で測定した結果である。この場合において
も、受光部103からの出力の変動は、検出素子102
の透過率の変動とは異なり、発光部101の光出力の変
動などの他の要因によるものである。しかしながら、受
光部103aの出力も、上記の他の要因により同様に変
動するので、図11から明らかなように、出力検出部1
06から得られる結果は、検出素子102の光透過状態
を反映して常に一定のものとなっている。
【0043】ところで、二酸化窒素ガスの検知素子の作
成は、上記の方法に限るものではなく、以降に示す方法
でも作製することができる。まず、ジアゾ化試薬として
アセトアニリド(AA)と、カップリング試薬として
N,N−ジメチルナフチルアミン(DMNA)とを、エ
タノールの混合液に溶解した検知剤溶液を作製する。こ
こで、アセトアニリド(AA)の濃度は0.02mol
/lとし、またN,N−ジメチルナフチルアミンの濃度
は0.005mol/lとすればよい。次に、上記の検
知剤溶液に、平均孔径4nmの多孔体を浸漬した。この
多孔体は、前述した検知素子の場合と同様に、コーニン
グ社製のバイコール7930を用いればよい。このバイ
コール7930は平均孔径4nmである。また、多孔体
は、8(mm)×8(mm)で厚さ1(mm)のチップ
サイズとすればよい。
【0044】そして、この多孔体を検知剤溶液に2時間
浸漬し、多孔体の孔内に検知剤溶液を含浸させた後でこ
れを風乾し、そして、窒素ガス気流中に半日間放置して
乾燥すれば、検知素子として用いることができる。図1
2には、この検知素子を、測定対象の空気に晒す前と晒
した後の吸収スペクトルを示した。破線は、晒す前の状
態を示している。そして、実線が、300ppbの濃度
の二酸化窒素ガスが存在する空気中に、上記の検知素子
を3時間晒した後の結果を示している。図12に示すよ
うに、実線には、波長460nm付近に新しい吸収が現
れた。波長460nm付近の吸光度は0.03程度であ
るが、充分高感度なppbレベルの二酸化窒素ガスの検
出が可能である。上記の検知素子の測定結果(図12)
より感度指数を求めると3.3×10-5ppb-1・hr
-1となった。
【0045】次に、二酸化窒素ガスの検知素子の他の作
製方法について説明する。まず、三角フラスコにカップ
リング試薬として0.0428gのN,N−ジメチル−
1−ナフチルアミン(DMNA)をとり、これに100
mlのエタノールを加えて溶解し、約0.0025mo
l/lの溶液を調整する。また、もう一つの三角フラス
コに、ジアゾ化試薬として0.6888gのスルファニ
ルアミドをとり、これに100mlのエタノールを加え
て溶解し、約0.04mol/lの溶液を調整する。
【0046】次に、上記の2つの溶液をそれぞれ10m
lとって混合し、検知剤溶液を調整した。シャーレの中
の検知剤溶液に検知剤溶液をシャーレに移し、シャーレ
の中の検知剤溶液に平均孔径4nmの多孔体を約2時間
浸漬し、多孔体に検知剤溶液を含浸させる。この多孔体
は、コーニング社製のバイコール7930を用いればよ
い。このバイコール7930は平均孔径4nmである。
また、多孔体は、8(mm)×8(mm)で厚さ1(m
m)のチップサイズとすればよい。次いで、検知剤溶液
を含浸させた多孔体を、シャーレより取り出して24時
間風乾して溶媒を蒸発させれば、検知素子として用いる
ことができる。この検知素子は、目視では無色透明であ
る。
【0047】上記検知素子を、二酸化窒素濃度200p
pbの乾燥窒素雰囲気中に晒したところ、目視の状態で
は検知素子の色が無色透明から桃色に変化した。この変
化を吸光光度計で測定した結果、図13に示すように変
化が観測された。図13では、初期の無色透明に見えた
検知素子の測定結果を破線で示し、桃色に変化した状態
の検知素子の測定結果を実線で示している。この変化は
非可逆であった。また、二酸化窒素濃度を100ppb
〜100ppmの範囲で変化させたところ、光吸収の強
度が異なるだけで、ほぼ同様のスペクトル変化が見られ
た。
【0048】次に、上記の検知素子を、二酸化窒素濃度
が10ppbの大気(空気)に晒したところ、検知素子
の吸光度に図14に示すような変化が観測された。図1
4では、初期の無色透明に見えた検知素子の測定結果を
破線で示し、検体空気に晒した後の測定結果を実線で示
している。そして、この変化も非可逆であった。以上示
したように、上記の検知素子を用いても、二酸化窒素ガ
スの検出が可能であり、また、大気中における二酸化窒
素ガスを検出することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、所定
の波長の光を放出する発光部と、この発光部から放出さ
れた光を第1の光と第2の光に分波する分波部と、この
分波部が分岐した第1の光を受光して受光した光量に応
じた電気信号を出力する第1の光検出部と、分波部が分
波した第2の光を受光して受光した光量に応じた電気信
号を出力する第2の光検出部と、分波部と第1の光検出
部との間の分波部が分波した第1の光の光路に配置され
た検知素子と、第1の光検出部が出力した電気信号の状
態を第2の光検出部が出力した電気信号の状態で参照し
て計測する電気計器とを少なくとも備え、検知素子は、
透明な多孔体と、実質的に多孔体の全ての孔内に配置さ
れて亜硝酸イオンと反応してジアゾ化合物を生成するジ
アゾ化試薬と、多孔体の孔内にジアゾ化試薬とともに配
置されてジアゾ化合物とカップリングしてアゾ色素を生
成するカップリング試薬と、多孔体の孔内にジアゾ化試
薬とともに配置された酸とから構成したものである。
【0050】この発明によれば、検知素子の孔内に二酸
化窒素ガスが浸入して二酸化窒素が吸着すると、この結
果生成される亜硝酸イオンがジアゾ化試薬と反応してジ
アゾ化合物を生成し、生成したジアゾ化合物カップリン
グ試薬がカップリングしてアゾ色素を生成し、検知素子
に色がついた状態となる。そして、発光部から放出され
た光の一部は検知素子を介して第1の光検出部に入射
し、検知素子の色の変化が第1の光検出部の出力した電
気信号の変化として出力される。一方、発光部から放出
された光の残りは直接第2の光検出部に入射し、発光部
の光出力の変化が第2の光検出部の出力した電気信号の
変化として出力される。そして、第1の光検出部の出力
した電気信号が、第2の光検出部の出力した電気信号で
標準化される。この結果、本発明によれば、発光部から
放出される光の変化などによる擾乱に影響されることな
く、従来より精度良く二酸化窒素ガスが検出できるよう
になるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における二酸化窒素ガス
の検出装置の構成を示す構成図である。
【図2】 図1の二酸化窒素ガスの検出装置が納められ
る容器の概略的な構成を示す斜視図である。
【図3】 検知素子の作成に関して示す説明図である。
【図4】 検知素子を測定雰囲気に晒す前と晒した後の
吸光度の変化を示す特性図である。
【図5】 検知素子の構成を示す説明図および、検知素
子内で起こる反応を示す説明図である。
【図6】 検知素子における二酸化窒素濃度と透過率と
の関係を示す相関図である。
【図7】 ガラスからなる多孔体と光学透過率の関係を
示す相関図である。
【図8】 検知素子を測定雰囲気に晒す前と晒した後の
吸光度の変化を示す特性図である。
【図9】 図1の二酸化窒素ガスの検出装置で二酸化窒
素ガスの測定をした結果を示す特性図である。
【図10】 本発明の他の形態における二酸化窒素ガス
の検出装置の構成を示す構成図である。
【図11】 図10の二酸化窒素ガスの検出装置で二酸
化窒素ガスの測定をした結果を示す特性図である。
【図12】 検知素子を測定雰囲気に晒す前と晒した後
の吸光度の変化を示す特性図である。
【図13】 検知素子を測定雰囲気に晒す前と晒した後
の吸光度の変化を示す特性図である。
【図14】 検知素子を測定雰囲気に晒す前と晒した後
の吸光度の変化を示す特性図である。
【符号の説明】
101…発光部、102…検知素子、103,103a
…受光部、104,104a…変換増幅部、105,1
05a…A/D変換部、106…出力検出部、111…
分波器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 孝好 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 田中 融 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BB07 CA01 CB01 DA08 FA11 FB05 HA07 2G054 AA01 CA06 CE01 EA04 FA20 FA33 FB02 FB03 GE05 2G059 AA01 BB02 CC05 EE01 JJ13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の波長の光を放出する発光部と、 この発光部から放出された光を第1の光と第2の光に分
    波する分波部と、 この分波部が分岐した第1の光を受光して受光した光量
    に応じた電気信号を出力する第1の光検出部と、 前記分波部が分波した第2の光を受光して受光した光量
    に応じた電気信号を出力する第2の光検出部と、 前記分波部と前記第1の光検出部との間の前記分波部が
    分波した第1の光の光路に配置された検知素子と、 前記第1の光検出部が出力した電気信号の状態を前記第
    2の光検出部が出力した電気信号の状態で参照して計測
    する電気計器とを少なくとも備え、 前記検知素子は、透明な多孔体と、前記実質的に多孔体
    の全ての孔内に配置されて亜硝酸イオンと反応してジア
    ゾ化合物を生成するジアゾ化試薬と、前記多孔体の孔内
    に前記ジアゾ化試薬とともに配置されて前記ジアゾ化合
    物とカップリングしてアゾ色素を生成するカップリング
    試薬と、前記多孔体の孔内に前記ジアゾ化試薬とともに
    配置された酸とから構成されたことを特徴とする二酸化
    窒素ガスの検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の二酸化窒素ガスの検出装
    置において、 前記多孔体の平均孔径は、前記ジアゾ化試薬およびカッ
    プリング試薬が入り込める以上の大きさで、加えて、2
    0nm以下であることを特徴とする二酸化窒素ガスの検
    出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の二酸化窒素ガス
    の検出装置において、 前記ジアゾ化試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニ
    ル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チアゾー
    ル等の複素芳香族化合物であって、1級アミノ基もしく
    はアセトアミド基を備えた化合物であり、 前記カップリング試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフ
    ェニル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チア
    ゾール等の複素芳香族化合物であって、1〜3級アミノ
    基もしくはアルコオキシ基もしくは水酸基を有する化合
    物であることを特徴とする二酸化窒素ガスの検出装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010256126A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute 局在表面プラズモン共鳴測定基板及び局在表面プラズモン共鳴センサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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