JP2001129545A - 油分による汚染地下水の浄化方法およびその浄化装置 - Google Patents
油分による汚染地下水の浄化方法およびその浄化装置Info
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Abstract
て間欠的に瞬時に帯水層の下層部分に継続して吹き込む
ことにより、空気を広範囲に到達させるとともに、空気
を吹き込む時の勢いで土粒子から油分を剥離し易くし、
もって土壌の洗浄効果の向上を図り、かつ、超高圧空気
により地下水を好気状態にして微生物による生分解を促
して、汚染地下水の浄化効率を高め、かつ低コスト化を
達成する。 【解決手段】 帯水層102の下層に位置する注入井1
4から超高圧の空気を短時間間隔のパルス状にして間欠
的に地下水12中に継続注入し、土粒子に吸着した油分
を浮遊させる油分剥離工程と、該帯水層102の上層に
位置する揚水井18から浮遊した油分の混じった地下水
12を回収する地下水回収工程と、回収した地下水12
を油水分離して油分を除去する油水分離工程と、を備
え、油分を除去した後の地下水12を帯水層102に還
元する。
Description
下水の浄化方法およびその浄化装置に関し、とりわけ、
注入井から超高圧の空気を短時間の間隔でパルス状にし
て間欠的に瞬時に地下水中に吹き込むことにより、帯水
層に吸着した油分の剥離を促進して地下水を浄化するよ
うにした油分による汚染地下水の浄化方法およびその浄
化装置に関する。
染地下水を浄化する方法または装置が各種提案されてお
り、一般的には、汚染区域に井戸を設けてこの井戸から
汚染された地下水を汲み上げて浄化するようになってい
る。また、井戸を地下水の帯水層内に設置した例として
特開平10−249326号公報に開示されたものがあ
る。これは帯水層に設置した井戸内でメタンなどのガス
状基質を地下水に溶解させ、かつ、井戸上部でガス吸引
して浄化し、この浄化した地下水を帯水層内に戻すこと
により原位置浄化するようにしたものである。
が油分により汚染されている場合には、この油分が帯水
層付近の土壌に付着または含浸して吸着された状態にあ
り、地下水中に容易に流れ出すことはない。従って、帯
水層内に井戸を設けて原位置浄化しようとした場合に
は、主に井戸内の地下水に含まれた油分が浄化対象とな
り、土壌に吸着された油分までを効果的に浄化すること
はできない。
に帯水層内に放出されるが、この浄化地下水の放出は井
戸内の水位を下降させることにより行うので、その速度
は非常に遅く、除々に除々に放出される。従って、浄化
された地下水を積極的に広範囲に行き渡らせるというも
のではなく、その浄化効率は決して良いものとはいえな
い。このため、浄化効率を上げるためには上記井戸の数
を帯水層の面積に応じて増やす必要があるが、該井戸は
散気装置を備えるとともに、水位を上下しつつ浄化する
複雑な構造であるため、浄化装置全体が著しく大掛かり
なものとなってしまうという課題があった。
て成されたもので、超高圧の空気を所定の間欠タイミン
グをもって瞬時に帯水層の下層部分に吹き込むことによ
り、空気を広範囲に到達させるとともに、空気を吹き込
む時の勢いで土粒子から油分を剥離し易くすることによ
り土壌の洗浄効果を向上し、かつ、超高圧空気により地
下水を好気状態にして微生物による生分解を促して、汚
染地下水の浄化効率を低コスト化を達成しつつ向上する
ようにした油分による汚染地下水の浄化方法およびその
浄化装置を提供することを目的とする。
めに本発明の油分による汚染地下水の浄化方法は、帯水
層の下層に位置する注入井から超高圧の空気を短時間の
間隔でパルス状にして間欠的に地下水中に注入し、土粒
子に吸着した油分を浮遊させる油分剥離工程と、該帯水
層の上層に位置する揚水井から浮遊した油分の混じった
地下水を回収する地下水回収工程と、回収した地下水を
油水分離して油分を除去する油水分離工程と、を備え、
油分を除去した後の地下水を上記帯水層に還元すること
を特徴とする。
えば2〜10気圧)の空気が短時間の間隔でパルス状に
なって間欠的(例えば、1/30〜1/5HZの周期)に供給さ
れるため、この超高圧空気は爆発的に地下水中に吹き込
まれることになる。このように爆発的に地下水中に吹き
込まれた空気は、非常に細かい泡の状態で土粒子に激し
く衝突しつつ、より遠くかつより広い範囲に拡散するこ
とになる。そして、衝突の際に土粒子と土粒子、また、
土粒子と気泡の接触で洗浄効果が生まれ、かつ、この洗
浄効果は高圧空気の吹き込みが間欠的に継続するため繰
り返し行われて、油分が土粒子から剥離し易くなる。そ
して、剥がれ易くなった油分は、気泡の持つ表面張力に
よってこの気泡に付着して土粒子から剥離し、気泡とと
もに地下水中に浮遊して帯水層の上層に集合される。従
って、この上層に集合された油分は、帯水層の上層に位
置する揚水井から地下水に混じって効率良く回収するこ
とができる。そして、回収された油分を含む地下水は油
水分離工程によって油分が除去されて浄化され、この浄
化された地下水が帯水層に還元されることにより、帯水
層内の地下水を浄化するとともに、地下水が帯水層内に
還元されるため、回収したことによる地下水圧の低下に
よる地盤沈下を防止することができる。また、地下水中
は吹き込まれた空気によって好気状態となっているた
め、地下水中や地盤に土着の分解微生物による生分解も
促進されて、地下水中に残留する油分は浄化される。
化装置は、地下水の帯水層の下層に挿入される注入井
と、この注入井に超高圧の圧搾空気を短時間の間隔でパ
ルス状にして間欠的に供給する高圧間欠空気注入装置
と、上記帯水層の上層に挿入される揚水井と、揚水井か
ら回収した地下水を導入してこれに含まれる油分を除去
する油水分離設備と、を備えたことを特徴とする。
から注入井に短時間の間隔でパルス状にされて間欠的に
供給される超高圧の圧搾空気は、該注入井から地下水中
吹き込まれる。このとき、注入井は帯水層の下層に挿入
されているため、帯水層の主に下層に付着した油分を効
果的に土粒子から剥離するとともに、吹き込まれた空気
を遠くかつ広範囲に到達させ、地下水中を広範囲に好気
状態とすることができる。そして、帯水層の上層に集合
された剥離された油分は、帯水層の上層に挿入された揚
水井によって地下水とともに回収され、この回収された
油分は油水分離設備によって除去される。
面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の油分によ
る汚染地下水の浄化方法の一実施形態を示し、同図は浄
化方法に用いられる浄化装置の全体構成を概略的に示す
断面図である。
るところは、帯水層102の下層に位置する注入井14
から超高圧の空気を短時間の間隔でパルス状にして間欠
的に地下水12中に継続して注入し、土粒子に吸着した
油分を浮遊させる油分剥離工程と、該帯水層102の上
層に位置する揚水井18から浮遊した油分が混じった地
下水12を回収する地下水回収工程と、回収した地下水
12を油水分離して油分を除去する油水分離工程と、を
備え、油分を除去した後の地下水12を上記帯水層10
2に還元する。
化方法は図1に示す浄化装置10をもって達成できる。
この浄化装置10は本発明の浄化方法を達成するための
一実施形態を示し、地下水12の帯水層102の下層に
挿入される注入井14と、この注入井14に超高圧の圧
搾空気を短時間の間隔でパルス状にして間欠的に継続供
給する高圧間欠空気注入装置16と、上記帯水層102
の上層に挿入される揚水井18と、揚水井18から回収
した地下水12を導入してこれに含まれる油分を除去す
る油水分離設備20と、を備える。
不透水層(または難透水層)100の上側に溜まって所
定の深さをもった帯水層102を形成する。
され、地面に鉛直に打ち込まれてその下端部を帯水層1
02の下層に到達させるとともに、上端部を地表に突出
した状態で残しておく。
入井14の上端に接続され、エアコンプレッサ22で発
生される超高圧(例えば、2〜10気圧)の圧搾空気が
供給管24を介して導入される。該高圧間欠空気注入装
置16は、図示省略したが圧搾空気を貯留するタンク
と、このタンク内の圧搾空気を間欠的に排出する間欠バ
ルブとを備え、タンク内の圧力が所定圧以上になると間
欠バルブが瞬時に開弁して高圧空気を排出するととも
に、この排出によってタンク内圧力が低下されると間欠
バルブは瞬時に閉弁される構造となっている。従って、
エアコンプレッサ22から圧搾空気が供給される間は、
高圧間欠空気注入装置16はタンク内の高圧空気を短時
間の間隔でパルス状にして間欠的(例えば、1/30〜1/10
HZの周期)に継続して排出し続け、この高圧間欠空気は
上記注入井14に供給される。すると、この超高圧の空
気は注入井14の下端部から所定の間欠タイミングをも
って瞬間的に地下水12中に吹き込まれ、このときの吹
出しエネルギーは著しく大きなものとなる。
長さのパイプで形成され、地面から鉛直に打ち込まれて
その下端部が帯水層102の上層に到達するとともに、
上端部を地表に突出した状態で残しておく。この揚水井
18は注入井14に対して地下水12の流れSの後流側
に配置されるとともに、該揚水井18が帯水層102に
位置する部分に、スリットや多孔の開口部が形成され
る。そして、揚水井18の上端には吸引管26を介して
吸引ポンプ28が接続され、帯水層102の上層の地下
水12が油分とともに揚水井18から吸引される。この
油分とは、油や溶剤などの油成分を含んだ物質で、これ
は水質汚染の大きな原因となる。
吸引した油分混じりの地下水12を導入して油水分離す
るタンクで、分離された油分は安全に除去されるととも
に、油分除去により浄化された地下水12は開閉バルブ
30を設けた排出管32を介して上記高圧間欠空気注入
装置16の吐出側に戻される。そして、この吐出側に戻
された地下水12はその高圧間欠空気注入装置16から
吐出排出される圧搾空気とともに注入井14から帯水層
102内に還元される。
水の浄化方法では、浄化装置10のエアコンプレッサ2
2を駆動して圧搾空気を高圧間欠空気注入装置16に供
給することにより、圧搾空気は注入井14から地下水1
2中に短時間の間隔でパルス状になって所定の間欠タイ
ミングで爆発的に継続して吹き込まれる。このように爆
発的に継続して地下水12中に吹き込まれた空気は、非
常に細かい泡の状態で土粒子に激しく衝突しつつ、より
遠くかつより広い範囲に拡散される。そして、この衝突
の際に土粒子と土粒子、また、土粒子と気泡の接触で洗
浄効果が生まれ、かつ、この洗浄効果は高圧空気の吹き
込みが間欠的に連続するため繰り返し行われて、油分が
土粒子から剥離し易くなる。そして、剥がれ易くなった
油分は、気泡の持つ表面張力によってこの気泡に付着し
て土粒子から剥離し、気泡とともに地下水12中に浮遊
して帯水層102の上層に集合される。
することによって地下水12を回収し、この回収した地
下水12を油水分離設備20に送り込む状態にあり、こ
のとき、揚水井18は帯水層102の上層に位置するた
め、帯水層102の上層に集合した油分を効率良く回収
することができる。そして、回収された油分が混じった
地下水12は上記油水分離設備20で油水分離されて、
油分が除去された後の浄化された地下水12は、排出管
32を介して高圧間欠空気注入装置16の吐出側に戻さ
れ、圧搾空気とともに注入井14から帯水層102の下
層に還元される。従って、帯水層102内の地下水12
は、油分混じりの汚染地下水12が帯水層102の上層
から回収されて油水分離された後、浄化された地下水1
2が帯水層102の下層に還元されることにより、帯水
層102内の地下水12を全体的に効率良く浄化するこ
とができる。
備20→注入井14という浄化サイクルで地下水12の
油分浄化を効率良く行うことができるが、この浄化サイ
クルによっても地下水12中に残留する油分は、地下水
12中や地盤に土着の分解微生物によって浄化すること
ができる。つまり、地下水12中は注入井14から吹き
込まれた空気によって好気状態となっているため、上記
分解微生物を活性化して該分解微生物による生分解も促
進され、上記残留油分は効率良く浄化されることにな
る。ところで、このように注入14から地下水中に吹き
込まれる空気は、超高圧で短時間の間隔のパルス状にさ
れて間欠的に吹き込まれるためより遠くかつより広範囲
に到達し、上述した油分の剥離効果および分解微生物の
生分解効果をより促進できるとともに、注入井14の1
基当たりの浄化領域が広がるため、浄化装置10全体に
設けられる注入井14および揚水井18の数を削減する
ことができる。
0→注入井14という浄化サイクルを構成することによ
り、帯水層102から回収して油水分離した地下水12
が再度帯水層102内に還元されるため、回収したこと
による地下水圧の低下による地盤沈下を防止することが
できる。
配置例を示し、隣接される注入井14の下端部を交互に
帯水層102の上下2段位置に配置するとともに、それ
ぞれの注入井14に対応して後流側に配置される揚水井
18の下端部をほぼ同レベルとなるように配置してあ
る。つまり、上流側の注入井14が下層位置である場合
は揚水井18を同様に下層位置とし、注入井14が上層
位置である場合は揚水井18を同様に上層位置としてあ
る。また、同図中には注入井14の下端部にそれぞれ同
心円部分が示されるが、これは超高圧の空気が間欠的に
吹き込まれた際に発生するショックウエーブを示してい
る。
深さが深い場合に、上,下位置に交互に配置された注入
井14によって地下水12全体に亘って分解微生物のた
めの酸素を供給することができ、浄化機能の更なる向上
を図ることができる。この場合、上方位置の揚水井18
から上方に集合した油分を主に回収できるが、下方位置
の揚水井18からも地下水12中に浮遊する油分を回収
することができる。勿論、注入井14および揚水井18
は2段位置に限ることなく、3段以上にできることはい
うまでもない。
井18との平面上での関係は、1つの注入井14に対し
てその後流側に所定距離だけ離れた位置に2つの揚水井
18をほぼ対称に配置することが望ましい。
示す油分による汚染地下水の浄化方法では、注入井から
超高圧の空気を短時間の間隔のパルス状にして所定の間
欠タイミングをもって爆発的に継続して吹き込むように
したので、吹き込まれた空気は地下水中で非常に細かい
泡の状態となり、これが土粒子に激しく衝突して油分を
効率良く剥離することができる。そして、剥離した油分
は気泡とともに浮遊して帯水層の上層に集合し、これを
帯水層の上層に位置する揚水井によって効率良く回収
し、これを油水分離することによって油分を除去でき
る。また、地下水中は吹き込まれた空気によって好気状
態となって、地下水中や地盤に土着の分解微生物による
生分解が促進されて、地下水中に残留する油分を浄化で
きる。従って、汚染地下水の回収による油水分離と分解
微生物の生分解との両方により、地下水の浄化効率を大
幅に向上することができる。更に、注入井から地下水中
に供給される空気は、短時間の間隔のパルス状にされて
所定の間欠タイミングをもって超高圧で瞬時に継続して
吹き込まれるため油分の洗浄効果を広範囲で発揮でき、
注入井の本数を全体的に減らしてコストの低減を図るこ
とができる。また、油水分離して油分を除去した後の地
下水を帯水層に還元するので、回収したことによる地下
水圧の低下による地盤沈下を防止することができる。
汚染地下水の浄化装置では、高圧間欠空気注入装置から
注入井に供給する超高圧の圧搾空気を、該注入井から地
下水中に短時間の間隔でパルス状にされて所定の間欠タ
イミングをもって爆発的に継続して吹き込むことができ
る。このとき、注入井は帯水層の下層に挿入されている
ため、帯水層の主に下層に付着した油分を効果的に土粒
子から剥離するとともに、吹き込まれた空気を遠くかつ
広範囲に到達させ、地下水中を広範囲に好気状態とする
ことができる。そして、帯水層の上層に集合された剥離
された油分は、帯水層の上層に挿入された揚水井によっ
て地下水とともに回収され、この回収された油分は油水
分離設備によって除去することができる。
構成を概略的に示す断面図である。
例を示す模式図である。
例のレイアウトを示す平面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 帯水層の下層に位置する注入井から超高
圧の空気を短時間の間隔でパルス状にして間欠的に地下
水中に注入し、土粒子に吸着した油分を浮遊させる油分
剥離工程と、該帯水層の上層に位置する揚水井から浮遊
した油分の混じった地下水を回収する地下水回収工程
と、回収した地下水を油水分離して油分を除去する油水
分離工程と、を備え、油分を除去した後の地下水を上記
帯水層に還元することを特徴とする油分による汚染地下
水の浄化方法。 - 【請求項2】 地下水の帯水層の下層に挿入される注入
井と、この注入井に超高圧の圧搾空気を短時間の間隔で
パルス状にして間欠的に供給する高圧間欠空気注入装置
と、上記帯水層の上層に挿入される揚水井と、揚水井か
ら回収した地下水を導入してこれに含まれる油分を除去
する油水分離設備と、を備えたことを特徴とする油分に
よる汚染地下水の浄化装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31042599A JP3867187B2 (ja) | 1999-10-29 | 1999-10-29 | 油分による汚染地下水の浄化方法およびその浄化装置 |
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