JP2001129044A - 体調調整装置 - Google Patents

体調調整装置

Info

Publication number
JP2001129044A
JP2001129044A JP31321499A JP31321499A JP2001129044A JP 2001129044 A JP2001129044 A JP 2001129044A JP 31321499 A JP31321499 A JP 31321499A JP 31321499 A JP31321499 A JP 31321499A JP 2001129044 A JP2001129044 A JP 2001129044A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment
physical condition
attractor
time
user
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31321499A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Fukuda
敏男 福田
Fumito Arai
史人 新井
Yasuhisa Hasegawa
泰久 長谷川
Hirotaka Takeda
浩嵩 武田
Mitsuo Kawaguchi
三夫 川口
Michio Sugimura
道夫 杉村
Susumu Kondo
進 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Daito Me Co Ltd
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Daito Me Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp, Daito Me Co Ltd filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP31321499A priority Critical patent/JP2001129044A/ja
Publication of JP2001129044A publication Critical patent/JP2001129044A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Massaging Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用者のその後の行動に応じてマッサージ・ス
トレッチの施療を実施し、行動に合わせて体調を整える
ことができる体調調整装置を提供する。 【解決手段】この体調調整装置は、マッサージ・ストレ
ッチ装置1により施療を実施する間、皮膚温測定装置7
と心拍波形測定装置8は使用者の皮膚温、心拍波形を測
定し、演算制御装置9は、その時系列データをアトラク
タ解析すると共に、アトラクタの相関次元又はリアプノ
フ指数を計算する。相関次元又はリアプノフ指数は、使
用者の疲労度、爽快度等の体調状態を数値化できるた
め、このアトラクタの相関次元又はリアプノフ指数に基
づき、マッサージ・ストレッチ装置1の動作強度等を制
御すれば、使用者の体調を希望する状態に或は最良の状
態に調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人の皮膚温、心拍
波形等の身体情報を測定しながら、マッサージやストレ
ッチによる施療を行ない、人のその後の行動に合わせ
て、施療の強さを制御して、人の体調を行動に合わせて
調整する体調調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人は、社会生活を行なう間、各種のスト
レスを受け、精神的緊張、心労、苦痛、疲労感等を感じ
ることがあるが、そのようなストレスを感じた場合、マ
ッサージ機等を利用して、精神的緊張、心労、苦痛、疲
労感等を和らげ、リラックスやリフレッシュ状態を取り
戻すことが行なわれている。
【0003】ところで、ストレスとは、一般に、精神的
や肉体的に負担となる刺激や状況をいうが、人間には本
来、このようなストレスを受けた場合、体内で抗ストレ
スホルモンと呼ばれる糖質コルチコイドを分泌し、スト
レスに対する防護作用を行なう機能が備わっている。こ
の糖質コルチコイドは、副腎皮質から分泌される副腎皮
質ホルモンであり、この糖質コルチコイドが体内で分泌
されると、体は、タンパク質を分解してブドウ糖を合成
し、血液中にそれを送り込み、血糖値を上昇させると共
に、白血球の活動を抑える物質を出して炎症を抑え、脳
に直接作用してうつ状態を抑えると共に、やる気を高め
るように作用することが明らかになっている。
【0004】また、ストレスを感じている人に、針治療
のような瞬間的な刺激やマッサージ機等による強い短時
間の刺激を与えると、糖質コルチコイドの分泌が抑制さ
れ、気分が落ち着き、精神的緊張を和らげることがで
き、一方、灸治療やマッサージ機等による弱くゆっくり
とした刺激を人体に与えると、体内に糖質コルチコイド
の分泌が促進され、血糖値を上昇させ、気分を高めて、
疲労感を解消し、体調を整えられることが、実験により
判明している。さらに、上記のような短時間の強い治療
的刺激により、糖質コルチコイドの分泌を抑制すると、
精神的緊張がとれて就寝しやすくなり、逆に、ゆっくり
とした治療的刺激を与えると、糖質コルチコイドの分泌
が促進されて、体が覚醒するように体調を整えられるこ
とも、判明している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、マッサージ機
等の器具を使用してストレスを解消し、体調を整えよう
とする場合、使用者に与える治療的刺激の強さにより、
糖質コルチコイドの分泌が抑制或は促進されるため、使
用後の使用者の希望する状態に応じてマッサージ機等の
強さを調整することになるが、使用者に与える治療的刺
激の強弱をどのように調整したら、目的とする体調に調
整することができるかが不明であって、使用者自らがマ
ッサージ機の作動強さを調整することに限界があり、マ
ッサージ機等の施療器具の作動強さや動作時間を、使用
者の体調や使用後の行動に応じて自動的に制御する体調
調整装置の実現が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑みてなされたもので、使用者のその後の行動に応じて
マッサージ・ストレッチの施療を実施して、体調を行動
に合わせて整えることができる体調調整装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、鋭意研究開発を行なった結果、鼻部
等人の皮膚温の変化や脈拍波形の変化が人のストレスや
疲労度、爽快度を良く反映し、これらの皮膚温や脈拍波
形の変化はカオス的挙動を示すが、それらのカオス的挙
動の解析によって、人のストレスや疲労度、爽快度等の
体調を推定できることをつきとめ、以下の体調調整装置
に想到した。
【0008】即ち、本発明の請求項1の体調調整装置
は、図1に示すように、人の皮膚温と心拍波形の少なく
とも一方を身体情報として一定時間毎に測定する身体状
態測定手段K1と、身体状態測定手段K1が測定した身
体情報の時系列データを取り込み、該時系列データの自
己相関関数が最初に0となる時を遅れ時間として、該遅
れ時間毎の差分を該時系列データから求め、アトラクタ
解析を行なうアトラクタ解析手段K2と、該アトラクタ
解析手段K2が解析したアトラクタに対し相関積分と相
関指数を算出し、該アトラクタの相関次元を算出する相
関次元算出手段K3と、駆動部を動作させて人のマッサ
ージ又はストレッチを行なう施療機器K4と、前記相関
次元算出手段K3が算出した相関次元データに基づき、
該施療機器K4の駆動部を制御する施療制御手段K5
と、を備えたことを特徴とする。
【0009】また、請求項2の体調調整装置は、人の皮
膚温と心拍波形の少なくとも一方を身体情報として一定
時間毎に測定する身体状態測定手段K1と、該身体状態
測定手段K1が測定した身体情報の時系列データを読み
込み、該時系列データの自己相関関数が最初に0となる
時を遅れ時間として、該遅れ時間毎の差分を該時系列デ
ータから求め、アトラクタ解析を行なうアトラクタ解析
手段K2と、該アトラクタ解析手段K2が解析したアト
ラクタを使用してリアプノフスペクトラムからリアプノ
フ指数を算出するリアプノフ指数算出手段6と、使用者
に対しマッサージ又はストレッチの施療を行なう施療機
器K4と、前記リアプノフ指数算出手段K6が算出した
リアプノフ指数データに基づき、該施療機器K4の駆動
部を制御する施療制御手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0010】さらに、請求項3の装置は、請求項1の体
調調整装置において、本施療の前に使用者に対し、強い
刺激の施療を行なった時、及び弱い刺激の施療を行なっ
た時の皮膚温と心拍波形の少なくとも一方の時系列デー
タを測定し、該時系列データのアトラクタ解析を行なう
と共に、そのアトラクタから相関次元を算出して基礎デ
ータとしての強施療時と弱施療時の相関次元を記憶する
基礎データ記憶手段K7と、予め使用者の施療後の希望
体調状態を入力する入力手段K8と、を具備し、前記施
療制御手段は、入力された使用者の施療後の希望体調状
態に基づき、測定・算出された相関次元データが、基礎
データとしての強施療時又は弱施療時の相関次元に近づ
くように制御することを特徴とする。
【0011】さらに、請求項4の装置は、請求項2の体
調調整装置において、本施療の前に使用者に対し、強い
刺激の施療を行なった時、及び弱い刺激の施療を行なっ
た時の皮膚温と心拍波形の少なくとも一方の時系列デー
タを測定し、該時系列データのアトラクタ解析を行なう
と共に、そのアトラクタからリアプノフ指数を算出して
基礎データとしての強施療時と弱施療時のリアプノフ指
数を記憶する基礎データ記憶手段と、予め使用者の施療
後の希望体調状態を入力する入力手段と、を具備し、前
記施療制御手段は、入力された使用者の施療後の希望体
調状態に基づき、測定・算出されたリアプノフ指数デー
タが、基礎データとしての強施療時又は弱施療時のリア
プノフ指数に近づくように制御することを特徴とする。
【0012】
【作用】上記請求項1の体調調整装置では、使用者が、
マッサージ又はストレッチの施療を行なう施療機器、例
えば椅子式のマッサージ・ストレッチ装置上に身体を置
き、マッサージ又はストレッチ動作を行ないながら、身
体状態測定手段K1がその人の皮膚温と心拍波形又はそ
の何れか一方を身体情報として一定時間毎に測定する。
そして、アトラクタ解析手段K2が、身体状態測定手段
K1が測定した身体情報の時系列データを取り込み、時
系列データの自己相関関数が最初に0となる時を遅れ時
間として、その遅れ時間毎の差分を時系列データから求
め、アトラクタ解析を行なう。
【0013】さらに、相関次元算出手段K3が、アトラ
クタ解析手段K2の解析したアトラクタに対し相関積分
と相関指数を算出し、アトラクタの相関次元を算出す
る。そして、施療制御手段K5が、相関次元算出手段K
3の算出した相関次元データに基づき、施療機器K4の
駆動部の動作強度を強く或は弱く制御する。
【0014】人の皮膚温や心拍波形の時系列データは体
調に応じてカオス的挙動を示すが、そのカオス的挙動は
時系列データから求めたアトラクタの相関次元データに
より数値化できるから、施療機器K4によりマッサージ
やストレッチを受けた人の疲労度、爽快度等の体調状態
を施療制御手段K5が数値化して把握し、この相関次元
データに基づき、使用者の疲労度や爽快度等の体調が、
施療機器の動作により最良な状態に調整される。
【0015】また、上記請求項2の体調調整装置では、
相関次元算出手段に代えてリアプノフ指数算出手段K6
が使用され、アトラクタ解析手段が解析したアトラクタ
を使用してリアプノフスペクトラムからリアプノフ指数
を算出し、施療制御手段が、そのリアプノフ指数に基づ
き、施療機器の駆動部の作動強度を強く或は弱く制御す
る。
【0016】また、上記請求項3の体調調整装置では、
本施療の前に予備施療を行なって使用者の基礎データを
作成し記憶する。即ち、使用者に対して強い刺激の施療
を行なった時、及び弱い刺激の施療を行なった時の皮膚
温と心拍波形又は何れか一方の時系列データを測定し、
その時系列データのアトラクタ解析を行なうと共に、そ
のアトラクタから相関次元を算出する。そして、基礎デ
ータ記憶手段K7がその強施療時と弱施療時の相関次元
を基礎データとして記憶する。また、使用者は、入力手
段K8を用いて使用者の施療後の希望体調状態(例え
ば、この後、仕事などを行なう場合は「覚醒」、眠る場
合は「鎮静」)を入力する。
【0017】施療制御手段は、入力された使用者の施療
後の希望体調状態に基づき、測定・算出された相関次元
データが、基礎データとしての強施療時又は弱施療時の
相関次元に近づくように、例えば、使用者の希望体調状
態が「覚醒」の場合、測定・算出された相関次元データ
が、弱施療の基礎データに近づくように、使用者の希望
体調状態が「鎮静」の場合、測定・算出された相関次元
データが、強施療の基礎データに近づくように、施療機
器の動作を強く又は弱く制御する。強施療時には体内で
糖質コルチコイドの分泌が抑制されて、鎮静状態に向か
い、弱施療時には糖質コルチコイドの分泌が促進されて
覚醒状態に向かうから、施療される人の体調は、入力し
た希望体調状態に応じて最適な状態に調整される。
【0018】また、上記請求項4の体調調整装置では、
本施療の前に予備施療を行なって使用者の基礎データを
作成し記憶する際、上記相関次元データに代えてリアプ
ノフ指数を算出し、基礎データ記憶手段が強施療時と弱
施療時のリアプノフ指数を基礎データとして記憶する。
そして、施療制御手段は、入力された使用者の施療後の
希望体調状態に基づき、測定・算出されたリアプノフ指
数データが、基礎データとしての強施療時又は弱施療時
のリアプノフ指数に近づくように、施療機器を強く又は
弱く制御する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図2は体調調整装置の側面構成図
を示し、図4はその正面構成図を示し、1は体調調整装
置で使用される施療機器としての椅子式のマッサージ・
ストレッチ装置である。
【0020】6は、このマッサージ・ストレッチ装置1
の基台フレームであり、両側に略矩形の側部フレーム1
1を立てて配設し、脚部となる両側の側部フレーム1
1、11間に水平フレーム12を連結・固定して構成さ
れる。両側の側部フレーム11上部と水平フレーム12
で囲う部分に椅子の座部が形成され、両側の側部フレー
ム11上に肘掛け部13が設けられる。
【0021】このような座部を固定した椅子の基台フレ
ーム1の後部に、背もたれ支持フレーム2が水平両側に
配置した回動軸21により傾動可能に軸支される。この
背もたれ支持フレーム2は、図示しないリクライニング
ダンパーなどの作用により任意の角度まで傾動可能であ
る。そして、この背もたれ支持フレーム2の内側に、背
もたれ3がその下部中央に設けた軸支部4を介して、少
し後方に傾斜した中央縦軸の回りで回動可能に取り付け
られる。この軸支部4の構造は、例えば、背もたれ支持
フレーム2の下部中央に短い支持軸が立設され、背もた
れ3側に軸受が取り付けられ、その支持軸に軸受が嵌合
され、背もたれ3がその中央縦軸の回りで、図5のよう
に回動可能に支持される。
【0022】背もたれ3は、長方形の背もたれフレーム
31と、背もたれフレーム31の背面側に突出して固定
された上円弧状フレームと、下円弧状フレーム33とを
備えて構成され、上円弧状フレームと下円弧状フレーム
33とを介して背もたれ支持フレーム2の内側で縦軸の
回りで回動可能に支持される。上円弧状フレーム上には
複数のガイドローラが軸支され、各ガイドローラは背も
たれ支持フレーム2側の上支持円弧フレーム22上を転
動可能に接して支持される。
【0023】一方、図5に示すように、下円弧状フレー
ム33上には背もたれ回動機構39の駆動部として、減
速機付きのモータ(捻り用モータ)35が下向きに取り
付けられ、その出力軸にピニオン36が固定される。こ
のモータ35は背もたれ回動用のアクチュエータとなる
ものである。下円弧状フレーム33の外側に位置する背
もたれ支持フレーム2の下支持円弧フレーム23上に、
円弧状のラック24が取り付けられ、上記ピニオン36
がそのラック24に噛合する。また、モータ35の両側
の下円弧状フレーム33上には、2個のガイド歯車37
がラック24に噛合して回転自在に軸支される。従っ
て、モータ35の駆動によりピニオン36が回転する
と、ラック24つまり背もたれ支持フレーム2に対し背
もたれ3に回転力を生じ、背もたれ3は縦軸を中心にし
て所定の範囲で回動する。
【0024】図示は省略しているが、下支持円弧フレー
ム23には、近接センサ等の位置検出器が背もたれ3の
回転位置を検出するように設けられ、中央に原点位置検
出器が配置され、そこから所定角度位置に停止位置検出
器が設けられ、さらに限界位置検出器が配置される。各
検出器は背もたれ3の回転時に下円弧状フレーム33の
中央位置に突設した金属部を検出し、その検出信号を制
御部に送り、制御部は背もたれ3を指令した角度だけ捻
り駆動可能としている。弱刺激の施療時には、背もたれ
3の回転角度を少なくかつ低速で回転させ、強刺激の施
療の際には、背もたれを3の回転角度をより大きくかつ
より高速で回転させるように動作する。
【0025】さらに、上記背もたれ支持フレーム2の上
支持円弧フレーム22と下支持円弧フレーム23との間
に、縦に板状の取付フレーム26が固定され、その取付
フレーム26に、使用者の背中(腰部背面)を押してス
トレッチングをさせるための背中押し機構5が設けられ
る。この背中押し機構5は、箱体51にバー52を横方
向に移動可能に嵌挿させ、バー52の先端にクッション
性のある押え部53を取り付け、箱体51内には背中押
し用のアクチュエータとなるモータ(背中押し用モー
タ)54の駆動部を設けて構成される。バー52には下
面にラック部が形成され、減速機付きのモータ54の出
力軸にピニオンが取り付けられ、ピニオンとラック部が
噛合し、モータ54の駆動によりバー52が押え部53
を押し出し又は引き戻すように移動する。
【0026】バー52は背もたれ3の背後から椅子の前
方に向けて配置され、背もたれ3の略中央位置で、着席
者の背中(腰部背面)を押え部53により前方に押して
ストレッチングをするように配置される。バー52には
その押出位置を検出するために複数の位置検出器が所定
の間隔で設けられる。この背中押し機構5は、着席者の
背中(腰部背面)を押え部53により前方に押して、背
中から腰にかけて充分にストレッチングを行なうことが
できる範囲で、押え部53を押し出すように、そのバー
52の押出ストロークは充分に大きく設定される。ま
た、弱刺激の施療時には、バー52のストロークを小さ
くすると共に、モータ54の回転速度を下げて押し出す
速度を小さくし、強刺激の施療の際には、バー52のス
トロークをより大きくすると共に、モータ54の回転速
度を上げて押し出す速度を大きくするように動作する。
【0027】さらに、背もたれ3の背面部には、揉み叩
きを行なうマッサージ機構40が配設される。このマッ
サージ機構40は、図示しないモータによって駆動され
る傾斜偏心軸に一対のアームが支持され、そのアームの
先端に揉み玉41が軸支され、さらにアームを前後に揺
動させる叩き機構が設けられる。傾斜偏心軸の回転によ
り、アーム先端の揉み玉41は回転せずに左右に揺動し
て、使用者の背中を揉み、叩き機構の動作によりアーム
と揉み玉41は前後に揺動して使用者の背中を叩き、揉
み叩きのマッサージを行なう。マッサージ機構40の強
刺激施療はモータの回転速度を高く、弱刺激施療はモー
タの回転速度を低くして行なわれる。
【0028】なお、図面では、省略してあるが、椅子の
基台フレーム6の座部には適当なマットと椅子カバーが
装着され、また、背もたれ3にも適当なマットとカバー
が取り付けられ、椅子に着座した使用者が快適に座るこ
とができるように構成される。
【0029】図2に示すように、椅子式のマッサージ・
ストレッチ装置1の前方に、使用者の鼻部の皮膚温を測
定するための皮膚温測定装置7が配設される。この皮膚
温測定装置7には、非接触で鼻部の皮膚温を検出するよ
うに、サーモグラフィが使用され、皮膚の表面から放射
される赤外線をCCD等の撮像素子により受光し、皮膚
の表面の温度分布を熱画像としてとらえて、それを平均
化し、鼻部皮膚温の測定データとしてその信号を所定時
間毎に演算制御装置9に送る。さらに、使用者の心拍波
形を測定するための心拍波形測定装置8が設けられる。
この心拍波形測定装置8は、例えば使用者の腕に装着し
た電極8aから生体電気信号を入力し、その電圧信号が
示す心拍波形におけるR−R間(心室の収縮間隔)の時
間を計測し、その計測データを心拍波形データとして演
算制御装置9に送る。
【0030】演算制御装置9は基本的にはマイクロコン
ピュータから構成され、CPUは、予め固定メモリのR
OMに書き込まれたプログラムに基づき、後述の本施療
に先立つ基礎データ作成モード、及びマッサージ・スト
レッチ装置1の作動を、使用者の測定皮膚温と心拍波形
データに基づき、自動制御して行なう本施療モードを選
択的に実行する。演算制御装置9には、使用者の施療後
の希望体調状態(例えば、施療後に仕事などを行なう場
合の「覚醒」を、施療後に眠る場合には「鎮静」)を入
力するスイッチ等を含む入力スイッチ9aが設けられ、
さらに、入力事項や演算結果等を表示するディスプレイ
9bが設けられる。
【0031】次に、上記構成の体調調整装置の動作を、
図7〜図9のフローチャートを参照して説明する。本施
療を行なう前に、先ず予備施療を行なって使用者の基礎
データを作成し記憶する。使用者は、マッサージ・スト
レッチ装置1の上に、その上半身を背もたれ3上に置く
ようにして着座し、演算制御装置9を基礎データ作成モ
ードにセットし、皮膚温測定装置7と心拍波形測定装置
8を動作させ、基礎データ作成モードをスタートさせ
る。
【0032】基礎データ作成モードでは、図7、8のフ
ローチャートに示すように、先ず、ステップ100で、
マッサージ・ストレッチ動作が弱で開始され、マッサー
ジ・ストレッチ装置1は、背中押し機構5、背もたれ回
動機構39、或はマッサージ機構40を選択的に動作さ
せ、弱い施療を開始する。
【0033】例えば、背中押し機構5を選択指示する
と、背中押し用モータ54が回転駆動され、バー52が
その先端の押え部53を押し出す方向に低速で前進し、
押え部53がマッサージ・ストレッチ装置1上の使用者
の背中の下部(腰の少し上)を後ろからゆっくりと押
し、所定のストロークだけ押し出した先端位置で一旦停
止した後、モータ54が逆回転し、バー52が後退して
押え部53が元の位置に戻る。このような動作が比較的
ゆっくりと繰り返され、これにより使用者の腰が前方か
ら上方に延びるように動き、使用者の背中から腰にかけ
ての部位がゆっくりとストレッチングされる。
【0034】一方、背もたれ回動機構39が選択される
と、捻り用モータ35が低速で回転駆動され、ピニオン
36が円弧状のラック24に噛合して移動することによ
り、上円弧状フレーム32、下円弧状フレーム33を含
む背もたれ3が、図6のように、軸支部4を軸に中央縦
軸の回りでゆっくりと回動し、所定の角度幅で設定され
た回動端でモータ35が反転することにより、右又は左
に回動し、これにより、マッサージ・ストレッチ装置1
上の使用者は、上半身を右又は左に捻られ、腰から背中
にかけての筋肉や筋がのびてゆっくりとストレッチング
される。また、マッサージ機構40が選択されると、マ
ッサージ機構40は、図示しないモータを駆動してアー
ム上の揉み玉41を左右に揺動させ、使用者の背中から
肩にかけて、揉み運動を行ない、或は揉み玉41を前後
に揺動させて叩き運動を行ない、このような動作が弱く
行なわれ、揉み叩きの弱いマッサージが施療される。
【0035】上記のように、マッサージ・ストレッチ装
置1の駆動によってマッサージやストレッチの施療が実
施される間、皮膚温測定装置7では使用者の鼻部の皮膚
温が測定され、心拍波形測定装置8では使用者の心拍波
形データが測定される。測定された皮膚温データと心拍
波形データ(R-R 間の時間)は、所定時間(例えば0.1
秒)毎に演算制御装置9に取り込まれる(ステップ11
0)。
【0036】取り込まれた皮膚温データと心拍波形デー
タについてアトラクタ解析を行なう。アトラクタ解析
は、計測された1変数の時系列データ(皮膚温データと
心拍波形データ)から、元のn次元空間における力学系
のアトラクタ上の軌道と等価な軌道を再構成して解析す
る。このために、先ず、ステップ120で、時系列デー
タξt の自己相関関数Rが最初に0となる時を遅れ時間
τを決定し、その遅れ時間τ毎の差分を時系列データξ
t から求め、アトラクタを再構成する(ステップ13
0)。
【0037】このアトラクタの再構成は、具体的には、
時系列データξt から、遅れ時間をτとして、m次元の
再構成状態空間においてm次元ベクトルを作成して行な
う。例えば、計測された時系列データY(t)からベク
トルX(t)を作る場合、図10に示すようになるが、
このベクトルX(t)は、n次元再構成状態空間の1点
を示すことになる。従って、時間tを変化させると、n
次元再構成状態空間に軌道が描ける。ここで、元の力学
系にアトラクタが現れている場合、再構成状態空間には
このアトラクタの位相構造を保存したアトラクタが再現
されることになる。
【0038】このように再構成したアトラクタは、それ
をディスプレイ9b上に表示した場合、図11に示すよ
うに描かれ、この弱い刺激の施療を行なった場合のアト
ラクタは、図12に示す強い刺激の施療を行なった場合
に比べ、より左下に位置し、弱刺激と強刺激の施療の違
いが、再構成されたアトラクタにおいて明確に出ること
が分かる。
【0039】次に、上記のように求めたアトラクタから
相関積分と相関指数を計算する(ステップ140)。再
構成されたアトラクタ上の1点をXi ∈Rm とすると、
相関積分は、次式で定義することができる。
【0040】
【式1】
【0041】ただし、H(t)はヘビサイド関数で
【式2】
【0042】である。
【0043】上記(1)式は、m次元空間において再構
成されたアトラクタ上の1点Xi (i=1、2・・N)
を考えた場合、残りの(N−1)個の点に対して、図1
3に示すように、中心をXi とした半径rのm次元超球
内に入る点Xj (j=1、2・・、N;i≠j)をカウ
ントし、それを全てのXi を中心にして繰り返すことを
意味し、この式(1)から相関積分を得ることができ
る。
【0044】そして、上記のように計算される相関積分
が、一辺rの適当な領域で次式(3)のようにスケーリ
ングされた場合、そのスケーリング指数ν(m)が相関
指数となる。
【0045】
【式3】
【0046】そして、式(3)の両辺の対数をとると、
【0047】
【式4】
【0048】となり、logCm (r)とlogrの関
係は、図14のグラフに示すようになり、相関指数ν
(m)はそのグラフの直線部分の傾きで与えられる。
【0049】皮膚温等の時系列データを解析の対象とし
た場合、真の相関次元は未知であるから、相関指数ν
(m)は、再構成状態空間の次元m(埋め込み次元)を
上げながら計算することになる。実際のアトラクタの次
元より、再構成状態空間の次元mが小さければ、アトラ
クタは再構成状態空間をほぼ埋めつくすと考えられるか
ら、相関指数ν(m)は次元mにほぼ等しくなる。従っ
て、相関指数ν(m)と再構成状態空間次元mの関係を
グラフに示した場合、図15のようになり、グラフが飽
和した値Dc が相関次元となる。
【0050】しかるに、図7のステップ150では、相
関指数ν(m)が飽和したか否かを判定し、飽和してな
い場合、ステップ170で、再構成状態空間の次元mを
(m+1)とし、再びステップ130に戻り、アトラク
タを再構成する。そして、上記ステップ140、150
を繰り返し、相関積分、相関指数を計算し、算出された
相関指数ν(m)が飽和したとき、ステップ160に進
み、飽和した相関指数ν(m)を相関次元Dc とするよ
うに決定する。
【0051】次に、ステップ180で、上記ステップ1
30で再構成したアトラクタを用いてリアプノフスペク
トラムから第一リアプノフ指数を算出する。一般に、カ
オスを生み出す力学系では不安定方向と安定方向が存在
し、2次元力学系に初期値として半径σの微少球を与え
た場合、最初は球であったものが、1回写像されること
により、例えば縦方向に引き伸ばされ、横方向に押し潰
されて、楕円体となる。このとき、縦(横)方向に対す
る指数的拡大(縮小)率λ1 (λ2 )がリアプノフ指数
であり、これらの組がリアプノフスペクトラムである。
【0052】リアプノフスペクトラムλi (i=1、
2、・・n)は次式(5)で求めることができ、λ1
第一リアプノフ指数(最大リアプノフ指数)である。
【0053】
【式5】
【0054】そして、上記ステップ180で第一リアプ
ノフ指数を算出した後、ステップ190で、所定時間の
経過をみた後、再び上記ステップ110に戻り、皮膚温
データと心拍波形データを取り込み、ステップ120
で、時系列データξt の自己相関関数Rが最初に0とな
る時を遅れ時間τを決定し、その遅れ時間τ毎の差分を
時系列データξt から求め、アトラクタを再構成する
(ステップ130)。そして、上記と同様に、ステップ
140でアトラクタの相関積分、相関指数を計算し、再
構成状態空間の次元mを増加させながら、相関指数を算
出し、相関次元Dcを上記と同様に決定する。また、ス
テップ180では、再構成したアトラクタを用いてリア
プノフスペクトラムから第一リアプノフ指数を算出す
る。
【0055】このように、マッサージ・ストレッチ装置
1の駆動によってマッサージやストレッチの弱い刺激の
施療が実施される間、使用者の皮膚温と心拍波形を測定
しながら、所定時間毎に相関次元と第一リアプノフ指数
を計算していく。そして、例えば5分間の基礎データ取
得のための弱施療が終了した時、ステップ190からス
テップ195に進み、相関次元の平均値と第一リアプノ
フ指数の平均値を算出し、その使用者の弱施療時の基礎
データとしてメモリに格納する。
【0056】上記のように弱い施療を行なってゆっくり
とした刺激を人体に与えると、体内に糖質コルチコイド
の分泌が促進され、血糖値を上昇させ、気分を高めて、
疲労感を解消し、体を覚醒させるように体調を整えられ
ることが、実験により判明しており、この基礎データ
は、その使用者の覚醒時の基準値(目標相関次元Dc2
目標リアプノフ指数λ11)として後述の本施療時に使用
される。
【0057】弱施療時の基礎データの作成が終了する
と、次に、図8のステップ200に進み、マッサージ・
ストレッチ動作を弱から強に切り替え、強い刺激の施療
を行なうように、マッサージ・ストレッチ装置1の背中
押し機構5、背もたれ回動機構39、マッサージ機構4
0を選択的に強動作させる。
【0058】上記と同様に、ステップ210では、測定
された皮膚温データと心拍波形データを所定時間毎に取
り込み、ステップ220で、時系列データξt の自己相
関関数Rが最初に0となる時を遅れ時間τを決定し、そ
の遅れ時間τ毎の差分を時系列データξt から求め、ア
トラクタを再構成する(ステップ230)。そして、上
記と同様に、ステップ240で、アトラクタの相関積
分、相関指数を計算し、再構成状態空間の次元mを増加
させながら、相関指数を算出し、相関次元Dc を決定す
る。また、ステップ280では、再構成したアトラクタ
を用いてリアプノフスペクトラムから第一リアプノフ指
数を算出する。
【0059】マッサージ・ストレッチ装置1の駆動によ
ってマッサージやストレッチの強い刺激の施療が実施さ
れる間、使用者の皮膚温と心拍波形を測定しながら、所
定時間毎に相関次元と第一リアプノフ指数を計算してい
く。そして、例えば5分間の基礎データ取得のための強
施療が終了した時、ステップ290からステップ295
に進み、相関次元の平均値と第一リアプノフ指数の平均
値を算出し、その使用者の強施療時の基礎データとして
メモリに格納する。強い施療を行なって短時間に強い刺
激を人体に与えると、体内の糖質コルチコイドの分泌が
抑制され、気分が落ち着き、精神的緊張を和らげて、気
分を鎮静させることが、実験により判明しており、この
基礎データは、その使用者の鎮静時の基準値(目標相関
次元Dc1,目標リアプノフ指数λ12)として使用され
る。
【0060】図16は強い刺激の施療を行なった際と、
弱い刺激の施療を行なった際に、時間経過と共に算出し
た相関次元Dc を示すが、強い刺激の施療を行なった際
の相関次元Dc の値は、弱い刺激の施療を行なった際の
相関次元Dc に比べ、明確に高いことが分かる。また、
図17は強い刺激の施療を行なった際と、弱い刺激の施
療を行なった際に、時間経過と共に算出した第一リアプ
ノフ指数λ1 を示すが、強い刺激の施療を行なった際の
第一リアプノフ指数λ1 の値は、弱い刺激の施療を行な
った際の第一リアプノフ指数λ1 に比べ、明確に低いこ
とが分かる。
【0061】これで、基礎データの作成が完了し、次
に、使用者は、入力スイッチ9aを用いて使用者の施療
後の希望体調状態、つまりこの後、仕事などを行なう場
合は「覚醒」、眠る場合は「鎮静」、を入力すると共
に、体調調整装置の動作モードを基礎データ作成モード
から本施療モードに切り替え、上記で作成した基礎デー
タを使用して、図9のフローチャートに示すように、本
施療を実施する。
【0062】本施療に入ると、先ずステップ300で、
マッサージ・ストレッチ動作が弱で開始され、マッサー
ジ・ストレッチ装置1は、背中押し機構5、背もたれ回
動機構39、或はマッサージ機構40を選択的に動作さ
せ、弱い刺激の施療を開始する。そして、施療の開始と
共に、皮膚温測定装置7により使用者の鼻部の皮膚温を
測定し、また、心拍波形測定装置8により使用者の心拍
波形を測定しながら、ステップ310で、測定された皮
膚温データと心拍波形データに基づき、相関次元Dc
計算していく。
【0063】即ち、上述の基礎データ作成処理と同様
に、演算制御装置9は、測定された皮膚温データと心拍
波形データを所定時間毎に取り込み、時系列データξt
の自己相関関数Rが最初に0となる時を遅れ時間τを決
定し、その遅れ時間τ毎の差分を時系列データξt から
求め、アトラクタを再構成する。次に、そのアトラクタ
の再構成状態空間の次元mを増加させながら、相関指数
を算出し、相関次元Dcを決定する。
【0064】さらに、ステップ320で、再構成したア
トラクタを用いて、上述の式(5)を用いてリアプノフ
スペクトラムから第一リアプノフ指数λ1 を算出する。
【0065】次に、ステップ330で、使用者の施療後
の希望体調状態が、「覚醒」であるか或は「鎮静」であ
るかを判定し、使用者の施療後の希望体調状態が「覚
醒」と入力されている場合、次に、ステップ340で、
弱い刺激の施療を実施した際に得た基礎データの相関次
元を目標相関次元Dc2として決定し、ステップ350
で、弱い刺激の施療を実施した際に得た基礎データの第
一リアプノフ指数を目標リアプノフ指数λ11として決定
する。そして、ステップ360で、測定されたアトラク
タの相関次元Dc が目標相関次元Dc2以上であるか、或
は測定されたアトラクタの第一リアプノフ指数λ1 が目
標リアプノフ指数λ11以下であるか否かを判定し、少な
くとも何れか一方が「yes」と判定された場合、次
に、ステップ410に進み、マッサージ・ストレッチ装
置1を弱のまま、つまり弱い刺激の施療を実施する。
【0066】このステップ360で、両者共に「no」
と判定された場合、相関次元、第一リアプノフ指数共
に、目標値を越えて値が反対側に変化した状態であるか
ら、使用者の施療後の希望体調状態の設定が「覚醒」で
はあるが、ステップ370に進み、マッサージ・ストレ
ッチ装置1を少し強動作させ、多少強い刺激の施療を実
施して、相関次元Dc を目標相関次元Dc2に、第一リア
プノフ指数λ1 を目標リアプノフ指数λ11に近づけるよ
うに制御する。
【0067】一方、上記ステップ330で、使用者の施
療後の希望体調状態が、「鎮静」と設定されていると判
定した場合、次に、ステップ380で、強い刺激の施療
を実施した際に得た基礎データの相関次元を目標相関次
元Dc1として決定し、ステップ390で、強い刺激の施
療を実施した際に得た基礎データの第一リアプノフ指数
を目標リアプノフ指数λ12として決定する。そして、ス
テップ400で、測定されたアトラクタの相関次元Dc
が目標相関次元Dc1以下であるか、或は測定されたアト
ラクタの第一リアプノフ指数λ1 が目標リアプノフ指数
λ12以上であるか否かを判定し、少なくとも何れか一方
が「yes」と判定された場合、次に、ステップ370
に進み、マッサージ・ストレッチ装置1を強のまま、強
い刺激の施療を実施する。
【0068】このステップ400で、両者共に「no」
と判定された場合、相関次元、第一リアプノフ指数共
に、目標値を越えて値が反対側に変化した状態であるか
ら、使用者の施療後の希望体調状態の設定が「鎮静」で
はあるが、ステップ410に進み、マッサージ・ストレ
ッチ装置1を少し弱動作させ、弱い刺激の施療を実施し
て、相関次元Dc を目標相関次元Dc1に、第一リアプノ
フ指数λ1 を目標リアプノフ指数λ12に近づけるように
制御する。
【0069】そして、上記ステップ310〜ステップ4
10の処理が繰り返されることにより、測定された皮膚
温データと心拍波形データに基づき、アトラクタの相関
次元Dc と第一リアプノフ指数λ1 を計算し、予め入力
された使用者の施療後の希望体調状態の「覚醒」または
「鎮静」に応じて設定された目標相関次元Dc1と目標リ
アプノフ指数λ12に、測定値の相関次元Dc と第一リア
プノフ指数λ1 を近づけるように、マッサージ・ストレ
ッチ装置1の動作が強く或は弱く制御される。そして、
ステップ420で、所定の施療時間(例えば15分間)
が終了したか否かを判定し、所定の施療時間が終了した
場合、本施療の処理を終了し、マッサージ・ストレッチ
による体調調整を終える。
【0070】このように、使用者は、上記マッサージ・
ストレッチ装置1を使用してマッサージ・ストレッチを
行なうことにより、自らの体調を、希望体調状態(覚
醒、鎮静)に合わせることができ、例えば、この後、仕
事をする場合には、体調を覚醒状態として、仕事に合わ
せて自動的に体調を整えることができる。また、この
後、睡眠を取る場合には、体調を鎮静状態として、眠り
に入り易くすることができる。
【0071】なお、本発明の体調調整装置は、上記実施
例に限定されるものではなく、以下のような態様でも、
実施することができる。
【0072】上記実施例では、使用者の皮膚温と心拍
波形を測定し、その皮膚温データと心拍波形データにつ
いてアトラクタ解析を行なったが、何れか一方のデータ
のみを測定しそのデータでアトラクタ解析を行なうこと
もできる。
【0073】上記実施例では、アトラクタの相関次元
c と第一リアプノフ指数λ1 を両方を算出したが、何
れか一方のみを算出し、その計算値でマッサージ・スト
レッチ装置1を制御することもできる。
【0074】施療機器としてのマッサージ・ストレッ
チ装置1は、マッサージ機能とストレッチ機能の両方を
備えていたが、何れか一方の機能のみを持った施療機器
を使用することもできる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の体調調整装置によれば、施療機器により施療を実施す
る間、身体状態測定手段により使用者の皮膚温、心拍波
形等の身体情報を測定し、その時系列データをアトラク
タ解析すると共に、アトラクタの相関次元を計算する。
相関次元は使用者の疲労度、爽快度等の体調状態を数値
化できるため、このアトラクタの相関次元に基づき、施
療機器の動作強度等を制御すれば、使用者の体調を希望
する状態に或は最良の状態に調整することができる。ま
た、請求項2の体調調整装置によれば、施療機器により
施療を実施する間、身体状態測定手段により使用者の皮
膚温、心拍波形等の身体情報を測定し、その時系列デー
タをアトラクタ解析すると共に、アトラクタのリアプノ
フ指数を計算する。リアプノフ指数は使用者の疲労度、
爽快度等の体調状態を数値化できるため、このアトラク
タのリアプノフ指数に基づき、施療機器の動作強度等を
制御すれば、使用者の体調を希望する状態に或は最良の
状態に調整することができる。
【0076】さらに、請求項3の体調調整装置によれ
ば、本施療の前に予備施療を行なって、使用者に対し強
い刺激の施療、または弱い刺激の施療を行ないながら、
皮膚温、心拍波形等の身体情報を測定し、その時系列デ
ータのアトラクタ解析を行ない、アトラクタの相関次元
を計算し、強施療時と弱施療時の相関次元を、その使用
者の基礎データとして記憶する。使用者は、その後の希
望体調状態を入力して、本施療を行ない、本施療時、入
力された使用者のその後の希望体調状態に基づき、測定
・算出された相関次元が、基礎データとしての強施療時
または弱施療時の相関次元に近づくように、施療機器の
動作を制御するから、使用者の体調を、希望体調状態に
合うように最適な状態に調整することができる。
【0077】さらに、請求項4の体調調整装置によれ
ば、本施療の前に予備施療を行なって、使用者に対し強
い刺激の施療、または弱い刺激の施療を行ないながら、
皮膚温、心拍波形等の身体情報を測定し、その時系列デ
ータのアトラクタ解析を行ない、アトラクタのリアプノ
フ指数を計算し、強施療時と弱施療時のリアプノフ指数
を、その使用者の基礎データとして記憶する。使用者
は、その後の希望体調状態を入力して、本施療を行な
い、本施療時、入力された使用者のその後の希望体調状
態に基づき、測定・算出された相関次元が、基礎データ
としての強施療時または弱施療時のリアプノフ指数に近
づくように、施療機器の動作を制御するから、使用者の
体調を、希望体調状態に合うように最適な状態に調整す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す構成ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の体調調整装置を示す概略
側面図である。
【図3】装置の制御系の構成ブロック図である。
【図4】マッサージ・ストレッチ装置の正面図である。
【図5】背もたれ3の回動機構を示す断面図である。
【図6】背もたれ3を回動させた状態の側面図である。
【図7】基礎データ作成処理のフローチャートである。
【図8】基礎データ作成処理のフローチャートである。
【図9】本施療処理のフローチャートである。
【図10】時系列データY(t)からベクトルX(t)
を作る場合を説明するグラフである。
【図11】弱施療時に測定した皮膚温、心拍波形の時系
列データをアトラクタ解析した結果の出力図である。
【図12】強施療時に測定した皮膚温、心拍波形の時系
列データをアトラクタ解析した結果の出力図である。
【図13】中心をXi とした半径rのm次元超球内に入
る点Xj をカウントし、それを全てのXi を中心にして
繰り返す相関積分を説明するための説明図である。
【図14】logCm (r)とlogrの関係を示すグ
ラフである。
【図15】再構成状態空間次元mと相関指数ν(m)の
関係を示すグラフである。
【図16】強施療と弱施療を行なった際の相関次元の違
いを示すグラフである。
【図17】強施療と弱施療を行なった際の第一リアプノ
フ指数の違いを示すグラフである。
【符号の説明】
1−マッサージ・ストレッチ装置 5−背中押し機構 7−皮膚温測定装置 8−心拍波形測定装置 9−演算制御装置 39−背もたれ回動機構 40−マッサージ機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 593227132 ダイトーエムイー株式会社 愛知県名古屋市千種区田代本通2丁目1番 地 (71)出願人 396020800 科学技術振興事業団 埼玉県川口市本町4丁目1番8号 (72)発明者 福田 敏男 愛知県名古屋市東区矢田町2丁目66番地 名大矢田宿舎122 (72)発明者 新井 史人 愛知県名古屋市千種区青柳町6丁目5番地 の1 メイツ千種青柳501 (72)発明者 長谷川 泰久 愛知県春日井市牛山町1464番地 (72)発明者 武田 浩嵩 愛知県豊田市横山町4丁目26番68号 (72)発明者 川口 三夫 愛知県名古屋市千種区田代本通2丁目1番 地 ダイトーエムイー株式会社内 (72)発明者 杉村 道夫 愛知県名古屋市千種区田代本通2丁目1番 地 ダイトーエムイー株式会社内 (72)発明者 近藤 進 愛知県名古屋市千種区田代本通2丁目1番 地 ダイトーエムイー株式会社内 Fターム(参考) 4C100 AD13 AE06 AE07 AF02 BA03 BA05 BA09 BB03 BC04 CA06 DA04 DA05 EA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人の皮膚温と心拍波形の少なくとも一方
    を身体情報として一定時間毎に測定する身体状態測定手
    段と、 該身体状態測定手段が測定した身体情報の時系列データ
    を取り込み、該時系列データの自己相関関数が最初に0
    となる時を遅れ時間として、該遅れ時間毎の差分を該時
    系列データから求め、アトラクタ解析を行なうアトラク
    タ解析手段と、 該アトラクタ解析手段が解析したアトラクタに対し相関
    積分と相関指数を算出し、該アトラクタの相関次元を算
    出する相関次元算出手段と、 駆動部を動作させて人のマッサージ又はストレッチを行
    なう施療機器と、 前記相関次元算出手段が算出した相関次元データに基づ
    き、該施療機器の駆動部を制御する施療制御手段と、 を備えたことを特徴とする体調調整装置。
  2. 【請求項2】 人の皮膚温と心拍波形の少なくとも一方
    を身体情報として一定時間毎に測定する身体状態測定手
    段と、 該身体状態測定手段が測定した身体情報の時系列データ
    を取り込み、該時系列データの自己相関関数が最初に0
    となる時を遅れ時間として、該遅れ時間毎の差分を該時
    系列データから求め、アトラクタ解析を行なうアトラク
    タ解析手段と、 該アトラクタ解析手段が解析したアトラクタを使用して
    リアプノフスペクトラムからリアプノフ指数を算出する
    リアプノフ指数算出手段と、 駆動部を動作させて人のマッサージ又はストレッチを行
    なう施療機器と、 前記リアプノフ指数算出手段が算出したリアプノフ指数
    データに基づき、該施療機器の駆動部を制御する施療制
    御手段と、 を備えたことを特徴とする体調調整装置。
  3. 【請求項3】請求項1の体調調整装置において、本施療
    の前に使用者に対し、強い刺激の施療を行なった時、及
    び弱い刺激の施療を行なった時の、皮膚温と心拍波形の
    少なくとも一方の時系列データを測定し、該時系列デー
    タのアトラクタ解析を行なうと共に、そのアトラクタか
    ら相関次元を算出し、基礎データとしてその強施療時と
    弱施療時の相関次元を記憶する基礎データ記憶手段と、 予め使用者の施療後の希望体調状態を入力する入力手段
    と、 を具備し、前記施療制御手段は、入力された使用者の施
    療後の希望体調状態に基づき、測定・算出された相関次
    元データが、基礎データとしての強施療時又は弱施療時
    の相関次元に近づくように制御することを特徴とする体
    調調整装置。
  4. 【請求項4】請求項2の体調調整装置において、本施療
    の前に使用者に対し、強い刺激の施療を行なった時、及
    び弱い刺激の施療を行なった時の皮膚温と心拍波形の少
    なくとも一方の時系列データを測定し、該時系列データ
    のアトラクタ解析を行なうと共に、そのアトラクタから
    リアプノフ指数を算出し、基礎データとしての強施療時
    と弱施療時のリアプノフ指数を記憶する基礎データ記憶
    手段と、 予め使用者の施療後の希望体調状態を入力する入力手段
    と、 を具備し、前記施療制御手段は、入力された使用者の施
    療後の希望体調状態に基づき、測定・算出されたリアプ
    ノフ指数データが、基礎データとしての強施療時又は弱
    施療時のリアプノフ指数に近づくように制御することを
    特徴とする体調調整装置。
JP31321499A 1999-11-04 1999-11-04 体調調整装置 Pending JP2001129044A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31321499A JP2001129044A (ja) 1999-11-04 1999-11-04 体調調整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31321499A JP2001129044A (ja) 1999-11-04 1999-11-04 体調調整装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001129044A true JP2001129044A (ja) 2001-05-15

Family

ID=18038491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31321499A Pending JP2001129044A (ja) 1999-11-04 1999-11-04 体調調整装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001129044A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003041589A1 (fr) * 2001-11-13 2003-05-22 Electronic Navigation Research Institute, An Independent Administrative Institution Appareil de diagnostic d'une fonction chaologique du cerveau
JP2004174041A (ja) * 2002-11-28 2004-06-24 Family Kk マッサージ機及びマッサージシステム
JP2006081824A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Kyushu Hitachi Maxell Ltd マッサージ機
WO2007009322A1 (fr) * 2005-07-20 2007-01-25 Jian Wang Méthode optimisée de fonctionnement temps réel de procédure multi-entrée et multi-sortie de fabrication en continu
CN113362568A (zh) * 2021-07-15 2021-09-07 青岛海尔空调器有限总公司 一种基于驻车空调的抗疲劳控制方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003041589A1 (fr) * 2001-11-13 2003-05-22 Electronic Navigation Research Institute, An Independent Administrative Institution Appareil de diagnostic d'une fonction chaologique du cerveau
US7678047B2 (en) 2001-11-13 2010-03-16 Electronic Navigation Research Institute Chaologic brain function diagnosis apparatus
JP2004174041A (ja) * 2002-11-28 2004-06-24 Family Kk マッサージ機及びマッサージシステム
JP2006081824A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Kyushu Hitachi Maxell Ltd マッサージ機
JP4522208B2 (ja) * 2004-09-17 2010-08-11 九州日立マクセル株式会社 マッサージ機
WO2007009322A1 (fr) * 2005-07-20 2007-01-25 Jian Wang Méthode optimisée de fonctionnement temps réel de procédure multi-entrée et multi-sortie de fabrication en continu
KR100979363B1 (ko) 2005-07-20 2010-08-31 왕지안 다입력 다출력 연속생산과정의 실시간조작 최적화 방법
US7848831B2 (en) 2005-07-20 2010-12-07 Jian Wang Real-time operating optimized method of multi-input and multi-output continuous manufacturing procedure
CN113362568A (zh) * 2021-07-15 2021-09-07 青岛海尔空调器有限总公司 一种基于驻车空调的抗疲劳控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4837392B2 (ja) マッサージ機
US20200085673A1 (en) Method and system for customized operation of a therapeutic device
JP6340691B2 (ja) マッサージ機
WO2009101875A1 (ja) マッサージ機及びマッサージ方法
US20040225239A1 (en) Massage machine and massage method
JP2002315804A (ja) 触診マッサージ装置
JPH11137626A (ja) リラックス装置
KR20090082488A (ko) 특히 머리 및 목 통증을 치료하기 위한 동적 크래들
JP6288934B2 (ja) マッサージ機
CN112870526B (zh) 一种存储介质和装置
CN107174468A (zh) 生物体状态评价装置以及按摩机
JP4439216B2 (ja) マッサージシステム、及びマッサージ機
JP2001129044A (ja) 体調調整装置
Kim et al. Integrative evaluation of automated massage combined with thermotherapy: physical, physiological, and psychological viewpoints
JP4709527B2 (ja) 牽引装置
JP2006087853A5 (ja)
KR101123693B1 (ko) 신체교정용 장치, 신체교정용 장치의 제어기 및 제어 방법
JP2004242707A (ja) マッサージ機
JP3162876B2 (ja) マッサージ機
JP7217602B2 (ja) マッサージ機
JP2004261392A (ja) マッサージ機及びマッサージ方法
JP4043188B2 (ja) コントローラを具えたマッサージ機器
CN106491346B (zh) 脚底扭转、滚动、震动、加热、磁疗综合按摩仪
JP4090358B2 (ja) マッサージ機
JP2004261391A (ja) 状態判断方法及びマッサージ機

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060124

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060606