JP2001131731A - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JP2001131731A
JP2001131731A JP31260899A JP31260899A JP2001131731A JP 2001131731 A JP2001131731 A JP 2001131731A JP 31260899 A JP31260899 A JP 31260899A JP 31260899 A JP31260899 A JP 31260899A JP 2001131731 A JP2001131731 A JP 2001131731A
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雄一郎 大沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜形成装置の容器内に収容されている基板
への薄膜形成過程で、前記容器内に設置されている部材
に堆積する薄膜と、前記容器内に設置されている部材と
にそれぞれ発生する内部応力の差の増大による薄膜の剥
離を効果的に防止する。 【解決手段】 ターゲットシールドのようなシールド
板、シャッター板、マスク、防着板等の薄膜形成装置の
容器内に設置される部材と、これらの部材に堆積する薄
膜とにそれぞれ発生する内部応力の差によって、前記薄
膜から容器内に設置される部材に対して作用する力が、
薄膜を前記部材から剥離させる方向に働くのではなく、
薄膜と前記部材との間の密着力を高める方向に働くよう
に、容器内に設置される部材の表面形状を、当該部材と
当該部材に堆積する薄膜との間の応力差に応じて、凹曲
面の連続面又は凸曲面の連続面に形成して前記課題を解
決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は真空蒸着、スパッ
タリング、プラズマCVD等の薄膜形成手段によって容
器内に収容した基板に薄膜を形成する薄膜形成装置に関
し、特に、薄膜形成処理を繰り返す間に容器内の部材に
堆積した薄膜が、当該部材から剥離することを効果的に
防止できるように前記容器内に設置される部材が形成さ
れている薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】真空蒸着、スパッタリング、プラズマC
VD等による薄膜形成装置において基板への薄膜形成処
理を行うと、ターゲットシールドのようなシールド板、
シャッター板、マスク、防着板等の容器内に設置されて
いる部材にも薄膜が堆積する。この堆積物たる薄膜は薄
膜形成処理を繰り返すうちに、厚膜化して剥離しやすく
なり、剥離した堆積物が塵芥となって処理対象物である
基板に付着し、不良発生の原因になっていた。
【0003】この問題の解決策として従来技術では、容
器内に設置される部材にブラスト加工や種々の金属の溶
射処理などを行い、前記部材の表面に細かい凹凸を設け
て薄膜の堆積面積を増やし、この面積の増加に応じて前
記部材の表面に堆積する薄膜の膜厚増加を抑えることが
試みられ、これらによって所望した効果が発揮されてい
る。
【0004】しかし、このように容器内に設置される部
材の表面に細かい凹凸を設けて薄膜の堆積面積を増や
し、前記部材の表面に堆積する薄膜の膜厚増加抑制を図
っても、堆積物が厚くなるに従って、容器内に設置され
た部材と堆積物とにそれぞれ発生する内部応力の差が増
大し、堆積物の剥離を生じることは避けられなかった。
【0005】これを図7を用いて説明すると、薄膜形成
処理が行われている時には容器内に設置された部材13
も加熱されているが、成膜後、部材13は冷えて縮小し
ようとするので、部材13とその表面に堆積した堆積物
14との間では、それらの材質の相違に起因する線形熱
膨脹率の差により、内部応力の差が生じる。この内部応
力の差によって、例えば、図7(a)に示すように、堆
積物14に矢示15a、15b方向の圧縮応力が発生す
る。この圧縮応力は、堆積物14が厚くなるに従って増
大するので、ついには、矢示16(図7(b))のよう
に、堆積物14を容器内に設置されている部材13から
引き剥がす方向の力が生じ、堆積物14が剥がれること
になる。
【0006】そこで、容器内に設置される部材にブラス
ト加工や種々の金属の溶射処理などを行った場合であっ
ても、所定の期間ごとに容器内に設置されている部材か
ら堆積物を除去するクリーニングを行うことが必要であ
った。
【0007】このクリーニングを行う間隔を延長させる
ことができれば、薄膜形成装置の運転効率の向上、生産
性向上を図ることができる。そこで、容器内に収容した
基板への薄膜形成処理の過程で、容器内に設置されてい
る防着板等の部材に堆積する薄膜の剥離を防止すべく従
来行われてきた容器内に設置される部材に対するブラス
ト加工や種々の金属の溶射処理などに加えて、容器内に
設置される部材と堆積物とにそれぞれ発生する内部応力
の差の増大による堆積物の剥離を効果的に防止できる処
置の開発、提案が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、薄膜形成
装置の容器内に設置される部材に堆積した薄膜の剥離を
防止すべく従来行われてきたブラスト加工や種々の金属
の溶射処理などの表面処理に加えて、堆積した前記薄膜
の膜厚増加に連れて、容器内に設置される部材と堆積物
とにそれぞれ発生する内部応力の差が増大することによ
る堆積物の剥離を効果的に防止でき、前記薄膜の剥離を
より長期間に亘って防止できる処理の施された薄膜形成
装置を提案することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、ターゲット
シールドのようなシールド板、シャッター板、マスク、
防着板等、薄膜形成装置の容器内に設置される部材の中
に、容器内に収容した基板への薄膜形成処理の過程で当
該部材に堆積する薄膜の剥離を防止すべく従来行われて
きたブラスト加工や種々の金属の溶射処理などの表面処
理が施されていると共に、当該部材とこれに堆積する薄
膜とにそれぞれ発生する内部応力の差によって当該薄膜
から当該部材に及ぼされる力が、薄膜を剥離させる方向
にではなく、薄膜と前記部材との間の密着力を高める方
向へ働くように、その表面形状が凹曲面の連続面又は凸
曲面の連続面に形成されている部材を含ませておくこと
により、前記薄膜の剥離をより長期間に亘って効果的に
防止でき、これによって、容器内に設置されている部材
から堆積物を除去するためのクリーニングを行う間隔の
延長を図り、運転効率、生産性が向上された薄膜形成装
置を実現したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】すなわち、この発明が提案する薄
膜形成装置は、容器内に収容した基板に薄膜を形成する
装置において、前記容器内に設置される部材の中に、表
面形状が凹曲面の連続面又は凸曲面の連続面に形成され
ている部材が含まれていることを特徴とする薄膜形成装
置である。
【0011】前記において、凹曲面の連続面又は凸曲面
の連続面に形成されている前記部材の表面形状は、容器
内に収容した基板に薄膜を形成する過程で前記部材に堆
積した薄膜及び前記部材それぞれの内部応力の差によっ
て前記堆積した薄膜から前記部材に及ぼされる力の方向
に対応して、凹曲面の連続面又は凸曲面の連続面に形成
されるものである。
【0012】前記において、容器内に設置される部材の
中に、表面形状が凹曲面の連続面又は凸曲面の連続面に
形成されている部材が含まれているとは、真空蒸着、ス
パッタリング、CVD等の薄膜形成処理が行われる薄膜
形成装置の容器(例えば、真空容器、低圧ガス容器な
ど)内に設置されるターゲットシールドのようなシール
ド板、シャッター板、マスク、防着板等の部材の中に、
前記容器内に収容した基板への薄膜形成処理の過程で当
該部材に堆積する薄膜の剥離を防止すべく従来行われて
きたブラスト加工や種々の金属の溶射処理などの表面処
理が施されているだけでなく、当該部材とこれに堆積す
る前記薄膜とにそれぞれ発生する内部応力の差によって
前記薄膜から当該部材に及ぼされる力が、前記薄膜と部
材との間の密着力を高める方向へ働くように表面形状が
凹曲面の連続面又は凸曲面の連続面に形成されている部
材が含まれていることをいい、防着板等の容器内に設置
される部材の総てが、このように、従来行われてきたブ
ラスト加工や種々の金属の溶射処理などの表面処理が施
されていると共に、当該部材とこれに堆積する前記薄膜
とにそれぞれ発生する内部応力の差によって前記薄膜か
ら当該部材に及ぼされる力が、前記薄膜と部材との間の
密着力を高める方向へ働くように表面形状を凹曲面の連
続面又は凸曲面の連続面に形成されている場合をも含む
ものである。
【0013】なお、防着板等のような、薄膜形成装置の
容器内に設置される部材の中の一部のみを、前記のよう
に、従来行われてきたブラスト加工や種々の金属の溶射
処理などの表面処理が施されていると共に、当該部材と
これに堆積する前記薄膜とにそれぞれ発生する内部応力
の差によって前記薄膜から当該部材に及ぼされる力が、
前記薄膜と部材との間の密着力を高める方向へ働くよう
に表面形状が凹曲面の連続面又は凸曲面の連続面に形成
されている部材とする場合、どの部材をこのような表面
形状を有する部材とするかは、基板への薄膜形成処理の
過程で堆積する薄膜が最も多い部分に位置する部材、膜
剥がれの結果が処理対象物たる基板への付着、不良発生
の原因に最もつながり易い部分に位置する部材などを選
択して行い、他の部材については、膜剥がれ防止のため
の処置として従来公知のブラスト加工や種々の金属の溶
射処理などの表面処理のみが施されているものとする
等、膜剥がれ防止の効率のよさ、薄膜形成装置の生産性
のよさ等、種々の観点から定めることができる。
【0014】薄膜形成装置の容器内に収容されている基
板に薄膜形成処理を行っている間に、防着板等の容器内
に設置されている部材に堆積する薄膜と、当該部材とに
発生する内部応力の差によって、前記薄膜が部材表面に
及ぼす力は、基板に成膜されるターゲット材の材質と、
前記部材の材質(一般的には、Al、Ti、SUSが用
いられている)によって決定される。すなわち、ターゲ
ット材、容器内に設置される部材の線形熱膨脹率の差に
より、前記薄膜が部材表面に及ぼす力が圧縮応力となる
か、引っ張り応力となるか決定される。
【0015】そこで、あらかじめ、ターゲット材の材
質、容器内に設置される部材の材質を考慮した上で、容
器内に設置される部材の表面形状を凹曲面の連続面又は
凸曲面の連続面とすることによって、前記容器内に設置
される部材と薄膜とにそれぞれ発生する内部応力の差に
より前記薄膜が部材に及ぼす力を、薄膜を剥離させる方
向にではなく、薄膜と前記部材との間の密着力を高める
方向に働かせ、これによって前記部材の表面に堆積した
薄膜が剥離に至るまでの時間を延長させ、薄膜の剥離を
より長期間に亘って防止することができる。
【0016】ここで、容器内に設置される部材に堆積す
る薄膜が、部材に対して圧縮応力となって作用する場合
には、部材の表面形状を連続した凹曲面とし、引っ張り
応力となって作用する場合には、部材の表面形状を連続
した凸曲面とすれば、前記容器内に設置される部材と薄
膜とにそれぞれ発生する内部応力の差により前記薄膜が
部材に及ぼす力を、前記部材と薄膜との間の密着力を高
める方向に作用させることができる。
【0017】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の好ましい
実施例を説明する。
【0018】図1(a)は、この発明が適用されている
スパッタリング装置1を例示したものであり、真空容器
2の中に、基板ホルダー4に支持された基板5とターゲ
ット3(スパッタ材料は、Mo)とが対向設置されてい
ると共に、ターゲットシールド6、基板5を囲むように
取り付けられたマスク7(アルミニウム材製)が設置さ
れている。
【0019】この実施例においては、ターゲットシール
ド6等の部材は、その表面に、真空容器内に収容した基
板への薄膜形成処理の過程で当該部材に堆積する薄膜の
剥離を防止すべく従来行われてきたブラスト加工が施さ
れているものであるが、マスク7は、図3(a)、
(b)に示したように、表面にブラスト加工が施されて
微細な凹凸19が設けられていると共に、図1(b)に
示したように、その表面形状が凹曲面8の連続面に形成
されているものである。
【0020】図2(a)にマスク7の表面を拡大して表
したが、本発明のスパッタリング装置1で基板5への成
膜処理を行っている過程で真空容器2内に設置されてい
るマスク7の表面に堆積する薄膜9は、マスク7の表面
形状が凹曲面8の連続面に形成されていることから、曲
面を描いて堆積する。ここで、この実施例のように、マ
スク7がアルミニウム材製で、スパッタ材料がMoの場
合には、両者の材質の相違(両者の線形熱膨脹率の差)
から、マスク7に堆積する薄膜9からの力は、マスク7
に対して矢示17a、17b(図2(a))のように、
圧縮応力となって作用する。薄膜9が厚くなるに従って
この圧縮応力は増大するが、薄膜9がマスク7の表面に
曲面を描いて堆積していることから、薄膜9とマスク7
の内部応力の差によって、薄膜9からマスク7に及ぼさ
れる力の方向は、矢示10(図2(a))の方向とな
り、薄膜9とマスク7との間の密着力を高めるように働
くことになる。そこで、このような表面形状に形成され
ているマスク7の表面に堆積した薄膜9が剥離に至るま
での時間は、薄膜9からマスク7の表面に作用する力の
方向を考慮して、容器内に設置される部材の表面形状を
連続した凹曲面又は凸曲面に形成するという本願発明の
ような対処がされていない場合よりも長くなり、薄膜9
の剥離をより長期間に亘って防止することができる。
【0021】なお、この実施例において、マスク7の表
面に形成されている凹曲面8の連続面は、図4図示のよ
うに、凹溝8a、8b、8c、8dが連続的に隣接して
いる二次曲面で連続加工されているものである。
【0022】図1に例示した装置で基板5への成膜を行
ったところ、ターゲット積算電力1,000KWH(堆
積膜厚に換算して0.6mm)以上堆積させても、表面
形状が図4図示の二次曲面に連続加工された凹曲面8と
されているマスク7から堆積膜9の剥離は発生しなかっ
た。
【0023】一方、図1に例示した装置のマスク7を真
空容器2内に収容されている他の部材と同じく、従来行
われてきたブラスト加工処理のみが施されているマスク
として基板5への成膜処理を行ったところ、ターゲット
積算電力500KWH(堆積膜厚に換算して0.3m
m)で、マスクからの堆積膜の剥離が発生した。
【0024】すなわち、本発明の薄膜形成装置のよう
に、真空容器2内に設置される部材とこれに堆積する薄
膜とにそれぞれ発生する内部応力の差によって当該薄膜
から前記部材の表面に及ぼされる力が、薄膜と前記部材
との間の密着力を高める方向へ働くように凹曲面の連続
面又は凸曲面の連続面に表面形状が形成されている部材
を含んでいる薄膜形成装置とすれば、真空容器2内に設
置される部材の表面に堆積した薄膜9が剥離に至るまで
の時間を延長させ、薄膜9の剥離をより長期間に亘って
防止することができる。
【0025】なお、この実施例では、マスク7のみを表
面にブラスト加工が施されて微細な凹凸19が設けられ
ていると共に、その表面形状が凹曲面の連続面に形成さ
れている部材とし、他のターゲットシールド6等の部材
は、ブラスト加工のみが施されている薄膜形成装置を説
明したが、マスク7以外の真空容器2内に設置される部
材総てについても、ブラスト加工が施されて微細な凹凸
が設けられていると共に、その表面形状が凹曲面の連続
面に形成されている部材とすることもできる。このよう
にすれば、真空容器2内に設置される部材の表面から堆
積物を除去するためのクリーニングを行う間隔をより長
くし、運転効率、生産性のより改善された薄膜形成装置
とすることができる。
【0026】この実施例では、図3(a)、(b)図示
のように表面にブラスト加工が施されて微細な凹凸19
が設けられていると共に、図4図示のように、凹溝8
a、8b、8c、8dが連続的に隣接している二次曲面
で連続加工されている凹曲面8をマスク7の表面に設け
る構成としたが、図5(a)、(b)、(c)図示のよ
うに、ゴルフボール表面のようなディンプルとして形成
されている凹曲面8a乃至8iが、平面で見た時に上
下、左右に連続し、三次曲面に連続加工されて凹曲面8
の連続面となっている構成にしても、その作用、効果に
相違はない。なお、図5(a)、(b)、(c)図示の
凹曲面8(8a乃至8i)も、それぞれ、その表面にブ
ラスト加工が施されて微細な凹凸が設けられているもの
である。
【0027】また、この実施例では、拡大図で示した図
6(a)に表されている間隔(S)が16mm、幅
(W)が14mm、半径(R)が16mm、深さ(H)
が1.6mmのマスク7を使用したが、本発明は、これ
らの数値に限定されるものではない。従来公知の一般的
な真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD等の薄膜
形成装置の場合には、幅(W):10mm〜20mm、
半径(R):10mm〜20mm、深さ(H):1mm
〜3mmの範囲内で凹曲面8を形成しておけば、十分な
効果を上げることができると考えられる。ただし、基板
に成膜されるターゲット材の材質と、薄膜形成装置の容
器内に設置される部材の材質とによって決定される前記
部材に堆積する薄膜が前記部材に及ぼす力(圧縮応力)
を考慮し、この力が、堆積された薄膜と前記部材との間
の密着力を高める方向へ働くよう、真空容器内に設置さ
れる部材の表面形状を凹曲面の連続面に形成しておきさ
えすれば、前記数値に限定されるものではない。
【0028】マスク7等の容器内に設置される部材の材
質と、ターゲットの材質との関係から、マスク7等の容
器内に設置される部材に堆積する薄膜9からの力が、マ
スク7等に対して引っ張り応力となって作用する場合に
は、マスク7等の真空容器2内に設置される部材を、表
面にブラスト加工が施されて微細な凹凸が設けられてい
ると共に、その表面形状が、図2(b)図示のように、
凸曲面11の連続面に形成されているものを採用する。
【0029】この場合、マスク7の表面に堆積する薄膜
9は、図2(a)の場合と同じく、ただし図2(a)の
場合とは凹凸が逆であるが、曲面を描きながら堆積して
いく(図2(b))。薄膜9の膜厚が厚くなるに従って
増大する薄膜9からマスク7への引っ張り応力(18
a、18b)は、薄膜9がマスク7の表面に曲面を描い
て堆積していることから、矢示12(図2(b))のよ
うに、薄膜9とマスク7との間の密着力を高める方向に
働く。そこで、このような表面形状となっているマスク
7の表面に堆積した薄膜9が剥離に至るまでの時間は、
薄膜9からマスク7の表面に作用する力の方向を考慮し
て表面の連続した凹凸曲面を形成するという本願発明の
ような表面処理がされていない場合よりも長くなり、薄
膜9の剥離をより長期間に亘って防止することができ
る。
【0030】このようにマスク7等の表面形状を凸曲面
11の連続面に形成する場合にも、従来公知の一般的な
真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD等の薄膜形
成装置の時には、拡大図で示した図6(b)に表されて
いる幅(W):10mm〜20mm、半径(R):10
mm〜20mm、高さ(H):1mm〜3mmの範囲内
で凸曲面11を形成しておけば、十分な効果を上げるこ
とができきると考えられる。ただし、基板に成膜される
ターゲット材の材質と、薄膜形成装置の容器内に設置さ
れる部材の材質とによって決定される前記部材に堆積す
る薄膜が前記部材の表面に及ぼす力(引っ張り応力)を
考慮し、この力が、堆積された薄膜と前記部材との間の
密着力を高める方向へ働くよう、真空容器内に設置され
る部材の表面形状を凸曲面の連続面に形成しておきさえ
すれば、前記数値に限定されるものではない。更に、こ
の凸曲面11の連続面を、図4図示のような二次曲面で
の連続加工又は、図5図示のような三次曲面での連続加
工としても、その作用、効果に相違はない。
【0031】
【発明の効果】この発明によれば、薄膜形成装置の容器
内に設置される防着板等の部材の中に、前記容器内に収
容した基板への薄膜形成処理の過程で当該部材に堆積す
る薄膜の剥離を防止すべく従来行われてきたブラスト加
工や、種々の金属の溶射処理などの表面処理が施されて
いると共に、表面形状が、前記堆積した薄膜と当該部材
とにそれぞれ発生する内部応力の差によって前記堆積し
た薄膜から当該部材に及ぼされる力が、前記薄膜と部材
との間の密着力を高める方向へ働くように形成されてい
る部材を含めておくことによって、前記薄膜の剥離をよ
り長期間に亘って効果的に防止できる。
【0032】すなわち、容器内に設置される部材に堆積
する薄膜を、従来の薄膜形成装置における場合以上に、
厚く堆積させることが可能になり、堆積膜の剥離に至る
時間が延長される結果、容器内に設置されている部材か
ら堆積物を除去するためのクリーニングを行う間隔の延
長を図ることができ、運転効率、生産性が向上された薄
膜形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明の一実施例を示すスパッタリン
グ装置の真空容器内の概略を表す図。(b)図1(a)
の真空容器内に取り付けられたマスクの表面形状を表す
拡大断面図。
【図2】(a)図1(b)の一部拡大断面図。 (b)この発明の真空容器内に取り付けられた他のマス
クの表面形状を表す図2(a)に対応した一部拡大断面
図。
【図3】(a)図2(a)の表面の一部を拡大して表し
た図。 (b)図3(a)の一部を拡大して表した図。
【図4】表面形状が二次曲面に連続加工され凹曲面の連
続面に形成されているマスクの表面の一部を表す拡大斜
視図。
【図5】(a)表面形状が三次曲面に連続加工され凹曲
面の連続面に形成されているマスクの表面の一部を表す
拡大平面図。 (b)図5(a)のA−A線断面図。(c)図5(a)
のB−B線断面図。
【図6】(a)図2(a)の一部拡大断面図。 (b)図2(b)の一部拡大断面図。
【図7】(a)従来形状の部材表面に堆積した薄膜を表
す一部拡大断面図。 (b)従来形状の部材表面から堆積した薄膜が剥離する
様子を表す一部拡大断面図。
【符号の説明】
1 薄膜形成装置 2 真空容器 3 ターゲット 4 基板ホルダー 5 基板 6 ターゲットシールド 7 マスク 8 凹曲面 9 薄膜(堆積物) 11 凸曲面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に収容した基板に薄膜を形成する
    装置において、前記容器内に設置される部材の中に、表
    面形状が凹曲面の連続面又は凸曲面の連続面に形成され
    ている部材が含まれていることを特徴とする薄膜形成装
    置。
  2. 【請求項2】 凹曲面の連続面又は凸曲面の連続面に形
    成されている前記部材の表面形状は、容器内に収容した
    基板に薄膜を形成する過程で前記部材に堆積した薄膜及
    び前記部材それぞれの内部応力の差によって前記堆積し
    た薄膜から前記部材に及ぼされる力の方向に対応して、
    凹曲面の連続面又は凸曲面の連続面に形成されるもので
    あることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
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