JP2001121696A - インクジェット記録装置の製造方法 - Google Patents

インクジェット記録装置の製造方法

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JP2001121696A
JP2001121696A JP30735099A JP30735099A JP2001121696A JP 2001121696 A JP2001121696 A JP 2001121696A JP 30735099 A JP30735099 A JP 30735099A JP 30735099 A JP30735099 A JP 30735099A JP 2001121696 A JP2001121696 A JP 2001121696A
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ink
needle
holder
ink jet
recording head
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JP30735099A
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Akihiko Kadowaki
昭彦 門脇
Koji Yoshizawa
孝二 吉澤
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホールダと針付部材とを十分な気密性と接着強
度とを確保し且つ量産性よく接着シールする方法を確立
し、安価で、インク吐出特性と信頼性とに優れたインク
ジェット記録装置を提供する。 【解決手段】接着シール材として加熱硬化型シリコーン
樹脂を使用し、この樹脂を針付部材3aの接着シール塗布
面37にスクリーン印刷で塗布し硬化させた後、再度、そ
の表面にこの樹脂をスクリーン印刷で塗布し、針付部材
3aとホールダ2aとを接合一体化する。針付部材3aの材料
にはポリカーボネート樹脂が最適であり、ホールダ2aの
材料にはポリフェニレンエーテル樹脂が最適である。な
お、ホールダ2aには、接合時の気泡を逃がすための空気
抜き孔26が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクを小滴と
してノズルから吐出させて記録するインクジェット記録
装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微細なノズルよりインクを吐出させて紙
等の記録媒体上に付着させて記録する方法は、インクジ
ェット記録法として、従来より知られている。その原理
の一つとして、オンデマンド型インクジェット記録ヘッ
ドを用いたインクジェット記録装置がある。
【0003】図2は、この方式のインクジェット記録ヘ
ッド(以下では単に記録ヘッドという)を用いたインク
ジェット記録装置(以下では単に記録装置という)の一
部の構造を示し、(a)は長さ方向の断面図、(b)は
幅方向の断面図である。図2に示されている部分は、記
録ヘッド本体11とこれを囲んで保護する補助板12とから
なる記録ヘッド1と、記録ヘッド本体11へインクを導
き、且つインク経路中にフィルタを備えたホールダ2
と、インクカートリッジからインクを導出して記録ヘッ
ド本体11へインクを供給するためのインク供給針36付き
の針付部材3とで構成されている。以下ではこれらを総
称して記録ヘッド組立体という。
【0004】記録ヘッド本体11は、流路基板111 と振動
板112 と圧電素子113 とで構成されている。流路基板11
1 の両面には、インク供給路1111からインク加圧室1112
を経てノズル1113に至るインク流路となる複数の溝が形
成されている。この流路基板111 の両面に振動板112 が
接合一体化されて、インク流路が形成され、インク加圧
室1112に対応する振動板112 の表面に圧電素子113 が接
着剤で接合されている。フレキシブルプリント板8は圧
電素子113 に電気信号を入力する部材であり、圧電素子
113 に接続される部分には、予めはんだメッキが施さ
れ、且つフォーミングされて先端側には若干のばね性が
付与されている。フレキシブルプリント板8は、このば
ね性で圧電素子113 に押圧させた状態で加熱されて、圧
電素子113の所定の位置にはんだ付けされる。
【0005】圧電素子113 へのフレキシブルプリント板
8のハンダ付けは、補助板12に記録ヘッド本体11を挿入
した後、記録ヘッド本体11にフレキシブルプリント板8
を嵌め込んで、補助板12で位置決めされた状態で実行さ
れる。フレキシブルプリント板8を介して圧電素子113
に所定のパルス電圧が印加されると、圧電素子113 が伸
縮して振動板112 を振動させ、インク加圧室1112内の体
積を急激に変化させてインクを加圧し、ノズル1113から
インクを液滴として吐出させる。この際のインクの戻り
を防止してインクを効率よく吐出させるために、インク
供給路1111は細く絞られている。多数のインク供給路11
11が3つのグループに分割されているのは、3色のイン
クを使い分けるためである。
【0006】図2に示されている記録ヘッド本体11に
は、片面に30のノズル1113があり、それらの間隔は508
μm である。また、表裏のノズルは300dpiの解像度に相
当する85μm だけずらされており、表裏合わせて60のノ
ズルが備えられている。記録ヘッド組立体のインク供給
系であるホールダ2及び針付部材3は、型抜きの都合や
フィルタ取り付けのため、一体に形成することができ
ず、別々の部品として作成された後、一体に組み立てら
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来より、プラスチッ
ク材料同志を気密に接合(接着シール)する方法として
は、超音波接合、フィルム状ホットメルト型接着剤によ
る接合、接着シール材の注入による接着シール等の方法
が、用途に応じて使い分けられて実用化されてきてい
る。しかし、ホールダ2と針付部材3との接着シールに
実用するためには、それぞれに下記のような問題点があ
る。
【0008】超音波接合の問題点は、(1) 超音波で溶融
させた際に異物が発生する。(2) 接合面が複雑な形状の
部材には不向きである。(3) 接合面の裏面が平面でなけ
ればならない等である。フィルム状ホットメルト型接着
剤による接合の問題点は、接着時に必要な印加圧力が非
常に大きく、接合部材の変形等の制約から決まる印加圧
力では十分な接着性を得ることが難しい、ということで
ある。
【0009】接着シール材の注入による接着シール(例
えば、湿気硬化型シリコーン樹脂による接着シール)の
場合は、必要な機能を確保することはできるので、従来
の接着シールには採用されている。しかし、この接着シ
ール材は、流動性が乏しく、ディスペンサで注入しなけ
ればならないので、作業性及び量産性が悪く、硬化に長
時間を必要として、工数が非常に多くなることが問題点
である。特に、図1に示したように、インクの通路が複
雑になると、接着シール材を注入するためのスペースを
確保することも困難となる。
【0010】以下に、図1について更に詳しく説明す
る。ホールダ2aには、図2の場合と同じ機能である3色
のインクを供給する部分に加えて、黒色のインクを供給
する部分が追加されている。3色用の部分は、左側の3
つのインク通路21で、それぞれが接着シール材によって
分離されている。黒色用の部分は右側の3連のインク通
路21である。左側の3つのインク通路に対応して1つの
記録ヘッド本体が取り付けられ、同様に右側の3つのイ
ンク通路に対応して別の記録ヘッド本体が取り付けられ
る。左右にあるそれぞれ4つの接着シール注入孔22は、
記録ヘッド本体とホールダ2aとの間を接着シールする接
着シール材の注入に使用される。これらの接着シール注
入孔22とは別に、インク通路21間を分離する接着シール
材を注入するための2つの接着シール材注入孔24が、左
側のインク通路21間に形成されている。この2つの接着
シール材注入孔24に接着シール材が注入されることによ
って、3つのインク通路21が分離されて、それぞれのイ
ンクが混合しないようになる。
【0011】針付部材3aには、図の裏側にあるので図示
されていない4本のインク供給針が対角線上に等間隔で
配置されており、その開口部が図1ではインク通路31と
して示されている。インク供給針が対角線上配置されて
いるのは、ダンパやインクカートリッジを配置するため
に必要なインク供給針間の距離(例えば、20mm)を確保
するためである。インク通路31として示されているイン
ク供給針の開口部から、インク流路溝35が、それぞれの
ホールダ2aのインク通路21に対応する位置まで形成され
ており、針付部材3aとホールダ2aとが一体化された時
に、インク流路を形成する。ホールダ2aの接着シール材
注入孔22に対応して、左右それぞれ4つずつの接着シー
ル材注入孔32が形成されており、更に、ホールダ2aの接
着シール材注入孔24に対応して、2つの接着シール材注
入孔34が形成されている。
【0012】図1に示されているように、針付部材3aの
インク供給針の位置が、ホールダ2aのインク通路21と異
なる位置に形成される場合には、針付部材3aにインク流
路溝35が形成される。そのために、接着シール材が注入
されてホールダ2aと針付部材3aとを接着シールするため
の溝は、ホールダ2aのインク通路21に加えて針付部材3a
のインク供給溝35及びインク通路31(インク供給針の開
口部)を囲むように形成されることが必要となり、結果
として、その溝の形状が複雑となり、接着シール材の注
入が面倒な作業となり、更には、そのスペースを確保す
ることが難しい場合も生じる。
【0013】更に、形状の複雑な針付部材は、その平面
度が悪く、面の凹凸も大きい。実測結果によると、50μ
m 程度のそりや凹凸(以下では平面度で代表する)が存
在し、接着シール時にはこれらを配慮することも必要で
ある。この発明の課題は、以上のような従来技術による
針付部材とホールダとの接着シールの問題点を解消し
て、十分な気密性と接着強度とを有し、且つ作業性がよ
い両部材の接着シール法を確立して、安価で、インク吐
出特性と信頼性とに優れた記録装置を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明の発明者は、スクリーン印刷によって接
着シール材を塗布して接合一体化することが望ましいと
考え、各種のシリコーン接着シール材についてその適否
を検討した。 〔湿気硬化型シリコーン接着シール材〕アルコール型、
オキシム型及び酢酸型の3種類がある。一般に、副生物
が発生し、スクリーン印刷には使用し難く(作業中にス
クリーンメッシュに付着した接着シール材が硬化するた
め)、硬化のためには湿気が必要であるため、硬化時間
が非常に長く量産には不向きである。特に、狭い間隔で
面同志を接合する場合には、湿気の供給のためにより長
い硬化時間が必要となる。オキシム型は、銅系金属を腐
食し、ポリカーボネート樹脂に対してソルベントクラッ
クを発生する等の問題点をもっている。酢酸系は、金属
を腐食し、非流動性の製品しかない。従来技術において
は、アルコール型がディスペンサによる注入方式によっ
て使用されている。
【0015】〔紫外線硬化型シリコーン接着シール材〕
部品が透明でなければならないため、この発明の目的に
は合致しない。 〔加熱硬化型シリコーン接着シール材〕上記2種に比べ
て、この型のシリコーン接着シール材は、下記のよう
な、優れた特長をもっており、本発明の課題の達成に有
効と考えられる。 (1) 短時間でゴム状に硬化する。 (2) 密閉構造であっても確実に硬化する。 (3) 金属に対する腐食性がない。 (4) 硬化後の耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れてい
る。 (5) 各種環境下で、優れた接着性を維持する。 (6) 常温においては、タックフリータイムが非常に長
い。
【0016】表1は、この発明の発明者がこのような加
熱硬化型シリコーン接着シール材及び湿気硬化型シリコ
ーン接着シール材と各種プラスチック材料との密着性を
調査した結果を示したものである。
【0017】
【表1】 この調査結果によれば、同じ材料の場合でもグレードに
よって、その接着性が著しく異なることが分かる。この
調査結果より、下記の接着シール材がこの発明の課題を
達成するのに最適であると判断した。
【0018】 メーカ :東芝シリコーン株式会社 材質 :シリコーン 製品名 :TSE3221 硬化反応 :加熱 粘度 :550 P(25℃) タックフリータイム:特に制限なし 使用温度範囲 :−55℃〜 200℃ また、ホールダ材料としては、接着シール材に対する密
着性に優れ、且つ気泡の滞留が発生し易いインク通路の
内面をオゾン処理で優れたインク濡れ性に処理できるポ
リフェニレンエーテル樹脂のザイロンG020H が最適であ
り、針付部材としては、接着シール材に対する密着性に
優れ、且つ透明なポリカーボネート樹脂のユーピロンN5
R が最適であると判断した。針付部材が透明であると、
接着シール状態やインク通路内に滞留している気泡の有
無等が目視でチェックできるので非常に有効である。
【0019】以上の調査検討結果に基づいて、この発明
による記録装置の製造方法は以下のように構成されてい
る。この発明による記録装置の製造方法は、インクをイ
ンク滴として吐出する記録ヘッド本体と、記録ヘッド本
体を保護し支持する補助板と、記録ヘッド本体を保持
し、記録ヘッド本体へインクを導くホールダと、インク
カートリッジからインクを導出して、ホールダを介して
記録ヘッド本体へインクを供給するためのインク供給針
付きの針付部材とを備え、各部材間が接着シール材によ
って気密に接合され、吐出されたインク滴で記録媒体上
に記録する記録装置の製造方法であって、ホールダと針
付部材との気密接合に使用される接着シール材が加熱硬
化型シリコーン樹脂であり、このシリコーン樹脂が、両
部材の接合面の両方または片方にスクリーン印刷で塗布
されて硬化された後、再び、両部材の接合面の両方また
は片方にスクリーン印刷で塗布されて、両部材が接合一
体化される(請求項1の発明)。
【0020】加熱硬化型シリコーン樹脂の一度目の塗布
・硬化は上面開放状態で硬化されるので、空気が塗布層
内に残留することがなく、加熱硬化型シリコーン樹脂と
の接着性が十分ではない部材に対しても確実な密着状態
を確保することができ、更に、塗布される面の平面度が
悪くても、加熱硬化型シリコーン樹脂の塗布領域内での
流動平坦化によって平面度が改善される。このように密
着状態が確保され平面度が改善された一度目の塗布面
に、加熱硬化型シリコーン樹脂の二度目の塗布が実行さ
れるので、確実な接着シール状態が得られる。
【0021】請求項1の発明において、ホールダの材料
がポリフェニレンエーテル樹脂であり、針付部材の材料
がポリカーボネート樹脂であり、加熱硬化型シリコーン
樹脂を塗布されるのが針付部材である(請求項2の発
明)。この材料選定は、表1に示した調査結果に基づく
ものであり、上述したように、ホールダ及び針付部材の
材料選定としては最適の材料選定である。また、ホール
ダに比べて形状の複雑な針付部材の方が平面度が悪いの
で、針付部材の方に接着シール材が塗布されることによ
って、平面度が改善される。
【0022】請求項1の発明または請求項2の発明にお
いて、ホールダには多数の空気抜き孔が形成されている
(請求項3の発明)。ホールダに形成された多数の空気
抜き孔を通って、両部材の接合時に両部材間に取り込ま
れる空気が接着シール部から放出される。なお、一般
に、接着性が悪い部材を接合する場合には、プライマー
処理を施すことが多い。しかし、プライマーがインク流
路溝35等に流れ込まないようにスクリーン印刷すること
が、その低い粘度から判断して、不可能であるため、ホ
ールダ2aと針付部材3aとの接合にプライマー処理を適用
することは困難である。
【0023】
【発明の実施の形態】この発明による記録装置の製造方
法の実施の形態について実施例を用いて説明する。な
お、従来技術と同じ機能の部分には同じ符号を用いた。
図1は、実施例を説明するための、ホールダと針付部材
との斜視図である。図1は、既に「発明が解決しようと
する課題」の項で説明したように、3色+黒色のインク
を吐出して記録する記録ヘッドにインクを供給するホー
ルダ2a及び針付部材3aである。針付部材3aのインク供給
針の位置が、ホールダ2aのインク通路21と異なる位置
(針付部材3aの接合面の対角線上)に形成されており、
それぞれの色に対応するインク供給針の開口部(図1で
はインク通路31として図示)からホールダ2aのインク通
路21相当位置までは、それぞれにインク流路溝35が形成
されている。したがって、ホールダ2aと針付部材3aとの
接着シールは、それぞれのインク通路が独立するように
実施されることが必要である。
【0024】この実施例においては、加熱硬化型シリコ
ーン樹脂を接着シール材として用い、この樹脂をスクリ
ーン印刷によって針付部材3aの接合面(図1に接着シー
ル材塗布面37と図示)に塗布することをベースとして、
ホールダ2aと針付部材3aとを接着シールした。針付部材
3aの接着シール材塗布面37に樹脂をスクリーン印刷する
ためには、接着シール材塗布面37に突起部を設けないこ
とが必要であるから、ホールダ2aとの位置決めのための
ぴんをホールダ2a側に設け、針付部材3a側には位置決め
ぴん穴を設けている。なお、ホールダ2aの材料は、前述
のポリフェニレンエーテル樹脂のザイロンG020H であ
り、針付部材3aの材料は、前述のポリカーボネート樹脂
のユーピロンN5R である。
【0025】使用した加熱硬化型シリコーン樹脂は、前
述の東芝シリコーン株式会社製のシリコーンTSE32
21である。この樹脂は、タックフリータイムに制限が
なく粘度が550 P(25℃) であるので、スクリーン印刷
に適している。スクリーンとしては、メッシュ数が♯15
0 (厚さ約50μm )で、乳剤厚が30μm のものを使用し
た。印刷パターンの設計に際しては、ホールダ2aのイン
ク通路21や針付部材3aのインク流路溝35及びインク通路
31等の樹脂が流入してはならない部分に対して、印刷部
を150 μm 以上離して設計し、これらの部分への樹脂の
流入防止を配慮した。参考までに、スクリーン印刷に適
した粘度は、100 〜10,000Pである。
【0026】更に、ホールダ2aには、接合時にホールダ
2aと針付部材3aとの接合面間に取り込まれる空気を逃が
すための空気抜き孔26を、気密上問題にならない部分全
てに約4mm間隔で形成した。空気抜き孔26をホールダ2a
に形成するのは、樹脂が針付部材3a側に塗布されること
と、ホールダ2aの表面は外部に出ないためである。以下
に、ホールダ2aと針付部材3aとの接着シール工程を説明
する。 (1) 針付部材3aの接着シール材塗布面37に、前記樹脂を
スクリーン印刷で塗布する。なお、樹脂がスクリーン印
刷される部材は、接着性が悪い部材または平面度が悪い
部材とすることが肝要である。この実施例の場合は、針
付部材3aの方がホールダ2aに比べて平面度が悪いので、
針付部材3aに樹脂を塗布する。 (2) 印刷したまま5分間放置し、印刷時に樹脂内に取り
込まれた気泡を消滅させる。気泡は樹脂内を上昇して表
面で消滅する。 (3) 加熱炉に入れて塗布した樹脂層を加熱して硬化させ
る。熱処理のプロフィールは、1時間かけて80℃まで昇
温し、80℃で1時間保持する。この条件では硬化は不十
分であるが、もはや流動しない程度までに硬化してい
る。その後、1時間かけて120 ℃まで昇温し、120 ℃で
3時間保持して、十分に硬化させる。このように2段階
に加熱するのは、加熱による粘度の急激な低下によっ
て、流動して空気を巻き込み接着シール層中に気泡を取
り込むことやインク流路溝35等へ流入することを防止す
るためである。なお、最高温度は、接合される部材の耐
熱性を配慮して決定される必要があることは言うまでも
ない。また、この加熱の際に0.1〜0.2 気圧程度まで減
圧すると、接着シール層中の気泡をより少なくすること
ができる。
【0027】この工程による樹脂層の形成によって、例
えば、針付部材3aの平面度が最大50μm であったもの
が、最大30μm 以下にまで低減した。なお、この針付部
材3aの接合面積は約10cm2 である。 (4) 再度、針付部材3aの接着シール材塗布面37に、前記
樹脂をスクリーン印刷で塗布する。 (5) この塗布面37上にホールダ2aを載せ、加圧治具を用
いて接合面に面圧1.57×105 Paを印加する。 (6) 再度、加熱炉に入れて塗布した樹脂層を加熱して硬
化させ、ホールダ2aと針付部材3aとを一体化する。 (7) 加熱炉から取り出し、十分に温度が下がってから加
圧治具を取り外す。
【0028】以上の工程で一体化されたホールダ2a及び
針付部材3aは、気密性に優れ、インクの通路内への接着
シール材のはみ出しもない。特に、部材が大面積化して
部材の平面度が悪くなった場合にも、この製造方法は平
面度を改善しながら接合するので、大面積化した部材に
対して特に有効である。更に、スクリーン印刷は量産性
に優れているので、この製造方法は量産に適している。
【0029】この実施例によって一体化したホールダ2a
及び針付部材3aを記録ヘッドと一体化して記録装置に組
み込んで、インクを充填し、インクの吐出特性等を調査
試験した結果、ホールダ2a及び針付部材3a内に気泡が残
留することがなく、優れたインク吐出特性を示した。上
記の実施例においては、針付部材3aの接合面だけに樹脂
を塗布したが、状況によっては、ホールダ2aの接合面に
も樹脂を塗布することがより効果的である場合もある。
また、部材の平面度の程度によって、スクリーンのメッ
シュ数や乳剤厚を変更することも必要であり、それに応
じて、インク流路溝35等とスクリーンのパターンとの距
離を見直すことも必要である。更には、工数は増加する
が、接合前の樹脂の塗布・硬化を複数回繰り返すことに
よって、非常に悪い平面度の部材を接着シールすること
も可能となる。
【0030】
【発明の効果】この発明によれば、この発明による記録
装置の製造方法は、インクをインク滴として吐出する記
録ヘッド本体と、記録ヘッド本体を保護し支持する補助
板と、記録ヘッド本体を保持し、記録ヘッド本体へイン
クを導くホールダと、インクカートリッジからインクを
導出して、ホールダを介して記録ヘッド本体へインクを
供給するためのインク供給針付きの針付部材とを備え、
各部材間が接着シール材によって気密に接合され、吐出
されたインク滴で記録媒体上に記録する記録装置の製造
方法であって、ホールダと針付部材との気密接合に使用
される接着シール材が加熱硬化型シリコーン樹脂であ
り、このシリコーン樹脂が、両部材の接合面の両方また
は片方にスクリーン印刷で塗布されて硬化された後、再
び、両部材の接合面の両方または片方にスクリーン印刷
で塗布されて、両部材が接合一体化される。
【0031】加熱硬化型シリコーン樹脂の一度目の塗布
硬化は上面開放状態で硬化されるので、空気が塗布層内
に残留することがなく、加熱硬化型シリコーン樹脂との
接着性が十分ではない部材に対しても確実な密着状態を
確保することができ、更に、塗布面の平面度が悪くて
も、加熱硬化型シリコーン樹脂の塗布領域内での流動平
坦化によって平面度が改善される。このように密着状態
が確保され平面度が改善された一度目の塗布面に、加熱
硬化型シリコーン樹脂の二度目の塗布が実行されるの
で、確実な接着シール状態が得られる。したがって、十
分な気密性と接着強度を有し、且つ作業性がよいホール
ダと針付部材との接着シール法が確立されて、安価で、
インク吐出特性と信頼性とに優れた記録装置を提供する
ことができる(請求項1の発明)。
【0032】請求項1の発明において、ホールダの材料
がポリフェニレンエーテル樹脂であり、針付部材の材料
がポリカーボネート樹脂であり、加熱硬化型シリコーン
樹脂を塗布されるのが針付部材である。この材料選定
は、表1に示した調査結果に基づくものであり、上述し
たように、ホールダ及び針付部材の材料選定としては最
適の材料選定である。また、ホールダに比べて形状の複
雑な針付部材の方が平面度が悪く面の凹凸も大きいの
で、針付部材の方に接着シール材が塗布されることによ
って、平面度や面の凹凸が改善される。したがって、十
分な気密性と接着強度を有し、且つ作業性がよいホール
ダと針付部材との接着シール法がより確実に確立される
(請求項2の発明)。
【0033】請求項1の発明または請求項2の発明にお
いて、ホールダには多数の空気抜き孔が形成されている
ので、両部材の接合時に両部材間に取り込まれる空気が
接着シール部から放出される。したがって、ホールダと
針付部材の接着シール性が更に向上する(請求項3の発
明)。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による記録装置の製造方法を説明する
ための、ホールダと針付部材との斜視図
【図2】従来技術による記録装置の1例の記録ヘッド組
立体の構造を示し、(a)は長さ方向の断面図、(b)
は幅方向の断面図
【符号の説明】
1 記録ヘッド 11 記録ヘッド本体 111 流路基板 1111 インク供給路 1112 インク加圧室 1113 ノズル 112 振動板 113 圧電素子 114 ノズル開口面 12 補助板 2, 2a ホールダ 21 インク通路 22 接着シール材注入孔 23 位置決めぴん 24 接着シール材注入孔 26 空気抜き孔 3, 3a 針付部材 31 インク通路 32 接着シール材注入孔 33 位置決めぴん穴 34 接着シール材注入孔 35 インク流路溝 36 インク供給針 37 接着シール材塗布面 41, 42 接着シール材 8 フレキシブルプリント板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクをインク滴として吐出するインクジ
    ェット記録ヘッド本体と、インクジェット記録ヘッド本
    体を保護し支持する補助板と、インクジェット記録ヘッ
    ド本体を保持し、インクジェット記録ヘッド本体へイン
    クを導くホールダと、インクカートリッジからインクを
    導出して、ホールダを介してインクジェット記録ヘッド
    本体へインクを供給するためのインク供給針付きの針付
    部材とを備え、各部材間が接着シール材によって気密に
    接合され、吐出されたインク滴で記録媒体上に記録する
    インクジェット記録装置の製造方法であって、 ホールダと針付部材との気密接合に使用される接着シー
    ル材が加熱硬化型シリコーン樹脂であり、 この加熱硬化型シリコーン樹脂が、両部材の接合面の両
    方または片方にスクリーン印刷で塗布されて硬化された
    後、再び、両部材の接合面の両方または片方にスクリー
    ン印刷で塗布されて、両部材が接合一体化されることを
    特徴とするインクジェット記録装置の製造方法。
  2. 【請求項2】ホールダの材料がポリフェニレンエーテル
    樹脂であり、針付部材の材料がポリカーボネート樹脂で
    あり、 加熱硬化型シリコーン樹脂を塗布されるのが針付部材で
    あることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録装置の製造方法。
  3. 【請求項3】ホールダには多数の空気抜き孔が形成され
    ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    のインクジェット記録装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013184803A (ja) * 2012-03-08 2013-09-19 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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