JP2001123701A - 免震建物のロック装置および制御装置および免震建物 - Google Patents

免震建物のロック装置および制御装置および免震建物

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JP2001123701A
JP2001123701A JP30263199A JP30263199A JP2001123701A JP 2001123701 A JP2001123701 A JP 2001123701A JP 30263199 A JP30263199 A JP 30263199A JP 30263199 A JP30263199 A JP 30263199A JP 2001123701 A JP2001123701 A JP 2001123701A
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JP30263199A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Kawai
徹也 川合
Yuzuru Kawazoe
譲 川副
Kazuki Futagawa
和貴 二川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒状体チャンバ式のロック装置の長所を活か
したまま、動作信頼性に優れ、充分なロック状態を得る
ことができる免震建物のロック装置を得ること。 【解決手段】 基礎2側に設けられた上方開口のチャン
バ3の底部に可動底板4を上下移動可能に設け、可動底
板4上に載置された形態でチャンバ3内に鋼球5を多数
個充填する。上部構造体1側にはアンカー6を固定する
と共にアンカー6にチャンバ3の上方開口部を塞ぐ蓋部
材7を固定する。空気圧シリンダ装置10によって、可
動底板4を、鋼球5とアンカー6とが上下に離間する降
下位置と、鋼球5全体を持ち上げて鋼球5間にアンカー
6が進入する上昇位置との間に往復駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、免震建物のロッ
ク装置およびそのロック装置の制御装置および免震建物
に関するものであり、特に、戸建て住宅等の軽量構造物
に適用される免震建物のロック装置およびそのロック装
置の制御装置および免震建物に関するもののである。
【0002】
【従来の技術】基礎に対して上部構造体が水平方向に変
位可能に免震支承された免震建物において、上部構造体
が、地震発生時以外に、強風等により不必要に揺れ動か
ないように、強風時には、上部構造体が基礎に対して水
平方向に変位することを禁止するロック装置を組み込む
ことが従来より提案されている。免震建物のロック装置
の一つのとして、基礎側に形成されたチャンバ内に、
砂、小粒の砕石等の粒状体が装填され、上部構造体側よ
り流体圧の加圧装置により固定用ピンをチャンバ内の粒
状体に対して打ち込むことにより、上部構造体を基礎に
対して固定する粒状体チャンバ式のロック装置が知られ
ており、この種のロック装置は特開平11−44124
号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような粒状体チ
ャンバ式のロック装置は、構造が簡単で、さほど高い組
付け精度、施工精度を必要としないと云う長所を有して
いるが、しかし、粒状体として砂、小粒の砕石等を使用
しているため、長期間の使用において、砂が硬くしまっ
た場合や、均一性が乏しい不定形な砕石では、固定用ピ
ンがチャンバ内の粒状体に対して容易に、また確実に打
ち込まれず、動作信頼性に関して不安定であると云う問
題点を残している。
【0004】この発明は、上述の如き問題点を解消する
ためになされたもので、粒状体チャンバ式のロック装置
の長所を活かしたまま、動作信頼性に優れ、充分なロッ
ク状態を得ることができる免震建物のロック装置、およ
びそのロック装置の制御装置、およびそれらロック装
置、制御装置を具備した免震建物を提供することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明による免震建物のロック装置
は、基礎側に設けられた上方開口のチャンバと、前記チ
ャンバの底部に上下移動可能に設けられた可動底板と、
前記可動底板上に載置された形態で前記チャンバ内に多
数個充填された鋼球と、上端側を免震建物の上部構造体
側に固定され、下端側が前記チャンバ内に位置するアン
カーと、前記アンカーの中間部に固定されて前記チャン
バの上方開口部を塞ぐ蓋部材と、前記可動底板を、前記
鋼球と前記アンカーとが上下に離間する降下位置と、前
記鋼球全体を持ち上げて鋼球間に前記アンカーが進入す
る上昇位置との間に往復駆動する往復駆動手段とを有し
ているものである。
【0006】この構成によれば、往復駆動手段によって
可動底板が降下位置と上昇位置との間に往復駆動され、
降下位置では鋼球と前記アンカーとが上下に離間して上
部構造体と基礎とが水平方向に相対変位することを許す
アンロック状態(ロック解除状態)になり、上昇位置で
は鋼球全体を持ち上げて鋼球間にアンカーが進入するこ
とにより、上部構造体と基礎とが水平方向に相対変位す
ることを禁止するロック状態になる。この時、蓋体は、
鋼球がチャンバ外へ飛び出すことを防止し、また可動底
板との間に鋼球を挟み込み、鋼球の動きを拘束してロッ
ク力を高めるように作用する。また、チャンバ内に充填
されるのは鋼球であることから、長期間の使用において
固まってしまうようなことはなく、アンカーの進入は常
に安定して行われ、高い動作信頼性が得られる。
【0007】請求項2記載の発明による免震建物のロッ
ク装置は、前記往復駆動手段が、一端を前記可動底板に
連結されたワイヤと、前記ワイヤの他端を連結され、当
該ワイヤを引張するアクチュエータとにより構成されて
いるものである。この構成によれば、アクチュエータに
よってワイヤを引張することにより可動底板が上昇移動
し、これを解放することにより可動底板が可動底板上の
鋼球の搭載重量によって降下移動し、可動底板が降下位
置と上昇位置との間に往復駆動される。
【0008】請求項3記載の発明による免震建物のロッ
ク装置は、基礎側に設けられた上方開口のチャンバと、
前記チャンバ内に多数個充填された鋼球と、免震建物の
上部構造体側に上下動可能に設けられ、降下することに
より前記チャンバ内の鋼球間に進入するアンカーと、前
記アンカーに固定され、前記アンカーの降下移動により
前記チャンバの上方開口部を塞ぐ蓋部材と、前記アンカ
ーが前記チャンバ内の鋼球間に進入する降下位置と前記
アンカーが前記チャンバ内の鋼球間より抜け出した上昇
位置との間に往復駆動するアクチュエータとを有してい
るものである。
【0009】この構成によれば、アクチュエータにより
アンカーがチャンバ内の鋼球間に進入する降下位置とチ
ャンバ内の鋼球間より抜け出した上昇位置との間に往復
駆動され、降下位置ではアンカーがチャンバ内の鋼球間
に進入することにより、上部構造体と基礎とが水平方向
に相対変位することを禁止するロック状態になると共
に、蓋部材がチャンバの上方開口部を塞いで鋼球がチャ
ンバ外へ飛び出すことを防止し、上昇位置ではアンカー
がチャンバ内の鋼球間より抜け出することにより、上部
構造体と基礎とが水平方向に相対変位することを許すア
ンロック状態(ロック解除状態)になる。また、チャン
バ内に充填されるのは鋼球であることから、長期間の使
用において固まってしまうようなことはなく、アンカー
の進入は常に安定して行われ、高い動作信頼性が得られ
る。
【0010】請求項4記載の発明による免震建物のロッ
ク装置は、前記アンカーは横断面形状がY字形、十文字
形の羽根形状をなしているものである。この構成によれ
ば、横断面形状がY字形、十文字形の羽根形状をしたア
ンカーがチャンバ内の鋼球間に進入することによりロッ
ク状態になり、その際に、アンカーと鋼球とが上下に相
対移動する際に抵抗を受ける面積に比して、水平方向に
移動する際に抵抗を受ける面積が各段に大きくなり、水
平方向への変位は確実に抑制され、充分なロック状態を
得ることができる。
【0011】請求項5記載の発明による免震建物のロッ
ク装置は、前記アンカーは横断面形状が円筒状をなして
いるものである。この構成によれば、横断面形状が円筒
状のアンカーがチャンバ内の鋼球間に進入することによ
りロック状態になり、その際に、アンカーと鋼球とが上
下に相対移動する際に抵抗を受ける面積に比して、水平
方向に移動する際に抵抗を受ける面積が各段に大きくな
り、水平方向への変位は確実に抑制され、充分なロック
状態を得ることができる。
【0012】また、上述の目的を達成するために、請求
項6記載の発明による免震建物のロック装置の制御装置
は、請求項1又は2記載の免震建物のロック装置の制御
装置であって、風を検知する風検知手段と、前記風検知
手段が設定値以上の風を検知したときには前記可動底板
が前記上昇位置に位置し、前記風検知手段が設定値以上
の風を検知しないときには前記可動底板が前記降下位置
に位置するように、前記往復駆動手段との動作を制御す
る風検知型の制御手段とを有しているものである。
【0013】風検知手段が検知するのは、風の物理量と
して、風速、風圧、風力、風量等であってよく、場合に
よっては、気象情報等から風に関する情報を検出するよ
うな手段であってもよい。この構成によれば、強風時に
は可動底板が上昇位置に移動し、鋼球間にアンカーが進
入することでロック状態になり、これ以外の時には可動
底板は降下位置に位置してアンロック状態になる。
【0014】また、請求項7記載の発明による免震建物
のロック装置の制御装置は、請求項4記載の免震建物の
ロック装置の制御装置であって、風を検知する風検知手
段と、前記風検知手段が設定値以上の風を検知したとき
には前記アンカーが前記降下位置に位置し、前記風検知
手段が設定値以上の風を検知しないときには前記アンカ
ーが前記上昇位置に位置するように、前記アクチュエー
タの動作を制御する風検知型の制御手段とを有している
ものである。この場合も、風検知手段が検知するのは、
風の物理量として、風速、風圧、風力、風量等であって
よく、場合によっては、気象情報等から風に関する情報
を検出するような手段であってもよい。
【0015】この構成によれば、強風時にはアンカーが
降下位置に駆動されてチャンバ内の鋼球間に進入あるい
は押し付けられることでロック状態になり、これ以外の
時にはアンカーは上昇位置に位置してアンロック状態に
なる。また、上述の目的を達成するために、請求項8記
載の発明による免震建物は、請求項1〜5の何れか1項
記載の免震建物のロック装置と、請求項6又は7記載の
免震建物のロック装置の制御装置とを有しているもので
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明する。 (実施の形態1)図1、図2はこの発明による免震建物
のロック装置および制御装置および免震建物の実施の形
態1を示している。図1、図2において、1は免震建物
の上部構造体を、2は基礎を示している。上部構造体1
は図示されていない周知の構造の免震支承装置により基
礎2より水平方向に変位可能に免震支承されている。
【0017】基礎2は鉄筋等で補強されたコンクリート
製のものであり、基礎2には箱状の窪みとして上方開口
形のチャンバ3が直接形成されている。チャンバ3の底
部には平板状の可動底板4が水平状態で上下移動可能に
設けられている。チャンバ3内には、可動底板4上に載
置された形態で、直径が2〜3cm程度の同一直径の鋼
球5が多数個充填されている。この場合、チャンバ3内
における鋼球5の納まりがよくなるよう、チャンバ3の
縦横寸法は鋼球5の直径の整数倍であることが好まし
い。
【0018】上部構造体1にはアンカー6の上端部が固
定されている。アンカー6は、チャンバ3の真上位置に
て上端部を上部構造体1に固定された状態で、上部構造
体1より下方に垂下しており、下端側がチャンバ3内に
位置している。アンカー6はチャンバ3の直上位置に配
置されている。アンカー6は、図3に示されているよう
に、横断面形状(すなわち、水平面への投影形状)が十
文字形の羽根形状をなしている。また、アンカー6の中
間部にはチャンバ3の上方開口部を塞ぐ平板状の蓋部材
7が固定されている。
【0019】可動底板4の両側には各々ワイヤ8の一端
の連結されている。ワイヤ8は基礎2に形成されたワイ
ヤ挿通孔9を通って基礎2上に延びている。基礎2上に
は各ワイヤ8毎に空気圧シリンダ装置10が固定状態で
取り付けられている。空気圧シリンダ装置10は、ピス
トン11にワイヤ8の他端を連結され、シリンダ室12
に高圧空気を供給されることにより、ワイヤ8を引張
し、可動底板4を上昇移動させるようになっている。シ
リンダ室12には電磁弁13が接続されており、電磁弁
13は、切換動作により、シリンダ室12をタンク付き
のコンプレッサ14と大気開放ポート15の何れか一方
に選択的に接続する。
【0020】空気圧シリンダ装置10は、シリンダ室1
2にコンプレッサ14より高圧空気が供給されると、ワ
イヤ8を引張して可動底板4を上昇駆動し、図2に示さ
れているように、チャンバ3内の鋼球4間にアンカー6
が進入する上昇位置に可動底板4を位置させる。これに
対し、シリンダ室12が大気開放ポート15によって大
気開放されると、可動底板4が可動底板4上の鋼球5の
重量により降下移動し、図1に示されているように、鋼
球5がアンカー6より離間にして鋼球5とアンカー6と
の間に間隙ができる降下位置に可動底板4が位置する。
【0021】電磁弁13に対する通電制御(切換動作)
は、風速検知型の制御装置16により行われる。制御装
置16には風速を検知する風速計17が接続されてお
り、制御装置16は、風速計17が設定値以上の風速を
検知したときには、すなわち、強風時には、空気圧シリ
ンダ装置10のシリンダ室12に高圧空気が供給される
ように電磁弁13の切換制御を行い、これに対し、風速
計17が設定値以上の風速を検知しないときには、空気
圧シリンダ装置10のシリンダ室12が大気開放される
ように電磁弁13の切換制御を行う。
【0022】上述の構成によれば、風速計17が設定値
以上の風速を検知する強風時には、制御装置16による
電磁弁13の切換動作により、シリンダ装置10のシリ
ンダ室12に高圧空気が供給され、図2に示されている
ように、可動底板4が上昇移動して上昇位置に位置す
る。これにより、チャンバ3内の鋼球5が持ち上げられ
て鋼球5間にアンカー6が進入し、基礎2に対する上部
構造物1の水平方向変位が禁止されたロック状態にな
る。
【0023】これにより、強風時に上部構造物1が揺れ
動くことが防止され、風揺れによる居住性の低下が回避
される。また、ロック状態は、チャンバ3内の任意の鋼
球5間にアンカー6が進入することにより得られるか
ら、地震発生後の免震装置の残留変位に対して支障なく
ロック状態を得ることができる。また、アンカー6はチ
ャンバ4内の径が揃っている鋼球5間に進入してロック
状態になるから、鋼球5間に対するアンカー6の進入
が、砂や砕石に対する進入に比して、信頼性高く、確実
に行われ、ロック状態が信頼性高く、安定して得られ
る。ロック状態時には、蓋体7は、鋼球5がチャンバ外
へ飛び出すことを防止すると共に、上昇位置にある可動
底板4との間に鋼球5を挟み込み、鋼球5の動きを拘束
する。これによりロック力が向上する。
【0024】また、アンカー6は、横断面形状が十文字
形の羽根形状をなしているから、アンカー6が鋼球5間
に対して進入した状態では、アンカー6の羽根面と鋼球
5との接触により、前後左右(東西南北)の全方向に対
して充分な抵抗力が得られ、充分なロック状態が得られ
る。換言すれば、可動底板4上の鋼球5が上昇・下降す
る際に抵抗を受ける面積に比して、水平方向に移動する
際に抵抗を受ける面積が各段に大きくなり、水平方向へ
の変位は確実に抑制され、充分なロック状態を得ること
ができる。なお、コンプレッサ14はタンク付きである
ことにより、平常時に貯えられた高圧空気により、停電
時にも対応でき、停電時の動作保証のための動力用大容
量バッテリーが不要になる。
【0025】風速計17が設定値以上の風速を検知しな
い時には、制御装置16による電磁弁13の切換動作に
より、シリンダ装置10のシリンダ室12が大気開放さ
れ、可動底板4が、可動底板4上の鋼球5の重量により
降下して図1に示されているように、降下位置に位置す
る。これにより、アンカー6がチャンバ3内の鋼球5間
より抜け出し、基礎2に対する上部構造物1の水平方向
変位を許容するアンロック状態になる。これにより、地
震発生時には、上部構造物1が基礎2に対して水平方向
に変位し、免震作用が得られる。
【0026】なお、アンカー6は、横断面形状が十文字
形の板状の羽根形状のものに限定されることはなく、横
断面形状がY字形の羽根形状をなしてもよく、また、図
4に示されているように、横断面形状が円筒状をなす円
筒体により構成されていてもよい。円筒体によるアンカ
ー6の場合、内筒径は鋼球5の球径より大きく、ロック
状態では、幾つかの鋼球5が筒内に入るから、アンカー
6は大きい抵抗を受けることなく鋼球5間に確実に進入
できると共に、充分なロック状態を得ることができる。
アクチュエータをチャンバ内の可動底板の下に設置し
て、ワイヤー等を介さずに可動底板を上下に往復駆動で
きるようにしてもよい。
【0027】(実施の形態2)図5、図6はこの発明に
よる免震建物のロック装置および制御装置および免震建
物の実施の形態2を示している。なお、図5、図6にお
いて、図1、図2に対応する部分は、図1、図2に付し
た符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。こ
の実施の形態でも、基礎2には箱状の窪みとして上方開
口形のチャンバ21が直接形成されており、チャンバ2
1内には直径が2〜3cm程度の同一直径の鋼球22が
多数個充填されている。この場合も、チャンバ21内に
おける鋼球22の納まりがよくなるよう、チャンバ21
の縦横寸法は鋼球22の直径の整数倍であることが好ま
しい。
【0028】上部構造体1にはアンカー23を上下に往
復駆動するアクチュエータとして、この例では、空気圧
シリンダ装置24が固定状態で取り付けられている。空
気圧シリンダ装置24は、ピストン25の両側に上部シ
リンダ室26と下部シリンダ室27を画定しており、電
磁弁28の切換動作により、上部シリンダ室26と下部
シリンダ室27の何れか一方に、タンク付きのコンプレ
ッサ29より高圧空気を供給されるようになっている。
【0029】空気圧シリンダ装置24のピスントロッド
30には円筒状のアンカー23が取り付けられており、
アンカー23はチャンバ21の直上位置に配置されてい
る。アンカー23にはアンカー23の降下移動によりチ
ャンバ21の上方開口部を塞ぐ平板状の蓋部材31が水
平に取り付けられている。空気圧シリンダ装置24は、
上部シリンダ室26に高圧空気が供給されると、アンカ
ー23を降下駆動し、アンカー23を、図6に示されて
いるように、チャンバ21内の鋼球22間に進入する降
下位置に位置させ、これに対し下部シリンダ室27に高
圧空気を供給されると、アンカー23を上昇駆動し、ア
ンカー23を、図5に示されているように、チャンバ2
1内の鋼球22間より抜け出した上昇位置に位置させ
る。換言すれば、空気圧シリンダ装置24は、上部シリ
ンダ室26と下部シリンダ室27の何れか一方に高圧空
気を選択的に供給されることにより、アンカー23を上
昇位置と降下位置との間に往復駆動する。
【0030】電磁弁28に対する通電制御は、風速検知
型の制御装置32により行われる。制御装置32には風
速を検知する風速計33が接続されており、制御装置3
2は、風速計33が設定値以上の風速を検知したときに
は、すなわち、強風時には、空気圧シリンダ装置24の
上部シリンダ室26に高圧空気が供給されるように電磁
弁28の切換制御を行い、これに対し、風速計33が設
定値以上の風速を検知しないときには、空気圧シリンダ
装置24の下部シリンダ室27に高圧空気が供給される
ように電磁弁28の切換制御を行う。
【0031】上述の構成によれば、風速計33が設定値
以上の風速を検知する強風時には、制御装置32による
電磁弁28の切換動作により、空気圧シリンダ装置24
の上部シリンダ室26に高圧空気が供給され、アンカー
23が降下移動して図6に示されているように、降下位
置に位置する。これにより、アンカー23がチャンバ2
1内の鋼球22間に進入し、基礎2に対する上部構造物
1の水平方向変位が禁止されたロック状態になり、強風
時に上部構造物1が揺れ動くことが防止され、風揺れに
よる居住性の低下が回避される。また、ロック状態は、
アンカー23がチャンバ21内の任意の鋼球22間に進
入することにより得られるから、地震発生後の免震装置
の残留変位に対して支障なくロック状態を得ることがで
きる。
【0032】この実施の形態でも、アンカー23はチャ
ンバ21内の径が揃っている鋼球224間に進入してロ
ック状態になるから、アンカー23の鋼球22間に対す
る進入が、砂や砕石に対する進入に比して、信頼性高
く、確実に行われ、ロック状態が信頼性高く、安定して
得られる。また、蓋体31はアンカー23の降下移動に
伴って降下し、アンカー23が降下位置になると、蓋体
31は、チャンバ21の上部開口部を閉じ、鋼球22が
チャンバ外へ飛び出すことを防止すると共に、チャンバ
21の鋼球22の動きを拘束する。これによりロック力
が向上する
【0033】風速計33が設定値以上の風速を検知しな
い時には、制御装置32による電磁弁28の切換動作に
より、空気圧シリンダ装置24の下部シリンダ室27に
高圧空気が供給され、アンカー30が上昇位置に位置す
る。これにより、アンカー30がチャンバ21内の鋼球
22間より抜け出し、基礎2に対する上部構造物1の水
平方向変位を許容するアンロック状態になる。これによ
り、地震発生時には、上部構造物1が基礎2に対して水
平方向に変位し、免震作用が得られる。なお、この実施
の形態でも、アンカー30は、円筒体によるものに限ら
れるこはなく、横断面形状が十文字形やY字形の羽根形
状のものであってもよい。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、請求項
1記載の発明による免震建物のロック装置によれば、往
復駆動手段によって可動底板が降下位置と上昇位置との
間に往復駆動され、降下位置では鋼球と前記アンカーと
が上下に離間して上部構造体と基礎とが水平方向に相対
変位することを許すアンロック状態になり、上昇位置で
は鋼球全体を持ち上げて鋼球間にアンカーが進入するこ
とにより、上部構造体と基礎とが水平方向に相対変位す
ることを禁止するロック状態になるから、粒状体チャン
バ式のロック装置の長所を活かしたまま、アンカーの鋼
球間に対する進入が、砂や砕石に対する進入に比して、
長期間の使用において、信頼性高く、確実に行われ、ロ
ック状態が信頼性高く、安定して得られる。また、蓋体
は、鋼球がチャンバ外へ飛び出すことを防止すると共
に、可動底板との間に鋼球を挟み込み、鋼球の動きを拘
束するから、ロック力が高まり、充分なロック状態を得
ることができる。
【0035】請求項2記載の発明による免震建物のロッ
ク装置によれば、アクチュエータによってワイヤを引張
することにより可動底板が上昇移動し、これを解放する
ことにより可動底板が可動底板上の鋼球の搭載重量によ
って降下移動し、可動底板が降下位置と上昇位置との間
に往復駆動されるから、簡単な構造で、ロック状態とア
ンロック状態を得ることができる。
【0036】請求項3記載の発明による免震建物のロッ
ク装置によれば、アクチュエータによりアンカーがチャ
ンバ内の鋼球間に進入する降下位置とチャンバ内の鋼球
間より抜け出した上昇位置との間に往復駆動され、降下
位置ではアンカーがチャンバ内の鋼球間に進入すること
により、上部構造体と基礎とが水平方向に相対変位する
ことを禁止するロック状態になると共に、蓋部材がチャ
ンバの上方開口部を塞いで鋼球がチャンバ外へ飛び出す
ことを防止し、上昇位置ではアンカーがチャンバ内の鋼
球間より抜け出することにより、上部構造体と基礎とが
水平方向に相対変位することを許すアンロック状態にな
るから、粒状体チャンバ式のロック装置の長所を活かし
たまま、アンカーの鋼球間に対する進入が、砂や砕石に
対する進入に比して、長期間の使用において、信頼性高
く、確実に行われ、ロック状態が信頼性高く、安定して
得られる。
【0037】請求項4記載の発明による免震建物のロッ
ク装置によれば、横断面形状がY字形、十文字形の羽根
形状をしたアンカーがチャンバ内の鋼球間に進入するこ
とによりロック状態になるから、その際に、アンカーが
上昇・下降する際に抵抗を受ける面積に比して、水平方
向に移動する際に抵抗を受ける面積が各段に大きくな
り、水平方向への変位は確実に抑制され、充分なロック
状態を得ることができる。
【0038】請求項5記載の発明による免震建物のロッ
ク装置によれば、横断面形状が円筒状のアンカーがチャ
ンバ内の鋼球間に進入することによりロック状態になる
から、その際に、アンカーが上昇・下降する際に抵抗を
受ける面積に比して、水平方向に移動する際に抵抗を受
ける面積が各段に大きくなり、水平方向への変位は確実
に抑制され、充分なロック状態を得ることができる。請
求項6記載の発明による免震建物のロック装置の制御装
置によれば、強風時には可動底板が上昇位置に移動し、
鋼球間にアンカーが進入することでロック状態になり、
これ以外の時には可動底板は降下位置に位置してアンロ
ック状態になるから、強風時に上部構造物が揺れ動くこ
との防止と地震時の上部構造物の免震支承とが両立す
る。
【0039】請求項7記載の発明による免震建物のロッ
ク装置の制御装置によれば、強風時にはアンカーが降下
位置に駆動されてチャンバ内の鋼球間に進入あるいは押
し付けられることでロック状態になり、これ以外の時に
はアンカーは上昇位置に位置してアンロック状態になる
から、強風時に上部構造物が揺れ動くことの防止と地震
時の上部構造物の免震支承とが両立する。請求項8記載
の発明による免震建物によれば、ロック状態が確実に得
られ、強風時等に上部構造物が揺れ動くことの防止と地
震時の上部構造物の免震支承とが両立する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による免震建物のロック装置および制
御装置および免震建物の実施の形態1をアンロック状態
について示す構成図である。
【図2】この発明による免震建物のロック装置および制
御装置および免震建物の実施の形態1をロック状態につ
いて示す構成図である。
【図3】この発明による免震建物のロック装置いで使用
されるアンカーの一つの実施の形態を示す横断面図であ
る。
【図4】この発明による免震建物のロック装置いで使用
されるアンカーの他の実施の形態を示す横断面図であ
る。
【図5】この発明による免震建物のロック装置および制
御装置および免震建物の実施の形態2をアンロック状態
について示す構成図である。
【図6】この発明による免震建物のロック装置および制
御装置および免震建物の実施の形態2をロック状態につ
いて示す構成図である。
【符号の説明】
1 上部構造体 2 基礎 3 チャンバ 4 可動底板 5 鋼球 6 アンカー 8 ワイヤ 10 空気圧シリンダ装置 13 電磁弁 14 コンプレッサ 16 制御装置 17 風速計 21 チャンバ 22 鋼球 23 アンカー 24 空気圧シリンダ装置 28 電磁弁 29 コンプレッサ 31 蓋部材 32 制御装置 33 風速計

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎側に設けられた上方開口のチャンバ
    と、 前記チャンバの底部に上下移動可能に設けられた可動底
    板と、 前記可動底板上に載置された形態で前記チャンバ内に多
    数個充填された鋼球と、 上端側を免震建物の上部構造体側に固定され、下端側が
    前記チャンバ内に位置するアンカーと、 前記アンカーの中間部に固定されて前記チャンバの上方
    開口部を塞ぐ蓋部材と、 前記可動底板を、前記鋼球と前記アンカーとが上下に離
    間する降下位置と、前記鋼球全体を持ち上げて鋼球間に
    前記アンカーが進入する上昇位置との間に往復駆動する
    往復駆動手段と、 を有していることを特徴とする免震建物のロック装置。
  2. 【請求項2】 前記往復駆動手段は、一端を前記可動底
    板に連結されたワイヤと、前記ワイヤの他端を連結さ
    れ、当該ワイヤを引張するアクチュエータとにより構成
    されていることを特徴とする請求項1記載の免震建物の
    ロック装置。
  3. 【請求項3】 基礎側に設けられた上方開口のチャンバ
    と、 前記チャンバ内に多数個充填された鋼球と、 免震建物の上部構造体側に上下動可能に設けられ、降下
    することにより前記チャンバ内の鋼球間に進入するアン
    カーと、 前記アンカーに固定され、前記アンカーの降下移動によ
    り前記チャンバの上方開口部を塞ぐ蓋部材と、 前記アンカーが前記チャンバ内の鋼球間に進入する降下
    位置と前記アンカーが前記チャンバ内の鋼球間より抜け
    出した上昇位置との間に往復駆動するアクチュエータ
    と、 を有していることを特徴とする免震建物のロック装置。
  4. 【請求項4】 前記アンカーは横断面形状がY字形、十
    文字形の羽根形状をなしていることを特徴とする請求項
    1〜3の何れか1項記載の免震建物のロック装置。
  5. 【請求項5】 前記アンカーは横断面形状が円筒状をな
    していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記
    載の免震建物のロック装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の免震建物のロック
    装置の制御装置であって、 風を検知する風検知手段と、 前記風検知手段が設定値以上の風を検知したときには前
    記可動底板が前記上昇位置に位置し、前記風検知手段が
    設定値以上の風を検知しないときには前記可動底板が前
    記降下位置に位置するように、前記往復駆動手段との動
    作を制御する風検知型の制御手段と、 を有していることを特徴とする免震建物のロック装置の
    制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項3項記載の免震建物のロック装置
    の制御装置であって、 風を検知する風検知手段と、 前記風検知手段が設定値以上の風を検知したときには前
    記アンカーが前記降下位置に位置し、前記風検知手段が
    設定値以上の風を検知しないときには前記アンカーが前
    記上昇位置に位置するように、前記アクチュエータの動
    作を制御する風検知型の制御手段と、 を有していることを特徴とする免震建物のロック装置の
    制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5の何れか1項記載の免震建
    物のロック装置を有していることを特徴とする免震建
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104389353A (zh) * 2014-11-07 2015-03-04 广州大学 集合球竖向隔震筒
CN104632990A (zh) * 2014-12-31 2015-05-20 中国人民解放军军械工程学院 一种固体颗粒阻尼器装置

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