JP2001121826A - 熱転写受像シート - Google Patents

熱転写受像シート

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JP2001121826A
JP2001121826A JP30463299A JP30463299A JP2001121826A JP 2001121826 A JP2001121826 A JP 2001121826A JP 30463299 A JP30463299 A JP 30463299A JP 30463299 A JP30463299 A JP 30463299A JP 2001121826 A JP2001121826 A JP 2001121826A
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JP
Japan
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sheet
thermal transfer
coating
receiving layer
dye
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JP30463299A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Abe
哲也 阿部
Takashi Nozawa
崇 野澤
Osamu Kawamura
治 川村
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Nagase and Co Ltd
Dexerials Corp
Original Assignee
Sony Chemicals Corp
Nagase and Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材シートの少なくとも片面に、枚葉式の塗工
方法により昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像
シートを提供する。 【解決手段】(A)下面に細帯状の開口部8を有する箱
状容器4と、該容器内に収容され、かつ上記開口部から
突出するように配設された塗工液含浸用材5と、箱状容
器の上面に設けられた塗工液供給機構6を有する塗工用
部材1、及び(B)上面7に被塗工基材シート3を載置
固定し、該基材シートを上記塗工用部材1の直下に搬送
するための基材シート固定用部材2を主構成要素とする
枚葉式塗工装置を用い、基材シート1枚毎に、その少な
くとも一方の面全体に昇華性染料受容層を形成させてな
る熱転写受像シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写受像シートに
関し、さらに詳しくは、基材シートの少なくとも片面
に、枚葉式の塗工方法により昇華性染料受容層を、生産
性よく形成したものであって、感熱昇華型染料転写記録
方式(以下、昇華型熱転写方式と称す)にて画像形成を
行うのに使用される熱転写受像シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラープリンターの需要が年
々増加し、このフルカラープリンターの記録方式として
電子写真方式、インクジェット方式、熱転写方式などが
あるが、この中で操作や保守が容易なこと、装置の小型
化及び低コスト化が可能なこと、ランニングコストが安
いこと、騒音がないことなどの理由により熱転写方式が
注目されている。種々の熱転写方式の中で、昇華性染料
を色材とし、それを記録信号に応じて発熱するサーマル
ヘッドを用いて、熱転写受像シートに色材を転写するこ
とにより画像を得る昇華型熱転写方式が知られている。
この記録方式は、染料を色材とし、濃度階調を得ること
が可能であることから、画像が極めて高精細であり、か
つ、中間調の色再現性、階調再現性に優れることから、
銀塩写真に匹敵する画質の画像を形成することが可能で
ある。このような昇華型熱転写方式においては、3色
(イエロー、マゼンタ、シアン)、4色(イエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラック)あるいは5色(イエロー、
マゼンタ、シアン、ブラック、オーバラミネート)の昇
華性染料層をそれぞれ含むインク層を有する熱転写体
(熱転写リボン)と熱転写受像シートの昇華性染料受容
層を重ね合わせ、記録信号に応じて発熱するサーマルヘ
ッドにより、該熱転写体に熱印加することによって、そ
のインク層の昇華性染料が染料受容層上に昇華移行する
ことにより、画像が形成される。この昇華型熱転写方式
は最近、例えばデジタルビデオカメラなどで撮影した画
像を、はがきタイプの受像シート、ステッカータイプの
受像シート、カードタイプの受像シート、名刺タイプの
受像シートなどに、上記昇華型熱転写方式により、プリ
ントし、身分証明書や、IDカード、クレジットカー
ド、その他カード類の顔写真、さらには遊園地、博物
館、水族館などのアミューズメント施設における合成写
真、記念写真などを作成するのに、利用されている。前
記昇華型熱転写方式に用いられる熱転写受像シートとし
ては、熱転写体(熱転写リボン)に融着したり、破損す
ることがなく、かつ昇華性染料の染着性に優れ、記録画
像の保存性が良好であることなどが要求されることか
ら、従来塩化ビニル系樹脂などからなるもの、あるいは
基材シートの表面に、ポリ塩化ビニル及び/又は塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体などを含む昇華性染料受容層
を設けたものが賞用されてきた。しかしながら、近年、
塩化ビニル系樹脂は、焼却した際に環境汚染をもたらす
おそれがあることから、使用されない方向に進んでお
り、したがって、塩化ビニル系樹脂以外の基材シート表
面に、塩化ビニル系樹脂を含まない昇華性染料受容層を
設けたノンハロゲンタイプの熱転写受像シートが種々開
発されている。ところで、一般に、基材シート表面に樹
脂コーティング層を、樹脂含有塗工液を用いて形成させ
る場合、塗工方法としては、基材シートの材質やサイ
ズ、コーティング層の厚さ、塗工液の粘度や含まれる溶
媒の種類などに応じて、様々な塗工方法の中から、有利
な塗工方法が適宜選択され採用されている。この塗工方
法としては、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロ
ールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、コン
マコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフ
セット印刷法などが挙げられる。一方、塗工様式とし
て、予め所望形状に裁断された基材シート1枚毎に塗工
する枚葉式と、長尺の基材シートに塗工して巻取る巻取
り式(塗工後に所望形状に裁断する)とがあり、そして
枚葉式の場合には、通常塗工方法として、スクリーン印
刷法およびオフセット印刷法が採用される。しかしなが
ら、樹脂含有塗工液が、希釈剤の主成分として蒸発速度
の速い易揮発性有機溶剤、例えば沸点が120℃程度以
下のものを含む場合、枚葉式でスクリーン印刷法や、オ
フセット印刷法により塗工すると、印刷が不連続となる
ため、印刷と印刷との間で塗工液が乾燥して、スクリー
ンに目詰まりを起こしたり、ロール表面で塗工液が糸を
引くなどのトラブルが発生しやすく、生産性が悪いとい
う問題が生じる。熱転写受像シートを作製する場合、通
常易揮発性有機溶剤、例えばトルエンやメチルエチルケ
トンのような沸点が低く、蒸発速度が速い有機溶剤に、
所定の樹脂及び所望により各種添加成分を加えて塗工液
を調製し、基材シート表面に巻取り式により、前述の各
種塗工方法を用いて、厚さ1〜20μm程度の昇華性染
料受容層を形成させたのち、所望形状に裁断する方法が
用いられている。しかしながら、はがきタイプ、ステッ
カータイプ、カードタイプ、名刺タイプなどの熱転写受
像シートを、枚葉式で昇華性染料受容層を形成すること
により、作製する必要がある場合には、受容層形成用塗
工液が、通常易揮発性有機溶剤を希釈剤として含むため
に、前述したように枚葉式で染料受容層を生産性よく形
成することは極めて困難である。最近、すでにある種の
機能が付与されたカードに対し、さらに別の機能を付与
することが行われてきており、その一つとして、磁気
層、光記録層、ICチップなどを内蔵したカード表面の
一部又は全面に昇華性染料受容層を設け、昇華型熱転写
方式により、顔写真などをプリントし、カード持主の本
人であるかどうかを識別することが注目されている。こ
の場合、枚葉式で昇華性染料受容層の形成を行うのが都
合のよいことがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、基材シートの少なくとも片面に、枚葉式
の塗工方法により昇華性染料受容層を、生産性よく形成
したものであって、昇華型熱転写方式にて画像形成を行
うのに使用される熱転写受像シートを提供することを目
的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造の
枚葉式塗工装置を用い、所望形状の基材シート1枚毎
に、その表面全体にわたり、昇華性染料受容層を形成さ
せることにより、その目的を達成しうることを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、(1)所望形状の基材シートの少なくと
も一方の面全体にわたり、昇華性染料受容層を有する熱
転写受像シートにおいて、(A)下面に細帯状の開口部
を有する箱状容器と、該容器内に収容され、かつ上記開
口部から突出するように配設された染料受容層形成用塗
工液含浸用材と、箱状容器上面に設けられた染料受容層
形成用塗工液供給機構とを有する、垂直方向に移動可能
な塗工用部材、及び(B)上面に被塗工基材シートを載
置固定してその表面に染料受容層形成用塗工液を塗工す
るために該被塗工基材シートを上記塗工用部材の直下に
搬送すると共に、塗工ずみ基材シートをストッカーに搬
入するための、水平方向に移動可能で、かつ基材シート
の着脱が自在な基材シート固定用部材を主構成要素とす
る枚葉式塗工装置を用い、基材シート1枚毎に、その少
なくとも一方の面全体に上記塗工用部材の箱状容器下面
の開口部に配設された染料受容層形成用塗工液含浸用材
の下側面を接触させて、上記昇華性染料受容層を形成さ
せたことを特徴とする熱転写受像シート、(2)染料受
容層形成用塗工液が、希釈剤の主成分として、易揮発性
有機溶剤を含むものである第(1)項記載の熱転写受像シ
ート、及び(3)基材シートが情報記録機能をもつカー
ド基材である第(1)又は(2)項記載の熱転写受像シー
ト、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写受像シートにおけ
る基材シートとしては、特に制限はなく、該受像シート
の使用目的などに応じて適宜選択することができる。材
質としては、例えば上質紙、コート紙、アート紙、キャ
ストコート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチ
レンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート
紙、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエチ
レンテレフタレートのようなポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリメタクリレート、ポリカーボネー
トなどのプラスチックシート、さらにはこれら材料を、
ドライラミネート法、ウエットラミネート法、溶融ラミ
ネート法などの公知の方法により2種以上積層してなる
多層積層シートなどが挙げられる。これらの中で、ポリ
エチレンテレフタレートシートが好ましく、特に二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートシートが好適である。基
材シートの塗工面がプラスチックからなるものである場
合、形成する染料受容層との密着性を向上させるため
に、所望により、該塗工面に酸化法や凹凸化法などの表
面処理、あるいはプライマー層を施すことができる。上
記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処
理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射
処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えば
サンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これ
らの表面処理法は基材シートの種類に応じて適宜選ばれ
るが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性など
の面から、好ましく用いられる。一方、プライマー層の
形成に用いられるプライマーとしては特に制限はなく、
従来公知のもの、例えばアクリル系、ポリエステル系、
ポリウレタン系、シリコーン系、ゴム系などのプライマ
ーを用いることができるが、耐久性及び密着性などの点
から、アクリル系及びポリエステル系プライマーが好適
である。このプライマー層の厚さは、0.1〜10μmの
範囲が、均質な塗布性及び密着性などの点から好適であ
る。基材シートのサイズ及び厚さとしては、特に制限は
なく、熱転写受像シートの使用目的に応じて適宜選択す
ることができ、規格化されたサイズとしては、例えばは
がきサイズ、カードサイズ、名刺サイズなどがある。ま
た、厚さは、通常50〜800μmの範囲で適宜選ばれ
る。本発明の熱転写受像シートにおいては、この基材シ
ートとして、特定の機能を付与したもの、例えば磁気
層、光記録層、ICチップなどを内蔵した情報記録機能
をもつカード基材を用いることができる。
【0006】本発明の熱転写受像シートは、所望形状の
基材シートの少なくとも一方の面全体にわたり、昇華性
染料受容層を有するものであって、上記昇華性染料受容
層の形成に用いられる塗工液としては、昇華性染料受容
層形成用として、従来公知のものを用いることができ
る。この塗工液に用いられる樹脂成分としては、例えば
ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポ
リエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステルやポリメタク
リル酸エステルなどのアクリレート系樹脂、セルロース
誘導体、ポリビニルアルコール、ポリスチレン系樹脂、
ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンオキシ
ド、ポリビニルエーテル、ポリアクリロニトリル、α−
オレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、アイ
オノマー樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタンなどが挙げ
られる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。また、所望により用いられる
添加成分としては、例えば架橋性樹脂を用いる場合に
は、各種架橋剤や触媒が好ましく用いられ、さらに、一
般的には、昇華性染料受容層の滑性を上げ、熱転写記録
時における熱転写受像シートと熱転写体(熱転写リボ
ン)との融着を防止するための離型剤、耐光性、耐暗退
色性、染着性などを向上させる化合物、紫外線吸収剤や
光安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、帯電防止剤、シリ
カ、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの白色系無機充填
剤、蛍光染料、可塑剤などを用いることができる。上記
離型剤としては、例えばシリコーンオイル、フッ素シリ
コーンオイル、エポキシ変性、アミン変性、アルコール
変性、ポリエーテル変性などの変性シリコーンオイルな
どのシリコーンオイル系、流動パラフィンなどの石油
系、パラフィンワックスやポリエチレンワックスなどの
ワックス系などが挙げられる。また、耐光性、耐暗退色
性、染着性などを向上させる化合物としては、例えば
(メタ)アクリルアミドと他の共重合可能なモノマーとの
共重合体、具体的には(メタ)アクリルアミド/スチレン
/(メタ)アクリル酸共重合体など、さらには芳香族多塩
基酸、脂肪族多塩基酸、脂環式多塩基酸などと、脂肪族
アルコール、脂環式アルコール、フェノール類などとの
エステル化物、脂肪族ウレタン化合物、芳香族ウレタン
化合物などが挙げられる。
【0007】紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、サ
リチレート系、シュウ酸アニリド系などを、光安定剤と
しては、ヒンダードアミン系化合物などを用いることが
できるが、低分子型のものは、ブロッキングやブリード
アウトなどの問題が生じる場合があるため、高分子型の
紫外線吸収剤や光安定剤が好ましい。酸化防止剤として
は、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系のもの
などが用いられる。一方、有機溶剤としては、特に制限
はないが、例えばトルエンとメチルエチルケトンとの混
合物などの易揮発性有機溶剤が好ましく用いられる。こ
の染料受容層形成用塗工液における固形分濃度として
は、該塗工液が良好な塗工性を有するように選定すれば
よく、特に制限はないが、通常5〜30重量%の範囲で
選ばれる。また、本発明の熱転写受像シートにおける昇
華性染料受容層の厚さは、通常0.5〜20μmの範囲
で選定される。本発明の熱転写受像シートにおいては、
昇華性染料受容層の形成に、特定構造の枚葉式塗工装置
が用いられる。この枚葉式塗工装置は、(A)垂直方向
に移動可能な塗工用部材と、(B)水平方向に移動可能
で、かつ基材シートの着脱が自在な基材シート固定用部
材を、主構成要素とするものである。
【0008】次に、本発明で用いる枚葉式塗工装置につ
いて、添付図面に従って説明する。図1は、本発明で用
いる枚葉式塗工装置の1例の概略斜視図であり、図2
は、上記塗工装置における染料受容層形成用塗工液含浸
用材(以下、単に塗工液含浸用材と称すことがある)の
1例の構成を示す斜視図である。図1で示すように、本
発明で用いる枚葉式塗工装置における塗工用部材1は、
下面に細帯状の開口部8を有する箱状容器4と、該容器
4内に収容され、かつ上記開口部8から突出するように
配設された塗工液含浸用材5と、箱状容器4の上面に設
けられた染料受容層形成用塗工液供給機構(以下、単に
塗工液供給機構と称すことがある)6とを有し、かつ垂
直方向に移動可能である。上記塗工液含浸用材5は、塗
工液供給機構6から、手動又は自動で供給される染料受
容層形成用塗工液を効率よく含浸させうると共に、その
下側面に接触する基材シート表面に良好に塗工しうるこ
とが肝要である。したがって、この塗工液含浸用材5と
しては、例えば図2で示されるように、アルミニウム板
などの金属系板状体からなる支持体9の周囲に、内側が
フェルトで、外側が不織布からなる塗工液含浸性積層材
料10で巻装された構造のものが好適である。そして、
この塗工液含浸用材5は、前記箱状容器4内に収容さ
れ、かつ塗工液含浸用材5の下側面11が、該箱状容器
4の開口部8から突出するように配設される。上記フェ
ルト及び不織布の材質としては、該塗工液に耐性を有す
るものであればよく、特に制限されず、各種繊維からな
るものを用いることができる。また、下面に細帯状の開
口部8を有する箱状容器4としては、軽量性、耐食性、
加工性、機械的性質などの点から、アルミニウム又はア
ルミニウム合金製のものなどが好ましく用いられる。上
記開口部8の形状及びサイズは、基材シートの表面に形
成しようとする昇華性染料受容層の形状及びサイズに応
じて、適宜決定される。
【0009】一方、本発明で用いる枚葉式塗工装置にお
ける基材シート固定用部材2は、上面7に被塗工基材シ
ート供給機構(図示せず)から送り出される被塗工基材
シート3を載置固定してその表面に染料受容層形成用塗
工液を塗工するために、該被塗工基材シート3を前記塗
工用部材1の直下に搬送すると共に、塗工ずみ基材シー
トをストッカー(図示せず)に搬入する機能を有するも
のであって、水平方向に移動が可能であり、かつ上記基
材シートの着脱が自在である。この基材シート固定用部
材2の上面7に、被塗工基材シート3を固定するには、
該固定用部材2を減圧にして、吸着固定させる方法が好
ましく、また、この場合、塗工ずみの基材シートをスト
ッカーに搬送し、格納するには、常圧に戻すことによ
り、該塗工ずみ基材シートを固定用部材2から離脱させ
ればよい。なお、基材シート固定用部材2は、その上面
7に、被塗工基材シート3を1枚載置固定してもよい
し、複数枚を適当な間隔をあけて載置固定してもよい。
この基材シート固定用部材2の材質としては特に制限は
ないが、例えば焼結金属などの多孔質材料を用いること
ができる。本発明においては、前述の枚葉式塗工装置に
おける箱状容器内に収容されている塗工液含浸用材に、
前記染料受容層形成用塗工液を該容器上面に設けられて
いる塗工液供給機構により、手動又は自動で供給して含
浸させる。そして、このようにして染料受容層形成用塗
工液を含浸させた塗工液含浸用材の下側面を、被塗工基
材シート1枚毎に、その表面に接触させることにより、
該基材シート表面の全面に塗布層を形成させる。基材シ
ート1枚毎に、その表面に該塗工液含浸用材の下側面を
接触させる方法としては、例えば、下記の方法を用いる
ことができる。まず基材シート固定用部材の上面に、被
塗工基材シート供給機構から送り出される被塗工基材シ
ートを塗工面が上になるように、例えば減圧法により、
1枚又は適当な間隔をあけて複数枚吸着固定させる。次
いで、この基材シート固定用部材を水平方向に移動させ
て、塗工用部材へ該基材シートを搬送させる。そして、
塗工しようとする基材シートが、塗工用部材の箱状容器
下面の開口部に配設された塗工液含浸用材下方の所定位
置に来た時点で該塗工用部材を下降させて、塗工液含浸
用材の下側面を該被塗工基材シート表面に接触させた状
態で、基材シート固定用部材を水平方向に移動させ続
け、染料受容層形成用塗工液を塗工する。この基材シー
トの塗工終了後、塗工用部材を上方へ移動させる。被塗
工基材シートを複数枚載置固定した場合には、上記操作
を各被塗工基材シートに対して繰り返す。そして、塗工
ずみ基材シートを固定したまま、基材シート固定用部材
を引き続き移動させたのち、該基材シート固定用部材を
常圧に戻し、塗工ずみ基材シートを離脱させ、ストッカ
ーに格納する。
【0010】このようにして、染料受容層形成用塗工液
が塗工された基材シートは、風乾や、加熱又は温風など
で乾燥処理することにより、所望の昇華性染料受容層が
形成される。本発明の熱転写受像シートにおいては、上
記昇華性染料受容層を、基材シートの一方の側の面のみ
に形成させた場合、該基材シートの反対側の面には、所
望により、印字や画像などの情報を記録してもよいし、
あるいは情報の記録及び消去が可能な可変情報記録層を
設けてもよい。前記のようにして、枚葉式で形成された
昇華性染料受容層を、少なくとも一方の側の全面に有す
る本発明の熱転写受像シートは、昇華型熱転写方式によ
る画像形成用受像シートとして、例えば以下に示すよう
に用いられる。すなわち、3色(イエロー、マゼンタ、
シアン)、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
ク)あるいは5色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ック、オーバラミネート)の昇華性染料層をそれぞれ含
むインク層を有する熱転写体(熱転写リボン)と本発明
の熱転写受像シートの昇華性染料受容層を重ね合わせ、
記録信号に応じて発熱するサーマルヘッドにより、該熱
転写体に熱印加することによって、そのインク層の昇華
性染料を染料受容層上に昇華移行させることにより、画
像を形成する。
【0011】上記熱転写体のインク層に用いる昇華性染
料としては、60℃以上で昇華するものが好ましく、例
えばC.I.ディスパースイエローの1,3,8,9,
16,41,54,60,77,116など、C.I.
ディスパースレッドの1,4,6,11,15,17,
55,59,60,73,83など、C.I.ディスパ
ースブルーの3,14,19,26,56,60,6
4,72,99,108など、C.I.ソルベントイエ
ローの77,176など、C.I.ソルベントレッドの
23,25,27など、C.I.ソルベントブルーの3
6,63,83,105などが挙げられる。これらの染
料は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。インク層は、上記昇華性染料を結着樹脂中に
溶解又は分散させて形成するのが一般的である。又、熱
転写記録時における熱転写受像シートとの融着を防止す
るための離型剤を用いることができる。該結着樹脂とし
ては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられ、その具
体例としては、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ
アミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、
ポリエステル、ポリウレタン、ニポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂、フッ素樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、
天然ゴム、合成ゴム、ポリビニルアルコール、セルロー
ス樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、あるい
はこれらの共重合体を用いてもよい。インク層の厚さは
0.5〜20μmが好ましく、熱転写感度から1〜10
μmが特に好ましい。また、インク層における昇華性染
料の濃度としては5〜80重量%が好ましく、さらには
熱転写体の熱感度、保存性から50〜80重量%が特に
好ましい。上記離型剤としては、例えばシリコーンオイ
ル、フッ素シリコーンオイル、エポキシ変性、アミン変
性、アルコール変性、ポリエーテル変性などの変性シリ
コーンオイルなどのシリコーンオイル系、流動パラフィ
ンなどの石油系、パラフィンワックスやポリエチレンワ
ックスなどのワックス系などが挙げられる。この熱転写
体の基体としては、一般にコンデンサーペーパー、ポリ
エステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリサルフ
ォンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアラミドフィ
ルムなどのフィルムが使用される。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 (1)染料受容層形成用塗工液の調製 トルエン/メチルエチルケトン混合物(重量比1/1)
400重量部、セルロースアセテートブチレート[コダ
ック社製、商品名:CAB500−5]100重量部、
ジエチルイソフタレート20重量部、スチレン/メタク
リル酸/メタクリルアミド共重合体(スチレン単位50
重量%、メタクリル酸単位40重量%、メタクリルアミ
ド単位10重量%)5重量部及びポリイソシアネート
[武田薬品工業(株)製、商品名:タケネートD−110
N]5重量部を均質に混合して染料受容層形成用塗工液
を調製した。 (2)染料受容層の形成 表面に易接着処理が施されてなる厚さ175μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム[三菱化学ポリエステ
ル社製、商品名:ダイアホイルTシリーズ]を裁断し、
名刺サイズの大きさである91×55mmの基材シート1
0枚を用意した。各基材シートの一方の側の全面に、前
述の図1に示す塗工装置を用い、上記(1)で調製した塗
工液を下記の方法により枚葉式で塗工して、染料受容層
を形成させた。まず、上記(1)で調製した塗工液を、塗
工用部材1の塗工液含浸用材5に充分に含浸させたの
ち、基材シート固定用部材2の上面7に上記基材シート
3を1枚減圧法により吸着固定させ、次いで、基材シー
ト固定用部材2を水平方向に移動させて、塗工用部材1
へ該基材シート3を搬送させた。そして、被塗工基材シ
ート3が、塗工用部材1の塗工液含浸用材5の下方の所
定位置に来た時点で該塗工用部材1を下降させて、塗工
液含浸用材5の下側面を被塗工基材シート3の表面に接
触させた状態で、基材シート固定用部材2を水平方向に
移動させ続け、染料受容層形成用塗工液を塗工した。基
材シートの塗工終了後、塗工用部材1を上方へ移動させ
ると共に、塗工ずみ基材シートを固定したまま、基材シ
ート固定用部材2を所定位置まで引き続き移動させたの
ち、該基材シート固定用部材2を常圧に戻し、塗工ずみ
基材シートを離脱させた。残りの9枚の基材シートにつ
いても、それぞれ上記と同様にして塗工処理を施した。
次に、このようにして、塗工処理された各基材シートを
80℃で乾燥処理して、昇華性染料受容層を形成させ、
熱転写受像シートを作製した。その結果、各基材シート
には、いずれも一方の側の全面に厚さ約2μmの均一で
平坦な染料受容層が形成されており、そのばらつきはほ
とんど認められなかった。 (3)昇華転写による画像形成 市販の昇華型プリンターを用い、画像データに基づく顔
写真パターンを、上記(2)で作製した10枚の熱転写受
像シートにプリントしたところ、この顔写真パターン
は、通常のカラー写真に匹敵する画質の良好なものであ
った。
【0013】比較例1 実施例1において用いたものと同じ10枚の基材シート
の一方の側の全面に、実施例1で調製した塗工液を用い
て、スクリーン印刷法により、枚葉式で連続的に塗工し
ようとしたが、最初の1枚は良好な塗工層が形成された
が、2枚目以降は、スクリーンの目詰まりにより、均質
な塗工層が得られず、実用にたえる染料受容層は形成さ
れなかった。 実施例2 (1)染料受容層の形成 磁気層とその上に設けられた隠蔽層を裏面に有し、かつ
厚さが250μmで、サイズが85×54mmのポリエチ
レンテレフタレート製の情報記録機能をもつカード基材
10枚を用意した。各カード基材の隠蔽層と反対側表面
の全面に、実施例1で調製した塗工液を用い、実施例1
と同様にして昇華性染料受容層を形成し、10枚の熱転
写受像カード基材を作製した。その結果、各カード基材
には、いずれも一方の側の全面に、厚さ約2μmの均一
で平坦な昇華性染料受容層が形成されており、そのばら
つきはほとんど認められなかった。 (2)昇華転写による画像形成 (株)ニスカ製の昇華型カードプリンター[商品名:PR
−5200]を用い、画像データに基づく顔写真パター
ンを、上記(1)で作製した10枚の熱転写受像カード基
材にプリントし、顔写真入り磁気カードを作製した。該
顔写真パターンは、通常のカラー写真に匹敵する画質の
良好なものであった。
【0014】
【発明の効果】本発明の熱転写受像シートは、基材シー
トの少なくとも片面に、特定の塗工装置により、枚葉式
で昇華性染料受容層を生産性よく形成したものであっ
て、昇華型熱転写方式にて画像形成を行う場合の受像シ
ートとして用いられる。本発明の熱転写受像シートを用
いることにより、通常のカラー写真に匹敵する画質の良
好な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の熱転写受像シートにおいて、
昇華性染料受容層の形成に用いられる枚葉式塗工装置の
1例の概略斜視図である。
【図2】図2は、上記図1の塗工装置における樹脂含有
塗工液含浸用材の1例の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 塗工用部材 2 基材シート固定用部材 3 被塗工基材シート 4 箱状容器 5 染料受容層形成用塗工液含浸用材 6 染料受容層形成用塗工液供給機構 7 基材シート固定用部材の上面 8 箱状容器の開口部 9 支持体 10 塗工液含浸性積層材料 11 塗工液含浸用材の下側面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野澤 崇 東京都中央区日本橋室町1−6−3 ソニ ーケミカル株式会社内 (72)発明者 川村 治 大阪府大阪市西区新町一丁目1番17号 長 瀬産業株式会社内 Fターム(参考) 2H111 AA01 AA27 CA03 CA12 CA25 DA01 DA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所望形状の基材シートの少なくとも一方の
    面全体にわたり、昇華性染料受容層を有する熱転写受像
    シートにおいて、(A)下面に細帯状の開口部を有する
    箱状容器と、該容器内に収容され、かつ上記開口部から
    突出するように配設された染料受容層形成用塗工液含浸
    用材と、箱状容器上面に設けられた染料受容層形成用塗
    工液供給機構とを有する、垂直方向に移動可能な塗工用
    部材、及び(B)上面に被塗工基材シートを載置固定し
    てその表面に染料受容層形成用塗工液を塗工するために
    該被塗工基材シートを上記塗工用部材の直下に搬送する
    と共に、塗工ずみ基材シートをストッカーに搬入するた
    めの、水平方向に移動可能で、かつ基材シートの着脱が
    自在な基材シート固定用部材を主構成要素とする枚葉式
    塗工装置を用い、基材シート1枚毎に、その少なくとも
    一方の面全体に上記塗工用部材の箱状容器下面の開口部
    に配設された染料受容層形成用塗工液含浸用材の下側面
    を接触させて、上記昇華性染料受容層を形成させたこと
    を特徴とする熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】染料受容層形成用塗工液が、希釈剤の主成
    分として、易揮発性有機溶剤を含むものである請求項1
    記載の熱転写受像シート。
  3. 【請求項3】基材シートが情報記録機能をもつカード基
    材である請求項1又は2記載の熱転写受像シート。
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