JP2001123221A - 高炭素軸受鋼の軟化熱処理方法 - Google Patents

高炭素軸受鋼の軟化熱処理方法

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JP2001123221A
JP2001123221A JP34239699A JP34239699A JP2001123221A JP 2001123221 A JP2001123221 A JP 2001123221A JP 34239699 A JP34239699 A JP 34239699A JP 34239699 A JP34239699 A JP 34239699A JP 2001123221 A JP2001123221 A JP 2001123221A
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bearing steel
cooling
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sec
hot
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Toshimitsu Kimura
利光 木村
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高炭素軸受鋼を熱間圧延、または熱間鍛造後
に、直接軟化することができる製造方法を提供する。 【解決手段】熱間圧延した線材や熱間鍛造した部品を、
800〜500℃における冷却速度を0.5〜5℃/秒
に調整して、500〜250℃まで一次冷却して、引き
続き780〜880℃に短時間で再加熱して、t=53
0−0.6×T(t:保持時間(秒)、T:再加熱温度
(℃))を越えない時間保持し、600℃まで速度0.
1〜3℃/秒となるように二次冷却することを特徴とす
るインライン軟化熱処理方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延、または
熱間鍛造された高炭素軸受鋼の軟化熱処理に関する。
【0002】
【従来の技術】0.7〜1.3重量%のCを含有する軸
受鋼は、熱間圧延や熱間鍛造ままでは硬さが高いため
に、圧延後の棒鋼を切断したり、コイル状になった線材
を伸直させたり、あるいは部品形状に切削加工すること
が容易ではない。このため、オフラインの加熱炉を使用
した球状化焼なましを、線材コイルや部品に施して、硬
さを下げる必要があった。
【0003】一般に、球状化焼なましの工程は10時間
以上の加熱・冷却時間を要し、素材硬さを低下させてい
る。しかし、オフライン熱処理であること、処理時間が
長いことから、同工程による軟化熱処理は製造コストの
増加を招く、という問題がある。また、次のような加
工、(1)圧延後の棒鋼のシャー切断、(2)線材コイ
ルのアンコイル(伸直)、(3)部品形状への切削粗加
工、にあたっては、球状化焼なまし処理せずとも、比較
的短時間の熱処理で素材を適度に軟化させれば、実用上
の問題はない。これらのことから、球状化焼なましを簡
略化したり、球状化焼なましを代替する軟化熱処理の追
加が試みられているが、いずれもオフライン熱処理であ
る限り、大幅な製造コスト低減は達成できない。
【0004】これに対し、特開平6−299240号の
ように、圧延工程を見直して、インラインで軟化熱処理
する方法が提案されている。すなわち、特定の成分から
なる鋼を、圧延後直ちに鋼材温度が一旦Ms点〜700
℃となるように中間冷却し、最終圧延出側の鋼材温度を
700〜880℃とする特定の条件で圧延を行い、仕上
げ圧延後550〜700℃に急冷し、その後450℃ま
でを平均冷却速度で0.05〜1℃/秒で冷却すること
を特徴とする製造方法が示されている。この方法を用い
れば、球状化焼なまし処理した素材と同様の組織と硬さ
を有する鋼材が製造できるとされている。しかしなが
ら、同方法で必要とされる急冷時の溶融塩を保持する設
備の設置や、鋼材の表面に処理中に付着した溶融塩の除
去コストが必要になるため、製造コストの削減が難し
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、熱間圧
延、または熱間鍛造された高炭素軸受線材・棒鋼を、切
断したり、線材コイルを伸直させたり、あるいは切削粗
加工可能な程度まで硬さを下げることができる、インラ
イン軟化熱処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、0.7〜1.3重量%のCを含有する軸受鋼を、
熱間圧延または熱間鍛造後、800〜500℃における
冷却速度を0.5〜5℃/秒に調整して、500〜25
0℃まで一次冷却し、780〜880℃まで10〜50
0℃/秒の速度で再加熱し、再加熱温度で、t=530
−0.6×T(t:保持時間(秒)、T:再加熱温度
(℃))を越えない時間保持し、引続き600℃まで、
速度0.1〜3℃/秒となるように二次冷却することに
より達成される。
【0007】また、本発明によれば、上記目的は、0.
7〜1.3重量%のCを含有する軸受鋼を、熱間圧延ま
たは熱間鍛造後、800〜500℃における冷却速度を
0.5〜5℃/秒に調整して、500〜250℃まで一
次冷却し、780〜880℃まで10〜500℃/秒の
速度で再加熱し、再加熱温度で、t=530−0.6×
T(t:保持時間(秒)、T:再加熱温度(℃))を越
えない時間保持し、その後直ちに塑性変形させて、引続
き600℃まで、速度0.1〜3℃/秒となるように二
次冷却することにより達成される。
【0008】
【作用】発明者は、0.7〜1.3重量%のCを含有す
る軸受鋼を用いて、熱間加工後の冷却・加熱・加工条件
を最適化したインライン軟化熱処理方法を見い出した。
本発明の請求範囲の限定理由について以下に説明する。
【0009】800〜500℃における冷却速度:0.
5〜5℃/秒 熱間圧延、または熱間鍛造後の、高炭素軸受鋼を軟化す
るためには、析出するセメンタイト炭化物を球状化する
ことが必要である。セメンタイト炭化物は800〜50
0℃で生成するので、この温度域の冷却速度を管理し
て、他の相の発生を抑えることが重要である。冷却速度
が5℃/秒よりも大きい場合、基地が硬質のベイナイト
組織やマルテンサイト組織となり軟化できない。また、
0.5℃/秒よりも小さい場合、同温度域の通過に10
分以上を要すため、製造効率が著しく悪くなる。
【0010】一次冷却温度域:500〜250℃ 前項のように、フェライト基地中に球状化したセメンタ
イト炭化物が析出した組織を得るには、前組織がフェラ
イト中にセメンタイト炭化物が層状に析出した均質なパ
ーライト組織であることが望ましい。この際、一部のパ
ーライト組織が球状化していても問題はない。しかし、
冷却温度が500℃よりも高い場合、未変態のオーステ
ナイト組織が残存することがあり、均質なパーライト組
織を得られない。また、250℃よりも低い温度では、
組織の一部がマルテンサイト変態することがあり、以下
の工程を施しても十分な軟化を期待できない。
【0011】再加熱温度:780〜880℃ 再加熱することで、パーライト組織を形成している層状
のセメンタイト炭化物の分断と球状化を図ることができ
る。780℃よりも低い温度では、分断と球状化が不十
分となり、軟化できない。一方、880℃よりも高い温
度では、セメンタイト炭化物が過度に固溶し、基地の一
部がオーステナイト組織になってしまう。この組織は、
以降の工程でマルテンサイト変態やベイナイト変態する
ことがあり、十分な軟化を期待できない。
【0012】再加熱速度:10〜500℃/秒 再加熱速度が10℃/秒よりも小さいと、所定の温度ま
で線材を加熱するための時間が長くなりすぎて、本発明
が目的とするインライン処理に適さない。また、500
℃/秒よりも大きいと、誘導加熱装置が高価になるた
め、製造コストの低減を図れない。
【0013】再加熱保持時間:t=530−0.6×T
(t:保持時間(秒)、T:再加熱温度(℃)) 再加熱保持時間が上式で求められる保持時間を越える
と、セメンタイト炭化物が過度に固溶し、基地の一部が
オーステナイト組織になってしまう。この組織は、以降
の工程でマルテンサイト変態することがあり、十分な軟
化を期待できない。
【0014】600℃までの冷却速度:0.1〜3℃/
秒 再加熱でセメンタイト炭化物は分断、球状化を始める
が、軟化のための球状化の促進には、徐冷することが有
効である。しかし、0.1℃/秒よりも小さい冷却速度
では、オフラインの徐冷専用炉が新たに必要になり、製
造コストの低減を図れない。また、3℃/秒を越える冷
却速度では、セメンタイト炭化物を十分に球状化するこ
とができない。なお、600℃までには炭化物の球状化
はほぼ終了するため、それよりも低い温度での冷却速度
は規定しない。
【0015】請求項2では、再加熱直後に、軸受鋼材を
塑性変形させているが、これはセメンタイト炭化物の分
断と球状化を加速させ、線材の軟化を図るものである。
この段階で塑性変形させることにより、コイル状に巻取
られた線材の硬さは塑性変形させなかったものに比べて
低くなる。塑性変形方法としては、1個以上のロールを
介して線材を屈曲させる方法や、線径よりも細いロール
孔で圧延したりダイス穴に通して絞る方法などがある
が、その手段は問わない。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明をさらに具体的に明らかにすることとする。
【0017】本実施例では表1に示す軸受鋼を用いた。
それぞれ60トンを溶解して、分塊、熱間圧延によって
直径8mmの線材とした。
【0018】
【表1】
【0019】これらを表2の条件で冷却、再加熱し、一
部の線材は再加熱直後に塑性変形させて、コイルに巻取
った。工程番号1〜5は本発明例を、工程番号6〜12
は比較例を示す。なお、比較例の工程内で、本発明の請
求項目を逸脱する条件を下線で示した。
【0020】
【表2】
【0021】線材コイルの硬さを表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】いずれの鋼でも、本発明法で製造した線材
コイルの方が、比較例よりも硬さが低いことがわかる。
なお、本発明法で製造した線材コイルは、球状化焼なま
し処理中に容易にセメンタイト炭化物が球状化すること
がわかった。すなわち、本発明は、球状化焼なまし処理
を簡略化するための前処理としても有効である。
【0024】次に、表2で示した再加熱・保持後に、直
ちに塑性変形を施した線材コイルの硬さを表4に示す。
ここで、鋼番号1は図1の、鋼番号2は図2の、鋼番号
3は図3の工程により塑性変形を施している。各工程
は、一次冷却ゾーン、再加熱ゾーン、塑性変形ゾーン、
二次冷却ゾーンから構成される。
【0025】
【表4】
【0026】いずれの鋼でも、本発明法で製造した線材
コイルの方が、比較例よりも硬さが低いことがわかる。
なお、本発明法で製造した線材コイルは、球状化焼なま
し処理中に容易にセメンタイト炭化物が球状化すること
がわかった。すなわち、本発明は、球状化焼なまし処理
を簡略化するための前処理としても有効である。なお、
本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識
に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えたものも
本発明の範囲に含まれる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の高
炭素軸受鋼のオフライン軟化熱処理を、インラインで行
えるため、大幅に製造コストを低減することが可能にな
り、産業上の利点は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の構成と工程の流
れ図である。
【図2】本発明を実施するための別の装置の構成と工程
の流れ図である。
【図3】本発明を実施するためのもう一つの装置の構成
と工程の流れ図である。
【符号の説明】
(1)一次冷却床 (2)誘導加熱装置 (3)塑性変形用ロール (4)二次冷却床

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.7〜1.3重量%のCを含有する軸受
    鋼を、熱間圧延または熱間鍛造後、800〜500℃に
    おける冷却速度を0.5〜5℃/秒に調整して、500
    〜250℃まで一次冷却し、780〜880℃まで10
    〜500℃/秒の速度で再加熱し、再加熱温度で、t=
    530−0.6×T(t:保持時間(秒)、T:再加熱
    温度(℃))を越えない時間保持し、引続き600℃ま
    で、速度0.1〜3℃/秒となるように二次冷却するこ
    とを特徴とする高炭素軸受鋼の軟化熱処理方法。
  2. 【請求項2】0.7〜1.3重量%のCを含有する軸受
    鋼を、熱間圧延または熱間鍛造後、800〜500℃に
    おける冷却速度を0.5〜5℃/秒に調整して、500
    〜250℃まで一次冷却し、780〜880℃まで10
    〜500℃/秒の速度で再加熱し、再加熱温度で、t=
    530−0.6×T(t:保持時間(秒)、T:再加熱
    温度(℃))を越えない時間保持し、その後直ちに塑性
    変形させて、引続き600℃まで、速度0.1〜3℃/
    秒となるように二次冷却することを特徴とする高炭素軸
    受鋼の軟化熱処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015089960A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 株式会社ジェイテクト 転がり軸受の粗形材の製造方法
JP2015143377A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 株式会社神戸製鋼所 冷間鍛造用高炭素低Cr鋼材の球状化熱処理方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015089960A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 株式会社ジェイテクト 転がり軸受の粗形材の製造方法
US10144984B2 (en) 2013-11-07 2018-12-04 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Method of producing roughly shaped material for rolling bearing
JP2015143377A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 株式会社神戸製鋼所 冷間鍛造用高炭素低Cr鋼材の球状化熱処理方法

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