JP2001132610A - ポンプ水車 - Google Patents

ポンプ水車

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JP2001132610A
JP2001132610A JP31806299A JP31806299A JP2001132610A JP 2001132610 A JP2001132610 A JP 2001132610A JP 31806299 A JP31806299 A JP 31806299A JP 31806299 A JP31806299 A JP 31806299A JP 2001132610 A JP2001132610 A JP 2001132610A
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尚夫 桑原
Kei Katayama
慶 片山
Hiroto Nakagawa
博人 中川
Haruki Hagiwara
春樹 萩原
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Hitachi Ltd
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Kansai Electric Power Co Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Control Of Water Turbines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポンプ水車の運転点がS字特性内にある時で
も、充分にS字特性の影響を緩和でき、ガバナーの安定
性を向上させることが可能なポンプ水車を提供する。 【解決手段】発電電動機に結合されたランナーと、この
ランナー部を通過する水量を調整する水量調整手段と、
前記ランナーの回転速度が所定回転速度を保つように前
記水量調整手段を制御するガバナーとを備え、前記ラン
ナーの回転方向を換えることにより揚水,発電の両モー
ドで運転可能に形成されているポンプ水車において、前
記ガバナーの演算部を、発電モード時で、かつ発電電動
機の発電電力が突然遮断された負荷遮断時に、少なくと
も全負荷遮断時の最初の回転速度上昇から第1のピーク
を経て下降に転じた後の最初の回転速度下降曲線の前半
に、閉動作中の前記水量調整手段が一時的に開動作に転
じ、前記最初の回転速度下降が定格回転速度より1/3
(第1ピーク値−定格回転速度)以上高い回転速度で止
み再上昇に転じるように形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポンプ水車,すなわ
ち同一のランナーを使って、回転方向を変えて、ポンプ
と水車両方の運転を可能にしたポンプ水車およびその制
御方法に係わり、特に水車運転領域においてS字特性を
有する高落差ポンプ水車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ポンプ水車のランナー,特に
高揚程ポンプ水車のランナーは、ポンプ運転時に高揚程
を得るために、充分な遠心ポンプ作用を発揮するように
設計されるのが普通である。しかしながら、この設計
が、ポンプ水車の水車運転に悪影響を与える場合があ
る。特に後述するS字特性と呼ばれる特性が現れ、これ
を完全に回避するのは難しいと考えられている。
【0003】この種ポンプ水車の流量特性は、一般に、
案内羽根開度をパラメータにして単位落差当り回転数
(N1=N/√H)と単位落差当り流量(Q1=N/√
H)との関係を示す一群の特性曲線で表わされる。他
方、ポンプ水車のトルク特性は、案内羽根開度をパラメ
ータにして単位落差当り回転数(N1=N/√H)と単
位落差当りトルク(T1=T/H)との関係を示す一群
の特性曲線で表わされるのが普通である。
【0004】なお、これら2種類の特性曲線を総称して
一般には完全特性と呼んでいる。ところで上記流量特性
曲線は、水車運転領域において、回転数N1の値の増加
に伴って流量Q1の値が減少する第1の部分と、回転数
N1の値の減少に伴って流量Q1の値が減少する第2の
部分とを有する。説明の便宜上、ここでは、前記第2の
部分を、S字特性部分と称する。さらに、S字特性部分
におけるポンプ水車の特性を、以後、S字特性と称す
る。
【0005】S字特性部分における水車運転にあって
は、単位落差当りトルク(T1)は、単位落差当り回転
数(N1)の減少に伴い減少する。ポンプ水車の水車モ
ードの通常運転は、上記第1の部分において行われる。
しかしながら、負荷しゃ断により、単位落差当りの回転
数(N1)が急激に大きく増加する場合は、ポンプ水車
は、S字特性部分において運転されることになる。S字
特性部分における運転が開始されると、ポンプ水車の運
転点はS字特性部分を一端から他端へとたどりつつ、ま
ず単位落差当りの流量(Q1)と単位落差当りの回転数
(N1)は減少する。その後、今度は振子が振返すよう
にS字特性部分を逆方向にたどりつつ、流量Q1と回転
数N1は増加する。S字特性部分におけるこの往復運動
は、案内羽根開度を閉めない限りいつまでも継続する。
この間、単位落差当りのトルク(T1)も減少と増加を
くり返す。
【0006】水車運転領域においてS字特性を有するポ
ンプ水車の特性が、図9(A)および図9(B)に示さ
れている。図9(A)において、ポンプ水車の特性が、
案内羽根開度をパラメーターにとり、単位落差当りの回
転数(N1)と単位落差当りの流量(Q1)との関係と
して示されている。一方、図9(B)においては、ポン
プ水車の特性が、同じパラメーターにより、単位落差当
りの回転数(N1)と単位落差当りのトルク(T1)と
の関係として示されている。この回転数N1,流量Q1
およびトルクT1は図中の式により表現される。なお、
符号N,Q,HおよびTは、それぞれ、ポンプ水車の回
転数,流量,有効落差およびトルクを示している。
【0007】特性曲線1および1′は、所定の比較的大
きな案内羽根開度の下で得られる。特性曲線2および
2′は、それよりも小さな案内羽根開度の下で得られ
る。特性曲線3および3′はさらにそれよりも小さい案
内羽根開度の下で得られる。
【0008】特性曲線1のa−d−h部分においては、
Q1の値は、N1の減少に伴い減少する。上述の様に、
この曲線部分a−d−hを、ここでは、S字特性部分と
称する。同様に、曲線部分b−e−iは、特性曲線2の
S字特性部分であり、曲線部分c−f−jは、特性曲線
3のS字特性部分である。一見して明らかなように、特
性曲線1のS字特性部分a−d−hは、特性曲線2のS
字特性部分b−e−iより長く、特性曲線2のS字特性
部分b−e−iは、特性曲線3のS字特性部分c−f−
jよりも長い。このことは、案内羽根開度が小さくなる
とS字特性部分の長さが短くなることを意味する。
【0009】図9(A)と同様に、図9(B)において
も、曲線部分a′−d′−h′,b′−e′−i′およ
びc′−f′−j′は、それぞれ特性曲線1′,2′お
よび3′のS字特性部分である。
【0010】この図9(B)は、図9(A)と密接な関
係がある。例えば、図9(A)の曲線3上のQ1=Q1
x,N1=N1xを満たす点xは、図9(B)の曲線
3′上の点x′に対応している。点x′は、T1=T1
x′,N1=N1x′(=N1x)を満たす点である。
同様に、図9(A)における点a,b,c,d,e,
f,h,iおよびjは、それぞれ図9(B)における点
a′,b′,c′,d′,e′,f′,h′,i′およ
びj′に対応している。
【0011】曲線nrは、無負荷流量曲線である。曲線
1,2,3と曲線nrとの交点α,β,γは、それぞ
れ、曲線1′,2′,3′と直線T1=0との交点
α′,β′,γ′に対応している。
【0012】次に、この特性曲線1と1′を参照しなが
らポンプ水車の水車運転(発電モード運転)について説
明する。上述したように特性曲線1と1′に対応する特
性は、案内羽根開度を比較的大きな値にした時に得られ
る。通常は、ポンプ水車の水車運転は、特性曲線1の上
部、すなわち、S字特性部分a−d−hより上部の曲線
部分において行われる。しかしながら、もし例えばポン
プ水車に加わっている負荷が突然失われた場合は、ポン
プ水車の回転数(N)が急激に増加するので、N1の値
も急激に増加する。こうして、ポンプ水車は、S字特性
部分において運転され始まる。
【0013】運転点が一旦S字特性部分に入ると、ポン
プ水車の回転数(N)の低下によりN1の値が低下す
る。N1の値が低下すると、Q1の値が低下し、ポンプ
水車流量(Q)が減少する。この様子をもう少し詳しく
説明すると、図10のようになる。なお、Hの値、すな
わちポンプ水車入口とポンプ水車出口との水頭差は、流
量Qの減少に伴って上昇する。このようにして一旦N1
の値が減少すると、流量Qが減少し、流量Qの減少は、
ポンプ水車の有効落差Hの増加をもたらす。
【0014】この有効落差Hの増加は、さらにN1の減
少をもたらし、N1の減少は、さらにQ1の減少をもた
らす。このようにして、一旦S字特性部分における運転
が始まると、Q1とN1は、S字特性部分をQ1減少方
向、すなわち点aから点dの方向にたどりつつ、加速度
的に減少する。もちろん、この間に管路摩擦等の減衰作
用も働くのでQの減少の進展にも自ずと抑制が作用する
ことは言うまでもない。とにかく、Q1とN1は、正帰
還制御回路におけると同様に、加速度的に、減少する傾
向がある。
【0015】ポンプ水車の運転点がS字特性部分を点a
から点hまでたどり終えると、上記の現象は、負帰還制
御回路におけると同様に次第に緩和され、その後、反転
し、やがては、S字特性部分をQ1の増加方向、すなわ
ち点hを少し過ぎた点から点aへとたどることになる。
S字特性部分を逆方向にたどるのもやはり正帰還制御回
路と同様の様式で行われる。なお、図11は、この振れ
戻し作用を説明するものである。
【0016】負荷遮断後、ポンプ水車の案内羽根を閉鎖
せずに放置した場合には、ポンプ水車の運転点は当該案
内羽根に相当するS字特性曲線上を、上記のように往復
運動する。このようにポンプ水車特性任せの運転は有害
で、場合によっては危険である。なぜならば、ポンプ水
車流量は増減を繰り返し、水力発電所各水路系に激しい
水撃が繰り返し発生するからである。
【0017】S字特性部分における運転に伴うこのよう
な悪影響は、S字特性部分の長さが短くなければ減少す
る。例えば、もし案内羽根開度を小さくして、より短い
S字特性部分b−e−iを有する特性曲線2にしたがっ
てポンプ水車を運転するならば、S字特性に伴う悪影響
は軽減される。
【0018】S字特性部分におけるポンプ水車の運転
は、ポンプ水車のトルクTにも悪影響を与える。S字特
性部分においてN1の値が減少すると、図9(B)に示
されているように、T1の値が減少する。ここで再び図
9(A)に示される特性曲線1上の点aとhは、図9
(B)に示される特性曲線1′上の点a′とh′にそれ
ぞれ対応することに注意しなければならない。
【0019】有効落差Hが一定であると仮定すれば、T
1減少は、ポンプ水車トルクTの減少を意味する。さら
に、ポンプ水車トルクTの減少が、ポンプ水車回転数N
の減少をもたらすことは明白である。ポンプ水車回転数
Nが減少すると、それに対応してN1が減少し、次にT
1がさらに減少することになる。現実にはこの間に前記
したように有効落差Hが増加しているのでこの加速傾向
は益々強まる。
【0020】このようにして、ポンプ水車は、特性曲線
1を、Q1減少方向にたどる間、同時に特性曲線1′を
点a′から点h′へとたどっていることになる。そのた
どり方は、正帰還制御回路の場合と同様である。その
後、S字特性部分をたどる方向が逆転すると、特性曲線
1′は点h′から点a′の方向へと、たどることにな
る。明らかに、上述したようなトルク変動は、不利益で
ある。
【0021】負荷遮断後ポンプ水車の運転点がS字特性
を辿り下っている時に案内羽根を速く閉めるのは危険で
ある。N1の低下を助長する作用が働くためである。
【0022】このため従来から、水車運転モードにおい
ては、案内羽根の所定開度、例えば80%より下では、
案内羽根の閉鎖速度の上限制限を、案内羽根80%以上
の時の閉鎖速度上限制限より下げて設定している。この
結果、負荷遮断時には、運転点がS字特性に入る直前
に、案内羽根の閉鎖速度が急速閉鎖から緩慢閉鎖に移行
し、閉鎖パターンでみればここで腰折が入る。図12で
説明すると、例えば、案内羽根開度が100%近くにあ
って負荷遮断(時刻to)が起きた場合を考えると、案
内羽根は最初比較的速く閉まり、案内開度が予め設定さ
れた開度Yaに達した時点taで閉鎖速度制限がより小
さい値に切り換えられる。
【0023】したがってポンプ水車回転速度が最大値を
超えて降下に転じたころから始まる運転点のS字特性突
入と流量減少方向への辿り下りが進行中には、案内羽根
閉鎖速度は比較的遅い速度に制限され、前述のようなN
1の低下による過度の正帰還現象助長が抑えられ過度の
水撃は防止できる。
【0024】ところで、この案内羽根開度に応じた閉鎖
速度切換に依存する従来の負荷遮断時の案内羽根閉鎖パ
ターンと水撃、特に上池側管路水圧Hpの上昇の関係に
ついては図12のような関係になることが知られてい
る。すなわち、案内羽根閉鎖速度を急速から緩慢閉鎖に
切り換える条件となる案内羽根開度Yaを上げると、上
池側管路水圧Hpの1波目のピーク値Hpxは下がって
Hpx1となるが、2波目のピーク値Hpyは上がって
Hpy1となる。下池側管路水圧Hdの波形は図示して
ないが、Hp波形の上下を逆にしたようになり、2波目
のピークHdy1はHdyより下がる。なお、案内羽根
の急速閉鎖部の速度制限を変えた場合もHp波形は変わ
る。すなわち、より緩慢な勾配に制限すれば、1波目の
ピーク値Hpxは下がり、2波目のピーク値Hpyは上
がる。最も典型的な例は、急速閉鎖速度が腰折点以下の
緩慢閉鎖速度と同じになった場合である。
【0025】したがって、この案内羽根閉鎖パターンの
腰折だけに依存する従来技術においては例えば特開昭5
4−40946号公報の図5のように、負荷遮断直後の
案内羽根急閉鎖中の上池側管路水圧のピーク値Hpxと
回転速度が降下に転じた後にS字特性によって現れる上
池側管路水圧のピーク値Hpyが略等しくなるように案
内羽根閉鎖パターンを決めていた。具体的には、腰折開
度Yaの値やY>Yaにおける案内羽根急閉鎖速度制限
およびY<Yaにおける案内羽根緩閉鎖速度制限を調整
していた。
【0026】しかし、案内羽根閉鎖パターンの腰折だけ
に依存する従来技術では問題があることが解っている。
例えば、S字特性を有する複数台のポンプ水車が図13
に示されているように各ポンプ水車の上流側または下流
側または両側を共有する場合には、水撃の相互干渉によ
って上流側水圧が異常上昇したり、下流側水圧が異常低
下することがあることが知られている。
【0027】当該の複数台のポンプ水車が同一仕様の場
合を仮定すると、同時負荷遮断された時に発生する上流
側水圧の最高値より、相次いで負荷遮断される時間差遮
断時に発生する上流側水圧の最高値の方が高くなる問題
や、同時負荷遮断された時に発生する下流側水圧の最低
値より、相次いで負荷遮断される時間差負荷遮断時に発
生する下流側水圧の最低値の方が低くなり、場合によっ
ては水柱分離が発生するという問題がある。しかもこれ
らの異常水撃現象がS字特性を辿り下る微妙なタイミン
ク゛に関係しているため最悪になる時間差等の条件を事
前に特定しにくいという問題もある。
【0028】図14、図15、図16は、時間差負荷遮
断時のこの種の相互干渉の難しさを説明する例図であ
る。この場合には3台のポンプ水車が上下流水路を共有
する場合で、1号機が20秒の時点で全負荷遮断されて
からTd1秒後に2号機が全負荷遮断され、さらにこれ
より遅いTd2秒後に3号機が全負荷遮断される。結果
的に1号機の下流側水圧が33.6秒の時点、すなわ
ち、負荷遮断後13.6秒の時点で急降下している。こ
のようにこの種の相互干渉による下流側水圧低下は突然
スパイク状に発生する。それでもポンプ水車の下流側管
路に水柱分離が発生しないようにするためにはポンプ水
車の据付高さを充分低くして下池との水位差を充分な値
に確保する必要があり、ポンプ水車用の掘削量が増大
し、土木コストが異常にアップすることになる。
【0029】なお、この場合には、各号機が単独で全負
荷遮断された場合に、回転速度が降下に転じた後にS字
特性によって現れる上池側管路水圧のピーク値Hpyに
比べて案内羽根急閉鎖中の上池側管路水圧のピーク値H
pxが充分高くなるように案内羽根閉鎖パターンを設定
しているので(図17参照)、相互干渉による異常水撃
が上流側にはあまり顕著には現れない。換言すれば、H
pxをHpyに対して充分高くし、上池側管路の設計水
圧を充分高くできた場合で、上流側の建設コストの高騰
を覚悟した設計である。もちろん、上流側の建設コスト
低減を狙うためにはHpxの低下が必要で、その場合に
は、上池側管路の水撃の相互干渉問題に直面する。さら
に、図17のような案内羽根閉鎖パターンを採用して、
たとえ上池側管路の水撃の相互干渉による異常上昇問題
を回避したとしても、図14、図15、図16のように
下流側管路の相互干渉によるスパイク問題は依然として
残る。
【0030】このように、高落差ポンプ水車の場合には
上下流水路や据付高さ等の土木設計を決める上でS字特
性が大きな問題になるとの認識から従来もS字特性対応
制御の提案がなされている。例えば、特開昭53−14
3842号公報では添付の図19のように負荷遮断後ポ
ンプ水車の運転点がS字特性を流量減少方向に辿ってい
る時に一時的に案内羽根を開き、運転点がS字特性を逆
に流量増加方向に辿り始めた時か流量が略ゼロになった
時点で案内羽根を急閉鎖する案が提案されている。
【0031】しかし、この案では、負荷遮断後回転速度
が一旦上昇した後降下に転じるが、この回転速度降下が
ガバナーの設定で決まる所定回転速度付近まで一気に進
むようにしている。そのために案内羽根開度Y<Yaで
案内羽根閉鎖速度制限を緩閉鎖に移行させる腰折を使わ
ず一時開きした後の案内羽根閉鎖を負荷遮断直後の急閉
鎖と同一レートで一気に閉めている。これではS字特性
対応制御が故障した場合を考えると危険である。
【0032】また、一時開きした後の案内羽根再閉鎖開
始の時点を流量が減少から増加に転じる時点または流量
が略ゼロになる点としているが、ポンプ水車の過渡状態
において信頼性の高い流量検出をすることは難しい。た
とえ信頼性の高い流量検出ができたとしても案内羽根の
動作を急に反転させることは難しく案内羽根が開き過ぎ
になることは容易に推定できる。特に運転点がS字特性
を流量減少方向に辿り終えて流量増加方向辿りに移った
後も案内羽根開操作を続けると逆にS字特性を助長する
結果になる。
【0033】上述した問題点を考えると特開昭53−1
43842号公報が複数台のポンプ水車が同一管路を共
有する場合、特に自分の運転状態だけでなく、他号機か
らの水撃干渉で流量が複雑に変動する場合にも安定した
性能を発揮できるとは思えない。
【0034】なお、従来のポンプ水車では、通常の有負
荷運転では電力系統に連繋されていて安定性に不安がな
いため、ガバナーは安定性より応答速度を重点にしてゲ
インを高めに設定し、他方、負荷遮断後は当該ポンプ水
車が単独で無負荷運転を継続する必要があるため安定性
を重視し、ゲインを低めに設定するようにしている。
【0035】しかしながら、この無負荷運転用の設定は
過渡的に通過するS字特性を考慮したものではなく、S
字特性を抜けた後の言わばN1の値の増加に伴ってQ1
の値が減少する前記第1の部分においてはじめて安定性
が確保できる程度の設定であった。正帰還作用が働くS
字特性内の運転に対しては到底安定性が確保できない設
定になっていた。なお、負荷遮断時ガバナーの演算部を
応答速度を比較的高めに設定する有負荷運転用ゲインか
ら無負荷運転用ゲインへの切換は回転速度が定格回転速
度より充分高い所定値以上になったこと、または遮断器
が開いた等の条件で自動的に行われていた。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】以上説明してきたよう
に、このように構成されているポンプ水車では、ポンプ
水車の運転点が前述したS字特性内にある時には、この
S字特性の影響を受けてポンプ水車の運転に悪影響を及
ぼす嫌いがあり、前述のように従来においては、そのS
字特性の影響の回避に種々の策が試みられたが、性能安
定,かつ安価にしてこの影響を充分に回避することは難
しかった。
【0037】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、ポンプ水車の運転点がS字特性内
にある時でも、性能安定,かつ安価にして充分にS字特
性の影響を緩和でき、ガバナーの安定性を向上させるこ
とが可能なこの種のポンプ水車を提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、発電
電動機に結合されたランナーと、このランナー部を通過
する水量を調整する水量調整手段と、前記ランナーの回
転速度が所定回転速度を保つように前記水量調整手段を
制御するガバナーとを備え、前記ランナーの回転方向を
換えることにより揚水,発電の両モードで運転可能に形
成されているポンプ水車において、前記ガバナーの演算
部を、発電モード時で、かつ発電電動機の発電電力が突
然遮断された負荷遮断時に、少なくとも全負荷遮断時の
最初の回転速度上昇から第1のピークを経て下降に転じ
た後の最初の回転速度下降曲線の前半に、閉動作中の前
記水量調整手段が一時的に開動作に転じ、前記最初の回
転速度下降が定格回転速度より1/3(第1ピーク値−
定格回転速度)以上高い回転速度で止み再上昇に転じる
ように形成し所期の目的を達成するようにしたものであ
る。
【0039】また、この場合、前記負荷遮断後ポンプ水
車が最終的に無負荷運転で落ち着く前に、前記ガバナー
の演算部の設定値をより応答速度が上がる方向に自動切
換するようにしたものである。また、前記負荷遮断後前
記水量調整手段が所定の開度以下まで閉鎖したことを条
件に前記ガバナーの演算部設定値を自動切換するように
したものである。また、前記負荷遮断後回転速度が所定
値以下に低下したことを条件に前記ガバナーの演算部設
定値を自動切換するようにしたものである。また、前記
ガバナーの応答速度が、通常の有負荷運転、無負荷定常
運転、負荷遮断直後の最初の回転速度降下中の順になる
ように前記ガバナーの設定値を自動切換するようにした
ものである。
【0040】また、前記ガバナーの設定値切換をバンプ
レスで行うようにしたものである。また、前記ガバナー
が、往きの回路に比例、積分、微分演算要素を備えたP
IDガバナーであり、かつその積分ゲインだけを切換す
るようにしたものである。また、前記ガバナは、前記水
量調整手段の開度に応じて前記水量調整手段の閉鎖速度
を制限する閉鎖速度制限手段を備え、前記閉鎖速度制限
手段が前記水量調整手段の開度が第一の所定値以上にあ
る間は、前記水量調整手段の閉鎖速度を比較的高い第二
の所定値以下に制限し、前記水量調整手段の開度が前記
第一の所定値以下になった後は閉鎖速度を比較的低い第
3の所定値以下に制限するように構成され、少なくとも
負荷遮断直後で前記水量調整手段の開度が前記第一の所
定値以下に閉鎖するまでは、閉動作中の前記水量調整手
段の一時的開動作が開始されないように前記ガバナーの
演算部を調整したものである。
【0041】また、前記負荷遮断後回転速度が前記第1
のピーク値を経て下降に転じた後に前記水量調整手段の
一時的開動作を始め、その後回転速度降下曲線が上に凸
から下に凸に移る変極点付近まで継続するように前記ガ
バナーの演算部を調整するようにしたものである。ま
た、前記水量調整手段の一時的な開動作が始まる時点
が、負荷遮断直後の回転速度上昇が止む時点より僅かに
早くなるように前記ガバナーの演算部を調整するように
したものである。
【0042】また、前記水量調整手段の一時的な開動作
が始まる時点が、負荷遮断直後の回転速度上昇が止む時
点より僅かに早くなり、かつ、前記水量調整手段の前記
一時的開動作がその後回転速度降下曲線が上に凸から下
に凸に移る変極点付近まで継続するように前記ガバナー
の演算部を調整したものである。また、前記回転速度が
定格回転速度より高い所定値を超えたことを条件に前記
ガバナーの演算部を有負荷運転用の応答速度優先設定か
ら大幅に安定性を改善したS字特性対応設定に自動的に
切換するようにしたものである。
【0043】また、本発明は、ランナーと、このランナ
ーのトルクを発電電動機に伝える主軸と、前記ランナー
を通過する水量を調整する水量調整手段とを備え、前記
ランナーの回転方向を切換えることによって揚水,発電
の両モードで運転可能にしたポンプ水車に関し、発電モ
ードにおいて前記ランナーの回転速度を検出しながら前
記ランナーの回転速度が定常的には所定値に落ち着くよ
うに前記水量調整手段を制御するように構成したガバナ
ーを備え、前記発電電動機の定格電力が遮断される全負
荷時において、最初の回転速度上昇から第1のピークを
経て下降に転じる回転変動曲線の、前記第1のピークの
直前または最初の回転速度下降曲線の前半において、閉
動作中の前記水量調整手段が一時的に開動作に転じるよ
うにし、結果的に前記最初の回転速度上昇開始から前記
第1のピークに達するまでの所要時間に対し、前記第1
のピークから(定格回転速度+速度調定率)相当の回転
速度まで低下する所要時間が2倍以上になるように前記
ガバナーの演算部を調整設定(これをS字特性対応設定
と呼ぶ)するようにしたものである。
【0044】すなわちこのように形成されたポンプ水
車,また制御方法であると、ポンプ水車の運転点がS字
特性内にある時でも、充分にS字特性の影響を緩和する
ことができるのである。すなわち、全負荷遮断時の最初
の回転速度上昇から第1のピークを経て下降に転じた後
の最初の回転速度下降曲線の前半というのは、ポンプ水
車の運転点がS字特性を流量減少方向に辿っているとき
である。この時にガバナーによって閉動作中の前記水量
調整手段が一時的に開動作に転じる程度までPIDガバ
ナーであればガバナーのゲイン、特に積分ゲインや比例
ゲインを下げるべきである。そのようにすれば、微分要
素の作用で、最初の回転速度下降曲線の前半に前記水量
調整手段(すなわち、案内羽根)の一時的開動作が開始
されるようになる。復元回路に不完全微分要素を有する
いわゆるダンピング型ガバナーの場合には、ダンピング
ゲインを大きくし、時定数を長くすることが上記の積分
ゲインや比例ゲインの下げに相当する。
【0045】なお、前記積分ゲインや比例ゲインの下げ
が不足すると前記案内羽根の一時的開動作が遅れて最初
の回転速度下降曲線の後半に現れるようになる。しか
し、これでは効果が低下するばかりか反って有害になる
場合がある。なぜならこの段階ではポンプ水車の運転点
はS字特性を流量減少方向に辿り終えて逆に流量増加方
向に辿り始めるからである。この段階で案内羽根を開け
ると逆にS字特性を動的に強める結果になるからであ
る。しかも、前記の案内羽根の一時的開動作の幅が充分
大きくて前記S字特性対応制御の効果が充分現れる必要
があるが、これを判断する基準は結果的に前記最初の回
転速度下降が定格回転速度より1/3(第1ピーク値−
定格回転速度)以上高い回転速度で止み再上昇に転じる
か否かである。ポンプ水車特性によって多少の差はある
が効果が現れるおおよその目安として考えてよい。例え
ば、後述の本発明の実施例の場合(PIDガバナーを採
用)には、無負荷定常運転時のKp=0.5、Ki=
0.1、Kd=3.45、他方、S字特性対応制御時の
Kp=0.5、Ki=0.02、Kd=3.45であ
る。前記ガバナーの演算部設定変更は負荷遮断の際に適
切な条件によって自動的に行われるようにすべきであ
る。
【0046】前記S字特性対応制御では、PID等のゲ
イン調整だけ説明したが、この他にガバナーの目標回転
速度を設定する速度調整の設定を一時的に上げ補正する
制御などと組み合わせればより効果的である。
【0047】負荷遮断後ポンプ水車がS字特性を抜けて
最終的に無負荷運転で落ち着く前に、前記ガバナーの演
算部をそれまでのS字特性対応設定に比べてより応答速
度を改善する設定(無負荷定常運転用設定と呼ぶ)に自
動修正しておくべきである。なぜならば、回転速度の降
下が緩慢になり過ぎて、いつまでもポンプ水車および発
電電動機を高い回転速度にさらす結果になること、この
ように負荷遮断後の回転速度復帰が遅い機械は運用上都
合が悪いことおよびこのポンプ水車を再度電力系統に並
列する場合に応答が遅すぎるという問題があるためであ
る。
【0048】なお、前記S字特性対応設定から無負荷定
常運転用の設定に自動切換する条件の第1例は、負荷遮
断後前記水量調整手段が所定の開度以下に閉鎖したこと
の確認である。前記S字特性対応設定から無負荷定常運
転用の設定に自動切換する条件のもう一つの例は負荷遮
断後回転速度が所定値以下に低下したことの確認であ
る。ガバナーは、通常の有負荷運転では、安定性は電力
系統に委ねてもよいので、速応性重視で設定し、負荷遮
断後のS字特性対応のためには安定性が特別に強化され
るように設定し、S字特性を抜けた後はできるだけ速や
かに無負荷定常運転用の中間設定にするべきである。し
たがって、ガバナーの応答速度指標では、通常の有負荷
運転、無負荷定常運転、負荷遮断直後のS字特性対応時
の順になるように3種類の設定を用意し、これらを自動
切換すればよい。
【0049】なお、前記ガバナーの設定値切換はバンプ
レスで行われるようにするべきである。特にS字特性対
応制御中に案内羽根がジャンプすると管路を共有する複
数台のポンプ水車の場合には異常な水撃相互干渉を生ず
る可能性がある。
【0050】上記バンプレス切換の一例を挙げると、前
記ガバナーが往きの回路に比例、積分、微分演算要素を
備えたPIDガバナーの場合、積分ゲインだけを切換す
る設計にすればよい。
【0051】前記ガバナは前記水量調整手段(案内羽
根)の開度に応じて前記案内羽根の閉鎖速度を制限する
閉鎖速度制限手段を備え、前記閉鎖速度制限手段が前記
案内羽根の開度が第一の所定値以上にある間は、前記案
内羽根の閉鎖速度を比較的高い第二の所定値以下に制限
し、前記案内羽根の開度が前記第一の所定値以下になっ
た後は閉鎖速度を比較的低い第3の所定値以下に制限す
るように構成されている場合、少なくとも負荷遮断直後
で前記案内羽根の開度が前記第一の所定値以下に閉鎖す
るまでは、閉動作中の前記案内羽根の一時的開動作が開
始されないように前記ガバナーの演算部を調整するべき
である。この理由は、運転点がS字特性に入るまではで
きるだけ速やかに案内羽根を閉鎖し、これから辿ること
になるS字特性をできるだけ小さくしておく必要がある
からである。また、これに反すると負荷遮断後の回転速
度の第1ピークを余計に上げる結果になるからである。
【0052】なお、ポンプ水車の運転点がS字特性を辿
り下り終える時点はポンプ水車特性によって多少の差が
あるが、概略では、回転速度降下曲線が上に凸から下に
凸に移る変極点付近である。したがって、前記案内羽根
の一時的開動作は回転速度が第1ピークを経て降下を始
めてから、回転速度降下曲線が上に凸から下に凸に移る
変極点付近まで継続するのがよい。前記ガバナーの演算
部はこれを規準に設定するとよい。
【0053】なお、前記案内羽根の一時的開動作は回転
速度が前記第1ピークに達する時点より若干早めに開始
した方が効果的な場合がある。この段階では前記回転速
度の第1ピークをほとんど上げることがないこと、逆に
前記一時的開動作のタイミングが遅れた場合にはS字特
性対応制御性能が急激に低下するためである。
【0054】結局、前記案内羽根の一時的な開動作は、
負荷遮断直後の回転速度上昇が止む時点(第1ピーク)
より僅かに早くなし、かつ、回転速度降下曲線が上に凸
から下に凸に移る変極点付近まで継続するように前記ガ
バナーの演算部を調整するのが合理的である。
【0055】なお、負荷遮断後、前記ガバナーの演算部
をS字特性対応設定に切換するのは負荷遮断が行われた
ことを的確に検出する条件であればよい。その意味では
当プラントだけの遮断器接点では不十分である。そこで
回転速度が定格回転速度より充分高い所定値(通常の有
負荷運転では起こり得ないほど充分高い値)を超えたこ
とを条件にすればよい。
【0056】また本発明の結果として、負荷遮断時の上
流側水圧上昇の低減→上流側水路およびポンプ水車自身
の設計水圧の低減→コスト低減、負荷遮断時の下流側水
圧低下幅の低減→ポンプ水車据付高さの改善→土木コス
トの低減、複数台ポンプ水車が上流/下流管路を共有す
る場合の有害な水撃相互干渉の解消、ポンプ水車の水ス
ラストの軽減→スラストメタルの設計合理化、ポンプ水
車自身の負荷遮断時の運転安定化等を一挙に達成するこ
とが可能となるのである。
【0057】
【発明の実施の形態】以下図示した実施例に基づいて本
発明を詳細に説明する。図3には、ポンプ水車のガバナ
がブロック線図で示されている。1は水車100の回転
速度Nを検出する速度検出部、Xnは速度検出信号、2
は回転速度の基準値を設定する速度調整部、x0は速度
調整部2の設定値、3は加算部、Xσは速度調定率設定
部からの復元信号、Xεは加算部3の出力信号ですぐ下
流のPID演算回路の入力信号、4aは発電電動機が大
電力系統に接続される通常の発電運転時の比例演算要素
(P要素)、4bは負荷遮断後の無負荷運転時に使用す
る比例演算要素(P要素)が示されている。なお、前者
の比例演算要素のゲインKpa>後者の比例演算要素の
ゲインKpbとなっている。
【0058】5aは通常の発電運転時の積分演算要素
(I要素)、5b1は負荷遮断直後で後述の20a,2
0b案内羽根開度検出器が動作していない時に使用する
積分演算要素(I要素)を示し、5b2は負荷遮断直後
で後述の20a,20b案内羽根開度検出器が動作した
後に使用する積分演算要素(I要素)を示し、積分ゲイ
ンKia>積分ゲインKib2>積分ゲインKib1と
なっている。
【0059】なお、19a、19bは発電電動機が負荷
遮断されたことを検出する接点で(例えば回転速度が定
格値より高い所定値を超える等の条件で検出)負荷遮断
された時、同時にスイング動作して下側接点を開き上側
接点を閉じる。19a、19bが各2個ある理由は比例
演算要素、積分演算要素共に同時に切換するためであ
る。また、20a、20bは案内羽根が所定の開度以下
まで閉鎖されたことを検出する接点で、案内羽根が所定
開度以下になった時同時にスイング動作して下側接点を
開き上側接点を閉じる。
【0060】6は微分演算要素(D要素)を示し、Zd
はその出力信号である。Zpは比例演算要素の出力信
号、Ziは積分演算要素の出力信号である。微分演算要
素6のゲインはKdは可調整であるが、時定数T1は
0.1秒程度の小さな値で固定される。
【0061】7は加算部が示されている。ZはZp比例
演算要素の出力信号、Zi積分演算要素の出力信号、Z
d微分演算要素の出力信号を総合した案内羽根開度指令
を示し、Yは実際の案内羽根開度が示されている。加算
部8、リミッター9、油圧サーボモーター10は一種の
油圧増幅器になっており、伝達関数ではリミッター付一
次遅れ要素を構成し、Z案内羽根開度指令を増幅して水
量制御手段である案内羽根を直接操作するに充分なスト
ロークと操作力をもつ案内羽根開度Yに変換するもので
ある。Yε1は、Z案内羽根開度指令と実際の案内羽根
開度Yの偏差を示している。Yxxxは上流からのガバ
ナー本来の制御信号のいかんを問わず急停止指令が与え
られた時に案内羽根を急閉鎖することができるほど絶対
値が充分大きい割り込み信号で通常はゼロである。
【0062】21は、Yε1とYxxxを加算してYε
2を出力する加算器である。リミッター9のθRは案内
羽根の開速度をθR.Cyに、θLは閉速度をθl.C
yに制限するためのものである。すなわち、Yε3は偏
差信号Yε2を上記開閉速度制限を考慮して制限した信
号である。なお、11は加算部を示し、この加算部11
に出力調整部13から所望の案内羽根開度設定信号Ya
が与えられる。もし実際の案内羽根開度YがYaに達し
ていない場合には、すなわち、Y<Yaの場合にはその
差がゼロになるまでガバナのPID演算部に開信号σ
(Ya−Y)が送り続けられるので、やがてはY=Ya
となりその段階で落ち着く。
【0063】12は速度調定率設定部で上記の係数σを
設定する部分である。換言するとσは速度検出信号Xn
の変化に対する案内羽根開度Yの変化の割合を決めるゲ
インで、一般には電力系統の中での当該プラントの役
割、すなわち、負荷分担の割合を考慮して一般には一度
決めたら変更されないものである。14は水路系を含む
水車を示している。Lは水車軸に直結された発電機に与
えられる当該発電所の負荷電力、RLは電力系統側から
与えられる負荷電力、PgはLとRLを総合した発電機
負荷が示されている。したがって、17bは電力系統か
らの負荷特性を示している。17aは水車100の自己
制御性で、具体的には回転速度上昇に伴い増加する機械
損や効率低下等を総合した特性部である。したがって、
RTは回転速度変化に伴う自己制御性による水車出力の
ロスを示している。かくして水車からみればPgだけで
なくRTも一種の負荷のようにみなすことができる。す
なわち、水車の出力Ptを消費する総合負荷LΣ=Pg
+RTとみなすことができる。かくして(Pt−LΣ)
が回転部慣性効果16の入力となり、回転部慣性効果1
6の出力が回転速度Nとなる。なお、負荷遮断後はPg
はLに等しくなる。
【0064】ここで、速度調整部2、出力調整部13、
速度調定率設定部12の作用を図20(A)、図20
(B)により説明する。なお、ここで無負荷時の案内羽
根開度は0.2(pu)と仮定する。図20(A)の右
下がりの実線はこのプラントが電力系統に接続される直
前の状態が示されている。すなわち、Nの定格値(同期
速度)ラインとこの実線の交点が案内羽根開度を示す
が、丁度無負荷開度0.2になっている。なお、水車を
起動する前はこの実線はこれより低い位置に設定され
る。例えば図20(A)の点線の位置に設定される。こ
のように図20(A)の実線より下側でこの実線を上下
に平行移動させるのが、速度調整部2である。この実線
を上下に平行移動した時無負荷開度0.2線上の交点が
上下に動くことから速度調整部の名が付いている。
【0065】他方、このプラントが電力系統に接続され
た後の動きについて図20(B)により説明する。この
場合は、実線と定格速度との交点はY=1.0になって
いる。すなわち、100%負荷運転中が示されている。
図20(A)の並列時の実線位置は、図20(B)では
点線の位置になる。
【0066】このように実線を平行移動させて案内羽根
開度を調整するのが出力調整部13である。出力調整部
13は、実線を水平方向に平行移動させるものである
が、無限大電力系統に連繋された状態では、回転速度は
事実上1.0に固定されるので、実線の水平方向移動に
伴うN=1.0線上の交点は左右に動くことから、この
名が付けられている。
【0067】図20(B)の実線の設定では、定常時は
N=1.0,Y=1.0で運転されるが、今、仮に電力
系統の周波数が3%上昇しN=1.03になったとする
と、Yは0.2になる。電力系統周波数の上昇幅が1.
5%であれば、Y=0.6に閉め込まれる。このように
周波数変化幅と案内羽根閉め込み幅の間に比例関係を与
えているのが、速度調定率設計部12である。速度調定
率設計部12のゲインを大きくすれば、図20(B)の
実線の右下がり勾配はよりきつくなり、周波数変化に対
する案内羽根開度応答幅のゲインが下がってくる。した
がって、図20(B)の実線の設定で定格回転速度で
(N=1.0で)全負荷(100%負荷)運転中に負荷
遮断が起きれば、ガバナーは回転速度Nを最終的には定
格値より速度調定率分だけ高い1.03に落ち着かせる
ように作動する。
【0068】図21(A)は、ポンプ水車の案内羽根閉
鎖速度制限を示す典型的な例図である。ポンプ水車の場
合には、従来より案内羽根開度Y>Yaの範囲では勾配
がθ1aより大きくならないよう、Y<Yaの範囲では
勾配がθ1aよりさらに小さいθ1bより大きくならな
いよう速度制限を与える。すなわち、図3のθLをY>
Yaの範囲では比較的大きいtan(θ1a)/Cy
に、Y<Yaの範囲では比較的小さいtan(θ1b)
/Cyに設定する。他方、案内羽根の開動作について
は、閉動作のようにS字特性の影響を受けないので、例
えば図21(B)のように案内羽根開度に関係なく|θ
1a|>|θ2|>|θ1b|となるような一定値θ2
に設定する。
【0069】ここで本発明のポイントである積分ゲイン
Kib1、Kib2、比例ゲインKpb、微分ゲインK
dの設定方法について説明する。負荷遮断後の定常状
態、すなわち、負荷遮断後案内羽根が所定開度以下まで
閉まり、S字特性対応制御がほぼ必要なくなる段階にな
れば、従来の無負荷定常時と同様の設定方法でよい。例
えば、ポンプ水車上下流水路の管路時定数Tw=ΣL
i.Vi/(g.H)と回転部慣性効果の時定数Tm=
0.00274GD2N02/Kwに応じてKpb,Ki
b2を決めればよい。例えば、Kpb=0.3Tm/T
w、Kib2=0.25Kp/Tw、Kd=0.3K
p.Twのように決めればよい。すなわち、S字特性を
考慮せずにTwとTmベースで決めればよい。但し、L
iは各管路の長さ(m)、Viは各管路内の流速(m/
sec)、gは重力の加速度(m/sec2)、Hは有
効落差(m)、回転部慣性定数GD2(ton−m2)、
N0は定格回転速度(rpm)、Kwは定格出力(k
w)。しかし、S字特性対応制御のためには、すなわ
ち、最初の回転速度下降曲線の前半において、閉動作中
の前記水量調整手段が一時的に開動作に転じるように、
かつ、結果的に前記最初の回転速度下降が定格回転速度
より1/3(第1ピーク値−定格回転速度)以上高い回
転速度で止み再上昇に転じるようにするために、安定性
を格段に上げる必要がある。特にKib1ゲインを格段
に小さくする必要がある。
【0070】図1、図2、図4は500m級ポンプ水車
に本発明の設定方法を適用した例であるが、この場合に
は、Kd=3.45、Kpb=0.5、Kib1=0.
02、Kib2=0.1とした。この場合、Kpは負荷
遮断後の切換は行わずKpb一本にしたので(図3参
照)、KpbをS字特性対応制御の方も考慮して通常設
定より小さくし、約1/5とした。S字特性対応制御か
ら無負荷定常運転への切換時KpbもKib1→Kpb
2と一緒に切換する案もあるがここではバンプが出ない
よう切換対象を積分要素に限定している。
【0071】かくして図1のように、案内羽根が閉鎖中
に狙い通りのS字特性対応制御を行っている。この結
果、流量は逆流することなくスムースに無負荷流量へと
収斂してゆく。水撃Hpの第2波Hpyもほとんど消滅
している。図2はこの時のポンプ水車のN1−Q1軌跡
である。この図から運転点がS字特性を流量減少方向に
辿る時は案内羽根が開かれ、逆に流量増加方向に辿る時
は案内羽根が閉められている様子が確認でき、S字特有
の加振作用がかなり抑制されていることも推察できる。
【0072】図4はこの時のガバナーの応答、すなわ
ち、PID要素の出力応答が示されている。案内羽根開
度検出器20a,20bは、この場合には、負荷遮断後
20秒の時点の案内羽根開度で動作している。このため
Zi曲線が負荷遮断後20秒の時点で大きく折れてい
る。
【0073】なお、図5はKpb、Kib2のゲインを
無負荷通常運転用の設定に近づけた場合にどういう問題
が起きるかを説明する図である。この場合には、Kd=
3.45、Kpb=1.0、Kib1=Kib2=0.
1とした場合でそれでもKib1=Kib2は通常の無
負荷定常運転時の約1/3、Kpbは約1/2にしてい
る。このようにガバナーのゲインが充分小さくなってい
ない中途半端な設定では案内羽根の開動作が最初の回転
速度降下曲線の後半に現れ、S字特性の制振どころか逆
に加振を助長する結果になっている。このようにS字特
性対応制御の設定は規準がないと難しいが本発明の規準
によれば簡単に的確に設定ができる。
【0074】なお、無負荷定常運転になってもS字特性
対応制御設定のまま放置してもよいが前述から推察でき
るように、ガバナーの応答速度が鈍くなり過ぎること、
および負荷遮断後の回転速度の降下が大幅に遅れる欠点
がある。
【0075】図6,図7,図8は、図1,図2のように
本発明の規準で設定した、管路を共有する3台のポンプ
水車の時間差負荷遮断の解析結果である。図14、図1
5、図16の従来技術と対比すると効果は明白である。
すなわち、異常な水撃干渉による水車下流側水圧のスパ
イクが全く発生しない。上流側水圧の様相も極めておだ
やかである。
【0076】なお、上述の図1,2,3では、S字特性
対応制御をガバナーのPIゲインの切換だけで行ってい
るが、タイムリーに速度調整部2の設定値Xoを上げ補
正する等の制御も組合せより効果的にすることも可能で
ある。
【0077】以上説明してきたようにこのようなポンプ
水車であると、S字特性による異常な流量変動幅を大幅
に圧縮できることから、ポンプ水車が受ける過渡的な水
スラスト変動を大幅に低減することができ、したがっ
て、スラスト軸受の設計合理化が可能になる。また、ポ
ンプ水車の上流側または下流側管路を共有する複数台の
ポンプ水車においては、従来、異常水撃干渉の対策とし
て各号機に運転制限を与えている場合もあったが、これ
が必要なくなり、各号機は互いに自由に運転できるよう
になる。
【0078】さらには、負荷遮断時の余計な流量変動を
抑制できるので振動、騒音等が軽減されポンプ水車自身
の運転状態が改善され寿命の延長が可能になる。異常の
効果は全てが揚水発電所コスト低減に貢献することは言
うまでもない。しかも、本発明はガバナーの設定方法を
工夫するだけで簡単に、かつ的確に達成することができ
る。
【0079】また、ポンプ水車の負荷遮断に過大な流量
変動を伴うことなくスムースに無負荷流量に収斂してい
くことから、水車の上流側水圧上昇幅を、特に第2ピー
クHpyを低くし、場合によってはほとんど消去するこ
とが可能である。したがって、第1ピークHpxはいか
なる条件でも第2ピークHpyより低くしないようにと
の従来主流になっている調整方法を踏襲しても、第1ピ
ークHpxを大幅に下げることが可能になる。このため
水車上流側管路およびポンプ水車自体の設計水圧を大幅
に下げることが可能である。
【0080】また、水車の下流側管路についてもS字特
性に起因する水圧低下幅を大幅に縮小可能である。特
に、下流管路を複数のポンプ水車が共有する場合の号機
間相互干渉による異常スパイクを解消することができ
る。このため同じ下池水位の下でポンプ水車の据付高さ
を高くすることが可能になり、特に地下発電所の場合土
木掘削ボリュームを少なくすることが可能である。
【0081】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、ポンプ水車の運転点がS字特性内にある時でも、性
能安定,かつ安価にして充分にS字特性の影響を緩和す
ることができ、ガバナーの安定性を向上させることが可
能なこの種のポンプ水車を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポンプ水車の負荷遮断時の時間応答グ
ラフである。
【図2】本発明の水車ポンプの負荷遮断時の運転点軌跡
図である。
【図3】本発明の一実施例を示すブロック線図である。
【図4】本発明の図1の実施例の各部の応答グラフであ
る。
【図5】本発明の別の実施例で好ましくない設定の例を
示す図である。
【図6】本発明水車ポンプの時間差負荷遮断の解析結果
を示す図である。
【図7】本発明水車ポンプの時間差負荷遮断の解析結果
を示す図である。
【図8】本発明水車ポンプの時間差負荷遮断の解析結果
を示す図である。
【図9】ポンプ水車の一般的な特性図である。
【図10】ポンプ水車の動作フローチャートである。
【図11】ポンプ水車の動作フローチャートである。
【図12】案内羽根の閉鎖パターンの説明図である。
【図13】複数のポンプ水車を有する発電所の例図であ
る。
【図14】従来のポンプ水車の負荷遮断時の応答グラフ
である。
【図15】従来のポンプ水車の負荷遮断時の応答グラフ
である。
【図16】従来のポンプ水車の負荷遮断時の応答グラフ
である。
【図17】従来のポンプ水車の負荷遮断時の応答グラフ
である。
【図18】従来のポンプ水車の負荷遮断時の応答グラフ
である。
【図19】従来のポンプ水車のS字特性対応制御の例図
である。
【図20】従来のポンプ水車のガバナー動作特性図であ
る。
【図21】従来の案内羽根の速度制限の説明図である。
【符号の説明】
1…回転速度検出器、2…速度調整部、3…加算器、4
a…発電電動機が大電力系統に接続される通常の発電運
転時の比例演算要素(P要素)、4b…負荷遮断後の無
負荷運転時に使用する比例演算要素(P要素)、5a…
通常の発電運転時の積分演算要素(I要素)、5b1…
案内羽根開度検出器が動作していない時に使用する積分
演算要素(I要素)、5b2…負荷遮断直後で案内羽根
開度検出器が動作した後に使用する積分演算要素(I要
素)、6…微分演算要素(D要素)、7…加算部、8…
加算部、9…リミッター、10…油圧サーボモーター、
13…出力調整部、14…水路系を含む水車、16…回
転部慣性効果、17b…電力系統からの負荷特性、19
a,19b…発電電動機が負荷遮断されたことを検出す
る接点、20a,20b…案内羽根が所定の開度以下ま
で閉鎖されたことを検出する接点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 慶 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所火力・水力事業部内 (72)発明者 中川 博人 大阪府大阪市北区中之島三丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 萩原 春樹 大阪府大阪市北区中之島三丁目3番22号 関西電力株式会社内 Fターム(参考) 3H073 AA12 BB10 CC12 CD03 CE09 CE26

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電電動機に結合されたランナーと、該
    ランナー部を通過する水量を調整する水量調整手段と、
    前記ランナーの回転速度が所定回転速度を保つように前
    記水量調整手段を制御するガバナーとを備え、前記ラン
    ナーの回転方向を換えることにより揚水,発電の両モー
    ドで運転可能に形成されているポンプ水車において、 前記ガバナーの演算部を、発電モード時で、かつ発電電
    動機の発電電力が突然遮断された負荷遮断時に、少なく
    とも全負荷遮断時の最初の回転速度上昇から第1のピー
    クを経て下降に転じた後の最初の回転速度下降曲線の前
    半に、閉動作中の前記水量調整手段が一時的に開動作に
    転じ、前記最初の回転速度下降が定格回転速度より1/
    3(第1ピーク値−定格回転速度)以上高い回転速度で
    止み再上昇に転じるように形成したことを特徴とするポ
    ンプ水車。
  2. 【請求項2】 前記負荷遮断後ポンプ水車が最終的に無
    負荷運転で落ち着く前に、前記ガバナーの演算部の設定
    値をより応答速度が上がる方向に自動切換するようにし
    た請求項1記載のポンプ水車。
  3. 【請求項3】 前記負荷遮断後前記水量調整手段が所定
    の開度以下まで閉鎖したことを条件に前記ガバナーの演
    算部設定値を自動切換するようにした請求項2記載のポ
    ンプ水車。
  4. 【請求項4】 前記負荷遮断後回転速度が所定値以下に
    低下したことを条件に前記ガバナーの演算部設定値を自
    動切換するようにした請求項2記載のポンプ水車。
  5. 【請求項5】 前記ガバナーの応答速度が、通常の有負
    荷運転、無負荷定常運転、負荷遮断直後の最初の回転速
    度降下中の順になるように前記ガバナーの設定値を自動
    切換するようにした請求項1記載のポンプ水車。
  6. 【請求項6】 前記ガバナーの設定値切換がバンプレス
    で行われるようにした請求項2記載のポンプ水車。
  7. 【請求項7】 前記ガバナーが、往きの回路に比例、積
    分、微分演算要素を備えたPIDガバナーであり、かつ
    その積分ゲインだけを切換するようにした請求項2記載
    のポンプ水車。
  8. 【請求項8】 前記ガバナは、前記水量調整手段の開度
    に応じて前記水量調整手段の閉鎖速度を制限する閉鎖速
    度制限手段を備え、前記閉鎖速度制限手段が前記水量調
    整手段の開度が第一の所定値以上にある間は、前記水量
    調整手段の閉鎖速度を比較的高い第二の所定値以下に制
    限し、前記水量調整手段の開度が前記第一の所定値以下
    になった後は閉鎖速度を比較的低い第3の所定値以下に
    制限するように構成され、少なくとも負荷遮断直後で前
    記水量調整手段の開度が前記第一の所定値以下に閉鎖す
    るまでは、閉動作中の前記水量調整手段の一時的開動作
    が開始されないように前記ガバナーの演算部を調整した
    請求項1記載のポンプ水車。
  9. 【請求項9】 前記負荷遮断後回転速度が前記第1のピ
    ーク値を経て下降に転じた後に前記水量調整手段の一時
    的開動作を始め、その後回転速度降下曲線が上に凸から
    下に凸に移る変極点付近まで継続するように前記ガバナ
    ーの演算部を調整した請求項1記載のポンプ水車。
  10. 【請求項10】 前記水量調整手段の一時的な開動作が
    始まる時点が、負荷遮断直後の回転速度上昇が止む時点
    より僅かに早くなるように前記ガバナーの演算部を調整
    した請求項1記載のポンプ水車。
  11. 【請求項11】 前記水量調整手段の一時的な開動作が
    始まる時点が、負荷遮断直後の回転速度上昇が止む時点
    より僅かに早くなり、かつ、前記水量調整手段の前記一
    時的開動作がその後回転速度降下曲線が上に凸から下に
    凸に移る変極点付近まで継続するように前記ガバナーの
    演算部を調整した請求項1記載のポンプ水車。
  12. 【請求項12】 前記回転速度が定格回転速度より高い
    所定値を超えたことを条件に前記ガバナーの演算部を有
    負荷運転用の応答速度優先設定から大幅に安定性を改善
    したS字特性対応設定に自動的に切換するようにした請
    求項1記載のポンプ水車。
  13. 【請求項13】 ランナーと、前記ランナーのトルクを
    発電電動機に伝える主軸と、前記ランナーを通過する水
    量を調整する水量調整手段を備え、前記ランナーの回転
    方向を切換えることによって揚水、発電の両モードで運
    転可能にしたポンプ水車において、 前記発電モード時前記ランナーの回転速度を検出し前記
    ランナーの回転速度が定常的には所定値に落ち着くよう
    に前記水量調整手段を制御するように構成したガバナー
    を備え、前記発電電動機の発電電力が突然遮断される負
    荷遮断時に、少なくとも全負荷遮断時の最初の回転速度
    上昇から第1のピークを経て下降に転じた後の最初の回
    転速度下降曲線の前半において、閉動作中の前記水量調
    整手段が一時的に開動作に転じるようにし、結果的に前
    記最初の回転速度下降が定格回転速度より1/3(第1
    ピーク値−定格回転速度)以上高い回転速度で止み再上
    昇に転じるように前記ガバナーの演算部を調整設定(こ
    れをS字特性対応設定と呼ぶ)したことを特徴とするポ
    ンプ水車。
  14. 【請求項14】 ランナーと、該ランナーのトルクを発
    電電動機に伝える主軸と、前記ランナーを通過する水量
    を調整する水量調整手段とを備え、前記ランナーの回転
    方向を切換えることによって揚水,発電の両モードで運
    転可能にしたポンプ水車に関し、発電モードにおいて前
    記ランナーの回転速度を検出しながら前記ランナーの回
    転速度が定常的には所定値に落ち着くように前記水量調
    整手段を制御するように構成したガバナーを備え、前記
    発電電動機の定格電力が遮断される全負荷時において、
    最初の回転速度上昇から第1のピークを経て下降に転じ
    る回転変動曲線の、前記第1のピークの直前または最初
    の回転速度下降曲線の前半において、閉動作中の前記水
    量調整手段が一時的に開動作に転じるようにし、結果的
    に前記最初の回転速度上昇開始から前記第1のピークに
    達するまでの所要時間に対し、前記第1のピークから
    (定格回転速度+速度調定率)相当の回転速度まで低下
    する所要時間が2倍以上になるように前記ガバナーの演
    算部を調整設定(これをS字特性対応設定と呼ぶ)した
    ポンプ水車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112507487A (zh) * 2020-11-30 2021-03-16 中国长江电力股份有限公司 一种水轮机调速器接力器的可靠性评估方法及系统

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