JP2001137692A - 反応装置 - Google Patents

反応装置

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JP2001137692A
JP2001137692A JP32321799A JP32321799A JP2001137692A JP 2001137692 A JP2001137692 A JP 2001137692A JP 32321799 A JP32321799 A JP 32321799A JP 32321799 A JP32321799 A JP 32321799A JP 2001137692 A JP2001137692 A JP 2001137692A
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reaction tank
reaction
gas
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spraying
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JP32321799A
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English (en)
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Takashi Sakashita
隆司 坂下
Takashi Kato
敬 加藤
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SOKEN TECHNICS KK
Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Original Assignee
SOKEN TECHNICS KK
Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、加熱もしくは冷却を行う反応装置に
おいて、樹脂層が金属母材から容易に剥離せず、加熱ま
たは冷却の熱衝撃に対する十分な耐久性を有するととも
に、樹脂層表面に付着物が発生しにくく、洗浄が容易な
反応装置を提供することを目的とする。 【解決手段】反応槽内壁が金属母材にガス式溶射処理を
した面に0.05〜0.2mmの厚みを有するフッ素樹
脂又はシリコン樹脂のコーティング層を有する反応装
置。溶射は、粉末合金を溶射材料に用いた粉末式溶射方
法で、膜厚は0.05〜2.0mmが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応液の除熱あるいは
加熱などを行う反応装置に関するものであり、特に、発
熱反応を伴う重合反応などに好適な洗浄性と耐久性に優
れた反応装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化学工業において、縦型反応槽、横型反
応槽など様々な反応装置が用いられている。これらの反
応装置の運転方法は、バッチ式または連続式のいずれか
であるが、バッチ式運転の場合はバッチ毎に、連続式の
場合は反応製品の品種を切り替える毎に、反応装置接液
部の洗浄が必要となる。反応槽の洗浄は、水または溶剤
などにより行われるが、その洗浄が十分でないと反応槽
内壁などに付着物が残留する。この付着物は、製品へ混
入し品質の低下や不良品の発生を引き起こす。さらに、
反応槽内壁の付着物が多いと、反応槽壁からの伝熱を阻
害したりする。付着物の種類によっては、洗浄液として
酸やアルカリ液を用いると容易に落とせるものも有る
が、その場合反応槽そのものを耐薬品性の高い材質とす
るか、耐薬品性の高い材質で反応槽内壁をライニングす
る必要がある。
【0003】このライニングは、グラスライニング及び
フッ素樹脂などの樹脂ライニングが広く用いられてい
る。グラスライニングは、炭素鋼にケイ酸塩ガラスの釉
薬を塗り800〜900℃で焼成してライニングを行う
ものであり、耐溶剤性に優れ、耐酸性もある程度有る
が、機械的衝撃および熱アルカリに弱く、樹脂が付着し
た場合にアルカリ洗浄が行えない欠点がある。一方、フ
ッ素樹脂ライニングは、フッ素樹脂粒子を含有する分散
液をコーティングした後に行うものであり、耐薬品性に
優れ、例えば特開昭57−198710号公報に記載さ
れているように、付着物がつきにくいなどの特徴がある
が、反応槽壁の熱伝導が低下するなどの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】反応槽は、通常、反応
液の温度を制御するために、反応槽の外側にジャケット
構造を有している。このジャケットからの加熱または冷
却を行う場合、反応槽本体壁の内壁側とジャケット側で
の温度差が大きく、反応槽壁境界面に熱応力が生じる。
特にステンレス鋼などの金属に樹脂ライニングを行った
反応槽では、ライニング層と金属の熱膨張係数の違いに
より、ライニング層と金属との境界面に熱応力が集中
し、樹脂層が金属から剥離する現象が発生する。また、
樹脂層を浸透した溶剤が樹脂層と金属の境界面で気化
し、その蒸気圧で樹脂層が金属から剥離する現象が起こ
る。
【0005】そこで、本発明は、加熱もしくは冷却など
を行う反応装置において、樹脂層が金属から容易に剥離
せず、加熱または冷却の熱衝撃に対する十分な耐久性を
有するとともに、樹脂層表面に付着物が発生しにくく、
洗浄が容易な反応装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の反応装置は、反
応槽が、金属母材にガス式溶射処理をした面に0.05
〜0.2mmの厚みを有するフッ素樹脂またはシリコン
樹脂のコーティング層を有している。
【0007】本発明の反応装置は、金属母材にガス式溶
射を行うことにより、フッ素樹脂またはシリコン樹脂の
コーティングを行う際に、フッ素樹脂微粒子またはシリ
コン樹脂微粒子が、溶射面の気孔(空隙)に入り込み、
焼付け時にそれらの微粒子は樹脂層のアンカー(くさ
び)としての機能を生じると共に、金属層と樹脂層との
間に傾斜機能材料層を生じる。この2つの機能により、
熱衝撃に対する密着性が大幅に改善されるとともに、密
着不良による伝熱特性の阻害を生じない。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の反応装置は、反応槽が、
金属母材にガス式溶射処理をした面に0.05〜0.2
mmの厚みを有するフッ素樹脂又はシリコン樹脂のコー
ティング層を有している。
【0009】本発明における反応槽は、ガス式溶射を行
うために、金属母材でなければならないが、ガス式溶射
ができる形状であれば、円筒状及び多角型などいずれの
形状でもよい。金属母材は、ステンレス鋼及び炭素鋼で
あることが好ましく、特にオーステナイト系ステンレス
鋼、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼及び圧
力容器用炭素鋼が好ましい。オーステナイト系ステンレ
ス鋼としては、SUS304、SUS304L、SUS
316、SUS316LおよびSUS310Sなどが挙
げられ、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼と
しては、SUS329J1、SUS329J2Lなどが
挙げられ、圧力容器用炭素鋼としてはSB材、SPV
材、SG材、SGV材、SEV材及び構造用圧延鋼材の
SS材が挙げられる。反応槽の厚みは、反応槽の設計圧
力及び温度条件などにより、形状、大きさ、反応槽に備
える冷却用または加熱用ジャケットおよび攪拌羽根など
の付帯機器などから決定されるが、通常板厚2.5〜2
00mmである。
【0010】本発明で用いる溶射は、ガス式溶射で行う
が、特に仕上がり表面粗さを小さくできる粉末式溶射法
が好ましい。粉末式溶射法の熱源は、水素ガス、都市ガ
ス、液化石油ガス、酸素−アセチレンガスなど通常用い
られる可燃性ガスであればいいが、作業環境の安全性の
面から酸素−アセチレンが最適である。粉末は、表面粗
さを小さくでき、母材と熱膨張係数の近いニッケル−ク
ロム基合金または表面硬度を高める場合はチタン・カー
バイトであることが好ましい。溶射膜厚さは、0.05
〜2.0mm程度とすれば良い。ガス粉末式溶射装置と
しては、型式6P(スルーザーメテコ社製)などが挙げ
られる。
【0011】本発明のフッ素樹脂またはシリコン樹脂の
コーティング層は、溶射処理した面に、フッ素樹脂また
はシリコン樹脂の微粒子分散液または微粒子を塗布また
は静電塗装を施し、300〜400℃で焼付け処理を行
う。この塗布または静電塗装および焼付けの工程は、数
回繰り返してもよく、通常、1〜3回繰り返し、0.0
5〜0.2mmの厚みにする。フッ素樹脂分散液として
は、PCI200番、300番、13000番(米国プ
ラズマコーティング社製)などが挙げられ、シリコン樹
脂分散液としては、PCI900番、21000番、2
2000番、26000番(米国プラズマコーティング
社製)などが挙げられる。フッ素樹脂層またはシリコン
樹脂層の厚みは、0.05〜0.2mmであるが、特
に、0.1〜0.15mmが好ましい。0.05mm未
満では、溶射層の凸部を完全に覆うことができず、部分
的に溶射層の凸部が反応槽内壁に突出し、耐薬品性及び
付着性を低下させる。0.2mmを超えると、反応槽壁
全体の熱伝達係数が低下し、ジャケットからの熱伝達が
阻害される。
【0012】本発明の反応槽は、縦型反応槽及び横型反
応槽などいずれの反応槽でも良いが、回転可能に取り付
けられた撹拌翼を有する反応槽が好ましく、特に縦型反
応槽が好ましい。また、撹拌翼などの反応槽以外の接液
部は、ガス粉末式溶射を行わずに、フッ素樹脂またはシ
リコン樹脂のコーティングを行っても良いが、前記のガ
ス粉末式溶射およびフッ素樹脂またはシリコン樹脂のコ
ーティングを行うことにより、樹脂層の密着性および耐
久性が大幅に改善される。
【0013】
【実施例】100リットルSUS304ステンレス製反
応槽(内径500φmm×直胴長さ600mm×胴板4
mm)に、ガス粉末式溶射装置6P(スルーザーメテコ
社製)を用いて、反応槽内壁を溶射処理した。溶射は、
前処理としての脱スケールSBSNでSa3(ホワイト
メタル)に仕上げ、粗面化処理としてのグリットブラス
トSBGで表面粗さ(Ra)を12〜13にした後、ニ
ッケル−クロム基合金(17Cr−4Fe−4Si−残
Ni)の粉末をガス粉末式溶射の条件で、膜厚は150
μmとした。続いて、溶射した反応槽内壁面にフッ素樹
脂分散液(PCI900品番・米国プラズマコーティン
グ社製)を塗布し、350℃で15分焼付けを行った。
分散液の使用量およびコーティング面積からフッ素樹脂
層の厚みを計算すると 0.1mmであった。この反応
槽に、撹拌装置、コンデンサー、窒素導入管を備えた上
蓋をして、反応装置Aとした。
【0014】前記反応装置Aの作成工程において、粉末
式溶射を行わなかったこと以外は、前記と同様にフッ素
樹脂コーティングを行い反応装置Bとした。
【0015】前記反応装置Aの溶射前のSUS304ス
テンレス製バフ研磨仕上げ反応槽に、撹拌装置、コンデ
ンサー、窒素導入管を備えた上蓋をして、反応装置Cと
した。
【0016】前記、反応装置A、反応装置Bおよび反応
装置Cを用いて下記の実験を行った。
【0017】<酢酸ビニル乳化重合反応>反応槽に、ポ
リビニルアルコール(PVA235、クラレ製)をイオ
ン交換水に溶かして調製したポリビニルアルコール5%
水溶液25kg、イオン交換水10kg、乳化剤である
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬製)
0.25kgおよびニューコールN−516(日本乳化
剤製)0.13kg、過硫酸カリウム0.07kgを投
入し、撹拌混合した。さらに、酢酸ビニル2kgを反応
槽に仕込み撹拌混合した。次いで、反応槽に窒素ガスを
流しながら、反応液を70℃に昇温する。反応液が70
℃に達した後、反応液を70℃に保ちながら、酢酸ビニ
ル22kgを2時間かけて滴下した。酢酸ビニルの滴下
が終了した後、さらに2時間反応液を70℃に保ち、そ
の後、30℃まで冷却した。
【0018】<溶剤洗浄>反応槽に、メチルエチルケト
ン30kgおよびトルエン30kgを投入し、85℃で
3時間撹拌混合した。
【0019】<乳化重合および溶剤洗浄繰り返し試験>
前記反応装置A、BおよびCを用いて、前記酢酸ビニル
乳化重合、重合液の抜き取り、溶剤洗浄および溶剤抜き
取りを1工程とした実験を10工程繰り返し行い、10
工程終了後の反応槽の内面を目視により観察した。観察
結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明の反応装置は、反応槽が金属母材
にガス式粉末溶射処理をした面に0.05〜0.2mm
の厚みを有するフッ素樹脂又はシリコン樹脂のコーティ
ング層を有することを特徴としており、前記実施例表1
で示したように、従来の樹脂ライニングと比較して、乳
化重合などの熱変化が比較的大きい反応及びその溶剤洗
浄に用いた場合でも、反応槽内壁(母材)と溶射したニ
ッケル−クロム基合金層と樹脂層の密着に優れている。
また、本発明の反応装置は、密着性に優れることから、
反応槽外部からの加熱および吸熱に対しても、優れた伝
熱特性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA30 AA52 BB10 BD16 EB01 FB11 FC09 4K031 AA01 AA08 AB11 CB22 CB45 DA01 FA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応槽が、金属母材にガス式溶射処理を
    した面に0.05〜0.2mmの厚みを有するフッ素樹
    脂又はシリコン樹脂のコーティング層を有することを特
    徴とする反応装置。
  2. 【請求項2】 金属母材が、オーステナイト系ステンレ
    ス鋼、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼又は
    炭素鋼であることを特徴とする請求項第1項記載の反応
    装置。
  3. 【請求項3】 ガス式溶射が粉末式溶射法であることを
    特徴とする請求項第1項または第2項記載の反応装置。
  4. 【請求項4】 粉末がニッケル−クロム基合金またはチ
    タン・カーバイトであることを特徴とする請求項第3項
    記載の反応装置。
JP32321799A 1999-11-12 1999-11-12 反応装置 Pending JP2001137692A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006289363A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Ekato Ruhr & Mischtechnik Gmbh 処理場

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006289363A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Ekato Ruhr & Mischtechnik Gmbh 処理場

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