JP2001123521A - 自走式バキュームクリーナ - Google Patents

自走式バキュームクリーナ

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JP2001123521A
JP2001123521A JP30593399A JP30593399A JP2001123521A JP 2001123521 A JP2001123521 A JP 2001123521A JP 30593399 A JP30593399 A JP 30593399A JP 30593399 A JP30593399 A JP 30593399A JP 2001123521 A JP2001123521 A JP 2001123521A
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vacuum cleaner
suction
self
frame
collection container
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JP30593399A
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English (en)
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Akihisa Komori
昭尚 小守
Fumiki Nakagiri
史樹 中桐
Hiroshi Tamai
洋 玉井
Tsutomu Fujisawa
勤 藤沢
Takashi Kanai
隆史 金井
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、広範な作業現場から有効に回
収物の吸引回収を行うことができ、しかも装置の可搬性
を著しく高める。 【解決手段】 走行車両1の後部側である、つまり運転
室1aとは反対側の位置に、多関節アーム11にエジェ
クタ18により負圧が作用する吸引パイプ14を備えた
多関節作業手段3が装着されている旋回テーブル8と回
収容器4とを左右に並ぶように設置し、コンプレッサ5
は、概略中間位置において、概略回収容器4の前方位置
に設置される。コンプレッサ5は回収容器4の運転室1
a側の位置に配置され、多関節作業手段3の運転室1a
側には走行車両1の道路走行時における多関節作業手段
3の収納スペースが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体や、その他の
流動物、泥土、土砂、粉粒体等を吸引して回収する作業
を行うバキュームクリーナに関するものであり、特に走
行車両にバキュームクリーナユニットを装備することに
よって、自走式としたバキュームクリーナに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】浚渫工事や下水道等の清掃、土砂,砂利
等の採取、各種の作業現場における飛散した粉体や粒体
の回収、その他の作業を行うための機械としてバキュー
ムクリーナは従来から広く用いられる。バキュームクリ
ーナは、基本的には負圧吸引力発生装置と、吸い込み用
の配管と、回収容器とから大略構成される。吸い込み用
の配管の基端部を回収容器に接続すると共に、その先端
に吸引パイプを接続し、この吸引パイプを吸引して回収
しようとする物(以下、回収物という)に対向配置し
て、負圧吸引力発生装置を作動させてこの回収物を負圧
吸引力の作用によって、配管を介して回収容器に回収す
ることができる。負圧吸引力発生装置の代表的なものと
しては、コンプレッサ等の圧気源装置とエジェクタとで
構成したものがある。そして、エジェクタとしては、吸
い込み用の配管を負圧にするタイプのものと、この配管
が接続されている回収容器の内部を負圧にするタイプの
ものとが知られている。
【0003】回収物の回収作業を行うには、吸い込み用
の配管を回収物に向けるように操作するが、この操作は
人手により行うものと、機械力により行うものとが知ら
れている。例えば、実開平7−35554号公報には、
輸送用の吸い込みノズル装置が開示されている。この装
置は、吸い込み口に接続した配管の吸い込み口の近傍に
エジェクタを設けて、作業者の手動操作で土砂や砂利等
の雑搬送バラ物を吸い込み搬送する構成としている。ま
た、特開平9−235751号公報には浚渫排送装置が
示されており、この浚渫排送装置は、油圧ショベルのフ
ロント作業機の先端にスクリューコンベアとその吐出管
とを有するバケットを設ける構成としたものである。そ
して、吐出管にはエジェクタ配管を接続して設け、この
エジェクタ配管に排出用のホースが接続されている。従
って、フロント作業機を操作することにより、スクリュ
ーコンベアとエジェクタ配管とを一体化した浚渫ユニッ
トを所望の方向に向けることができ、回収物である軟泥
をスクリューコンベアと加圧ポンプとの作用により軟泥
を吐出管内に送り込み、このようにして送り込まれた軟
泥は、吐出管に直結したエジェクタ配管内に負圧吸引力
を作用させることによって、ホースから所定の位置に排
出させるようにしている。
【0004】これら例示した2つの従来技術において、
特開平9−235751号公報の浚渫排送装置は、フロ
ント作業機の操作により浚渫ユニットを所望の方向及び
位置に配置して軟泥を回収することができるので、作業
者が入り込めない場所で回収作業を行う際や、吸い込み
ノズル装置なり、浚渫ユニットなりからなる回収物吸引
手段が重量物であっても、それを所望の位置に変位させ
る操作を容易に行える等といった利点がある。しかしな
がら、この浚渫排送装置にあっても、なお以下に示した
ような問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】まず、前述した浚渫排
送装置においては、浚渫ユニットは油圧ショベルのフロ
ント作業機のフロントアタッチメントとして装着される
関係から、回収作業を行うことができる場所が限定され
る。また、バキュームクリーナとしては、少なくとも真
空吸引力を作用させるために、バキュームポンプまたは
加圧ポンプ等といった圧気源が必要となるが、一般の油
圧ショベルには圧気源装置を設置するスペースや、回収
物を収容するタンク等の容器を設置するスペースが得ら
れないことから、これらは油圧ショベルとは別個の装置
として構成しなければならない。従って、油圧ショベル
の走行手段の構成から、また圧気源装置等を別置きにす
ることから、全体としての装置の可搬性が十分でないと
いう問題点もある。
【0006】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、簡単な構成で、広範
な作業現場から有効に回収物の吸引回収を行うことがで
き、しかも装置の可搬性を著しく高めることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、前部に運転室を設けた自走式の走行
車両のフレームに、このフレームにおける運転室より後
方側にバキュームクリーナユニットを設け、このバキュ
ームクリーナユニットは、回収物吸引部材を装着した多
関節アームからなり、水平回動手段により水平方向に往
復回動可能となった多関節作業手段と、前記回収物吸引
部材に負圧吸引力を作用させるエジェクタと、このエジ
ェクタに圧縮空気を供給する圧気源装置とを備え、前記
多関節作業手段は前記フレームの後部位置に配置され、
また前記圧気源装置はこの多関節作業手段と前記運転室
との間に配置する構成としたことをその特徴とするもの
である。
【0008】ここで、多関節作業手段を適宜操作して回
収物吸引部材により回収物を吸引させるが、回収物は所
定の容器等に収容させる。この容器はタンク等で構成で
き、この回収容器はバキュームクリーナユニットが設け
られている走行車両とは別個の車両等に設置しても良い
が、走行車両のフレームに回収物を貯留するための回収
容器を設置することもできる。この場合には、フレーム
の後部位置において、回収容器を多関節作業手段の側部
に並べて配置するようになし、かつこの回収容器はフレ
ームの後端から外方に向けてダンプ動作することにより
内部の回収物を排出可能とするのが望ましい。
【0009】多関節作業手段を構成する多関節アーム
は、回収物吸引作業を行う際には、走行車両のフレーム
の後端部または側部から外方に突出させるようにする。
しかしながら、走行車両を走行させる際には、多関節ア
ームがフレームから突出していると、走行の邪魔になる
だけでなく、周囲の構築物等に衝突する可能性がある。
また、一般道路を走行する際には、車幅制限等があるこ
とから、多関節アームは非作業時にはフレームにおける
車幅内に収容させることができるようになっているのが
望ましい。特に、フレームにおいて、圧気源装置と回収
容器とを走行車両の走行方向の前後に配置し、多関節作
業手段と運転室との間に所定のスペースを設けてこのス
ペースを多関節アームを車幅内に収容可能な収容スペー
スをすることができる。
【0010】走行車両はホイール式の走行手段または履
帯式の走行手段のいずれかで構成でき、またフレームに
設置され、多関節作業手段を水平方向に回動させる水平
回動手段の構成としては、旋回手段またはスイングポス
ト機構のいずれか一方で構成することができ、また旋回
手段とスイングポスト機構との両方を備える構成として
も良い。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。而して、本発明に
係るバキュームクリーナは自走式のものであるが、その
走行手段としてはホイール式のものとして説明する。こ
のように、ホイール式走行手段を備える構成とすると、
自走によって作業現場等に搬入でき、また作業現場から
搬出できる点で好ましい。ただし、足場の悪い作業現場
で作業する場合等には、その走行手段としては履帯式の
ものを用いる方が有利である。そして、履帯式走行手段
を備えた自走式バキュームクリーナは、作業現場への搬
入及び作業現場からの搬出はトレーラ等の輸送手段で行
うことになる。
【0012】まず、図1及び図2に第1の実施の形態に
おける自走式バキュームクリーナの概略構成を示す。図
中において、1は走行車両であって、この走行車両1は
ホイール式の走行手段1aと、フレーム1bとを有し、
フレーム1bには運転室1cが設置されている。従っ
て、この走行車両1は、通常は、矢印F方向に走行する
ものであり、以下の説明においては、この矢印F方向を
前進方向、矢印Fとは反対方向を後進方向と呼び、また
走行車両1における位置を示す場合には、前進方向にお
ける進行方向前側を前部、後側を後部という。
【0013】フレーム1bにはバキュームクリーナユニ
ット2が設置されている。このバキュームクリーナユニ
ット2は、設置台2aに装着されており、従って走行車
両1とバキュームクリーナユニット2とは分離可能とな
っている。これによって、バキュームクリーナユニット
2は、その設置台2aをフレーム1bから取り外すこと
によって、各種の走行車両、例えば履帯式走行手段を持
った走行車両等に設置可能となる。そして、このバキュ
ームクリーナユニット2は、多関節作業手段3と、回収
容器4及び圧気源としてのコンプレッサ5から大略構成
される。
【0014】バキュームクリーナユニット2を構成する
多関節作業手段3の装着部より走行方向前方位置には、
このバキュームクリーナユニット2の全体を操作するた
めの操作用座席6が設置されており、この操作用座席6
の左右両側乃至前方には、操作レバー等からなる操作手
段7が配置されている。操作用座席6は旋回テーブル8
上に設置されており、この旋回テーブル8は荷台2上
で、例えば270°程度往復旋回できるものである。そ
して、多関節作業手段3はこの旋回テーブル8に連結し
たスイングポスト機構9に装着されている。スイングポ
スト機構9の具体的な構成は、例えば小型の油圧ショベ
ル等に設けられる周知のものを使用することができる。
即ち、図3に示したように、旋回テーブル8に連設した
取付部8aに連結ピン9aを介して回動ブラケット9b
を回動自在に連結し、油圧シリンダ9cによって回動ブ
ラケット9bを所定の角度範囲で水平方向に往復回動さ
せる構成としたものであり、多関節作業手段3は回動ブ
ラケット9bに連結される。従って、旋回テーブル8と
スイングポスト機構9とにより多関節作業手段3を水平
方向に回動させる水平回動手段を構成する。
【0015】ここで、旋回テーブル8及びスイングポス
ト機構9を設けることにより、旋回テーブル8により操
作用座席6と共に多関節作業手段3を大きく旋回させ、
回動ブラケット9bを作動させることによって、操作用
座席6をそのままにして多関節作業手段3を駆動できる
ようになる。吸引回収作業を行う際には、吸引作業位置
を変えるために、また障害物等を迂回するために、それ
ぞれ独立に作動させることができる。ただし、必ずしも
旋回テーブル8及びスイングポストの両方を設ける必要
はなく、要は多関節作業手段3を所定の範囲にわたって
水平方向に回動変位させることができるようになってお
れば良い。
【0016】多関節作業手段3は、最先端部に設けた先
端取付部10と、この先端取付部10と回動ブラケット
9bとの間を連結する多関節アーム11とを備えてい
る。多関節アーム11は、少なくとも先端取付部10に
連結した第1の腕部11aと、回動ブラケット9bに連
結した第2の腕部11bとから構成される。先端取付部
10と第1の腕部11aとの間、第1の腕部11aと第
2の腕部11bとの間、第2の腕部11bと回動ブラケ
ット9bとの間には、関節部として機能する連結ピン1
2によりそれぞれ枢動可能に、つまり関節部を中心とし
て折り曲げ可能に連結されており、これらの関節部はそ
れぞれ油圧シリンダ13により駆動される。なお、多関
節アーム11は2本の腕部だけでなく、3本以上の腕部
で構成することもできる。
【0017】先端取付部10には吸引回収部材としての
吸引パイプ14が取り付けられている。吸引パイプ14
は硬質パイプからなり、図4に示したように、この吸引
パイプ14はねじ止め等適宜の構成を有するクランプ部
材15により先端取付部10に固定的に保持されてい
る。そして、この吸引パイプ14の先端には吸い込み口
アダプタ16が着脱可能に固定される。
【0018】吸引パイプ14には吸引通路の一部を構成
する吸引側ホース17の先端が接続されており、この吸
引側ホース17は先端取付部10から第1の腕部11a
の上面側に延在されている。そして、第1の腕部11a
の上面には吸引経路に負圧吸引力を作用させるエジェク
タ18が第1の保持部材19aにより固定的に保持され
ており、吸引側ホース17の基端部は、このエジェクタ
18に連結されている。また、エジェクタ18の他端に
は排出側ホース20が接続されている。この排出側ホー
ス20は第1の腕部11aから第2の腕部11bを通
り、この第2の腕部11bにおける適宜の箇所に第2の
保持部材19bにより固定された上で、回動ブラケット
9bの近傍まで延在される。そして、排出側ホース20
は、この回動ブラケット9bの位置から上方に向けて方
向転換して旋回テーブル8に立設したハンガ21に取り
付けたジョイント機構22に連結されている。このジョ
イント機構22は排出側ホース20を回収容器4に接続
するためのものである。従って、吸引パイプ14は、吸
引側ホース17,エジェクタ18,排出側ホース20及
びジョイント機構22からなる吸引経路を順次介して回
収容器4に接続される。多関節アーム11のうち、少な
くとも各関節部を通過する部位では吸引側ホース17ま
たは排出側ホース20からなる可撓ホースが配置されて
いる。
【0019】ジョイント機構22は、図5に示したよう
に、一対のスイベルジョイント22a,22bと、両ス
イベルジョイント22a,22b間を接続する可撓管2
2cと、回収容器4の内部に接続される導入管22dと
から構成される。また、ハンガ21は、旋回テーブル8
に立設した支持杆21aの上端部にレバー21bを水平
方向に回動可能に連結したものであり、このレバー21
bの端部はジョイント機構22におけるスイベルジョイ
ント22aの可撓管22cへの接続部に水平方向に回動
自在に連結されている。なお、排出側ホース20に十分
な余長を持たせておけば、直接排出側ホースを回収容器
4に接続することもできる。
【0020】次に、図6及び図7に吸引側ホース17と
排出側ホース20との間を連結するエジェクタ18の構
成を示す。同図において、30は吸引側ホース17に着
脱可能に接続した第1の筒体、31は排出側ホース20
に着脱可能に接続される第2の筒体である。また、第1
の筒体30と第2の筒体31との接続部には円環状の圧
力チャンバ32が形成される。そして、第1の筒体30
に第2の筒体31への接続部には円環状隔壁30aが形
成されており、また第2の筒体31の第1の筒体30へ
の接続部は連続的に内径が増大する拡径部31aとなっ
ている。円環状隔壁30aには多数の微小噴出通路33
が穿設されており、これら各微小噴出通路33は、その
一端が圧力チャンバ32に開口し、他端は第2の筒体3
1の内部に開口している。各微小噴出通路33は、第2
の筒体31における拡径部31aの内面の角度とほぼ一
致するように傾斜している。さらに、圧力チャンバ32
には接続口34が設けられており、この接続口34には
コンプレッサ5に接続した圧縮空気の供給管35が接続
されている。
【0021】以上の構成を有するバキュームクリーナユ
ニット2を装備した走行車両1は自走により作業現場等
に搬入されて、この作業現場で泥水等の液状物、泥土等
の半流動物、土砂等の粉体、礫や小石さらにコンクリー
ト破砕物等といった粒体、その他からなる回収物を吸引
して回収し、また作業が終了すると、そのまま自走して
作業現場から搬出される。従って、当然、一般道路等を
も走行することから、この道路走行時における車幅及び
車高の制限から、バキュームクリーナユニット2全体を
できるだけコンパクトな構成としなければならない。多
関節作業手段3は、回収作業を行う際に、走行車両1の
フレーム1bから大きく突出させるが、走行時には少な
くとも走行車両1における車幅内に収納できなければな
らない。多関節作業手段3がその一部でも走行車両1か
ら張り出していると、走行中に他の車両や構築物等と衝
突することになるからである。
【0022】そこでまず、フレーム1b上でバキューム
クリーナユニット2を構成する各部をコンパクトに配置
するために、走行車両1の後部側、つまり運転室1aと
は反対側の位置に、多関節作業手段3を装着した旋回テ
ーブル8と回収容器4とを左右に並ぶように設置してい
る。また、重量物であるコンプレッサ5は、概略中間位
置において、概略回収容器4の前方位置となるようにし
て設置される。走行車両1の運転室1aの前方にはエン
ジン等、走行車両1を走行させるための機器類が設置さ
れていることから、フレーム1bには前後及び中間の各
位置に重量物がバランス良く配置され、走行車両1の全
体における重量バランスが極めて良好になる。また、多
関節作業手段3と回収容器4とを並べて配置した結果、
バキュームクリーナユニット2を構成する各部材なり機
器なりの全体をコンパクトにまとめて配置できる。
【0023】しかも、フレーム1bにおいて、コンプレ
ッサ5は回収容器4の前方に位置しているが、多関節作
業手段3の前方にはスペースが存在する。このスペース
は走行車両1の道路走行時における多関節作業手段3の
収納スペースとして利用される。つまり、多関節作業手
段3は旋回テーブル8に設けられており、この旋回テー
ブル8をフレーム1bに対して旋回させると、図2に示
したように、少なくとも角度θだけ多関節作業手段3全
体を水平方向にスイングさせることができる。そして、
多関節作業手段3を同図の(イ)で示した位置となるよ
うに旋回テーブル8を旋回させると、この多関節作業手
段3は完全に車幅内に収容できて、走行車両1の安全走
行が可能となる。なお、多関節作業手段3の収納時にお
ける長さ寸法がフレーム1bの全長より長い場合には、
運転室1cの上部空間も収納スペースとして利用するこ
とができる。
【0024】一方、回収作業を行う際には、旋回テーブ
ル8を前述した図2の(イ)の位置から、同図に矢印方
向に旋回させることによって、同図に実線で示したよう
に、多関節作業手段3をフレーム1bの外に張り出させ
る。さらに、この多関節作業手段3は、最大限、回収容
器4と干渉しない(ロ)の位置まで旋回テーブル8を旋
回できるようになっている。これによって、走行車両1
の側部から後部側にかけての極めて広い範囲にわたって
作業が可能になる。ここで、多関節作業手段3がスイン
グする範囲、つまり角度θは、それが回収容器4と干渉
することがなく、しかも操作用座席6に着座して操作を
行うオペレータが作業領域を十分視野に入れることがで
きる範囲である。従って、(イ)の位置及び(ロ)の位
置は多関節作業手段3の旋回ストローク端位置であるか
ら、これらの位置にストッパを設けてそれ以上旋回でき
ない構成とするのが望ましい。ただし、回収容器4とコ
ンプレッサ5との間に広い間隔が生じているようであれ
ば、回収容器4を前後動可能とすることもできる。これ
によって、吸引回収作業を行う際には、回収容器4を前
方、つまりコンプレッサ5に近接する方向に移動させる
ようにすることができる。このような構成を採用すれ
ば、多関節作業手段3が水平方向にスイングする範囲、
つまり吸引作業を行う範囲をより広くすることができ
る。
【0025】ところで、回収作業時には、多関節作業手
段3はフレーム1bの後方に向けて大きく突出する姿勢
状態となることもある。既に説明したように、多関節作
業手段3,回収容器4及びコンプレッサ5は、前述した
ように、走行車両1の全体における重量バランスが取れ
る位置関係となるように配置されるが、多関節作業手段
3の作動状態によっては、なお走行車両1の全体におけ
る重心位置が後方に移動して、重量バランスが崩れるお
それもある。走行手段として履帯を用いれば、接地面積
が広いことから、ある程度まで重量バランスが後方に偏
っても安定性が確保される。
【0026】ただし、コンプレッサ5はエジェクタ18
等と配管で接続されてはいるものの、独立した機器であ
ることから、その配置には自由度がある。従って、吸引
回収作業を行うために、多関節作業手段3を大きく後方
に張り出した時にも、なお走行車両1の安定性が確保さ
れる位置、つまりフレーム1bの中間位置より多少前寄
りの位置に配置する。また、走行車両1にアウトリガを
装備しておけば、必要に応じてこのアウトリガを作動さ
せて、吸引作業時における走行車両1の安定性を確保で
きる。
【0027】走行車両1が作業現場に搬入されると、オ
ペレータが操作用座席6に着座して回収作業を開始す
る。このためには、まず旋回テーブル8を旋回させて、
多関節作業手段3を図2の位置(イ)から位置(ロ)に
至るいずれか任意の位置、例えば図2に実線で示した位
置に配置する。この時には、多関節作業手段3と共にオ
ペレータが着座している操作用座席6も一体的に旋回す
る。そして、多関節作業手段3を構成する多関節アーム
11を作動させて、この多関節アーム11の先端に設け
た先端取付部10を回収物に対面させ、コンプレッサ5
からエジェクタ18に圧縮空気を供給することにより回
収物を吸引する。このコンプレッサ5から供給される圧
縮空気は供給管35を介して圧力チャンバ32内に流入
する結果、この圧力チャンバ32内の圧縮空気は微小噴
出通路33から噴出して、第2の筒体31の内面に沿っ
て、図6に矢印で示した方向に空気流が形成される。従
って、第2の筒体31に接続した排出側ホース20への
接続側に速い流速の空気流が形成されて、第1の筒体3
0に接続した吸引側ホース17への接続側にこの空気流
により負圧吸引力が作用することになる。
【0028】これによって、吸い込み口アダプタ16を
接続した吸引パイプ14からエジェクタ18までの1次
側では負圧吸引力による吸引空気流が、またエジェクタ
18から排出側ホース20側では圧縮空気による搬送流
が形成され、吸引パイプ14からの吸い込んだ回収物が
この流れに搬送されて、回収容器4に回収されることに
なる。回収容器4内には圧縮空気が流入することから、
この回収容器4が密閉されていると、回収容器4の内部
が加圧状態になる。このために、この回収容器4の上部
には、L字形状となった大気開放通路4aを形成し、好
ましくはこの大気開放通路4aにはフィルタを装着す
る。これによって、回収容器4内に流入した圧縮空気は
大気に開放され、その内部はほぼ大気圧の状態に保持さ
れる。従って、エジェクタ18を連続的に作動させて
も、吸引側ホース17側の吸引空気流及び排出側ホース
20側の搬送流による流速が低下することはない。
【0029】ここで、エジェクタ18の作用により回収
される回収物は、泥水等の液状物、泥土等の半流動物、
土砂等の粉体、礫や小石さらにコンクリート破砕物等と
いった粒体、その他のものである。吸引パイプ14に吸
い込み口アダプタ16を交換可能に接続する構成とした
のは、各種の回収物に応じた吸い込み口構造とするため
であり、図8及び図9に示したように、吸い込み口アダ
プタ16は吸引パイプ14に対して、例えばバイオネッ
ト結合する等により着脱可能に装着される。このため
に、吸引パイプ14には嵌合筒14aが連設されてお
り、この嵌合筒14aの周胴部には連結ピン36aピン
14aが1乃至複数本突設されており、吸い込み口アダ
プタ16側には、その基端部側から概略L字状となった
バイオネット溝36bが連結ピン36aと同数形成され
ており、吸い込み口アダプタ16のバイオネット溝36
bを連結ピン36aと位置合わせして、吸引パイプ14
の嵌合筒14aに所定量押し込で回動させることによ
り、吸い込み口アダプタ16は吸引パイプ14に連結さ
れる。ここで、吸引パイプ14接続される吸い込み口ア
ダプタの他の例としては、図10に示したように、先端
から軸線方向に所定の長さ分だけ1または複数のスリッ
ト16Asを形成した吸い込み口アダプタ16A、図1
1に示したように、左右に膨出部16Bpを形成するこ
とにより細長い開口を有する吸い込み口アダプタ16
B、さらには図12に示したように、先端に蛇腹状の可
撓部16Cfを連設した吸い込みアダプタ16C等が用
いられる。
【0030】さらに、吸引パイプ14にはエアジェット
ノズル37が接続されている。このエアジェットノズル
37にはエア配管38が接続されており、このエア配管
38は吸引パイプ14の外面及び吸引側ホース17に沿
って延在されている。そして、エアジェットノズル37
は吸引パイプ14における吸い込み口アダプタ16の連
結部より基端側の位置に形成した接続用開口14bを介
して吸引パイプ14の内部に延在されており、吸引パイ
プ14の内面近傍に、その先端側に向けて噴出口が開口
している。従って、このエアジェットノズル37から圧
縮空気を噴出させることによって、回収物を空気圧で粉
砕乃至切り込みを行ったり、また吸い込み口アダプタ1
6が塊状物で詰まった時に、空気圧により塊状物を排除
して、詰まり解除を行えるようになっている。
【0031】エアジェットノズル37からの圧縮空気の
噴出は常時行われるのではなく、必要に応じて連続的ま
たは間欠的に行う。このために、図6に示したように、
エジェクタ18の圧力チャンバ32に接続した供給管3
5及びエアジェットノズル37からのエア配管38はそ
れぞれ開閉弁39,40を介してコンプレッサ5からの
配管41に接続されている。また、エアジェットノズル
37から圧縮空気が噴出している時には、このエアジェ
ットノズル37に十分な圧力を供給するのが望ましい。
そこで、供給管35における開閉弁39の下流側に流路
選択弁42を介装する。この流路選択弁42は、その切
り換えによって、絞り43を介さない流路と、絞り43
を介することにより絞られた流路面積で圧縮空気を通過
させる流路とを選択できるようになる。
【0032】以上のように構成されるバキュームクリー
ナを用いることによって、液状物,半流動体、粉体,粒
体等からなる様々な回収物を、円滑かつ確実に、しかも
安全に回収容器4に回収することができる。
【0033】作業を継続する間には、吸い込みアダプタ
16を連結した吸引パイプ14を前後、左右及び上下に
移動させなければならない。この操作は、多関節作業手
段3を構成する多関節アーム11を作動させて、回動ブ
ラケット9bに対する第2の腕部11bの角度と、第2
の腕部11bに対する第1の腕部11aの角度を制御す
ることによって、先端取付部10を前後及び上下に移動
させることができる。また、旋回テーブル8を旋回させ
るか、スイングポスト機構9を作動させることにより左
右方向に変位させることができる結果、吸引パイプ14
の位置を3次元的に変えることができる。この操作は、
オペレータが操作用座席6に着座したままで、操作手段
7を操作することにより行えることから、極めて容易
に、しかも安全に作業を行うことができる。特に、マン
ホールの内部や、構築物等の上方位置等、作業者が入り
込めない危険な箇所や狭所等においても極めて円滑に回
収物の回収作業を行うことができる。さらに、当該の作
業現場内で、吸引による回収作業位置を変える場合に
は、走行車両1を走行させることによって、容易に回収
作業位置を変えることができる。従って、極めて広い作
業現場であっても、短時間の間に必要な回収物を迅速か
つ確実に回収することができる。
【0034】而して、本実施の形態においては、水平回
動手段としては、旋回テーブル8とスイングポスト機構
9とを設けており、これらは独立に作動できるようにな
っている。これらは単独で操作することもでき、また複
合的な操作を行うようにすることもできる。従って、例
えば、走行車両1の方向と、周囲に位置する構築物その
他の障害物との位置関係によって、この障害物等を避け
るようにして多関節作業手段3を作動させる場合には、
旋回テーブル8とスイングポスト機構9とを複合操作す
れば良い。また、回収作業位置を変える場合には、旋回
テーブル8を作動させるか、または旋回テーブル8によ
り大まかに多関節作業手段3の位置を設定しておき、吸
引すべき位置を僅かに変える時には、スイングポスト機
構9を作動させるようにする等の操作が可能になる。
【0035】ここで、回収物が、例えば固形化した粘土
質の土砂等のように、そのままでは吸引パイプ14によ
る吸引を行うことができないが、外力により切り込んだ
り、切り崩したりして小割りにすることができるような
ものもある。この場合には、切換弁40を切り換えて、
吸引パイプ14に接続したエアジェットノズル37に圧
縮空気を送り込む。エアジェットノズル37から圧縮空
気が噴出して、大きな塊の回収物に対して局所的に作用
することから、この塊を崩して小割りすることができ、
このように小割り状態となった回収物は負圧吸引力で吸
引パイプ14に吸引される。この場合において、エアジ
ェットノズル37への圧縮空気の送給は連続的に行って
も良いが、むしろ間欠的に噴出させる方が回収物の崩壊
をより促進できるようになる。また、このエアジェット
ノズル37から圧縮空気を噴出している間にも、エジェ
クタ18における圧力チャンバ32への圧縮空気の供給
が継続するから、多少は負圧吸引力が低下するものの、
エアジェットノズル37への圧縮空気の供給を遮断すれ
ば、直ちに負圧吸引力が上昇する。
【0036】前述した塊を小割りにするには、より高圧
の圧縮空気をエアジェットノズル37から噴出させるの
が望ましい。エアジェットノズル37用のコンプレッサ
をエジェクタ18用のコンプレッサとを別個のものとす
れば、エアジェットノズル37から所望の圧力の圧縮空
気を噴出させることができるが、本実施の形態において
は、エアジェットノズル37とエジェクタ18とに共用
されるコンプレッサ5を用いている。そして、エジェク
タ18側は流路選択弁42により供給管35への流路を
絞ることができるように構成されている。従って、エア
ジェットノズル37の圧力が不足する場合には、この流
路選択弁42を切り換えて供給管35への流路を絞るこ
とによって、エアジェットノズル37から高圧の圧縮空
気を噴出させることができる。しかも、なおエジェクタ
18への圧縮空気の供給は断たれないので、エアジェッ
トノズル37への圧縮空気の供給を遮断すると共に、流
路選択弁42が絞り43を介さない流路を選択するよう
に切り換えれば、直ちにエジェクタ18における負圧吸
引力が上昇することになる。また、例えば粘稠物物や固
形物等で吸い込み口アダプタ16が詰まったりした時に
も、エアジェットノズル37から圧縮空気を噴出させる
ことにより、この詰まりを解消することができる。そし
て、流路選択弁42を切り換えれば、極めて高い圧力の
圧縮空気を噴出させることができる。
【0037】エアジェットノズル37から圧縮空気を噴
出させると、その衝撃で砂利等といった小さい固形物が
飛散することになる。しかしながら、エアジェットノズ
ル37は吸引パイプ14の内部に配置されているので、
この吸引パイプ14に連結した吸い込み口アダプタ16
を回収物に当接させるようにすれば、飛散物は吸い込み
口アダプタ16及び吸引パイプ14内に止まり、外部に
散逸するおそれはない。従って、周囲に構築物等が存在
していても、それらに衝突して損傷を生じさせる等とい
った不都合を生じることはない。しかも、このようにし
て飛散した物体は吸引パイプ14に作用する負圧吸引力
により回収容器4に回収される。また、配管等が埋設さ
れている箇所で回収物の回収を行う際において、作用す
るのは負圧吸引力と、圧縮空気の噴出という流体圧であ
り、配管等にバケット等といった剛体が衝突することが
ないので、作業中に配管その他の埋設物が破損するとい
った事態が生じることはない。
【0038】ここで、吸い込み口アダプタ16は実質的
に円筒形状となっているが、吸引すべき回収物の状態や
性質、さらには回収物の存在箇所等に応じて、適宜の形
状の吸い込み口アダプタを用いることができる。例え
ば、粘稠物を吸引する場合には、吸い込み口が粘稠物で
詰まることがあり、この粘稠物で吸い込み口が完全に閉
塞されると、吸い込み流が形成されなくなるので、負圧
が作用しても吸引することはできない。そこで、図10
に示したスリット16Asを備えた吸い込み口アダプタ
16Aを吸引パイプ14に接続すれば、このスリット1
6Asを介して吸い込み流が形成され、詰まりが解消さ
れ、有効に吸引パイプ14から吸引側ホース16に送り
込まれる。
【0039】また、回収物が広い範囲に分散している場
合には、図11に示した左右に細長い開口を有する吸い
込み口アダプタ16Bを装着すれば、さらに効率的に回
収を行えるようになる。さらに、凹凸のある部位に位置
する回収物を吸引したり、狭所等で、吸い込み口アダプ
タ等が損傷するおそれがある場合等においては、図12
に示したように、先端に可撓部16Cfを連結した吸い
込み口アダプタ16Cを装着すると、有効に吸引でき、
また吸い込み口アダプタの損傷を防止できる。さらにま
た、深い位置からの回収物の吸引を行うには、吸引パイ
プ14に延長ホースを接続すれば良い。
【0040】ところで、前述したように、様々な吸い込
み口アダプタを交換して使用することから、この吸い込
み口アダプタの内部に配置したエアジェットノズルも、
吸い込み口アダプタに応じて交換して使用できるように
なっているのが望ましい。そして、例えば図11に示し
た吸い込み口アダプタ16Bを用いる場合には、エアジ
ェットノズルの本数も多くし、また図12に示したよう
に、先端に可撓部16Cfを設けた吸い込み口アダプタ
16Cを装着した時には、エアジェットノズルの噴射口
の位置及び方向を変えるようにするのが望ましい。この
ためには、図13に示したように、吸引パイプ14の先
端部内面に通路構成体45を装着して、この通路形成体
45内に圧力チャンバ46を形成する。そして、エア配
管38はこの通路構成体45に、圧力チャンバ46内に
圧縮空気が供給できる状態に接続する。また、通路構成
体45の下面には、その内部に形成される圧力チャンバ
46に通じる連通路47を穿設しておく。この連通路4
7にはねじ部を形成しておき、このねじ部にエアジェッ
トノズル48を螺挿することにより連結する。これによ
って、吸い込み口アダプタの構造や、回収物の状態等に
応じて最適な構成及び数のエアジェットノズルを装着で
きて、回収効率がさらに向上する。、また、通路構成体
45を円環状または円弧状に形成して、この通路構成体
45に円周方向に複数の連通路47を設けることもで
き、この場合には、これら各連通路47のうち、使用し
ないものについては、栓部材49を装着しておけば良
い。
【0041】回収物の吸引作業を継続すると回収容器4
内には回収物で満杯になるので、この回収物を排出しな
ければならない。この回収容器4内の回収物の排出作業
を容易にするには、図14に示したように、設置台2a
にブラケット50を立設して、また回収容器4の底部か
らもブラケット51を延在させて設け、これら両ブラケ
ット50,51間を連結ピン52により相対回動可能に
連結し、かつ設置台2aと回収容器4との間にシリンダ
53を設ける。さらに、回収容器4の後部側には蓋体4
bを装着する。そして、この蓋体4bは、その上部側を
回収容器4の開口部の上部に蝶番により連結し、かつク
ランプ54により閉鎖状態に固定可能とする。さらに、
シリンダ53を縮小させた時に、回収容器4が着座する
シート55を設置台2aに設ける。
【0042】以上のように構成すると、シリンダ53を
縮小状態にして回収容器4が、図14に実線で示したよ
うに、ブラケット50に設けた連結ピン52とシート5
5とにより概略水平状態に保持させることにより回収物
の取り込みを行い、この回収容器4が満杯になると、蓋
体4bを閉鎖状態にしているクランプ54を解除して、
シリンダ53を作動させることによって、同図に仮想線
で示したように、回収容器4を倒立状態に変位させる、
所謂ダンプ動作を行わせる。これによって、自動的に蓋
体4bが開いて、回収容器4内の回収物を排出できる。
そして、この時には、回収容器4はフレーム1bから後
方に張り出すことになるので、ダンプトラック等の荷台
をこの回収容器4の下部に配置すれば、回収物はダンプ
トラック等の輸送手段に直接移載できることになる。こ
のように、回収容器4をフレーム1bの後端縁乃至その
近傍位置に設けておくことによって、回収容器4からの
回収物の排出作業は極めて容易に、しかも円滑かつ迅速
に行えることになる。
【0043】ところで、エジェクタとしては、前述した
ものの他、例えば図15に示した構成のものも知られて
いる。同図に示したように、エジェクタ60は、軸方向
に並べた複数のチャンバ61a,61b,61cを有
し、第1のチャンバ61aにはコンプレッサからの圧縮
空気の供給管62を接続して設け、この供給管62には
絞り62aを設ける。また、第1のチャンバ61aと第
2のチャンバ61bとの間には、絞り63aを有する連
通管63で連通させ、さらに第2のチャンバ61bと第
3のチャンバ61cとの間にも絞り64aを有する連通
管64で連通させる。さらに、第3のチャンバ61cに
は排気管65を接続する。そして、絞り62aは最も流
路断面積が小さく、次いで絞り63a,64aの順に流
路断面積を大きくする。また、連通管63の供給管62
への対面側及び連通管64の連通管63への対面側はラ
ッパ状に拡径する吸い込み部63b,64bを形成す
る。そして、吸い込み部63b,64bは、それぞれ供
給管62及び連通管63の先端部とほぼオーバーラップ
する状態となっている。
【0044】以上の構成を有するエジェクタ60は、回
収容器66に直接取り付けられる。そして、回収容器6
6とチャンバ61aとは直接連通させ、他の2つのチャ
ンバ61b,61cと回収容器66との間にはそれぞれ
フラッパ67b,67cを設ける。従って、回収容器6
6の内部の圧力はエジェクタ60による負圧吸引力によ
り負圧状態になる。そして、この回収容器66の圧力が
上昇すると、チャンバ61aにより回収容器66の内部
から吸引するが、さらにフラッパ67b,67cが開い
てチャンバ61b,61c側からも吸引される。つま
り、供給管62内に圧縮空気を供給すると、この圧縮空
気は絞り62aにより加速されて、連通管63の吸い込
み部63bに向けて流れ、この流れにより第1のチャン
バ61aの内部からの空気が連通管63内に吸引され
る。その結果、回収容器66に対して負圧吸引力が作用
する。また、連通管63内に流れた圧縮空気は絞り63
aにより加速されながら、第2のチャンバ61b内に開
口する連通管64に向けて流れることから、この流れに
より第2のチャンバ61bが負圧になる結果、フラッパ
67bが開いて、さらに回収容器66の内部を負圧にす
る。そして、連通管64内に流れ込んだ圧縮空気は絞り
64aにより加速されて、排気管65に向けて流れるこ
とから、第3のチャンバ61cが負圧になって、フラッ
パ67cが開いて回収容器66内にさらに負圧吸引力が
作用する。このように、多段で吸引することによって、
回収容器66内を高真空状態に保持することができ、こ
の回収容器66に接続した吸引経路を介して回収物を吸
引することができる。
【0045】以上のように回収容器66に直接設けられ
るエジェクタ60を用いる場合には、図16及び図17
に示したようにして、バキュームクリーナユニット70
を構成し、これを車両1に搭載する。なお、これらの図
において、前述した第1の実施の形態と同一または均等
な部材については、同一の符号を付してその具体的な説
明は省略する。
【0046】バキュームクリーナユニット70は、前述
した第1の実施の形態と実質的に同じ構成であるが、吸
引経路の途中にエジェクタを設けないことから、多関節
作業手段3を構成する多関節アーム11に沿って引き回
されるのは、吸引側ホース17に相当する吸引ホース7
1のみで構成する。また、回収容器66にはエジェクタ
60が接続して設けられており、このエジェクタ60は
回収容器66の内部の空気を排出するものであるから、
回収容器66内に浮遊する塵埃等がこの排出空気流に搬
送されて排気管64から外部に排出されることがある。
従って、車両1のフレーム1b上に設置したバキューム
クリーナユニット70における設置台70aには、旋回
テーブル8に設置した多関節作業手段3と、回収容器6
6と、コンプレッサ5との他に、フィルタ装置72も設
置する。そして、排気管64の先端に接続配管73を介
してフィルタ装置72に接続する。また、フィルタ装置
72は、多関節作業手段3の車両1における車幅内への
収納時に邪魔にならないように、回収容器66の前方位
置であって、しかも多関節作業手段3の収納位置に対し
て、コンプレッサ5の反対側に配置する。さらに、回収
容器66は、回収物の排出時にダンプ動作を行うことか
ら、フィルタ装置72と排気管64における接続配管7
3とは接離可能とする。
【0047】このように構成することによっても、前述
した第1の実施の形態と同様に、広い範囲にわたって円
滑かつ迅速に、しかも容易に回収物の回収作業を行うこ
とができる。
【0048】さらに、自走式車両には少なくとも多関節
作業手段と運転席とを装着するが、回収容器は設けなく
ても良い。また、圧気源としてのコンプレッサも別置き
にすることも可能である。そこで、図18に走行車両1
01のフレーム101bに設置したバキュームクリーナ
ユニット102は、多関節作業手段103及び操作用座
席106と、コンプレッサ105を設置し、回収容器を
設けない構成としたものを示す。そして、回収容器の代
わりに、ダンプ車両等の回収物収容車両104を走行車
両101に横付けして、回収物の回収作業を行うように
構成することもできる。従って、この場合には多関節作
業手段103と走行車両101の運転室101cとの間
にコンプレッサ105を配置することによって、走行車
両101の全体における重量バランスを良好にする。
【0049】以上の構成においては、エジェクタ118
に接続した排出側ホース120の他端は、旋回テーブル
108に立設したハンガ121に取り付けたスイベルジ
ョイント122に連結する。また、このスイベルジョイ
ント122には延長ホース123を接続して、この延長
ホース123の他端を回収物収容車両104の収容部1
04aに延在させる。これによって、車両101を小型
化できるようになる。また、エジェクタ118の作用に
よって吸引パイプを接続した吸引側ホース117,エジ
ェクタ118及び排出側ホース120内に搬送された回
収物はスイベルジョイント122及び延長ホース123
を経て直接回収物収容車両104に排出できるので、回
収物を改めて移載する必要がなくなる結果、作業の効率
化が図られる。
【0050】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、小
型でコンパクトな構成によって、広範囲な作業現場で自
走しながら必要な回収物を効率的かつ有効に吸引するこ
とができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す自走式バキューム
クリーナの正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】スイングポスト機構の構成説明図である。
【図4】吸引パイプの取付構造を示す外観図である。
【図5】ジョイント機構を示す構成説明図である。
【図6】エジェクタの縦断面図である。
【図7】図5の横断面図である。
【図8】吸引パイプと吸い込み口アダプタとの構成を示
す断面図である。
【図9】図8の外観図である。
【図10】吸い込み口アダプタの他の構成例を示す外観
図である。
【図11】吸い込み口アダプタのさらに別の構成例を示
す断面図である。
【図12】吸い込み口アダプタのさらに他の構成例を示
す断面図である。
【図13】エアジェットノズルの取付構造の他の例を示
す断面図である。
【図14】回収容器の構成説明図である。
【図15】エジェクタの他の構成例を示す説明図であ
る。
【図16】本発明の他の実施の形態を示す自走式バキュ
ームクリーナの正面図である。
【図17】図16の平面図である。
【図18】本発明のさらに別の実施の形態を示す自走式
バキュームクリーナの平面図である。
【符号の説明】
1,101 自走式車両 1b,101b フレーム 2,70,102 バキュームクリーナユニット 3,103 多関節作業手段 4,66 回収容器 5,105 コンプレッサ 6,106 操作用座
席 8,108 旋回テーブル 9 スイングポスト機
構 10 先端取付部 11 多関節アーム 11a 第1の腕部 11b 第2の腕部 12 連結ピン 13 油圧シリンダ 14 吸引パイプ 16,16A〜16C 吸い込み
口アダプタ 17,117 吸引側ホース 18,60,118
エジェクタ 20,120 排出側ホース 21,121 ハン
ガ 22,122 ジョイント機構 30 本体筒 31 圧力チャンバ 32 円環状隔壁 33 スリット通路 34 接続管 35 供給管 37 エアジェットノズル 38 エア配管 39,40 切換弁 42 流路選択弁 43 絞り 71 吸引ホース 72 フィルタ装置 104 回収物収容車両 123 延長ホース
フロントページの続き (72)発明者 玉井 洋 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 藤沢 勤 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 立建機株式会社内 (72)発明者 金井 隆史 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D063 EB03 EB06 EB11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前部に運転室を設けた自走式の走行車両
    のフレームに、このフレームにおける運転室より後方側
    にバキュームクリーナユニットを設け、このバキューム
    クリーナユニットは、回収物吸引部材を装着した多関節
    アームからなり、水平回動手段により水平方向に往復回
    動可能となった多関節作業手段と、前記回収物吸引部材
    に負圧吸引力を作用させるエジェクタと、このエジェク
    タに圧縮空気を供給する圧気源装置とを備え、前記多関
    節作業手段は前記フレームの後部位置に配置され、また
    前記圧気源装置はこの多関節作業手段と前記運転室との
    間に配置する構成としたことを特徴とする自走式バキュ
    ームクリーナ。
  2. 【請求項2】 前記フレームには前記回収物吸引部材で
    吸引された回収物を貯留する回収容器を、前記フレーム
    の後部位置に前記多関節作業手段の側部に並べて配置
    し、この回収容器は前記フレームから外方に向けてダン
    プ動作することにより内部の回収物を排出可能とする構
    成としたことを特徴とする請求項1記載の自走式バキュ
    ームクリーナ。
  3. 【請求項3】 前記多関節作業手段と前記運転室との間
    には、この多関節作業手段を構成する前記多関節アーム
    を車幅内に収容可能な収容スペースを設ける構成とした
    ことを特徴とする請求項1記載の自走式バキュームクリ
    ーナ。
  4. 【請求項4】 前記走行車両はホイール式の走行手段ま
    たは履帯式の走行手段のいずれかで構成したことを特徴
    とする請求項1記載の自走式バキュームクリーナ。
  5. 【請求項5】 前記水平回動手段は旋回手段またはスイ
    ングポスト機構の少なくともいずれか一方で構成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の自走式バキュームクリー
    ナ。
  6. 【請求項6】 前記バキュームクリーナユニットは、前
    記フレーム上に着脱可能に設置した設置台に装着する構
    成としたことを特徴とする請求項1記載の自走式バキュ
    ームクリーナ。
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