JP2001140254A

JP2001140254A - 水ジェット削孔装置

Info

Publication number: JP2001140254A
Application number: JP32059599A
Authority: JP
Inventors: Moriyuki Shimai; 井森幸嶋; Masaaki Ueda; 田政明植
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1999-11-11
Filing date: 1999-11-11
Publication date: 2001-05-22

Abstract

(57)【要約】【課題】既製杭を挿入する下孔、コンクリートを流し
込んで杭を構築する下孔等を精度よく、かつ大掛かりな
設備を用いずに施工できる水ジェット削孔装置を提供す
ること。【解決手段】削孔パイプ（２）の内側を縦に仕切る仕
切板（４）を着脱自在に設け、仕切られた一方の下端部
に水ジェット装置のノズル部（５）が仕切板（４）に振
動装置（６）を介して取り付けられ、その振動装置
（６）は水ジェットが半径方向に振動するよう構成され
ており、削孔パイプ（２）が揺動装置（３）により回転
揺動して削孔するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】水ジェットにより地盤や固形
物に所定径の穴を掘削する水ジェット削孔装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】スクリュウの先端部にカッタが設けら
れ、ズリはスクリュウで排出されるオーガ削孔装置、中
空のドリルの先端部に設けられたビットで削孔し、ドリ
ル内をズリが水または高圧空気により排出されるロータ
リ削孔装置やケーシングを回転して掘削し、ズリはケー
シング内を排出される回転掘削装置等の技術は知られて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オーガ
削孔装置、ロータリ削孔装置は動力軸が掘削するヘッド
に比して細く弱いため、掘削回転力及び推力により孔曲
がりが生じ易く、全面掘削刃で掘削するために大きな動
力が必要であり、全体として大掛かりな装置となる。

【０００４】また、ケーシングを回転して掘削し、ズリ
がケーシング内から排出される技術は、ズリの排出にバ
ケットを用いるため、硬質な地盤の場合は排出不能とな
り、間欠式となるため能率が悪く、そして、ケーシング
を回転して掘進するので大きな回転力及び推力が必要と
なり、大型機械を要するという問題がある。

【０００５】したがって、本発明は比較的小さな動力設
備で、精度がよく掘削孔の養生が容易であり、ズリの排
出を含め連続して削孔できる水ジェット削孔装置を提供
することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、水ジェ
ットにより所定径の穴を掘削する水ジェット削孔装置に
おいて、削孔パイプ内にパイプを縦方向に仕切る仕切板
を着脱自在に設け、その仕切られた一方に水ジェット装
置が設けられ、その水ジェット装置のノズルは水ジェッ
トが噴射される振動手段を有しており、前記削孔パイプ
はパイプ中心軸を中心として所定角度だけ回転揺動する
揺動手段が設けられ、前記ノズルの外周には水ジェット
の周囲を覆うよう高圧空気を噴射する空気ノズルが設け
られており、前記削孔パイプの仕切板で仕切られた他方
からズリを排出するように構成されている。

【０００７】また、本発明によれば、前記仕切板が杭材
で構成されていてもよい。

【０００８】そして、本発明によれば、ズリの排出手段
としてエアリフト、サクションポンプ、あるいはエアリ
フトとサクションポンプとの併用のいずれかが用いられ
ている。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る水ジェット削
孔装置の全体構成図を示し、地盤１には削孔パイプ２が
挿入され、その削孔パイプ２の内側には削孔パイプ２を
縦方向に仕切る仕切板４が着脱自在に設けられ、その仕
切板４の先端部４ａは削孔パイプ４の先端部２ａよりＨ
ｍｍだけ内側に位置するよう取り付けられている。

【００１０】また、仕切板４で仕切られた削孔パイプ２
の一方の部分Ａにはエアパイプ１２が挿入され、そのエ
アパイプ１２の下端に半円形状に形成されたエンドプレ
ート１５が傾斜して固着されている。

【００１１】そして、エアパイプ１２の内側には外管７
と内管９とで構成されて先端部にノズル部５を有する水
ジェット装置が設けられ、そのノズル部５は振動手段で
ある振動装置６を介して仕切板４に取り付けられてい
る。また、削孔パイプ２は削孔パイプ２のパイプ中心軸
を中心として回転揺動する揺動装置３に支持されてお
り、この揺動装置３はパイプ２を昇降させる昇降手段を
備えている。なお、符号１３は硬質地盤を破砕する研磨
材供給部、２０はズリの排出管、２３はズリの水を分離
する分離槽、２５は分離した水を排出するサクションポ
ンプをそれぞれ示している。

【００１２】図２は削孔パイプ２の先端部２ａの縦断面
図を示し、仕切板４で仕切られた一方側Ａに挿入されて
いるエアパイプ１２の端部はエンドプレート１５で区切
られており、そのエンドプレート１５と仕切板４との当
接部の下方には空気孔１５ａが仕切板４に穿孔されてい
る。

【００１３】また、エアパイプ１２の内側に設けられた
外管７の先端はテーパ状に形成されてテーパ部７ａが構
成されており、そのテーパ部７ａの内方には内管が絞ら
れて水ノズル９ａが形成され、テーパ部７ａと共に水ノ
ズル９ａから噴射される水ジェットの周囲をエアで覆う
よう構成されたノズル部５が形成されている。

【００１４】そして、そのノズル部５は振動装置６及び
ガイド１６を介して仕切板４に取り付けられており、そ
の振動装置６は図示を省略した外管及び内管に設けられ
たスイングジョイントを支点としてノズル部５を図にお
ける左右方向に振動するよう構成されている。

【００１５】図３は、図２のＣ−Ｃ断面図を示し、振動
装置６は流体圧、例えば空気圧で作動するシリンダ２６
とピストン２７及びピストン２７と外管７とに連結され
たロッド２８とで構成されており、シリンダ２６に設け
られた流体接続孔２９、３０が図示しない切換弁に接続
され、外管７はガイド１６により図における左右方向に
所定振幅だけ振動するよう構成されている。

【００１６】上記の実施形態においては、水ジェット装
置とズリの排出を仕切る手段として仕切板を用いている
が、仕切板に限定されるものでなく、例えば杭材である
Ｈ型鋼を用いて削孔パイプ内に挿入し、そのウエブ部を
仕切として用いれば同様に構成することができる。

【００１７】また、ズリの排出手段としては、高圧空気
の供給およびサクションポンプが示されているが、これ
らの一方、すなわちエアリフト方式、またはサクション
ポンプ方式、あるいはエアリフトとサクションポンプと
併用方式のいずれであっても良い。

【００１８】以下、作用について説明する。まず、地盤
の所定削孔位置に図１に示す水ジェット削孔装置を設置
する。外管７及びエアパイプ１２の接続孔１１に高圧空
気源、内管９に水圧源を接続する。そして、削孔パイプ
２を揺動装置３にセットし、水ジェットとその周囲を覆
う高圧空気をＪ（図１参照）に示すように噴射しつつ削
孔パイプ２を揺動装置３により左右に回転揺動する。

【００１９】したがって、ノズル部５の振動数、周期と
削孔パイプ２の揺動角αおよび揺動速度を選択すること
により、例えば、図４に一例を示す花びら型図形のよう
にノズル部５から噴射される水ジェットが削孔パイプ先
端部付近で地盤に衝突し、地盤を破砕する。なお、符号
Ｓは削孔パイプ２の或角度におけるノズル部５の振動方
向を示している。

【００２０】そして、破砕されたズリは水ジェットの水
と共に仕切板４の下方の隙間Ｈを通過して高圧空気の圧
力に押されて仕切板４で仕切られた他方側Ｂ（図２参
照）を通路として水と共に上方に圧送排出される。この
場合、仕切板４に設けられている空気穴１５ａからも高
圧空気が供給されて排出が補助される。

【００２１】また、地上に排出されたズリは分離槽２３
で水が分離され、水はポンプ２５で排出される。そし
て、削孔パイプ２は揺動しているため接続されたホース
類がねじれることがなく、スイーベルジョイントが不用
であるので、保守管理が容易であり、面倒がない。

【００２２】図５は硬質地盤の場合に用いる水に研磨材
を混合して噴射するためのノズルを示し、ノズル本体３
０の先端部外周にはリング状に形成されたエアノズル３
２ａが形成されており、そのノズル３２ａは高圧エア通
路３２に連通し、本体３０の中央部には高圧水通路３３
が水ノズル３４を介して混合室３５に連通している。そ
して、その混合室３５は研磨剤通路３６に接続されてい
る。また、混合室３５の出口３５ａ側には硬質部材で構
成されたノズルピース３７が設けられており、研磨剤が
混合された水ジェットＦはノズルピース３７から噴射さ
れるよう構成されている。

【００２３】従って、硬質地盤の場合は研磨剤通路３６
を研磨材供給部１３（図１参照）に接続して研磨材を水
ジェットに混合すれば効率よく硬質地盤を破砕すること
ができ、ノズルピース３７が磨耗すれば交換可能であ
リ、硬質地盤でない場合は研磨材の供給を停止すれば、
そのまま普通地盤にも使用可能である。

【００２４】

【発明の効果】本発明は以上説明した通り構成されてお
り、以下の優れた効果を奏するものである。（１）削孔パイプ内を仕切り、その一方に水ジェット
装置を設置し、他方をズリ、水の通路としてエアリフト
により排出しているので、孔の養生が容易で精度がよ
く、設備がコンパクトにできる。（２）連続作業であるため、作業効率がよく、作業速
度が速い。（３）研磨材を用いることにより、硬質地盤にも対応
でき、地盤を選ばない。（４）したがって、地盤を選ばず削孔施工が容易に、
かつ短い工期で可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す水ジェット装置の全
体構成を示す断面図。

【図２】図１の要部を示す断面図。

【図３】図２のＣ−Ｃ断面図。

【図４】水ジェットの揺動、振動による破砕軌跡の一例
を示す図。

【図５】硬質地盤用ノズルの例を示す断面図。

【符号の説明】

２・・・削坑パイプ３・・・揺動装置４・・・仕切板５・・・ノズル部６・・・振動装置７・・・外管９・・・内管１２・・・エアパイプ１５・・・エンドプレート１６・・・ガイド２３・・・分離槽２５・・・サクションポンプ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水ジェットにより所定径の穴を掘削する
水ジェット削孔装置において、削孔パイプ内にパイプを
縦方向に仕切る仕切板を着脱自在に設け、その仕切られ
た一方に水ジェット装置が設けられ、その水ジェット装
置のノズルは水ジェットが噴射される振動手段を有して
おり、前記削孔パイプはパイプ中心軸を中心として所定
角度だけ回転揺動する揺動手段が設けられ、前記ノズル
の外周には水ジェットの周囲を覆うよう高圧空気を噴射
する空気ノズルが設けられており、前記削孔パイプの仕
切板で仕切られた他方からズリを排出するように構成さ
れていることを特徴とする水ジェット削孔装置。
【請求項２】前記仕切板が杭材で構成されている請求
項１記載の水ジェット削孔装置。
【請求項３】ズリの排出手段としてエアリフト、サク
ションポンプ、あるいはエアリフトとサクションポンプ
との併用のいずれかが用いられている請求項１または２
に記載の水ジェット削孔装置。