JP2001127998A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法

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JP2001127998A
JP2001127998A JP30182199A JP30182199A JP2001127998A JP 2001127998 A JP2001127998 A JP 2001127998A JP 30182199 A JP30182199 A JP 30182199A JP 30182199 A JP30182199 A JP 30182199A JP 2001127998 A JP2001127998 A JP 2001127998A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様化・複雑化した文書画像データから文字
要素を構成する線分データの抽出を的確に行う。 【解決手段】 所定の色成分に関する色情報を保持記憶
する記憶手段12と、この記憶手段12が保持記憶して
いる色情報と処理対象となる画像データとの間における
色空間上の距離を検出し、その検出結果を基に前記記憶
手段12が保持記憶している色情報により特定される色
成分についてのみ線分抽出を行う線分抽出手段14a
と、を備えるように画像処理装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字要素を含んだ
カラー文書画像データ中から、文字要素、さらに詳しく
は文字要素を構成する線分データを抽出する画像処理装
置および画像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、文書画像データ中からの線分抽出
を行う画像処理装置としては、以下に述べるような方法
を用いたものが広く知られている。例えば、文書画像デ
ータ全面の濃度情報に基づいて二値化処理のための単一
のしきい値を決定し、その単一のしきい値を用いて高濃
度画素(文字要素)と低濃度画素(非文字要素、背景要
素等)を分離することで、線分抽出を行うものがある。
また、文書画像データを局所ブロックに分割し各ブロッ
ク毎の濃度情報に基づいて二値画像を生成する方法を用
いたものや、文書画像データを文字要素の存在する領域
と写真等の絵柄が存在する領域とに分割した後に文字要
素の存在する領域に対して二値化処理のためのしきい値
を設定して二値画像を生成する方法を用いたもの等もあ
る。さらに、カラー文書画像データに対しては、赤
(R),緑(G),青(B)の原色成分から明るさを表
す明度信号を生成し、それに対して上記の各処理と同様
な方法で対応するものも存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年で
はコンピュータや画像入出力機器およびそれらに用いら
れる文書処理ソフトウェア等の文書作成環境の変化・進
歩に伴って、処理の対象となる文書画像が従来に比べて
非常に多様化・複雑化しているため、上述した従来の画
像処理装置および画像処置方法では対応することができ
ずに、結果として線分抽出を的確に行えないおそれがあ
る。
【0004】例えば、図17は、昨今の文書作成環境に
て作成される文書画像の一例を示したものである。従来
の画像処理装置および画像処置方法では、図中に示す
ような白背景上の黒文字を構成する線分を主たる抽出対
象としている。そのため、図中に示すような白背景上
の色文字を構成する線分や、図中に示すような背景色
を有する文字を構成する線分については、白背景上の黒
文字の場合と同等の精度で抽出することが困難である。
これに対しては、しきい値等のパラメータ設定を変更し
て、色文字を構成する線分等であっても文字要素と非文
字要素との判定時に抽出すべき線分と判定され易くする
といった対策も考えられるが、かかる場合には文字では
ない要素も誤って文字として抽出してしまう可能性が高
くなる。例えば、図中に示すような絵柄要素を有する
文書については、絵柄要素中のエッジ成分に起因して、
その絵柄について文字を構成する線分と判定してしまう
誤検出が多く発生する可能性がある。また、この他に
も、図中に示すような文字背景が一様でない領域や、
のように色背景上に色文字が存在する領域、あるいは
のように文字と背景の明暗が反転しているような領域
では、さらに線分抽出が困難になってくる。
【0005】そこで、本発明は、上述したような多様化
・複雑化した文書画像データであってもこれに対応する
ことができ、その文書画像データから文字要素を構成す
る線分データの抽出を的確に行うことのできる画像処理
装置および画像処置方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために案出された画像処理装置で、画像データを
取得する取得手段と、所定の色成分に関する色情報を保
持記憶する記憶手段と、前記取得手段が取得した画像デ
ータと前記記憶手段が保持記憶している色情報との間に
おける色空間上の距離を検出する検出手段と、前記検出
手段による検出結果を基に前記記憶手段が保持記憶して
いる色情報により特定される色成分についてのみ前記取
得手段が取得した画像データからの線分抽出を行う線分
抽出手段とを備えることを特徴とするものである。
【0007】また、本発明は、上記目的を達成するため
に案出された画像処理方法で、画像データ中から文字要
素を構成する線分データを抽出するための方法であっ
て、所定の色成分に関する色情報を保持記憶しておき、
線分データを抽出すべき画像データを取得するとその画
像データと前記色情報との間における色空間上の距離を
検出し、検出した色空間上の距離に基づいて前記色情報
により特定される色成分に係る線分データのみを取得し
た画像データ中から抽出することを特徴とする。
【0008】既述のように多様化かつ複雑化してきた文
書画像ではあるが、数十〜数百万もの色を使用するのは
文書中の背景画像や装飾等の絵柄要素であって、文書中
の主たる情報である文字や罫線等の線分に使用される色
は一般に3〜4色程度である。また、線分に使用される
色自体も「黒」、「赤」、「白(反転)」、「濃紺」と
いったように概ね定まっているのが実情である。このこ
とから、上記構成の画像処理装置および上記手順による
画像処理方法では、所定の色成分に関する色情報を保持
記憶しておき、線分データを抽出すべき画像データを取
得すると、保持記憶している色情報により特定される色
成分に係る線分データのみを、取得した画像データから
抽出するようになっている。そのため、文書画像中の文
字要素に使用される色情報を保持記憶しておけば、その
文書画像中に多くの色成分が含まれていても、文字要素
に使用される色成分に係る線分データのみを抽出するこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明に係る
画像処理装置および画像処理方法について説明する。
【0010】〔第1の実施の形態〕図1は、本発明の第
1の実施の形態における画像処理装置の概略構成を示す
ブロック図である。図例のように、本実施形態における
画像処理装置は、画像入力部11と、色情報記憶部12
と、操作部13と、画像処理部14と、文字画像蓄積部
15と、これらの各部を互いに結ぶバス16と、を備え
ている。
【0011】画像入力部11は、画像処理装置の外部よ
り、複数の画素データからなる画像データを取得するも
のである。具体的には、例えばフラットベッドスキャナ
のように、原稿画像を光学的に読み取って、その原稿画
像からR,G,Bの各原色成分で表現されるデジタルカ
ラー画像データを取得するものである。ただし、画像入
力部11は、例えば画像処理装置に接続するネットワー
ク等を通じて外部から画像データを取得するものであっ
てもよい。なお、画像入力部11が取得する画像データ
は、R,G,Bそれぞれ8ビット/画素の階調数で、4
00画素/インチの解像度を有しているものとする。
【0012】色情報記憶部12は、所定の色成分に関す
る色情報、さらに詳しくは文字抽出の対象色となる色成
分に関する色情報を保持記憶するものである。この色情
報記憶部12は、RAM(Random Access Memory) 等の
半導体メモリによって構成しても、あるいはHDD(Ha
rd Disk Drive)等の補助記憶装置によって構成してもよ
い。
【0013】操作部13は、画像処理装置全体の動作を
制御するための操作が行われるもので、画像処理装置の
ユーザ等が操作するタッチパネルやスイッチ等からなる
ものである。この操作部13で行われる操作としては、
色情報記憶部12に保持記憶させる色情報の設定および
入力がある。
【0014】画像処理部14は、画像入力部11が取得
したデジタルカラー画像データに対して、文字要素の抽
出処理を行うものである。そのために、画像処理部14
は、線分画素抽出部14aと、不要画素除去部14b
と、画像合成部14cと、ワークメモリ14dと、から
構成されている。
【0015】線分画素抽出部14aは、画像入力部11
が取得したデジタルカラー画像データ中から、所定の色
成分に係る線分データ、詳しくは所定の色成分を有した
線分画像を構成する画素データを抽出するものである。
所定の色成分には、色情報記憶部12に保持記憶されて
いる色情報によって特定されるものが該当する。なお、
色情報記憶部12内に複数の色成分に関する色情報が保
持記憶されていれば、線分画素抽出部14aは、各色成
分毎に線分データの抽出を行うようになっている。
【0016】不要画素除去部14bは、線分画素抽出部
14aで抽出された線分データの中から、文字要素を構
成しないと判断されるデータ、例えば誤って抽出される
エッジ画素データやノイズデータなどを除去するもので
ある。なお、不要画素除去部14bも、線分画素抽出部
14aと同様に、各色成分毎に不要データの除去を行う
ようになっている。
【0017】画像合成部14cは、線分画素抽出部14
aによる各色成分毎の線分データの抽出結果および不要
画素除去部14bによる各色成分毎の不要データの除去
結果を合成して、画像処理部14からの最終的な出力形
態となる画像データ、すなわち画像入力部11で取得し
た中に含まれる文字要素に相当する画像データを生成す
るものである。
【0018】ワークメモリ14dは、これら線分画素抽
出部14a、不要画素除去部14bおよび画像合成部1
4cが処理動作を行う際のワークメモリまたはバッファ
メモリとして用いられるものである。なお、ワークメモ
リ14dはRAM等の半導体メモリによって構成される
ものであるが、線分画素抽出部14a、不要画素除去部
14bおよび画像合成部14cは、所定プログラムを実
行するマイクロコンピュータ等によりソフトウエア的に
構成しても、あるいは所定機能を有した電子回路等によ
りハードウエア的に構成してもよい。
【0019】また、文字画像蓄積部15は、画像処理部
14での処理結果である文字要素に相当する画像データ
を記憶蓄積するものである。そのために、文字画像蓄積
部15は、RAM等の半導体メモリまたはHDD等の補
助記憶装置によって構成されている。
【0020】ここで、以上のように構成された画像処理
装置における処理動作の概要について説明する。図2
は、本実施形態の画像処理装置での処理動作例、すなわ
ち本実施形態の画像処理装置によって行われる画像処理
方法の概要を示すフローチャートである。
【0021】図例のように、本実施形態の画像処理装置
では、線分抽出処理に際し、先ずはじめに、抽出対象と
なる色成分の設定を行う(ステップ101、以下ステッ
プをSと略す)。このとき、抽出対象色は、色情報記憶
部12に予め保持記憶されているものであってもよい
し、操作部13から新たに指定入力したものであっても
よい。図中では、N個の抽出対象色が既に指定され色情
報記憶部12内に保持記憶されている場合を例に挙げて
いる。
【0022】抽出対象色が設定されると、次いで、画像
入力部11は、原稿画像に対する読み取りを行って、そ
の原稿画像からR,G,Bの各原色成分で表現されるデ
ジタルカラー画像データを取得する(S102)。ここ
で取得したカラー画像データは、画像処理部14内のワ
ークメモリ14dに一旦保持される。
【0023】そして、画像処理部14は、1〜N番目の
抽出対象色のうち、先ず1番目の抽出対象色について線
分抽出処理を開始する(S103)。すなわち、画像処
理部14では、ワークメモリ14d内のカラー画像デー
タを読み出して、これを線分画素抽出部14aに入力す
る。また、このとき、線分画素抽出部14aには、1番
目の抽出対象色に係る色情報が色情報記憶部12からロ
ードされる(S104)。これらにより、線分画素抽出
部14aは、入力されたカラー画像データ中から1番目
の抽出対象色の色成分を有する線分データを抽出し(S
105)、その線分データを不要画素除去部14bへ出
力する。
【0024】不要画素除去部14bでは、線分画素抽出
部14aにて抽出された線分データを受け取って、その
線分データの中から誤って抽出されたノイズ成分や非文
字成分等についての画素データを除去する処理を行う
(S106)。そして、その処理後の画像データをワー
クメモリ14dへ出力して、ワークメモリ14d内に一
旦保持記憶させる(S107)。
【0025】このようにして1番目の抽出対象色につい
ての線分抽出処理が終了すると、次いで、画像処理部1
4は、2番目以降の抽出対象色に対して(S108)、
N番目の抽出対象色の線分抽出処理が終了するまで(S
109)、同様の線分抽出処理を繰り返す(S105〜
S109)。これにより、ワークメモリ14d内には、
N個の抽出対象色全てについての抽出処理結果が保持記
憶されることになる。
【0026】全ての抽出対象色に関する抽出処理が完了
すると(S109)、画像処理部14では、画像合成部
14cがワークメモリ14d内の全色分の抽出処理結果
を取り出してこれらを合成する処理を行う(S11
0)。この処理によって得られる合成画像データ、すな
わち画像処理部14による抽出処理結果は、文字画像蓄
積部15に記憶蓄積された後、図示しない文字認識装置
等へ送出され、その文字認識装置等での文字認識処理に
供されることになる。
【0027】次に、上述した処理動作のうち、線分画素
抽出部14aが行う特定色(1〜N番目の抽出対象色)
についての線分抽出処理(図2におけるS105)につ
いて詳しく説明する。図3は、線分画素抽出部14aが
行う処理動作の概要を示すフローチャートである。な
お、図中において、「R,G,B」は画像入力部11で
取得したデジタルカラー画像データの注目画素データ値
を、「Ri,Gi,Bi」は色情報記憶部12からロー
ドされる抽出対象色の色情報値を、「OUT」は線分画
素抽出部14aによる抽出結果である2値化された画素
データを表している。
【0028】図例のように、線分画素抽出部14aは、
線分抽出処理を行うのにあたって、先ず、注目画素デー
タ値R,G,Bと抽出対象色の色情報値Ri,Gi,B
iとの差分信号「ΔR,ΔG,ΔB」を生成する(S2
01)。差分信号ΔR,ΔG,ΔBの生成は、以下の
(1)〜(3)式を用いて行う。
【0029】
【数1】
【0030】
【数2】
【0031】
【数3】
【0032】差分信号ΔR,ΔG,ΔBを生成すると、
続いて、線分画素抽出部14aは、これらの差分信号Δ
R,ΔG,ΔBを用いて色検出信号「D」を生成する
(S202)。色検出信号Dの生成は、以下の(4)式
を用いて行う。
【0033】
【数4】
【0034】ここで算出される色検出信号Dは、注目画
素データ値R,G,Bと抽出対象色の色情報値Ri,G
i,Biとの間におけるRGB色空間上の距離を表すも
のである。すなわち、色検出信号Dは、RGB色空間に
おける各画素の有する色と抽出対象色との距離を示す信
号に相当し、その値が大きくなるほど抽出対象色に近い
色であることを表している。
【0035】なお、ここでは、注目画素データ値R,
G,Bと抽出対象色の色情報値Ri,Gi,Biとの間
のユークリッド距離、すなわち差分信号ΔR,ΔG,Δ
Bの二乗和の平方根を色検出信号Dとして定義している
が、例えば差分信号ΔR,ΔG,ΔBの平均値など、2
点間の隔たりの尺度となる演算でこれを代替することも
可能であることはいうまでもない。
【0036】色検出信号Dを求めると、次いで、線分画
素抽出部14aは、求めた色検出信号Dを基に線分抽出
を行う。線分抽出は、周知の手法を用いて行えばよい。
例えば、注目画素周辺で階調レベルの変化が急峻であ
り、かつ、注目画素の階調レベルが十分に高い場合に、
その注目画素を線分要素とある判断することが考えられ
る。
【0037】具体的には、線分画素抽出部14aは、先
ず、求めた色検出信号Dを用いて、色検出信号Dのエッ
ジ特徴量「De」およびレベル特徴量「Dl」を算出す
る(S203,S204)。エッジ特徴量Deおよびレ
ベル特徴量Dlは、それぞれ以下の(5)式および
(6)式のように定義される。
【0038】
【数5】
【0039】
【数6】
【0040】ここで、エッジ特徴量Deは、図4の注目
画素近傍における画素配置の説明図に示すように、注目
画素を「Dj,k」とすると、注目画素周辺の5×5
(主走査×副走査)画素の平均値と注目画素周辺の3×
3(主走査×副走査)画素の平均との差分の絶対値に相
当する。また、レベル特徴量Dlは、注目画素周辺の3
×3(主走査×副走査)画素の平均値に相当する。な
お、(5)式および(6)式中における「M」および
「N」は、調整用のオフセットパラメータであり、画像
処理装置の特性に応じて予め実験的に定められている定
数である。
【0041】エッジ特徴量Deおよびレベル特徴量Dl
を求めると、次いで、線分画素抽出部14aは、これら
エッジ特徴量Deおよびレベル特徴量Dlを、それぞれ
予め設定されているしきい値THe,THlと比較す
る。そして、エッジ特徴量Deがしきい値THe以上で
あり、かつ、レベル特徴量Dlしきい値THl以上であ
るか否かを判定する(S205)。
【0042】この判定の結果、De≧THeかつDl≧
THlであれば、線分画素抽出部14aは、注目画素D
j,k周辺で階調レベルの変化が急峻であり、かつ、注
目画素の階調レベルが十分に高いので、注目画素Dj,
kが線分を構成する画素であると判断する。そして、注
目画素データ値R,G,Bに対する出力画素データ値O
UTをONとする(S206)。その一方で、De≧T
HeかつDl≧THlでない場合には、線分画素抽出部
14aは、出力画素データ値OUTをOFFとする(S
207)。
【0043】このように、線分画素抽出部14aでは、
画像入力部11が取得したデジタルカラー画像データを
構成する各画素データに対して、抽出対象色の色情報値
Ri,Gi,Biとの間の距離を表す色検出信号Dを基
に二値化を行う。これにより、線分画素抽出部14aか
らは、抽出対象色の線分要素に該当する画素データ、す
なわち抽出対象色の色成分に係る線分データが抽出さ
れ、不要画素除去部14bに対して出力されることにな
る。
【0044】なお、ここでは、線分画素抽出部14aが
比較的簡便な手法によって線分抽出を行う場合を例に挙
げたが、本発明は特にこれに限定されるものではない。
例えば、本願出願人が既にした特許出願(特願平11−
166676号)で提案しているように、所定の図形形
状要素に相当する線分基本要素によりデジタルカラー画
像データを走査することで、当該線分基本要素に対応す
る幅の線分を構成する画素データを抽出すれば、より高
精度な線分抽出を行うことが可能となる。
【0045】次に、本実施形態の画像処理装置による処
理動作のうち、不要画素除去部14bが行う不要画素デ
ータの除去処理(図2におけるS106)について詳し
く説明する。図5および図6は、不要画素除去部14b
が行う処理動作の概要を示す説明図である。なお、図5
中の矩形内は、線分画素抽出部14aから出力される二
値化後の出力画素データOUTをイメージ化した状態を
表している。
【0046】不要画素除去部14bが行う処理動作は、
周知の文書構造認識/像域分離手法に基づくものであ
る。先ず、不要画素除去部14bは、図5(a)に示す
ように、二値化画像イメージに対し垂直方向および水平
方向についての投影分布を作成し、頻度「0」の分布が
最も長いポイントで領域を2分割する。さらに、不要画
素除去部14bは、図5(b),(c)に示すように、
分割した2つの領域のそれぞれに対しても同様の領域分
割処理を行う。そして、この処理を各領域が文書を構成
する最小単位となるまで繰り返す。
【0047】その後、不要画素除去部14bは、図6
(a)に示すように、分割した各領域内で画素データ値
がONである部分について、その外接矩形を生成する。
外接矩形を生成すると、不要画素除去部14bは、各外
接矩形について特徴量を算出し、その特徴量を基に、各
外接矩形が文字要素に相当するものであるか、或いは網
点領域や罫線など文字要素以外の文書構成要素や誤って
抽出されたノイズ成分に相当するものであるかを判断す
る。ここで、特徴量としては、外接矩形の面積、縦横
比、外接矩形内におけるデータ値がONである部分の面
積比、ON/OFF反転回数等を用いることが考えられ
る。例えば、外接矩形の面積を用いた場合には、文字要
素の大きさを表すポイント数を基準に、大きすぎるもの
や小さすぎるものを文字要素でないと判断する。これら
の特徴量を用いた判断の結果、文字画素ではないと判断
された外接矩形に属する画素データについては、不要画
素除去部14bが図6(b)に示すようにその値をON
からOFFに変換する。
【0048】そして、不要画素除去部14bは、全ての
外接矩形に対して処理を終了すると、その処理結果をワ
ークメモリ14d内に保持記憶させる。このような不要
画素データの除去処理を、不要画素除去部14bがN個
の抽出対象色すべてに対して実行することにより、ワー
クメモリ14d内には、N個の各抽出対象色について、
当該抽出対象色に係る線分データのうち、文字要素を構
成する線分データのみが保持記憶されることになる。
【0049】次に、本実施形態の画像処理装置による処
理動作のうち、画像合成部14cが行うN色分の抽出処
理結果の合成処理(図2におけるS110)について詳
しく説明する。図7は、画像合成部14cが行う処理動
作の概要を示す説明図である。なお、図中では、簡単の
ため、N=3で、「黒」、「白」、「赤」の3色が抽出
対象色として設定されている場合の例を示す。
【0050】抽出対象色が「黒」、「白」、「赤」の3
色である場合、線分画素抽出部14aによる線分抽出処
理および不要画素除去部14bによる不要画素データの
除去処理が完了すると、ワークメモリ14d内には、図
7中にで示すような黒色成分に係る二値化線分データ
と、同じくで示すような白色成分に係る二値化線分デ
ータと、同じくで示すような赤色成分に係る二値化線
分データとが、それぞれ個別に蓄積される。ここで、画
像合成部14cは、各色成分に係る二値化線分データ
,,をワークメモリ14d内から取り出し、これ
らに対する合成処理を行い、その合成処理結果を文字画
像蓄積部15に出力してそこに保存させる。
【0051】合成処理は、例えば、画像合成部14cが
各色成分に係る二値化線分データ,,の論理和を
取ることによって行い、これにより最終的な画像処理部
14による抽出処理結果、すなわち抽出対象色の文字要
素を構成する二値画像データを得る(図7(a)参
照)。
【0052】ただし、合成処理は、以下のように行って
もよい。例えば、図7(b)に示すように、各色成分に
係る二値化線分データ,,に、それぞれの色情報
を付加した状態で、これらを合成することが考えられ
る。このときの色情報としては、例えば色情報記憶部
12に設定されている色No. 等が適当である。このよう
な合成処理を行えば、最終的な画像処理部14による抽
出処理結果として、各文字要素の色情報が付加された多
層二値画像データを得ることが可能である。さらには、
例えば図7(c)に示すように、二値画像データのヘッ
ダ情報として、色情報を付加した2ビットのカラーマ
ップを生成することも考えられる。このとき、色情報の
上位1ビットは該当する画素データを表し、下位24ビ
ットはその色成分を表すものとする。このような合成処
理を行えば、最終的な画像処理部14による抽出処理結
果として、各文字要素の色情報が付加された多値パレッ
ト画像データを得ることが可能である。
【0053】このように、色情報を付加した合成処理を
行った場合には、その後に行う後処理に対して大きな付
加価値を与えることができる。例えば、文字画像蓄積部
15に蓄積される文字画像データについて、後処理とし
て文字認識処理を行う場合に、「黒い文字」や「赤い文
字」といった原稿画像上で当該文字が有していた属性を
利用することが可能となる。そのため、特にHTML
(Hyper Text Markup Language)形式等へのデータ変換
を行う場合などには、非常に有効なものとなる。
【0054】以上のような処理を行った場合の従来技術
に対する優位点を図8〜図11を用いて説明する。図8
〜図11は、いずれも、従来技術の項で説明した図17
と同様に、文書画像の構成要素を示した説明図である。
【0055】例えば、図8(a)に示すのような一様で
ない背景を有する文字については、適切に抽出対象色を
設定して線分抽出処理を行うことによって、図8(b)
に示す二値画像を表す線分データと、図8(c)に示す
二値画像を表す線分データとに、分離して抽出すること
が可能となる。また、これらの線分データに対して不要
画素データの除去処理を行うことによって、最終的には
図8(b)に示すような文字画像のみを表す線分データ
を抽出することが可能となる。
【0056】図9は、反転文字の抽出の様子を示してい
る。通常の明度成分に基づく線分抽出処理を行う場合に
は、図9(a)のような周辺画素よりも高い明度値(周
辺よりも明るい画素データ値)を持つ文字要素を、それ
以外の色の文字と同一の処理論理で抽出することが困難
である。しかしながら、本実施形態の画像処理装置およ
び画像処理方法によれば、予め設定された抽出対象色か
らのユークリッド距離(隔たり)に着目して線分データ
の抽出処理を行うので、図9(b)および(c)に示し
たように反転した文字列でも良好に抽出することができ
る。また、図8に示した例と同様に、図9(c)の枠線
も文字以外の要素として除去されるため、最終的には図
9(b)に示すような文字画像のみを表す線分データを
抽出することが可能となる。
【0057】図10は、背景を有する文字の抽出の様子
を示している。図10(a)に示すように背景色を有す
る領域に文字が存在する場合については、その背景色が
抽出対象色でなければ抽出されることがないので、図1
0(b)に示すように文字画像のみを表す線分データの
抽出が可能となる。
【0058】図11は、図8と場合と同様に、一様でな
い背景を有する文字の抽出の様子を示している。図11
(a)に示すように、背景がグラデーションで表現され
るような場合には、明度の差異だけで文字抽出を行うの
が非常に困難であるが、本実施形態の画像処理装置およ
び画像処理方法では、抽出すべき文字の色に着目してい
るため、図11(b)に示すような良好な文字抽出が可
能となる。また、図11(c)に示すように、抽出され
る文字以外の成分に関しては、不要画素データの除去処
理を行うことによって消去することが可能である。
【0059】以上に説明したように、本実施形態の画像
処理装置および画像処理方法は、請求項1または6に記
載の発明の如く、抽出すべき文字の色に着目し、抽出対
象色に係る線分データのみを抽出するようになってい
る。したがって、文字要素を抽出すべき文書画像中に多
くの色成分が含まれていても、従来よりも良好かつ的確
に、文字要素を構成する線分データの抽出を行うことが
できる。
【0060】また、本実施形態の画像処理装置および画
像処理方法は、請求項2または7に記載の発明の如く、
抽出した線分データの中から文字要素を構成しないと判
断されるデータを除去するようになっている。したがっ
て、文字要素を抽出すべき文書画像が多様化・複雑化し
ても、これに対応しつつ、従来よりも良好かつ的確に、
文字要素を構成する線分データの抽出を行うことができ
る。
【0061】さらに、本実施形態の画像処理装置および
画像処理方法は、請求項3または8に記載の発明の如
く、複数の抽出対象色にも対応し得るようになってい
る。したがって、文書画像の多様化・複雑化への対応が
容易となる。しかも、複数の抽出対象色について順次線
分抽出処理を行うことによって、それぞれの色に対する
抽出範囲を従来の場合よりもより狭く設定できるので、
例えば網点を表す画素データやエッジ部のデータなどの
誤抽出を大きく軽減することができるようになる。
【0062】〔第2の実施の形態〕次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。ただし、ここでは、上
述した第1の実施の形態との相違点についてのみ説明す
るものとする。
【0063】本実施形態は、上述した第1の実施の形態
の場合と、線分画素抽出部14aによる線分抽出処理の
みが異なる。詳しくは、第1の実施の形態では、RGB
色空間における注目画素データ値R,G,Bと抽出対象
色の色情報値Ri,Gi,Biとの間の三次元的距離
を、抽出対象色と注目画素色との隔たりを表す尺度とし
たのに対し、本実施形態では、注目画素データ値R,
G,Bとと抽出対象色それぞれの原色成分との間の一次
元的距離を色検出用信号とし、これを用いて各原色成分
毎の抽出結果の論理積を取ることで、抽出対象となる色
線分を有した線分データの抽出を行う点で異なる。
【0064】以下、図12を用いて、本実施形態におけ
る線分抽出処理を詳しく説明する。図12は、線分画素
抽出部14aが行う処理動作の他の例を示すフローチャ
ートである。なお、第1の実施の形態の場合(図3参
照)と同様に、図12中において、「R,G,B」は画
像入力部11で取得したデジタルカラー画像データの注
目画素データ値を、「Ri,Gi,Bi」は色情報記憶
部12からロードされる抽出対象色の色情報値を、「O
UT」は線分画素抽出部14aによる抽出結果である2
値化された画素データを表している。
【0065】図例のように、本実施形態の場合、線分画
素抽出部14aは、線分抽出処理を行うのにあたって、
先ず、注目画素データの赤成分値Rと抽出対象色の赤成
分値Riとの差分信号「ΔR」を生成する(S30
1)。差分信号ΔRの生成は、第1の実施の形態の場合
と同様に(1)式を用いて行う。
【0066】ここで、差分信号ΔRは、注目画素データ
の赤成分値Rと抽出対象色の赤成分値Riとの間におけ
るR軸上の距離を表すものであり、値が大きくなるほど
注目画素の赤成分が抽出対象色の赤成分に近い色である
ことを表している。
【0067】差分信号ΔRを生成すると、続いて、線分
画素抽出部14aは、その差分信号ΔRを基に線分抽出
を行う。線分抽出は、周知の手法を用いて行えばよい。
例えば、第1の実施の形態で説明した場合と同様に、注
目画素周辺で階調レベルの変化が急峻であり、かつ、注
目画素の階調レベルが十分に高い場合に、その注目画素
を線分要素とある判断することが考えられる。具体的に
は、線分画素抽出部14aは、先ず、生成した差分信号
ΔRを用いて、そのエッジ特徴量「Re」およびレベル
特徴量「Rl」を算出する(S302,S303)。エ
ッジ特徴量Reおよびレベル特徴量Rlは、それぞれ以
下の(7)式および(8)式のように定義される。
【0068】
【数7】
【0069】
【数8】
【0070】ここで、エッジ特徴量Reは、注目画素を
「Rj,k」とすると、注目画素周辺の5×5(主走査
×副走査)画素の平均値と注目画素周辺の3×3(主走
査×副走査)画素の平均との差分の絶対値に相当する。
また、レベル特徴量Rlは、注目画素周辺の3×3(主
走査×副走査)画素の平均値に相当する(いずれも図4
参照)。なお、(7)式および(8)式中における「M
r」および「Nr」は、調整用のオフセットパラメータ
であり、画像処理装置の特性に応じて予め実験的に定め
られている定数である。
【0071】こうしてエッジ特徴量Reおよびレベル特
徴量Rlを求めると、、次いで、線分画素抽出部14a
は、これらエッジ特徴量Reおよびレベル特徴量Rl
を、それぞれ予め設定されているしきい値THe,TH
lと比較する。そして、エッジ特徴量Reがしきい値T
He以上であり、かつ、レベル特徴量Rlしきい値TH
l以上であるか否かを判定する(S304)。
【0072】この判定の結果、Re≧THeかつRl≧
THlであれば、線分画素抽出部14aは、注目画素R
j,k周辺で階調レベルの変化が急峻であり、かつ、注
目画素の階調レベルが十分に高いので、注目画素Rj,
kが線分を構成する画素であると判断する。そして、判
定結果信号「Ro」をONとする(S305)。その一
方で、Re≧THeかつRl≧THlでない場合には、
線分画素抽出部14aは、判定結果信号RoをOFFと
する(S306)。
【0073】以上のような処理を、線分画素抽出部14
aは、注目画素データの赤成分値Rについてのみなら
ず、注目画素データの緑成分値Gおよび青成分値Bに対
しても全く同様に実施し、それぞれの判定結果信号Go
およびBoを得る(S307〜S318)。
【0074】こうして判定結果信号Ro,Go,Boを
得ると、線分画素抽出部14aは、それぞれの判定結果
信号Ro,Go,Boを参照して、これら全ての信号が
ONであるか否かを判断し(S319)、全てがONで
あれば出力画素データ値OUTをONとし(S32
0)、そうでなければ出力画素データ値OUTをOFF
とする(S321)。
【0075】このように、線分画素抽出部14aでは、
各原色成分毎に抽出対象色との隔たりを表す尺度を算出
し、その判定結果に基づいて最終的な抽出結果を得るこ
とも可能である。このような処理の長所としては、多次
元での距離計算が必要な構成に比べ演算量が少なくて済
むこと、画像入力部11が画素順次ではなく面順次の形
式で画像データを取得した場合にも対応できること、な
どが挙げられる。
【0076】なお、上述した第1および第2の実施の形
態では、いずれの場合も、請求項4または9に記載の発
明の如く、RGB色空間上のユークリッド距離または各
原色成分毎の隔たりの距離の検出結果を基に注目画素デ
ータを二値化することによって線分抽出を行う場合を例
に挙げて説明した。これは、二値化処理を利用すれば、
比較的簡単な処理にて良好かつ的確な線分抽出を実現す
ることができるからである。ただし、線分画素抽出部1
4aは、これに限定されるものではなく、他の手法を用
いて線分抽出を行うものであってもよい。
【0077】〔第3の実施の形態〕次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。ただし、ここでも、上
述した第1の実施の形態との相違点についてのみ説明す
るものとする。
【0078】本実施形態は、上述した第1の実施の形態
の場合と異なり、抽出対象色を操作部13から指定入力
するのではなく、画像入力部11が取得したデジタルカ
ラー画像データを参照して自動的に設定する機能を有す
る点に特徴がある。図13は、本実施形態における画像
処理装置の概略構成を示すブロック図である。なお、図
中において、上述した第1の実施の形態と同一の構成要
素については、同一の符号を与えてその説明を省略する
ものとする。
【0079】図例のように、本実施形態における画像処
理装置は、第1の実施の形態における場合に加えて、画
像処理部14が使用色検出部14eを有している。使用
色検出部14eは、画像入力部11が取得したデジタル
カラー画像データ中から、その中で使用されている文字
色や線分色を抽出し、その抽出した色成分に関する色情
報を色情報記憶部12に保持記憶させるものである。な
お、使用色検出部14eは、所定プログラムを実行する
マイクロコンピュータ等によりソフトウエア的に構成し
ても、あるいは所定機能を有した電子回路等によりハー
ドウエア的に構成してもよい。
【0080】次に、以上のように構成された画像処理装
置における処理動作の概要について説明する。図14
は、本実施形態の画像処理装置での処理動作例、すなわ
ち本実施形態の画像処理装置によって行われる画像処理
方法の概要を示すフローチャートである。
【0081】図例のように、本実施形態の画像処理装置
では、線分抽出処理に際し、先ずはじめに、抽出対象色
の数の設定を行う(S401)。ここでいう数は、後述
するように画像入力部11で取得した画像データから検
出した色の数のみであっても良いし、例えば「黒」,
「赤」等といった色情報記憶部12内に予め保持記憶さ
れている色に検出色を加えた数であっても良い。図中で
は、色情報記憶部12に予め記憶されているN個の抽出
対象色に、画像入力部11で取得した画像データから検
出したn個の色を加えた、合わせてN+n個を抽出対象
色とする場合を例に挙げている。
【0082】抽出対象色の数が設定されると、次いで、
画像入力部11は、原稿画像に対する読み取りを行っ
て、その原稿画像からR,G,Bの各原色成分で表現さ
れるデジタルカラー画像データを取得する(S40
2)。ここで取得したカラー画像データは、画像処理部
14内のワークメモリ14dに一旦保持される。
【0083】そして、ワークメモリ14dがカラー画像
データを保持すると、画像処理部14の使用色検出部1
4eは、ワークメモリ14d内のカラー画像データを参
照して、そのカラー画像データ中に使用されている色成
分を、n個だけ検出する処理を行う(S403)。
【0084】ここで、使用色検出部14eによるn個分
の色検出処理について詳しく説明する。 図15は、使
用色検出部14eが行う処理動作の概要を示すフローチ
ャートである。
【0085】図例のように、使用色検出部14eによる
色検出処理は、画像入力部11が取得したカラー画像デ
ータ中の色をサンプリング(画像内色サンプリング)す
るステップ(S500)と、そのサンプリング結果に基
づいてn個の色成分を抽出(色抽出)するステップ(S
600)と、から構成されている。
【0086】画像内色サンプリングは、取得したカラー
画像データ中のエッジ成分を検出し、そのR,G,B信
号の出現頻度を計測することにより行う。このときに検
出すべき色成分は、文字要素や線分要素に用いられてい
るものである。そのため、使用色検出部14eは、エッ
ジ部分に用いられる色成分のみをサンプリングし、例え
ば均一背景やグラデーション域などの色情報のサンプリ
ングは行わない。
【0087】具体的には、先ず、使用色検出部14e
は、エッジ成分の検出のため、エッジ検出用の特徴量
「Rdt」,「Gdt」,「Bdt」を算出する(S5
01,S502,S503)。検出用特徴量Rdt,G
dt,Bdtは、それぞれ以下の(9)〜(11)式の
ように定義される。
【0088】
【数9】
【0089】
【数10】
【0090】
【数11】
【0091】ここで、検出用特徴量Rdtは、図16の
注目画素近傍における画素配置の説明図に示すように、
注目画素を「Rj,k」とすると、注目画素周辺の7×
7(主走査×副走査)画素の平均値と注目画素周辺の3
×3(主走査×副走査)画素の平均との差分の絶対値に
相当する。検出用特徴量Gdt,Bdtについても同様
である。また、ここで、(9)〜(11)式中における
「Mdt」は、調整用のオフセットパラメータであり、
画像処理装置の特性に応じて予め実験的に定められてい
る定数である。
【0092】検出用特徴量Rdt,Gdt,Bdtを求
めると、次いで、使用色検出部14eは、これら検出用
特徴量Rdt,Gdt,Bdtを、それぞれ予め設定さ
れているしきい値THdtと比較する。この比較の結
果、「Rdt≧THdt」と「Gdt≧THdt」と
「Bdt≧THdt」とのいずれかが満たされる場合、
すなわちR,G,Bいずれかの原色成分にエッジが存在
する場合に、使用色検出部14eは、注目画素がエッジ
部分に相当すると判断する(S504)。この判断の結
果、注目画素がエッジ部分である場合に、使用色検出部
14eは、その注目画素データのR,G,Bの各信号値
を検出し、その一方で注目画素がエッジ部分でなければ
何の処理も行わない。そして、使用色検出部14eは、
以上のような処理を、取得したカラー画像データ中の全
画素に対して行い、そのカラー画像データが有する色成
分のサンプリング、すなわち出現頻度の計測を完了する
(S505,S506)。
【0093】このようにして画像内色サンプリングを行
うと、その後、使用色検出部14eは、そのサンプリン
グ結果によって得られた出現頻度データから、抽出対象
となるn個の色成分について色抽出を行う。色抽出処理
は、単純に出現頻度の高いn個の色成分を選択すること
で行われる。
【0094】具体的には、先ず、使用色検出部14e
は、画像データ取得のバラツキや各種ノイズ等を考慮し
て、画素あたり8ビットの中の上位4ビットを用いて3
次元ヒストグラムを生成する(S601)。これによ
り、三次元の色空間は、4096個の空間に分割された
ことになる。次いで、使用色検出部14eは、4096
個の局所領域の中で大きな頻度を有するもの上位n個分
を代表色領域として選択する(S602)。その後、使
用色検出部14eは、画像内色サンプリングで生成され
た出現頻度データを参照して、選択されたn個の代表色
領域(局所領域)内の平均値を算出する(S603)。
【0095】そして、その算出結果から、使用色検出部
14eは、n個の抽出対象色を得る。ただし、色成分の
頻度分布から代表色を選定するアルゴリズムは、この他
にも各種提案されている。例えば、三次元色空間を分散
の大きな軸から順次分割してn個の領域を生成する手法
であるとか、n個の塊を形成するまで領域の統合を繰り
返していく手法等、が広く知られている。したがって、
使用色検出部14eは、他の手法を用いてn個の抽出対
象色を得るようにしてもよい。
【0096】このような処理によって画像入力部11が
取得したカラー画像データ中のn個の使用色成分を検出
すると、使用色検出部14eでは、図14に示すよう
に、その検出した色成分に関する情報を色情報記憶部1
2内に保持記憶させる(S404)。その後は、第1の
実施の形態で説明したように、色情報記憶部12内の色
情報を基に特定色線分データの抽出を行い(S405〜
S407)、不要画素データの除去を経て(S40
8)、N+n個の抽出対象色に関する抽出処理を文字画
像蓄積部15に記憶蓄積する(S409〜S412)。
【0097】以上に説明したように、本実施形態の画像
処理装置および画像処理方法は、請求項5または10に
記載の発明の如く、処理対象となる文書画像中の文字や
線分に使用されている色を検出し、その検出結果に基づ
いて特定色の文字画像を抽出するようになっている。し
たがって、文字要素を抽出すべき文書画像中に多くの色
成分が含まれていても、ユーザ等による煩雑な操作を必
要とすることなく、抽出対象色に係る線分データのみを
従来よりも良好かつ的確に抽出することができるので、
その操作性が大きく向上し、ユーザ等にとっては非常に
便利なものとなる。
【0098】
【発明の効果】上述したように、本発明の画像処理装置
および画像処理方法では、抽出すべき文字の色に着目
し、抽出対象色に係る線分データのみを、取得した画像
データから抽出するようになっている。そのため、例え
ば複雑で多様な構成を持つ文書画像のように、多くの色
成分を含むものであっても、従来よりも良好かつ的確
に、文字要素に使用される色成分に係る線分データの抽
出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における画像処理
装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 第1の実施の形態における画像処理方法の概
要を示すフローチャートである。
【図3】 第1の実施の形態における線分画素抽出部が
行う処理動作の概要を示すフローチャートである。
【図4】 線分抽出処理を行う際の注目画素近傍におけ
る画素配置の一例を示す説明図である。
【図5】 第1の実施の形態における不要画素除去部が
行う処理動作の概要を示す説明図(その1)であり、
(a)〜(c)はそれぞれ領域分割処理の様子を示す図
である。
【図6】 第1の実施の形態における不要画素除去部が
行う処理動作の概要を示す説明図(その2)であり、
(a)は不要画素除去前の状態を示す図、(b)は不要
画素除去後の状態を示す図である。
【図7】 第1の実施の形態における画像合成部が行う
処理動作の概要を示す説明図である。
【図8】 線分抽出処理結果の具体例を示す説明図(そ
の1)であり、(a)は処理される原画像を示す図、
(b)は抽出される文字画像を示す図、(c)は除去さ
れる線分画像を示す図である。
【図9】 線分抽出処理結果の具体例を示す説明図(そ
の2)であり、(a)は処理される原画像を示す図、
(b)は抽出される文字画像を示す図、(c)は除去さ
れる線分画像を示す図である。
【図10】 線分抽出処理結果の具体例を示す説明図
(その3)であり、(a)は処理される原画像を示す
図、(b)は抽出される文字画像を示す図である。
【図11】 線分抽出処理結果の具体例を示す説明図
(その4)であり、(a)は処理される原画像を示す
図、(b)は抽出される文字画像を示す図、(c)は除
去される線分画像を示す図である。
【図12】 第2の実施の形態における線分画素抽出部
が行う処理動作の概要を示すフローチャートである。
【図13】 第3の実施の形態における画像処理装置の
概略構成を示すブロック図である。
【図14】 第3の実施の形態における画像処理方法の
概要を示すフローチャートである。
【図15】 第3の実施の形態における使用色検出部が
行う処理動作の概要を示すフローチャートである。
【図16】 使用色検出処理を行う際の注目画素近傍に
おける画素配置の一例を示す説明図である。
【図17】 線分抽出処理の対象となる原画像の一例を
示す説明図である。
【符号の説明】
11…画像入力部、12…色情報記憶部、14…画像処
理部、14a…線分画素抽出部、14b…不要画素除去
部、14c…画像合成部、14e…使用色検出部
フロントページの続き Fターム(参考) 5C077 MP06 MP07 MP08 PP23 PP31 PP32 PP41 PP43 PP47 PQ22 RR02 5C079 HB01 LA01 LA02 LA05 LA34 LA40 MA01 5L096 AA02 AA06 AA07 BA07 EA43 FA03 FA42 FA44 FA46 LA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データを取得する取得手段と、 所定の色成分に関する色情報を保持記憶する記憶手段
    と、 前記取得手段が取得した画像データと前記記憶手段が保
    持記憶している色情報との間における色空間上の距離を
    検出する検出手段と、 前記検出手段による検出結果を基に前記記憶手段が保持
    記憶している色情報により特定される色成分についての
    み前記取得手段が取得した画像データからの線分抽出を
    行う線分抽出手段とを備えることを特徴とする画像処理
    装置。
  2. 【請求項2】 前記線分抽出手段による線分抽出結果の
    中から、文字要素を構成しない抽出結果を削除する除去
    手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理
    装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段に複数の色成分に関する色
    情報が保持記憶されている場合に、前記線分抽出手段が
    前記複数の色成分について線分抽出を行うと、該線分抽
    出によって得られる前記複数の色成分についての線分抽
    出結果を合成する合成手段を備えることを特徴とする請
    求項1または2記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記線分抽出手段は、前記検出手段によ
    る検出結果を基に前記取得手段が取得した画像データを
    二値化することによって線分抽出を行うものであること
    を特徴とする請求項1,2または3記載の画像処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記取得手段が取得した画像データに含
    まれる色成分を抽出して該色成分に関する色情報を前記
    記憶手段に保持記憶させる色抽出手段を備えることを特
    徴とする請求項1,2,3または4記載の画像処理装
    置。
  6. 【請求項6】 画像データ中から文字要素を構成する線
    分データを抽出するための画像処理方法であって、 所定の色成分に関する色情報を保持記憶しておき、 線分データを抽出すべき画像データを取得すると該画像
    データと前記色情報との間における色空間上の距離を検
    出し、 検出した色空間上の距離に基づいて前記色情報により特
    定される色成分に係る線分データのみを取得した画像デ
    ータ中から抽出することを特徴とする画像処理方法。
  7. 【請求項7】 線分データの抽出後、当該線分データの
    中から文字要素を構成しない線分データを削除すること
    を特徴とする請求項6記載の画像処理方法。
  8. 【請求項8】 複数の色成分に関する色情報を保持記憶
    している場合に、前記複数の色成分に係る線分データを
    抽出すると、抽出した各線分データを合成することを特
    徴とする請求項6または7記載の画像処理方法。
  9. 【請求項9】 前記画像データと前記色情報との間にお
    ける色空間上の距離を検出すると、検出した色空間上の
    距離を基に前記抽出対象となる画像データを二値化する
    ことにより、当該画像データからの線分データの抽出を
    行うことを特徴とする請求項6,7または8記載の画像
    処理方法。
  10. 【請求項10】 前記画像データを取得すると、当該画
    像データに含まれる色成分を抽出し、その色成分に関す
    る色情報を保持記憶しておくことを特徴とする請求項
    6,7,8または9記載の画像処理方法。
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