JP2001140782A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

ロータリ圧縮機

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JP2001140782A
JP2001140782A JP32346799A JP32346799A JP2001140782A JP 2001140782 A JP2001140782 A JP 2001140782A JP 32346799 A JP32346799 A JP 32346799A JP 32346799 A JP32346799 A JP 32346799A JP 2001140782 A JP2001140782 A JP 2001140782A
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rotary compressor
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roller
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Mototaka Ezumi
元隆 江住
Seiji Kutoku
清治 久▲徳▼
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】R22冷媒、R134a冷媒、R22代替冷媒
用のロータリ圧縮機において、耐摩耗性に優れたベーン
を提供する。 【解決手段】シリンダ17と、シャフト14により前記
シリンダ17内で偏心して回転するローラ18と、前記
シリンダ17に半径方向に形成した貫通溝19に出没可
能に挿入され前記ローラ18に摺接するベーン20とを
備えたロータリ圧縮機において、前記ベーン20は、C
r9%〜27%を含有し、C0.4%以上の焼き入れ硬
化性のある鉄系粉末材を材料とし、空孔率10%以下の
単独空孔を有した焼結鉄をベース材として用い、これを
焼き入れ焼き戻し処理により基地をマルテンサイト組織
とした後、表面に窒化または軟窒化処理によりFe−N
からなる化合物層を、その内側に窒素拡散層を形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリ圧縮機、
特にR22冷媒、R134a冷媒、R22代替冷媒用と
してのHFC冷媒に好適なロータリ圧縮機に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図9は従来から知られているロータリ圧
縮機を示し、シリンダ1と、シャフト2により前記シリ
ンダ1内で偏心して回転するローラ3と、前記シリンダ
1に半径方向に形成した貫通溝4に出没可能に挿入され
前記ローラ3と摺接するベーン5とを備えている。前記
ベーン5の材料としては耐摩耗性に優れた特殊鉄系材料
に熱処理をしたものが使用されている。また、前記ベー
ン5を熱処理し、研削加工仕上げをし、窒化処理をする
場合もあるが、この場合には、前記ベーン先端部の化合
物層は残すが、前記ベーン5の前記シリンダ1との摺接
面は寸法精度を出すために、研削し、精密仕上げを行な
っている。この窒化処理を前記ベーン5に施すために焼
結材料を使用すると、寸法変化が大きく、非常に強度的
に弱くなるため使用できなかった。このため、溶製材の
前記ベーン材を窒化処理し、前記ベーン5の前記シリン
ダ1との摺接面を研削してベーン5として使用してい
る。このため、全面加工となり、非常にコスト高とな
り、前記シリンダ1と摺接する面が空孔を持っていない
ため、油保持ができなく、前記シリンダ1と前記ベーン
5の耐摩耗性がやや劣る結果ともなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年はベー
ン、ローラ、シリンダの摺動条件が厳しくなり、またR
22代替冷媒に変わる中で、より耐摩耗の良い材料組み
合わせが要求されるようになってきた。従来のベーンの
ような特殊鋼、特殊鋳物、鉄系焼結材のような単独では
耐摩耗性が不十分である。また、溶製材ベーンを、加工
仕上げした後、窒化処理をしても、シリンダとベーンの
耐摩耗性は十分ではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明はシリンダとシャフトにより前記シリンダ内
で偏心して回転するローラと、前記シリンダに半径方向
に形成した溝に出没可能に挿入され前記ローラに摺接す
るベーンとを備えたロータリ圧縮機において、前記ベー
ンをCr量9%〜27%を含有した空孔率10%以下の
単独空孔を持った固相焼結材料を通常の窒化または軟窒
化をした後、ベーン側面を仕上げ研削をしたベーン材を
使用することで、ベーン、シリンダ、ピストンの摩耗を
大幅に低減させるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、Cr9
%〜27%を含有し、C0.4%以上の焼き入れ硬化性
のある鉄系粉末材を材料とし、空孔率10%以下の単独
空孔を有した焼結鉄をベース材として用い、これを焼き
入れ焼き戻し処理により基地をマルテンサイト組織とし
た後、表面に窒化または軟窒化処理によりFe−Nから
なる化合物層を、その内側に窒素拡散層を形成してなる
ベーンであり、Cr量を9%以上にした理由はCrが9
%以上になると、化合物層の耐摩耗性が向上するととも
に、特に窒素拡散層の耐摩耗性が飛躍的に向上するため
である。また、Cr量を27%以下とした理由はCrが
多くなると加工性が悪化する点を考慮している。さら
に、空孔率を10%以下にした理由は、単独空孔が増加
し、窒化時に窒素ガスがベーン内部まで深く浸入しない
ため、寸法歪みが小さく、窒化による強度低下があまり
発生しなく、脆化もあまり発生しないためでもある。
【0006】請求項2に記載の発明は、ベーンの鉄系粉
末材は、SUS440A、SUS440B、SUS44
0C、SKD1、SKD11の何れかの材料である。
【0007】請求項3に記載の発明は、Cr9%〜27
%、Ni4%〜8%を含有し、C0.2%以下の析出硬
化性のある鉄系粉末材を材料とし、空孔率10%以下の
単独空孔を有した焼結鉄をベース材として用い、これを
熱処理により基地をマルテンサイト組織とした後、表面
に窒化または軟窒化処理によりFe−Nからなる化合物
層を、その内側に窒素拡散層を形成してなるベーンであ
る。この材料、析出硬化性の材料を使用したところに特
徴があり、Cr量や空孔の考え方は請求項1と同様であ
る。
【0008】請求項4に記載の発明は、ベーンの鉄系粉
末材は、SUS630、SUS631の何れかの材料で
ある。
【0009】請求項5に記載の発明は、ベーンのベース
材を固相焼結または液相焼結で空孔率10%以下とし
た。通常、空孔率を10%以下にするためには、液相焼
結の材料を使用するが、添加剤、焼結条件などの特殊な
製法で固相焼結でも可能である。
【0010】請求項6に記載の発明は、ベーンを、窒化
または軟窒化処理後、ベーンのシリンダの溝と摺動する
側面を研削加工し、窒素拡散層を主たる摺動面としたも
のである。この理由は、シリンダと摺動する面が窒素拡
散層の場合、窒素拡散層の中に空孔が存在し、空孔の内
面には化合物層が存在し、その中に冷凍機油が含有する
構造となり、確実に冷凍機油が保持され、ベーンとシリ
ンダの凝着摩耗に対しては、非常に優れたベーン摺動面
となる。
【0011】請求項7に記載の発明は、ベーン材の先端
部に化合物層を残し、ローラ外周面と摺動させる。この
化合物層はベーン材の成分のCrが9%以上では、非常
に耐摩耗性の優れたものとなる。
【0012】請求項8に記載の発明は、ベーン材を、ガ
ス窒化またはガス軟窒化処理したものである。
【0013】請求項9に記載の発明は、窒化または軟窒
化処理温度を、500℃〜580℃とし、窒素拡散層の
厚さを0.05mm以上とした。この理由は、窒化処理
温度を500℃より低くしても、580℃より高くして
も、耐摩耗性のある化合物層の膜厚は得られにくい。ま
た、窒素拡散層においても、同様の理由がある。また、
窒素拡散層深さを0.05mm以上にしないと、研削後
に耐摩耗性を確保できる窒素拡散層厚さの保持が難し
い。
【0014】請求項10に記載の発明は、ローラ材料の
耐摩耗性を向上させるために、Cr、Mo、Pの最適成
分値を表したものである。
【0015】請求項11に記載の発明は、ローラ材料の
耐摩耗性を向上させるために、Cr、Mo、Bの最適成
分値を表したものである。
【0016】請求項12に記載の発明は、冷媒がHFC
で冷凍機油がエステル油を使用した信頼性の高いロータ
リ圧縮機となっている。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。 (実施例1)図1は本発明の実施例1における圧縮機の
縦断面図であり、図2はその横断面図である。密閉容器
11の内部に電動機部12と圧縮機部13が配され、電
動機部12に直結されたシャフト14は主軸受15と副
軸受16に支持されている。圧縮機部13のシリンダ1
7内にシャフト14の周りで偏心して回転するローラ1
8が配され、このローラ18は遊星運動を行なう。シリ
ンダ17の貫通溝19に挿入されたベーン20はスプリ
ング21および背圧(吐出圧)により先端がローラ18
に押し付けられ、シリンダ17内を吸入室22と圧縮室
23に分割する。シリンダ17には吸入孔24があけら
れ、吸入管25を介してアキュームレータ(図示せず)
とつながっている。
【0018】次に、上記構成による動作を説明する。電
動機部12によりシャフト14が駆動され、ローラ18
の遊星運動(図1で左回転)により吸入管25より吸入
孔24を経て、吸入室22へHFCなどの冷媒ガスが吸
入され、圧縮室23で圧力が上げられ吐出切り欠き26
を経て、吐出孔(図示せず)より密閉容器11内へ吐出
される。このとき、吸入室22と圧縮室23を仕切るベ
ーン20はスプリング21とベーン20背部にかかる圧
力でローラ18の外周に押し付けられ接点で摺動しなが
ら運動する。この摺動点の潤滑は主として、吸入ガスに
混入してきた冷凍機油27により潤滑される。吸入管2
5に入ってくる吸入ガスには冷媒ガスとともに、冷媒サ
イクルを循環する。前記冷凍機油27はわずかながら含
まれているが、このレベルの量では金属接触に近い境界
潤滑状態となり、特に冷媒に摺動性が望めないHFCで
は厳しい摺動条件となる。
【0019】図3〜7は本発明の一例であるベーン20
の材質として、ベーン20を固相焼結鉄としかつ成分が
C0.95〜1.2%、Cr16.0〜18.0%のマルテ
ンサイト系ステンレス鋼を使用し、焼き入れ焼き戻し後
は、基地をマルテンサイトとし、研削加工を行ない、ベ
ーン先端部20a、側面部20bを仕上げる。その後、
窒化処理を560℃〜570℃で行ない、前記ベーン側
面部20bは研削加工を行なって前記ベーン側面部20
bの化合物層20cを除去し、窒素拡散層20dを摺動
面とした。また、前記ベーン先端部20aの表面には、
窒化処理による化合物層20cが形成されている。Cr
が9.0%以上になると、前記ベーン先端部20aの前
記化合物層20cの耐摩耗性も向上するが、さらに窒素
拡散層20dの耐摩耗性(耐凝着摩耗性)も前記シリン
ダ17に対して大幅に向上する。さらに、Crを16.
0〜18.0%にしたSUS440A、SUS440
B、SUS440Cを粉末材とすれば地の硬度が高くな
り、さらに良い耐摩耗性を示す。また、固層焼結材料と
して、空孔率10%以下で単独空孔を有する材料を用い
ると、窒化または軟窒化処理時に、窒素ガスがベーン材
料の深部まで浸入しなくなるため、窒化時による強度低
下、脆性化を抑えられる。もし、全部連続空孔であれ
ば、強度低下、脆性化が発生し、実使用条件での運転は
不可能になる。また、全部連続空孔であれば、窒化時に
窒素がベーン20全体に拡散浸入し、ベーン20の大き
な歪みを発生させ、使用不可能にもなってしまう。この
ため、空孔率10%以下で単独空孔28を有するファク
ターは非常に重要な要素である。また、ベーン20とシ
リンダ17が摺動するとき、図8に示すように、前記ベ
ーン側面部20bの研削面20eに単独空孔28が点在
し、前記単独空孔28の内壁には窒化時に形成した空孔
内化合物層20fが存在し、その内部空孔に冷凍機油2
7が存在する構造となり、摺動時に前記冷凍機油27が
摺動面に供給され、非常に耐摩耗性の向上に効果があ
る。また、連続空孔が少々存在しても、窒化時の前記空
孔内化合物層20fの存在で、連続空孔が封孔される効
果もあり、冷凍機油27が確実に確保される構造ともな
っている。つまり、連続空孔では圧力が加わると圧力が
逃げ、冷凍機油27も逃げることになるが、空孔が封孔
されれば、圧力が逃げることもなく、油圧が保持され、
さらに耐摩耗性の向上に効果がある。また、窒化処理条
件の温度を500℃〜570℃に設定した理由は、化合
物層や窒素拡散層が安定して形成され、安定した耐摩耗
性を発揮するためである。さらに、窒素拡散層を0.0
5mm以上にすると、窒素拡散層の耐摩耗性が安定した
層ともなる。しかし、温度がこの温度よりも低下する
と、化合物層の形成が難しくなり、窒素拡散層の形成も
難しくなってしまう。また、前記ローラ18はCr0.
8%、Ni0.2%、Mo0.2%、P0.2%の成分
を添加した合金鋳鉄を材料とし、焼き入れ焼き戻しをほ
どこしたもので、シリンダ17は金型共晶黒鉛鋳鉄のも
のでパーライトを10〜50%含んだものを使用してい
る。このような部品で構成された圧縮機を運転すると、
前記ベーン20は圧力を受けながら、前記シリンダ17
の貫通溝19内で往復運動を行なうため、前記シリンダ
17の貫通溝19とベーン側面部20bは油膜が生じに
くく、厳しい摺動条件となる。また、前記ベーン先端部
20aと前記ローラ18の外周面29は前述したように
油の少ない金属接触に近い摺動条件となる。前記ベーン
20は、耐摩耗性に良好な前記ベーン先端部20aの化
合物層20cを有するため、過酷な摺動条件において
も、前記ベーン先端部20aは前記ローラ18の外周面
29に凝着摩耗を減少させる効果がある。また、前記ロ
ーラ18の成分Cr、Mo、Pは非常に耐摩耗性に優
れ、Niは非常に焼入性に優れているため、前記ベーン
20と前記ローラ18の組み合わせでは、非常に耐摩耗
性の優れた材料組み合わせとなる。また、前記シリンダ
17の基地中にパーライトを10%以上含ませると、前
記ベーン側面部20bの前記窒素拡散層20dと前記シ
リンダ17の耐摩耗性は非常に良くなる。以上のことか
ら、信頼性の高い圧縮機が実現できる。
【0020】(実施例2)ベーン20の材料は固相焼結
鉄で、Cr16%〜18%、Ni6.50%〜7.75
%を含有し、C0.09%以下の析出硬化性のある材質
とし、SUS631を使用したものである。また、空孔
率10%以下とした単独空孔を有した材質とし、固溶化
処理、中間処理を行なった後、析出硬化処理を行ない、
基地にマルテンサイトと析出物を混在させた組織として
いる。その後、窒化または軟窒化によって、ローラ18
の外周面29に摺接する前記ベーン先端部20aに化合
物層20cを形成させ、シリンダ17と摺接する前記ベ
ーン側面部20bは化合物層20cを研削加工で除去
し、化合物層20cの内側の窒素拡散層20dを摺動面
とした。また、前記ローラ18はCr0.8%、Ni
0.2%、Mo0.2%、B0.04%の成分を添加し
た合金鋳鉄を材料とし、焼き入れ焼き戻しをほどこした
もので、シリンダ17はFC250のものでパーライト
を95%以上含んだものを使用している。このような部
品で構成された圧縮機を運転すると、前記ベーン20は
圧力を受けながら、前記シリンダ17の貫通溝19内で
往復運動を行なうため、前記シリンダ17の貫通溝19
とベーン側面部20bは油膜が生じにくく、厳しい摺動
条件となる。また、前記ベーン先端部20aと前記ロー
ラ18の外周面29は前述したように油の少ない金属接
触に近い摺動条件となる。前記ベーン20は、耐摩耗性
に良好な前記ベーン先端部20aの化合物層20cを有
するため、過酷な摺動条件においても、前記ベーン先端
部20aは前記ローラ18の外周面29に凝着摩耗を減
少させる効果がある。また、前記ローラ18の成分C
r、Mo、Bは非常に耐摩耗性に優れ、Niは非常に焼
入性に優れているため、前記ベーン20と前記ローラ1
8の組み合わせでは、非常に耐摩耗性の優れた材料組み
合わせとなる。また、前記シリンダ17の基地中にパー
ライトが95%以上含まれているため、前記ベーン側面
部20bの前記窒素拡散層20dと前記シリンダ17の
耐摩耗性は非常に良くなる。以上のことから、信頼性の
高い圧縮機が実現できる。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、成分がC
r9%〜27%を含有し、C0.4%以上の焼き入れ硬
化性のある鉄系粉末材を材料とし、空孔率10%以下の
単独空孔を有した焼結鉄をベース材として用い、これを
焼き入れ焼き戻し処理により基地をマルテンサイト組織
とした後、表面に窒化または軟窒化処理により、Fe−
Nからなる化合物層を、その内側に窒素拡散層を形成し
てなるベーンや、成分がCr9%〜27%、Ni4%〜
8%を含有し、C0.2%以下の析出硬化性のある鉄系
粉末材を材料とし、空孔率10%以下の単独空孔を有し
た焼結鉄をベース材として用い、これを熱処理により基
地をマルテンサイト組織とした後、表面に窒化または軟
窒化処理によりFe−Nからなる化合物層を、その内側
に窒素拡散層を形成してなるベーンは、耐摩耗性に極め
て優れているだけでなく、量産性に優れ、低コストのベ
ーンを提供することが可能となった。また、今後の代替
冷媒化の有力なベーンとしても提供できるものとなっ
た。また、焼結材を使用することで、研削加工のみです
べて加工が行なえるために、大幅な工程削減、管理削減
も可能となった。また、従来、空孔の存在する焼結材
は、強度の面、寸法歪みの問題があり、量産化が難しか
ったが、本発明においては、これらの問題も解決するこ
とができる。また、従来、焼結材の内部の空孔が潤滑に
おいて悪い影響を与えていたが、空孔内に化合物層を成
形し、封孔処理の役目を果たさせ、且つ、冷凍機油を保
持させることによって、耐摩耗性を向上させることが可
能となった。以上のことから、信頼性の高いロータリ圧
縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における圧縮機の縦断面図
【図2】同圧縮機の横断面図
【図3】同圧縮機に用いるベーンの正面図
【図4】同圧縮機に用いるベーンの側面図
【図5】同ベーン側面部の研削前の状態を示す拡大断面
【図6】同ベーン側面部の研削後の状態を示す拡大断面
【図7】同ベーン先端部の拡大断面図
【図8】同ベーンの単独空孔の点在状態を示す拡大断面
【図9】従来例における圧縮機の横断面図
【符号の説明】
14 シャフト 17 シリンダ 18 ローラ 19 貫通溝 20 ベーン 20a ベーン先端部 20b ベーン側面部 20c 化合物層 20d 窒素拡散層 20e 研削面 20f 空孔内化合物層 28 単独空孔

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、シャフトにより前記シリン
    ダ内で偏心して回転するローラと、前記シリンダに半径
    方向に形成した溝に出没可能に挿入され前記ローラに摺
    接するベーンとを備えたロータリ圧縮機において、前記
    ベーンは、Cr9%〜27%を含有し、C0.4%以上
    の焼き入れ硬化性のある鉄系粉末材を材料とし、空孔率
    10%以下の単独空孔を有した焼結鉄をベース材として
    用い、これを焼き入れ焼き戻し処理により基地をマルテ
    ンサイト組織とした後、表面に窒化または軟窒化処理に
    よりFe−Nからなる化合物層を、その内側に窒素拡散
    層を形成してなることを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. 【請求項2】 ベーンの鉄系粉末材は、SUS440
    A、SUS440B、SUS440C、SKD1、SK
    D11の何れかの材料であることを特徴とする請求項1
    記載のロータリ圧縮機。
  3. 【請求項3】 シリンダと、シャフトにより前記シリン
    ダ内で偏心して回転するローラと、前記シリンダに半径
    方向に形成した溝に出没可能に挿入され前記ローラに摺
    接するベーンとを備えたロータリ圧縮機において、前記
    ベーンは、Cr9%〜27%、Ni4%〜8%を含有
    し、C0.2%以下の析出硬化性のある鉄系粉末材を材
    料とし、空孔率10%以下の単独空孔を有した焼結鉄を
    ベース材として用い、これを熱処理により基地をマルテ
    ンサイト組織とした後、表面に窒化または軟窒化処理に
    よりFe−Nからなる化合物層を、その内側に窒素拡散
    層を形成してなることを特徴とするロータリ圧縮機。
  4. 【請求項4】 ベーンの鉄系粉末材は、SUS630、
    SUS631の何れかの材料であることを特徴とする請
    求項3記載のロータリ圧縮機。
  5. 【請求項5】 ベーンのベース材を固相焼結または液相
    焼結で空孔率10%以下としたことを特徴とする請求項
    1または2または3または4記載のロータリ圧縮機。
  6. 【請求項6】 ベーンを窒化または軟窒化処理後、前記
    ベーンのシリンダの溝と摺動する側面を研削加工し、窒
    素拡散層を主たる摺動面としたことを特徴とする請求項
    1または2または3または4または5記載のロータリ圧
    縮機。
  7. 【請求項7】 ベーンの先端部を加工せずに残し、Fe
    −Nからなる化合物層をローラとの摺接面としたことを
    特徴とする請求項6記載のロータリ圧縮機。
  8. 【請求項8】 窒化または軟窒化処理をガス窒化または
    ガス軟窒化処理としたことを特徴とする請求項1または
    2または3または4または5または6または7記載のロ
    ータリ圧縮機。
  9. 【請求項9】 窒化または軟窒化処理の温度を500℃
    〜580℃とし、窒素拡散層の厚さを0.05mm以上
    としたことを特徴とする請求項1または2または3また
    は4または5または6または7または8記載のロータリ
    圧縮機。
  10. 【請求項10】ローラの材料は、Cr0.5%〜1.0
    %、Mo0.2%〜0.4%、P0.1%〜0.3%の
    成分を含む鋳鉄の材料としたことを特徴とする請求項1
    または2または3または4または5または6または7ま
    たは8または9記載のロータリ圧縮機。
  11. 【請求項11】ローラの材料は、Cr0.5%〜1.0
    %、Mo0.2%〜0.4%、B0.02%〜0.1%
    の成分を含む鋳鉄の材料としたことを特徴とする請求項
    1または2または3または4または5または6または7
    または8または9記載のロータリ圧縮機。
  12. 【請求項12】冷媒がHFCで、冷凍機油がエステル油と
    したことを特徴とする請求項1または2または3または
    4または5または6または7または8または9または1
    0または11記載のロータリ圧縮機。
JP32346799A 1999-11-15 1999-11-15 ロータリ圧縮機 Withdrawn JP2001140782A (ja)

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