JP2001129836A - コンタクトレンズの閉鎖型成形装置、該装置に用いる金型ブロック、及び該金型を用いたコンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

コンタクトレンズの閉鎖型成形装置、該装置に用いる金型ブロック、及び該金型を用いたコンタクトレンズの製造方法

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JP2001129836A JP31479699A JP31479699A JP2001129836A JP 2001129836 A JP2001129836 A JP 2001129836A JP 31479699 A JP31479699 A JP 31479699A JP 31479699 A JP31479699 A JP 31479699A JP 2001129836 A JP2001129836 A JP 2001129836A
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lens
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 この発明は第1の性質と第2の性質を持つ部
位有する複合コンタクトレンズの閉鎖型成形装置、該装
置に用いる金型ブロック、及び該金型を用いたコンタク
トレンズの製造方法であって、可動盤側型板と固定盤側
型板からなる金型ブロックを有し、コンタクトレンズの
前面側レンズ型と後面側レンズ型および凸部を有する型
を金型ブロック内で成形し、該樹脂型を金型キャビティ
内に残した状態でコンタクトレンズ重合用モノマーを前
記樹脂型の一方に流し込んで充填した後、可動側の金型
を回転または位置をずらすことにより前面側レンズ型と
後面側レンズ型及び凸部を有する型それぞれの段階で嵌
合するように金型を閉じた後、レンズ型内のモノマーを
重合させることを特徴とする。 【効果】 本発明に係わるコンタクトレンズの閉鎖型成
形装置によれば、コンタクトレンズの製造に使用するた
めのモールドを精度良く嵌合するための方法および装置
を提供することができ、レンズのサイズなどを高精度に
製造し、樹脂型に影響される重合不良や埃などの付着を
防止する方法と装置を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンタクトレンズ
の成形装置およびそれを用いた成形方法に関する。さら
に詳しくは、二種以上の異なる素材を用いて、複合レン
ズ、多焦点または二焦点レンズなどの、コンタクトレン
ズを成形する際に使用する樹脂型を金型ブロック内で成
形し、コンタクトレンズ重合用モノマーの充填、成形用
樹脂型の嵌合まで 金型から成形樹脂型をはずすことな
く行うことを特徴とするコンタクトレンズの成形装置お
よびそれを用いた成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズには、従来から、メチ
ルメタクリレート、シリコン含有メタクリレート等を主
成分とする硬質系材料と、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート等を主成分とする軟質系材料が用いられてき
た。硬質系材料からなるハードコンタクトレンズは、光
学的特性、視力矯正能及び角膜乱視矯正能、酸素透過性
等良好である反面、眼に装用した場合には異物感が強
く、初めてコンタクトレンズを装用する患者にとっては
耐え難い場合もある。一方前記の軟質系材料からなるソ
フトレンズは、異物感が少なく、装用感が優れている反
面、光学的特性が良好でなく、充分満足する矯正視力が
得られない問題を内在しているのである。
【0003】そこでこのような問題を解決するために、
光学的特性や視力矯正能などが良好であるハードレンズ
の特性を備えつつ、同時に装用感に優れるソフトレンズ
の利点をも享受しうるコンタクトレンズとして、レンズ
の所定の部位を組成的に変化せしめて、中央部が硬く、
周囲が柔らかくなるようにしたコンタクトレンズが検討
されている。
【0004】このようなコンタクトレンズの製造法とし
ては、従来よりいくつかの提案が為されており例えば、
特公昭55−29402号公報には、透明有機材料から
なる柱状硬質透明体の周囲で、水によって軟化、膨潤す
る架橋軟質透明ポリマーを与えるように、多官能性モノ
マーを含むモノマー混合物を塊状重合させる方法が、特
公昭57−6562号公報には、水によって軟化する透
明材料からなり、直径:3〜7mmの空洞を持った柱状ま
たは板状材料の空洞の内部で、水によって軟化しない透
明ポリマーを与えるモノマーを単独で又は他のモノマー
や添加剤と共に重合させる方法が提案されている。これ
らの方法はいずれも棒状、板状の重合体から切削によっ
てレンズ形状に加工する方法であるため、必要以上の材
料と加工工程の複雑さとによって、その製造コストは高
価なものであった。
【0005】ところで、近年においては使い捨てのコン
タクトレンズが登場し、特別な手入れが必要ない、汚れ
たら捨てて常に新しいレンズを装用出来るという目に対
する安全性、誤って破損しても価格が安いので安心して
取り扱えるなど、装用者にとっていくつかのメリットを
有することで急速に普及してきている。こうしたコンタ
クトレンズを大量にしかも安価に製造するには、コンタ
クトレンズの前面側と後面側を形成する一対の共働する
型により形成された空間内に重合性モノマー組成物を充
填しての注型成形が採用される。この成形法は従来の切
削加工法に比較して必要なモノマー量の削減や製造工程
の簡略化により市場が必要とする大量のコンタクトレン
ズ供給を可能にしてきた。
【0006】このような成形方法に関してはいくつか提
案されており、公開特許平9−19972号公報、公開
特許平9−323366号公報には重合可能なモノマー
混合物を充填し組み立てるための装置に関する開示がさ
れており、コンタクトレンズ成形用のモールドを搬送し
つつモノマーを充填しモールドの対を結合させている。
また、公開特許平10−156887号公報、公開特許
平10−180830号公報にはモールドの均一な成形
方法についての記載がなされている。
【0007】このような製造面でいくつかの工夫がなさ
れることでレンズの原価を下げることが出来るようにな
り、実際に安価な使い捨てレンズとして市場に流れてい
るが、前記製造方法はいずれもコンタクトレンズ成形用
の樹脂型となる前面側レンズ型と後面側レンズ型を成形
した後、該レンズ型を金型キャビティから取り出してコ
ンタクトレンズ重合用モノマーを充填した後に 各対と
なる型を嵌合して、重合工程、レンズ型を開いて水和処
理、レンズ検査工程に移るというものであった。しか
し、このようにレンズ型を嵌合させる際には時として前
面側レンズ型と後面側レンズ型が、偏心あるいは芯ずれ
を起こして得られるコンタクトレンズの寸法 特に中心
厚み等に悪影響を及ぼし、規格内に収まらずに製品不良
のもとになり、良品率の低下を招くという問題があっ
た。またレンズ型の成型後、金型から取り出してコンタ
クトレンズ用重合モノマーの充填工程に移るまでの型の
移動中に、レンズ型樹脂表面への酸素の吸収や埃などの
付着による、重合不良や得られるレンズ内への混入異物
の発生といった問題も生じやすくなる。
【0008】さらに、現在の使い捨てのコンタクトレン
ズはソフトコンタクトレンズに限られるため、光学的特
性が良好でなく、充分満足する矯正視力が得られないと
いう問題については依然解決されていないのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
に鑑みてなされたものであり、コンタクトレンズの成形
装置およびそれを用いた成形方法にして、二種以上の異
なる素材を用いて、複合レンズ、多焦点または二焦点レ
ンズなどの、コンタクトレンズを成形する際に使用する
樹脂型を精度良く嵌合するための方法および装置を提供
することであり、レンズのサイズなどを高精度に製造
し、樹脂型に影響される重合不良や埃などの付着を防止
する方法と装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係わるコンタクトレンズの成形装置は、下記
の構成を特徴とする。すなわち、第1の性質を有する素
材から成る第1部分と第2の性質を有する素材から成る
第2部分を持つコンタクトレンズを、レンズの前面側を
形成する樹脂型(a)と、レンズの後面側を形成する樹
脂型(b)、および前記樹脂型の一方に組み合わせるこ
とによりコンタクトレンズの形状を形成する空間内に凸
部を形成しその他の部分は組み合わせる前記樹脂型に対
応する前面側もしくは後面側を形成する樹脂型(c)に
より成形する前記コンタクトレンズの成形装置であっ
て、(1)可動盤側型板と固定盤側型板からなる金型ブ
ロックを有し、前記各樹脂型を金型ブロック内で成形し
て、前面側を形成する樹脂型を固定盤側型板に残し、後
面側を形成する樹脂型を可動盤側型板にそれぞれ残した
状態で金型を開き、固定盤側型板に前記(c)の樹脂型
が残る場合(cが前面側の時)はその樹脂型に、(c)
が可動盤側型板に残す場合(cが後面側の時)は樹脂型
(a)に、第1の性質を有する素材となるモノマー注入
する工程、(2)可動盤側型板を回転ないし位置をずら
すことによって樹脂型(c)と対応する面を有する樹脂
型(a)または(b)に芯あわせし、金型を閉じて両樹
脂型を組み合わせた空間内で第1の性質を有するモノマ
ーを重合する工程(3)再び金型を開くことにより、重
合体は樹脂型(c)の凸部による空間を有した状態で、
樹脂型(a)または(b)に固定されて残留する工程
(4)、固定盤側型板に残留する樹脂型(a)に第2の
性質を有する素材となるモノマーを注入し、再び可動盤
側型板を回転ないし位置をずらすことによって固定盤側
型板に残留する樹脂型に対応する他方の樹脂型を芯合わ
せし、金型を閉じて樹脂型(a)、(b)を嵌合するよ
うに金型を閉じる工程(5)金型ブロック内で、あるい
は(a)、(b)を嵌合したまま金型ブロックより取り
出してモノマーを完全に重合させることを特徴とする、
コンタクトレンズの閉鎖型成形装置であって、射出成形
によりコンタクトレンズ用樹脂型を成形する際に、樹脂
型(a)、(b)、(c)を金型ブロック内で射出成形
し、各樹脂型が固定されたまま前記工程に従って嵌合す
るように金型を閉じるよう構成される。各樹脂型は同一
の金型ブロック内で成型しても良く、別々の金型ブロッ
クで成型して可動盤側型板の移動によって一つのレンズ
成形型に嵌合してもよい。
【0011】上記構成を特徴とする本発明によれば、
(1)の段階で金型ブロック内に形成される金型キャビ
ティに樹脂が充填されてコンタクトレンズの前面側樹脂
型(a)、後面側樹脂型(b)、凸部を有する樹脂型
(c)が成形される。一般に、これら樹脂型は、成形後
に金型キャビティから突き出しピンなどにより離型させ
られ、搬送パレットなどにより次の工程に移動される
が、本発明では、樹脂型を金型に固定した状態のまま次
の工程に移る。樹脂の充填後、金型を開く際には、固定
盤側型板の金型キャビティには前面側樹脂型(a)が、
可動盤側型板の金型キャビティには後面側樹脂型(b)
が固定されており、凸部を有する樹脂型(c)が前面側
を形成する樹脂型の場合は固定盤側型板に、後面側を形
成する樹脂型の場合は可動盤側型板に固定されている。
【0012】さらにこの(1)の段階で固定盤側型板の
金型キャビティに固定された樹脂型(a)または(c)
に第1の性質を有する素材を形成するコンタクトレンズ
重合用モノマーまたはモノマー混合物を所定量注入す
る。前記樹脂型は固定されているために、モノマーの注
入位置が確実に定まるので、注入時のモノマー液の漏れ
等の心配がなく また成型からモノマーが注入されるま
での時間間隔が短いので樹脂型表面に吸収される酸素
(後で重合反応の妨げになる)が少ない上に、移動途中
での埃等の付着を有効に防止してレンズ素材内への異物
混入といった問題を解決することが出来るのである。
【0013】(2)の工程では固定盤側型板に固定され
た樹脂型に対応する対の樹脂型を固定した可動盤側型板
が、回転もしくは移動するなどして対応する樹脂型が組
み合わされるように金型を閉じる。対応する樹脂型の組
み合わせとしては、(a)と(c)または(c)と
(b)の組み合わせのみである。この工程で凸部を有す
る樹脂型(c)により第1のモノマーを排除し、レンズ
の所定の位置に空洞部を形成させることにより、後工程
で第2の性質を有する素材を形成するモノマーの部位を
確保する。この場合においても、樹脂型はいずれも、金
型に固定されているために正確な位置決めが可能で、偏
心あるいは芯ずれを起こす様な問題を解決することが出
来るのである。
【0014】(3)の工程では再び金型を開くのである
が、この際に(2)の工程で重合した第1の性質を有す
る素材は樹脂型(a)または樹脂型(b)に付着して、
凸部を有する樹脂型(c)には付着していないことが重
要である。これによって、第2の性質を有するモノマー
素材の部位が、樹脂型(c)の凸部により形成された空
間として重合体に存在することとなる。なお、この場合
の金型が開いたときには樹脂型(c)についてはその役
目を終えているので、突きだしピンなどにより型板から
取り除いても良い。
【0015】(4)は前記重合体の空間に第2の性質を
有する素材となるモノマーを充当する工程である。可動
盤側型板を回転ないし位置をずらすことによって固定盤
側型板に固定されたレンズの前面側樹脂型(a)に対応
する後面側樹脂型(b)を芯合わせし、金型を閉じて樹
脂型(a)、(b)を嵌合するように金型を閉じる。
(2)の工程同様、樹脂型が固定されているために、モ
ノマーの注入位置が確実に定まるので、注入時のモノマ
ー液の漏れ等の心配がなく正確な位置決めが可能で、偏
心あるいは芯ずれを起こす様な問題を解決することが出
来る。第1の素材からなる重合体が、樹脂型(a)に存
在するときは樹脂型(c)により形成された空間に第2
の性質を有する素材となるモノマーを注入すればよい
し、樹脂型(b)に存在するときは樹脂型(a)に注入
されたモノマーが、嵌合時に前記重合体の空間に充填さ
れる。
【0016】(5)の工程では樹脂型(a)、(b)を
嵌合したまま金型ブロック内で、あるいは金型ブロック
より取り出してモノマーを完全に重合させる。この時、
第2の性質を有するモノマーが、第1の素材に対して浸
透性を持っている方が両方の素材の一体的な接着のため
に好ましい。また、モノマーの注入、樹脂型(a)、
(b)の嵌合まで終了しているためこの時点で金型から
樹脂型を取り出して、別の重合処理工程に移して金型ブ
ロックを次の樹脂の充填サイクルに使用することも可能
である。
【0017】
【実施例】本発明は、コンタクトレンズの成形に際し
て、レンズの前面側型と後面側型から構成される空間に
レンズ重合用のモノマーを注入したのち重合する方法で
あって、コンタクトレンズの両面を型内で成形する方法
だけでなく、コンタクトレンズブランクとして成形し、
片側の面のみ或いは両面を機械加工する方法に対しても
好適に適用される。また、第1の性質と第2の性質につ
ては、室温で柔軟性を示すものと室温で硬質な組み合わ
せ、含水して柔軟になるものと含水せず硬質な組み合わ
せ、屈折率の高いものと低い物、など各種の組み合わせ
が可能である。以下図面を参照しながら本発明について
第1の性質が室温で軟質であり、第2の性質が室温で
硬質である複合コンタクトレンズであって、前面側(フ
ロントカーブ側)樹脂型(a)と、凸部を有する樹脂型
(c)を固定盤側型板に固定し、後面側(ベースカーブ
側)樹脂型(b)を可動盤側型板に固定させて成形する
場合を例に具体的に説明する。
【0018】最終的なコンタクトレンズは、図1に示す
前面側型(a)と後面側型(b)を嵌合することによっ
て形成されるのであるが、中間工程で凸部1を有する樹
脂型(c)と後面側型(b)を組み合わせて、第1の性
質を有する周辺部及びレンズの中心部に空間を形成させ
ておき、その空間に第2の性質を有するモノマーを形成
して樹脂型(a)と(b)を嵌合させ重合することで得
られる。これらの型片の材質は、樹脂の価格、成形容易
性、使用する重合用モノマーとの親和性、紫外光透過性
などを基準に選択される。樹脂の価格は当然得られる製
品の価格に影響するので出来るだけ低価格の樹脂を選択
するのが好ましく、成形容易性については金型から正確
に表面を転写しなければコンタクトレンズの光学特性、
視力矯正力が低下するので成形し易い樹脂材料を選択す
る。使用する重合用モノマーとの親和性については、重
合後にコンタクトレンズを取り出す時の離型性が良くな
ければ破損や亀裂が生じて製品が得られず、紫外光透過
性はモノマーの重合に際して光重合法で行う場合に重要
な選択基準となる。前記各条件等を考慮して例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテー
ト、プロピレンコポリマー、ポリスチレン、ナイロン等
から適宜選択される。
【0019】図1に示すように、コンタクトレンズの前
面側型(a)における中央部の湾曲した凹面3は本実施
例においては、種々の矯正力(レンズパワー)のレンズ
に対応するようなフロントカーブを形成できる曲率を有
する面に設定してある。一方、後面側型(b)の中央部
の凸面2はベースカーブ面を形成できる曲率を有する面
に設定してあり、モノマーの重合によって形成されるコ
ンタクトレンズの表面が十分に滑らかなものになってい
る。樹脂型(c)の中心部には径3〜7mmの円柱状の凸
部1が形成されておりその高さは後面型(b)と組み合
わせたときに高くても型(b)の凸面と接触する高さ以
下である。また樹脂型(a)と樹脂型(b)とを嵌合さ
せて周囲に環状にベベル部やエッジ部を形成する区画4
を具備する。いずれの型も、重合工程で、加熱重合を採
用する場合や光重合を採用する場合に、熱を伝達させあ
るいは光を効率よく透過させるために十分に薄く、突き
だしピンに耐えるような十分な剛性をもつ構造にする。
【0020】前記各レンズ型は、固定盤側型板と可動盤
側型板よりなる金型ブロック内に形成される金型キャビ
ティに 前記条件から選択された樹脂を射出成形機を通
して充填することにより成形される。図2は、前記各樹
脂型を一つの金型ブロック内で充填する例をしめしたも
ので、金型ブロックを開いたときに固定盤側型板5には
モノマーを注入する側のレンズ前面側型(a)および凸
部を有する樹脂型(c)が、可動盤側型板6にはレンズ
後面側型(b)が固定されている様に型開きする。これ
までの一般の成型機は、突き上げピンなどによって金型
から成形品を離型させるが、本発明においては、各レン
ズ型を固定したままコンタクトレンズの重合用モノマー
を注入する。図3には固定盤側型板5に樹脂型(c)
が、可動盤側型板6に樹脂型(b)が固定されて金型ブ
ロックを開いたところを示している。
【0021】図4には樹脂型(c)に第1の性質を示す
モノマー7を注入する段階を示している。モノマー7は
型(c)にポンプなどによって送り込まれるのである
が、事前に重合反応の妨げとなる酸素ガスのガス抜きを
してもよい。このガス抜きにより重合不良や、型(c)
とモノマー7との界面にガスがトラップされたり、レン
ズ中に気泡が発生するなどの問題を解決する事が出来
る。
【0022】固定盤側型板5に固定された型(c)に、
第1の性質を有する重合用モノマー7を注入すること
は、金型から分離された型にモノマーを注入するよりも
機械的に容易である。レンズの様に小さな物品を形成す
るのであるからその型も当然小さな径となり、本発明の
ようにその位置が正確に定まった状態では、モノマー液
が他所へ漏れないように注入可能である。また、加熱溶
融された樹脂はその内部に存在するガスが溶融過程で除
去され成形後は樹脂の表面が酸素を吸収し易く、この酸
素は後に注入されるモノマーの重合に対して悪影響を与
えるので、出来る限り早くモノマーの重合に供する方が
望ましく、本発明ではその点においても有利な構成とな
っている。しかも、成形品の表面は埃などの付着物がつ
きやすいが、金型ブロックからはずして移動させる工程
がないので そのような影響も受けないのである。
【0023】モノマーの注入工程が終わったら、型
(c)に型(b)を組み合わせる工程に入る。型(b)
はこのとき可動盤側型板に存在するので、型(c)の位
置するところに可動盤側型板を回転またはずらして、両
方の型を偏心や芯ずれの無いように重ねることになる。
図5はこの工程を示したもので、この工程においても両
方の型が金型に固定されているので正確な位置を出しや
すく、従って機械的に精度良く組み合わせることができ
るのである。この工程は、空気泡が両型片の間に閉じこ
められないよう真空下で行っても良い。両型片は互いに
合わさった状態で、金型を閉じることによって締め付け
られる。
【0024】両型片の組み立て締め付け工程の後は、金
型ブロック内で加熱して重合硬化させる。樹脂は加熱に
より膨張変形し易いため金型から分離された状態で高温
に加熱することは困難であるが、本発明によればレンズ
型は金型のキャビティ内に収容された状態で重合のため
の加熱をすることができ、この重合工程で、加熱による
方法を選択した場合であっても、前記した型の変形を抑
えて極めて高い精度を保持することが可能である。
【0025】このときの重合度は形を保つことができる
程度の重合体であれば良く従って重合を完結させる必要
はない。再び金型を開く時第1の性質を示す重合体が可
動盤側型板側の型(b)に付着している様な樹脂材料を
選ぶことが重要である。また、型(c)の役割はこの時
点で終了しているので固定盤側型板から除去しておくこ
とが望ましい。
【0026】次に、第1の性質を示す重合体8の中心部
に形成された空間内に第2の性質を示す素材を形成する
ために、固定盤側型板5に固定された外面側型(a)
に、図6に示すように、第2の性質を示す素材を構成す
るモノマー9を注入する。このモノマーは先に重合した
第1の性質を示す重合体に対して浸透性があることが望
ましく、前記したように第1の重合体の重合度が低く、
重合が完結していない方が第2のモノマーと結合して一
体的なコンタクトレンズを形成するためには好ましい。
また、注入量は重合体8の中心部の空間に入る程度の少
量で良い。
【0027】図7に示すように、第2の性質を示す素材
を形成するモノマー9の注入が終了した後、可動盤側型
板6に固定されている型(b)を、固定盤側型板5の型
(a)に芯あわせして嵌合する。
【0028】重合工程は前記したように熱重合または紫
外光照射による光重合のみでなく例えば金型ブロック内
にあるときは加熱により予備的な重合を進行させ金型ブ
ロックから取り出した後、紫外光に十分な時間さらすこ
とで重合を完結させる方法や、重合の進行に伴って生じ
る重合収縮を解消するために金型ブロックを閉じる際の
型締め力を徐々に上げていき重合を完結させる方法など
種々の方法を採用できる。
【0029】図8、図9にこれまでの流れ図を樹脂型と
重合体のみを対称にまとめて示した。重合工程が完了し
たら、両型片は型外し工程で、コンタクトレンズを両方
の型から互いに分離させる。型(a)、(b)は嵌合し
たときレンズのフロントカーブ、ベースカーブ光学領域
及びベベルやエッジが形成される形状になっている。本
実施例では、重合完了時にコンタクトレンズの全部の面
を型内で形成する例で示しているが、重合後にレンズの
片側の面が成形される場合には片方の型片を外したのち
機械加工の工程を経て最終的なコンタクトレンズにする
ための更なる処理(例えばレンズの洗浄、水和、検査、
包装および殺菌)を行う。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるコ
ンタクトレンズの閉鎖型成形装置によれば、コンタクト
レンズの製造に使用するためのモールドを精度良く嵌合
するための方法および装置を提供することができ、レン
ズのサイズなどを高精度に製造し、樹脂型に影響される
重合不良や埃などの付着を防止する方法と装置を提供す
る提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例によるコンタクトレン
ズ用樹脂型を示す図である。
【図2】図2は各樹脂型を一つの金型ブロック内で充填
する例を示す図である。
【図3】図3は本発明の同実施例による金型ブロックを
開いたところを示す図である。
【図4】図4は本発明の同実施例による第1の性質を示
す素材を構成するモノマーを注入する工程を示す図であ
る。
【図5】図5は本発明の同実施例による型(c)に型
(b)を組み合わせる工程を示す図である。
【図6】図6は本発明の同実施例による第2の性質を示
す素材を構成するモノマーを注入する工程を示す図であ
る。
【図7】図7は本発明の同実施例による型(a)に型
(b)を組み合わせる工程を示す図である。
【図8】図8は本発明の同実施例による第1の性質を示
す素材を構成するモノマーを注入後、型(c)を脱型す
るまでの流れ図である。
【図9】図9は本発明の同実施例による第2の性質を示
す素材を構成するモノマーを注入後、型(a)を脱型す
るまでの流れ図である。
【符号の説明】
1 型(c)の凸部 2 コンタクトレンズの内面を形成する面 3 コンタクトレンズの外面を形成する面 4 ベベル部およびエッジ部を形成する区画 5 固定盤側型板 6 可動盤側型板 7 第1の性質を示す素材を構成するモノマー 8 第1の性質を示す素材 9 第2の性質を示す素材を構成するモノマー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の性質を有する素材から成る第1部
    分と第2の性質を有する素材から成る第2部分を持つコ
    ンタクトレンズを、レンズの前面側を形成する樹脂型
    (a)と、レンズの後面側を形成する樹脂型(b)、お
    よび前記樹脂型の一方に組み合わせることによりコンタ
    クトレンズの形状を形成する空間内に凸部を形成しその
    他の部分は組み合わせる前記樹脂型に対応する前面側も
    しくは後面側を形成する樹脂型(c)により成形する前
    記コンタクトレンズの成形装置であって、(1)可動盤
    側型板と固定盤側型板からなる金型ブロックを有し、前
    記各樹脂型を金型ブロック内で成形して、前面側を形成
    する樹脂型を固定盤側型板に残し、後面側を形成する樹
    脂型を可動盤側型板にそれぞれ固定した状態で金型を開
    き、固定盤側型板に前記(c)の樹脂型が固定される場
    合(cが前面側の時)は樹脂型(c)に、(c)が可動
    盤側型板に固定される場合(cが後面側の時)は樹脂型
    (a)に、第1の性質を有する素材となるモノマー注入
    する工程、(2)可動盤側型板を回転ないし位置をずら
    すことによって樹脂型(c)と対応する面を有する樹脂
    型(a)または(b)に芯あわせし、金型を閉じて両樹
    脂型を組み合わせた空間内で第1の性質を有するモノマ
    ーを重合する工程(3)再び金型を開くことにより、重
    合体は樹脂型(c)の凸部による空間を有した状態で、
    樹脂型(a)または(b)に固定されて残留する工程
    (4)、固定盤側型板に残留する樹脂型(a)に第2の
    性質を有する素材となるモノマーを注入し、再び可動盤
    側型板を回転ないし位置をずらすことによって固定盤側
    型板に残留する樹脂型に対応する他方の樹脂型を芯合わ
    せし、金型を閉じて樹脂型(a)、(b)を嵌合するよ
    うに金型を閉じる工程(5)金型ブロック内で、あるい
    は(a)、(b)を嵌合したまま金型ブロックより取り
    出してモノマーを完全に重合させることを特徴とする、
    コンタクトレンズの閉鎖型成形装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造装置により第1の性
    質を有する素材から成る第1部分と第2の性質を有する
    素材から成る第2部分を持つ複合コンタクトレンズを製
    造する方法。
  3. 【請求項3】 第2の性質を有する素材のモノマーが、
    第1の素材に対して浸透性を持つことを特徴とする請求
    項2記載の製造方法により製造される複合コンタクトレ
    ンズ。
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