JP2001139590A - アゾベンゼン構造を有する糖誘導体 - Google Patents

アゾベンゼン構造を有する糖誘導体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用途に応じて可変的に分子設計することがで
きる融通性を有し、発色剤(染料)やゲル化剤等の多機
能を発揮する合成化合物を提供する。 【解決手段】 下記の一般式(I)または(II)〔式
中、SUGは糖類を示し、Rは炭素数1〜10のアルキ
ル基を示す。〕で表されるアゾベンゼン構造を有する糖
誘導体。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発色剤やゲル化剤
などとして機能する新規な構造の糖誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より発色剤または染料に
使用される色素として多くの合成化合物が案出されてい
るが、それらの殆どは、発色団として基本骨格となる分
子の置換基の種類や位置を変えることにより異なる色が
発現されるように工夫したものである。したがって、所
望の色の数に応じて多種類の発色化合物を設計しなけれ
ばならない。天然には、花の色素として知られるアント
シアニンのように配糖体を構成する糖の種類が変わるだ
けで異なる色が発現されるものが存在するが、合成化合
物においてこのような現象を具現化した色素は見当たら
ない。
【0003】また、近年、ゲルの特性に基づく応用開発
が精力的に進められているが、これらの殆どのゲルに共
通する点は、高分子ハイドロゲルと総称されるように、
ゲル化剤が高分子(ポリマー)で、かつゲル化される溶
媒が水であることである。低分子化合物をゲル化剤とし
非水性溶媒(有機溶媒)を成分とするゲルの実用化は、
オイルゲル化剤として台所の廃油を固めてゲル化する場
合や流出原油を固めて除去する例を見る程度である。水
を含まないゲルについては、この他に、医薬、薬学など
の種々の分野において利用が理論的には考えられるが、
実際には、有機溶媒に対するゲル化剤となるような低分
子化合物はきわめて少ない。そして、従来から提示され
ているゲル化剤は、専ら特定の構造から成る特定の目的
に向けられたものが多く、目的に応じて各種の溶媒に適
用し得るように簡単に分子設計できるような融通性のあ
るゲル化剤は見られない。
【0004】本発明の目的は、用途に応じて可変的に分
子設計することができる融通性を有し、発色剤(染料)
やゲル化剤等の多機能を発揮する新しいタイプの合成化
合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、糖類の多様
性に注目し、糖類にアゾベンゼン構造を導入した糖誘導
体の合成に成功することにより上記の目的を達成したも
のである。
【0006】かくして、本発明に従えば、下記の一般式
(I)または(II)で表わされることを特徴とするアゾ
ベンゼン構造を有する糖誘導体が提供される。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】式(I)および(II)において、SUGは
糖類を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。
本発明の好ましい態様においては、糖類はピラノース環
構造を有する単糖類である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の糖誘導体は、式(I)ま
たは(II)の化学構造式に示されるように、糖構造を含
む親水部とアゾベンゼン構造を含む疎水部とから構成さ
れており、親水部の水酸基を介する水素結合と疎水部の
ベンゼン環を介する疎水的結合とにより分子の集合が起
こるものと考えられる。
【0011】このような構造の本発明の糖誘導体は、該
誘導体を構成している糖の種類を変えることにより異な
る色を呈することができる。よく知られているように、
糖類の構造はきわめて多様であり、例えば、同じ分子式
で表わされる単糖類においても、結合している水酸基の
向きや位置がさまざまに異なる多様な立体構造の糖が存
在する。したがって、本発明の糖誘導体においては、ア
ゾベンゼンを含む疎水部の構造が同じであっても、糖を
変えると糖の水酸基の位置と向きが異なることにより、
親水部を介する分子の集合状態が変化することにより異
なる色が発現されるものと理解される。
【0012】このように、本発明の糖誘導体は、従来か
ら知られている色素のように発色団となる分子構造その
ものの違い(置換基の種類や位置の違い)に由来して異
なる色を呈するのではなく、分子の集合状態の変化に起
因して発色する新しいタイプの合成色素を提供するもの
である。
【0013】さらに、上記の式(I)または(II)で表
わされる本発明の糖誘導体は、有機溶媒に対するゲル化
剤としても機能し、この際、糖誘導体を構成している糖
を変えることにより、特定の溶媒に対するゲル化能が変
化することが見出されている。
【0014】ゲル化は、ゲル化剤が溶媒に溶け込もうと
する力(ゲル化剤どうしを引き離そうとする力)と、ゲ
ル化剤どうしが凝集しあう力のバランスがとれていると
ころで起こる現象と考えられている。アゾベンゼン構造
と糖構造とを含む本発明の糖誘導体は、アゾベンゼン構
造の疎水部によって溶媒に溶け込もうとしながら糖の水
酸基を介して分子間の水素結合を形成することによりゲ
ル化剤どうしの凝集力を得ているものと考えられる。こ
こで、本発明の糖誘導体から成るゲル化剤は、糖骨格の
水酸基の位置や方向の相違によるゲル化剤のパッキング
のしやすさの違いによってゲル化能の差が生じるものと
推測される。
【0015】式(I)または(II)で表わされる本発明
の糖誘導体においてSUGで表わす糖類は、一般に、単
糖類または少糖(オリゴ糖)であるが、特に好ましいの
は、ピラノース環構造を有する単糖類である。同種の単
糖から成るピラノース環にはC−1位の水酸基の立体配
置に応じてα体とβ体が存在するが、α体およびβ体の
いずれも使用可能である。使用できる単糖類の例として
は、α−D−グルコース、β−D−グルコース、α−D
−ガラクトース、β−D−ガラクトース、α−D−マン
ノース、β−D−マンノース、α−D−タロース、β−
D−タロースなどが挙げられる。メチル−α−D−グル
コピラノシド、メチル−β−D−グルコピラノシド、メ
チル−α−D−ガラクトピラノシド、メチル−β−D−
ガラクトピラノシド、メチル−α−D−マンノピラノシ
ド、メチル−β−D−マンノピラノシド、エチル−α−
D−グルコピラノシド、エチル−β−D−グルコピラノ
シド、p−ニトロフェニル−α−D−グルコピラノシ
ド、p−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシドな
どのグルコピラノシドも本発明に使用されるピラノース
環構造を有する単糖類の例として挙げることができる。
【0016】また、式(I)および(II)におけるRは
炭素数1〜10のアルキル基である。Rが長鎖のアルキ
ル基である程、多種類の有機溶媒に対するゲル化剤とし
て機能する。式(I)または(II)における2つのR
は、一般に同一の官能基であるが、別異のものでもよ
い。図1には、本発明に従う糖誘導体の好ましい例の化
学構造式を示している。
【0017】本発明の糖誘導体は、市販の化合物を原料
として既知の反応を工夫することにより合成することが
できる。すなわち、後の実施例に詳述するように、所望
の糖ピラノシドのアミノフェニル化体とジアルキルアミ
ノベンゼンのイソチオシアネートまたはスルフォニルク
ロリドとを適当な溶媒中で室温下に反応させることによ
り、容易に本発明の糖誘導体を合成することができる。
アミノフェニルピラノシドは、対応するニトロフェニル
ピラノシドを接触還元することによって得ることができ
る。図2および図3には、糖としてα−D−ガラクトー
スを用いる場合を例に、本発明の糖誘導体を得るための
各合成工程を示している。
【0018】
【実施例】以下、実施例に沿って本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって制限されるもの
ではない。実施例1:糖誘導体の合成 (1)化合物(A)の合成: 図2の(イ)に示すよう
に、p−ニトロフェニル−α−D−グルコピラノシド6
03mg(2.0mmol)をメタノール60ml中に
溶解させ、10%Pd−C触媒(60mg)を用いて水
素による接触還元を行った。TLC(メタノール:クロ
ロホルム=1:1)による確認の後、濾過によりPd−
C触媒を取り除き溶媒を減圧留居し、白色固体物を得
た。若干の不純物を含んでいたが、そのまま次の反応に
用いた。
【0019】(2)化合物(B)の合成:図2の(ロ)
に示すように、式(I)で表わされる糖誘導体として化
合物(B)(図1にACS2として示す)を次のように
合成した:化合物(A)241mg(0.9mmol)
をジメチルスルホキシド60ml中に溶解させ、ジメチ
ルスルホキシド120ml中に溶解させた4−N,N−
ジメチルアミノベンゼン−4’−イソチオシアネート1
70mg(0.6mmol)をゆっくりと滴下した。室
温下で14時間の攪拌の後、反応液を水2000ml中
に加えた。一晩放置し、析出物を濾取した。メタノール
での再結晶操作を行い、オレンジ色固体物を得た(収
率:84%)。得られた生成物をNMRおよびIRによ
り同定した。1 H‐NMR(DMSO‐d6)δ9.93(s, 1H, NH), 9.80(s, 1H,
NH), 7,77-7,64(m, 6H,Ar-H), 7.35(d, J=8,9Hz, 2H, A
r-H), 7.06(d, J=8.9Hz, 2H, Ar-H), 6.82(d, J=8.9Hz,
2H, Ar-H), 5.33(d, 1H, J=3.6Hz, sugar-H), 5.05(d,
1H, J=6.3Hz, OH), 4.98(d,1H, J=5.7Hz, OH), 4.93(d,
1H, J=5.0Hz, OH), 4..49(bs, 1H, OH),3.61-3.12(m, 6
H, sugar-H), 3.04(s, 6H, N-CH3) IR (KBr) νmax 3357(νOH), 1605(νC=C), 1512cm-1
【0020】(3)化合物(C)の合成:図2の(ハ)
に示すように、式(II)で表わされる糖誘導体として化
合物(C)(図1にASO2として示す)を次のように
合成した:化合物(A)439mg(1.6mmol)
を水15mlに溶解させ、炭酸水素ナトリウム溶液(2
70mg/10ml)及びジオキサン15mlを加え
た。この溶液に4’−ジメチルアミノアゾベンゼン−
4’−スルフォニルクロリド580mg(1.8mmo
l)のジオキサン溶液15mlを室温下にてゆっくりと
滴下した。室温で15時間の攪拌の後、炭酸水素ナトリ
ウム水溶液410mg/15ml(4.9mmol)を
加え中和した。溶媒を減圧留去した後、その残渣に水を
加え、生じた赤色沈殿を濾別した。アセトン−ヘキサン
での再結晶操作を行いオレンジ色粉末を得た(収率:9
0%)。1 H‐NMR(DMSO‐d6)δ10.0(s, 1H, NH), 7.85-7.78(m,
6H, Ar-H),6.97-6.83(m, 4H, Ar-H),6.82(d, J=9.0Hz,
2H, Ar-H), 5.33(d, 1H, J=3.6Hz, sugar-H), 4.88(d,
1H, J=6.3Hz, OH), 4.75(d,1H, J=5.7Hz, OH), 4.51-
4.50(m, 2H, OH),3.76-3.33(m, 6H, sugar-H), 3.01(s,
6H, N-CH3) IR (KBr) νmax 3508(νOH), 3378, 1607(νC=C), 150
9, 1159cm-1
【0021】(4)化合物(H)の合成:図3に示す反
応工程に従い、式(I)で表わされるRとして長鎖のア
ルキル基を有する糖誘導体として化合物(H)(図1に
DOACS2として示す)を次のように合成した: 化合物(D)の合成 炭酸ナトリウム8.8g、ヨウ素0.12gの存在下、
アニリン5.0g(54mmol)、ブロモオクタン3
6.5g(182mmol)、ブタノール160mlを
混合し、41時間100℃に加熱した。その後、室温に
まで冷却し、ブタノールを減圧留去した。その残渣に水
を加え、ジエチルエーテルによる抽出を行った。エーテ
ル層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムによる乾
燥を行った。溶媒を減圧留去した後、シリカカラムクロ
マトグラフィーにて化合物を精製した(ヘキサン)。収
率76%:1H‐NMR(CDCl3)δ7.22-7.17(m, 2H, Ar-
H), 6.65-6.62(m, 3H, Ar-H), 3.24(t, 4H, N-CH2), 1.
60-1.54(m, 4H, CH2), 1.31-1.29(m, 20H, CH2), 0.91-
0.87(m, 6H, Me) IR (KBr) νmax 2926-2855(νCH2), 1466, 1599(νC=
C), 1507, 1370cm-1(νC−N)。
【0022】化合物(E)の合成 4−アミノアセトアニリド3.0g(20mmol)を
水25mlと1−プロパノール140mlの混合溶媒中
に溶解させた後、濃塩酸3.0mlを加えた。この混合
液を5℃以下に冷却し、水3ml中に溶解させた亜硫酸
ナトリウム1.5g(23mmol)を加え、さらに2
0分間の攪拌の後、酢酸ナトリウム3水和物6.6g
(49mmol)を加えた。反応液の温度を10℃以下
に保ちながら24時間攪拌を行った。反応液の温度を室
温に戻し、60分間攪拌した。反応液を濾過し、その濾
液中の1−プロパノールを減圧留去し、ヘキサンによる
抽出を行った。得られたヘキサン層を10%炭酸ナトリ
ウムそして水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムによる乾
燥を行った。溶媒を減圧留去した後、シリカカラムクロ
マトグラフィーにて化合物を精製し(酢酸エチル:ヘキ
サン=1:1)、オレンジ色固形物を得た。収率32
%;1H‐NMR(CDCl3)δ8.33(d, J=9.0Hz, 4H, Ar-H),
7.62(d, J=9.0, 2H, Ar-H),7.35(s, 1H, NH), 6.67(d,
J=9.0Hz, 2H, Ar-H), 3.38-3.32(t, 4H, N-CH2), 2.21
(s, 3H, CO-Me), 1.62(bs, 4H, CH2), 1.35-1.30(m, 20
H, CH2), 0.92-0.88(m, 6H, Me);IR (KBr) νmax 3330
(νNH), 2923-2853(νCH2), 1674(νC=O), 1601(νC=
C),1514, 1370cm-1(νC−N)。
【0023】化合物(F)の合成 化合物(E)3.1g(6.5mmol)を1‐プロパ
ノール40.8mlに溶解させた。この溶液に水15.
4ml、そして濃塩酸15.4mlを加え、加熱を行い
1時間リフラックスさせた。その後、室温にまで冷却
し、1Mの水酸化ナトリウム180mlを反応液に加え
30分間攪拌した。溶媒を減圧留去し、酢酸エチルによ
る抽出を行った。得られた抽出液を水洗浄し、無水硫酸
マグネシウムによる乾燥を行った。溶媒を減圧留去した
後、シリカカラムクロマトグラフィーにて化合物を精製
し(酢酸エチル:ヘキサン=2:8)、オレンジ色固形
物を得た。収率91%;1H‐NMR(CDCl3)δ7.77, 7.72
(dd, J=9.0, 9.0Hz, each 2H, Ar-H), 6.74, 6.72(dd,
J=9.0, 9.0, each 2H, Ar-H), 3.89(s, 2H, NH2), 3.35
-3.30(t, 4H, CH2), 1.62(bs, 4H, CH2), 1.33-1.26(m,
20H, CH2), 0.91-0.87(m, 6H, Me);IR (KBr) νmax 33
86(νNH2), 2926-2855(νCH2), 1466, 1595(νC=C), 15
12, 1368cm-1(νC−N)。
【0024】化合物(G)の合成 化合物(F)を5mlのピリジン中に溶解させ、5ml
のピリジン中と1mlの二硫化炭素(16.6mmo
l)中に溶解させたN,N’−ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド424mg(2.1mmol)をアイスバス中
にてゆっくりと滴下した。4時間、0℃で攪拌を行い、
その後、室温下にて11時間攪拌を行った。未反応の二
硫化炭素及びピリジンを減圧留去した後、シリカカラム
クロマトグラフィーにて化合物を精製し(トルエン:ヘ
キサン=3:7)、赤色固形物を得た。収率75%。1 H‐NMR(CDCl3)δ7.86-7.82(m,4H, Ar-H), 7.34(d, J
=1.8Hz, 2H, Ar-H),6.70(d, 2H, Ar-H), 3.40-3.35(t,
4H, N-CH2), 1.65-1.63(m, 4H, CH2), 1.36-1.31(m, 20
H, CH2), 0.91-0.87(t, 6H, Me);IR (KBr) νmax 2922-
2851(νCH2), 2123(νNCS), 923, 1603(νC=C), 1514cm
-1
【0025】化合物(H)の合成 化合物(A)917mg(2.1mmol)を100m
lのジメチルスルホキシド中に溶解させ、120mlの
ジメチルスルホキシド中に溶解させた化合物(F)57
5mg(1.2mmol)をゆっくりと滴下した。室温
下での14時間の攪拌の後、反応液を水3000ml中
に加えた。析出したオレンジ色の沈澱物を濾取し、水で
洗浄した。得られた固形物をクロロホルム30mlに溶
解させ、無水硫酸マグネシウムによる乾燥を行った。溶
媒を減圧留去した後、シリカカラムクロマトグラフィー
にて化合物を精製し(メタノール:クロロホルム=1:
9)、オレンジ色固形物を得た。収率82%;1H‐NMR
(CDSO-d6)δ9.92(s, 1H, NH), 9.80(s, 1H, NH), 7.7
4-7.64(m, 6H, Ar-H), 7.36(d, J=9.0Hz, 2H, Ar-H),
7.06(d, J=8.7Hz, 2H, Ar-H), 6.76(d, J=9.3Hz, 2H, A
r-H), 5.37(s, 1H, sugAr-H), 4.86(d, J=5.4Hz, 1H, O
H), 4.73(d, J=4.5Hz, 1H, OH), 4.56-4.52(m, 2H, O
H), 3.80-3.33(m, 10H, sugAr-H, N-CH2), 1.56(bs, 4
H, CH2), 1.31-1.27(m, 20H, CH2), 0.88-0.84(m, 6H,
Me);IR (KBr) νmax 3310(νOH), 2924-2853(νCH2), 1
601(νC=C), 1509cm-1
【0026】実施例2:ゲル化実験 実施例1と同様に、図1に示す他の糖誘導体を合成し、
ゲル化剤として、各種有機溶媒に対するゲル化能を調べ
た。ゲル化条件は次のように行った。ゲル化剤(0.5
mg)をキャップ付き試験管内で溶媒(0.1ml)と
混合し、固形分が溶解するまで加熱した。得られた溶液
を室温にまで冷却し1時間放置してゲルの形成を観察し
た。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】これらの結果から、ゲル化剤を構成してい
る糖を変えることにより、ある種の溶媒に対するゲル化
能が変化することが分かった。
【0029】実施例3:色素評価 本発明の糖誘導体の色素としての評価を行うため、図1
にASO1およびASO2として示す化合物についてエ
タノールを用いた再結晶操作を行った。得られた結晶の
色は、グルコースを持つASO1は黄色であったが、ガ
ラクトースを持つASO2は赤色であった。可視・紫外
吸収スペクトルを測定したところ、それらの最大吸収波
長は前者が431nmであり、後者は397nmであっ
た。このように本発明の糖誘導体は、糖を変えることに
より異なる色を発現することが確認された。
【0030】
【発明の効果】本発明の糖誘導体は、きわめて容易に合
成することができ、構成成分の糖類の種類を変えること
により、ゲル化能や色を随時変更することができる。か
くして、本発明の糖誘導体は、用途に応じて性能の可変
なゲル化剤や発色剤などの機能性物質として有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糖誘導体の好ましい例の化学構造式を
示す。
【図2】本発明の糖誘導体の合成スキームの1例を示
す。
【図3】長鎖アルキルを有する本発明の糖誘導体の合成
スキームの1例を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)または(II)で表わ
    されることを特徴とするアゾベンゼン構造を有する糖誘
    導体。 【化1】 【化2】 〔式(I)および(II)において、SUGは糖類を示
    し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。〕
  2. 【請求項2】 糖類がピラノース環構造を有する単糖類
    であることを特徴とする請求項1の糖誘導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013513637A (ja) * 2009-12-14 2013-04-22 ユニバーシティ・オブ・バーゼル 細菌接着のアンタゴニストとしてのマンノース誘導体

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JP2013513637A (ja) * 2009-12-14 2013-04-22 ユニバーシティ・オブ・バーゼル 細菌接着のアンタゴニストとしてのマンノース誘導体

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