JP2001121318A - スローアウェイ切削工具用ホルダ及びスローアウェイ切削工具 - Google Patents

スローアウェイ切削工具用ホルダ及びスローアウェイ切削工具

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JP2001121318A
JP2001121318A JP30571999A JP30571999A JP2001121318A JP 2001121318 A JP2001121318 A JP 2001121318A JP 30571999 A JP30571999 A JP 30571999A JP 30571999 A JP30571999 A JP 30571999A JP 2001121318 A JP2001121318 A JP 2001121318A
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Tatsuya Hibi
達也 日比
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切れ刃角の調節を単純な構造で可能とし、小
型の切削工具でもその調節を可能とする。大型の切削工
具の軽量化を図る。 【解決手段】 スローアウェイチップ21の側面を当接
させて拘束する拘束部をチップ取付け座の周囲に3箇所
設け、そのうちの2箇所はチップ取付け座の周囲で内向
きに突出する凸部15、16とした。また、残りの1箇
所として、チップ取付け座の近傍にねじ穴を設け、さら
形頭部42の付いたねじ部材41をねじ込み、そのテー
パ面で拘束するようにした。ねじ部材41のねじ込み深
さを変えることで、その頭部42のテーパ面のなすチッ
プ21の側面に対する当接位置が移動のするため、切れ
刃角θ1 の調節ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スローアウェイ切
削工具用ホルダ(以下、単にホルダともいう)及びスロ
ーアウェイ切削工具に関する。詳しくは、ホルダの先端
の凹部に形成されたチップ取付け座に、板状で角型の超
硬合金などからなるスローアウェイチップ(以下、単に
チップともいう)を固定(クランプ)するようにした、
座ぐりカッター、エンドミル、ドリル等のスローアウェ
イ切削工具用ホルダ及びスローアウェイチップを固定し
たスローアウェイ切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来のこの種のスローアウェ
イ切削工具(以下、切削工具又は単に工具ともいう)2
01の一例を示すものである。このものは、SCM(ク
ロムモリブデン鋼)などからなるホルダ1の先端部2の
一対の凹部(ポケット)4、4のチップ取付け座5にチ
ップ21を各々着座させる。そして、チップ21の厚さ
方向に貫通して設けられた貫通孔26にサラ形状の頭部
の付いたスクリュー(以下、クランプスクリュー又は単
にスクリューともいう)31を通し、チップ取付け座5
の座面(底面)6に設けられたねじ孔9にねじ込む(螺
締する)。こうすることによってチップ21を固定する
構造とされ、図13に示したように、エンドミルや座ぐ
りカッターとして使用される。
【0003】ところで、このような切削工具201によ
って、例えば座ぐり穴を加工、形成するのに、座ぐり穴
の座面(工具の回転軸Jhと垂直な面)に高度の平面性
(度)が要求される場合がある。スローアウェイチップ
を固定した切削工具で、この要求に応えるためには、図
13に示したように、工具201の回転軸Jhに対する
チップ21の切れ刃(底切れ刃)角θ1が正しく90度
となるように微妙に調節できるものである必要がある。
【0004】例えば、座ぐりカッターでは先端の刃径
(底切れ刃の外径)が比較的大きいものでは、チップの
切れ刃角を微妙に調節できるものが実用化されている。
刃径が大きい切削工具では、チップを固定するホルダも
大きく、したがってそのような調節機構を組み込むスペ
ースがあるためである。例示的には、チップをカートリ
ッジに取付けて固定したものがある。このものは、チッ
プが取付けられたカートリッジごと、その取付け位置に
おいてホルダに対して複数のねじ部材を螺進又は螺退さ
せることによって、同カートリッジごと動かしてチップ
の取付け角度を調節するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構造のものは、例えば刃径が40mm未満の小型(小
径)のものでは実現されていない。というのは、このよ
うな小型のものでは、構造の複雑さや構成部品の多さに
よってそれに必要な機構を組み込むスペースがないため
である。このように従来、小型の切削工具でチップの切
れ刃角の調節のできるものはなかった。
【0006】したがって、従来小径の座ぐり穴で、座面
に高度の平面性が要求される場合には、ソリッドタイプ
又はチップがロウ付けされた切削工具の底切れ刃角を所
望とする角度に高精度に研ぎ出して使用せざるを得ない
のが実情であった。また、前記のようなカートリッジを
含む機構のものは、その構成の複雑さや部品点数の多さ
に基づき、重量の増大を招いてしまうといった問題もあ
った。
【0007】本発明は、上記した問題点を解消すべく案
出されたものであって、その目的とするところは、スロ
ーアウェイ切削工具においてチップの切れ刃角の調節を
単純な構造によってできるようし、小型の切削工具にお
いてもその調節を実現可能とするとともに、大型の切削
工具にあっては軽量化を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、板状で角型のスローアウェイチップを固定す
るチップ取付け座を備えたスローアウェイ切削工具用ホ
ルダであって、前記スローアウェイチップの側面(逃げ
面)をチップ取付け座の周囲に当接させて拘束して固定
するものにおいて、前記チップ取付け座の周囲に、前記
スローアウェイチップの側面に当接して拘束する拘束部
がチップ取付け座を上から見て3箇所設けられ、そのう
ちの1箇所として、該チップ取付け座の近傍にねじ穴が
設けられ、該ねじ穴に、ねじ込み方向を軸線としてテー
パ状をなすテーパ面を有する頭部の付いたねじ部材がね
じ込まれ、その頭部のテーパ面が前記拘束部のうちの1
箇所をなすようにすると共に、該ねじ部材のねじ込み深
さを変えることによってその頭部のテーパ面のなす前記
拘束部を移動可能に構成したことを特徴とする。
【0009】前記ホルダにおいては、チップの側面を拘
束する拘束部が3箇所のいわば3点接触となり、しかも
そのうちの1箇所が、ねじ込まれているねじ部材の頭部
のテーパ面である。したがって、同ねじ部材のねじ込み
深さを調節(加減)することで、ねじ部材の頭部のなす
テーパ面がねじ込み方向に移動し、この移動に対応して
前記スローアウェイチップに当接する位置も変位する。
これにより、チップの位置をチップ取付け座において3
点接触を保持して微妙に移動できるため、同チップの切
れ刃角を調節できる。このように本発明のホルダによれ
ば、チップの切れ刃角の調節が単純な構造でしかも簡易
な操作でできる。なお、本発明においてチップの側面と
は、チップの側面とすくい面とのなす稜線部位、及び該
稜線部位に面取りが付けられている場合にはその面取り
面及び該面取り面とすくい面とのなす稜線部位を含んで
いる。
【0010】前記手段においては、前記ねじ部材以外の
なす2箇所の拘束部として、前記チップ取付け座の周囲
に内向きに突出する凸部を設けるとよい。そして、この
ような凸部は、チップ取付け座の周囲の壁面に、割り円
筒の側面、円錐の側面、凸球面、尖端凸部その他の突出
部(突起)として形成できる。ただし、拘束部とチップ
の側面とは、点接触状又は線接触状となるように、なる
べく微小面積で当接するように形成するとよい。
【0011】前記手段においては、前記ねじ部材のなす
拘束部を、他の2箇所の拘束部よりチップ取付け座にお
ける奥寄り位置(奥所)に配置するとよい。三角形や四
角形などの多角形の角型のチップを固定するチップ取付
け座の周囲は、通常座面から立ちあがる2つ壁面で構成
される。したがって、本発明における3箇所の拘束部
は、平面視において一方の壁面側に1箇所、他方の壁面
側に2箇所設けることになる。したがって、この場合、
ねじ部材のなす拘束部は、2箇所となる壁面側の奥寄り
位置に設けるとよい。奥寄り位置にする方が設け易い
し、スローアウェイチップの切れ刃角を調節し易いため
である。
【0012】また、前記各手段では、前記ねじ部材がね
じ込まれる位置近傍のチップ取付け座の座面寄り部位
に、前記ねじ部材が拘束部として作用していない時に前
記スローアウェイチップの側面に当接して拘束する拘束
部が設けられているものとするとよい。このようにして
おけば、ねじ部材がねじ込まれているものの、拘束部と
して効いていない場合でも、このように別に設けた拘束
部と前記他の2つの拘束部の3箇所で3点接触が得られ
ることから、チップはチップ取付け座において一定位置
に位置決めできる。したがって、精度があまり重要視さ
れない加工においては、チップの位置を調節することな
くその位置で固定して加工に用いることができる。一
方、高精度が要求される場合には、ねじ部材をねじ込み
そのねじ込み深さを調節して精度に対応する所望とする
切れ刃角に調節して使用すれば良い。
【0013】前記いずれのスローアウェイ切削工具用ホ
ルダでも、チップ取付け座に前記スローアウェイチップ
を固定することで、チップの切れ刃角の調節が単純な構
造で実現できるスローアウェイ切削工具となる。一方、
前記したホルダ及び切削工具は、ホルダのチップ取付け
座の周囲に、スローアウェイチップの側面に当接して拘
束する拘束部が3箇所設けられたものである。
【0014】ところが本発明は、板状で角型のスローア
ウェイチップをスローアウェイ切削工具用ホルダのチッ
プ取付け座に固定してなるスローアウェイ切削工具とし
ては、このようなものに限られない。本発明の切削工具
は、前記チップ取付け座の周囲に、前記スローアウェイ
チップの側面に当接して拘束する拘束部がチップ取付け
座を上から見て3箇所存在し、そのうちの1箇所とし
て、該チップ取付け座の近傍にねじ穴が設けられ、該ね
じ穴に、ねじ込み方向を軸線としてテーパ状をなすテー
パ面を有する頭部の付いたねじ部材がねじ込まれ、その
頭部のテーパ面が前記拘束部のうちの1箇所をなすよう
にすると共に、該ねじ部材のねじ込み深さを変えること
によってその頭部のテーパ面のなす前記拘束部を移動可
能に構成して前記スローアウェイチップの切れ刃角を調
節可能にしたものであればよい。
【0015】すなわち、このようにスローアウェイ切削
工具としてみるときは、前記スローアウェイチップの側
面のうち、前記ねじ部材以外のなす2箇所の拘束部に対
応する各位置に、外向きに突出する凸部が設けられ、該
凸部が前記チップ取付け座の周囲に当接する構成として
もよい。3点接触状としてチップを固定するためには、
ホルダのチップ取付け座の周囲(壁面)に凸部などの拘
束部を設けるだけでなく、チップ自体の側面に凸部を設
けることでも実現できるし、或いは、この両者に凸部を
設けても実現できるからである。
【0016】また、このようなスローアウェイ切削工具
においても、前記ねじ部材のなす拘束部を、他の2箇所
の拘束部よりチップ取付け座における奥寄り位置に配置
するのがよい。そして、この場合も含め、前記ねじ部材
がねじ込まれる位置近傍のチップ取付け座の座面寄り部
位に、前記ねじ部材が拘束部として作用していない時に
前記スローアウェイチップの側面に当接して拘束する拘
束部が設けられているものが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】図1ないし図10を参照しなが
ら、本発明を具体化した実施形態例について、詳細に説
明する。図中、1は、本例のスローアウェイ切削工具用
ホルダであって、このホルダ1は、略円軸状をなすホル
ダ軸(シャンク)1aの先端寄り部位に同軸(同心)で
大径に膨拡されたホルダ先端部2を備えている。このホ
ルダ先端部2に、刃先側の先端面3側から見て、略L形
に切り欠いてなる凹部(ポケット)4、4を2つ、ホル
ダ1の軸線Jhに関し略点対称的に備えている。そし
て、各凹部4のホルダ1の先端面3寄り部位にはチップ
取付け座5を備えている。次記するように本形態では2
枚刃をなすように2つのチップ21をスクリューオン
(ねじ止め)方式で固定するように構成されているが、
両方のチップ取付け座5及びチップ21等については、
基本的に同様の構成のため、以下その一方のみについて
説明する。
【0018】チップ取付け座5は、板状で略三角のチッ
プ21の下面22を拘束する略三角形で平坦な座面(底
面)6と、その座面6の周囲から立ち上がる2つの壁面
7、8などからなっている。ただし、座面6を上からみ
て(図4参照)、2つの壁面7、8の交差する角の角度
は60度とされ、その交差する部位には円弧状をなす逃
げ(空所)6aが設けられている。また、座面6の上か
らみてホルダ1の軸線Jhと、同軸線Jh寄り部位にあ
る壁面7とのなす角θ2は例えば29度に設定されてい
る。なお、装着されるチップ21が、本例ではネガタイ
プのものであり、壁面7、8は座面6と直角に交差する
よう形成されている。また、チップ取付け座5の座面6
の略中央にはチップ固定用のねじ孔9が貫設され、チッ
プ21がねじ止めされるように形成されている。
【0019】そして座面6を上からみたとき、軸線Jh
寄り部位にある壁面7は、先端面3寄りの約半分の部位
を除いて座面6の外側(軸線Jh寄り)がホルダ先端部
2の半径方向に座ぐられて低位をなす棚状の平坦面11
に形成され、この平坦面11には座面6と略垂直方向を
軸線Jsとするねじ穴12が設けられている。このねじ
孔12には、後述するように、六角穴付き頭部42がつ
き、下面がさら形(テーパ)に形成された、切れ刃角の
調節用のねじ部材(以下、調節用ねじ部材ともいう)4
1がねじ込まれ、その頭部42のテーパ面43が、チッ
プ取付け座5に着座させたチップ21の側面23のすく
い面28寄り部位に当接し、そのねじ込み深さを変える
ことでチップ21の側面23との当接位置が変わるよう
に設定されている。ただし、そのテーパ面43の母線と
ねじの軸線とのなす角度は例えば20度とされている。
そして、他方の壁面8も、その先端面3寄りの約半分の
部位を除いて外側が座ぐられて前記平坦面11と同様に
低位をなす棚状の平坦面13に形成され、両平坦面1
1、13は逃げ6aの外側において同一高さで連なって
いる。
【0020】また軸線Jh寄り部位にある壁面7は、そ
の先端面3寄り部位が固定するチップ21の厚さに近い
高さを備えており、残部位が座面6から平坦面11まで
例えば1mm程度立ち上がるだけの低い高さとされてい
る。また、他方の壁面8も、その先端面3寄り部位が固
定するチップ21の厚さに近い高さを備えており、残部
位が座面6から平坦面13まで例えば1mm程度立ち上
がるだけの低い高さとされている。
【0021】一方、軸線Jh寄り部位にある壁面7に
は、座面6を上からみて(図4参照)、先端面3寄り部
位に、座面6の内側に対し半径2mm程度で円弧状に微
量(例えば0.5mm)内向きに突出する凸部15をそ
の壁面7の先端面3寄り部位の高さで一箇所備えている
(図5参照)。また、他方の壁面8についても、座面6
を上からみて、先端面3寄り部位に、座面6の内側に対
し半径2mm程度で円弧状に例えば0.5mm内向きに
突出する凸部16をその壁面8の先端面3寄り部位の高
さで一箇所備えている(図6参照)。
【0022】さらに、軸線Jh寄り部位にある壁面7の
うち、チップ取付け座5の奥寄り位置の低い部位には、
座面6の内側にその上から見て(平面視)円弧状に例え
ば0.5mm内向きに突出する凸部17をその低い壁面
の高さで一箇所備えている(図7参照)。ただし、この
凸部17は本形態では、平面視、ねじ孔12の軸線Js
と同心状に設けられている。
【0023】このように形成された本形態のホルダ1に
おいては、角型で板状をなす穴付きチップ21(図1、
図8参照)を、チップ取付け座5の座面6に着座させ、
クランプスクリュー31をその貫通穴26に通し、ねじ
孔9にねじ込むことで、チップ21は一応チップ取付け
座5に固定される。このようなチップは、壁面7、8の
3つの凸部15、16、17にて拘束されるような側面
(以下逃げ面ともいう)を備えた従来公知の略三角チッ
プでもよいが、本形態では図8に示したように、同三角
チップ21における壁面7側に当接する側面(逃げ面)
23とすくい面28との稜線部位が、調節用ねじ部材4
1の頭部42のテーパ面43と同テーパの20度でカッ
ト(面取り)され、傾斜面29をなしている。
【0024】また、前記したように本例ではホルダ1の
軸線Jhと壁面7とのなす角度θ2が29度をなすよう
に形成されているため、チップ21を着座させてその側
面23、24を壁面7、8側に押付け、3つの凸部1
5、16、17に当接させて拘束した際には、軸線Jh
とチップ21の底切れ刃27とのなす角θ1が91度と
なるように形成されている。
【0025】次にこのように構成された本形態のホルダ
1の作用ないし効果について説明する。まず、チップ2
1を着座させて、側面23、24を壁面7、8側に押付
けるようにして、3つの凸部15、16、17に当接さ
せて拘束する。そして、この3点接触状態の下でクラン
プスクリュー31をねじ込んでチップ21を仮止めす
る。そして、ねじ孔12に、前記した調節用ねじ部材4
1をねじ込む。すると、その頭部42のテーパ面43の
下寄り部位がチップ21の一側面23のすくい面28寄
り部位の傾斜面29に当接する(図10参照)。
【0026】一方、このような切削工具100におい
て、チップ21が動く状態にクランプスクリュー31を
弛緩し、調節用ねじ部材41をさらにねじ込むと、チッ
プ21の側面23にねじ部材41の頭部42のテーパ面
43が押し付けられ、チップ21は低い凸部17から離
間するように横方に移動する。すなわち、クランプスク
リュー31を緩めて、調節用ねじ部材41をねじ込む。
こうすると、チップ21はクランプスクリュー31を略
中心として図9において2点鎖線で示したように、微小
角度右回転するように動くため、チップ21の切れ刃角
θ1が小さくなるように変動する。こうして、チップ2
1の側面23、24を2つの凸部15、16と調節用ね
じ部材41のテーパ面43に当接させて拘束し、底切れ
刃27が所望とする切れ刃角θ1となる位置にして、ク
ランプスクリュー31をねじ込んでチップ21を固定す
るのである。
【0027】因みに本形態では、調節用ねじ部材41を
緩めて拘束部として作用していない状態から一杯ねじ込
むことにより、底切れ刃27の切れ刃角θ1が91度か
ら89度まで調節できるように構成されている。したが
って例えば底切れ刃27の切れ刃角θ1に厳しい精度の
90度が要求される座ぐり面の加工においても、所望と
する精度の平面性が得られる。なお、本発明におけるね
じ部材41のねじ込み方向は、ねじ部材41をねじ込む
ことで、その頭部のなす拘束部が移動し、チップの側面
を横方向に移動できるものであればよく、本形態のもの
に限定されるものではない。
【0028】以上の説明から明らかなように、本形態の
ホルダ1及び切削工具100は、単純な構造であり、し
かも調節用ねじ部材41のねじ込み深さを調節すること
で、チップ21の底切れ刃27の切れ刃角θ1を所望と
する角度に正しく調節できる。かくして、大型の切削工
具のみならず、小型の切削工具においても切れ刃角の調
節が実現できるとともに、大型の切削工具にあっては構
造の単純化、軽量化を図ることができる。
【0029】なお本形態では、チップ21の側面のう
ち、調節用ねじ部材41の頭部42のテーパ面43が当
接する部位が、そのテーパと同テーパの20度でカット
(面取り)されたものが使用されている。したがって、
チップ21と頭部42との接触が線接触状となり、ねじ
部材41の頭部42の摩耗防止が図られている。
【0030】しかも本例では、チップ取付け座5の周囲
の、調節用ねじ部材41に対応する位置にも凸部17を
設けたため、同ねじ部材41がなくとも、つまりこの凸
部17を含む3つの凸部15、16、17によってもチ
ップの一応の位置決めができる。すなわち、ねじ部材4
1をねじ込む前でも、或いはそれによる調節前でも、3
つ凸部15、16、17でチップ21の側面を拘束して
固定できる。したがって、加工対象の座ぐり穴の座面の
平面性が厳しく要求されない場合には、ねじ部材41を
除去し、或いは除去することなく(ねじ部材41による
拘束の効きに関係なく)チップ21を固定し、そのまま
加工に使用できる。その上、凸部17を設けたため、切
れ刃角θ1の調節に当っても、調節前の基準をなす切れ
刃角を一定に保持できるので、段取り(調節作業)が容
易となる。
【0031】また、前記形態では、移動可能の拘束部を
なすねじ部材41のねじ込み位置を、一壁面7の奥寄り
位置に配置したが、外寄り位置に設けることも可能であ
る。ただし、前記形態のように奥寄り位置に設けると、
切れ刃角θ1の微調節が容易となる。なお、ねじ部材4
1の頭部42のテーパ角度は調節量等に応じて適宜の大
きさ(角度)に設定すればよい。
【0032】さらに、本発明の切削工具において拘束部
はチップ取付け座を上から見て3箇所存在すればよいの
であって、このために、従来のチップを使う場合にはね
じ部材以外のなす2箇所の拘束部として、前記形態にて
例示したようにチップ取付け座の周囲に内向きに突出す
る凸部を設けることになる。しかし、図11に示した切
削工具110ように、スローアウェイチップ51の側面
53、54のうち、ねじ部材41以外のなす2箇所の拘
束部に対応する各位置に、外向きに突出する凸部55、
56を設け、この凸部55、56がホルダ101のチッ
プ取付け座の周囲(壁面)7、8に当接する構成とすれ
ば、上記形態のようにチップ取付け座の周囲に凸部を設
けることを要しない。
【0033】もっとも、上記形態のように、ホルダ1の
チップ取付け座5側に凸部15、16をなす2箇所の拘
束部を設けると、チップには凸部を設ける必要がないた
め、従来より使用されている通常のチップを用いること
ができるので便利である。なお、本発明において拘束部
は、すくい面側からみて3箇所であればよく、したがっ
てすくい面側からみて1箇所をなす凸部の部位がその上
下において分断してあっても1箇所である。
【0034】上記実施形態例では、チップがネガタイプ
のものを固定するホルダで具体化した場合を説明した
が、本発明では当然のことながらポジタイプのチップを
固定するものにも適用できる。またチップが略三角形の
もので例示したが、本発明ではこのようなチップをセッ
トするものに限定されるものではないことは明らかであ
り、加工形態に応じて菱形チップ、方形チップなど板状
で角型の適宜のチップを固定するホルダ及びこれを含む
切削工具として具体化することができる。
【0035】さらに上記実施形態例では、2枚刃の座ぐ
りカッターにおいて具体化した場合を例示したが、本発
明のホルダ及び切削工具は、ボーリングバーなど1枚刃
の場合にもまったく同様に適用できるし、フォームドバ
イトや溝入れバイトにおいても適用できるなど、刃の数
や切削工具の種類に関係なく、その要旨を逸脱しない限
りにおいて適宜に設計変更して具体化できる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のスローアウェイ切削工具用ホルダ及び工具によれば、
従来のカートリッジ構造の調節機構のように構造の複雑
化を招くことなく、単純な構造によってチップの切れ刃
角の調節ができる。したがって、小型の切削工具におい
てもその調節が実現可能となるとともに、大型の切削工
具にあってはその構造の単純さにより軽量化及び低コス
ト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスローアウェイ切削工具ホルダ及び切
削工具の一実施形態例を先端側からみた一部分解斜視
図。
【図2】図1の要部を示す拡大斜視図。
【図3】図1の矢印A方向からみた要部拡大斜視図。
【図4】図1のホルダのチップ取付け座の平面図。
【図5】図4のA―A線部分断面図。
【図6】図4のB−B線部分断面図。
【図7】図4のC―C線部分断面図。
【図8】チップの斜視図。
【図9】図1のホルダにチップをセットしてなる切削工
具の平面図。
【図10】図9のD−D線部分断面図。
【図11】本発明のスローアウェイ切削工具の別の実施
形態例の平面図。
【図12】従来の切削工具を説明する先端側からみた一
部分解斜視図。
【図13】図12の切削工具の正面図(側面図)。
【符号の説明】
1、101 スローアウェイ切削工具用ホルダ 3 ホルダの先端面 4 ホルダの先端の凹部 5 チップ取付け座 6 チップ取付け座の座面 7、8 チップ取付け座の周囲の壁面 9 座面のねじ孔 12 ねじ穴 15、16、17、55、56 凸部(拘束部) 21、51 スローアウェイチップ 23、24 スローアウェイチップの側面 27 底切れ刃 28 チップのすくい面 41 ねじ部材 42 頭部付きスクリューの頭部(拘束部) 43 テーパ面 101、110 スローアウェイ切削工具 θ1 切れ刃角 Js ねじ込み方向 (ねじ孔)の軸線

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状で角型のスローアウェイチップを固
    定するチップ取付け座を備えたスローアウェイ切削工具
    用ホルダであって、前記スローアウェイチップの側面を
    チップ取付け座の周囲に当接させて拘束して固定するも
    のにおいて、 前記チップ取付け座の周囲に、前記スローアウェイチッ
    プの側面に当接して拘束する拘束部がチップ取付け座を
    上から見て3箇所設けられ、そのうちの1箇所として、
    該チップ取付け座の近傍にねじ穴が設けられ、該ねじ穴
    に、ねじ込み方向を軸線としてテーパ状をなすテーパ面
    を有する頭部の付いたねじ部材がねじ込まれ、その頭部
    のテーパ面が前記拘束部のうちの1箇所をなすようにす
    ると共に、該ねじ部材のねじ込み深さを変えることによ
    ってその頭部のテーパ面のなす前記拘束部を移動可能に
    構成したことを特徴とするスローアウェイ切削工具用ホ
    ルダ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ねじ部材以外の
    なす2箇所の拘束部として、前記チップ取付け座の周囲
    に内向きに突出する凸部を設けたことを特徴とするスロ
    ーアウェイ切削工具用ホルダ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記ねじ部材
    のなす拘束部を、他の2箇所の拘束部よりチップ取付け
    座における奥寄り位置に配置したことを特徴とするスロ
    ーアウェイ切削工具用ホルダ。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3において、前記ね
    じ部材がねじ込まれる位置近傍のチップ取付け座の座面
    寄り部位に、前記ねじ部材が拘束部として作用していな
    い時に前記スローアウェイチップの側面に当接して拘束
    する拘束部が設けられていることを特徴とするスローア
    ウェイ切削工具用ホルダ。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4のいずれかに記
    載のスローアウェイ切削工具用ホルダのチップ取付け座
    に前記スローアウェイチップが固定されてなることを特
    徴とするスローアウェイ切削工具。
  6. 【請求項6】 板状で角型のスローアウェイチップをス
    ローアウェイ切削工具用ホルダのチップ取付け座に固定
    してなるスローアウェイ切削工具であって、前記チップ
    取付け座の周囲に、前記スローアウェイチップの側面に
    当接して拘束する拘束部がチップ取付け座を上から見て
    3箇所存在し、そのうちの1箇所として、該チップ取付
    け座の近傍にねじ穴が設けられ、該ねじ穴に、ねじ込み
    方向を軸線としてテーパ状をなすテーパ面を有する頭部
    の付いたねじ部材がねじ込まれ、その頭部のテーパ面が
    前記拘束部のうちの1箇所をなすようにすると共に、該
    ねじ部材のねじ込み深さを変えることによってその頭部
    のテーパ面のなす前記拘束部を移動可能に構成して前記
    スローアウェイチップの切れ刃角を調節可能にしたこと
    を特徴とするスローアウェイ切削工具。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記スローアウェイ
    チップの側面のうち、前記ねじ部材以外のなす2箇所の
    拘束部に対応する各位置に、外向きに突出する凸部が設
    けられ、該凸部が前記チップ取付け座の周囲に当接する
    構成としたことを特徴とするスローアウェイ切削工具。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において、前記ねじ部材
    のなす拘束部を、他の2箇所の拘束部よりチップ取付け
    座における奥寄り位置に配置したことを特徴とするスロ
    ーアウェイ切削工具。
  9. 【請求項9】 請求項6、7又は8において、前記ねじ
    部材がねじ込まれる位置近傍のチップ取付け座の座面寄
    り部位に、前記ねじ部材が拘束部として作用していない
    時に前記スローアウェイチップの側面に当接して拘束す
    る拘束部が設けられていることを特徴とするスローアウ
    ェイ切削工具。
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