JP2001137384A - 関節負荷装置 - Google Patents

関節負荷装置

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JP2001137384A
JP2001137384A JP32313399A JP32313399A JP2001137384A JP 2001137384 A JP2001137384 A JP 2001137384A JP 32313399 A JP32313399 A JP 32313399A JP 32313399 A JP32313399 A JP 32313399A JP 2001137384 A JP2001137384 A JP 2001137384A
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信寿 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】健常者の運動訓練装置、あるいは、高齢者や手
術後のリハビリ用の関節機能回復の運動訓練装置であっ
て、より安全で、適切な負荷設定ができ、かつ、簡便で
どこでも手軽に使用できる関節運動のための関節負荷装
置を提供することである。 【解決手段】人体の関節部分に負荷付与機構を沿わせる
とともに、該負荷付与機構の左右又は上下には肢体を固
定する2本の回動するアームと肢体を固定する固定手段
とを設け、該アームの回動に対して所望の負荷が得られ
るように、前記負荷付与機構には摩擦機構と負荷調節機
構とを設けた関節運動のための関節負荷装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高齢者やリハビリ
テーション訓練者などの低筋力者、および、健常者に対
する関節運動と筋力回復のための関節負荷装置の技術分
野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高齢者や手術後の関節機能回
復を行うための運動訓練装置としては、上肢に対して
は、手軽なものとしてダンベルやエキスパンダーや実開
平7-27621号公報に提示されているような腕や脚に着脱
自在な負荷ベルトを巻き付けるものがあり、特開平9-29
4827号公報に提示されているような大型のトレーニング
マシン等も提案されている。また、関節手術後の回復を
早めるために、筋力訓練を行う種々の関節運動のための
関節負荷装置が提案されているが、例えば、実開平5-48
928号公報、特開平6-225912号公報等に提示されている
ような、空気圧を調節して脚部を屈曲させて関節機能回
復を行うための運動装置が提案されている。なお、摩擦
付与機構としては、本発明者らが特許第2801153号公
報、特許第2733200号公報、特願平10-364487号等として
既に提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のダン
ベルなどの重りでは、訓練対象以外の関節に負荷を与え
るばかりでなく、万一の落下などで怪我をする危険が伴
い、特に、運動機能が低下している手術後のリハビリテ
ーション訓練者や高齢者等に対しては推奨できるもので
はないという問題点があった。また、エキスパンダー等
の弾性部材を用いるものでは、可動域により張力が変化
するため有効負荷範囲が狭いという問題点があった。さ
らに、ダンベルのような荷重や弾性部材を使用する負荷
装置は、負荷が一方向にしか加わらないので拮抗筋の訓
練ができないという問題点や、回復の程度に合わせてダ
ンベルの交換や弾性部材の交換を必要とする等の問題点
があった。更に、上記特開平9-294827号公報、実開平5-
48928号公報、特開平6-225912号公報等に提示されてい
る装置は、負荷範囲は広く負荷の調整は容易であるが、
大型であり手軽に使用することができないという難点が
あった。本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、その課題は、より安全で、適切な負荷設定ができ、
かつ、簡便でどこでも手軽に使用でき、姿勢によらず使
用できる関節運動のための関節負荷装置を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、人体の関節部分に負荷
付与機構を沿わせるとともに、該負荷付与機構の左右又
は上下には肢体を固定する2本の回動するアームと肢体
を固定する固定手段とを設け、該アームの回動に対して
所望の負荷が得られるように、前記負荷付与機構には摩
擦機構と負荷調節機構とを設けた関節負荷装置である。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明
は、前記請求項1の発明において、前記摩擦機構が一方
のアーム側に設けられた回転体および他方のアーム側に
設けられた受動体からなり、回転体の回転軌道に対して
所定の角度だけ傾斜した複数のローラからなる関節負荷
装置である。上記の課題を解決するために、請求項3に
記載の発明は、前記請求項2の発明において、前記回転
体および受動体は環状に形成されるとともに、互いの対
向面は傾斜を有する円錐状に形成し、前記ローラは回転
体および受動体の間に介在させた関節負荷装置である。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明
は、前記請求項1の発明において、前記摩擦機構は、一
方のアーム側に設けられた回転体および他方のアーム側
に設けられた受動体からなり、回転体と受動体とは互い
に3次元的に回動可能であり、かつ、所望の負荷が得ら
れるように回転体と受動体との間には摩擦部材が設けら
れている関節負荷装置である。
【0005】
【発明の実施の形態】ここで、本発明の人体の関節運動
のための関節負荷装置の1実施例を、図面に沿って説明
する。本実施例は、上肢(腕)の肘の関節に適用した関節
運動のための関節負荷装置であって、図1において、こ
の関節負荷装置1は上腕A固定の為の近位端用固定アー
ム2、前腕B固定の為の遠位端用回旋アーム3、および、
関節部分Cに両アーム2,3とを接合する負荷付与機構4か
らなっている。前記負荷付与機構4は図2に示すような
断面であって、前記近位端用の固定アーム2の末端には
円形の下部(身体側)アームベース41が設けられ、そのア
ームベース41の円形中心には固定軸42が固設され、固定
軸42には同軸的に摩擦機構5、遠位端用の回旋アーム3
の末端を固着した上部(外側)アームベース43、および、
負荷調整機構6の順で嵌挿されている。前記摩擦機構5
(図1、2は後述する実施例1を使用)の詳細は後述する
が、有効負荷範囲が広く、スムーズな回動が可能であっ
て、強固なものである必要がある。
【0006】そして、負荷調整機構6は摩擦機構5を介
し上部アームベース43を嵌挿して構成するが、この負荷
調整機構6はアームベース43を押圧する板バネ61、この
板バネ61の押圧力をスラストベアリング63を介して調整
するダイヤル62が設けられ、ダイヤル62は固定軸42の先
端のネジ部64に縲合している。したがって、ダイヤル62
を回すことによって、ダイヤル62自体を固定軸42に対し
て上下(左右)に移動させ、板バネ61がアームベース43を
押圧する力を調節し、結果として、負荷調整機構6に生
ずる摩擦力を調整する。なお、図示しないが、ダイヤル
62が緩まないように必要に応じて適宜のロック機構を設
ければよい。ここで、図1および図2において、近位端
用固定アーム2の末端は負荷付与機構4のアームベース41
に連結されているが、他端の適所には上腕Aを固定すべ
く伸縮性の上腕固定ベルト21,22が設けられており、こ
の伸縮性のベルト21,22は腕の固定が確実になるように
適宜の数を設ければよく、ベルトの端部には布ファスナ
ー(面ファスナー、加圧式ファスナー)23を配置して、上
腕Aの太さに合わせて両端を重ねて固定するようにすれ
ばよい。また、旋回アーム3の末端も負荷付与機構4の上
部アームベース43に連結されているが、旋回アーム3の
他端は長さ方向に伸縮自在で、軸42のまわりに回旋自在
になっており、前腕B(下腿の長さ)は屈曲運動する際に
は腕固定ベルト32の位置が移動するので、これに合わせ
て伸縮回旋するようにしてある。そして、固定アーム2
と同様に上腕Bを固定すべく前腕固定ベルト31,32が設け
られているが、このベルトは上腕の固定が確実になるよ
うに適宜数設ければよく、ベルトの端部には布ファスナ
ー33を配置して、前腕の太さに合わせてベルト31,32の
両端を重ねて固定するようにすればよい。なお、上部ア
ームベース43の外周縁には、ゴミや水が入り込まないよ
うに防塵筒部431が下方に張り出している。
【0007】上記の構成における関節に加わる負荷状態
の動作原理を説明すると、基本的には、負荷が負荷装置
の内力として与えられているため、他の関節への負荷が
避けられることである。これを解析すると次のようなも
のであると考えられる。図3(a)はダンベル等の外力Wを
用いた負荷付与を説明した図であり、図3(b)は本実施
例の内力(抵抗トルク)の負荷付与を説明した図である。
【0008】従来のダンベル等の荷重(外力)Wを用いた
負荷付与の図3(a)の状態において、W:荷重(外力)、a:
筋力作用点までの腕の長さ、b:荷重作用点までの腕の長
さ、f:筋力、R:関節力とすると筋力は、 f=b/a×
W となり、関節力は、R=f−W=(b/a−1)W
となる。
【0009】一方、本実施例の内力(抵抗トルク)の負荷
付与の図3(b)の状態において、a:筋力作用点までの腕
の長さ、c:分布力の合成作用点までの腕の長さ、f':筋
力、P:負荷分布力の総和、R':関節力、T:抵抗トルクと
すると、関節力は、 R'=f'−P となり、抵抗ト
ルクは、T=cP であるから、筋力は、 f'=
T/a=c/a×Pそれゆえ R'=(c/a−1)P
となる。
【0010】ここで、f=f'とするには、P=b/c×
W とすればよいから関節力は、 R'=(b/a−b
/c)W となり、 それゆえ R'−R=b/a×W−b/c×W−b/a×W+W =(1−b/c)W b/c>1 であるから、R'<R となる。したがっ
て、関節負荷が小さくてすむとともに、荷重(外力)Wが
作用しないため、より近位(肩等)への関節負荷は負荷装
置の自重だけとなる。
【0011】ここで、図4から図7は本発明の負荷装置
に使用する摩擦機構5の第1の実施例を示すもので、図
4は摩擦機構5の分解斜視図、図5(a) はその径方向の
断面を示す要部拡大図、図5(b) はその軸方向から見た
要部拡大図である。
【0012】この摩擦機構(回転摩擦機構)5において、
一方のアームベース41に回転体51を固着し、他方のアー
ムベース43と受動体53とは一体に形成する。そして、軸
心を中心に回転する回転体51と、回転体51の回転軌道に
沿って配列された多数のローラ52と、各ローラ52を間に
して回転体51に軸方向に対向する受動体53と、各ローラ
52を互いに間隔をおいて転動自在に保持するケージ(ロ
ーラ保持器)54とから構成されている。尚、これらは回
転摩擦機構を構成する最小限の部材であり、実際には回
転体51、受動体53及びケージ54は同軸状態を保つように
図示しないハウジング等に組付けられる。回転体51は環
状に形成され、受動体53との対向面は平面上に形成され
ている。尚、本実施例では回転摩擦機構の構造及び動作
についてのみ説明する関係上、回転体51は簡略した形状
によって示す。各ローラ52は軸方向に一様に延びる円柱
形状をなし、回転体51の周方向に等間隔で配列されてい
る。また、各ローラ52の両端面はケージ54との摩擦を少
なくするために凸球面状に形成されている。受動体53は
環状に形成され、回転体51との対向面は平面状に形成さ
れている。尚、受動体53についても回転体51と同様、簡
略した形状によって示す。ケージ54は環状に形成され、
その軸方向の厚さはローラ52の外径よりも小さく形成さ
れている。ケージ54には各ローラ52を保持する多数の孔
54aが設けられ、各孔54aには各ローラ52が転動自在に収
容されている。また、各孔54aは、図5(b) に示すよう
に各ローラ52の転動軸Xが回転体51の回転軸を含む断面
Yに対して角度θだけ傾斜するように形成されている。
【0013】なお、上記の各ローラ52の形状は同径の円
筒型としたが、各ローラ52の周面は軸方向中央から両端
に向かって徐々に外径が大きくなるように湾曲させて、
回転体51と受動体53もその形状に合わせて形成してもよ
く、逆に、各ローラ52の周面は軸方向中央から両端に向
かって徐々に外径が小さくなるように湾曲させて、回転
体51と受動体53もその形状に合わせて形成してもよい。
【0014】以上のように構成された摩擦機構5におい
ては、図6に示すように回転体51を軸方向の荷重Fを加
えた状態で回転させると、各ローラ52が回転体51及び受
動体53に接しながら転動し、これに追従してケージ54も
回転する。その際、各ローラ52は、図7に示すように回
転体51の回転軌道に対して角度θだけ傾斜した方向(一
点鎖線方向)に転動しようとするのをケージ54で規制さ
れながら回転体51の回転軌道(実線方向)に沿って移動
するため、各ローラ52と回転体51及び受動体53との間に
軸方向の荷重Fに比例した摩擦力が発生する。その際、
各ローラ52は転動しながら滑り摩擦を発生させるので、
静摩擦は発生せずに常に動摩擦による安定した抵抗力が
得られ、仮に初期の段階で静摩擦が発生したとしてもロ
ーラ52の転動によって瞬時に動摩擦に移行する。
【0015】このように、本実施例の摩擦機構5によれ
ば、各ローラ52の転動軸を回転体51の回転軸を含む断面
に対して所定の角度をなすように傾斜させ、各ローラ52
を転動させながら滑り摩擦を発生させるようにしたの
で、軸方向荷重を調節すれば回転体51の回転運動に所望
する一定の抵抗力を付与することができる。その際、前
記滑り摩擦は各ローラ52の転動を伴なうので、スティッ
ク・スリップの原因となる静摩擦を発生させることがな
く、起動に伴い急激に抵抗力が減少することがなので、
関節筋肉等を傷めることのない常に安定した抵抗力を得
る負荷装置とすることができる。また、ローラ52の軸が
アームベース41,43あるいは受動体51や回転体53との面
と平行にできるので、負荷付与機構4をコンパクトにで
き、また、製作も比較的容易である。
【0016】第1の実施例は上記のような構成であるの
で、使用に際しては、先ず負荷付与機構4を肘関節に合
わせた後、上腕Aを近位端用固定アーム2の上腕固定ベル
ト21,22を用いて布ファスナー23を重ねて固定し、同様
に、前腕Bを遠位端用の伸縮する回旋アーム3の前腕固定
ベルト31,32を用いて布ファスナー33を重ねて固定し、
負荷付与機構4における負荷調整機構6のダイヤル62を
回して適当な負荷が得られるように調整する。次に、第
1の実施例を用いて、前腕Bの曲げ延ばしを繰り返し
て、関節部分と筋力との機能回復のための訓練を行えば
よく、屈曲伸展両方の運動に対して抵抗トルクが働くた
め拮抗筋の強化も同時に図ることができる。
【0017】次に、第2の実施例の摩擦機構5を説明す
るが、図8から図11は第2の実施例を示すもので、図
8は摩擦機構の分解斜視図、図9(a) はその径方向の断
面を示す要部拡大図、図9(b)はその軸方向から見た要
部拡大図であり、第1の実施例と同様に摩擦機構5にお
いて、一方のアームベース41に回転体561を固着し、他
方のアームベース43に受動体563を固着する。
【0018】この摩擦機構(回転摩擦機構)は、軸心を中
心に回転する回転体561と、回転体561の回転軌道に沿っ
て配列された多数のローラ562と、各ローラ562を間にし
て回転体561に軸方向に対向する受動体563と、各ローラ
562を互いに間隔をおいて転動自在に保持するケージ564
と、各ローラ562を回転体561の周方向一方に付勢する多
数のばね565とから構成されている。回転体561は環状に
形成され、受動体563との対向面は平面状に形成されて
いる。各ローラ562は軸方向に一様に延びる円柱形状を
なし、回転体561の周方向に等間隔で配列されている。
また、各ローラ562の両端面はケージ564との摩擦を少な
くするために凸球面状に形成されている。受動体563は
環状に形成され、回転体561との対向面は平面状に形成
されている。また、受動体563の周縁には回転体561の外
周面を覆う周壁563aが設けられている。ケージ564は環
状に形成され、その軸方向の厚さはローラ562の外径よ
りも小さく形成されている。ケージ564には各ローラ562
を保持する多数の孔564aが設けられ、各孔564aには各
ローラ562が転動自在に収容されている。各孔564aはロ
ーラ562の一端側の基点に扇形に形成され、その基点か
ら延びる一方の辺は回転体561の回転軸を含む断面に対
して平行で、他方の辺は回転体561の回転軸を含む断面
に対して所定の角度をなすように傾斜している。また、
ケージ564の周縁には波状の凹凸をなす弾性片564bが設
けられ、弾性片564bは受動体563の周壁563aに弾性的に
圧接している。各ばね565はそれぞれケージ564の各孔56
4aの間に取付けられ、その一端はケージ564に固定され
ている。また、その他端はローラ562に係止しており、
ローラ562を回転体561の回転軌道に対して傾斜した向き
になるように付勢している。
【0019】以上のように構成された回転摩擦機構にお
いては、図10に示すように回転体561を軸方向の荷重
を加えた状態で所定方向(図中時計回り)に回転させる
と、各ローラ562が回転体561及び受動体563に接しなが
ら転動し、これに追従してケージ564も回転する。その
際、各ローラ562は回転体561の回転軌道に対して傾斜し
た方向に転動しようとするため、前記実施例と同様にし
て各ローラ562と回転体561及び受動体563との間に軸方
向の荷重に比例した摩擦力が発生する。また、図11に
示すように回転体561を前述の反対方向(図中反時計回
り)に回転させると、各ローラ562は回転体561及び受動
体563に接しながら転動するとともに、ケージ564の孔56
4a内で傾動し、各ローラ562の転動軸が回転体561の回
転軸を含む断面と平行な向きになる。これにより、この
方向の回転では各ローラ562の転動軸が回転体561の回転
軌道に対して傾斜していないため、各ローラ562による
滑り摩擦は発生せず、回転体561は円滑に回転する。ま
た、ケージ564の弾性片564bが受動体563の周壁563aに
圧接しているので、回転方向を切換える際、ケージ564
は受動体563との接触抵抗により常に各ローラ562の転動
よりも遅れて回転することから、各ローラ562は孔564a
内で速やかに向きを変えるように傾動することができ
る。更に、各ローラ562は何れの回転方向においても回
転体561の回転軌道に対して傾斜しない向きに安定しよ
うとするので、抵抗を付与したい回転方向に対しては各
ローラ562が、各バネ565で強制的に傾斜するようになっ
ている。
【0020】このように、第2の実施例では回転体561
の回転方向に応じて、各ローラ562の転動軸が回転体561
の回転軸を含む断面に対して小さく傾斜した向きと、大
きく傾斜した向きとにしたもので、一方の回転方向では
回転体561の回転運動に各ローラ562の摩擦力による大き
な抵抗を付与することができ、他方の回転方向では回転
体561に小さな抵抗を付与させる(実際には、傾斜角がほ
ぼ0°で平行でも多少の抵抗は付与されるが、この抵抗
を利用してもよい。)ことができる。したがって、回転
体561が一方に回転する場合は大きな摩擦力を、他方に
回転する場合は小さな摩擦力を発生させることができ、
左右回転の負荷の大きさを異ならしめることができ、目
的とする主働筋の訓練の為の負荷と、それより弱い拮抗
筋の為の負荷とを違えて、それぞれの筋力に合わせた負
荷を与えることができ、関節運動のための関節負荷装置
には最適である。
【0021】次に、第3の実施例の摩擦機構5を図12
から図15にそって説明するが、図12は摩擦機構5の
分解斜視図、図13(a) はその径方向の断面を示す要部
拡大図、図13(b)は要部であるローラ部分を側面から
みた拡大図であり、回転体および受動体は環状に形成さ
れるとともに、互いの対向面の傾斜は異なるような円錐
状に形成され、この間に介在する前記ローラは円錐台形
である。
【0022】すなわち、この摩擦機構(回転摩擦機構)5
は、軸心を中心に回転する回転体571と、回転体571の回
転軌道に沿って配列された多数の円錐台形のローラ572
と、各ローラ572を間にして回転体571に径方向の外側か
ら対向する受動体573と、各ローラ572を互いに間隔をお
いて転動自在に保持するケージ574とから構成されてい
る。尚、これらは摩擦機構5を構成する最小限の部材で
あり、実際には回転体571、受動体573及びケージ574は
同軸状態を保つように同軸的に組付けられる。また、第
1の実施例と同様に、回転体571はアームベース43に連
結され、受動体573は回転体571とは別のアームベース41
に固定される。回転体571は環状に形成され、受動体573
との対向面(外周面)は円錐状(実際には円錐台形)に形
成されている。尚、本実施例では摩擦機構5の構造及び
動作についてのみ説明する関係上、回転体571は簡略し
た形状によって示す。各ローラ572は円錐台形に形成さ
れ、回転体571の周方向に等間隔で配列されている。こ
の場合、各ローラ572は小径側を回転体571の小径側に、
大径側をその大径側に位置させている。受動体573は環
状に形成され、回転体571の対向面(内周面)は、円錐
状に形成されていおり、図15の断面図に示されるよう
に、受動体573の傾斜角は回転体571の傾斜角よりもやや
大きくしてある。尚、受動体573についても回転体571と
同様、簡略した形状によって図示する。ケージ574は環
状の円錐台形に形成され、その径方向の厚さは円錐台形
のローラ572の外径よりも小さく形成されている。ま
た、ケージ574には各ローラ572を転動自在に保持する多
数の孔574aが設けられ、各孔574aは、図13(b) に示す
ように各ローラ572の転動軸Xが回転体571の回転軸を含
む断面Yに対して所定の角度θだけ傾斜するように形成
されている。
【0023】以上のように構成された摩擦機構5におい
ては、回転体571を回転させると各ローラ572が回転体57
1及び受動体573に接しながら転動し、これに追従してケ
ージ574も回転する。その際、各ローラ572は、図14
(実際にはローラは円錐台形であるが、便宜的に円筒ロ
ーラで説明する。)に示すように回転体571の回転軌道に
対して所定の角度θだけ傾斜した方向(一点鎖線方向)
に転動しようとするのをケージ574で規制されながら回
転体571の回転軌道(実線方向)に沿って移動するた
め、各ローラ572と回転体571及び受動体573との間に摩
擦力が発生する。その際、各ローラ572は転動しながら
滑り摩擦を発生させるので、静摩擦は発生せずに常に動
摩擦による安定した抵抗力が得られ、仮に初期の段階で
静摩擦が発生したとしてもローラ572の転動によって瞬
時に動摩擦に移行する。本実施例では、回転体571が一
方に回転するときは、図15(a) に示すように各ローラ
572の転動軸の傾斜により、各ローラ572が回転体571及
び受動体573の円錐状の対向面における間隔の狭い方へ
移動しようとするため、各ローラ572と回転体571及び受
動体573との接触圧が高くなり、各ローラ572の摩擦力が
大きくなる。また、回転体571が他方に回転するとき
は、前述とは反対に、図15(b) に示すように各ローラ
572が回転体571及び受動体573の対向面における間隔の
広い方へ移動しようとするため、各ローラ572と回転体5
71及び受動体573との接触圧が低くなり、各ローラ572の
摩擦力が小さくなる。
【0024】このように、第3の実施例の摩擦機構5に
よれば、各ローラ572の転動軸を回転体571の回転軸を含
む断面に対して所定の角度をなすように傾斜させ、各ロ
ーラ572を転動させながら滑り摩擦を発生させるように
したので、回転体571の回転運動に任意の抵抗力を付与
することができる。その際、前記滑り摩擦は各ローラ57
2の転動を伴なうので、スティック・スリップの原因と
なる静摩擦を発生させることがなく、起動に伴い急激に
抵抗力が減少することがなので、常に安定した抵抗力を
得ることができる。したがって、左右回転のどちらのに
も安定した負荷が付与されるため、目的とする主働筋の
訓練とともに拮抗筋の強化も同時に行え、すなわち、屈
曲伸展両方の運動に対して抵抗トルクが働くため拮抗筋
の強化も同時に図ることができ、関節運動のための関節
負荷装置には適する。また、回転体571及び受動体573の
対向面を円錐台形にすることにより、回転体571の回転
方向によって各ローラ572と回転体571及び受動体573と
の接触圧が異なるようにしたので、回転体571が一方に
回転する場合は大きな摩擦力を、他方に回転する場合は
小さな摩擦力を発生させることができ、左右回転の負荷
の大きさを異ならしめることができ、目的とする主働筋
の訓練の為の負荷と、それより弱い拮抗筋の為の負荷と
を違えて、それぞれの筋力に合わせた負荷を与えること
ができ、関節運動のための関節負荷装置には最適であ
る。さらに、小さな軸方向の加圧で大きなローラ圧力が
得られ、負荷調整機構のダイヤルを回転させればローラ
圧力を調整でき、弱筋力者や高齢者でも扱いは容易であ
る。
【0025】次に、第4の実施例の摩擦機構(回転摩擦
機構)5を図16から図18に沿って説明するが、第3
の実施例におけるローラ572を同径の円筒型のローラ582
として、複数の各ローラ582の転動軸を回転体581の回転
軸に対してなす角度α(以下、第1の傾斜角αという)を
5°よりも大きく20°よりも小さくするとともに、各ロ
ーラ582の転動軸が回転体581の回転軸を含む平面に対し
てなす角度β(以下、第1の傾斜角βという)を25°より
も大きく90°よりも小さくすることにより、次に述べる
ように、常に効果的で安定した摩擦力を発生させること
ができる。
【0026】ここで、前記の安定した摩擦力を発生させ
る作用を説明すると、図16は複数のローラ582のうち
の1のローラ582について図示したもので、図16(a)
に示すように各口ーラ582の転動軸582aは回転体581の回
転軸581bに対してそれぞれ所定の第1の傾斜角αをなす
とともに、図16(b)(図16(a)の状態を90度手前に回
転させた状態)に示すように回転体581の回転軸581bを含
む平面に対してそれぞれ所定の第2の傾斜角βをなす。
この場合、各ローラ582の第1の傾斜角αは5°よりも大
きく20°よりも小さく設定され、第2の傾斜角βは25°
よりも大きく90°よりも小さく設定されている。そし
て、以上のように構成された摩擦機構においては、図1
7に示すように回転体581を軸方向の荷重Fを加えた状態
で回転させると、各ローラ582が回転体581及び受動体
(図示せず、第3の実施例の573に相当)に接しながら転動
し、これに追従してケージ(図示せず、第3の実施例の57
4に相当)も回転する。その際、図17(a)に示すよう
に回転体581を一方向に回転させると(以下、正回転と
いう)、各ローラ582は回転体581の軸方向、即ち図中央
破線矢印で示すように回転軌道に対して角度βだけ傾斜
した方向(回転体581の径の小さくなる方向)に転動し
ようとするのをケージ(574)で規制されながら図中実線
矢印で示すように回転体581の回転軌道に沿って転動す
るため、各口一ラ582と回転体581及び受動体(573)との
間に軸方向の荷重Fに比例した摩擦力が発生する。ま
た、図17(b)に示すように回転体581を逆方向に回転
させると(以下、逆回転という)、各ローラ582は回転
体581の軸方向、即ち図中破線矢印で示すように回転軌
道に対して角度βだけ傾斜した方向(回転体581の径の
大きくなる方向)に転動しようとするのをケージ(574)
で規制されながら図中実線矢印で示すように回転体581
の回転軌道に沿って転動するため、各ローラ582と回転
体581及び受動体(573)との間に軸方向の荷重Fに比例し
た摩擦力が発生する。その際、各ローラ582は転動しな
がら滑り摩擦を発生させるので、静摩擦は発生せずに常
に動摩擦による安定した抵抗力が得られ、仮に初期の段
階で静摩擦が発生したとしてもローラ582の転動によっ
て瞬時に動摩擦に移行する。また、回転体581の正回転
では各口一ラ582が回転体581の径の小さくなる方向に転
動し、逆回転では各ローラ582が回転体581の径の大きく
なる方向に転動することから、荷重Fが等しい場合でも
回転体581の回転方向によって発生する摩擦力の大きさ
はそれぞれ異なる。この場合、正回転における摩擦力が
逆回転における摩擦力よりも大きくなる。
【0027】ところで、出願人は各ローラの第1の傾斜
角α,第2の傾斜角βと摩擦トルクPとの関係を、第1
の傾斜角αは3°から40°、第2の傾斜角βは5°から85
°の範囲について実験及び理論解析によって確認した。
すなわち、図18に示すように回転体581の正回転にお
ける各ローラの第1の傾斜角αが5°以下の場合は、第
2の傾斜角βが小さくなるに従って摩擦トルクPが急激
に大きくなる特性を示し、回転体581と受動体583が互い
にロックし易い状態となる。また、第1の傾斜角αが5
°よりも大きい場合は、摩擦トルクPの急激な変動は示
さなくなるが、第1の傾斜角αが20°以上になると、第
2の傾斜角βの大きさに拘わらず、実用上有効な値の摩
擦トルクPが得られなくなる。一方、各ローラの第2の
傾斜角βが25°よりも大きい場合は、第1の傾斜角αが
5°以下の場合を除き、摩擦トルクPは急激な変動を示さ
ないが、第2の傾斜角βが25°以下になると、摩擦トル
クPが大きく減少し、実用上有効な値以上の摩擦トルクP
が得られなくなる。また、図17に示すように回転体58
1が逆回転の場合は、第1の傾斜角αが何れの場合も第
2の傾斜角βが小さくなると摩擦トルクPが一様に減少
する特性を示すが、第1の傾斜角αが20°以上になる
と、第2の傾斜角βの大きさに拘わらず、実用上有効な
値以上の摩擦擦トルクPが得られなくなる。また、第1
の傾斜角αが20°より小さい場合でも、第2の傾斜角β
が25°以下では実用上有効な値以上の摩擦トルクPが得
られなくなる。尚、第2の傾斜角βが85°よりも大きい
場合については実際に確認していないが、前記実験デー
タによれば第2の傾斜角βが90°までの摩擦トルクPは8
5°の場合とほぼ等しくなると推測される。
【0028】従って、第4の実施例の摩擦機構によれ
ば、回転体581と受動体(573)とを複数のローラ582を間
にして径方向に対向させた構成において、各ローラ582
の転動軸が回転体581の回転軸に対してなす角度αを5°
よりも大きく20°よりも小さくするとともに、各ローラ
582の転動軸が回転体581の回転軸を含む平面に対してな
す角度βを25°よりも大きく90°よりも小さくすること
により、常に効果的で安定した摩擦トルクPを発生させ
ることができる。また、小さな軸方向の加圧で大きなロ
ーラ圧力が得られ、ダイヤル62を回転させればローラ圧
力を調整でき、弱筋力者や高齢者でも扱いは容易であ
る。さらに、回転体581の回転方向によってそれぞれ異
なった摩擦力を発生させることができるので、左右回転
の負荷の大きさを異ならしめることができ、目的とする
主働筋の訓練の為の負荷と、それより弱い拮抗筋の為の
負荷とを違えて、それぞれの筋力に合わせた負荷を与え
ることができ、関節運動のための関節負荷装置には極め
て有利である。
【0029】次に、第5の実施例の摩擦機構(回転摩擦
機構)5を図19から図24に沿って説明するが、この
摩擦機構は、回転体と受動体とは互いに3次元的に回動
可能であり、かつ、所望の負荷が得られるように回転体
と受動体との間には摩擦部材が設けられている。さらに
詳しくは、上記の摩擦部材は、回転体と受動体との間に
多数のローラを設け、回転体又は受動体の移動方向と直
交する断面に対して、前記多数のローラの少なくとも1
つ以上のローラが所定の角度だけ傾斜するように構成し
たものである。以下にその具体的構成を述べる。図19
は、上記摩擦機構5の斜視図であり、図20はその中央
部での断面図であるが、半球状の受動体593は近位端用
固定アーム2のアームベース41に固定されており、受動
体593を覆うように受動体593の半径よりも幾分大きな半
径を有する半球蓋形状の回転体591が設けられ、この回
転体591はアームベース42を兼ねており、その下部円周
縁の近傍の適所に遠位端用固定アーム3が溶接等の手段
で固着されている。そして、この回転体591の内周面に
は受動体593と回転体591との間に、緯度方向に列をなす
多数のローラ592がローラ保持体594により回転自在に設
けられ、この摩擦部材としての多数のローラ593の軸線
X1は、回転体591の半球の経線Y1に対して角度θを有
するように配備され、ローラ列のローラ592はほぼ中緯
度の範囲に環状に配列設置されている。また、ローラ59
2の形状は軸方向に延びる円柱形状をなし、両端の直径
は中央部の直径よりも多少大きくした鼓形の円柱形状で
あって、受動体593の周面に面接触するように形成さ
れ、各ローラ592の両端の保持体594はベアリング等の摩
擦が少ない部材によって転動自在に支持されている。
【0030】上記の第5実施例の負荷調整機構6は、主
に図20の断面図に示されるように、半球状の受動体59
3に対してゴムスプリングやコイルスプリング等のスプ
リング611による回転体591の押圧力を調整することによ
って調整されるが、スプリング611の一端部612はアーム
ベース41の係止部材411に回動自在に係止され、他端部6
13は回転体591側の係止部材421に回動自在に係止されて
いる。なお、受動体593の頂部は、スプリング611が係止
部材421に係止され、かつ、回動体591が傾いてもその移
動を許容し、ローラ592が受動体593から脱落しないよう
な適宜の大きさの切欠部5931が設けられている。上記の
押圧力の調整は、係止部材421が上下(図中の矢印)に移
動することによってなされる。詳しくはベアリング631
によって回転自在に支持されるダイヤル621を回し、ダ
イヤル621の下部の雄ネジ部641と縲合するが回転しない
雌ネジ部642が上下に移動し、それにともなって雌ネジ
部642と一体の係止部材421が上下動することによって押
圧力の調整なされる。なお、雌ネジ部642および係止部
材421が回転しないように回り止め部材643が設けられて
いる。そして、回転体591の頂部にボス部622を形成し、
ボス部622にダイヤル621とそのインジケータ623が設け
られ、ダイヤル621を回すことによって適格に関節への
負荷の調整がなされる。
【0031】第5の実施例の摩擦機構5は、上述したよ
うに、多数のローラ592の軸線X1が、回転体591の半球
の経線Y1に対して角度θ(本実施例では、ほぼ45°)を
有するように配備され、ローラ列のローラ592はほぼ中
緯度の範囲に環状に配列設置されているが、第1から第
4実施例の構成において異なるのは、多数のローラ592
を支持するのはケージではなく、回転体591に固定され
た保持体594である点である。なお、回転体591は、受動
体の周壁563aに接触しなければ球体でなくてもよく、ま
た、ローラ592を接触をよくするためにゴムローラとし
てもよい。
【0032】そこで、第5の実施例の摩擦力の発生作用
を説明すると、図21に示すように回転体591を受動体5
93側への荷重Fを加えた状態でZ方向に移動させると、
各ローラ592が受動体593に接しながら転動する。その
際、各ローラ592は、図22に示すように回転体591の移
動軌道Zに対して角度θだけ傾斜した方向(一点鎖線方
向)に転動しようとするのをベアリング等の保持体594
で規制されながら回転するため、各ローラ592と受動体5
93との間で軸線方向に対して、荷重Fに比例した摩擦力
が発生する。その際、各ローラ592は転動しながら滑り
摩擦を発生させるので、静摩擦は発生せずに常に動摩擦
による安定した抵抗力が得られ、仮に初期の段階で静摩
擦が発生したとしてもローラ3の転動によって瞬時に動
摩擦に移行する。
【0033】このように、第5の実施例の摩擦機構によ
れば、各ローラ592の軸線X1を受動体593の移動方向(緯
度方向)Zに直交する経線Y1に対して所定の角度θをな
すように傾斜させることにより、各ローラ592を転動さ
せながら滑り摩擦を発生させるようにしたので、回転体
591の回動運動において受動体593側への荷重に比例した
任意の抵抗力を付与することができ、しかも、この荷重
を変化に追従して、回転体591の抵抗力を極めて容易に
制御することができる。その際、前記滑り摩擦は各ロー
ラ592の転動を伴うので、スティック・スリップの原因
となる静摩擦を発生させることがなく、起動に伴い急激
に抵抗力が減少することがなので、関節筋肉等を傷める
ことのない常に安定した抵抗力を得る関節負荷装置とす
ることができる。また、この第5の実施例の構成は、回
転体591と受動体593とが互いに3次元的に回動可能であ
るから、肢体の曲げ方向が自由となり肢体に無理な負荷
が加わらず、種々の肢体の曲げ方向に対応した運動訓練
が可能である摩擦機構とすることができる。
【0034】更に、第5の実施例の変形例として図24
に示すような構成がある。これは、図23に示すよう
に、スプリング611の両端部612(O1)、613(O2)が受動
体593の中心線O1上のからみて一致している場合(垂直
状態)には、回転体591が回動してもスプリング611の長
さ(O12)は変わらないので加圧力(摩擦力)は変化なく
一定であるが、図24に示すように端部612(O1′)受動
体593の中心から偏心させる(端部613(O2)を回転体591
の中心から偏心させてもよい)と、アーム3のの曲げ度
合いが大きくなりアーム3′の位置になると、スプリン
グ611の長さ(O1′2′)も長く(O1′2′′)変化
し、スプリングの加圧力(摩擦力)も増大する。このよう
なスプリング611の取付け位置を偏心させることによる
作用を利用すれば、筋肉が伸びているいる時は弱く、筋
肉が縮んでいる時は力が出やすいという人間の構造に対
応して無理な負荷が加わらない摩擦機構とすることがで
き、筋肉が弱くてもそれに応じて負荷を調整する摩擦機
構とすることができる。
【0035】第1の実施例でも述べたように、上述した
第1から第5の各実施例は、使用に際しては、先ず負荷
付与機構4を肘関節に合わせた後、上腕Aを近位端用固定
アーム2の上腕固定ベルト21,22を用いて布ファスナー23
を重ねて固定し、同様に、前腕Bを遠位端用の伸縮する
回旋アーム3の前腕固定ベルト31,32を用いて布ファスナ
ー33を重ねて固定し、負荷付与機構4における負荷調整
機構6のダイヤル62を回して適当な負荷が得られるよう
に調整しセットし、前腕Bの曲げ延ばしを繰り返して、
関節部分の筋力を鍛えて、機能回復のための訓練を行え
ばよく、屈曲伸展両方の運動に対して抵抗トルクが働く
ため拮抗筋の強化も同時に図ることができる。特に第2
および第3の実施例は、屈曲と伸展に対してそれぞれ異
なる負荷に設定することができる。
【0036】ところで、第1から第5の各実施例の共通
の作用として、ダンベルのような重り等を使用しないの
で、落下事故がなく、特に、運動機能が低下している手
術後のリハビリテーション訓練者や高齢者等に対しては
安全であり、立ち姿勢以外の、例えば、寝ていても用い
ることができる。また、各実施例は、エキスパンダー等
に比較しても有効な負荷を得る範囲が広く設定でき、負
荷トルクを負荷調整機構6のダイヤル62で簡単に設定で
き、回復の程度に合わせて訓練でき、負荷範囲を所望の
範囲になるように製作すれば、肘や膝以外の身体関節に
用いることができる。更には、同じ装置を小型で簡便な
ものにすることができ、特に、回旋アーム3は伸縮回旋
自在としたので、運動による関節のねじれや並進運動に
よる移動に対応できると同時に、同じ装置をそのまま、
上下肢の肘や膝に対して用いることもできる。また、各
実施例の摩擦機構5は、固定アームベース41に設けられ
た回転体と旋回アームベース43に設けられた受動体から
なり、回転体の回転軌道に対して所定の角度だけ傾斜し
た複数のローラを設けてあるから、各ローラは転動しな
がら滑り摩擦を発生させるので、静摩擦は発生せずに常
に動摩擦による安定した抵抗力が得られ、仮に初期の段
階で静摩擦が発生したとしてもローラの転動によって瞬
時に動摩擦に移行するのでステック・スリップがなく、
起動に伴い急激に抵抗力が減少することがなので、関節
筋肉等を傷めることのなく常に安定した抵抗力を得る関
節負荷装置とすることができる。
【0037】なお、本発明の特徴を損なうものでなけれ
ば、上記の実施例に限定されないことは勿論であり、例
えば、負荷を大きくして健常者の運動用の関節負荷装置
としてもよく、肘や膝以外の身体関節に用いてもよい。
また、上記の実施例では上肢の肘に適用するものである
が、下肢の膝に適用する際は、遠位端用回旋アーム3を
上部(外側)のアームベース43に、下部(身体側)のアーム
ベース41に近位端用固定アーム2をそれぞれ固着すれ
ば、生体への擦れは少なくなる。このように、各アーム
ベース41,43と固定アーム2,3との組み合わせは、関節
部分に適応して適宜に選択すればよい。さらに、アーム
ベース41とアームベース43とに対して各回転体および受
動体の固着の組み合わせも、製作上の有利さや肢体の関
節部分に合わせて適宜選択すればよく、アームベース4
1,43と各回転体および受動体とは固着でも一体成形して
もよく、回転体および受動体をアームベース自体として
もよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、人体の関節部分に負荷付与機構を沿わせ
るとともに、該負荷付与機構の左右又は上下には肢体を
固定する2本の回動するアームと肢体を固定する固定手
段とを設け、該アームの回動に対して所望の負荷が得ら
れるように、前記負荷付与機構には摩擦機構と負荷調節
機構とを設けた関節負荷装置であるから、ダンベルのよ
うな重り等を使用しないので落下事故がなく、特に、運
動機能が低下している高齢者等に対しては安全であり、
関節負荷を軽く設定して重り等のような垂直重量負荷に
よる関節負荷が避けられるという効果が得られる。ま
た、エキスパンダー等の弾性力負荷に比較しても有効な
負荷を得る範囲が広く設定でき、負荷トルクを簡単に設
定でき、回復の程度に合わせて訓練できるという効果が
得られる。更に、同じ装置の定格負荷範囲や身体取り付
け部を変えることにより、手や足などの他の関節にも用
いることができ、また、立ち姿勢以外の、例えば、寝て
いても用いることができるという効果が得られる。
【0039】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の効果に加えて、摩擦機構は、一方のアーム側に
設けられた回転体および他方のアーム側に設けられた受
動体からなり、回転体の回転軌道に対して所定の角度だ
け傾斜した複数のローラであるから、各ローラは転動し
ながら滑り摩擦を発生させるので、静摩擦は発生せずに
常に動摩擦による安定した抵抗力が得られ、仮に初期の
段階で静摩擦が発生したとしてもローラ52の転動によっ
て瞬時に動摩擦に移行するので、ステック・スリップが
なく、起動に伴い急激に抵抗力が減少することがないの
で、常に安定した抵抗力を得ることができ、関節筋肉等
を傷めることのないという効果が得られる。
【0040】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
および請求項2に記載の効果に加えて、回転体および受
動体は環状に形成されるとともに、互いの対向面は傾斜
を有する円錐状に形成し、ローラを回転体および受動体
の間に介在させたので、小さな軸方向の加圧で大きなロ
ーラ圧力が得られ、負荷調整機構のダイヤルを回転させ
ればローラ圧力を調整でき、弱筋力者や高齢者でも扱い
は容易であるという効果が得られる。
【0041】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
に記載の効果に加えて、摩擦機構は、一方のアーム側に
設けられた回転体および他方のアーム側に設けられた受
動体からなり、回転体と受動体とは互いに3次元的に回
動可能であり、かつ、所望の負荷が得られるように回転
体と受動体との間には摩擦部材が設けられているから、
肢体の曲げ方向が自由となり肢体に無理な負荷が加わら
ず、また、種々の肢体の曲げ方向に対応した運動訓練が
可能であるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の関節運動のための関節負荷装
置の全体の斜視図
【図2】図1における負荷付与機構の断面図
【図3】本発明の作動原理を説明する説明図
【図4】第1の実施例の摩擦機構の分解斜視図
【図5】第1の実施例における摩擦機構の部分拡大図
【図6】第1の実施例における摩擦機構の動作説明図
【図7】第1の実施例における摩擦機構の動作説明図
【図8】第2の実施例における摩擦機構の分解斜視図
【図9】第2の実施例における摩擦機構の部分拡大図
【図10】第2の実施例における摩擦機構の動作説明図
【図11】第2の実施例における摩擦機構の動作説明図
【図12】第3の実施例における摩擦機構の分解斜視図
【図13】第3の実施例における摩擦機構の部分拡大図
【図14】第3の実施例における摩擦機構の動作説明図
【図15】第3の実施例における摩擦機構の動作説明図
【図16】図16(a)は、第4の実施例の摩擦機構にお
けるローラの傾斜角を示す概略図、図16(b)は、図1
6(a)のb視点の状態を90度手前に回転させた状態で
の傾斜角を示す概略図(なお、図16、および、図17
においては、便宜的に多数のローラのうちの1つのロー
ラについて図示した。)
【図17】第4の実施例における摩擦機構の動作説明図
【図18】第4の実施例における実験値をグラフにした
【図19】第5の実施例における摩擦機構の斜視図
【図20】図19の中心線における断面図
【図21】第5の実施例における摩擦機構の動作説明図
【図22】第5の実施例における摩擦機構の動作説明図
【図23】図19におけるゴムスプリングの作動説明図
【図24】第5の実施例におけるゴムスプリングの取付
位置を変えた変形例での作動説明図である。
【符号の説明】
A…上腕 B…前腕 C…関節部分 X,X1…ローラの転動軸線 Y…回転体の回転軸を含む断面 Y1…経線 1…関節負荷装置 2…近位端用固定アーム 21,22,31,32…固定ベルト 23,33…布ファスナー 3…遠位端用回旋アーム 4…負荷付与機構 41,43…アームベース 42…固定軸 421…係止部材 431…防塵筒部 5…摩擦機構 51,561,571,581,591…回転体 581b…回転体の回転軸 52,562,572,582,592…ローラ 582a…ローラの転動軸 53,563,573,593…受動体 5931…切欠部 563a…受動体の周壁 54,564,574…ケージ 594…ローラ保持体 54a,564a,574a…孔 564b…ケージの弾性片 565…バネ 6…負荷調整機構 61…板バネ 611…スプリング 612,613…端部 62,621…ダイヤル 622…ボス部 623…インジケータ 63,631…ベアリング 64…ネジ部 641…雄ネジ部 642…雌ネジ部 643…回り止め部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人体の関節部分に負荷付与機構を沿わせる
    とともに、該負荷付与機構の左右又は上下には肢体を固
    定する2本の回動するアームと肢体を固定する固定手段
    とを設け、該アームの回動に対して所望の負荷が得られ
    るように、前記負荷付与機構には摩擦機構と負荷調節機
    構とを設けたことを特徴とする関節負荷装置。
  2. 【請求項2】前記摩擦機構は、一方のアーム側に設けら
    れた回転体および他方のアーム側に設けられた受動体か
    らなり、回転体の回転軌道に対して所定の角度だけ傾斜
    した複数のローラからなることを特徴とする請求項1に
    記載の関節負荷装置。
  3. 【請求項3】前記回転体および受動体は環状に形成され
    るとともに、互いの対向面は傾斜を有する円錐状に形成
    し、前記ローラは回転体および受動体の間に介在させた
    ことを特徴とする請求項2に記載の関節負荷装置。
  4. 【請求項4】前記摩擦機構は、一方のアーム側に設けら
    れた回転体および他方のアーム側に設けられた受動体か
    らなり、回転体と受動体とは互いに3次元的に回動可能
    であり、かつ、所望の負荷が得られるように回転体と受
    動体との間には摩擦部材が設けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の関節負荷装置。
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