JP2001121327A - 円筒状ワークの内周用チャック - Google Patents

円筒状ワークの内周用チャック

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JP2001121327A JP30877699A JP30877699A JP2001121327A JP 2001121327 A JP2001121327 A JP 2001121327A JP 30877699 A JP30877699 A JP 30877699A JP 30877699 A JP30877699 A JP 30877699A JP 2001121327 A JP2001121327 A JP 2001121327A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内周の真円度の出ていない円筒状ワーク
の内周に倣った内周の支持が可能で、安定した確実な外
周の加工が可能となるとともに、加工後にワークを外し
ても、外周の真円度の出たワークが得られる円筒状ワー
クの内周チャックの提供を課題とする。 【解決手段】 開きヤトイ4の前端に固定され、開きヤ
トイ4のスリット4sにより分割形成された開きヤトイ
4の各セグメント4sgの位置に対応して放射状に複数
のガイド孔7ghを備えた円筒状のヤトイ7と、このヤ
トイ7の前記ガイド孔7ghのそれぞれに嵌挿され基端
に大径部8bを備えたピン8と、前記ヤトイ7の内面と
前記ピンの大径部8bとの間に装着され前記ピンを前記
開きヤトイ4の外面方向に常時付勢する圧縮ばね9と、
を備えることを解決手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状ワークの内
周用チャックに関し、特に内周の真円度が出ていない円
筒状ワークでも、外周加工後にチャックから外された外
周の真円度等加工精度の確保の可能な円筒状ワークの内
周用チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒状ワークの内周を工作機械の
主軸端に取り付けられ、円筒状ワークの内周を支持する
チャックとしては、一部縦断側面図である図3(a)及
び図3(a)のY−Y線矢視図正面図である図3(b)
に示すような開きヤトイが一般に用いられている。この
開きヤトイHYは、工作機械の主軸50の前端に螺合に
より固定されるフランジ51と、このフランジの前端面
に取り付けられる開きヤトイ部52と、この開きヤトイ
部52の後記の貫通孔53に貫挿される栓54と、この
栓54の後部に連結され前記フランジ51と前記主軸5
0に貫挿されて後端を主軸50内部に軸方向に移動可能
に設けられた継手56に連結されて前記栓54を軸方向
に進退させるドローバー55と、から主要部が構成され
る。
【0003】前記開きヤトイ部52は、前記フランジ5
1の前端の中空部51dにボルト52fbによって固定
され中心に貫通孔53dを備えるフランジ部52fと、
軸方向中央の薄肉小径部52sと、この薄肉小径部52
sの前端に連続しその外周で円筒状ワーク(図示せず)
を支持する厚肉大径のワーク支持部52wとからなり、
前記ワーク支持部52wの前端から前記小径部52sの
前記フランジ部52f側近辺まで、円周方向に等間隔で
複数(例えば6本)のスリット52slが設けられてい
る。
【0004】又、前記開きヤトイ部52の前記フランジ
部52fは、前記フランジ51の前端の中空部51dの
内周より僅かに小さな外径に形成され、この中空部51
dに嵌合されているが、前記フランジ51と前記フラン
ジ部52fとの芯出しのために、前記フランジ51の前
記中空部51dの周囲には円周方向に等間隔で3個以上
の雌ねじ付貫通孔(ボルト用貫通孔)51shが放射状
に穿設され、この雌ねじ付貫通孔(ボルト用貫通孔)5
1shのそれぞれにはボルト51bが、その先端が前記
開きヤトイ52のフランジ部52fの外周面に当接する
ようにねじ込まれている。
【0005】前記開きヤトイ部52は、先端の直管状の
孔53aと、これに続く円錐台形状のテーパ孔53b
と、これに続く直管状の栓ガイド孔53cと、これに続
く大径の孔53dとからなる貫通孔53をその中心に備
えている。
【0006】前記栓54は、先端に前記開きヤトイ部5
2の前記円錐台形状のテーパ孔53bの内面に摺接する
円錐台形状のテーパ付頭部54tと、これに続く直胴部
54bとから形成され、この直胴部54bには、その後
端から軸方向の一部に雌ねじ部54shが刻設された円
孔54hが穿設されている。そして、この円孔54hの
雌ねじ部54shに前記ドローバー55の先端の雄ねじ
部55fbがねじ込まれて連結され、このドローバー5
5は、前記フランジ51の中心の貫通孔51hに案内さ
れて軸方向後方へ延び、ドローバー55の後端の雄ねじ
部55bbが前記継ぎ手56の前端部のねじ孔56sh
にねじ込まれて連結され、ナット55nによって弛み止
めされている。
【0007】前記継ぎ手56はその外周の前半部を前記
主軸50の中心孔56hに貫挿され、キー57によって
回り止めされている。そして、前記継ぎ手の後端は図示
せぬ連結棒に連結され、図示せぬアクチュエータ(例え
ば、回転シリンダ)によって軸方向に進退移動される。
【0008】前記のように構成された開きヤトイを用い
て円筒状のワークを支持しその外面を機械加工する場合
は、以下のようにする。 (1)図示せぬ円筒状ワークを前記開きヤトイ52の前
記ワーク支持部52wに外嵌する。 (2)継ぎ手56、ドローバー55及び栓54を、図示
せぬ連結棒を介して図示せぬアクチュエータ(例えば、
回転シリンダ)によって、図3の図面左側に後退移動さ
せて、開きヤトイ52のワーク支持部52wを拡径さ
せ、ワーク支持部52wの外周面を円筒状ワークの内面
に当接させて、これを支持する。 (3)主軸を回転しながら円筒状ワークの外面を機械加
工(例えば、切削や研削)する。 (4)継ぎ手56、ドローバー55及び栓54を、図示
せぬ連結棒を介して図示せぬアクチュエータ(例えば、
回転シリンダ)によって、図3の図面右側に前進移動さ
せて、開きヤトイ52のワーク支持部52wを縮径さ
せ、円筒状ワークを開きヤトイ52のワーク支持部52
wから抜き取る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のように構成され
た従来の開きヤトイを用いて、前記のように円筒状ワー
クを加工する場合、以下のような問題点がある。 (1)図4(a)に示すように内周の真円度が出ていな
い薄肉の円筒状ワークWの場合、これを前記の開きヤト
イHYでその内周を支持すると、図4(b)に示すよう
に、開きヤトイHYの真円度の出ているワーク支持部5
2wの外周に倣って薄肉の円筒状ワークWが変形する。
これは、開ヤトイ部52の軸方向中央の薄肉小径部52
sの肉厚が十分に厚いため、薄肉の円筒状ワークWの内
周に倣って弾性変形しにくいからである。この状態で主
軸50を回転させ、円筒状ワークWの外面を切削して、
図4(c)に示すように外周面が真円度の出たワークW
に加工し、加工後開きヤトイHYから加工済みワークW
を外すと、図4(d)に示すように、弾性により円筒状
ワークWの内周が元の真円度の出ていない形状に戻るの
で、その結果ワークWの外周の真円度が出なくなる。
【0010】(2)図5(a)に示すように内周の真円
度の出ていない厚肉の円筒状ワークWの場合には、これ
を前記の開きヤトイHYでその内周を支持すると、図5
(b)に示すように、開きヤトイHYの真円度の出てい
るワーク支持部52wの外周に厚肉の円筒状ワークWが
倣わないので、ワーク支持部52wの外周の一部で円筒
状ワークの内周を支持することになり、安定した確実な
支持ができないため、ワークWの外周の加工中にワーク
Wと開きヤトイHYのワーク支持部52wとの間に不必
要なずれが発生し、正確な外周の加工ができなくなる。 (3)フランジ51に開きヤトイHYを固定する際に、
フランジ51と開きヤトイHYとの芯出し作業に手間と
時間がかかる。
【0011】(4)円筒状ワークWの外周加工中に、開
きヤトイHYの前記スリット52slに切粉が侵入して
挟まり、外周加工終了後に、円筒状ワークを抜き取ろう
としても、開きヤトイHYがうまく縮径せず、ワークの
抜き取りに支障をきたしたり、抜き取ったあとにスリッ
ト52slに挟まった切粉を除去する手間と時間がかか
る。
【0012】本発明は、前記従来の開きヤトイの持つ問
題点を解消し、薄肉であれ厚肉であれ、内周の真円度の
出ていない円筒状ワークの内周に倣った内周の支持(チ
ャック)が可能で、安定した確実な外周の加工が可能と
なるとともに、加工後に内周チャックからワークを外し
ても、外周の真円度の出たワークが得られるとともに主
軸に内周チャックを取り付ける際に、精密な芯出し作業
が不要な円筒状ワークの内周チャックの提供を第1の課
題とする。
【0013】本発明は、さらに、円筒状ワークWの外周
加工中に、開きヤトイのスリットに切粉が侵入して挟ま
り、外周加工終了後に、円筒状ワークを抜き取ろうとし
ても、開きヤトイがうまく縮径せず、ワークの抜き取り
に支障をきたしたり、抜き取ったあとにスリットに挟ま
った切粉を除去する手間と時間がかかるというようなこ
とのない円筒状ワークの内周チャックの提供を第2の課
題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決した本
発明の第1の態様は、主軸前端に固定されるフランジ
と、このフランジの前端に固定されるヤトイフランジ
と、このヤトイフランジの内部に収納されて固定される
フランジ部と、このフランジ部の前端に続く薄肉小径部
と、この小径部の前端に続く厚肉大径部とからなり、先
端に設けられた裁頭円錐形状の孔とこれに続く直管状の
孔とからなる貫通孔を備えるとともに、前記厚肉大径部
の先端から前記薄肉小径部の途中まで届く複数のスリッ
トを円周方向に等間隔に設けられた開きヤトイと、この
開きヤトイの前記貫通孔に貫挿され、先端部に裁頭円錐
形状の孔に摺接する裁頭円錐形状の頭部を備え、基端が
前記主軸内のドローバーの先端に連結される栓と、を備
えてなる工作機械の主軸端に取り付けられて円筒状ワー
クの内周を支持する円筒状ワークの内周用チャックであ
って、前記ヤトイの前端に固定され、前記開きヤトイの
前記スリットにより分割形成された開きヤトイの各セグ
メントの位置に対応して放射状に複数のガイド孔を備え
た円筒状のヤトイと、このヤトイの前記ガイド孔のそれ
ぞれに貫挿され基端に大径部を備えたピンと、前記ヤト
イの内面と前記ピンの大径部との間に装着され前記ピン
を前記開きヤトイの外面方向に常時付勢する圧縮ばね
と、を備えることを特徴とした円筒状ワークの内周用チ
ャックである。
【0015】前記のように構成した本発明の円筒状ワー
クの内周チャックで、円筒状ワークの内周を支持し主軸
を回転させると、前記開きヤトイの各セグメントと前記
のヤトイの前記ガイド孔のそれぞれに貫挿され基端部に
大径部を備えたピンとが、開きヤトイの各セグメントと
この各セグメントに基端が当接した各ピンとに作用する
遠心力により、前記ヤトイの内面と前記ピンの大径部と
の間に装着され前記ピンを前記開きヤトイの外面方向に
常時付勢する圧縮ばねの付勢力に打ち勝って外方へ変位
し、すべてのピンのそれぞれの先端が円筒状ワークの内
周に倣ってこの内周に当接し、円筒状ワークの内周を支
持する。これは、開きヤトイの薄肉小径部の肉厚が弾性
変形しやすいように薄くしてあることと、ピンが開きヤ
トイの厚肉大径部の外周面の拡径によって、圧縮ばねの
付勢力に打ち勝って外方へ押し出されるからである。し
たがって、円筒状ワークが薄肉のものである場合にも例
えば外周の切削や研削加工中にワークを変形させること
がないので、外周加工後に円筒状ワークを内周チャック
から外しても、円筒状ワークの外周の真円度は出てい
る。又、円筒状ワークが厚肉のものである場合にも、安
定した確実なワークの支持は可能で、外周の加工中にワ
ークと内周チャックとの間のずれの発生による加工ミス
の防止ができる。又、主軸と内周チャックの芯が多少ず
れていても、前記のように開きヤトイの各セグメントと
それに対応した各ピンとに作用する遠心力で円筒状ワー
クの内周を支持するので、前記の芯ずれの影響は相殺さ
れ外周の加工上の問題とならない。
【0016】前記第1及び第2の課題を解決した本発明
の第2の態様は、前記第1の態様において、前記ヤトイ
の前端面に固定され後面の中央部に前記開きヤトイの拡
径を規制する環状突起を備えたガイド蓋をさらに備える
ことを特徴とした円筒状ワークの内周用チャックであ
る。
【0017】前記のように構成すれば、開きヤトイの遠
心力による開き過ぎが防止され、開き過ぎによる開きヤ
トイの塑性変形を防止するとともに、開きヤトイの先端
から各スリット内部に切粉が侵入して挟まり、遠心力が
作用しなくなった後に開きヤトイが弾性により元の形状
・位置に戻るのを妨げたりすることが防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を添付の図
面を参照して、以下に説明するが本発明はこれに限るも
のではない。図1(a)は本発明の円筒状ワークの内周
チャックの一実施の形態の側断面図、図1(b)は図1
(a)のX−X線矢視正面図、図2(a)〜(d)は本
実施の形態の作用を説明するための概略図である。
【0019】本実施の形態の円筒状ワークの内周チャッ
クICにおいては、図1に示すように、主軸1の前端に
フランジ2がボルトで固定されている。この前端には後
フランジ部3bfと、この後フランジ部3bfの前端に
続く直胴部3bと、この直胴部3bの前端に続く前フラ
ンジ部3ffとからなるヤトイフランジ3の前記後フラ
ンジ部3bfがボルト3sbによって固定されている。
【0020】前記ヤトイフランジ3の内部には開きヤト
イ4が、その先端がヤトイフランジ3の前記前フランジ
部3ffの前端よりも突出するように収納され、固定さ
れている。開きヤトイ4は、前記ヤトイフランジ3の内
側フランジ部3ufの前面にボルト3ubで固定される
フランジ部4fと、このフランジ部4fの前端に続く薄
肉小径部4aと、この薄肉小径部4aの前端に続く厚肉
大径部4bとからなる。そして、この開きヤトイ4は、
先端に設けられた円錐台形状の孔4fhとこれに続く直
管状の孔4bhとからなる貫通孔4hを備えている。さ
らに、この開きヤトイ4は、前記厚肉大径部4bの先端
から前記薄肉小径部4aの途中まで届く複数(本実施の
形態では、9本)のスリット4sを円周方向に等間隔に
設けられて、複数個(本実施の形態では、9個)のセグ
メント4sgに切り割りされている。
【0021】開きヤトイ4の前記貫通孔4hには、先端
部に前記裁頭円錐形状の孔4fhに摺接する裁頭円錐形
状の頭部5tを備え、基端が前記主軸1内のドローバー
6の先端にねじ込みによって連結される栓5が貫挿され
ている。ドローバー6は図示せぬアクチュエータ(例え
ば、回転シリンダ)に連結され、前記栓5を軸方向に進
退させるようになっている。
【0022】前記ヤトイフランジ3の前端の前フランジ
部3ffの前面には、円筒状のヤトイ7がボルト7bに
より固定されている。そしてこのヤトイ7には前記開き
ヤトイ4の前記スリット4sにより分割形成された開き
ヤトイ4の各セグメント4sgの各々の位置に対応して
放射状に複数(本実施の形態においては9個)のガイド
孔7ghが形成されている。このヤトイ7の前記ガイド
孔7ghのそれぞれには、基端に大径部8bを備えたピ
ン8が貫挿され、前記ヤトイ7の内面と前記ピン8の基
端の大径部8bとの間には、前記ピン8を前記開きヤト
イ4の厚肉大径部4bの外面に当接する方向に常時付勢
する圧縮ばね9が装着されている。
【0023】さらに、前記ヤトイ7の前端面には、後面
の中央部に前記開きヤトイ4の前記厚肉大径部4bの外
面に当接して開きヤトイ4の所定限度以上の拡径を規制
する環状突起10rを備えたガイド蓋10が、ボルト1
0bにより固定されている。
【0024】次に、本実施の形態の円筒状ワークの内周
チャックICを用いて円筒状ワークWの外周を機械加工
(例えば、切削や研削)する際の手順と、本実施の形態
の作用について添付の図面を参照しつつ以下に説明す
る。 (1)ドローバー6及び栓5を、図示せぬアクチュエー
タ(例えば、回転シリンダ)によって、図1(a)の図
面右側に前進移動させて、開きヤトイ4を縮径させる。
その結果、ピン8がその大径部8bを圧縮ばね9で押さ
れて開ヤトイに追随して内側に変位し、円筒状ワークW
をヤトイ7に外嵌しやすくなる。 (2)円筒状ワークWを前記ヤトイ7及び前記ピン8に
外嵌する。 (3)ドローバー6及び栓5を、図示せぬアクチュエー
タ(例えば、回転シリンダ)によって、図1(a)の図
面左側に後退移動させて、開きヤトイ4の厚肉大径部4
bを拡径させ、その外周面で各ピン8を圧縮ばね9の付
勢力に打ち勝って外方へ押し出し、各ピン8の先端を円
筒状ワークWの内面に当接させて、これを支持する。
【0025】(4)主軸1を所定の回転数で回転させ、
円筒状ワークWの外周の機械加工(例えば、切削や研
削)を行う。このとき下記式1で表される遠心力F
(N)が開きヤトイ4の各セグメント4sgと各ピン8
に作用する。その結果、開きヤトイの各セグメント4s
gと各ピン8に作用する遠心力Fの和から圧縮ばね9の
付勢力を差し引いた力が各ピン8の先端に働き、円筒状
ワークWの内周を安定して支持する。 F=(4wrπ22)/(3600g) …………式1 ここで、 w :各セグメント又は各ピンの質量(kg) r :各セグメント又は各ピンの回転円の半径(mm) n :回転数(min-1) g :重力の加速度、ただしg=9800mm/s2 この時、円筒状ワークWが図2(a)に示すように、内
周の真円度が出ていないワークであったとしても、開き
ヤトイ4の薄肉小径部4aの肉厚を弾性変形しやすいよ
うに十分薄くしておけば、前記の遠心力により、開きヤ
トイ4の各セグメント4sgの外径及び各ピン8の先端
が圧縮ばねの付勢力とのバランスにおいて、図2(b)
に示すように、円筒状ワークWの内周形状に倣って拡径
する。したがって、前記の遠心力Fを適切な値になるよ
うに設計しておけば、たとえ円筒状ワークWが薄肉のも
のであっても、前記従来の開きヤトイHYを用いた図4
(b)に示したような変形を起こさない。又、前記の遠
心力Fを適切な値になるように設計しておけば、たとえ
円筒状ワークWが厚肉のものであっても、前記従来の開
きヤトイHYを用いた図5(b)に示したような不安
定、不確実な支持が起こらず、外周の加工に支障をきた
さない。
【0026】(5)ドローバー6及び栓5を、図示せぬ
アクチュエータ(例えば、回転シリンダ)によって、図
1(a)の*右側に前進移動させて、開きヤトイ4を縮
径させ、円筒状ワークWをヤトイ7及び各ピン8の先端
外周から抜き取る。前記のように内周チャックICに支
持されていたときに円筒状ワークは変形していなかった
から、抜き取ったあともそのままの形状を保ち、外周の
真円度が精度よく出ている。
【0027】なお、前記ヤトイ7の前端面には、後面の
中央部に前記開きヤトイ4の前記厚肉大径部4bの外面
に当接して開きヤトイ4の所定限度以上の拡径を規制す
る環状突起10rを備えたガイド蓋10が、ボルト10
bにより固定されているので、開きヤトイ4の各セグメ
ント4sgの遠心力による開き過ぎが防止され、開き過
ぎによる開きヤトイ4の各セグメント4sgの塑性変形
が防止されるとともに、開きヤトイ4の先端から各スリ
ット4sの内部に切粉が侵入して挟まり、遠心力が作用
しなくなった後に開きヤトイ4が弾性により元の形状・
位置に戻るのを妨げたりすることが防止される。
【0028】
【発明の効果】本発明は以下のような優れた効果を奏す
る。 (1)請求項1に係る本発明によれば、薄肉であれ厚肉
であれ、内周の真円度の出ていない円筒状ワークの内周
に倣った内周の支持(チャック)が可能で、安定した確
実な外周の加工が可能となるとともに、加工後に内周チ
ャックからワークを外しても、外周の真円度の出たワー
クが得られるとともに主軸に内周チャックを取り付ける
際に、特別の芯出し作業が不要である。
【0029】(2)請求項2に係る本発明によれば、前
記(1)項と同じ効果の他に、開きヤトイの遠心力によ
る開き過ぎが防止され、開き過ぎによる開きヤトイの塑
性変形を防止するとともに、開きヤトイの先端から各ス
リット内部に切粉が侵入して挟まり、遠心力が作用しな
くなった後に開きヤトイが弾性により元の形状・位置に
戻るのを妨げたりすることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の円筒状ワークの内周チャ
ックの一実施の形態の縦断面図、(b)は図1(a)の
X−X線矢視正面図である。
【図2】 (a)〜(d)は本実施の形態の作用を説
明するための概略図である。
【図3】 (a)は従来の開きヤトイの一例を示す縦
断面図、(b)は(a)のY−Y線矢視正面図である。
【図4】 (a)〜(d)は従来の開きヤトイの一例
の作用を説明するための概略図である。
【図5】 (a),(b)は従来の開きヤトイの一例
の別の作用を説明するための概略図である。
【符号の説明】
IC 内周チャック W 円筒状ワーク 1 主軸 2 フランジ 2h 貫通孔 3 ヤトイフランジ 3bf 後フランジ部 3b 直胴部 3ff 前フランジ部 4 開きヤトイ 4f フランジ部 4a 薄肉小径部 4b 厚肉大径部 4h 貫通孔 4bh 孔 4fh 孔 4s スリット 4sg セグメント 5 栓 5t 頭部 6 ドローバー 7 ヤトイ 7gh ガイド孔 8 ピン 8b 大径部 9 圧縮ばね 10 ガイド蓋 10r 環状突起

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸前端に固定されるフランジと、 このフランジの前端に固定されるヤトイフランジと、 このヤトイフランジの内部に収納されて固定されるフラ
    ンジ部と、このフランジ部の前端に続く薄肉小径部と、
    この小径部の前端に続く厚肉大径部とからなり、先端に
    設けられた裁頭円錐形状の孔とこれに続く直管状の孔と
    からなる貫通孔を備えるとともに、前記厚肉大径部の先
    端から前記薄肉小径部の途中まで届く複数のスリットを
    円周方向に等間隔に設けられた開きヤトイと、 この開きヤトイの前記貫通孔に貫挿され、先端部に裁頭
    円錐形状の孔に摺接する裁頭円錐形状の頭部を備え、基
    端が前記主軸内のドローバーの先端に連結される栓と、
    を備えてなる工作機械の主軸端に取付られて円筒状ワー
    クの内周を支持する円筒状ワークの内周用チャックであ
    って、 前記開きヤトイの前端に固定され、前記開きヤトイの前
    記スリットにより分割形成された開きヤトイの各セグメ
    ントの位置に対応して放射状に複数のガイド孔を備えた
    円筒状のヤトイと、 このヤトイの前記ガイド孔のそれぞれに貫挿され基端に
    大径部を備えたピンと、 前記ヤトイの内面と前記ピンの大径部との間に装着され
    前記ピンを前記開きヤトイの外面方向に常時付勢する圧
    縮ばねと、を備えることを特徴とした円筒状ワークの内
    周用チャック。
  2. 【請求項2】 前記ヤトイの前端面に固定され後面の
    中央部に前記開きヤトイの拡径を規制する環状突起を備
    えたガイド蓋をさらに備えることを特徴とした請求項1
    に記載の円筒状ワークの内周用チャック。
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