JP2001139383A - 多孔質セラミックス、コーティング液保持部材、コーティング液塗布装置及び多孔質セラミックスの製造方法 - Google Patents

多孔質セラミックス、コーティング液保持部材、コーティング液塗布装置及び多孔質セラミックスの製造方法

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JP2001139383A
JP2001139383A JP32122799A JP32122799A JP2001139383A JP 2001139383 A JP2001139383 A JP 2001139383A JP 32122799 A JP32122799 A JP 32122799A JP 32122799 A JP32122799 A JP 32122799A JP 2001139383 A JP2001139383 A JP 2001139383A
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porous ceramic
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pores
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Koichi Kimura
康一 木村
Tatsuo Takagi
達雄 高木
Osamu Horiuchi
修 堀内
Munehiko Fukase
宗彦 深瀬
Toshiyuki Kishida
敏之 岸田
Takeshi Kuboyama
剛 窪山
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Nichias Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーティング液移行速度が十分に大きいた
め、粘度の比較的低いコーティング液を使用可能で、高
負荷条件下でもコーティング液を一定量、長時間にわた
り塗布できる構造の多孔質セラミックス及びその製造方
法、該多孔質セラミックスからなるコーティング液保持
部材、及びコーティング液塗布装置を提供すること。 【解決手段】 本発明に係る多孔質セラミックスは、内
部に微細径空隙及び気孔を有する耐熱性無機材料からな
る多孔質セラミックスであって、前記微細径空隙は少な
くとも一部が該多孔質セラミックスの表面及び前記気孔
に連通すると共に全微細径空隙容積の40%以上が径3
0〜200μm の細孔からなり、前記気孔は少なくとも
一部が前記微細径空隙を介して該多孔質セラミックス表
面に連通すると共に平均気孔径200〜2000μm の
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質セラミック
ス及びその製造方法、静電複写機や電子写真式プリンタ
等の定着装置のコーティング液塗布装置において、該多
孔質セラミックスを用いて得られるコーティング液保持
部材、及び該部材を用いたコーティング液塗布装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】静電複写機や電子写真式プリンタ等にお
いて用いられる加熱定着ローラは、記録紙やOHP用紙
上に転写されたトナーを加圧加熱して紙上に定着させる
ものである。該加熱定着ローラは、紙及びトナーに接す
るものであるから、表面にトナーが付着すると紙を汚す
という問題が生じる。このため、加熱定着ローラの表面
には、微量のシリコーンオイル等の離型オイル等のコー
ティング液を塗布してトナーの付着を防止している。
【0003】コーティング液を塗布する装置は、コーテ
ィング液を保持するコーティング液保持部材にフェルト
等の塗布部材を巻き付けてなるものが知られており、こ
のようなコーティング液保持部材としては、特開平9−
108601号公報に「耐熱性繊維が結合剤によって相
互に結合されてなり繊維間に結合剤の存在しない微細な
連通空隙および均一に分布した孔径0.05〜2mmの気
孔群を有し総空隙率が30〜90%である多孔質セラミ
ックスよりなるコーティング液保持部材」が開示されて
いる。該コーティング液保持部材によれば、コーティン
グ液を高い体積比率で保持するとともに、高負荷条件下
で長時間にわたって安定して吐出させることが可能にな
る。
【0004】例えば、該公報の実施例1では、上記コー
ティング液保持部材にシリコーンオイルを含浸させた
後、該保持部材の外周にフェルトからなる塗布部材を巻
き付けた2層構造のシリコーンオイル塗布ローラを形成
している。該実施例において、フェルトは、塗布部材で
あると共に、コーティング液保持部材との細孔径の違い
を利用した毛管力及びコーティング液の熱膨張により、
コーティング液保持部材からコーティング液を吸い取
る、いわゆるコーティング液移行層としての機能をも有
するものである。そして、上記公報記載のシリコーンオ
イル塗布ローラは、フェルトと上記特定構造のコーティ
ング液保持部材とを組み合わせた2層構造のものとする
ことにより、コーティング液を高い体積比率で保持しつ
つ、高負荷条件下で長時間にわたって安定して吐出させ
ることが可能になっている。すなわち、該シリコーンオ
イル塗布ローラによれば、オイル吐出量及びオイル吐出
率を、32枚/分の連続通紙条件下で10万枚以上にわ
たり好ましい水準を維持できる。
【0005】しかしながら、上記公報記載の2層構造の
シリコーンオイル塗布ローラは、フェルトが、コーティ
ング液保持部材からフェルトへのコーティング液移行速
度を決定する機能と、フェルトからコーティング液被塗
布面へのコーティング液塗布速度を決定する機能とを兼
ねるものであるため、それぞれの機能を独立して制御で
きない。このため、長時間の使用によりコーティング液
保持部材内のコーティング液が減少した場合や、通紙速
度が大きい高負荷条件下にある場合には、コーティング
液保持部材からフェルトへのコーティング液の移行が間
に合わなくなり、コーティング液の塗布が十分に行われ
なくなることがあった。
【0006】また、近年のカラー印刷においてはコーテ
ィング液塗布量が多いことが求められており、粘度の比
較的低いコーティング液が用いられるようになってき
た。しかし、コーティング液の粘度が比較的低いとオイ
ルが過剰に吐出しオイル漏れを生じ易い。このため、コ
ーティング液を高負荷条件下で長時間にわたって安定し
て吐出させることは困難であった。
【0007】このような問題を解決するものとして、本
願出願人は、先に、多孔質セラミックよりなるコーティ
ング液保持部材と、該コーティング液保持部材表面に設
けたフェルト層と、該フェルト層の表面にさらに設けた
PTFE等の多孔質膜層とからなる3層構造のコーティ
ング液塗布装置を提案した(特願平10−202868
号、特願平11−45900号)。該コーティング液塗
布装置によれば、各材料の選択により、コーティング液
保持部材からフェルト層へのコーティング液移行速度
と、フェルト層からコーティング液被塗布面へのコーテ
ィング液塗布速度とを独立して制御可能になる。このた
め、コーティング液移行速度をコーティング液塗布速度
よりも大きくすることにより、フェルト層がコーティン
グ液で保持される状態にすると共に多孔質膜層でフェル
ト層から被塗布面へのコーティング液塗布速度を制御し
て、一定量のコーティング液を長時間にわたり塗布する
ことが可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載のコーティング液保持部材を用いて多孔質膜層を
有する3層構造のコーティング液塗布装置を形成する
と、一定量のコーティング液の長時間にわたる塗布は可
能になるものの、コーティング液の塗布量の絶対量が少
ないという問題があった。すなわち、上記従来のコーテ
ィング液保持部材は、フェルト層との2層構造のコーテ
ィング液塗布装置に用いられることを前提とされている
ため、コーティング液塗布速度が大きすぎないように設
計されており、これに伴いコーティング液移行速度も低
いものになっている。このため、上記コーティング液保
持部材は3層構造のコーティング液塗布装置用のものと
しては、コーティング液移行速度が低すぎてコーティン
グ液の塗布量の絶対量が少なく、単位時間当たりの通紙
枚数が多くなる等の高負荷条件下では一定量のコーティ
ング液を長時間にわたり塗布し難くなるという問題があ
った。
【0009】従って、本発明の目的は、コーティング液
移行速度を十分に大きくでき、粘度の比較的低いコーテ
ィング液を使用可能で、高負荷条件下でもコーティング
液を一定量、長時間にわたり塗布できる構造の多孔質セ
ラミックス及びその製造方法、該多孔質セラミックスか
らなるコーティング液保持部材、及びコーティング液塗
布装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者は鋭意検討を行った結果、内部に微細径空隙及び
気孔を有する耐熱性無機材料からなる多孔質セラミック
スであって、前記微細径空隙は少なくとも一部が該多孔
質セラミックスの表面及び前記気孔に連通すると共に全
微細径空隙容積の特定量が特定径であり、前記気孔は少
なくとも一部が前記微細径空隙を介して該多孔質セラミ
ックス表面に連通すると共に特定径である多孔質セラミ
ックスであれば、これをコーティング液保持部材として
用いることにより、コーティング液移行速度が十分に大
きく、コーティング液を一定量、長時間にわたり塗布で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、内部に微細径空隙及
び気孔を有する耐熱性無機材料からなる多孔質セラミッ
クスであって、前記微細径空隙は少なくとも一部が該多
孔質セラミックスの表面及び前記気孔に連通すると共に
全微細径空隙容積の40%以上が径30〜200μm の
細孔からなり、前記気孔は少なくとも一部が前記微細径
空隙を介して該多孔質セラミックス表面に連通すると共
に平均気孔径200〜2000μm であることを特徴と
する多孔質セラミックスを提供するものである。ここで
「全微細径空隙容積の40%以上が径30〜200μm
の細孔からなり」とは、孔径が30〜200μm の範囲
内にある微細径空隙の総和が全微細径空隙に対して容積
比で40%以上であることを意味する。
【0012】また、本発明は、前記多孔質セラミックス
からなることを特徴とするコーティング液保持部材を提
供するものである。
【0013】また、本発明は、前記コーティング液保持
部材の表面にフェルト層が形成されることを特徴とする
コーティング液塗布装置を提供するものである。
【0014】また、本発明は、前記フェルト層の表面に
さらにPTFE多孔質膜層が形成されることを特徴とす
るコーティング液塗布装置を提供するものである。
【0015】また、本発明は、平均繊維径6〜30μm
、平均繊維長0.1〜10mmの耐熱性繊維100重量
部、無機結合材5〜300重量部、有機結合材1〜10
0重量部、耐水性粒状有機物1〜300重量部、及び水
50〜300重量部からなる混練物を成形し、乾燥し、
脱脂後400〜1500℃で焼成することを特徴とする
多孔質セラミックスの製造方法を提供するものである。
【0016】また、本発明は、平均繊維径1〜30μm
、平均繊維長0.03〜100mmの耐熱性繊維100
重量部、平均粒径0.01〜2mmの耐水性無機充填材1
0〜200重量部、無機結合材5〜300重量部、有機
結合材1〜100重量部、耐水性粒状有機物1〜300
重量部、及び水50〜300重量部からなる混練物を成
形し、乾燥し、脱脂後400〜1500℃で焼成するこ
とを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法を提供す
るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る多孔質セラミ
ックスについて説明する。本発明に係る多孔質セラミッ
クスを構成する耐熱性無機材料は、400℃以上、好ま
しくは600℃以上の加熱下で化学的及び機械的に安定
な無機材料である。耐熱性無機材料としては特に限定さ
れないが、例えば、耐熱性繊維又は耐熱性繊維及び耐水
性無機充填材を、無機結合材で相互に結合して形成され
るものが挙げられる。
【0018】耐熱性繊維は、無機結合材で相互に結合し
て繊維間空隙を形成する無機骨材であり、耐熱性繊維と
しては、例えば、ガラス繊維、ロックウール、アルミノ
シリケート質繊維、アルミナ繊維等が挙げられ、このう
ちガラス繊維が繊維径が太く耐熱温度が高いため好まし
い。耐熱性繊維は、上記のうち1種又は2種以上組み合
わせたものを用いることができる。
【0019】耐水性無機充填材は、耐熱性繊維が無機結
合材で結合されて形成する繊維間空隙を充填し、繊維間
空隙の量を調整する無機骨材であり、耐水性無機充填材
としては、例えば、シリカ、アルミナ、カオリン、ベン
トナイト、蛙目粘土及び木節粘土等の粉末が挙げられ、
粒径が制御されているものが好ましい。耐水性無機充填
材は、上記のうち1種又は2種以上組み合わせたものを
用いることができる。
【0020】無機結合材としては、例えば、珪酸ソー
ダ、コロイダルシリカ、アルミナゾル、珪酸リチウム、
ガラスフリット等が挙げられ、このうち珪酸ソーダが比
較的低温焼成で強度が高いため好ましい。無機結合材
は、上記のうち1種又は2種以上組み合わせたものを用
いることができる。
【0021】本発明に係る多孔質セラミックスは、多孔
質セラミックスであって、内部に微細径空隙及び気孔を
有する。微細径空隙は、実質的な細孔径が1〜200μ
m 程度の範囲内に分布したものであって、特にその細孔
径が30〜200μm の範囲内に分布するものの割合
が、多孔質セラミックス内部に存在する全微細径空隙の
容積の40%以上、好ましくは50%以上、より好まし
くは60%以上割合を占めるものである。上記全微細径
空隙の容積の割合が40%未満であると、コーティング
液移行速度が小さくなるため好ましくない。微細径空隙
は、多孔質セラミックス内部に存在する全微細径空隙の
うち少なくとも一部が多孔質セラミックスの表面及び気
孔に連通する。
【0022】気孔は、平均気孔径200〜2000μm
、好ましくは300〜500μm の球状、楕円状等の
空洞であり、多孔質セラミックス中に略均一に分散して
いることが好ましい。平均気孔径が200μm 未満であ
ると、微細径空隙やフェルト層の細孔径に対する孔径の
差が小さく、気孔から多孔質セラミックス表面への毛管
力が小さくなるため好ましくない。また、2000μm
を越えると、コーティング液の保持力が極度に低下して
液漏れを生じたり、コーティング液塗布性能の経時変化
が大きくなり、長時間にわたり安定して塗布性能を発揮
できないため好ましくない。気孔は、多孔質セラミック
ス内部に存在する全気孔のうち少なくとも一部が前記微
細径空隙を介して該多孔質セラミックス表面に連通す
る。
【0023】また、気孔の全体積が多孔質セラミックス
の嵩体積に対して占める割合(気孔比率ともいう)は、
好ましくは10〜50%、さらに好ましくは20〜40
%である。気孔比率が50%を越えるとオイル保持力が
低下し、毛管力作用を得難いため好ましくない。また、
気孔及び微細径空隙の全体積が多孔質セラミックスの嵩
体積に対して占める割合(総気孔率ともいう)は、好ま
しくは40〜90%、さらに好ましくは60〜80%で
ある。総気孔率が該範囲内にあるとオイル移行力及びオ
イル保持力が高くなるため好ましい。
【0024】上記構成からなる本発明に係る多孔質セラ
ミックスの細部構造の例を、図1及び図2に示す。図1
は本発明に係る多孔質セラミックスの破断面のSEM
(走査型電子顕微鏡)写真(倍率30倍)であり、図2
は本発明に係る多孔質セラミックスの断面の模式図であ
る。図1及び図2中、1は気孔、2は微細径空隙、4は
耐熱性無機材料、10は多孔質セラミックスである。図
1及び図2に示されるように、微細径空隙2は少なくと
も一部が多孔質セラミックス10の表面及び気孔1に連
通しており、気孔1は少なくとも一部が微細径空隙2を
介して多孔質セラミックス10表面に連通している。ま
た、微細径空隙2は耐熱性無機材料4中に微細な空隙と
して存在しており、気孔1は耐熱性無機材料4中に微細
径空隙2と比較して大きな径の空洞として存在してい
る。
【0025】上記本発明に係る多孔質セラミックスにお
いて、コーティング液が多孔質セラミックス内部の気孔
から微細径空隙を介して多孔質セラミックス表面に滲出
するメカニズムについて、図3及び図4を参照して説明
する。図3は、本発明に係る多孔質セラミックスをコー
ティング液保持部材として用い、該コーティング液保持
部材の表面にフェルト層を設け、さらに該フェルト層の
表面に多孔質膜層としてPTFE膜層を形成したコーテ
ィング液塗布装置の模式図である。また、図4は、上記
滲出メカニズムを説明する原理図である。図3中、10
は多孔質セラミックス、20はフェルト層、30はPT
FE多孔質膜層、40は軸、100はコーティング液塗
布装置であり、図4中、3はフェルト層の細孔、r1
気孔の径、r2 は微細径空隙の径、r3 はフェルト層の
細孔径を示し、図1及び図2と同一部材には同一符号を
付して説明を省略する。
【0026】図3及び図4において、気孔1は微細径空
隙2を介してフェルト層の細孔3と連通しており、多孔
質セラミックス10のうち主として気孔1中に保持され
たコーティング液は、r1 、r3 及びコーティング液の
表面張力γから下記式(1)で定まる毛管力Pにより、
フェルト層20に移行する。 P=2γ(1/r3 −1/r1 ) (1) すなわち、まず、コーティング液が多孔質セラミックス
10からフェルト層20に移行するためには、r3 <r
1 であることが必要である。
【0027】次に、コーティング液の移行速度Vは、通
常r2 <r1 であるため微細径空隙2が律速となり、上
記毛管力Pを下記式(2)に代入して算出される。 V=πPr2 4/8ηL (2) (式(2)中、ηはコーティング液の粘度であり、Lは
微細径空隙2の長さである。) すなわち、式(1)及び(2)より、コーティング液の
移行速度Vを大きくするためには、気孔の径r1 がフェ
ルト層の細孔径r3 よりも大きい条件の下で、微細径空
隙の径r2 を大きくすればよい。本発明に係る多孔質セ
ラミックスは、上記気孔及び微細径空隙の径として規定
される数値範囲を、r1 >r3 >r2 で示される関係と
している。ここでは、微細径空隙2は、気孔1と細孔3
との間で働く毛管現象の配管として機能させている。こ
うすることで、多孔質セラミックス10の気孔1にコー
ティング液を効果的に保持させることができ、さらに気
孔1とフェルト層20の細孔3との間で効果的に毛管力
を発生させることができ、さらにこの毛管力によって生
じる微細径空隙2中を移動するコーティング液の移行を
効率よく、また速くすることができ、しかも微細径空隙
2を介して気孔1中に保持されたコーティング液を無駄
なく細孔3に移送することができる。
【0028】次に、本発明に係る第1の多孔質セラミッ
クスの製造方法について説明する。本発明に係る第1の
多孔質セラミックスの製造方法は、平均繊維径6〜30
μm、平均繊維長0.1〜10mmの耐熱性繊維100重
量部、無機結合材5〜300重量部、有機結合材1〜1
00重量部、耐水性粒状有機物1〜300重量部、及び
水50〜300重量部からなる混練物を成形し、乾燥
し、脱脂後400〜1500℃で焼成するものである。
本発明では、多孔質セラミック中において、繊維間に形
成される空隙及び水分の消失によって形成される空隙に
よって微細径空隙を形成し、さらにそれとは別に耐水性
粒状有機物の焼失により気孔を形成する。
【0029】耐熱性繊維としては、上記多孔質セラミッ
クスの説明で例示したものと同様の材質のものが挙げら
れる。また、耐熱性繊維は、平均繊維径が6〜30μm
、好ましくは10〜20μm であり、平均繊維長が
0.1〜10mm、好ましくは1〜6mmである。平均繊維
径及び平均繊維長が上記範囲内にあると、オイル移行力
及びオイル保持力が共に高いため好ましい。耐熱性繊維
は、上記のうち、1種又は2種以上組み合わせて用いる
ことができる。
【0030】無機結合材としては、上記多孔質セラミッ
クスの説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
無機結合材は、上記のうち、1種又は2種以上組み合わ
せて用いることができる。無機結合材の配合量は、耐熱
性繊維100重量部に対して、5〜300重量部、好ま
しくは30〜100重量部である。配合量が上記範囲内
にあると、多孔質セラミックスの強度が高く、必要な微
細径空隙が得られるため好ましい。
【0031】有機結合材は、本発明に係る多孔質セラミ
ックスの原料の混練物を成形して乾燥した状態におい
て、成形物に強度を付与すると共に、混練物の粘度を高
めて成形を容易にするものである。有機結合材として
は、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール、フェノール樹
脂、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ等
が挙げられる。有機結合材は、上記のうち、1種又は2
種以上組み合わせて用いることができる。有機結合材の
配合量は、耐熱性繊維100重量部に対して、1〜10
0重量部、好ましくは5〜30重量部である。配合量が
上記範囲内にあると、成形時の伸びがよいため好まし
い。なお、有機結合材は、焼成の際に消失する。
【0032】耐水性粒状有機物は、本発明に係る多孔質
セラミックスの原料の混練物を成形して乾燥した状態に
おいて粒状で存在しつつも、焼成の際に消失して、本発
明に係る多孔質セラミックス中に気孔を生じさせるもの
である。耐水性粒状有機物としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂等
の合成樹脂、木材等の耐水性天然材料、及びカーボン粉
の略粒状物等が挙げられ、このうちポリエチレン粒状物
は粒径の種類が多く、安価であるため好ましい。なお、
合成樹脂の粒状物は、発砲体であってもよい。耐水性粒
状有機物は、平均粒径が200〜2000μm 、好まし
くは300〜500μm である。平均粒径が上記範囲内
にあると、多孔質セラミックのコーティング液保持力が
高くなるため好ましい。耐水性粒状有機物は、上記のう
ち、1種又は2種以上組み合わせて用いることができ
る。耐水性粒状有機物の配合量は、耐熱性繊維100重
量部に対して、好ましくは1〜300重量部である。配
合量を上記範囲内で変更すると、多孔質セラミックのオ
イル移行量を制御することができる。
【0033】本発明に係る第1の多孔質セラミックスの
製造方法では、まず、上記原料を水と混練して混練物を
得る。水の配合量は、成形方法の種類により異なるが、
好ましくは耐熱性繊維100重量部に対して50〜30
0重量部である。次に、上記混練物を、棒状、円筒状、
板状等、製品の使途に応じて所定の形状に成形する。成
形方法としては、特に制限はなく、例えば、押し出し成
形、プレス成形等が挙げられる。次に、得られた成形体
を常温又は加熱下で乾燥する。この際、成形体中から水
分が除去されて、繊維間空隙が形成される。乾燥条件と
しては、成形体の含水率が5%以下になる条件が採用さ
れる。例えば、成形体を加熱下で乾燥させる場合、乾燥
温度は通常50〜150℃、好ましくは80〜120℃
である。乾燥温度が上記範囲内にあると、有機結合材や
耐水性粒状有機物が分解して消失することなく短時間で
乾燥することができるため好ましい。また、成形体が乾
燥の際に変形やクラックを生じ易い場合は、適宜、乾燥
雰囲気の湿度を調整すればよい。
【0034】次に、乾燥した成形体を電気炉等で加熱す
ることにより、脱脂した後焼成し、本発明に係る多孔質
セラミックスを得る。この際、成形体中の耐水性粒状有
機物及び有機結合材が消失し、耐水性粒状有機物の消失
跡に気孔が形成される。また、脱脂の際には、電気炉等
の内に空気を送り込んで、気化した耐水性粒状有機物及
び有機結合材を炉外に除去すると共に酸欠状態にならな
いようにすると、気孔が十分、且つ、均一に形成される
ため好ましい。脱脂は、例えば、乾燥した成形体を常温
から300〜400℃まで徐々に昇温し、この温度を3
0〜50時間維持すればよい。焼成温度は400〜15
00℃、好ましくは500〜1000℃であり、焼成時
間は1〜20時間、好ましくは2〜10時間である。焼
成温度及び焼成時間が上記範囲内にあると、多孔質セラ
ミックスの強度が高く、且つ、低コストであるため好ま
しい。
【0035】次に、本発明に係る第2の多孔質セラミッ
クスの製造方法について説明する。本発明に係る第2の
多孔質セラミックスの製造方法は、平均繊維径1〜30
μm、平均繊維長0.03〜100mmの耐熱性繊維10
0重量部、平均粒径0.01〜2mmの耐水性無機充填材
10〜200重量部、無機結合材5〜300重量部、有
機結合材1〜100重量部、耐水性粒状有機物1〜30
0重量部、及び水50〜300重量部からなる混練物を
成形し、乾燥し、脱脂後400〜1500℃で焼成する
ものである。
【0036】耐熱性繊維としては、上記多孔質セラミッ
クスの説明で例示したものと同様の材質のものが挙げら
れる。耐熱性繊維は、平均繊維径が1〜30μm 、好ま
しくは1〜5μm であり、平均繊維長が0.03〜10
0mm、好ましくは1〜50mmである。平均繊維径及び平
均繊維長が上記範囲内にあると、オイル保持力とオイル
移行量とのバランスが良好になるため好ましい。耐熱性
繊維は、上記のうち、1種又は2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0037】耐水性無機充填材としては、上記多孔質セ
ラミックスの説明で例示したものと同様の材質のものが
挙げられる。耐水性無機充填材の平均粒径は0.01〜
2mm、好ましくは0.05〜0.5mmである。平均粒径
が上記範囲内にあると、径が30〜200μm の微細径
空隙を形成する上で好ましい。耐水性無機充填材は、上
記のうち、1種又は2種以上組み合わせて用いることが
できる。耐水性無機充填材の配合量は、耐熱性繊維10
0重量部に対して、10〜200重量部、好ましくは5
0〜100重量部である。配合量が上記範囲内にある
と、径が30〜200μm の微細径空隙を適量形成する
上で好ましい。
【0038】無機結合材としては、上記多孔質セラミッ
クスの説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
無機結合材は、上記のうち、1種又は2種以上組み合わ
せて用いることができる。無機結合材の配合量は、耐熱
性繊維100重量部に対して、5〜300重量部、好ま
しくは30〜100重量部である。配合量が上記範囲内
にあると、多孔質セラミックスの強度が高く、必要な微
細径空隙が得られるため好ましい。
【0039】有機結合材としては、上記第1の多孔質セ
ラミックスの製造方法の説明で例示したものと同様のも
のが挙げられる。有機結合材は、上記のうち、1種又は
2種以上組み合わせて用いることができる。有機結合材
の配合量は、耐熱性繊維100重量部に対して、1〜1
00重量部、好ましくは5〜30重量部である。配合量
が上記範囲内にあると、成形時の伸びがよいため好まし
い。なお、有機結合材は、焼成の際に消失する。
【0040】耐水性粒状有機物としては、上記第1の多
孔質セラミックスの製造方法の説明で例示したものと同
様のものが挙げられる。耐水性粒状有機物は、平均粒径
が200〜2000μm 、好ましくは300〜500μ
m である。平均粒径が上記範囲内にあると、コーティン
グ液の保持力が高いため好ましい。耐水性粒状有機物
は、上記のうち、1種又は2種以上組み合わせて用いる
ことができる。耐水性粒状有機物の配合量は、耐熱性繊
維100重量部に対して、1〜300重量部である。ま
た、該配合量を上記範囲内で変化させることによりオイ
ル移行量を制御できる。
【0041】本発明に係る第2の多孔質セラミックスの
製造方法では、配合する原料が異なる以外は、第1の多
孔質セラミックスの製造方法と同様に、混練、成形、乾
燥及び焼成して本発明に係る多孔質セラミックスを得
る。
【0042】上記本発明の多孔質セラミックスは、コー
ティング液保持部材として用いることができる。また、
用いられるコーティング液は、25℃における動粘度が
50〜100000cSt 、好ましくは50〜10000
cSt 、さらに好ましくは50〜1000cSt のものであ
る。
【0043】上記コーティング液保持部材は、その表面
にフェルト層を形成して、又は図3に示すようにフェル
ト層の表面に、さらに、多孔質膜層を形成するとコーテ
ィング液塗布装置が得られる。フェルト層に用いられる
フェルトとしては、フェルトの繊維間に形成される細孔
の平均径が10〜1000μm 、好ましくは10〜10
0μm のものが挙げられる。平均径が10μm 未満であ
ると、フェルトの密度が大きくなり柔軟性に乏しくなる
ため、コーティング液塗布量の均一性が悪くなり好まし
くない。また、平均径が1000μm を越えると、多孔
質セラミックスとの間の毛管力が十分でなくなりコーテ
ィング液移行速度が小さくなり、またオイルの保持力が
低下するため好ましくない。
【0044】多孔質膜層としては、例えばPTFE、ア
ラミド繊維紙等の多孔質膜が挙げられ、このうちPTF
E多孔質膜は、トナーの付着が少なく、孔径が小さく、
耐熱性があるため好ましい。
【0045】本発明の多孔質セラミックスは、静電複写
機や電子写真式プリンタ等の定着装置のコーティング液
塗布装置の部材であるコーティング液保持部材として使
用できる。
【0046】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限
するものではない。
【0047】実施例1、2及び比較例1 まず、表1に示す配合量の原材料混合物を混練して混練
物を得た。次に、この混練物を押し出し成形法により円
筒形状に成形した後、105℃で10時間乾燥し、硬化
した成形体を得た。さらに、この成形体を400℃まで
5℃/hr.で昇温して脱脂し、その後800℃、5時間の
条件で焼成し、メチルセルロース及びポリエチレン粉末
を気化させて消失し、外径22.5mm、内径6mm、長さ
300mmの円筒形状の多孔質セラミックスを得た。脱脂
・焼成の際には、炉内に新鮮な空気を絶えず送り込み、
メチルセルロース及びポリエチレン粉末の除去を助長す
ると共に、炉内にこれらの気化物が停滞しないようにし
た。次に、多孔質セラミックスの周囲に、厚さ2mm、目
付525g/cm2 、繊維間の空隙が約100μm のフェル
ト(日本フェルト工業株式会社製、ノーメックスフェル
ト)を巻き付け、さらに、フェルトの表面に厚さ30μ
m 、気孔率60%、最大孔径10μm のPTFE多孔質
膜をシリコーンオイルとシリコーンワニスの混合物で接
着して、オイル塗布ローラを得た。得られたオイル塗布
ローラについて、気孔比率、総気孔率、微細径空隙の積
算細孔容積、及びジメチルシリコーンオイル(信越化学
株式会社製、KF−96、オイル粘度300cSt (25
℃)を用いてコーティング液移行速度を測定した。その
結果を表1に示す。なお、微細径空隙の積算細孔容積は
水銀ポロシメーター(Micromeritics 社製、ポアサイザ
9320)で測定し、コーティング液移行速度は、以下
のようにして測定した。微細径空隙の積算細孔容積の結
果については、図5にも示す。 (コーティング液移行速度の測定)ジメチルシリコーン
オイルを100%含浸した多孔質セラミックスにフェル
トを巻き付けて定常状態(25℃、1気圧)で3日間放
置し、フェルトに移行したジメチルシリコーンオイル量
を測定した。
【0048】
【表1】
【0049】*1 平均粒径 400μm *2 多孔質セラミックス中に占める気孔の比率を示す。 *3 測定範囲 1〜200 μm
【0050】表1及び図5より、径が30〜200μm
の微細径空隙が実施例1は63%、実施例2は51%、
比較例1は32%であり、該積算細孔容積が40%以上
であるとコーティング液移行速度が大きいことがわか
る。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る多孔質セラミックスはコー
ティング液保持部材として用いられ、該コーティング液
保持部材によれば、フェルト層へのコーティング液移行
速度が大きいために、フェルト層が常にコーティング液
で浸された状態とすることができる。また、多孔質セラ
ミックス中に保持されたコーティング液のフェルト層へ
の移行をムラなく、且つ、効率よく行わせることがで
き、さらに多孔質セラミックス中に保持されたコーティ
ング液を無駄なくフェルト層への移行させることができ
る。このため、長時間にわたり一定量のコーティング液
を安定して塗布できるコーティング液塗布装置を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多孔質セラミックスの破断面のS
EM(走査型電子顕微鏡)写真(倍率30倍)である。
【図2】本発明に係る多孔質セラミックスの断面の模式
図である。
【図3】本発明に係るコーティング液塗布装置の模式図
である。
【図4】コーティング液の滲出メカニズムを説明する原
理図である。
【図5】実施例及び比較例における積算細孔容積の測定
データを示したグラフである。
【符号の説明】
1 気孔 2 微細径空隙 3 フェルト層の細孔 4 耐熱性無機材料 10 多孔質セラミックス 20 フェルト層 30 PTFE膜層 40 軸 100 コーティング液塗布装置 r1 気孔の径 r2 微細径空隙の径 r3 フェルト層の細孔径
フロントページの続き (72)発明者 堀内 修 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 (72)発明者 深瀬 宗彦 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 (72)発明者 岸田 敏之 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 (72)発明者 窪山 剛 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 Fターム(参考) 4D075 DA25 DB14 DC19 EB16 4G019 CA02 CB03 CC02 FA13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に微細径空隙及び気孔を有する耐熱
    性無機材料からなる多孔質セラミックスであって、前記
    微細径空隙は少なくとも一部が該多孔質セラミックスの
    表面及び前記気孔に連通すると共に全微細径空隙容積の
    40%以上が径30〜200μm の細孔からなり、前記
    気孔は少なくとも一部が前記微細径空隙を介して該多孔
    質セラミックス表面に連通すると共に平均気孔径200
    〜2000μm であることを特徴とする多孔質セラミッ
    クス。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性無機材料は、耐熱性繊維又は
    耐熱性繊維及び耐水性無機充填材と、無機結合材とから
    形成されるものであり、前記微細径空隙は該耐熱性繊維
    又は耐熱性繊維及び耐水性無機充填材が該無機結合材に
    より相互に結合されて形成されたものであることを特徴
    とする請求項1記載の多孔質セラミックス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の多孔質セラミック
    スからなることを特徴とするコーティング液保持部材。
  4. 【請求項4】 25℃における動粘度が50〜1000
    00cSt のコーティング液用であることを特徴とする請
    求項3記載のコーティング液保持部材。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載のコーティング液保
    持部材の表面にフェルト層が形成されることを特徴とす
    るコーティング液塗布装置。
  6. 【請求項6】 前記フェルト層の表面にさらにPTFE
    多孔質膜層が形成されることを特徴とする請求項5記載
    のコーティング液塗布装置。
  7. 【請求項7】 平均繊維径6〜30μm 、平均繊維長
    0.1〜10mmの耐熱性繊維100重量部、無機結合材
    5〜300重量部、有機結合材1〜100重量部、耐水
    性粒状有機物1〜300重量部、及び水50〜300重
    量部からなる混練物を成形し、乾燥し、脱脂後400〜
    1500℃で焼成することを特徴とする多孔質セラミッ
    クスの製造方法。
  8. 【請求項8】 平均繊維径1〜30μm 、平均繊維長
    0.03〜100mmの耐熱性繊維100重量部、平均粒
    径0.01〜2mmの耐水性無機充填材10〜200重量
    部、無機結合材5〜300重量部、有機結合材1〜10
    0重量部、耐水性粒状有機物1〜300重量部、及び水
    50〜300重量部からなる混練物を成形し、乾燥し、
    脱脂後400〜1500℃で焼成することを特徴とする
    多孔質セラミックスの製造方法。
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