JP2001141434A - 接触状態観察方法および接触状態観察装置 - Google Patents

接触状態観察方法および接触状態観察装置

Info

Publication number
JP2001141434A
JP2001141434A JP32414499A JP32414499A JP2001141434A JP 2001141434 A JP2001141434 A JP 2001141434A JP 32414499 A JP32414499 A JP 32414499A JP 32414499 A JP32414499 A JP 32414499A JP 2001141434 A JP2001141434 A JP 2001141434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
observation
contact
observed
contact state
uneven
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP32414499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4164968B2 (ja
Inventor
Shinichiro Taguchi
紳一郎 田口
Takashi Ota
隆 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP32414499A priority Critical patent/JP4164968B2/ja
Publication of JP2001141434A publication Critical patent/JP2001141434A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4164968B2 publication Critical patent/JP4164968B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】被接触物に接触した状態で実使用される観察対
象物の接触面の接触状態を再現でき、かつ、再現された
接触状態を詳細かつ明瞭に観察可能な接触状態観察方法
および接触状態観察装置を提供する。 【解決手段】一方面に実質的に平滑な平滑面を有し、他
方面に前記平滑面から入射した光を乱反射させる凹凸面
を有する透明な材料からなる観察用部材としてのガラス
板11と、ガラス板11の凹凸面11aと観察対象物W
の被観察面とを所定の押圧力で相対的に押し付けるアク
チュエータ21と、ガラス板11を通じて観察対象物W
に光を照射する光源35と、ガラス板11を通じて観察
対象物Wと凹凸面11aとの接触部の光学拡大像を得る
光学拡大手段とての顕微鏡鏡筒41と、光学拡大像を撮
像する撮像手段としてのCCDカメラ42と、撮像画像
を表示する表示手段としての画像処理装置31、表示装
置32とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、シール
製品のシール面や自動変速機用湿式クラッチに組み込ま
れる摩擦材の表面等の対象物に接触あるいは摺動させて
使用される被観察面の当該対象物との接触状態を再現し
て観察する接触状態観察方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、ゴムに代表される弾性体シー
ル製品のシール機能の制御において、シール製品と当該
シール製品のシール面によってシールされる被接触物と
の接触状態を明瞭に測定することが重要である。しかし
ながら、シール製品のシール面が被接触物と接触した状
態を直接観察することは困難であるため、観察すべき被
観察面であるシール面と被接触物の表面との接触状態を
観察可能な状態に再現する必要がある。このため、従来
においては、被観察面と被接触物の表面との接触状態を
再現する方法として、たとえば、特開平8−24774
7号公報等に開示されているように、実質的に平滑な表
面を有するガラス板や、プリズム等の透明な観察用部材
を被観察面に接触させて接触状態を観察する方法が採ら
れている。
【0003】具体的には、特開平8−247747号公
報では、図17に示すような方法で試料の観察すべき被
観察面の接触状態を観察する。まず、試料101の観察
すべき被観察面を倒立台形状の透明プリズム102の上
面に載置し、押圧ブロック103を介してスラスト荷重
Fを試料101に与えて試料101を透明プリズム10
2の平滑な上面に押し付ける。一方、透明プリズム10
2の片側下方には、光源104と、コリメータレンズ1
05と、偏光板106と、1/4波長板107とが設け
られ、他方には偏光板108と、集光レンズ109と反
射鏡110と、CCDカメラ111と、画像処理装置1
12とが設けられており、光源104からの光はコリメ
ータレンズ105、偏光板106および1/4波長板1
07を通過して透明プリズム102の片面から透明プリ
ズム102内に垂直に入射し、試料101の被観察面で
ある下面で反射する。この反射光は透明プリズム102
の他面から垂直方向に出て、偏光板108、集光レンズ
109を通じて反射鏡110で反射しCCDカメラ11
1に入射する。CCDカメラ111で撮像された画像デ
ータは、試料101の被観察面と透明プリズム102の
上面との間において、透明プリズム102側から入射し
た光は試料101の被観察面と透明プリズム102の上
面とが接触していない非接触部分では透明プリズム10
2の上面で全反射し、接触部分では試料101に吸収さ
れるため、非接触部分では明るく接触部分では相対的に
暗い画像となる。この状態の画像データを画像処理装置
112において、たとえば、明暗に応じて多値化処理
し、表示装置に画像データを表示することで試料101
の被観察面と透明プリズム102との接触状態を把握す
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の方法では、試料101の被観察面と透明プリズ
ム102との間の非接触部分での光の全反射を起こさせ
るために、光源104等の光学系やCCDカメラ111
を試料101の被観察面に対して一定の角度を持たせて
設置して観察せざるを得ない。このため試料101の被
観察面を斜め方向から観察する必要があり、観察された
画像は観察方向に沿って縮小された状態となる。したが
って、試料101の被観察面を垂直方向から観た場合
の、真の接触状態を観察するには、この観察角度による
影響を補正する必要があった。また、例えば、顕微鏡を
利用して高倍率で接触状態を観察したい場合、斜め方向
から試料101の被観察面を観察すると、垂直方向から
観察する場合に比べて顕微鏡のレンズと試料101の被
観察面との光路長が長くなる。一方、顕微鏡の拡大倍率
を大きくとるほど、顕微鏡のレンズ系の作動距離が短く
なり、上記の光路長よりも短くなる場合もあり、十分な
拡大率が得られず、接触状態の詳細な観察ができないこ
とがあった。さらに、上記のような従来の方法では、透
明プリズム102の上面を平滑面である。しかしなが
ら、たとえば、試料101がシール製品等の場合には、
実際の使用においてシール製品のシール面等が接触する
被接触物の表面は平滑面とは限らない。また、シール製
品のシール面が実際に接触するのは、たとえば、金属表
面等であり、金属表面の状態はガラス表面の状態とは異
なる。このため、上記のような従来の方法では、表面に
粗さを有する被接触物に対するシール製品のシール面等
の実使用状態での接触状態を再現できなかった。
【0005】本発明は、上述した問題に鑑みてなされた
ものであって、被接触物に接触した状態で実使用される
観察対象物の接触面の接触状態を再現でき、かつ、再現
された接触状態を詳細かつ明瞭に観察可能な接触状態観
察方法および接触状態観察装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の接触状態観察方
法は、一方面が実質的に平滑な面からなり、他方面が前
記一方面から入射した入射光を乱反射させる凹凸面から
なり、所定の屈折率の透明性材料からなる観察用部材の
当該凹凸面を観察対象物の被観察面に対し所定の押圧力
で相対的に押し付け、前記観察用部材の一方面側から前
記被観察面に向けて光を照射し、前記観察用部材の凹凸
面と前記被観察面との接触部からの反射光に生じる明暗
に基づいて前記接触状態を把握する。
【0007】好適には、前記観察対象物の被観察面と前
記観察用部材の接触面との接触部を当該観察用部材を通
じて光学拡大手段によって拡大して観察する。
【0008】また、本発明は、前記観察用部材の凹凸面
に当該観察用部材を構成する構成材料と略同じ屈折率を
もつ透明性材料を塗布し、当該接触面の凹凸状態を任意
に調整する。
【0009】好適には、前記観察用部材の凹凸面の凹凸
形状と、前記透明性材料の塗布条件によって前記凹凸形
状を任意の形状に調整する。
【0010】また、本発明の接触状態観察方法は、一方
面が実質的に平滑な面からなり、他方面が前記一方面か
ら入射した入射光を乱反射させる凹凸面からなる透明な
観察用部材の当該凹凸面を観察対象物の被観察面に対し
所定の押圧力で相対的に押し付け、前記一方面から前記
被観察面に向けて光を照射しつつ、前記観察対象物の被
観察面と前記観察用部材の凹凸面との接触領域と非接触
領域との明暗状態に基づいて当該被観察面と凹凸面との
接触状態を観察する。
【0011】前記観察用部材の凹凸面の表面粗さは、前
記観察対象物の被観察面の表面粗さよりも十分に小さ
い。
【0012】本発明の接触状態観察装置は、一方面に実
質的に平滑な平滑面を有し、他方面に前記平滑面から入
射した光を乱反射させる凹凸面を有する透明な材料から
なる観察用部材と、前記観察用部材の凹凸面と観察対象
物の被観察面とを所定の押圧力で相対的に押し付ける押
し付け手段と、前記観察用部材を通じて前記観察対象物
の被観察面に光を照射する光源と、前記観察用部材を通
じて前記被観察面と前記凹凸面との接触部の光学拡大像
を得る光学拡大手段と、前記光学拡大像を撮像する撮像
手段と、前記撮像手段による撮像画像を表示する表示手
段とを有する。
【0013】本発明では、観察対象物の被観察面に凹凸
面を有する透明な材料からなる観察用部材を押し付け、
被観察面に観察用部材を通じて光を照射して接触状態を
観察する。観察用部材の凹凸面と観察対象物の被観察面
との接触部では、被観察面の有する凹凸によって凹凸面
との接触領域と非接触領域が発生する。観察用部材から
入射した光は、被観察面と凹凸面との接触領域では被観
察面に一部または全部が吸収される。非接触領域では、
凹凸面と被観察面との間に空気の層が形成され凹凸面で
乱反射される。このため、観察用部材を通じて被観察面
と凹凸面との接触領域、非接触領域をそれぞれ観察する
と、接触領域からの反射光の光量は非接触領域からの反
射光の光量よりも相対的に少なく、したがって、接触領
域は相対的に暗くなり非接触領域は相対的に明るくな
る。この結果、被観察面と凹凸面とにおける接触領域と
非接触領域との明暗がはっきりと生じることになる。ま
た、この被観察面と凹凸面とにおける接触領域と非接触
領域との明暗は、観察用部材に対する光の入射角度を傾
けなくても得られ、かつ、光の入射角度によらず任意の
方向から観察できる。
【0014】さらに、本発明では、観察用部材の凹凸面
の表面粗さを被観察面の表面粗さよりも十分に小さくす
ることで、被観察面の凹凸に応じた接触、非接触状態が
適切に得られる。すなわち、凹凸面の表面粗さが被観察
面の表面粗さに対して大きいと、被観察面の凹凸および
観察用部材の凹凸面の凹凸のいずれによっても接触、非
接触状態が発生するため、被観察面の凹凸に応じた接
触、非接触状態を得ることが難しいが、凹凸面の表面粗
さを十分小さくすることで凹凸面と被観察面との間に生
じる接触、非接触状態は、ほぼ被観察面の凹凸のみによ
って生じるものとすることができる。
【0015】さらに、本発明では、観察用部材の凹凸面
に透明性材料を塗布することで、観察用部材の凹凸面の
状態を任意に調整でき、たとえば、透明性材料の塗布量
等の塗布条件および凹凸面の凹凸形状によって任意の状
態の凹凸面とすることができ、観察対象物の被観察面の
実使用時の接触状態を可能な限り正確に再現することが
可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。第1実施形態 図1は、本発明の一実施形態に係る接触状態観察装置の
構成図である。図1に示す接触状態観察装置1は、ベー
ス2上に平行に立設された複数のガイド棒3に移動自在
に案内された保持板4と、保持板4の下面に保持された
ガラス板11と、保持板4上に設置された顕微鏡鏡筒4
1と、光源35と、顕微鏡鏡筒41に接続されたCCD
カメラ42と、保持板4の下方のベース2上に設けられ
たアクチュエータ21と、アクチュエータ21と連結さ
れ観察対象物Wを支持する支持台22と、CCDカメラ
42と接続された画像処理装置31と、画像処理装置3
1と接続された表示装置32とを備えている。ここで、
ガラス板11は本発明の観察用部材の一具体例に対応
し、顕微鏡鏡筒41は本発明の光学拡大手段の一具体例
に対応し、光源35は本発明の光源の一具体例に対応
し、CCDカメラ42は本発明の撮像手段の一具体例に
対応し、表示装置32および画像処理装置31は本発明
の表示手段の一具体例に対応している。
【0017】保持板4は、保持板4の側方に設けられた
昇降用ハンドル5をいずれかの向きに回転させることに
より、ガイド棒3の任意の位置に昇降するように設けら
れている。また、保持板4には開口部4aが形成されて
おり、この開口部4aの下部にガラス板11が固定され
ている。
【0018】アクチュエータ21は、支持台22をロッ
ド21aで支持しており、このロッド21aが矢印A1
およびA2方向に伸縮し、支持台22を矢印A1および
A2方向の任意の位置に移動させる。アクチュエータ2
1には、たとえば、エアシリンダを用いることができ
る。支持台22は、その上面がガラス板11に略平行に
なるように支持されており、この上面に観察対象物Wを
支持している。アクチュエータ21が支持台22を矢印
A1方向に移動させることにより、支持台22に載置さ
れた観察対象物Wをガラス板11に押し付けられる。す
なわち、アクチュエータ21、支持台22およびガラス
板11を保持している保持板4は、本発明の押し付け手
段を構成している。
【0019】保持板4上に設置された顕微鏡鏡筒41
は、その光軸が上記の支持台22の上面に略垂直になる
ように配置されており、保持板4の開口部4aおよびガ
ラス板11を通じて観察対象物Wの光学像を任意の倍率
に拡大可能になっている。顕微鏡鏡筒41に接続された
CCDカメラ42は、電荷結合素子を用いたカメラであ
り、顕微鏡鏡筒41によって拡大された光学像を撮像
し、この撮像データを画像処理装置31に出力する。
【0020】顕微鏡鏡筒41に隣接して設けられた光源
35は、上記支持台22に載置された観察対象物Wに向
けて光を照射する。すなわち、光源35は保持板4の開
口部4aを通じて観察対象物Wに光を照らす。
【0021】画像処理装置31は、たとえば、パーソナ
ルコンピュータからなり、CCDカメラ42の撮像した
画像データを、A/D変換した後取り込み、この取り込
んだ画像データに対して、所定の画像処理を行う。具体
的な所定については後述する。表示装置32は、たとえ
ば、CRTや液晶表示装置からなり、画像処理装置31
で処理された画像データを画面に表示する。
【0022】観察対象物Wは、たとえば、ゴム製のシー
ル部材等の弾性体であるが、実使用時に他の固体表面と
接触あるいは摺動した状態で使用されるもので、かつ、
その接触状態が重要である観察すべき被観察面を有する
ものであれば特に限定されない。
【0023】図2は、ガラス板11の断面形状の一例を
示す断面図である。図2に示すように、ガラス板11の
一方面は凹凸を持つ凹凸面11aとなっており、他方面
は実質的に平滑な平滑面11bとなっている。なお、凹
凸面11aは、観察対象物Wに対向する側に形成されて
いる。ガラス板11の凹凸面11aは、平滑面11b側
から入射した光が凹凸面11aで乱反射を起こすための
粗さを持ちながら、観察対象物Wの表面の有する凹凸よ
りも微細に形成されている。凹凸面11aの凹凸の状態
は、たとえば、表面粗さによって規定する。表面粗さ
は、図2に示すように、凹凸面11aの凹凸の平均的高
さdおよび凹凸の凸部間の平均的間隔λとの比λ/dで
表される。平均的高さdが同じである場合に、この表面
粗さλ/dの値が小さいほど、単位面積当たりの凹凸の
数が多く、λ/dの値が大きいほど単位面積当たりの凹
凸の数が少ない。本実施形態では、凹凸面11aの表面
粗さを、観察対象物Wの表面(被観察面)の有する表面
粗さよりも十分小さい表面粗さとするが、表面粗さλ/
dの値が小さすぎると観察対象物Wの表面と凹凸面11
aの接触性が悪化する等の理由から表面粗さλ/dの値
を適正な値にする必要がある。
【0024】具体的には、観察対象物Wとして種々の表
面粗さのゴム材製のOリングを用いて検討した結果、3
<λ/d<25,1μm<d<20μmの条件を満たす
ように、ガラス板11の凹凸面11aの凹凸を微細に形
成する。より好ましくは、4<λ/d<20,2μm<
d<10μmの条件の表面凹凸形状が望ましい。
【0025】ガラス板11の凹凸面11aを形成するに
は、ブラスト、エッチング、モールディング、研磨など
の方法を用いることができるが、ガラス面に微小凹凸形
状を形成することのできる方法であればよい。また、ガ
ラス板11の形成材料としては、シリカガラス等が挙げ
られるが、特に、これに限定されるわけではない。ま
た、本実施形態では、観察用部材の一具体例としてガラ
ス板11を挙げたが、透明なガラス状の材料であれば、
いかなる材料も利用することができる。
【0026】次に、上記構成の接触状態観察装置1を用
いた観察対象物Wの表面とガラス板11の凹凸面11a
(被観察面)の接触状態の観察方法について説明する。
まず、観察対象物Wを支持台22上に載置するととも
に、保持板4の位置を所定の位置に調整する。この状態
から、アクチュエータ21を駆動して、支持台22上に
載置された観察対象物Wを矢印A1の向きに上昇させ、
観察対象物Wをガラス板11の凹凸面11aに接触させ
る。
【0027】このとき、観察対象物Wは、所定の荷重、
あるいは、所定のつぶし率となるようにガラス板11に
押し付ける。ここで、つぶし率とは、観察対象物Wが、
たとえば、Oリングの場合、図3に示すように、Oリン
グの直径をDとし、ガラス板11と支持台22の上面と
の距離をδとして、(D−δ)/D×100(%)で表
される値をいう。Oリングの一般的な使用条件は、この
つぶし率が5〜30%程度である。したがって、つぶし
率を5〜30(%)程度の範囲で変化させてOリング表
面とガラス板11の凹凸面11aとの接触状態を観察す
る。また、研究を目的とする場合には、つぶし率を、た
とえば、0〜50(%)の範囲で変化させてOリング表
面とガラス板11の凹凸面11aとの接触状態を観察す
る。
【0028】観察対象物Wにガラス板11の凹凸面11
aを所定の荷重または所定のつぶし率となるように押し
付けた状態で、光源35から光を照射すると、光はガラ
ス板11の平滑面11b側から入射する。ここで、図4
はガラス板11の凹凸面11aと観察対象物Wの表面と
の接触部の拡大図である。図4に示すように、観察対象
物Wの表面に凹凸が存在すると、観察対象物Wの表面は
ガラス板11の凹凸面11aとの間に接触領域と非接触
領域とが発生する。図4からわかるように、ガラス板1
1の凹凸面11aの表面粗さは、観察対象物Wの表面の
表面粗さよりも十分に小さくなっているため、観察対象
物Wの表面とガラス板11の凹凸面11aとの間に発生
する接触領域と非接触領域は、観察対象物Wの表面の凹
凸に応じて発生する。すなわち、ガラス板11の凹凸面
11aの表面粗さが大きいと、観察対象物Wの表面とガ
ラス板11の凹凸面11aとの間に発生する接触領域と
非接触領域は、観察対象物Wの表面の凹凸だけでなく、
ガラス板11の凹凸面11aの凹凸によっても発生する
が、本実施形態ではそのようなことがない。
【0029】一方、光源35からガラス板11に入射さ
れた光Lは、観察対象物Wの表面とガラス板11の凹凸
面11aとの接触領域では、凹凸面11aを通じて観察
対象物Wの表面に一部または全部が透過吸収される。観
察対象物Wの表面とガラス板11の凹凸面11aとの非
接触領域では、ガラス板11の凹凸面11aと観察対象
物Wの表面には空気の層が形成され、空気とガラス板1
1の屈折率は異なるため、光源35からガラス板11に
入射された光Lは、凹凸面11aで乱反射する。
【0030】このことから、観察対象物Wの表面とガラ
ス板11の凹凸面11aとの接触部をガラス板11の平
滑面11b側から観察すると、観察対象物Wの表面とガ
ラス板11の凹凸面11aとの接触領域は暗く見え、非
接触領域は明るく見えることになる。
【0031】このような状態にある観察対象物Wの表面
とガラス板11の凹凸面11aとの接触部を、顕微鏡鏡
筒41によって光学的に拡大し、この光学拡大像をCC
Dカメラ42で撮像する。CCDカメラ42から出力さ
れた撮像データは、画像処理装置31に入力され、画像
処理装置31は、画像データを表示装置32に表示す
る。さらに、画像処理装置31では、入力された画像デ
ータに所定の画像処理を施すことにより、観察対象物W
の表面とガラス板11の凹凸面11aとの真実接触面積
や接触率の分布などのデータ解析を行う。
【0032】表示装置32に表示された観察対象物Wの
表面とガラス板11の凹凸面11aとの接触部の拡大画
像において、非接触領域は比較的明るい部分として表示
され、接触領域は比較的暗い部分として表示され、高コ
ントラストな画像となる。したがって、表示装置32に
表示された画像の明暗を観察することにより、観察対象
物Wの表面とガラス板11の凹凸面11aとの接触状態
を把握することができる。
【0033】実施例1 次に、上記構成の接触状態観察装置1を用いた具体的な
観察結果について説明する。観察対象物Wとして、NB
R(ニトリル・ブタジエンゴム)製のOリング(内径:
φ9.5mm,線径:φ1.5mm)を用い、ガラス板
11の凹凸面11aは、所定の粗さの研磨粉を用いたブ
ラスト処理により形成した。ガラス板2の表面粗さλ/
dは、4.5とした。また、微細な接触状態の観察が可
能かどうかを検討するために、Oリングにはあらかじめ
表面に粗さを付与した。
【0034】図5は、上記の条件で得られた観察対象物
Wとガラス板11の接触状態の観察画像を示す図であ
る。なお、顕微鏡鏡筒41による倍率は200倍であ
る。図5の観察画像の上部に示した図の、色の濃い領域
R1は観察対象物WとしてのOリングの表面がガラス板
11の凹凸面11aとの接触によって押し潰された領
域、すなわち、接触領域であり、色の薄い領域R2はO
リングの表面とガラス板11の凹凸面11aとが接触し
ていない非接触領域を示している。図5の観察画像から
わかるように、接触領域R1と非接触領域R2との境界
ははっきりしており、高コントラストな画像が得られて
いる。さらに、接触領域R1内においても、Oリングの
表面に存在する凹凸によってガラス板11の凹凸面11
aとの間に発生した非接触領域が存在することを明確に
確認することができる。
【0035】比較例1 比較例として、図6に凹凸面11aが存在しない、すな
わち、両面が平滑なガラス板を用いて、図5において説
明したのと同じ条件でガラス板とOリングの接触状態を
観察した結果を示す。図6に示す観察画像からわかるよ
うに、接触領域R1と非接触領域R2との境界がはっき
りせず、すなわち、コントラストが弱く、接触領域R1
と非接触領域R2とを明確に分割することが困難である
ことが判る。さらに、接触領域R1におけるOリングの
表面に存在する凹凸によってガラス板11の表面との間
に発生する非接触領域を確認することも困難である。
【0036】比較例2 さらなる比較例として、図7に、ガラス板11の凹凸面
11aを所定の粗さの研磨粉を用いたブラスト処理によ
り形成したものを用いて、図5において説明したのと同
じ条件でガラス板とOリングの接触状態を観察した結果
を示す。なお、ガラス板1の表面粗さλ/dは、1.5
である。すなわち、表面粗さλ/dが図5において説明
した場合よりも小さい場合である。図7からわかるよう
に、接触領域R1と非接触領域R2との境界がはっきり
せず、さらに、接触領域R1におけるOリングの表面に
存在する凹凸によってガラス板11の表面との間に発生
する非接触領域を確認することも困難である。このこと
から、表面粗さλ/dが小さすぎる、すなわち、凹凸の
間隔が狭すぎると、ガラス板11の凹凸面11aとOリ
ングの表面が接触しても、弾性変形したOリングが凹凸
の谷に入らず適切な接触状態が得られず、接触領域でも
光の乱反射が発生し易くなることが利用として考えられ
る。すなわち、ガラス板11の凹凸面11aの表面粗さ
は、Oリングの表面の表面粗さよりも十分に小さくする
必要があるが、ガラス板11の凹凸面11aとOリング
の表面との適切な接触性が得られる程度の範囲にする必
要がある。
【0037】以上のように、本実施形態によれば、ガラ
ス板11に形成した凹凸面11aに発生する光の乱反射
を利用して、観察対象物W(Oリング)の表面とガラス
板11の凹凸面11aとの接触領域と非接触領域を明瞭
に区別できる高コントラストな画像を得ることができ
る。このため、画像処理装置31において、観察対象物
W(Oリング)の表面とガラス板11の凹凸面11aと
の真の接触面積の解析や、接触領域の分布の解析等を容
易にかつ正確に行うことが可能となる。さらに、本実施
形態によれば、観察対象物Wの表面(被観察面)に照射
する光の入射方向は特に限定されず、顕微鏡鏡筒41の
向きも特に限定されず、かつ、観察対象物W(Oリン
グ)の表面とガラス板11の凹凸面11aとの接触領域
と非接触領域を明瞭に区別できる画像を得ることができ
る。このため、顕微鏡鏡筒41の光軸をガラス板11に
垂直に向け、また、ガラス板11に可能な限り接近させ
ることができるため、観察対象物W(Oリング)の表面
とガラス板11の凹凸面11aとの接触部を高倍率に拡
大した画像が容易に得られ。
【0038】第2実施形態 次に、本発明の第2の実施形態として、上記接触状態観
察装置を用いた他の観察方法について説明する。たとえ
ば、シール製品に代表される弾性体は、たとえば、加工
した金属面間のシールとして使用される。金属表面は、
加工時に塑性変形を生じるという特徴がある。一方、上
記したガラス板11を構成するガラス材料は脆性材料で
あるため、基本的に加工された表面形状が異なる。金属
の場合は、塑性変形により、ガラス加工面と比較して滑
らかな凹凸形状となる。すなわち、たとえば、図8
(a)に示すように、ガラス板11に形成した凹凸面1
1aは、上記のガラス材料の性質によって、凹凸面11
aの凹凸は鋭角的に尖った状態となっていると考えられ
る。一方、金属の加工面は、たとえば、図8(b)に示
すように、金属板201の加工面201aの凹凸は、上
記した金属材料の性質によって、比較的滑らかな凹凸で
あると考えられる。
【0039】したがって、上述した実施形態において、
ガラス板11の凹凸面11aに観察対象物WであるOリ
ングを接触させたのでは、Oリングの実使用時の状態と
は異なる。本実施形態では、このガラス板11の凹凸面
11aの凹凸形状の差異を可能な限り解消するために、
たとえば、図8(c)に示すように、ガラス板11の凹
凸面11aに透明液体を塗布して透明膜LFを形成す
る。
【0040】透明膜LFが形成されたガラス板11の凹
凸面11aは、透明膜LFによって凹凸が滑らかにな
る。透明膜LFには、ガラス板11を構成する材料と同
程度の屈折率を有する透明液体を用いることができる。
【0041】ガラス板11の凹凸面11aの凹凸の谷部
に、透明液体を満たし、かつ、塗布する透明液体の量を
調整することによって、谷部の高さを任意に制御するこ
とが可能である。透明液体は、ガラス板11の性状によ
って、化学構造や粘度などの特定を考慮して適宜選択す
る。例えば、石英ガラスをガラス板11として使用する
場合、ガラスとの濡れ性を考慮し、シリコーンオイルを
選定する。また、シリコーンオイルは、極性官能基を有
するものを選定し、より好ましくは、エポキシ変性シリ
コーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カ
ルビノール変性シリコーンオイルなどの官能基変性シリ
コーンオイルを選択する。さらに、シリコーンオイルの
粘度は、低粘度から高粘度まで、ガラスの種類、表面凹
凸形状を考慮して適切に選定する。好ましくは、500
cSt以下のシリコーンオイルを使用するのが望まし
い。
【0042】本実施形態に係る接触状態観察方法は、上
述したように、ガラス板11の凹凸面11aに透明膜L
Fが形成されて凹凸が滑らかになった状態のガラス板1
1を上記構成の接触状態観察装置1に装着して行う。
【0043】実施例1 ここで、凹凸面11aに透明膜LFが形成されたガラス
板11を用いて、観察対象物WとしてのOリングの表面
とガラス板11との接触状態を観察した具体的結果につ
いて説明する。なお、ガラス板11の凹凸面11aは、
所定の粗さの研磨粉を用いてブラスト処理により形成し
た。また、接触状態の観察の可能性を検討するために、
あらかじめOリングの表面に粗さを付与した。さらに、
シリコーンオイルとして、カルビノール変性シリコーン
オイルX−22−160AS(信越化学工業社製)を使
用した。このシリコーンオイルの粘度は160cStで
ある。また、シリコーンオイルのガラス板11の凹凸面
11aへの塗布は、いかなる方法も使用することができ
るが、均一に塗布するためには、例えばスピンコーター
などを使用するのが好ましい。
【0044】図9は、シリコーンオイル塗布後のガラス
板11の凹凸面11aの表面の顕微鏡写真図である。図
9からわかるように、ガラス板11の凹凸面11aとシ
リコーンオイルによるランダムな海島構造が観察され、
これにより目的とする凹凸形状が形成されていることが
判る。
【0045】図10は、凹凸面11aに透明膜LFが形
成されたガラス板11と観察対象物Wとの接触状態の観
察画像である。なお、観察対象物Wには、NBR(ニト
リル・ブタジエンゴム)製のOリング(線径:φ1.5
mm,内径:φ9.5mm)を用いた。図10の観察画
像の上側に示す図において、色の濃い領域R1は観察対
象物WとしてのOリングの表面がガラス板11の凹凸面
11aとの接触によって押し潰された領域、すなわち、
接触領域であり、色の薄い領域R2はOリングの表面と
ガラス板11の凹凸面11aとが接触していない非接触
領域を示している。図10の観察画像からわかるよう
に、接触領域R1と非接触領域R2との境界ははっきり
しており、高コントラストな画像が得られている。さら
に、接触領域R1内においても、Oリングの表面に存在
する凹凸によってガラス板11の凹凸面11aとの間に
発生した数ミクロン〜数十ミクロン程度の大きさの非接
触領域が存在していることを明瞭に観察できる。
【0046】図11は、図10中の観察画像中の線分A
−A’にそった輝度の変化を示すグラフである。なお、
輝度は、8bit(256階調)で表示した。図11に
おいて、接触領域R1内の接触部分(色の濃い部分)
は、輝度は零に近く、接触領域R1内の非接触部分の輝
度が接触部分よりも外側の非接触領域R2と同等の輝度
を示しているのがわかる。すなわち、本実施形態では、
接触領域R1と非接触領域R2との境界を明瞭に区別で
きるだけでなく、接触領域R1内の非接触部分も明瞭に
観察できることができる。
【0047】比較例1 比較例として、図12に、凹凸面11aが形成されてい
ない平滑な面のガラス板を用いた場合の観察画像を示
す。また、図13に、図12の観察画像中の線分B−
B’にそった輝度分布をそれぞれ示す。図12および図
13から判るように、凹凸面11aが形成されていない
平滑な面のガラス板を使用した場合は、接触領域R1と
非接触領域R2との境界を識別するのが困難であること
が判る。
【0048】以上のように、本実施形態によれば、上述
した第1の実施形態と同様の効果似加えて、観察対象物
Wが実際に使用される状態に近い条件での接触状態を再
現でき、より正確な接触状態を得ることができる。
【0049】第3実施形態 本発明の第3の実施形態として、上記構成の接触状態観
察装置を用いた他の接触状態観察方法について説明す
る。上述した第2の実施形態では、ガラス板11の凹凸
面11aに透明液体を塗布して透明膜LFを形成し、ガ
ラス板11の凹凸面11aの状態を観察対象物Wである
Oリングの実使用時の状態と近似させる構成として、O
リングの接触状態を実使用時に近い状態で再現した。し
かしながら、上述した第2の実施形態では、ガラス板1
1の凹凸面11aに透明液体であるシリコーンオイルを
塗布するため、観察対象物WであるOリングのガラス板
11の凹凸面11aによるつぶし量が大きくなると、シ
リコーンオイルとOリング表面間の濡れ性によって、ガ
ラス板11の凹凸面11aとOリング表面との間に形成
される微細な隙間にシリコーンオイルが浸透してしま
い、接触領域R1内での非接触部分の観察ができなくな
ることがある。
【0050】このため、本実施形態では、ガラス板11
の凹凸面11aに透明液体ではなく、固体透明膜を塗布
する。固体透明膜は、ガラス板11の屈折率と略同様の
屈折率のものを使用する。固体透明膜の選定は、ガラス
板11との密着性を考慮し、適切に選ぶ必要がある。た
とえば、石英ガラスを用いる場合には、固体透明膜とし
てシロキサン系コート剤を利用することで高い密着性を
得ることができる。固体透明膜の選定、ガラス板11の
凹凸面11aへの密着においては、固体透明膜の種類、
コーティング方法、硬化(ゲル化)方法、蒸着方法など
のいかなる方法についても、本構成を達成する目的で用
いることができる。また、ガラス板11の凹凸面11a
の凹凸形状、固体透明膜の特性、コート条件を制御する
ことにより任意の表面凹凸形状を形成することができ
る。
【0051】ガラス板11の凹凸面11aに透明液体で
はなく、固体透明膜を塗布することで、ガラス板11の
凹凸面11aの凹凸は滑らかに調整され、この滑らかに
なった凹凸によって、ガラス板11に入射した光はその
表面で乱反射し、明るく観測される。このように固体透
明膜が塗布されたガラス板11の凹凸面11aを観察対
象物WであるOリングに強く押し付けても、固体透明膜
は液体透明膜のようにOリング表面との間に形成される
微細な隙間に浸透することがなく、ガラス板11とOリ
ング表面との接触状態を明瞭に観察することができる。
【0052】実施例1 次に、固体透明膜が塗布されたガラス板11と観察対象
物WとしてのOリングとの接触状態の具体的な観察結果
について説明する。なお、ガラス板11の凹凸面11a
は、所定の粗さの研磨粉を用いてブラスト処理を行っ
た。また、固体透明膜を形成させるために、シロキサン
系ハードコート剤であるKP854(信越化学工業社
製)を使用した。観察対象物Wとして、NBR(ニトリ
ル・ブタジエンゴム)製のOリング(線径:φ1.5m
m,内径:φ9.5mm)を用いた。
【0053】図14は、固体透明膜を形成したガラス板
11の凹凸面11aのSPM測定結果を示す図である。
膜形成前では、凹凸面11aの凹凸の高さが7μm以上
であったが、膜の形成により凹凸の高さが約1μmで、
かつ滑らかな形状を付与することができている。
【0054】図15は、凹凸面11aに固体透明膜が形
成されたガラス板11と観察対象物WとしてのOリング
の接触状態の観察画像である。図15の観察画像の上側
に示す図において、色の濃い領域R1は観察対象物Wと
してのOリングの表面がガラス板11の凹凸面11aと
の接触によって押し潰された領域、すなわち、接触領域
であり、色の薄い領域R2はOリングの表面とガラス板
11の凹凸面11aとが接触していない非接触領域を示
している。
【0055】図15の観察画像からわかるように、接触
領域R1と非接触領域R2との境界ははっきりしてお
り、高コントラストな画像が得られている。さらに、接
触領域R1内においても、Oリングの表面に存在する凹
凸によってガラス板11の凹凸面11aとの間に発生し
た数ミクロン〜数十ミクロン程度の大きさの非接触領域
が存在していることを明瞭に観察できる。
【0056】比較例1 比較例として、図16に第2の実施形態で使用したと同
様の流動性を有する透明液体を使用した場合の接触状態
の観察画像を示す。なお、透明液体として、シリコーン
オイルを使用し、ガラス板11の凹凸面11aは、所定
の粗さの研磨粉を用いてブラスト処理を行った。シリコ
ーンオイルとしては、カルビノール変性シリコーンオイ
ルX−22−160AS(信越化学工業社製)を使用し
た。粘度は160cStである。また、観察対象物Wは
実施例1と同じOリングである。
【0057】図16から判るように、接触領域R1と非
接触領域R2との境界ははっきりしており、高コントラ
ストな画像が得られるが、接触領域R1内において、ガ
ラス板11の凹凸面11aとの間に発生した数ミクロン
〜数十ミクロン程度の大きさの非接触部分が観察できな
いのが判る。これは、シリコーンオイルとOリング表面
間の濡れ性によって、Oリング表面とガラス板11の凹
凸面11aとの間に形成される微細な隙間にシリコーン
オイルが浸透したためである。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、たとえば、弾性体から
なる観察対象物の被観察面と観察用部材の凹凸面との間
の接触状態を高コントラスト、かつ高倍率で観察するこ
とができる。この結果、得られた高コントラストな画像
を基に所定の画像処理を施して、真実接触面積や接触率
分布などのデータ解析を効率的にかつ高精度で行うこと
が可能となる。さらに、本発明によれば、観察対象物の
任意の表面凹凸形状を有する表面間との接触状態を再現
でき、観察対象物が実際に使用される状態での接触状態
を正確に再現できこれを観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る接触状態観察装置の
構成図である。
【図2】ガラス板11の断面形状の一例を拡大して示す
断面図である。
【図3】Oリングのつぶし率を説明するための図であ
る。
【図4】ガラス板11の凹凸面11aと観察対象物Wの
表面との接触部の拡大図である。
【図5】観察対象物Wとガラス板11の接触状態の観察
画像を示す図である。
【図6】凹凸面11aの無いガラス板11と観察対象物
Wとの接触状態の観察画像を示す図である。
【図7】凹凸面11aの表面粗さが小さすぎる場合の、
ガラス板11と観察対象物Wとの接触状態の観察画像を
示す図である。
【図8】(a)はガラス板11に形成した凹凸面11a
の形状の一例を示す断面図であり、(b)は金属の加工
面の凹凸形状の一例を示す断面図であり、(c)はガラ
ス板11の凹凸面11aに透明膜を形成した状態を示す
断面図である。
【図9】シリコーンオイル塗布後のガラス板11の凹凸
面11aの表面の顕微鏡写真図である。
【図10】凹凸面11aに透明膜LFが形成されたガラ
ス板11と観察対象物Wとの接触状態の観察画像であ
る。
【図11】図10中の観察画像中の線分A−A’にそっ
た輝度の変化を示すグラフである。
【図12】凹凸面11aが形成されていない平滑な面の
ガラス板を用いた場合のガラス板11と観察対象物Wと
の接触状態の観察画像を示す図である。
【図13】図12の観察画像中の線分B−B’にそった
輝度分布をそれぞれ示す。
【図14】固体透明膜を形成したガラス板11の凹凸面
11aのSPM測定結果を示す図である。
【図15】凹凸面11aに固体透明膜が形成されたガラ
ス板11と観察対象物WとしてのOリングの接触状態の
観察画像を示す図である。
【図16】第2の実施形態で使用したと同様の流動性を
有する透明液体を使用した場合の接触状態の観察画像を
示す図である。
【図17】従来の接触状態の観察方法の一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…接触状態観察装置 2…ベース 3…ガイド棒 4…保持板 5…昇降用ハンドル 11…ガラス板 21…アクチュエータ 22…支持台 31…画像処理装置 32…表示装置 35…光源 41…顕微鏡鏡筒 42…CCDカメラ W…観察対象物
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA49 BB26 CC00 FF04 JJ03 JJ26 PP24 QQ31 UU04 2G059 AA05 BB15 CC20 DD13 EE02 EE05 FF01 GG00 GG04 JJ11 JJ12 JJ13 JJ19 JJ20 KK04 MM03 MM09 PP04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方面が実質的に平滑な面からなり、他方
    面が前記一方面から入射した入射光を乱反射させる凹凸
    面からなり、所定の屈折率の透明性材料からなる観察用
    部材の当該凹凸面を観察対象物の被観察面に対し所定の
    押圧力で相対的に押し付け、 前記観察用部材の一方面側から前記被観察面に向けて光
    を照射し、 前記観察用部材の凹凸面と前記被観察面との接触部から
    の反射光に生じる明暗に基づいて前記接触状態を把握す
    る接触状態観察方法。
  2. 【請求項2】前記観察用部材の凹凸面は、前記被観察面
    の有する表面粗さよりも十分小さい表面粗さを有する請
    求項1に記載の接触状態観察方法。
  3. 【請求項3】前記観察対象物の被観察面と前記観察用部
    材の接触面との接触部を当該観察用部材を通じて光学拡
    大手段によって拡大して観察する請求項1に記載の接触
    状態観察方法。
  4. 【請求項4】前記光学拡大手段の光軸を前記観察対象物
    の被観察面に対して実質的に垂直にして前記拡大画像を
    得る請求項3に記載の接触状態観察方法。
  5. 【請求項5】前記観察用部材の凹凸面の凹凸の平均的高
    さ(d)と前記接触面の凹凸の平均的間隔(λ)との比
    (d/λ)が前記観察対象物の被観察面の表面粗さに対
    して所定の値に調整されている請求項1に記載の接触状
    態観察方法。
  6. 【請求項6】前記拡大画像を撮像手段によって撮像し、
    当該撮像データを表示手段に表示して観察する請求項3
    に記載の接触状態観察方法。
  7. 【請求項7】前記観察用部材の凹凸面に当該観察用部材
    を構成する構成材料と略同じ屈折率をもつ透明性材料を
    塗布し、当該凹凸面の凹凸状態を任意に調整する請求項
    1に記載の接触状態観察方法。
  8. 【請求項8】前記観察用部材の凹凸面と、前記透明性材
    料の塗布条件によって前記凹凸形状を任意の形状に調整
    する請求項7に記載の接触状態観察方法。
  9. 【請求項9】前記透明性材料は、液体材料からなる請求
    項7に記載の接触状態観察方法。
  10. 【請求項10】前記透明性材料は、固体材料からなる請
    求項7に記載の接触状態観察方法。
  11. 【請求項11】前記観察対象物は、弾性体からなる請求
    項1に記載の接触状態観察方法。
  12. 【請求項12】一方面に実質的に平滑な平滑面を有し、
    他方面に前記平滑面から入射した光を乱反射させる凹凸
    面を有する透明な材料からなる観察用部材と、 前記観察用部材の凹凸面と観察対象物の被観察面とを所
    定の押圧力で相対的に押し付ける押し付け手段と、 前記観察用部材を通じて前記観察対象物の被観察面に光
    を照射する光源と、 前記観察用部材を通じて前記被観察面と前記凹凸面との
    接触部の光学拡大像を得る光学拡大手段と、 前記光学拡大像を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段による撮像画像を表示する表示手段とを有
    する接触状態観察装置。
  13. 【請求項13】前記観察用部材の凹凸面の表面粗さは、
    前記観察対象物の被観察面の表面粗さよりも十分に小さ
    い請求項12に記載の接触状態観察装置。
  14. 【請求項14】前記観察用部材の凹凸面には、当該観察
    用部材を構成する構成材料と略同じ屈折率をもつ透明性
    材料が塗布され、当該凹凸面の凹凸状態が任意に調整さ
    れている 請求項12に記載の接触状態観察装置。
  15. 【請求項15】前記透明性材料は、液体材料からなる請
    求項14に記載の接触状態観察方法。
  16. 【請求項16】前記透明性材料は、固体材料からなる請
    求項14に記載の接触状態観察方法。
JP32414499A 1999-11-15 1999-11-15 接触状態観察方法および接触状態観察装置 Expired - Fee Related JP4164968B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32414499A JP4164968B2 (ja) 1999-11-15 1999-11-15 接触状態観察方法および接触状態観察装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32414499A JP4164968B2 (ja) 1999-11-15 1999-11-15 接触状態観察方法および接触状態観察装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001141434A true JP2001141434A (ja) 2001-05-25
JP4164968B2 JP4164968B2 (ja) 2008-10-15

Family

ID=18162632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32414499A Expired - Fee Related JP4164968B2 (ja) 1999-11-15 1999-11-15 接触状態観察方法および接触状態観察装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4164968B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003014428A (ja) * 2001-07-02 2003-01-15 Bridgestone Corp タイヤ接地形状表示方法およびタイヤ接地形状表示装置
JP2005055413A (ja) * 2003-07-31 2005-03-03 Masao Eguchi 真実接触部の検出装置
KR100853622B1 (ko) 2007-04-06 2008-08-25 주식회사 디이엔티 평판 표시패널 검사장비의 조명장치
JP2008241596A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Tokyo Weld Co Ltd ワーク測定検査システムおよびワーク測定検査方法
JP2009222512A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Hitachi Chem Co Ltd 光学フィルム及びその製造方法
JP2009222511A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Hitachi Chem Co Ltd 光学フィルム
JP2011525284A (ja) * 2008-06-19 2011-09-15 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 弾性撮像を使用する接触センサ
DE102013016505A1 (de) * 2013-10-04 2015-04-09 Daimler Ag Vorrichtung und Verfahren zur Oberflächenbeurteilung
US9127938B2 (en) 2011-07-28 2015-09-08 Massachusetts Institute Of Technology High-resolution surface measurement systems and methods
JP2017187481A (ja) * 2016-03-30 2017-10-12 ニッタ株式会社 接触面観察装置及び接触面観察方法
CN109084691A (zh) * 2018-11-05 2018-12-25 北方民族大学 一种折射式位移传感器及其测量方法
JP2019100467A (ja) * 2017-12-04 2019-06-24 トヨタ自動車株式会社 シール材検査方法
WO2021054085A1 (ja) * 2019-09-20 2021-03-25 株式会社バルカー 判定システム

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003014428A (ja) * 2001-07-02 2003-01-15 Bridgestone Corp タイヤ接地形状表示方法およびタイヤ接地形状表示装置
JP2005055413A (ja) * 2003-07-31 2005-03-03 Masao Eguchi 真実接触部の検出装置
JP2008241596A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Tokyo Weld Co Ltd ワーク測定検査システムおよびワーク測定検査方法
KR100853622B1 (ko) 2007-04-06 2008-08-25 주식회사 디이엔티 평판 표시패널 검사장비의 조명장치
JP2009222512A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Hitachi Chem Co Ltd 光学フィルム及びその製造方法
JP2009222511A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Hitachi Chem Co Ltd 光学フィルム
JP2011525284A (ja) * 2008-06-19 2011-09-15 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 弾性撮像を使用する接触センサ
US9127938B2 (en) 2011-07-28 2015-09-08 Massachusetts Institute Of Technology High-resolution surface measurement systems and methods
DE102013016505A1 (de) * 2013-10-04 2015-04-09 Daimler Ag Vorrichtung und Verfahren zur Oberflächenbeurteilung
JP2017187481A (ja) * 2016-03-30 2017-10-12 ニッタ株式会社 接触面観察装置及び接触面観察方法
JP2019100467A (ja) * 2017-12-04 2019-06-24 トヨタ自動車株式会社 シール材検査方法
CN109084691A (zh) * 2018-11-05 2018-12-25 北方民族大学 一种折射式位移传感器及其测量方法
CN109084691B (zh) * 2018-11-05 2024-04-05 四川惠科达仪表制造有限公司 一种折射式位移传感器及其测量方法
WO2021054085A1 (ja) * 2019-09-20 2021-03-25 株式会社バルカー 判定システム
JP2021046938A (ja) * 2019-09-20 2021-03-25 株式会社バルカー 判定システム
JP7198183B2 (ja) 2019-09-20 2022-12-28 株式会社バルカー 判定システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4164968B2 (ja) 2008-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001141434A (ja) 接触状態観察方法および接触状態観察装置
US3926500A (en) Method of increasing the depth of focus and or the resolution of light microscopes by illuminating and imaging through a diaphragm with pinhole apertures
Ovcharenko et al. A novel test rig for in situ and real time optical measurement of the contact area evolution during pre-sliding of a spherical contact
KR100872621B1 (ko) 섬광의 정량적 평가방법
Ghislain et al. Near-field scanning solid immersion microscope
JP2000275582A (ja) 被写界深度拡大システム
Bonyár AFM characterization of the shape of surface structures with localization factor
Bhushan et al. Real contact area measurements on magnetic rigid disks
JP5003974B2 (ja) 接触面積測定装置および接触面積測定方法
JPH0245734A (ja) 自動組織解析処理装置
US20170074733A1 (en) Surface force apparatus based on a spherical lens
Levins et al. Impact of roughness on the deformation and adhesion of a rough metal and smooth mica in contact
CN113899698B (zh) 一种面向原位测试平台的实时对焦和居中调整方法及装置
JP3844973B2 (ja) 基板の研磨終点検出
CN116793776A (zh) 材料超高温变形微观组织应变动态演化的分析系统及方法
WO2017138582A1 (ja) 圧子透過式試験体表面観察装置、観察方法及び動画像解析・装置制御・特性値演算用プログラム
JP2011232192A (ja) 表面性状測定装置および表面性状測定方法
JPH1172308A (ja) 高さ測定方法及びその装置
TW201740078A (zh) 微小突起之體積測定方法以及液狀材料之塗敷方法
Mugele et al. Two-dimensional observation of drainage and layering transitions in confined liquids
CN109297965B (zh) 光学成像系统、方法、装置及存储介质
JPH0833331B2 (ja) 接触面圧分布の測定方法
KR101974253B1 (ko) 초고분해능 광학 현미경 및 이를 이용한 광학 이미지 생성 방법
JP2002148200A (ja) パーティクル計測方法及びこの計測装置
JPH09210660A (ja) 撮像式検査装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080708

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080721

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees