JP2001133633A - 光ファイバカッタ - Google Patents

光ファイバカッタ

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JP2001133633A
JP2001133633A JP31837199A JP31837199A JP2001133633A JP 2001133633 A JP2001133633 A JP 2001133633A JP 31837199 A JP31837199 A JP 31837199A JP 31837199 A JP31837199 A JP 31837199A JP 2001133633 A JP2001133633 A JP 2001133633A
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Takehiro Yamadori
剛裕 山鳥
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度の切断端面が得られ、カット長の短い
切断が可能な光ファイバカッタを提供する。 【解決手段】 裸光ファイバにおける先端側と根元側の
2箇所を保持するクランプ40、41、42、43と、クランプ
40、41、42、43で保持された裸光ファイバの中間に初期
傷を付ける刃部50と、初期傷の付いた裸光ファイバに曲
げを付与して初期傷を進展させ、裸光ファイバを切断す
る曲げ付与部30とを具える。このクランプ40、41、42、
43に硬質ゴムを用いる。硬質ゴムのショア硬度はHs70〜
85程度、硬質ゴムにおける裸光ファイバとの接触面幅は
4mm未満が望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバカッタに
関するものである。特に、切断端面の精度を改善でき、
カット長を短縮できる光ファイバカッタに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、光ファイバに初期傷を付けて
切断する光ファイバカッタが知られている。このカッタ
の切断手順は次の通りである。まず、光ファイバ芯線の
端部における被覆を除去して裸光ファイバを露出させて
おく。次に、この裸光ファイバのうち、軸方向の2箇所
をクランプで保持する。このクランプは、図9に示すよ
うに、光ファイバの先端側を保持するクランプ70と根元
側を保持するクランプ71とからなる。図9ではクランプ
の開いた状態を示しているが、このクランプ70、71の上
に裸光ファイバを架け渡すように載せ、その上から対称
構造のクランプ(図示せず)で挟み込んで光ファイバを
保持する。両クランプ70、71の間には裸光ファイバと直
交する方向(図9の往復矢印方向)にスライド自在の刃
部80が設けられ、保持した裸光ファイバの中間に刃部80
を接触させて初期傷を付ける。そして、初期傷の付いた
個所に曲げを付与して初期傷を進展させ、裸光ファイバ
を切断する。
【0003】ここで、裸光ファイバを保持するクランプ
にはショア硬度Hs50〜60程度の軟質ゴム(ニトリルブタ
ジエンゴム)が用いられている。また、クランプ幅W、
すなわちクランプが裸光ファイバと接触する長さは4mm
程度に設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の光ファ
イバカッタには次のような問題があった。 超高精度の切断面が得られない。これは、上記のカッ
タにおけるクランプでは、その硬度が低いため、図10
に示すように保持された裸光ファイバ90がクランプ70
(71)表面に沈み込んで保持の仕方が不安定になり、超
高精度の切断面が得られないためと考えられる。特に、
多心光ファイバの切断を行った場合、各裸光ファイバ毎
の保持の仕方にばらつきが生じるため切断面が揃わず、
その不揃いの程度が大きい。
【0005】カット長の短い切断が行えず、フェルー
ルの装着ができない。カット長とは、切断後の光ファイ
バ芯線における被覆端部から裸光ファイバ切断面までの
長さを言う。前記光ファイバカッタでは、クランプの幅
Wが4mmと広いため、切断前に光ファイバ芯線の被覆端
部をクランプよりも「根元側」に位置させるには、光フ
ァイバ芯線の被覆除去長を大きく採る必要がある。これ
は、光ファイバ芯線の被覆個所をクランプで保持する
と、被覆の厚みのばらつきにより保持が不安定になり、
超高精度の切断が行えなくなるからである。その結果、
カット長は10mm程度が限界で、それ以上は短くできなか
った。
【0006】一方、精密な研磨を必要としない光コネク
タの開発が行われるようになり、その際の光ファイバ端
面は光ファイバカッタにより切断した鏡面を利用する。
光コネクタ用のフェルールは、従来8mmであるため、10m
mのカット長を有する光ファイバ芯線では取り付けるこ
とができず、より短いカット長の実現が望まれていた。
具体的にはカット長5mm程度が最適であり、その長さで
あれば従来のフェルールに問題なく取り付けることがで
きる。
【0007】従って、本発明の主目的は、超高精度の切
断端面が得られ、カット長の短い切断が可能な光ファイ
バカッタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、クランプの硬
度を高めたり、クランプの幅を狭くすることで上記の目
的を達成する。
【0009】すなわち、本発明カッタは、裸光ファイバ
における先端側と根元側の2箇所を保持するクランプ
と、クランプで保持された裸光ファイバの中間に初期傷
を付ける刃部と、初期傷の付いた裸光ファイバに曲げを
付与して初期傷を進展させ、裸光ファイバを切断する曲
げ付与部とを具える。そして、このクランプに硬質ゴム
を用いたことを特徴とする。
【0010】この硬質ゴムのショア硬度はHs70〜85程度
が好適である。この下限を下回ると裸光ファイバの沈み
込みを抑制して超高精度に切断することが難しく、上限
を超えると裸光ファイバが折損することがあるためであ
る。
【0011】硬質ゴムにおける裸光ファイバとの接触面
幅は4mm未満、特に2〜3mm程度が望ましい。接触面幅は
あまり短くすると硬質ゴムの成形が困難となるため、1m
m程度が限界と思われる。なお、「接触面幅」とは、裸
光ファイバと硬質ゴムとの接触面において、刃部のスラ
イド方向と直交する方向の長さを言う。
【0012】また、クランプには裸光ファイバの先端側
を保持するものと根元側を保持するものの合計2対があ
るが、カット長を短縮するために接触面幅4mm未満の硬
質ゴムを用いるのは裸光ファイバの根元側のクランプだ
けで十分である。
【0013】この接触面幅が短いと、切断前に光ファイ
バ芯線の被覆端部をクランプよりも「根元側」に位置さ
せる際、従来カッターよりも刃部側に近接して被覆端部
を配置でき、カット長の短縮化を実現できる。
【0014】硬質ゴムの形状は、裸光ファイバとの接触
面が平面であれば特に限定されない。例えば、刃部のス
ライド方向から見た断面形状が四角形のものや台形のも
のが挙げられる。具体的には、「裸光ファイバとの接触
面」、「接触面と対向する底面」、「接触面と底面とを
つなぐ刃部側面」および「接触面と底面とをつなぐ傾斜
面」で囲まれる台形が挙げられる。このとき、接触面と
傾斜面とで構成される外角が45〜70°であることが好ま
しい。特に、50〜60°が好適である。この角度が小さす
ぎると光ファイバ芯線の被覆端部を「接触面」に隣接さ
せることが難しい。逆に、この角度が大きすぎると硬質
ゴムの形状は実質的に薄い板状となり、裸光ファイバに
曲げを付与する段階などで硬質ゴムが刃部側に弾性変形
して正確な保持がし難くなる。
【0015】また、硬質ゴムにおける「接触面」と「刃
部側面」との角度は90°以下が望ましい。最適な角度は
「刃部側面」が垂直面となる90°である。この形状によ
り、裸光ファイバに曲げを付与した際、「接触面」と
「刃部側面」とで構成される角部が裸光ファイバに対し
てエッジとして作用し、安定した曲げを付与することが
できる。
【0016】さらに、クランプが衝撃的に裸光ファイバ
を保持することを抑制するために、クランプの緩衝機構
を設けることが望ましい。本発明カッタではクランプの
硬度が高いため、衝撃的に裸光ファイバをクランプで保
持すると裸光ファイバが折損することが考えられる。そ
こで、クランプに緩衝機構を設け、作業者がクランプを
操作する仕方にばらつきがあっても、衝撃的に裸光ファ
イバを保持することがないように構成した。
【0017】通常、クランプは開閉機構により裸光ファ
イバを挟みこむ構成となっているため、緩衝機構は、こ
の開閉機構の開閉間隔、特に閉じられる直前の開閉間隔
を微調整できるものであれば良い。例えば、偏心カムを
用い、偏心カムの長軸側で開閉機構を閉じられる直前の
状態に一旦停止させ、偏心カムを回転させて、その短軸
側で開閉機構が完全に閉じられる状態に保持することが
挙げられる。その他、開閉機構の間に圧縮ばねを介在
し、開閉機構が閉じられる直前で圧縮ばねの反発力によ
りクランプが衝撃的に閉じられることを抑制しても良
い。
【0018】本発明光ファイバカッタにより高精度の切
断が可能となる理由は、保持された裸光ファイバに生じ
るねじり力を抑制できるからであると推測される。
【0019】すなわち、従来のカッタでは、図10に示
したように、裸光ファイバ90がクランプ70(71)の表面
に沈み込む。このとき、裸光ファイバ90が多心である
と、中間部に位置する裸光ファイバ91に接触するクラン
プ間の隙間100の形状は裸光ファイバ91の両側でほぼ対
称である。しかし、両端部の裸光ファイバ92に接触する
クランプ間の隙間101の形状は裸光ファイバ92の両側で
対称にはならない。この隙間形状の非対称性が、特に両
端部の裸光ファイバ92にねじり力を生じさせると推定さ
れる。
【0020】また、通常のクランプは固定クランプと可
動クランプで構成され、固定クランプ上に配置された裸
光ファイバの上に円弧運動する可動クランプを閉じて裸
光ファイバを挟むように構成されている。そのため、並
列された各裸光ファイバは、同時にクランプ間に挟まれ
るのではなく、可動クランプの回転中心側から順次挟ま
れることになる。その際、可動クランプは裸光ファイバ
を垂直方向から挟み込むのではなく、斜めから挟み込む
ことになるため、裸光ファイバには水平方向の力が作用
する。そして、軟質ゴムのクランプでは、この水平方向
力によって裸光ファイバに接するクランプ表面付近のゴ
ムが可動クランプの回転中心から離れる方向にわずかに
流動され、その流動によっても裸光ファイバにねじり力
を生じさせていると推定されている。
【0021】これらの結果、ねじり力は「初期傷が裸光
ファイバの軸方向に対して直角に進展すること」を妨
げ、特に両端部の裸光ファイバに切断精度の低下が起こ
ると考えられた。
【0022】そこで、本発明では硬度の高いクランプを
用いることで裸光ファイバの沈み込みやクランプ表面の
微小流動を極力抑え、図11に示すように、どの裸光フ
ァイバ90でも同様にクランプ70(71)に保持されるように
構成して、切断精度の向上を図っている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明カッタの蓋部と曲げ付与部を開いた
状態の斜視図、図2は正面図、図3はIII-III矢視図で
ある。このカッタは、本体10と、蓋部20と、裸光ファイ
バに曲げを与える曲げ付与部30と、裸光ファイバを保持
するクランプ40、41、42、43と、裸光ファイバに初期傷
を付ける刃部50とを具えている。本発明における主な改
良はクランプ40、41、42、43に関してであるが、まずカ
ッタの各部を順次説明する。
【0024】(本体)本体10はブロック状の金属塊で、
その上面には光ファイバホルダ(光ファイバ芯線を並列
状態に保持する器具:図示せず)を装着するホルダガイ
ド11と、刃部50のスライド機構が装着される凹状の収納
部12とが形成されている。収納部12には直線ガイド13
(図2)が固定され、このガイド13に沿ってスライドす
るスライダ14が装着されると共に、スライダ14に円形の
刃部50が固定されている。また、収納部12を挟む本体上
面にはクランプ40、41(固定クランプ)が固定されてい
る。さらに、本体上面にはマグネット15(図1)が埋設
され、側縁には曲げ付与部30の当て止め16が取り付けら
れている。
【0025】(蓋部)蓋部20は、支軸21を介して本体上
面の側縁に開閉自在に取り付けられた板状体である。蓋
部20には曲げ付与部30の先端が抜き差しされる挿通孔22
と、光ファイバホルダをばねの反発力で押圧するプラン
ジャ23が設けられている。そして、前記挿通孔22を挟む
両側には本体のクランプ40、41と対向するクランプ42、
43(可動クランプ)が固定されている。この蓋部20を閉
じることで、本体10との間に光ファイバホルダを保持す
ると共に、クランプ40、41とクランプ42、43との間に裸
光ファイバを保持する。裸光ファイバの保持は、蓋部20
に設けた鉄片24を本体のマグネット15に吸着させて、蓋
部20を閉じた状態に保持することで行う。
【0026】(曲げ付与部)曲げ付与部30は、支軸31を
介して本体上面の側縁に開閉自在に取り付けられたレバ
ー32と、レバー32の先端に固定された押圧部33とを具え
る。レバー32は棒状体の側方にL型金属片(図2)を一体
化したもので、押圧部33はL型金属片の先端に設けられ
ている。押圧部33は初期傷の付けられた裸光ファイバを
押圧して曲げを付与する個所で、本例ではL型金属片の
先端面に硬質ゴムをはめ込むことで構成した。この押圧
部33は、刃部50が接触しないように溝34(図5参照)を
具えている。また、レバーの根元付近にはプランジャ35
が内蔵されている。曲げ付与部30を閉じると、プランジ
ャ35の先端が本体表面に当たり、押圧部33が裸光ファイ
バの直上に位置した状態で止められる。裸光ファイバに
曲げを付与する際は、プランジャ35の反発力に抗して、
さらに手でレバー32を押し下げて、押圧部33を裸光ファ
イバに押し付ける。
【0027】(クランプ)本体10に設けられたクランプ
40、41付近の拡大図を図4に示す。クランプ40、41は共
に金属製の台部40A、41Aに硬質ゴム40B、41Bをはめ込ん
で構成されている。そのうち、先端側のクランプ40は矩
形板状の硬質ゴム40Bを用いており、その幅は4mm、長
さは6mmである。一方、光ファイバ芯線の根元側のクラ
ンプ41は、台形の断面形状を有する硬質ゴム41Bを用い
ている。すなわち、硬質ゴム41Bは、裸光ファイバとの
接触面、接触面と対向する底面、刃部に面して接触面と
下面の一端同士をつなぐ刃部側面、接触面と底面の他端
同士をつなぐ傾斜面とを具えている。ここでは、Hs80の
硬質ゴムを用い、接触面の幅Wを1mm、長さLを6mmとし
て、12心の裸光ファイバを切断できるように構成した。
また、図5に示すように、接触面110と傾斜面111とで構
成される外角θが45°となるクランプ41を用意した。
【0028】蓋部20に設けられたクランプ42、43付近の
拡大図を図5に示す。これらのクランプ42、43は、蓋部2
0を閉じたときにクランプ40、41に対面して裸光ファイ
バを挟みこむものである。クランプ42、43はクランプ4
0、41とは対称に構成されており、共に金属製の台部42
A、43Aに硬質ゴム42B、43Bをはめ込んで構成されてい
る。すなわち、先端側のクランプ42は矩形板状の硬質ゴ
ム42Bを用いており、根元側のクランプ43は、台形の断
面形状を有する硬質ゴム43Bを用いている。
【0029】(クランプ緩衝機構)さらに、このカッタ
にはクランプ緩衝機構を設けた。この緩衝機構は、蓋部
20を勢いよく閉めても裸光ファイバがクランプ40、41、
42、43に衝撃的に保持されることがないようにすること
で裸光ファイバの折損を防止する。クランプに硬質ゴム
を用いた本発明カッタでは特に効果的である。
【0030】本例では、蓋部20に設けた鉄片24の正面に
V型のレバー120を回転自在に設け、このレバー120の端
部を偏心カムとして機能させることで緩衝機構としてい
る。すなわち、図7に示すように、レバー120は一端側を
回転軸121で支持し、レバー最先端は回転軸からの距離
が遠く(長軸部122)、レバー最先端からレバー側面に
向かって順次回転軸121からの距離が近くなる曲面形状
に構成した。
【0031】このレバー120を鉄片24の長手方向と交差
する方向に保持したまま蓋部20を閉じると、まずレバー
の長軸部122が本体10に当接し、蓋部20を完全に閉じる
ことができない。鉄片24と本体10との間にはギャップG
が形成され、クランプが裸光ファイバを挟み込む直前の
状態に保持される。
【0032】次に、図8に示すように、レバー120を回転
すると、レバー120における本体10との接触位置は回転
軸121からの距離が順次近くなり、徐々にギャップGが閉
じられる。そして、回転軸121からの距離が近いレバー
の側面部分(短軸部123)が本体10と当接したときに鉄
片24が本体10に接触してクランプも完全に閉じられる。
このような構成により、クランプが裸光ファイバを衝撃
的に保持することを抑制できる。また、衝撃的な保持は
裸光ファイバを折損させなかったとしても各裸光ファイ
バに対する均一な保持を阻害することがあり、結果的に
切断精度の低下にもつながると考えられるため、緩衝機
構は切断精度の向上にも寄与すると思われる。
【0033】なお、緩衝機構は、クランプが衝撃的に閉
じられることを抑制できる機構であれば上記レバーを用
いた構成に限定されない。
【0034】(切断手順と動作)このようなカッタは次
のように使用する。 光ファイバ芯線の端部における被覆を除去して裸光フ
ァイバを露出しておく。
【0035】この光ファイバ芯線を光ファイバホルダ
にセットし、蓋部20と曲げ付与部30を開いて、ホルダガ
イド11に光ファイバホルダをはめ込む。その際、光ファ
イバ芯線の被覆端部を硬質ゴム41Bの接触面の直前(根
元側)に位置させる。それにより、被覆端部をできるだ
け刃部に近接させて、短いカット長が得られるようにす
る。
【0036】プランジャ23の反発力に抗して蓋部20を
閉じて、鉄片24をマグネット15に吸着させると共に、ク
ランプ40、41とクランプ42、43との間に裸光ファイバを
挟みこむ。蓋部20を閉じる際、緩衝機構となるレバーを
操作してクランプ40、41、42、43が衝撃的に閉じられる
ことを防止する。
【0037】スライダをスライドさせて刃部50を裸光
ファイバに接触させ、初期傷を付ける。
【0038】曲げ付与部30を閉じて、挿通孔22に押圧
部33を挿入し、プランジャ35が本体表面に当たる位置ま
で回転させる。さらにプランジャ35の反発力に抗して曲
げ付与部30を閉じ、押圧部33を初期傷が付いた裸光ファ
イバに押し当てる。これにより、裸光ファイバは曲げら
れ、先端側と根元側がクランプ40、41、42、43で保持さ
れているために張力が付与されることになる。その結
果、初期傷が進展して裸光ファイバが切断される。
【0039】切断が終わると、曲げ付与部30と蓋部20
を開いて、光ファイバホルダから光ファイバ芯線を取り
出す。
【0040】(試験例)本発明カッタおよび従来カッタ
で光ファイバの切断を行って、切断面の不揃い量と端面
角度を測定した。ここでは8芯の光ファイバについて、
実施例、比較例毎に20組の切断を行って、平均値および
標準偏差を算出した。
【0041】切断面の不揃い量は、切断面付近を100倍
率の投影機にて拡大し、最も突出した芯線の切断面と最
も短い芯線の切断面との差を計測した。
【0042】また、端面角度はニュートンリングを利用
して計測した。端面角度とは、光ファイバの長手方向に
対して90°の傾きを持つ理想切断面に対する傾きであ
る。端面角度の計測は、光ファイバをV溝に保持し、切
断面にレーザ光を当てて、ニュートンリングの縞の数を
数えることで行う。もし、理想的な切断により光ファイ
バ長手方向に対して90°の切断面が形成されていれば、
ニュートンリングの縞は観察されない。しかし、理想的
な切断でなければ、ニュートンリングが観察されるた
め、「縞の数×0.145°」の演算により切断面の傾きを
求めることができる。
【0043】実施例のクランプでは、「先端側」クラン
プの接触面幅が4mm、「根元側」クランプの接触面幅は
1mm、Hs硬度は80、接触面と傾斜面との外角は45°であ
る。また、比較例のクランプでは、「先端側」・「根元
側」の両クランプにおける接触面幅は共に4mm、Hs硬度
は60である。
【0044】試験結果は次の通りである。 不揃い量(μm) 実施例→ 平均:4.400 標準偏差:1.393 比較例→ 平均:9.000 標準偏差:2.846 端面角度(°) 実施例→ 平均:0.316 標準偏差:0.185 比較例→ 平均:0.788 標準偏差:0.231
【0045】このように、不揃い量、端面角度共に実施
例の方が格段に小さな値を示しており、そのばらつきも
小さく抑えられていることがわかる。なお、実施例にお
けるカット長は約5mm、比較例におけるカット長は約10m
mであった。
【0046】さらに、接触面と傾斜面の外角θが50°、
60°、70°のクランプを用いた本発明カッタでも同様の
試験を行ったが、上記実施例とほぼ同様の好結果が得ら
れた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明光ファイバ
カッタによれば、硬質ゴムをクランプに用いることで超
高精度の切断ができる。特に、多心光ファイバの切断を
行った場合、切断面の不揃いを大幅に低減できる。
【0048】また、硬質ゴムにおける光ファイバとの接
触面幅を小さくすることでカット長を短くでき、カット
長の短い光ファイバ芯線をフェルールに直接取り付ける
ことができるため、コネクタ形成時の作業性を大幅に改
善できる。
【0049】さらに、クランプの緩衝機構を設けること
で、裸光ファイバが衝撃的に保持されることを抑制し、
裸光ファイバの折損を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明カッタの斜視図である。
【図2】本発明カッタの正面図である。
【図3】図2のIII-IIIにおける矢視図である。
【図4】本発明カッタにおける本体側のクランプ周辺を
示す拡大図である。
【図5】本発明カッタのクランプにおける外角を示す説
明図である。
【図6】本発明カッタにおける蓋部側のクランプ周辺を
示す拡大図である。
【図7】クランプが閉じられる直前における緩衝機構の
説明図である。
【図8】クランプが閉じられた状態における緩衝機構の
説明図である。
【図9】従来のカッタにおける本体側のクランプ周辺を
示す拡大図である。
【図10】従来のカッタにおける裸光ファイバの保持状
態を示す断面図である。
【図11】本発明カッタにおける裸光ファイバの保持状
態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 本体 11 ホルダガイド 12 収納部 13 直線ガ
イド 14 スライダ 15 マグネット 16 当て止め 20 蓋
部 21 支軸 22 挿通孔 23 プランジャ 24 鉄片 30 曲げ付与
部 31 支軸 32 レバー 33 押圧部 34 溝 35 プランジャ 40
クランプ 40A 台部 40B 硬質ゴム 41 クランプ 41A 台部
41B 硬質ゴム 42 クランプ 42A 台部 42B 硬質ゴム 43 クラン
プ 43A 台部 43B 硬質ゴム 50 刃部 70 クランプ 71 クラン
プ 80 刃部 90 裸光ファイバ 91 裸光ファイバ 92 裸光ファイ
バ 100 隙間 101 隙間 110 接触面 111 傾斜面 120 レバー
121 回転軸 122 長軸部 123 短軸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝本 洋資 兵庫県伊丹市北河原字当田20番地の2 住 電朝日精工株式会社内 (72)発明者 大塚 健一郎 横浜市栄区田谷町1番地 住友電気工業株 式会社横浜製作所内 (72)発明者 山鳥 剛裕 横浜市栄区田谷町1番地 住友電気工業株 式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H036 KA01 2H038 CA15 3C060 AA12 CB03 CB14 CB16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裸光ファイバにおける先端側と根元側の
    2箇所を保持するクランプと、 クランプで保持された裸光ファイバの中間に初期傷を付
    ける刃部と、 初期傷の付いた裸光ファイバに曲げを付与して初期傷を
    進展させ、裸光ファイバを切断する曲げ付与部とを具え
    る光ファイバカッタにおいて、 前記クランプに硬質ゴムを用いたことを特徴とする光フ
    ァイバカッタ。
  2. 【請求項2】 裸光ファイバが衝撃的にクランプで保持
    されることを抑制するクランプ緩衝機構を具えることを
    特徴とする請求項1記載の光ファイバカッタ。
  3. 【請求項3】 硬質ゴムの断面形状は、裸光ファイバと
    の接触面、接触面と対向する底面、接触面と底面とをつ
    なぐ刃部側面、および接触面と底面とをつなぐ傾斜面で
    囲まれる台形であることを特徴とする請求項1に記載の
    光ファイバカッタ。
  4. 【請求項4】 接触面と傾斜面とで構成される外角が45
    〜70°であることを特徴とする請求項3に記載の光ファ
    イバカッタ。
  5. 【請求項5】 硬質ゴムのショア硬度がHs70〜85である
    ことを特徴とする請求項1記載の光ファイバカッタ。
  6. 【請求項6】 硬質ゴムにおける裸光ファイバとの接触
    面幅が4mm未満であることを特徴とする請求項1記載の
    光ファイバカッタ。
  7. 【請求項7】 接触面幅4mm未満の硬質ゴムが裸光ファ
    イバの根元側を保持するクランプに用いられることを特
    徴とする請求項6記載の光ファイバカッタ。
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