JP4295412B2 - 免震建物のロック装置と制御装置及び免震建物 - Google Patents

免震建物のロック装置と制御装置及び免震建物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、免震建物のロック装置とそのロック装置の制御装置及び免震建物に関するものであり、特に、戸建て住宅等の軽量構造物に適用される免震建物のロック装置とそのロック装置の制御装置及び免震建物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基礎に対して上部構造体が水平方向に変位可能に免震支承された免震建物において、上部構造体が、地震発生時以外に強風等により不必要に揺れ動かないように、強風時には上部構造体が基礎に対して水平方向に変位しないように固定するロック装置を組み込むことが従来より提案されている。
【0003】
免震建物のロック装置の一つとして、基礎側に形成されたチャンバ内に、砂、小粒の砕石等の粒状体が装填され、上部構造体側より加圧装置により固定用ピン(アンカー)をチャンバ内の粒状体に対して打ち込むことにより、上部構造体を基礎に対して固定する粒状体チャンバ式のロック装置が知られており、この種のロック装置は特開平11−44124号公報に示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような粒状体チャンバ式のロック装置は、構造が簡単で、装置を構成する部品の寸法精度や装置の施工精度を厳密にする必要がないという長所を有している。しかし、長期間使用すると硬くしまってしまう砂や不定形な砕石では、固定用ピンがチャンバ内の粒状体に対して容易に打ち込まれず、動作信頼性に関して不安定であると云う問題点を残している。
【0005】
また、固定用ピンをチャンバ内の粒状体に対して抜き差しする際に、衝撃音や振動が発生するという問題点があった。
【0006】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、粒状体チャンバ式のロック装置の長所を活かしたまま、動作信頼性に優れ、充分なロック状態を得ることができ、動作に際して衝撃音や振動の発生の少ない免震建物のロック装置と免震建物のロック装置の制御装置及びロック装置と制御装置とを備えた免震建物を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、免震建物の基礎側に設けられた制振体を備えたチャンバと、そのチャンバ内に多数個充填された球体と、前記免震建物の上部構造体側に上下動可能に設けられ、降下することにより前記チャンバ内の球体間に進入するアンカーと、前記アンカーが前記チャンバ内の球体間に進入する降下位置と前記アンカーが前記チャンバ内の球体間より抜け出した上昇位置との間に往復駆動するアクチュエータと、を有していることを特徴とする免震建物のロック装置である。
【0008】
ここで、本発明におけるアンカーの横断面形状をY字形又は十文字形の羽根形状や櫛歯形状にしたり、アンカーの外側面を円弧凹面にすると、アンカーが上昇・下降する際に抵抗を受ける面積に比して、水平方向に移動する際に抵抗を受ける面積が各段に大きくなり、水平方向への変位が確実に抑制され、充分なロック状態を得ることができるので好ましい。
【0009】
また、アンカーがスクリュ形状をなしていると、アンカーがチャンバ内の球体間に進入すると、アンカーの外周面に形成されたスクリュ溝に球体が入り、大きい固定力(ロック力)が得られるので好ましい。
【0010】
また、アンカーが尖った先端を有していると、アンカーのチャンバ内の球体間に対する抜き差しが無理なく円滑に行われるようになり、アンカーがチャンバ内の球体間に対して抜き差しされる際の衝撃音や振動が低減するので好ましい。
【0011】
本発明におけるチャンバに備える制振体としては、制振鋼板や制振ゴム,天然ゴム,合成ゴム,軟質の合成樹脂等の弾性体やゴム,合成樹脂等の発泡体や金属や合成樹脂等からなるバネ状体等が挙げられるが、特に、制振鋼板や制振ゴムを使用するのが効果的である。また、制振体はシート状のものを用いて、チャンバの外周や内面等に貼着することもできるし、予め制振体と一体化した金属や合成樹脂等でチャンバを形成することもできる。
【0012】
また、チャンバの形状は、多角柱形状,円柱形状,円錐形状又は半球形状をなしていると、アンカーのチャンバ内の球体間に対する抜き差しが無理なく円滑に行われるようになり、アンカーがチャンバ内の球体間に対して抜き差しされる際の衝撃音や振動が低減するので好ましい。
【0013】
本発明における球体としては、鋼球やステンレススチール球等の金属球や、硬度の高いエンジニアリングプラスチック球等がアンカーの抜き差しに際して磨耗することが少なく好ましい。また、球体は略直径が同じにしてあると、アンカーのチャンバ内の球体間に対する抜き差しが無理なく円滑に行われるようになるので好ましい。また、球体は硬度や振動吸収性等の物性が異なるものを複数用いても構わない。特に振動吸収性に優れる球体を用いると、アンカーがチャンバ内の球体間に対して抜き差しされる際の衝撃音や振動が低減するので好ましい。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1の発明において、前記制振体が制振鋼板であることを特徴とする免震建物のロック装置である。
【0015】
ここで、制振鋼板としては、鋼板の片面に制振ゴム等の制振体のシ─トを備えたものでもよいし、複数枚の鋼板の間にそれぞれ制振ゴム等の制振体のシートを備えたものでもよい。
【0016】
また、請求項1又は3記載の発明は、前記チャンバの内面に凹凸が設けられていることを特徴とする免震建物のロック装置である。
【0017】
チャンバの内面に凹凸を設ける方法としては、チャンバの内面に凹凸を有する鋼板等の金属板や合成樹脂板等の板状体を貼着したり、凹凸を設けた鋼板等の金属板や合成樹脂板等を溶接して上方が開口している箱状体を形成してもよい。また、凹凸の形状としては、球体の直径と略同一か若干小さい円形や多角形の凹部を球体の直径と同じピッチで設けるのが好ましい。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、免震建物の基礎側に設けられた、内壁面に下部に向かうほど凹凸の高低差の大きい凹凸部を有しているチャンバと、そのチャンバ内に多数個充填された球体と、前記免震建物の上部構造体側に上下動可能に設けられ、降下することにより前記チャンバ内の球体間に進入するアンカーと、前記アンカーが前記チャンバ内の球体間に進入する降下位置と前記アンカーが前記チャンバ内の球体間より抜け出した上昇位置との間に往復駆動するアクチュエータと、を有していることを特徴とする免震建物のロック装置である。
【0019】
下部に向かうほど凹凸の高低差の大きい凹凸部とは、下部に向かうほど深い凹部や、下部に向かうほど突出寸法の大きい凸部等である。また、凹凸部の具体例としては、凸部を例に説明すると、下部に向かうに従って突出寸法が大きくなる縦方向の凸条や、下部に向かうにほど突出寸法の大きい横方向の凸条や、下部に向かうに従って突出寸法が大きくなる斜め方向の凸条等が採用できる。また、凸部は必ずしも凸条である必要はなく、独立した突起であってもよい。
【0020】
また、請求項5記載の発明は、免震建物の基礎側に設けられた制振体を備えたチャンバと、そのチャンバ内に多数個充填された球体と、前記免震建物の上部構造体側に上下動可能に設けられ、降下することにより前記チャンバ内の球体群上面に押し付けられるアンカーと、前記アンカーの下底面が前記チャンバ内の球体群に押し付けられる降下位置と前記アンカーの下底面が前記チャンバ内の球体群より離間する上昇位置との間に前記アンカーを往復駆動するアクチュエータとを有し、前記アンカーは前記チャンバ内の球体群と対向する下底面が凹凸面であることを特徴とする免震建物のロック装置である。
【0021】
また、請求項6記載の発明は、請求項1,2,3,4又は5の発明において、前記チャンバが基礎コンクリート成型用の捨て型枠であることを特徴とする免震建物のロック装置である。
【0022】
本発明の捨て型枠としては、制振体を備えた金属製や合成樹脂製の上方が開口している箱状のものや箱状の制振体そのものを採用することができる。
また、箱状の捨て型枠には継ぎ手鉄筋を固着しておいたり、外面に突起を設けておくと、チャンバが基礎のコンクリートに強固に固着できるので好ましい。
【0023】
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載の免震建物のロック装置の制御装置であって、風を検知する風検知手段と、前記風検知手段が設定値以上の風を検知したときには前記アンカーが前記降下位置に位置し、前記風検知手段が設定値以上の風を検知しないときには前記アンカーが前記上昇位置に位置するように、前記アクチュエータの動作を制御する風検知型の制御手段と、を有していることを特徴とする免震建物のロック装置の制御装置である。
風検知手段が検知するのは、風の物理量として、風速,風圧,風力,風量等であってよく、場合によっては、気象情報等から風に関する情報を検出するような手段であってもよい。
【0024】
また、請求項8記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載の免震建物のロック装置の制御装置であって、地震を検知する地震検知手段と、前記地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知しないときには前記アンカーが前記降下位置に位置し、前記地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知したときには前記アンカーが前記上昇位置に位置するように、前記アクチュエータの動作を制御する地震検知型の制御手段と、を有していることを特徴とする免震建物のロック装置の制御装置である。
このような地震検知手段を持つものにあっては、地震発生時に迅速なアンカーの上昇が求められるので、制御手段としてはレスポンスの早いものが好適である。
【0025】
また、請求項9記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載の免震建物のロック装置と、請求項7又は8記載の免震建物のロック装置の制御装置と、を有していることを特徴とする免震建物である。
【0026】
【作用】
請求項1記載の発明による免震建物のロック装置は、チャンバ内の球体間に進入するアンカーと、アンカーがチャンバ内の球体間に進入する降下位置とアンカーがチャンバ内の球体間より抜け出した上昇位置との間に往復駆動するアクチュエータとを有している。従って、アンカーをチャンバ内の球体間に進入させることによりロック状態にすることができ、アンカーをチャンバ内の球体間より抜け出させることにより、アンロック状態(ロック解除状態)にすることができる。
【0027】
また、チャンバ内には球体が多数個充填されている。従って、長期間の使用において固まってしまうようなことはなく、アンカーの進入は常に安定して行われ、高い動作信頼性が得られる。
また、チャンバが制振体を備えているので、アンカーの球体間の抜き差しに際して、衝撃音や振動の発生を抑えることができる。
【0028】
請求項2記載の発明による免震建物のロック装置は、制振体が制振鋼板である。従って、球体を多数充填するチャンバを簡単に形成することができる。
【0029】
請求項1又は3記載の発明による免震建物のロック装置は、チャンバの内面に凹凸が設けられているものである。従って、アンカーが球体間に進入すると、チャンバの内面に接する球体がチャンバ内面の凹凸に保持され、充分なロック状態を得ることができる。
【0030】
請求項4記載の発明による免震建物のロック装置は、チャンバの内壁面に、下部に向かうほど凹凸の高低差の大きい凹凸部を有している。従って、アンカーが球体間に深く進入するにしたがって、チャンバの内壁面の下部に接する球体がチャンバ内壁面の凹凸の高低差の大きな凹凸部に保持され、充分なロック状態を得ることができる。一方、アンカーが球体間に対して抜き差しされるに際して、上記球体が動き易いので衝撃音や振動の発生を抑えることができる。
【0031】
請求項5記載の発明による免震建物のロック装置は、アンカーの下底面がチャンバ内の球体群上面に押し付けられる降下位置と、チャンバ内の球体群より離間する上昇位置との間に前記アンカーを往復駆動するアクチュエータを有しており、アンカーはチャンバ内の球体と対向する下底面が凹凸面である。従って、アンカーの凹凸面による下底面をチャンバ内の球体群上面に押し付けることによりロック状態にすることができ、アンカーの下底面をチャンバ内の球体群より離間させることにより、アンロック状態(ロック解除状態)にすることができる。
また、チャンバが制振体を備えているので、アンカーの下底面をチャンバ内の球体群に押し付けるに際して、衝撃音や振動の発生を少なくすることができる。
【0032】
請求項6記載の発明による免震建物のロック装置は、前記チャンバが基礎コンクリート成型用の捨て型枠である。つまり、基礎コンクリート成型用の捨て型枠がそのままチャンバとして利用できる。また、球体の圧力が、チャンバである捨て型枠を介してコンクリートに伝わるので、基礎コンクリートに局部的な圧力がかからず、基礎コンクリートが崩れにくくなる。さらに、ロック状態では、水平方向の力を地盤に流し易い。
【0033】
請求項7記載の発明による免震建物のロック装置の制御装置は、風を検知する風検知手段と、その風検知手段が設定値以上の風を検知したときにはアンカーが降下位置に位置し、風検知手段が設定値以上の風を検知しないときにはアンカーが上昇位置に位置するように、アクチュエータの動作を制御する風検知型の制御手段とを有している。
【0034】
つまり、強風時にはアンカーを降下位置に駆動して、チャンバ内の球体間に進入あるいは押し付けることでロック状態にすることができ、これ以外の時にはアンカーを上昇位置に駆動してアンロック状態にすることができる。このような風検知手段を持つものにあっては、前記アクチュエータは地震発生がないときにアンカーを上昇・下降させるものであることから、作動の緩慢なものを採用することができる。
【0035】
請求項8記載の発明による免震建物のロック装置の制御装置は、地震を検知する地震検知手段と、その地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知しないときにはアンカーが降下位置に位置し、地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知したときにはアンカーが上昇位置に位置するように、アクチュエータの動作を制御する地震検知型の制御手段とを有している。
【0036】
つまり、地震発生時以外の時にはアンカーを降下位置に駆動してチャンバ内の球体間に進入あるいは押し付けることでロック状態にすることができ、地震発生時にはアンカーを上昇位置に駆動してアンロック状態にすることができる。
【0037】
請求項9記載の発明による免震建物は、請求項1〜6のいずれか1項記載の免震建物のロック装置と、請求項7又は8記載の免震建物のロック装置の制御装置とを有しているものである。従って、地震発生時以外に、強風等により不必要に揺れ動かない免震建物とすることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1はこの発明による免震建物のロック装置と制御装置及び免震建物の実施の形態1を示している。図1において、1は免震建物の上部構造体を、2は基礎を示している。上部構造体1は図示されていない周知の構造の免震支承装置により基礎2より水平方向に変位可能に免震支承されている。
【0039】
基礎2は鉄筋等で補強されたコンクリート製のものであり、基礎2には上方開口の箱状の捨て型枠からなるチャンバ3が設置されている。チャンバ3内には直径が2〜3cm程度の同一直径の鋼球(球体)4が多数個充填されている。この場合、チャンバ3内における鋼球4の納まりがよくなるよう、チャンバ3の縦横寸法は鋼球4の直径の整数倍であることが好ましい。
【0040】
チャンバ3は、図2にも模式的に示すように、鋼板33と鋼板31との間に制振ゴム32を積層した制振鋼板30で形成されている。この鋼板31には、表面に鋼球4の直径より僅かに小さい直径の半球状の凹部(凹凸)31aが、鋼球4の直径と同じピッチで格子状に設けられている。また、チャンバ3の底部外面から水平方向に突起34が設けられている。
【0041】
上述のように、チャンバ3が制振鋼板30で形成されているので、アンカー5が鋼球4間に対して抜き差しされる際の衝撃音や振動が低減し、居住者に不快感を与えないようにできる。
また、アンカー5が鋼球4間に進入すると、チャンバ3の内面に接する鋼球4が鋼板31の凹部31aに確実に保持され、非常に強いロック状態を得ることができる。そのため、アンカー5を短く、チャンバ3を浅くできる。その結果、アンカー5の上昇位置と下降位置との間を短くできるので、固定・解除を迅速に行える。
また、チャンバ3の底部外面に突起34が設けられているので、チャンバ3が基礎2のコンクリートに強固に固着できる。
【0042】
ここで、チャンバ3の内面の凹凸は、円形や多角形の孔の開いた鋼板を制振鋼板に貼着することによっても形成することができる。また、鋼板で形成された上面開放の箱状体の内面に、半球状の凹部や円形や多角形の孔を有する制振ゴムを貼着することによって形成することもできる。
【0043】
次に、チャンバ3の設置の方法を図3に基づいて説明する。まず、型枠23,23,・・・を不図示の基礎基盤の上に平行に組み立てる。さらに、型枠23,23,23と型枠23,23,23の間に配筋24を組み立てる。ここで、配筋は、チャンバ3を設置する位置を避けて配してある。その後、チャンバ3を配筋24の所定の位置に固定具25を使用して設置する。チャンバ3はボルト等により固定具25から吊り下げることができるようになされており、基礎の厚さ方向の中央部に位置決めされている。また、固定具25は、所定の長さの脚部を有しており、チャンバ3の上下方向の位置決めがなされている。
このように準備をした後、コンクリートを打設し、必要な期間養生し、固定具25を回収することにより、図1に示すように、チャンバ3を備えた基礎2が施工できる。
【0044】
以上のように、捨て型枠であるチャンバ3をコンクリート製の基礎2の打設時にあらかじめ設置しておくので、チャンバ3を基礎2のコンクリート成形用捨て型枠として用いられるとともに、取り外さずにそのまま設置しておくことで鋼球のチャンバとしても使用できる。
このように構成することにより、鋼球4の圧力がチャンバ3を介してコンクリートに伝わるので、基礎2のコンクリートに局部的な圧力がかからず、基礎2のコンクリートが崩れにくい。さらに、ロック状態では、水平方向の力を地盤に流し易い。
【0045】
上部構造体1にはアンカー5を上下に往復駆動するアクチュエータとして、この例では、空気圧シリンダ装置6のシリンダ部材7が固定状態で取り付けられている。空気圧シリンダ装置6は、シリンダ部材7内のピストン8の両側に上部シリンダ室9と下部シリンダ室10を画定しており、電磁弁12の切換動作により、上部シリンダ室9と下部シリンダ室10のいずれか一方に、タンク付きのコンプレッサ11より高圧空気を供給されるようになっている。
【0046】
空気圧シリンダ装置6のピスントロッド13にはアンカー5が取り付けられており、アンカー5はチャンバ3の直上位置に配置されている。アンカー5は、図4,図5に示されているように、尖った先端部5aを有し、横断面形状(すなわち、水平面への投影形状)が十文字形の羽根形状をなしている。アンカーは、他に、平たんな先端面を持つものであってもよい。さらに、鋼板を熔着などにより十文字の羽根形状にすることに加え、水平断面で十文字形鋼棒を切削加工したものや、押出成形したもの、鋳造したものなどであってもよい。
【0047】
空気圧シリンダ装置6は、上部シリンダ室9に高圧空気が供給されると、アンカー5を降下駆動し、アンカー5を、図1にて仮想線により示されているように、チャンバ3内の鋼球4間に進入する降下位置に位置させ、これに対し下部シリンダ室10に高圧空気が供給されると、アンカー5を上昇駆動し、アンカー5を、図1にて実線により示されているように、チャンバ3内の鋼球4間より抜け出した上昇位置に位置させる。換言すれば、空気圧シリンダ装置6は、上部シリンダ室9と下部シリンダ室10のいずれか一方に高圧空気を選択的に供給されることにより、アンカー5を上昇位置と降下位置との間に往復駆動する。
【0048】
電磁弁12に対する通電制御(切換動作)は、この例では、風速検知型制御装置(風検知型の制御手段)14により行われる。風速検知型制御装置14には風速を検知する風速計(風検知手段)15が接続されている。風速検知型制御装置14は、風速計15が設定値以上の風速を検知したときには、すなわち、強風時には、空気圧シリンダ装置6の上部シリンダ室9に高圧空気が供給されるように電磁弁12の切換制御を行う。これに対し、風速計14が設定値以上の風速を検知しないときには、空気圧シリンダ装置6の下部シリンダ室10に高圧空気が供給されるように電磁弁12の切換制御を行う。
【0049】
上述の構成によれば、風速計15が設定値以上の風速を検知する強風時には、風速検知型制御装置14による電磁弁12の切換動作により、空気圧シリンダ装置6の上部シリンダ室9に高圧空気が供給され、アンカー5が降下位置に位置する。これにより、アンカー5がチャンバ3内の鋼球4間に進入し、基礎2に対する上部構造体1の水平方向変位が禁止されたロック状態になり、強風時に上部構造体1が揺れ動くことが防止される。つまり、風により免震建物が揺れて居住性が低下することが回避される。また、ロック状態は、アンカー5がチャンバ3内の鋼球4間に進入することにより得られるから、地震発生後に免震装置に残留変位が生じても支障なくロック状態を得ることができる。
【0050】
また、アンカー5はチャンバ3内の径が揃っている鋼球4間に進入してロック状態になるから、アンカー5の鋼球4間に対する進入が、砂や砕石に対する進入に比して、信頼性高く確実に行われ、ロック状態が信頼性高く安定して得られる。このロック状態の度合いは、必要に応じ、アンカー5の鋼球4間に対する進入深さ調節により加減することができ、アンカー5の鋼球4間に対する進入深さ設定によってロック状態の度合いを免震建物の具合等に応じて最適値に設定することができる。
【0051】
また、図4,図5に示すように、アンカー5は、横断面形状が十文字形の羽根形状をなしているから、アンカー5が鋼球4間に対して進入した状態では、羽根面と鋼球4との接触により、前後左右の全方向に対して充分な抵抗力が得られ、充分なロック状態が得られる。換言すれば、アンカー5が上昇・下降する際に抵抗を受ける面積に比して、水平方向に移動する際に抵抗を受ける面積が各段に大きくなり、水平方向への変位は確実に抑制され、充分なロック状態を得ることができる。
【0052】
また、アンカー5は、尖った先端部5aを有しているから、アンカー5のチャンバ3内の鋼球4間に対する抜き差しが、低負荷で、無理なく円滑に行われるようになる。これにより、装置各部、構造体への負担を軽減できると共に、空気圧シリンダ装置6の駆動圧を低くでき、アンカー5の鋼球4間に対する抜き差しの信頼性も向上する。また、アンカー5がチャンバ3内の鋼球4間に対して抜き差しされる際の衝撃音や振動を低減でき、居住者に不快感を与えなくなる。
【0053】
風速計14が設定値以上の風速を検知しない時には、風速検知型制御装置14による電磁弁12の切換動作により、空気圧シリンダ装置6の下部シリンダ室10に高圧空気が供給され、アンカー5が上昇位置に位置する。これにより、アンカー5がチャンバ3内の鋼球4間より抜け出し、基礎2に対する上部構造体1の水平方向変位を許容するアンロック状態になる。つまり、地震発生時には、上部構造体1が基礎2に対して水平方向に変位し、免震作用が得られる。
【0054】
コンプレッサ11はタンク付きであることにより、平常時に貯えられた高圧空気により、停電時にも対応でき、停電時のバックアップのための動力用大容量バッテリーが不要になる。なお、空気圧シリンダ装置6をばね内蔵型とすることにより、地震発生時には、フェールセーフとしてアンロックが得られるよう、内蔵ばねのばね力により、アンカー5を上昇方向に駆動することもできる。
【0055】
(実施の形態2)
図6はこの発明による免震建物のロック装置と制御装置及び免震建物の実施の形態2を示している。なお、図6において、図1に対応する部分は、図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0056】
この実施の形態では、地震検知型制御装置(地震検知型の制御手段)16が用いられている。地震検知型制御装置16には地震を検知する地震センサ(地震検知手段)17が接続されており、地震検知型制御装置14は、地震センサ17が地震を検知しない時には、空気圧シリンダ装置6の上部シリンダ室9に高圧空気が供給されるように電磁弁12の切換制御を行い、これに対し、地震センサ17が地震を検知したときには、空気圧シリンダ装置6の下部シリンダ室10に高圧空気が供給されるように電磁弁12の切換制御を行う。
【0057】
また、チャンバ3は、内面に半球状の凹部を有する鋼板から形成された上方開口の箱状体31の外面に制振ゴム32a,32bを貼着して形成されている。また、チャンバ3の底部外面から水平方向に突起34が設けられている。
【0058】
上述のように、チャンバ3に制振ゴム32a,32bが貼着してあるので、アンカー5が鋼球4間に対して抜き差しされる際の衝撃音や振動が低減し、居住者に不快感を与えないようにできる。
また、アンカー5が鋼球4間に進入すると、チャンバ3の内面に接する鋼球4が鋼板31の凹部に確実に保持され、非常に強いロック状態を得ることができる。そのため、アンカー5を短く、チャンバ3を浅くできる。その結果、アンカー5の上昇位置と下降位置との間を短くできるので、固定・解除を迅速に行える。また、チャンバ3の底部外面に突起34が設けられているので、チャンバ3の外面にコンクリートと付着性の悪い制振ゴム32a,32bが貼着してあっても、チャンバ3を基礎2のコンクリートに強固に固着できる。
【0059】
上述の構成によれば、地震センサ17が地震を検知しない時には、地震検知型制御装置16による電磁弁12の切換動作により、空気圧シリンダ装置6の上部シリンダ室9に高圧空気が供給され、アンカー5が降下位置に位置する。これにより、アンカー5がチャンバ3内の鋼球4間に進入し、基礎2に対する上部構造体1の水平方向変位が禁止されたロック状態になり、強風時に上部構造体1が揺れ動くことが防止される。つまり、風により免震建物が揺れることで居住性が低下することが回避される。また、ロック状態は、アンカー5がチャンバ3内の鋼球4間に進入することにより得られるから、地震発生後に免震装置に残留変位が生じても支障なくロック状態を得ることができる。
【0060】
この実施の形態でも、アンカー5はチャンバ3内の径が揃っている鋼球4間に進入してロック状態になるから、アンカー5の鋼球4間に対する進入が、砂や砕石に対する進入に比して、信頼性高く確実に行われ、ロック状態が信頼性高く安定して得られる。
【0061】
地震センサ17が地震を検知すると、地震検知型制御装置16による電磁弁12の切換動作により、空気圧シリンダ装置6の下部シリンダ室10に高圧空気が供給され、アンカー5が上昇位置に位置する。これにより、アンカー5がチャンバ3内の鋼球4間より抜け出し、基礎2に対する上部構造体1の水平方向変位を許容するアンロック状態になる。つまり、地震発生時には、上部構造体1が基礎2に対して水平方向に変位し、免震作用が得られる。
【0062】
また、アンカー5は、図7、図8に示されているように、外側面が円弧凹面5bによる横断面形状がY字形の羽根形状のものであってもよく、横断面形状が十文字形の板状の羽根形状のアンカー5と同等の作用効果を奏する。
円弧凹面5bによるY字形の羽根形状は、円柱状の金属素材の外側面3方を等間隔に切削加工することにより、容易に製造することができる。
【0063】
この構成によれば、外側面が円弧凹面5bであることにより、アンカー5のチャンバ3内の鋼球4間に対する抜き差しが無理なく円滑に行われるようになり、アンカー5がチャンバ3内の鋼球4間に対して抜き差しされる際の衝撃音や振動が低減する。
【0064】
(実施の形態3)
図9はこの発明による免震建物のロック装置の実施の形態3の要部を示している。なお、図9においても、図1に対応する部分は、図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0065】
この実施の形態では、アンカー5は、チャンバ3内の球体群上面と対向する下底面が凹凸下底面5gになっており、空気圧シリンダ装置6(図1参照)により、凹凸下底面5gがチャンバ3内の鋼球4群に押し付けられる降下位置と凹凸下底面5gがチャンバ3内の鋼球4群より上方に離間する上昇位置との間に往復駆動されるようになっている。
また、チャンバ3の底面上には制振ゴムシートが設置してある。
【0066】
アンカー5の凹凸下底面5gは、鋼球4の球径より少し大きい球径の半球状凹部5hを鋼球4の球径より少し大きいピッチをもって格子状に有している。
この実施の形態では、空気圧シリンダ装置によりアンカー5が降下駆動されるるアンカー5の凹凸下底面5gがチャンバ3内の鋼球4群上面に押し付けられ、半球状凹部5hに鋼球4の略半身が入り、ロック状態が得られる。
上述のようなロック状態より空気圧シリンダ装置によりアンカー5が上昇駆動されると、アンカー5の凹凸下底面5gがチャンバ3内の鋼球4群より上方へ離間し、アンロック状態(ロック解除状態)になる。
【0067】
この実施の形態では、アンカー5の凹凸下底面5gをチャンバ3内の鋼球4群に押し付けるだけであるから、アンカー5をチャンバ3内の鋼球4間に差し込む場合に比してアンカー5の上下動ストロークを短くできると共に、チャンバ3を浅くでき、固定・解除を迅速に行えるようになる。また、アンカー5のチャンバ3内の鋼球4間の対する抜き差しがないので、固定・解除を迅速に行え、しかも、無理な力が生じず、固定・解除動作の静粛性が向上する。
さらに、チャンバ3の底面上には制振ゴムシートが設置してあるので、さらに固定・解除動作の静粛性が向上する。
【0068】
(チャンバのバリエーション)
なお、実施の形態1、2、3で使用されるチャンバ3は、立方体形状のものに限定されることはなく、水平断面で見て、6角形等の多角柱形状、もしく円形の円柱形状であってもよい。また、上方開放の上下反転の円錐形状もしくは半球形状をなしていてもよい。
これらの形状によれば、アンカー5のチャンバ3内の鋼球4間に対する抜き差しが無理なく円滑に行われるようになり、アンカー5がチャンバ3内の球体間に対して抜き差しされる際の衝撃音や振動が低減し、居住者に不快感を与えないようになる。
【0069】
また、図10に示すように、下部に向かうほど突出寸法の大きい縦方向の凸条(凹凸部)31bを内壁面に有し、外面に制振ゴム32を備えたチャンバ3も効果的に使用できる。このチャンバ3は、一体的に成形された、内面に凸条31bを有するステンレススチール製の箱状体31の外側側面に制振ゴム32a,外側底面に制振ゴム32bを貼着したものである。また、チャンバ3の箱状体31の底部外面から水平方向に突起34が設けられている。
この形状によれば、アンカーが球体間に深く進入するにしたがって、チャンバ3の内壁面の下部に接する球体がチャンバ内壁面の凹凸の高低差が大きくなった凸条31bに保持され、充分なロック状態を得ることができる。そのため、アンカー5を短く、チャンバ3を浅くできる。その結果、アンカーの上昇位置と下降位置との間を短くできるので、固定・解除を迅速に行える。一方、アンカーが球体間に対して抜き差しされるに際して、上記球体が動き易いので衝撃音や振動の発生を抑えることができる。
【0070】
また、上述のように、チャンバ3に制振ゴム32a,32bが貼着してあるので、アンカーが球体間に対して抜き差しされる際の衝撃音や振動が低減し、居住者に不快感を与えないようにできる。
また、チャンバ3の底部外面に突起34が設けられているので、チャンバ3が基礎2のコンクリートに強固に固着できる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態を図面により説明したが、本発明の具体的構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0072】
例えば、チャンバー内面に球体を保持する機構として、球体が通り抜けできないパンチングメタルや金網をチャンバの底に敷くことも効果的である。
また、チャンバに防塵カバーを設けてもよい。
また、チャンバは基礎に埋設せずに、基礎の表面にアンカーボルト等で固着してもよい。
【0073】
【発明の効果】
請求項1記載の発明による免震建物のロック装置は、アンカーをチャンバ内の球体間に進入させることによりロック状態にすることができ、アンカーをチャンバ内の球体間より抜け出させることにより、アンロック状態(ロック解除状態)にすることができる。
また、チャンバ内には球体が多数個充填されているので、長期間の使用において固まってしまうようなことはなく、アンカーの進入は常に安定して行われ、高い動作信頼性が得られる。
【0074】
つまり、粒状体チャンバ式のロック装置の長所を活かしたまま、アンカーの球体間に対する進入が、砂や砕石に対する進入に比して、信頼性高く確実に行われる。つまり、ロック状態が信頼性高く安定して得られる。
また、チャンバが制振体を備えているので、アンカーが球体間に対して抜き差しされるに際して、衝撃音や振動の発生を抑えることができるので、居住者に不快感を与えなくすることができる。
【0075】
また、請求項2記載の発明による免震建物のロック装置は、制振体が制振鋼板であるので、球体を多数充填するチャンバを簡単に形成することができる。そのため、自由な形状のチャンバを少ない工程で製造することができる。
【0076】
また、請求項1又は3記載の発明による免震建物のロック装置は、チャンバの内面に凹凸が設けられているものである。従って、アンカーが球体間に進入すると、チャンバの内面に接する球体がチャンバ内面の凹凸に保持され、充分なロック状態を得ることができるので、高い動作信頼性をもつロック装置を構成することができる。
【0077】
また、請求項4記載の発明による免震建物のロック装置は、チャンバの内壁面に下部に向かうほど凹凸の高低差の大きい凹凸部を有している。従って、アンカーが球体間に深く進入するにしたがって、チャンバの内面の下部に接する球体がチャンバ内面の凹凸の高低差のの大きな凹凸部に保持され、充分なロック状態を得ることができるので、高い動作信頼性をもつロック装置を構成することができる。一方、アンカーが球体間に対して抜き差しされるに際して、上記球体が動き易いので衝撃音や振動の発生を抑えることができる。
【0078】
また、請求項5記載の発明による免震建物のロック装置は、アンカーの降下位置ではアンカーの凹凸面による下底面がチャンバ内の球体群上面に押し付けられることによりロック状態になり、上昇位置ではアンカーの下底面がチャンバ内の球体群より離間することにより、アンロック状態(ロック解除状態)になる。つまり、アンカーをチャンバ内の球体間に差し込む場合に比してアンカーの上下動ストロークを短くできると共に、チャンバを浅くでき、固定・解除を迅速に行えるようになる。また、アンカーのチャンバ内の球体間に対する抜き差しがないので、固定・解除を迅速に行え、しかも、無理な力が生じず、固定・解除動作の静粛性が向上する。
また、チャンバが制振体を備えているので、アンカーの下底面をチャンバ内の球体群に押し付けるに際して、衝撃音や振動の発生を少なくすることができる。
【0079】
また、請求項6記載の発明による免震建物のロック装置は、基礎コンクリート成型用の捨て型枠がチャンバとして利用できる。つまり、チャンバの施工工数を少なくすることができる。
また、球体の圧力が捨て型枠であるチャンバを介してコンクリートの内面に伝わるので、基礎コンクリートに局部的な圧力がかからず、基礎コンクリートが崩れにくくなる。さらに、ロック状態では、水平方向の力を地盤に流し易い。つまり、高い動作信頼性をもつロック装置を構成することができる。
【0080】
また、請求項7記載の発明による免震建物のロック装置の制御装置は、強風時にはアンカーが降下位置に駆動されてチャンバ内の球体間に進入することでロック状態になり、これ以外の時にはアンカーは上昇位置に位置してアンロック状態になるから、強風時に上部構造体が揺れ動くことの防止と地震時の上部構造体の免震支承とが両立する。
また、このような風検知手段を持つものにあっては、アクチュエータは地震発生がないときにアンカーを上昇・下降させるものであることから、作動の緩慢なものを採用することができる。つまり、動作が緩慢でもよいことから動作の信頼性の高いアクチュエータを採用することができる。
【0081】
また、請求項8記載の発明による免震建物のロック装置の制御装置は、地震発生時以外の時にはアンカーが降下位置に駆動されてチャンバ内の球体間に進入あるいは押し付けられることでロック状態になり、地震発生時にはアンカーは上昇位置に位置してアンロック状態になるから、強風時等に上部構造体が揺れ動くことの防止と地震時の上部構造体の免震支承とが両立する。
【0082】
また、請求項9記載の発明による免震建物は、地震発生時以外に、強風等により不必要に揺れ動かない免震建物とすることができる。つまり、ロック状態が確実に得られ、強風時等に上部構造体が揺れ動くことの防止と地震時の上部構造体の免震支承とが両立する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による免震建物のロック装置と制御装置及び免震建物の実施の形態1を示す構成図である。
【図2】実施の形態1の免震建物のロック装置で使用されるチャンバを模式的に示す斜視図である。
【図3】実施の形態1の免震建物のロック装置で使用されるチャンバの施工方法を説明するための斜視図である。
【図4】図1の線A−Aに沿った断面図である。
【図5】実施の形態1の免震建物のロック装置で使用されるアンカーの斜視図である。
【図6】この発明による免震建物のロック装置と制御装置及び免震建物の実施の形態2を示す構成図である。
【図7】この発明による免震建物のロック装置で使用されるアンカーの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】図7のアンカーの底面図である。
【図9】この発明による免震建物のロック装置の実施の形態3を示す構成図である。
【図10】この発明による免震建物のロック装置で使用されるチャンバの他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 上部構造体
2 基礎
3 チャンバ
30 制振鋼板(制振体)
31a 凹部(凹凸)
31b 凸条(凹凸部)
32,32a,32b 制振ゴム
4 鋼球(球体)
5 アンカー
6 空気圧シリンダ装置(アクチュエータ)
7 シリンダ部材
8 ピストン
9 上部シリンダ室
10 下部シリンダ室
11 コンプレッサ
12 電磁弁
13 ピスントロッド
14 風速検知型制御装置(風検知型の制御手段)
15 風速計(風検知手段)
16 地震検知型制御装置(地震検知型の制御手段)
17 地震センサ(地震検知手段)

Claims (9)

  1. 免震建物の基礎側に設けられた制振体を備えたチャンバと、
    そのチャンバ内に多数個充填された球体と、
    前記免震建物の上部構造体側に上下動可能に設けられ、降下することにより前記チャンバ内の球体間に進入するアンカーと、
    前記アンカーが前記チャンバ内の球体間に進入する降下位置と前記アンカーが前記チャンバ内の球体間より抜け出した上昇位置との間に往復駆動するアクチュエータとを有し
    前記チャンバの内面には、前記球体の直径と略同一か若干小さい凹部が複数設けられていることを特徴とする免震建物のロック装置。
  2. 前記制振体が制振鋼板であることを特徴とする請求項1記載の免震建物のロック装置。
  3. 前記チャンバの内面に設けられる複数の凹部は、前記球体の直径と同じピッチで設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の免震建物のロック装置。
  4. 免震建物の基礎側に設けられた、内壁面に下部に向かうほど凹凸の高低差の大きい凹凸部を有しているチャンバと、
    そのチャンバ内に多数個充填された球体と、
    前記免震建物の上部構造体側に上下動可能に設けられ、降下することにより前記チャンバ内の球体間に進入するアンカーと、
    前記アンカーが前記チャンバ内の球体間に進入する降下位置と前記アンカーが前記チャンバ内の球体間より抜け出した上昇位置との間に往復駆動するアクチュエータと、
    を有していることを特徴とする免震建物のロック装置。
  5. 免震建物の基礎側に設けられた制振体を備えたチャンバと、
    そのチャンバ内に多数個充填された球体と、
    前記免震建物の上部構造体側に上下動可能に設けられ、降下することにより前記チャンバ内の球体群上面に押し付けられるアンカーと、
    前記アンカーの下底面が前記チャンバ内の球体群に押し付けられる降下位置と前記アンカーの下底面が前記チャンバ内の球体群より離間する上昇位置との間に前記アンカーを往復駆動するアクチュエータとを有し、
    前記アンカーは前記チャンバ内の球体群と対向する下底面が凹凸面であることを特徴とする免震建物のロック装置。
  6. 前記チャンバが基礎コンクリート成型用の捨て型枠であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の免震建物のロック装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の免震建物のロック装置の制御装置であって、
    風を検知する風検知手段と、
    前記風検知手段が設定値以上の風を検知したときには前記アンカーが前記降下位置に位置し、前記風検知手段が設定値以上の風を検知しないときには前記アンカーが前記上昇位置に位置するように、前記アクチュエータの動作を制御する風検知型の制御手段と、
    を有していることを特徴とする免震建物のロック装置の制御装置。
  8. 請求項1〜6にいずれか1項記載の免震建物のロック装置の制御装置であって、
    地震を検知する地震検知手段と、
    前記地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知しないときには前記アンカーが前記降下位置に位置し、前記地震検知手段により所定レベル以上の地震を検知したときには前記アンカーが前記上昇位置に位置するように、前記アクチュエータの動作を制御する地震検知型の制御手段と、
    を有していることを特徴とする免震建物のロック装置の制御装置。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項記載の免震建物のロック装置と、請求項7又は8記載の免震建物のロック装置の制御装置と、
    を有していることを特徴とする免震建物。
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