JP2001138577A - 複数のドット形成要素群を用いた変則送り印刷 - Google Patents

複数のドット形成要素群を用いた変則送り印刷

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JP2001138577A
JP2001138577A JP31919999A JP31919999A JP2001138577A JP 2001138577 A JP2001138577 A JP 2001138577A JP 31919999 A JP31919999 A JP 31919999A JP 31919999 A JP31919999 A JP 31919999A JP 2001138577 A JP2001138577 A JP 2001138577A
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Munehide Kanetani
宗秀 金谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数のドット形成要素を備えた印刷ヘッドを
用いて高品位の印刷画質を得る。 【解決手段】 印刷ヘッドは、N個のノズルを備えてお
り、隣接する2つのノズル群の間の副走査方向に沿った
最小要素ピッチはk・Dである。また、N個のノズル
は、それぞれN/M個のノズルを含むM個(MとN/M
はそれぞれ2以上の整数)のノズル群に分類されてい
る。i番目と(i+1)番目のノズル群とは群間ピッチ
pgi ・Dだけ副走査方向にずれている。印刷の動作
は、M個のノズル群が同一のドット形成可能位置パター
ンを有するように、かつ、M個のノズル群のそれぞれの
ドット形成可能位置パターンを互いにシフトさせること
によって印刷領域内のすべてのドット位置でドットが形
成可能になるように行われる。また、副走査は、複数の
異なる送り量の組合せを用いて行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のノズル群を
用いた印刷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術による印刷装置としては、例え
ば、1文字ずつ印刷を行うシリアルプリンタ、1行ずつ
印刷を行うラインプリンタ等が知られているが、例え
ば、シリアルノンインパクトインクジェットプリンタ
は、複数のノズルが形成された印刷ヘッドを主走査方向
に駆動させつつ各ノズルからインク滴を吐出させ、主走
査方向と直交する副走査方向に用紙等の印刷媒体を搬送
することにより、印刷データに応じた印刷結果を得るよ
うになっている。しかし、かかる従来のインクジェット
プリンタでは、印刷媒体上の隣接するドットラインが同
一のノズルから吐出されるインク滴によって形成される
ため、ノズル特性のバラツキ等が目立ちやすく、印刷品
質が低いという問題がある。
【0003】そこで、例えば、米国特許第419864
2号等に記載されているように、駆動ノズル数nとノズ
ルピッチkとが互いに素の関係に立つように設定し、n
ドットピッチの一定の副走査量で紙送りを行うという、
いわゆる定ピッチ副走査のインターレース印刷が提案さ
れている。
【0004】図1は、従来のインターレース印刷を示す
説明図である。印刷ヘッド100には、副走査方向にN
個(図示例ではN=9)のノズル(#1〜#9)が所定
のノズルピッチk・D(図示例ではk=4)で配設され
ている。また、副走査送りは、一定の送り量L・Dで行
われている。図1に示す例では、全てのノズルを駆動ノ
ズルとして用いるため、ノズル個数Nと駆動ノズル数n
とは等しい。ここで、Dは印刷解像度であり、「ドット
ピッチ」とも呼ばれている。なお、以下では、ドットピ
ッチDの整数倍で定義される各種のパラメータ(k・
D,L・D等)として、その整数部分のみを用いること
がある。例えば、kを「ノズルピッチ」と呼び、Lを
「送り量」と呼ぶ。インターレース印刷を行うときに
は、ノズルピッチkと副走査送り量L(=n)とは互い
に素の関係にある。ここで、2つの整数が「互いに素」
であるとは、2つの整数が1以外の公約数を持たないこ
とを意味する。例えば、k=4の場合、副走査方向の印
刷解像度を360dpiとすると、ノズルピッチkは、
4ドット(4/360インチ)となる。同様に、紙送り
量、即ち副走査送り量L(=n)は、9ドット(9/3
60インチ)となる。
【0005】図1に示す如く、印刷ヘッド100の主走
査を1回行う度にLドットピッチの副走査を行うことに
より、隣接するドットラインは互いに異なるノズルによ
って形成される。例えば、1回目の主走査パスで#7ノ
ズルが形成するドットラインの次のドットラインは#5
ノズルにより形成され、さらに次のドットラインは#3
ノズルによって形成され、さらに次のドットラインは#
1ノズルによって形成される。従って、インターレース
印刷を用いることにより、ノズル特性のバラツキ等が分
散されるため、高品位の印刷画像を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によるインタ
ーレース印刷方式のインクジェットプリンタでは、一定
のノズルピッチkが得られることを前提とした上で、ノ
ズルピッチkと駆動ノズル数nとが互いに素の関係に立
つように設定し、nドットピッチの一定の紙送りを行っ
ている。
【0007】ところで、近年は、印刷速度向上の要請等
により、従来よりも多数のノズルを印刷ヘッドに形成す
るという「多ノズル化」の必要性が高まっている。しか
し、多数のノズルを一定のノズルピッチで安定的に形成
するのは困難であり、ノズルピッチが途中で変動した
り、一部のノズルに不良を生じる可能性がある。所定の
ノズルピッチを得られない場合に、従来技術によるイン
ターレース印刷を実行しても、ラスタが重なったり、印
刷不能のラスタを生じるため、印刷品質が大幅に低下す
る。従って、印刷ヘッドに多数のノズルを形成する場合
は、所定のノズルピッチを確保しなければならないが、
歩留まりが低下するため、製造コストも上昇する。換言
すれば、従来技術では、近年における多ノズル化の要請
を何ら考慮しておらず、一定のノズルピッチが得られる
ことを前提としているため、一定のノズルピッチを得る
のが難しい多ノズルの印刷装置にそのまま適用すること
ができない。
【0008】本発明は、従来技術における上述の課題を
解決するためになされたものであり、多数のドット形成
要素を備えた印刷ヘッドを用いて高品位の印刷画質を得
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述あるいは他の目的の少なくとも一部を達成するため、
本発明は、印刷媒体上の印刷領域内でドットを形成する
ことによって印刷を行う印刷装置を提供する。この印刷
装置は、印刷ヘッドと、印刷ヘッドと印刷媒体の少なく
とも一方を第1の走査方向に移動させる第1の走査駆動
部と、印刷ヘッドと印刷媒体の少なくとも一方を第1の
走査方向とは直交する第2の走査方向に移動させる第2
の走査駆動部と、印刷イメージデータに基づいて印刷ヘ
ッドを駆動することによって印刷媒体上にドットを形成
する印刷ヘッド駆動部とを備える。印刷ヘッドは、N個
(Nは4以上の整数)のドット形成要素を備えており、
印刷ヘッド内における隣接する2つのドット形成要素の
間の第2の走査方向に沿った最小要素ピッチはk・D
(kは整数、Dは印刷解像度に相当するドットピッチ)
である。また、N個のドット形成要素は、それぞれN/
M個のドット形成要素を含むM個(MとN/Mはそれぞ
れ2以上の整数)のドット形成要素群に分類されてい
る。M個のドット形成要素群の中のi番目(iは1〜
(M−1)の整数)と(i+1)番目のドット形成要素
群とは群間ピッチpgi ・D(pgi は前記kとは異な
る整数)だけ前記第2の走査方向にずれている。第1お
よび第2の走査と印刷ヘッドの駆動は、M個のドット形
成要素群が同一のドット形成可能位置パターンを有する
ように、かつ、M個のドット形成要素群のそれぞれのド
ット形成可能位置パターンを互いにシフトさせることに
よって印刷領域内のすべてのドット位置でドットが形成
可能になるように行われる。また、第2の走査は、複数
の異なる送り量の組合せを用いて印刷ヘッドと印刷媒体
の少なくとも一方を第2の走査方向に搬送することによ
って行われる。
【0010】ここで、「ドット形成要素」とは、印刷媒
体にドットを形成するための機構あるいは手段を意味
し、例えば、圧電振動子やヒータ等によってノズル穴か
らインク滴を吐出させるインクジェット式アクチュエー
タ等が該当する。
【0011】上記の印刷装置では、副走査送りとして複
数の異なる値を組合せて用いるので、送り量として一定
値を使用する場合に比べて、印刷方式のパラメータに関
する制限が緩和される。従って、多数のドット形成要素
を備えた印刷ヘッドを用いても、高画質が得られるよう
に、印刷方式のパラメータを容易に設定することが可能
である。
【0012】本発明の1つの態様によれば、隣接するド
ット形成要素群は、前記第2の走査方向に沿って間隙を
空けて分離されており、各ドット形成要素群の前記N/
M個のドット形成要素は、前記第1の走査方向に沿った
各走査において、前記第2の走査方向に沿ってほぼ一列
に並ぶ同一のN/M個のドットを前記最小要素ピッチk
・Dで形成することが可能である。
【0013】実施態様においては、前記M個のドット形
成要素群のそれぞれの前記同一パターンは、Mドットの
ピッチで周期的に配列された前記第1の走査方向の複数
のドットラインで構成される。
【0014】なお、前記第1の走査方向をS回(Sは正
の整数)スキャンして前記第1の走査方向のドットライ
ンを形成するとき、第2の走査方向の送り量Lj・D
は、(k・S)/M回分の送りにおけるLj/Mの平均
値がN/(M・S)に等しく、かつ、Lj/Mの1番目
からj番目までの値L1〜Ljの累算値(ΣLj/M)
(j=1〜k・S/M)をk/Mで除した余りが、0〜
{(k/M)−1}の範囲の各値をそれぞれS回ずつ取
るように設定されていることが好ましい。こうすれば、
記録されるラスタに抜けや不要な重複無しに、印刷を行
うことが可能である。
【0015】なお、i番目と(i+1)番目のドット形
成要素群との間は群間距離pni ・D(pni は整数)
だけ離れており、前記pni は1番目からi番目までの
値pn1 〜pni の累算値(Σpni )をドット形成要
素群数Mで除した余りの(M−1)個の値が1〜(M−
1)の互いに異なる値を取るように設定されることが好
ましい。ここで、「群間距離」とは、隣接するドット形
成要素群同士の離間距離を意味し、より具体的には、隣
接するドット形成要素群の各ドット形成要素のうち最も
近接するドット形成要素間のピッチを意味する。
【0016】このように、N個のドット形成要素をM個
のドット形成要素群にグループ化し、各ドット形成要素
群の群間距離pni ・Dを上記のように設定した場合に
は、各ドット形成要素群内で所定の最小要素ピッチk・
Dを実現していればよい。換言すれば、所定の最小要素
ピッチk・Dでドット形成要素が配設されたドット形成
要素群を集積化することにより、多数のドット形成要素
を有する印刷ヘッドを容易に得ることができる。
【0017】印刷ヘッドは、それぞれN/M個のドット
形成要素を有するM個のドット形成要素ユニットを前記
第2の走査方向に前記群間距離pni ・Dだけ離間させ
て配設することにより形成されており、各ドット形成要
素ユニットの前記N/M個のドット形成要素は、前記第
2の走査方向に前記最小要素ピッチk・Dと等しいピッ
チを有しているようにしてもよい。
【0018】ドット形成要素が最小要素ピッチk・Dで
配設されたドット形成要素ユニットを複数個用いること
により、従来よりも多数のドット形成要素を有する印刷
ヘッドを容易に得ることができる。即ち、多数のドット
形成要素を印刷ヘッドに一度に作り込むよりも、複数の
各ドット形成要素ユニットを配設して印刷ヘッドを形成
する方が歩留まりが高く、製造コストが低減する。
【0019】各ドット形成要素ユニットは、それぞれ複
数のドット形成要素が前記第2の走査方向に前記最小要
素ピッチk・Dの2倍の要素ピッチ2k・Dで形成され
た偶数ドット形成要素列及び奇数ドット形成要素列を、
前記第1の走査方向に離間させて配置することにより形
成されているようにしてもよい。
【0020】2個のドット形成要素列を第1の走査方向
に並べて配置することにより、各ドット形成要素列にお
ける最小要素ピッチを、一列で形成する場合の2倍(=
2k・D)にすることができる。従って、1つのドット
形成要素ユニットに多くのドット形成要素を容易に形成
することができる。
【0021】第1の走査は、前記スキャン回数Sに応じ
た第1の走査方向速度によって前記印刷ヘッドと前記印
刷媒体の少なくとも一方を前記第1の走査方向に駆動す
ることによって行うようにしてもよい。
【0022】例えば、スキャン回数Sを2に設定した場
合(S=2)は、第1の走査方向の連続したドットライ
ンを2回のスキャンによって形成することになる。従っ
て、印刷ヘッドまたは印刷媒体の送り速度(第1の走査
方向速度)がS=1の場合と同一であれば、印刷速度が
半分に低下する。そこで、スキャン回数Sに応じて印刷
ヘッドまたは印刷媒体の送り速度を動的に変化させるこ
とにより、印刷スループットを低下させることなく高品
位の印刷画質を得ることができる。ここで、「スキャン
回数Sに応じた第1の走査方向速度」とは、より詳しく
は、スキャン回数Sに比例した第1の走査方向速度の意
味である。なお、第1の走査方向速度はスキャン回数S
に比例させることが好ましいが、本発明はこれに限定さ
れない。
【0023】本発明の他の態様においては、前記M個の
ドット形成要素群のそれぞれの前記同一パターンは、前
記第1の走査方向の各ドットライン上においてMドット
のピッチで周期的に配列された複数のドットで構成され
る。
【0024】また、第1の走査方向をS回(Sは正の整
数)スキャンして前記第1の走査方向のドットラインを
形成するとき、第2の走査方向の送り量Lj・Dは、
(k・S)/M回分の送りにおけるLj/Mの平均値が
N/(M・S)に等しく、かつ、Lj/Mの1番目から
j番目までの値L1〜Ljの累算値(ΣLj/M)(j
=1〜k・S/M)をk/Mで除した余りが、0〜
{(k/M)−1}の範囲の各値をそれぞれS回ずつ取
るように設定されていることが好ましい。こうすれば、
記録されるラスタに抜けや不要な重複無しに、印刷を行
うことが可能である。
【0025】なお、i番目と(i+1)番目のドット形
成要素群との間は群間距離pni ・D(pni は整数)
だけ離れており、pni はkとは異なる整数値に設定さ
れることが好ましい。
【0026】N個のドット形成要素をM個のドット形成
要素群にグループ化し、各ドット形成要素群の群間距離
pni ・Dを上記のように設定した場合には、各ドット
形成要素群内で所定の最小要素ピッチk・Dを実現して
いればよい。換言すれば、所定の最小要素ピッチk・D
でドット形成要素が配設されたドット形成要素群を集積
化することにより、多数のドット形成要素を有する印刷
ヘッドを容易に得ることができる。
【0027】印刷ヘッドにおいて、前記第2の走査方向
に前記最小要素ピッチk・Dで配設された複数のドット
形成要素のうち一部のドット形成要素を休止させること
により前記M個のドット形成要素群が形成されているよ
うにしてもよい。
【0028】つまり、所定の最小要素ピッチk・Dで複
数のドット形成要素を形成しておき、一部のドット形成
要素を使用しないことにより、複数のドット形成要素群
を得ることができる。この場合、群間距離pni ・Dは
最小要素ピッチk・Dの倍数となる。これにより、例え
ば、ドット形成要素の一部に特性劣化や抜け等の不良が
生じた場合に、当該ドット形成要素を休止させることに
よって、インターレース印刷を行うこともできる。
【0029】本発明の他の態様では、前記N個のドット
形成要素は、それぞれM個のドット形成要素を含むBN
個(BNはN/Mに等しい整数)のブロックに区分され
ており、隣接するブロックは互いにブロック間距離pb
・D(pbはkと不等の正の整数)だけ離れているとと
もに、各ブロックにおける対応するドット形成要素によ
って前記M個のドット形成要素群が形成されている。ま
た、各ブロック内の前記M個のドット形成要素は、前記
第1の走査方向に沿った各走査において、前記第2の走
査方向に沿ってほぼ一列に並ぶ同一のM個のドットを前
記最小要素ピッチk・Dで形成することが可能である。
【0030】例えば、10個のドット形成要素を2個の
ブロックに分けた場合(N=10、BN=2)を考える
と、各ブロックはそれぞれ5個ずつのドット形成要素に
よって構成される(N/BN=10/2=5)。従っ
て、各ブロック内には、第1番目のドット形成要素〜第
5番目のドット形成要素までの5個のドット形成要素が
それぞれ存在する。そこで、各ブロックの第1番目のド
ット形成要素同士、第2番目のドット形成要素同士、第
3番目のドット形成要素同士のように、各ブロック内に
おける対応するドット形成要素をグループ化することに
より、5つのドット形成要素群を構成することができ
る。このように、ドット形成要素群を構成した場合も、
インターレース方式によるオーバーラップ印刷を行うこ
とができる。
【0031】印刷ヘッドにおいて前記第2の走査方向に
前記最小要素ピッチk・Dで配設された複数のドット形
成要素のうち一部のドット形成要素を休止させることに
より前記BN個のブロックが形成されているようにして
もよい。
【0032】また、第1の走査は、スキャン回数M・S
に応じた第1の走査方向速度によって前記印刷ヘッドと
前記印刷媒体の少なくとも一方を前記第1の走査方向に
駆動することによって行うようにしてもよい。
【0033】ここで、M個のドット形成要素群は、同一
のドットラインをそれぞれS回ずつスキャンすることに
なる。例えば、2個のドット形成要素群M1,M2が形
成されている場合、印刷領域内の各ドットラインは、第
1のドット形成要素群M1によってスキャンされると共
に、第2のドット形成要素群M2によってもスキャンさ
れる。そして、各ドット形成要素群M1,M2の各スキ
ャンによって、第1の走査方向に連続したドットライン
が形成される。従って、前記Sは、各ドット形成要素群
がそれぞれスキャンする回数を示すものであるため、
「群スキャン回数S」として表現することもできる。
【0034】さて、例えば、Sを2に設定した場合(S
=2)は、第1の走査方向の連続したドットラインを2
M回のスキャンによって形成することになる。従って、
印刷ヘッドまたは印刷媒体の送り速度(第1の走査方向
速度)がS=1の場合と同一であれば、印刷速度が半分
に低下する。そこで、スキャン回数M・Sに応じて印刷
ヘッドの送り速度を適応的に変化させることにより、印
刷スループットを低下させることなく高品位の印刷画質
を得ることができる。
【0035】ここで、「スキャン回数M・Sに応じた第
1の走査方向速度」とは、より詳しくは、スキャン回数
M・Sに応じて増加する第1の走査方向速度の意味であ
る。第1の走査方向速度はスキャン回数M・Sに比例さ
せることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。
【0036】なお、本発明は、印刷方法および装置、印
刷装置に供給すべき印刷データを生成するための印刷制
御方法および装置、それらの方法または装置の機能を実
現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュー
タプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプ
ログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等
の種々の態様で実現することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態を
以下の順に説明する。 A.定則送りの印刷方式の基本的条件: B.変則送りの印刷方式の基本的条件: C.印刷装置の構成: D.変則送りの印刷方式の実施例: E.印刷ヘッドの変形例: F.その他の変形例:
【0038】A.定則送りの印刷方式の基本的条件: A−1.1つのノズル群を用いた定則送り印刷方式の基
本的条件:図2は、1つのノズル群を用いた定則送り印
刷方式の基本的条件を示すための説明図である。図2
(A)において、数字を含む実線の丸は、各副走査送り
後の4個のノズルの副走査方向の位置を示している。丸
の中の数字1〜4は、ノズル番号を意味している。な
お、「定則送り」とは、副走査送り量が一定値であるこ
とを意味する。
【0039】図2(B)には、この印刷方式に関する種
々のパラメータが示されている。印刷方式のパラメータ
には、ノズルピッチk[ドット]と、使用ノズル個数N
1[個]と、スキャン回数Sと、副走査送り量L[ドッ
ト]と、が含まれている。スキャン回数S[回]は、何
回の主走査で各ラスタをドットで埋めつくすかを示す回
数である。図2の例では、1回の主走査で各ラスタが埋
めつくされているので、S=1である。
【0040】図2の例では、ノズルピッチkは3ドット
であり、使用ノズル個数N1は4個である。なお、使用
ノズル個数N1は、実装されている複数個のノズルの中
で実際に使用されるノズルの個数である。スキャン回数
Sは、一回の主走査において(s−1)ドットおきに間
欠的にドットを形成することを意味している。従って、
スキャン回数Sは、各ラスタ上のすべてのドットを記録
するために使用されるノズルの数にも等しい。
【0041】図2(B)のテーブルには、各副走査送り
毎に、副走査送り量Lと、その累計値ΣLと、各副走査
送り後のノズルのオフセットFとが示されている。ここ
で、オフセットFとは、副走査送りが行われていない最
初のノズルの周期的な位置(図2では4ドットおきの位
置)をオフセット0の基準位置と仮定した時に、副走査
送り後のノズルの位置が基準位置から副走査方向に何ド
ット離れているかを示す値である。例えば、図2(A)
に示すように、1回目の副走査送りによって、ノズルの
位置は副走査送り量L(4ドット)だけ副走査方向に移
動する。一方、ノズルピッチkは3ドットである。従っ
て、1回目の副走査送り後のノズルのオフセットFは1
である(図2(A)参照)。同様にして、2回目の副走
査送り後のノズルの位置は、初期位置からΣL=8ドッ
ト移動しており、そのオフセットFは2である。3回目
の副走査送り後のノズルの位置は、初期位置からΣL=
12ドット移動しており、そのオフセットFは0であ
る。3回の副走査送りによってノズルのオフセットFは
0に戻るので、3回の副走査を1サイクルとして、この
サイクルを繰り返すことによって、印刷領域内のラスタ
上のすべてのドットを記録することができる。
【0042】上記の例からも解るように、ノズルの位置
が初期位置からノズルピッチkの整数倍だけ離れた位置
にある時には、オフセットFはゼロである。また、オフ
セットFは、副走査送り量Lの累計値ΣLをノズルピッ
チkで割った余り(ΣL)%kで与えられる。ここで、
「%」は、除算の余りをとることを示す演算子である。
なお、ノズルの初期位置を周期的な位置と考えれば、オ
フセットFは、ノズルの初期位置からの位相のずれ量を
示しているものと考えることもできる。
【0043】スキャン回数Sが1で副走査送り量Lが一
定の場合には、記録されるラスタに抜けや重複が無いよ
うにするために次の条件C1を満足する必要がある。
【0044】[条件C1]:副走査送り量Lは使用ノズ
ル数N1に等しく、かつ、副走査送り量L(=N1)と
ノズルピッチkとは互いに素の関係にある。
【0045】この条件C1は、次のように考えることに
よって理解できる。すなわち、ラスタの抜けが無いよう
に記録を行うと、k回の走査の間にN1×k本のラスタ
が記録される。このとき、k回の副走査送り後のノズル
の位置は、初期のノズル位置からN1×kラスタ分だけ
離れた位置に来るはずである。このようなノズル位置を
実現するには、「副走査送り量Lを使用ノズル数N1に
等しく」設定すればよい。また、記録されるラスタに抜
けや重複が無いようにするためには、k回の各副走査送
りにおけるそれぞれのオフセットFの値が0〜(k−
1)の範囲の互いに異なる値を取る必要がある。このよ
うなオフセットFの値を実現するには、「副走査送り量
Lとノズルピッチkとを互いに素の関係に」設定すれば
よい。ここで、「互いに素の関係」とは、2つの整数が
1以外の公約数を持たないことを意味する。上記の条件
C1を満足することによって、記録されるラスタに抜け
や重複を無くすることができる。
【0046】図3は、スキャン回数Sが2以上の場合の
定則送りの印刷方式の基本的条件を示すための説明図で
ある。図3に示す印刷方式は、図2(B)に示す印刷方
式のパラメータの中で、スキャン回数Sと副走査送り量
Lとを変更したものである。図3(A)からも解るよう
に、図3の印刷方式における副走査送り量Lは2ドット
の一定値である。図3(A)においては、奇数回目の副
走査送りの後のノズルの位置を、菱形で示している。図
3(A)の右端に示すように、奇数回目の副走査送りの
後に記録されるドット位置は、偶数回目の副走査送りの
後に記録されるドット位置と、主走査方向に1ドット分
だけずれている。従って、同一のラスタ上の複数のドッ
トは、異なる2つのノズルによってそれぞれ間欠的に記
録されることになる。例えば、印刷領域内の最上端のラ
スタは、1回目の副走査送り後に3番のノズルで1ドッ
トおきに間欠的に記録された後に、4回目の副走査送り
後に1番のノズルで1ドットおきに間欠的に記録され
る。このように、スキャン回数Sが2以上の場合には、
同一のラスタがS本の異なるノズルで記録される。
【0047】図3(B)のテーブルの最下段には、複数
回の副走査後のオフセットFの値が示されている。1回
目から6回目までの各回の副走査送りの後のオフセット
Fは、0〜2の範囲の値を2回ずつ含んでいる。
【0048】一般に、スキャン回数Sが2以上の場合に
は、1本のラスタがS回の走査で記録されるので、実効
的なノズル数がN1/Sになっているものと考えること
ができる。従って、副走査送り量Lは、この実効ノズル
数N1/Sに等しく設定すればよい。すなわち、スキャ
ン回数Sが2以上の整数の場合には、上述した条件C1
は、以下の条件C1’のように書き換えられる。
【0049】[条件C1’]:副走査送り量Lは実効ノ
ズル数N1/Sに等しく、かつ、副走査送り量L(=N
1/S)とノズルピッチkとは互いに素の関係にある。
【0050】この条件C1’においても副走査送り量L
とノズルピッチkとは互いに素の関係にあるので、k回
の副走査送りの後のオフセットFは、図3(B)にも示
すように、0〜(k−1)の範囲の異なる値を取る。ま
た、k×S回の副走査送りの後のオフセットFは、0〜
(k−1)の範囲の異なる値をそれぞれS回ずつ取る。
なお、スキャン回数Sは、N1/Sが1以上の整数とな
るように選ばれる。
【0051】上記の条件C1’は、スキャン回数Sが1
の場合にも成立する。従って、条件C1’は、スキャン
回数Sの値に係わらず、1組のノズル群を用いて一定の
送り量Lで副走査送りを行う印刷方式に関して一般的に
成立する条件である。但し、スキャン回数Sが2以上の
場合には、同じラスタを記録するノズルの記録位置を互
いに主走査方向にずらすという条件も必要である。
【0052】A−2.複数のノズル群を用いた定則送り
印刷方式の基本的条件:図4は、複数のノズル群を用い
た定則送りの第1の印刷方式の基本的条件を示すための
説明図である。M個のノズル群NG1 〜NGM (図4で
はM=3)は、同じノズル配列を有しており、一定のノ
ズルピッチkで配列されたN1個のノズルをそれぞれ有
している。従って、M個のノズル群NG1 〜NGM の総
ノズル数Nは、N1・Mに等しい。なお、i番目のノズ
ル群NGi と(i+1)番目のノズル群NGI+1 との間
の距離(「群間距離」と呼ぶ)は、pni ドットであ
る。また、i番目のノズル群NGi と(i+1)番目の
ノズル群NGi+1 との対応するノズルの間の距離(「群
間ピッチ」と呼ぶ)は、pgi ドットである。
【0053】図4の右側には、各ノズル群で記録される
ラスタが区別されて示されている。これから解るよう
に、第1の印刷方式では、各ノズル群が互いに異なるラ
スタを記録しており、各ノズル群で記録されるラスタ
は、Mドットのピッチで周期的に配列されている(第1
の印刷方式でこのようなラスタがどのように記録される
については後で詳述する)。すなわち、第1の印刷方式
では、各ノズル群が記録を実行するラスタの配置は、M
ドットのピッチで周期的に配列された同一のパターンを
示しており、この同一のパターンを各ノズル群毎に少し
ずつずらすことによって、印刷領域内のすべてのドット
を記録し得るようにしている。
【0054】図4の印刷方式では、各ノズル群はノズル
ピッチkで配列された複数のノズルを用いて、Mドット
のピッチで配列されたラスタを記録しているので、副走
査送り量Lは1つのノズル群を用いる場合の送り量N1
/SのM倍にする。また、この印刷方式は、各ノズル群
がノズルピッチ(k/M)のノズルを用いて1ドットピ
ッチのラスタを記録する印刷方式とほぼ等価なので、実
効ノズル数N1/Sとk/Mとを互いに素の関係に設定
する。このとき、上記条件C1’は、次のように書き換
えることができる。
【0055】[条件C2a]:副走査送り量Lは実効ノ
ズル数N1/SのM倍(=N/S)に等しく、かつ、実
効ノズル数N1/S(=N/(M・S))と(k/M)
とは互いに素の関係にある。
【0056】この条件C2aを満足すれば、各ノズル群
は、Mドットのピッチで配列されたラスタをそれぞれ記
録することができる。なお、ノズルピッチkとノズル群
数Mとは、(k/M)が1以上の整数となるように選ば
れる。一方、図4の右側に示すように、各ノズル群で記
録されるラスタ群が互いに少しずつずれるようにするに
は、以下に示す条件C2bを満足すればよい。
【0057】[条件C2b]:(Σpni )%Mの(M
−1)個の値が、1〜(M−1)の互いに異なる値を取
る。
【0058】ここで、(Σpni )は、1番目からi番
目(iは1〜(M−1)の整数)までの群間距離pn1
〜pni の累算値を示し、演算子「%」は除算の余りを
とる演算を示す。群間距離pni が上記の条件C2bを
満たせば、(M−1)個の群間距離pn1 〜pnM-1
互いに等しい値でもよい。
【0059】なお、条件C2bにおいて群間距離pni
の代わりに群間ピッチpgi を用いた次の条件C2cも
成立する。
【0060】[条件C2c]:(Σpgi )%Mの(M
−1)個の値が、1〜(M−1)の互いに異なる値を取
る。
【0061】群間ピッチpgi は1つのノズル群の両端
のノズルの間の距離k・(N1−1)よりも小さくとる
こともできるので、条件C2bよりも条件C2cの方が
より一般的な条件である。すなわち、条件C2bは、よ
り一般的な条件C2cを満足する特定の場合に成立する
条件である。
【0062】図5は、複数のノズル群を用いた定則送り
の第2の印刷方式の基本的条件を示すための説明図であ
る。この印刷方式においては、各ノズル群がすべてのラ
スタ上で記録を行い、各ノズル群は1ラスタの全ドット
のうちの1/Mの記録を担当する。換言すれば、1つの
ノズル群で記録されるドットは、各ラスタ上においてM
ドットのピッチで配置されている(このようなドットが
どのように記録されるか、については後で詳述する)。
このような印刷方式は、各ノズル群がすべてのラスタ上
で記録を実行するので、副走査送りに関しては、図3に
示した1つのノズル群のみを用いる印刷方式と同じ次の
条件が成立する。
【0063】[条件C3a]:副走査送り量Lは実効ノ
ズル数N1/S(=N/(M・S))に等しく、かつ、
副走査送り量L(=N/(M・S))とノズルピッチk
とは互いに素の関係にある。
【0064】また、群間距離pni に関しては、上記条
件C2bよりも緩やかな次の条件C3bを満たせばよ
い。
【0065】[条件C3b]:群間距離pni はノズル
ピッチkとは異なる値を取る。
【0066】同様に、群間ピッチpgi に関しては、上
記条件C2cよりも緩やかな次の条件C3cを満たせば
よい。
【0067】[条件C3c]:群間ピッチpgi はノズ
ルピッチkとは異なる値を取る。
【0068】なお、図5に示す定則送りの第2の印刷方
式では、各ラスタがM個のノズル群で記録され、かつ、
各ノズル群は1つのラスタ上でS回の走査で記録を行
う。各ラスタはM・S回の走査で記録されるので、(M
・S)を「ラスタスキャン回数」と呼ぶ。また、1つの
ノズル群のスキャン回数Sを「群スキャン回数」も呼
ぶ。
【0069】なお、図5の例では、列方向(垂直方向)
のドットラインが1つのノズル群で記録されているが、
後述する図17および図18の例のように、列方向のド
ットラインを異なるノズル群で記録することも可能であ
る。この場合にも、各ノズル群によって記録されるドッ
トは、各ラスタ上においてMドットのピッチで配置され
ており、そのノズル群で記録されるドットの位置がラス
タ毎に行方向にずれてゆく配置を取る。すなわち、定則
送りの第2の印刷方式では、各ノズル群が記録を実行す
るドットの配置は、各ラスタ上においてMドットのピッ
チで周期的に配置されるという同一のパターンを示して
おり、この同一のパターンを各ノズル群毎に少しずつず
らすことによって、印刷領域内のすべてのドットを記録
し得るようにしている。
【0070】なお、この明細書において、「ドットライ
ン」という用語は、行方向(水平方向)に並ぶドットで
形成されるライン(すなわちラスタ)と、列方向(垂直
方向)に並ぶドットで形成されるラインとの総称として
も用いられている。
【0071】上述した定則送りの第1の印刷方式では、
各ノズル群はMドットのピッチで配列されたラスタ上の
全ドットの記録を実行し、一方、定則送りの第2の印刷
方式では、各ノズル群は全ラスタ上で記録を実行する
が、各ラスタ上においてはMドットのピッチで配列され
たドットの記録を実行する。しかし、第1と第2の印刷
方式は、「複数のノズル群の記録位置が同一の記録位置
パターンを形成し、かつ、複数のノズル群のそれぞれの
記録位置パターンを互いにずらすことによって、印刷領
域内のすべてのドット位置を記録し得るようになってい
る」という点では共通している。ここで、「同一の記録
位置パターン」は、第1の印刷方式では「Mドットのピ
ッチで配列されたラスタ」で構成されるパターンであ
り、第2の印刷方式では「各ラスタ上においてMドット
のピッチで配列されたドット」で構成されるパターンで
ある。
【0072】B.変則送りの印刷方式の基本的条件:図
6は、複数のノズル群を用いて変則的送りを行う第1の
印刷方式の基本的条件を示すための説明図である。ここ
で、「変則的送り」とは、送り量として複数の異なる値
の組合せを用いる副走査の方式を意味する。これに対し
て、図4,図5に示した印刷方式は、送り量として一定
値を用いるので、「定則送り」と呼ばれる。
【0073】図6に示したM個のノズル群NG1 〜NG
M の配列は、図4に示した定則送りの第1の印刷方式と
同じである。また、図6の下部に示した条件は、図4に
示した定則送りの第1の印刷方式の条件とは、副走査送
り量Ljが異なるだけであり、他の条件は定則送りの第
1の印刷方式と同じである。
【0074】但し、変則送りの印刷方式では、スキャン
回数Sが整数に限定されず、小数を含む値を採用するこ
とができる。スキャン回数Sが整数の場合には、すべて
のラスタ上においてオーバーラップ印刷(2回以上の主
走査で全ドットの記録を完了すること)が行われる。こ
れに対して、スキャン回数Sが小数部を含む場合には、
一部のラスタ上においてはオーバーラップ印刷が行わ
れ、他のラスタ上においてはオーバーラップ印刷が行わ
れないこともあり得る。このような印刷は、「部分オー
バーラップ印刷」とも呼ばれる。変則送りの印刷方式で
は、定則送りに比べてパラメータに関する制限が緩和さ
れているので、部分オーバーラップ印刷も可能である。
【0075】図6に示す変則送りの第1の印刷方式にお
いても、定則送りの第1の印刷方式と同様に、各ノズル
群が互いに異なるラスタを記録しており、各ノズル群で
記録されるラスタは、Mドットのピッチで周期的に配列
されている。すなわち、変則送りの第1の印刷方式で
は、各ノズル群が記録を実行するラスタの配置は、Mド
ットのピッチで周期的に配列された同一のパターンを示
しており、この同一のパターンを各ノズル群毎に少しず
つずらすことによって、印刷領域内のすべてのドットを
記録し得るようにしている。
【0076】ところで、前述した図3において説明した
ように、1つのノズル群を用いる定則送りの印刷方式で
は、下記に再掲する条件C1’が満足される。
【0077】[条件C1’]:副走査送り量Lは実効ノ
ズル数N1/Sに等しく、かつ、副走査送り量L(=N
1/S)とノズルピッチkとは互いに素の関係にある。
【0078】この条件C1’を満足すれば、k・S回の
副走査送り後のオフセットF(F=(ΣL)%k)が、
0〜(k−1)の範囲の各値をそれぞれS回ずつ取るこ
とを確保できる。この結果、印刷領域内のすべてのドッ
トを、無駄な重複や抜けが無い状態で記録することがで
きる。
【0079】変則送りの印刷方式では、このような条件
C1’を満足することはできない。しかし、条件C1’
とその効果とを考察すれば、変則送りの印刷方式におい
ては、以下のように副走査送り量Ljを設定すればよい
ことが理解できる。
【0080】[条件C4]:k・S回の副走査送り量L
jの平均値 ave(Lj)は実効ノズル数N1/Sに等し
く、かつ、k・S回中のj回目(j=1〜k・S)の副
走査送り時のオフセット(ΣLj)%kが、0〜(k−
1)の範囲の各値をそれぞれS回ずつ取る。
【0081】ここで、(ΣLj)は、1番目からj番目
までの送り量L1 〜Lj の累算値を示し、演算子「%」
は除算の余りをとる演算を示す。
【0082】なお、この条件C4は、1つのノズル群の
みを用いた場合に適用できる条件である。図4において
説明したように、M個のノズル群を用いた場合には、各
ノズル群は、Mドットのピッチで配列されたラスタの記
録を担当する。従って、副走査送り量Ljの1/M倍の
値が、上記の条件C4を満足すればよい。また、条件C
4のノズルピッチkに関する値も、実質的に1/Mにな
ったものと考えればよい。そこで、変則送りの第1の印
刷方式では、上記の条件C4は、以下の条件C4aのよ
うに書き換えられる。
【0083】[条件C4a]:k・S/M回の副走査送
り量Ljの1群当たりの平均値 ave(Lj/M)は実効
ノズル数N1/Sに等しく、かつ、k・S/M回中のj
回目(j=1〜k・S/M)の副走査送り時の値{(Σ
Lj/M)%(k/M)}が、0〜{(k/M)−1}
の範囲の各値をそれぞれS回ずつ取る。
【0084】ここで、(ΣLj)は、1番目からj番目
までの送り量L1 〜Lj の累算値を示し、演算子「%」
は除算の余りをとる演算を示す。
【0085】この条件C4aを満足すれば、各ノズル群
は、Mドットのピッチで配列されたラスタをそれぞれS
回ずつ走査することができる。そして、印刷領域内のす
べてのドットを、無駄な重複や抜けが無い状態で記録す
ることができる。
【0086】また、定則送りの第1の印刷方式に関する
他の条件C2b,C2cは、そのまま変則送りの条件C
4b,C4cとして採用することができる。
【0087】[条件C4b]:(Σpni )%Mの(M
−1)個の値が、1〜(M−1)の互いに異なる値を取
る。
【0088】[条件C4c]:(Σpgi )%Mの(M
−1)個の値が、1〜(M−1)の互いに異なる値を取
る。
【0089】なお、群間ピッチpgi に関する条件C4
cは、群間距離pni にかんする条件C4bよりも緩や
かである。すなわち、条件C4cが満たされていれば、
条件C4bは満たされる必要は無い。
【0090】図7は、変則送りの第2の印刷方式の基本
的条件を示すための説明図である。この変則送りの第2
の印刷方式も、図5に示した定則送りの第2の印刷方式
と同様に、各ノズル群がすべてのラスタ上で記録を行
い、各ノズル群は1ラスタの全ドットのうちの1/Mの
記録を担当する。換言すれば、1つのノズル群で記録さ
れるドットは、各ラスタ上においてMドットのピッチで
配置されている。このような印刷方式では、各ノズル群
がすべてのラスタ上で記録を実行するので、副走査送り
量Ljに関しては、上述した1つのノズル群を用いた印
刷方式に関する条件C4と同様な次の条件C5aが成立
する。
【0091】[条件C5a]:k・S回の副走査送り量
Ljの平均値 ave(Lj)は実効ノズル数N1/Sに等
しく、かつ、k・S回中のj回目(j=1〜k・S)の
副走査送り時のオフセット(ΣLj)%kが、0〜(k
−1)の範囲の各値をそれぞれS回ずつ取る。
【0092】また、定則送りの第2の印刷方式に関する
他の条件C3b,C3cは、そのまま変則送りの条件C
5b,C5cとして採用することができる。
【0093】[条件C5b]:群間距離pni の少なく
とも1つは、ノズルピッチkとは異なる値を取る。
【0094】[条件C5c]:群間ピッチpgi の少な
くとも1つは、ノズルピッチkとは異なる値を取る。
【0095】なお、群間ピッチpgi に関する条件C5
cは、群間距離pni にかんする条件C5bよりも緩や
かである。すなわち、条件C5cが満たされていれば、
条件C5bは満たされる必要は無い。
【0096】図7の例では、列方向(垂直方向)のドッ
トラインが1つのノズル群で記録されているが、複数の
ノズル群を用いて列方向のドットラインを記録すること
も可能である。この場合にも、各ノズル群によって記録
されるドットは、各ラスタ上においてMドットのピッチ
で配置されており、そのノズル群で記録されるドットの
位置がラスタ毎に行方向にずれてゆく配置を取る。すな
わち、変則送りの第2の印刷方式では、各ノズル群が記
録を実行するドットの配置は、各ラスタ上においてMド
ットのピッチで周期的に配置されるという同一のパター
ンを示しており、この同一のパターンを各ノズル群毎に
少しずつずらすことによって、印刷領域内のすべてのド
ットを記録し得るようにしている。
【0097】上述した変則送りの第1と第2の印刷方式
では、副走査送り量Ljとして種々の値が用いられるの
で、使用されるノズル数に関する条件を、定則送りに比
べて緩和することが可能である。この結果、実装されて
いるノズルをより多く使用して印刷を行えるので、印刷
速度を向上させることができる。また、変則送りの印刷
方式では、送り量の配列を調整することにより、同一の
ラスタの記録を実行するノズルの組合せを変更すること
ができる。この結果、同一のラスタの記録を実行するノ
ズルの組合せに応じて発生するバンディング(主走査方
向の筋状の画像劣化)を低減することが可能である。す
なわち、変則送りの印刷方式では、より高画質の画像を
より高速に印刷することができるという利点がある。
【0098】また、同じ印刷ヘッドを用いても、変則送
りを実現する副走査送り量の配列としては、複数種類の
ものが適用可能である。従って、変則送りの印刷方式で
は、高画質が得られるように、印刷方式のパラメータを
容易に設定することが可能である。
【0099】C.印刷装置の構成:図8は、本発明の一
実施例としてのインクジェットプリンタ1の全体構成を
示す説明図である。このインクジェットプリンタ1は、
印刷ヘッド2と、主走査駆動部3と、副走査駆動部4
と、駆動部制御部5と、データ格納部6と、印刷ヘッド
駆動部7と、主走査速度管理テーブル8とを備えてい
る。なお、本実施の形態では、「第1の走査方向」を主
走査方向(図中の左右方向)と、「第2の走査方向」を
副走査方向(図中の上下方向)と、それぞれ表現する。
【0100】印刷ヘッド2には、「ドット形成要素群」
としての第1のノズル群2aと第2のノズル群2bと
が、副走査方向に所定の群間距離pn・Dだけ離間して
配設されている。この群間距離pn・Dは、印刷解像度
におけるドットピッチDのpn倍に相当する距離の意味
である。図8の場合のように、ノズル群数Mが2の場合
には、群間距離pnとしては、2の倍数ではない自然数
(すなわち奇数)が選択される。
【0101】各ノズル群2a,2bは、図9に示す通
り、それぞれ「ドット形成要素ユニット」としてのアク
チュエータユニット10から構成されており、各ノズル
群2a,2bは、それぞれN1個(図示例ではN1=
5)の「ドット形成要素」としてのノズルを備えてい
る。換言すれば、N個(N=N1+N1=10)のノズ
ルは、2個のノズル群2a,2bにグループ化されてい
る。ここで、ノズル数Nは、4以上の整数である。
【0102】そして、各ノズル群2a,2b内で、各ノ
ズルは、「最小要素ピッチ」としてのノズルピッチk・
Dをもって副走査方向に配設されている。ここで、ノズ
ルピッチk・Dは、ドットピッチDのk倍に相当する距
離であり、kは、ノズル群数Mの倍数である。
【0103】「第1の走査駆動部」としての主走査駆動
部3は、印刷ヘッド2を、例えばシート状の印刷用紙等
からなる印刷媒体SPに対して主走査方向(図8中の左
右方向)に駆動する。また、「第2の走査駆動部」とし
ての副走査駆動部4は、主走査方向に対して直交する副
走査方向(図8中の上下方向)に印刷媒体SPを搬送す
るように駆動する。
【0104】駆動部制御部5は、主走査駆動部による駆
動量及び駆動タイミング等を制御することにより、印刷
ヘッド2を主走査方向に移動させる。また、駆動部制御
部5は、コンピュータ300から供給された印刷データ
に従って、副走査駆動部4による印刷媒体SPの搬送量
を決定し、いわゆるインターレース印刷方式によってド
ットを形成するように制御する。
【0105】コンピュータ300内のプリンタドライバ
は310、印刷データを生成して、データ格納部6に供
給する。なお、印刷データは、副走査送り量を示すデー
タと、各ラスタライン上におけるドットの記録状態を示
すラスタデータと、を含んでいる。プリンタドライバ3
10は、上述したような変則送りの各種の印刷方式をプ
リンタ1に実行させための印刷データを生成して、デー
タ格納部6に供給している。なお、プリンタドライバ3
10は、コンピュータ300内の図示しないメモリ(記
録媒体)に格納されたコンピュータプログラムである。
【0106】データ格納部6は、印刷データを格納する
メモリからなり、メモリ内には、図示せぬデータブロッ
ク領域が形成されている。そして、印刷ヘッド駆動部7
は、データ格納部6に格納される印刷データに基づいて
印刷ヘッド2に通電することで、第1のノズル群2a及
び第2のノズル群2bの所定のノズルから印刷媒体SP
にインクを吐出させ、これにより印刷データに基づいた
印刷結果を得るようになっている。
【0107】主走査速度管理テーブル8は、「第1の走
査方向速度」としての主走査速度VSを主走査方向のス
キャン回数Sに応じて動的に制御するためのものであ
る。即ち、主走査速度管理テーブル8には、スキャン回
数Sの異なるそれぞれの印刷モードに対応付けて、印刷
ヘッド2の移動速度である主走査速度VSが記憶されて
いる。ここで、スキャン回数S=1の場合、つまり、主
走査方向のドットラインを1回の走査で形成する場合の
主走査速度VS1を基準速度とすると、スキャン回数S
の倍率に応じて主走査速度VSが増大するように設定さ
れている。即ち、S=2のときの主走査速度VS2は基
準速度VS1の2倍に設定されており、S=3のときの
主走査速度VS3は基準速度VS1の3倍に設定されて
いる。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、S=2
のときの主走査速度VS2を基準速度VS1の1.5倍
に設定等してもよい。
【0108】図9は、印刷ヘッド2の平面図である。印
刷ヘッド2は、複数個(図9では2個)のアクチュエー
タユニット10から構成されており、各アクチュエータ
ユニット10間は群間距離pn・Dだけ離間している。
各アクチュエータユニット10には、複数のノズルアク
チュエータが形成されている。
【0109】図10は、各ノズルアクチュエータの断面
図である。流路形成板11には、インク室12、インク
供給口13、圧力室14が形成されている。外部のイン
クタンク(図示せず)内のインクは、インク室12から
インク供給口13を介して圧力室14内に供給される。
流路形成板11の背面側には、振動板15が設けられて
おり、振動板15にはアイランド部16が形成されてい
る。圧電振動子17は、このアイランド部16に一端側
が当接するようにして設けられている。この圧電振動子
17は、例えば、充電されると収縮し、放電されると伸
長するように形成されている。
【0110】そして、ノズルプレート20には、各ノズ
ルアクチュエータにそれぞれ対応した複数のノズル穴2
1が形成されている。各ノズル穴21は、各アクチュエ
ータユニット10毎にノズルピッチkDをもって形成さ
れている。図7にも示すように、このノズルプレート2
0をアクチュエータユニット10上に設けることによ
り、印刷ヘッド2が形成される。なお、これに限らず、
例えば、マイクロヒータ等を用い、該ヒータの加熱によ
り発生させた気泡によってインク滴を吐出させるように
構成することもできる。
【0111】各ノズルアクチュエータは、圧力室14等
のインク流路と圧電振動子17とを備えた複雑な構造で
あるため、単一のアクチュエータユニット10に多数の
ノズルアクチュエータを安定的に作り込むのは難しい。
しかし、本実施の形態では、複数のアクチュエータユニ
ット10を配設することにより印刷ヘッド2を構成する
ため、多数のノズルアクチュエータを備えた印刷ヘッド
2を容易に得ることができる。
【0112】D.変則送りの印刷方式の実施例: D−1.変則送りの第1印刷方式の実施例:図11は、
変則送りの第1印刷方式の第1実施例のパラメータを示
す説明図であり、図12は、その印刷処理の様子を示す
説明図である。この印刷方式では、ノズル群数M=2、
単群ノズル数N1=6、総ノズル数N=12、ノズルピ
ッチk=4、スキャン回数S=1、群間距離pn=5で
ある。また、副走査送りの1サイクルは、2回(=k・
S/M)の送りを含んでいる。また、図11の表には、
1サイクル分の副走査送り量Ljと、これを1/Mした
値Lj/M(以下、「単群送り量」と呼ぶ)と、その累
算値Σ(Li/M)と、オフセットF(=(ΣLi/
M)%(k/M))とが示されている。
【0113】図11の下端に示されているように、1サ
イクル中の単群送り量Lj/Mの平均値 ave(Li/
M)は6であり、実効ノズル数N1/Sに等しい。ま
た、1サイクル中のオフセットFは、0〜1の範囲の各
値をそれぞれ1回ずつ取っている。従って、図11の印
刷方式は、上述した条件C4aを満足していることが解
る。また、群間距離pnも、条件C4bを満足してい
る。
【0114】図12に示されているように、2つのノズ
ル群201a,201bのそれぞれは、印刷領域内のラ
スタを2本に1本の割合で交互に記録対象としている。
この結果、印刷領域中のすべてのラスタが、抜けや不要
な重複無く記録される。
【0115】図13は、変則送りの第1印刷方式の第2
実施例のパラメータを示す説明図であり、図14は、そ
の印刷処理の様子を示す説明図である。この印刷方式で
は、ノズル群数M=3、単群ノズル数N1=4、総ノズ
ル数N=12、ノズルピッチk=6、スキャン回数S=
1、群間距離pn1=pn2=7である。また、副走査
送りの1サイクルは、2回(=k・S/M)の送りを含
んでいる。
【0116】図13の下端に示されているように、1サ
イクル中の単群送り量Lj/Mの平均値 ave(Lj/
M)は4であり、実効ノズル数N1/Sに等しい。ま
た、図13の表に示すように、1サイクル中のオフセッ
トFは、0〜1の範囲の各値をそれぞれ1回ずつ取って
いる。従って、図13の印刷方式は、上述した条件C4
aを満足していることが解る。また、群間距離pnも、
条件C4bを満足している。
【0117】図14に示されているように、3つのノズ
ル群202a〜202cのそれぞれは、印刷領域内のラ
スタを3本に1本の割合で交互に記録対象としている。
この結果、印刷領域中のすべてのラスタが、抜けや不要
な重複無く記録される。
【0118】図15は、変則送りの第1印刷方式の第3
実施例のパラメータを示す説明図であり、図16は、そ
の印刷処理の様子を示す説明図である。この印刷方式で
は、ノズル群数M=3、単群ノズル数N1=4、総ノズ
ル数N=12、ノズルピッチk=3、スキャン回数S=
2、群間距離pn1=pn2=7である。また、副走査
送りの1サイクルは、2回(=k・S/M)の送りを含
んでいる。
【0119】図15の下端に示されているように、1サ
イクル中の単群送り量Lj/Mの平均値 ave(Li/
M)は2であり、実効ノズル数N1/Sに等しい。ま
た、図15の表に示すように、1サイクル中のオフセッ
トFは、0を2回取っている。従って、図15の印刷方
式は、上述した条件C4aを満足していることが解る。
また、群間距離pnも、条件C4bを満足している。
【0120】図16に示されているように、3つのノズ
ル群203a〜203cのそれぞれは、印刷領域内のラ
スタを3本に1本の割合で交互に記録対象としている。
また、各ラスタ上の記録は、異なる2つのノズルを用い
て実行される。
【0121】なお、白四角は、そのラスタ上において第
1のノズル群203aが1回目の走査を行う時に記録対
象となるドットを示しており、黒四角は2回目の走査を
行う時に記録対象となるドットを示している。同様に、
黒三角は、そのラスタ上において第2のノズル群203
bが2回目の走査を行う時に記録対象となるドットを示
しており、黒丸は、第3のノズル群203cが2回目の
走査を行う時に記録対象となるドットを示している。但
し、各ラスタ上において、1回目の走査時に記録対象と
なるドット位置と、2回目の走査時に記録対象となるド
ット位置とは交換可能である。
【0122】D−2.変則送りの第2印刷方式の実施
例:図17は、変則送りの第2印刷方式の第1実施例の
パラメータを示す説明図であり、図18は、その印刷処
理の様子を示す説明図である。この印刷方式では、ノズ
ル群数M=2、単群ノズル数N1=6、総ノズル数N=
12、ノズルピッチk=4、スキャン回数S=1、群間
距離pn=6である。また、副走査送りの1サイクル
は、4回(=k・S)の送りを含んでいる。図17の表
には、1サイクル分の副走査送り量Ljと、その累算値
ΣLiと、オフセットF(=(ΣLi)%k)とが示さ
れている。
【0123】図17の下端に示されているように、1サ
イクル中の平均送り量 ave(Li)は6であり、実効ノ
ズル数N1/Sに等しい。また、1サイクル中のオフセ
ットFは、0〜3の範囲の各値をそれぞれ1回ずつ取っ
ている。従って、図17の印刷方式は、上述した条件C
5aを満足していることが解る。また、群間距離pn
も、条件C5bを満足している。
【0124】図18に示されているように、2つのノズ
ル群211a,211bのそれぞれは、印刷領域内のラ
スタのすべてを記録対象としている。また、各ラスタ上
のドトは、第1と第2のノズル群201a,201bに
よって交互に記録対象となっている。
【0125】図19は、変則送りの第2印刷方式の第2
実施例のパラメータを示す説明図であり、図19は、そ
の印刷処理の様子を示す説明図である。この印刷方式で
は、ノズル群数M=2、単群ノズル数N1=8、総ノズ
ル数N=16、ノズルピッチk=4、スキャン回数S=
2、群間距離pn=6である。また、副走査送りの1サ
イクルは、8回(=k・S)の送りを含んでいる。
【0126】図19の下端に示されているように、1サ
イクル中の平均送り量 ave(Li)は4であり、実効ノ
ズル数N1/Sに等しい。また、図19の表に示すよう
に、1サイクル中のオフセットFは、0〜3の範囲の各
値をそれぞれ2回ずつ取っている。従って、図19の印
刷方式は、上述した条件C5aを満足していることが解
る。また、群間距離pnも、条件C5bを満足してい
る。
【0127】図20に示されているように、2つのノズ
ル群212a,212bのそれぞれは、印刷領域内のラ
スタのすべてを記録対象としている。また、各ラスタ上
のドトは、第1と第2のノズル群212a,212bに
よって交互に記録対象となる。なお、黒四角は、そのラ
スタ上において第1のノズル群212aが2回目の走査
を行う時に記録対象となるドットを示している。同様
に、黒丸は、そのラスタ上において第2のノズル群21
2bが2回目の走査を行う時に記録対象となるドットを
示している。従って、各ラスタ上のドット記録は、4回
の走査によって完了する。
【0128】なお、変則送りの第2の印刷方式において
は、主走査速度管理テーブル8(図8)は、「第1の走
査方向速度」としての主走査速度VSを主走査方向のラ
スタスキャン回数M・Sに応じて動的に制御する。即
ち、主走査速度管理テーブル8には、スキャン回数M・
Sの異なるそれぞれの印刷モードに対応付けて、印刷ヘ
ッド71の移動速度である主走査速度VSが記憶されて
いる。ここで、群スキャン回数S=1の場合、つまり、
一つのノズル群により主走査方向のドットラインを1回
の走査で形成する場合の主走査速度VS1を基準速度と
すると、群スキャン回数Sの倍率に応じて主走査速度V
Sが増大するように設定されている。即ち、S=2のと
きの主走査速度VS2は基準速度VS1の2倍に設定さ
れており、S=3のときの主走査速度VS3は基準速度
VS1の3倍に設定されている。しかし、本発明はこれ
に限らず、例えば、S=2のときの主走査速度VS2を
基準速度VS1の1.5倍に設定等してもよい。主走査
速度は、ノズル群数Mに比例して増大させることが好ま
しいが、ノズル群数Mに依存せずに、群スキャン回数S
のみに比例するようにしてもよい。
【0129】上述した変則送りの第1と第2の印刷方式
では、複数のノズル群を用いるので、多数のノズルを備
えた印刷ヘッドを容易に得ることができる。また、副走
査送り量が一定値では無く、複数の異なる値を組み合わ
せて用いるので、副走査送り量と使用ノズル数とに関す
る制限が、定則送りに比べて緩和される。この結果、よ
り多くのノズルを用いてより高速に印刷を行うことがで
きる。さらに、同一のラスタの記録を実行するノズルの
組合せを変更することができるので、バンディング(主
走査方向の筋状の画像劣化)を低減することが可能であ
り、その結果、画質が向上するという利点もある。
【0130】E.印刷ヘッドの変形例:図21は、印刷
ヘッドの第1の変形例を示す説明図である。この印刷ヘ
ッドの特徴は、複数のアクチュエータユニットを主走査
方向にも所定距離だけずらした点にある。
【0131】この印刷ヘッドは、複数のアクチュエータ
ユニット51から構成されている。各アクチュエータユ
ニット51は、それぞれ複数のノズルを副走査方向に所
定のノズルピッチkで配設することにより形成されてい
る。
【0132】そして、これら各アクチュエータユニット
51は、互いに最も近接するノズル間の距離が所定の群
間距離pn・Dとなるように副走査方向にずらされた状
態で配設されていると共に、主走査方向に所定距離WL
だけ離間している。
【0133】このような構成によっても、各アクチュエ
ータユニット51の数だけノズル群を得ることができ
る。また、このような印刷ヘッドでは、アクチュエータ
ユニット51を主走査方向にずらし、副走査方向に重な
り得るようにしているため、印刷ヘッドの副走査方向の
長さ寸法を短縮することができる。
【0134】図22は、印刷ヘッドの第2の変形例を示
す説明図である。この印刷ヘッドの特徴は、偶数ノズル
列及び奇数ノズル列を備えたアクチュエータユニットを
副走査方向に配設することにより印刷ヘッドを形成した
点にある。
【0135】この印刷ヘッド61は、主走査方向に離間
して配設された例えば4個のノズルアレイ62を備えて
いる。これら各ノズルアレイ62は、例えば、ブラッ
ク、シアン、マゼンタ、イエロー等のように、それぞれ
が所定のインク色を担当しており、各ノズルアレイ62
からは、同色のインク滴がそれぞれ吐出されるようにな
っている。
【0136】各ノズルアレイ62は、複数のアクチュエ
ータユニット63を副走査方向に配設することにより構
成されている。各アクチュエータユニット63は、それ
ぞれ複数のノズルをノズルピッチ2k・Dで副走査方向
に配設してなる偶数ノズル列63aと奇数ノズル列63
bとを、主走査方向に離間配置することにより形成され
ている。また、互いに隣接するアクチュエータユニット
63の各ノズルのうち最も近接するノズル間の離間距離
は、所定の群間距離pn・Dとなるように設定されてい
る。
【0137】この印刷ヘッドでは、ノズルピッチが大き
いので、多ノズルで高密度印刷ヘッドを容易に製造する
ことができ、製造コストを低減することができる。
【0138】図22の例から解るように、各ノズル群に
含まれるN1個のノズルは、必ずしも一直線状に並んで
いる必要はなく、副走査方向に沿ってほぼ一列に並ぶN
1個のドットを一定のピッチkで形成することが可能で
あればよい。
【0139】図23は、印刷ヘッドの第3の変形例を示
す説明図である。この印刷ヘッドの特徴は、単一のアク
チュエータユニットを用い、一部のノズルを休止させる
ことにより、全ノズルを複数のノズル群にグループ化し
た点にある。
【0140】この印刷ヘッド101は、単一のアクチュ
エータユニット102から形成されており、該アクチュ
エータユニット102には、複数のノズルが副走査方向
に所定のノズルピッチk・Dで配設されている。そし
て、全ノズルのうち点線で示す所定のノズル103を休
止させることにより、全ノズルを第1のノズル群101
aと第2のノズル群101bとに分けている。
【0141】所定のノズル103を休止させることによ
り、各ノズル群101a,101bの群間距離pnは、
ノズルピッチkの2倍となる。
【0142】この印刷ヘッドでは、一部のノズルを休止
させることにより、全ノズルを複数のノズル群101
a,101bに分割するため、アクチュエータユニット
102に抜け等の不良ノズルが生じた場合でも、該不良
ノズルを休止させてインターレース印刷を行うことがで
きる。
【0143】図24は、印刷ヘッドの第4の変形例を示
す説明図である。この印刷ヘッドの特徴は、N個のノズ
ルをBN個のブロックに分割し、該各ブロック内の同一
順位のノズルによってM個(M=N/BN)のノズル群
を構成した点にある。
【0144】この印刷ヘッド111は、N個(N=1
0)のノズルをBN個(BN=2)のブロックに分けて
形成されている。即ち、各ブロック内におけるノズルピ
ッチkは4であり、各ブロック間のブロック間距離pb
は5である。従って、各ノズルの物理的配置は、図12
に示した変則送りの第1印刷方式の第1実施例と同一で
ある。
【0145】しかし、図24の印刷ヘッド111では、
各ノズルを駆動制御するための駆動制御上の構成単位、
即ち、ノズル群の構成が第1の実施の形態とは異なる。
各ブロックには、N/BN個(N/BN=10/2=
5)のノズルが含まれているため、各ブロックのノズル
には、第1番目〜第N/BN番目の順位をそれぞれ割り
当てることができる。
【0146】図24に即して説明すると、印刷ヘッド1
11は、2個のブロック112,113によって構成さ
れており、各ブロック112,113は、それぞれ5個
ずつのノズルを有している。各ブロック内のノズルに
は、それぞれa〜eまでの5つの順位が割り当てられて
いる。つまり、第1のブロック112は、a1〜e1ま
での5個のノズルによって構成され、第2のブロック1
13は、a2〜e2までの5個のノズルによって構成さ
れている。
【0147】この印刷ヘッド111では、ブロック11
2,113内における同一順位の2つのノズルによって
1つのノズル群を構成している。即ち、ノズルa1,a
2からなる第1のノズル群111aと、ノズルb1,b
2からなる第2のノズル群111bと、ノズルc1,c
2からなる第3のノズル群111cと、ノズルd1,d
2からなる第4のノズル群111dと、ノズルe1,e
2からなる第5のノズル群111eと、の合計5つのノ
ズル群を備えている。
【0148】各ブロック112,113内の同一順位の
ノズルによってノズル群111a〜111eを構成する
本実施の形態では、各ノズル群における2つのノズルの
間のピッチ(すなわち実効的なノズルピッチ)は、{k
・(M−1)+pb}である。すなわち、図24に示す
印刷方式では、群間ピッチがkであり、各ノズル群内の
2つのノズルの間のピッチが{k・(M−1)+pb}
である。
【0149】上述した第1ないし第4の印刷ヘッドを用
いても、変則送りの第1と第2の印刷方式を実現するこ
とが可能である。このように、変則送りの印刷方式を採
用すると、種々の構成の印刷ヘッドを用いて印刷を実行
することができる。従って、多数のノズルを備えた印刷
ヘッドを用いた印刷装置を容易に構成することが可能で
ある。
【0150】F.その他の変形例:なお、この発明は上
記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要
旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施す
ることが可能であり、例えば次のような変形も可能であ
る。
【0151】F−1.変形例1:上記実施例では、シリ
アルプリンタの例を示したが、本発明はラインプリンタ
等にも適用することができ、ファクシミリ装置や複写装
置等にも適用することができる。さらに、ファクシミリ
機能等の各種機能を複合化させた複合印刷装置にも適用
することができる。
【0152】F−2.変形例2:上記実施例において、
ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフ
トウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフト
ウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェ
アに置き換えるようにしてもよい。
【0153】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるインターレース印刷を示す説明
図。
【図2】1つのノズル群を用いた定則送り印刷方式の基
本的条件を示すための説明図。
【図3】スキャン回数Sが2以上の場合の定則送り印刷
方式の基本的条件を示すための説明図。
【図4】複数のノズル群を用いた定則送りの第1の印刷
方式の基本的条件を示すための説明図。
【図5】複数のノズル群を用いた定則送りの第2の印刷
方式の基本的条件を示すための説明図。
【図6】複数のノズル群を用いた変則送りの第1印刷方
式の基本的条件を示すための説明図。
【図7】複数のノズル群を用いた変則送りの第2印刷方
式の基本的条件を示すための説明図。
【図8】本発明の第1の印刷方式の第1の実施形態に係
る印刷装置の全体構成を示す模式図。
【図9】印刷ヘッドの構造を示す平面図。
【図10】印刷ヘッドの構造を示す断面図。
【図11】変則送りの第1印刷方式の第1実施例におけ
るパラメータを示す説明図。
【図12】変則送りの第1印刷方式の第1実施例による
印刷処理の様子を示す説明図。
【図13】変則送りの第1印刷方式の第2実施例におけ
るパラメータを示す説明図。
【図14】変則送りの第1印刷方式の第2実施例による
印刷処理の様子を示す説明図。
【図15】変則送りの第1印刷方式の第3実施例におけ
るパラメータを示す説明図。
【図16】変則送りの第1印刷方式の第3実施例による
印刷処理の様子を示す説明図。
【図17】変則送りの第2印刷方式の第1実施例におけ
るパラメータを示す説明図。
【図18】変則送りの第2印刷方式の第1実施例による
印刷処理の様子を示す説明図。
【図19】変則送りの第2印刷方式の第2実施例におけ
るパラメータを示す説明図。
【図20】変則送りの第2印刷方式の第2実施例による
印刷処理の様子を示す説明図。
【図21】印刷ヘッドの第1の変形例を示す説明図。
【図22】印刷ヘッドの第2の変形例を示す説明図。
【図23】印刷ヘッドの第3の変形例を示す説明図。
【図24】印刷ヘッドの第4の変形例を示す説明図。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ 2…印刷ヘッド 2a,2b…ノズル群 3…主走査駆動部 4…副走査駆動部 5…駆動部制御部 6…データ格納部 7…印刷ヘッド駆動部 8…主走査速度管理テーブル 10…アクチュエータユニット 11…流路形成板 12…インク室 13…インク供給口 14…圧力室 15…振動板 16…アイランド部 17…圧電振動子 20…ノズルプレート 21…ノズル穴 31…印刷ヘッド 31a,31b,31c…第1のノズル群 41…印刷ヘッド 41a,41b…ノズル群 51…アクチュエータユニット 51…印刷ヘッド 61…印刷ヘッド 62…ノズルアレイ 63…アクチュエータユニット 63a…偶数ノズル列 63b…奇数ノズル列 71…印刷ヘッド 71a,71b…ノズル群 81…印刷ヘッド 81a,81b,81c…ノズル群 91…印刷ヘッド 91a,91b…ノズル群 100…印刷ヘッド 101…印刷ヘッド 101a,101b…ノズル群 102…アクチュエータユニット 103…ノズル 111…印刷ヘッド 111a〜111e…ノズル群 112,113…ブロック 201a〜201b…ノズル群 202a〜202c…ノズル群 203a〜203c…ノズル群 211a〜211b…ノズル群 212a〜212b…ノズル群 300…コンピュータ 310…プリンタドライバ

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷媒体上の印刷領域内でドットを形成
    することによって印刷を行う印刷装置であって、 印刷ヘッドと、 前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を第1
    の走査方向に移動させる第1の走査駆動部と、 前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を前記
    第1の走査方向とは直交する第2の走査方向に移動させ
    る第2の走査駆動部と、 印刷イメージデータに基づいて前記印刷ヘッドを駆動す
    ることによって前記印刷媒体上にドットを形成する印刷
    ヘッド駆動部と、を備え、 前記印刷ヘッドはN個(Nは4以上の整数)のドット形
    成要素を備え、前記印刷ヘッド内における隣接する2つ
    のドット形成要素の間の前記第2の走査方向に沿った最
    小要素ピッチはk・D(kは整数、Dは印刷解像度に相
    当するドットピッチ)であり、 前記N個のドット形成要素はそれぞれN/M個のドット
    形成要素を含むM個(MとN/Mはそれぞれ2以上の整
    数)のドット形成要素群に分類されており、前記M個の
    ドット形成要素群の中のi番目(iは1〜(M−1)の
    整数)と(i+1)番目のドット形成要素群とは群間ピ
    ッチpgi ・D(pgi は前記kとは異なる整数)だけ
    前記第2の走査方向にずれており、 前記第1および第2の走査駆動部と前記印刷ヘッド駆動
    部とは、前記M個のドット形成要素群が同一のドット形
    成可能位置パターンを有するように、かつ、前記M個の
    ドット形成要素群のそれぞれの前記ドット形成可能位置
    パターンを互いにシフトさせることによって前記印刷領
    域内のすべてのドット位置でドットが形成可能になるよ
    うに、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体とを駆動し、 前記第2の走査駆動部は、複数の異なる送り量の組合せ
    を用いて前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一
    方を前記第2の走査方向に搬送する、印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 隣接するドット形成要素群は、前記第2の走査方向に沿
    って間隙を空けて分離されており、 各ドット形成要素群の前記N/M個のドット形成要素
    は、前記第1の走査方向に沿った各走査において、前記
    第2の走査方向に沿ってほぼ一列に並ぶ同一のN/M個
    のドットを前記最小要素ピッチk・Dで形成することが
    可能である、印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の印刷装置であって、 前記M個のドット形成要素群のそれぞれの前記同一パタ
    ーンは、Mドットのピッチで周期的に配列された前記第
    1の走査方向の複数のドットラインで構成される、印刷
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の印刷装置であって、 前記第1の走査方向をS回(Sは正の整数)スキャンし
    て前記第1の走査方向のドットラインを形成するとき、 前記第2の走査方向の送り量Lj・Dは、(k・S)/
    M回分の送りにおけるLj/Mの平均値がN/(M・
    S)に等しく、かつ、Lj/Mの1番目からj番目まで
    の値L1〜Ljの累算値(ΣLj/M)(j=1〜k・
    S/M)をk/Mで除した余りが、0〜{(k/M)−
    1}の範囲の各値をそれぞれS回ずつ取るように設定さ
    れている、印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の印刷装置であって、 前記i番目と(i+1)番目のドット形成要素群との間
    は群間距離pni ・D(pni は整数)だけ離れてお
    り、前記pni は1番目からi番目までの値pn 1 〜p
    i の累算値(Σpni )をドット形成要素群数Mで除
    した余りの(M−1)個の値が1〜(M−1)の互いに
    異なる値を取るように設定されている、印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の印刷装置であって、 前記印刷ヘッドは、それぞれN/M個のドット形成要素
    を有するM個のドット形成要素ユニットを前記第2の走
    査方向に前記群間距離pni ・Dだけ離間させて配設す
    ることにより形成されており、 各ドット形成要素ユニットの前記N/M個のドット形成
    要素は、前記第2の走査方向に前記最小要素ピッチk・
    Dと等しいピッチを有している、印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記各ドット形成要素ユニットは、それぞれ複数のドッ
    ト形成要素が前記第2の走査方向に前記最小要素ピッチ
    k・Dの2倍の要素ピッチ2k・Dで形成された偶数ド
    ット形成要素列及び奇数ドット形成要素列を、前記第1
    の走査方向に離間させて配置することにより形成されて
    いる、印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の印刷装置であって、前記
    第1の走査駆動部は、前記スキャン回数Sに応じた第1
    の走査方向速度によって前記印刷ヘッドと前記印刷媒体
    の少なくとも一方を前記第1の走査方向に駆動する、印
    刷装置。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の印刷装置であって、 前記M個のドット形成要素群のそれぞれの前記同一パタ
    ーンは、前記第1の走査方向の各ドットライン上におい
    てMドットのピッチで周期的に配列された複数のドット
    で構成される、印刷装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の印刷装置であって、 前記第1の走査方向をS回(Sは正の整数)スキャンし
    て前記第1の走査方向のドットラインを形成するとき、 前記第2の走査方向の送り量Lj・Dは、k・S回分の
    送りにおけるLjの平均値がN/(M・S)に等しく、
    かつ、Ljの1番目からj番目までの値L1〜Ljの累
    算値(ΣLj)(j=1〜k・S)をkで除した余り
    が、0〜(k−1)の範囲の各値をそれぞれS回ずつ取
    るように設定されている、印刷装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の印刷装置であって、 前記i番目と(i+1)番目のドット形成要素群との間
    は群間距離pni ・D(pni は整数)だけ離れてお
    り、前記pni の少なくとも1つはkとは異なる整数値
    に設定されている、印刷装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の印刷装置であって、 前記印刷ヘッドは、それぞれN/M個のドット形成要素
    を有するM個のドット形成要素ユニットを前記第2の走
    査方向に前記群間距離pni ・Dだけ離間させて配設す
    ることにより形成されており、 各ドット形成要素ユニットの前記N/M個のドット形成
    要素は、前記第2の走査方向に前記最小要素ピッチk・
    Dと等しいピッチを有している、印刷装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の印刷装置であって、 前記各ドット形成要素ユニットは、それぞれ複数のドッ
    ト形成要素が前記第2の走査方向に前記最小要素ピッチ
    k・Dの2倍の要素ピッチ2k・Dで形成された偶数ド
    ット形成要素列及び奇数ドット形成要素列を、前記第1
    の走査方向に離間させて配置することにより形成されて
    いる、印刷装置。
  14. 【請求項14】 請求項11記載の印刷装置であって、 前記印刷ヘッドにおいて前記第2の走査方向に前記最小
    要素ピッチk・Dで配設された複数のドット形成要素の
    うち一部のドット形成要素を休止させることにより前記
    M個のドット形成要素群が形成されている、印刷装置。
  15. 【請求項15】 請求項11記載の印刷装置であって、 前記第1の走査駆動部は、前記スキャン回数M・Sに応
    じた第1の走査方向速度によって前記印刷ヘッドと前記
    印刷媒体の少なくとも一方を前記第1の走査方向に駆動
    する、印刷装置。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記N個のドット形成要素は、それぞれM個のドット形
    成要素を含むBN個(BNはN/Mに等しい整数)のブ
    ロックに区分されており、隣接するブロックは互いにブ
    ロック間距離pb・D(pbはkと不等の正の整数)だ
    け離れているとともに、各ブロックにおける対応するド
    ット形成要素によって前記M個のドット形成要素群が形
    成されており、 前記各ブロック内の前記M個のドット形成要素は、前記
    第1の走査方向に沿った各走査において、前記第2の走
    査方向に沿ってほぼ一列に並ぶ同一のM個のドットを前
    記最小要素ピッチk・Dで形成することが可能である、
    印刷装置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の印刷装置であって、 前記印刷ヘッドは、それぞれM個のドット形成要素を有
    するBN個のドット形成要素ユニットを前記第2の走査
    方向に前記ブロック距離pb・Dだけ離間させて配設す
    ることにより形成されており、 各ドット形成要素ユニットの前記M個のドット形成要素
    は、前記第2の走査方向に前記最小要素ピッチk・Dと
    等しいピッチを有している、印刷装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の印刷装置であって、 前記各ドット形成要素ユニットは、それぞれ複数のドッ
    ト形成要素が前記第2の走査方向に前記最小要素ピッチ
    k・Dの2倍の要素ピッチ2k・Dで形成された偶数ド
    ット形成要素列及び奇数ドット形成要素列を、前記第1
    の走査方向に離間させて配置することにより形成されて
    いる、印刷装置。
  19. 【請求項19】 請求項16記載の印刷装置であって、 前記印刷ヘッドにおいて前記第2の走査方向に前記最小
    要素ピッチk・Dで配設された複数のドット形成要素の
    うち一部のドット形成要素を休止させることにより前記
    BN個のブロックが形成されている、印刷装置。
  20. 【請求項20】 請求項16記載の印刷装置であって、 前記第1の走査駆動部は、前記スキャン回数M・Sに応
    じた第1の走査方向速度によって前記印刷ヘッドと前記
    印刷媒体の少なくとも一方を前記第1の走査方向に駆動
    する、印刷装置。
  21. 【請求項21】 印刷ヘッドと印刷媒体との少なくとも
    一方を第1の走査方向に移動させつつ前記印刷媒体上の
    印刷領域内でドットを形成するとともに、前記印刷ヘッ
    ドと前記印刷媒体との少なくとも一方を前記第1の走査
    方向とは直交する第2の走査方向に移動させる印刷装置
    を用いて印刷を行う印刷方法であって、 前記印刷ヘッドはN個(Nは4以上の整数)のドット形
    成要素を備え、前記印刷ヘッド内における隣接する2つ
    のドット形成要素の間の前記第2の走査方向に沿った最
    小要素ピッチはk・D(kは整数、Dは印刷解像度に相
    当するドットピッチ)であり、 前記N個のドット形成要素はそれぞれN/M個のドット
    形成要素を含むM個(MとN/Mはそれぞれ2以上の整
    数)のドット形成要素群に分類されており、前記M個の
    ドット形成要素群の中のi番目(iは1〜(M−1)の
    整数)と(i+1)番目のドット形成要素群とは群間ピ
    ッチpgi ・D(pgi は前記kとは異なる整数)だけ
    前記第2の走査方向にずれており、 前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との少なくとも一方を前
    記第2の走査方向に搬送し、 前記M個のドット形成要素群が同一のドット形成可能位
    置パターンを有するように、かつ、前記M個のドット形
    成要素群のそれぞれの前記ドット形成可能位置パターン
    を互いにシフトさせることによって前記印刷領域内のす
    べてのドット位置でドットが形成可能になるように、前
    記印刷ヘッドと前記印刷媒体とを駆動する、印刷方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の印刷方法であって、 隣接するドット形成要素群は、前記第2の走査方向に沿
    って間隙を空けて分離されており、 各ドット形成要素群の前記N/M個のドット形成要素
    は、前記第1の走査方向に沿った各走査において、前記
    第2の走査方向に沿ってほぼ一列に並ぶ同一のN/M個
    のドットを前記最小要素ピッチk・Dで形成することが
    可能である、印刷方法。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の印刷方法であって、 前記M個のドット形成要素群のそれぞれの前記同一パタ
    ーンは、Mドットのピッチで周期的に配列された前記第
    1の走査方向の複数のドットラインで構成される、印刷
    方法。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の印刷方法であって、 前記第1の走査方向をS回(Sは正の整数)スキャンし
    て前記第1の走査方向のドットラインを形成するとき、 前記第2の走査方向の送り量Lj・Dは、(k・S)/
    M回分の送りにおけるLj/Mの平均値がN/(M・
    S)に等しく、かつ、Lj/Mの1番目からj番目まで
    の値L1/M〜Lj/Mの累算値(ΣLj/M)(j=
    1〜k・S/M)をk/Mで除した余りが、0〜{(k
    /M)−1}の範囲の各値をそれぞれS回ずつ取るよう
    に設定されている、印刷方法。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の印刷方法であって、 前記i番目と(i+1)番目のドット形成要素群との間
    は群間距離pni ・D(pni は整数)だけ離れてお
    り、前記pni は1番目からi番目までの値pn 1 〜p
    i の累算値(Σpni )をノズル群数Mで除した余り
    の(M−1)個の値が1〜(M−1)の互いに異なる値
    を取るように設定されている、印刷方法。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の印刷方法であって、 前記スキャン回数Sに応じた第1の走査方向速度によっ
    て前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を前
    記第1の走査方向に駆動する、印刷方法。
  27. 【請求項27】 請求項22記載の印刷方法であって、 前記M個のドット形成要素群のそれぞれの前記同一パタ
    ーンは、前記第1の走査方向の各ドットライン上におい
    てMドットのピッチで周期的に配列された複数のドット
    で構成される、印刷方法。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の印刷方法であって、 前記第1の走査方向をS回(Sは正の整数)スキャンし
    て前記第1の走査方向のドットラインを形成するとき、 前記第2の走査方向の送り量Lj・Dは、k・S回分の
    送りにおけるLjの平均値がN/(M・S)に等しく、
    かつ、Ljの1番目からj番目までの値L1〜Ljの累
    算値(ΣLj)(j=1〜k・S)をkで除した余り
    が、0〜(k−1)の範囲の各値をそれぞれS回ずつ取
    るように設定されている、印刷方法。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の印刷方法であって、 前記i番目と(i+1)番目のドット形成要素群との間
    は群間距離pni ・D(pni は整数)だけ離れてお
    り、前記pni の少なくとも1つはkとは異なる整数
    値に設定されている、印刷方法。
  30. 【請求項30】 請求項29記載の印刷方法であって、 前記スキャン回数M・Sに応じた第1の走査方向速度に
    よって前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方
    を前記第1の走査方向に駆動する、印刷方法。
  31. 【請求項31】 請求項21記載の印刷方法であって、 前記N個のドット形成要素は、それぞれM個のドット形
    成要素を含むBN個(BNはN/Mに等しい整数)のブ
    ロックに区分されており、隣接するブロックは互いにブ
    ロック間距離pb・D(pbはkと不等の正の整数)だ
    け離れているとともに、各ブロックにおける対応するド
    ット形成要素によって前記M個のドット形成要素群が形
    成されており、 前記各ブロック内の前記M個のドット形成要素は、前記
    第1の走査方向に沿った各走査において、前記第2の走
    査方向に沿ってほぼ一列に並ぶ同一のM個のドットを前
    記最小要素ピッチk・Dで形成することが可能である、
    印刷方法。
  32. 【請求項32】 請求項31記載の印刷方法であって、 前記スキャン回数M・Sに応じた第1の走査方向速度に
    よって前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方
    を前記第1の走査方向に駆動する、印刷方法。
  33. 【請求項33】 印刷ヘッドを備える印刷装置に、前記
    印刷ヘッドと印刷媒体の少なくとも一方を第1の走査方
    向に移動させつつ前記印刷媒体上の印刷領域内でドット
    を形成するとともに、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の
    少なくとも一方を前記第1の走査方向とは直交する第2
    の走査方向に移動させる動作を行わせるように、前記印
    刷装置に供給すべき印刷データを、コンピュータに作成
    させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体であって、 前記印刷ヘッドはN個(Nは4以上の整数)のドット形
    成要素を備え、前記印刷ヘッド内における隣接する2つ
    のドット形成要素の間の前記第2の走査方向に沿った最
    小要素ピッチはk・D(kは整数、Dは印刷解像度に相
    当するドットピッチ)であり、 前記N個のドット形成要素はそれぞれN/M個のドット
    形成要素を含むM個(MとN/Mはそれぞれ2以上の整
    数)のドット形成要素群に分類されており、前記M個の
    ドット形成要素群の中のi番目(iは1〜(M−1)の
    整数)と(i+1)番目のドット形成要素群とは群間ピ
    ッチpgi ・D(pgi は前記kとは異なる整数)だけ
    前記第2の走査方向にずれており、 前記コンピュータプログラムは、 前記M個のドット形成要素群が同一のドット形成可能位
    置パターンを有するように、かつ、前記M個のドット形
    成要素群のそれぞれの前記ドット形成可能位置パターン
    を互いにシフトさせることによって前記印刷領域内のす
    べてのドット位置でドットが形成可能とするように、前
    記印刷データを作成するプログラムを備える、コンピュ
    ータ読み取り可能な記録媒体。
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JP2009029044A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラム

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US7458660B2 (en) 2003-03-14 2008-12-02 Seiko Epson Corporation Recording apparatus, recording method, storage medium having a program stored thereon, and computer system that perform ejection operations using nozzles with a predetermined pitch
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