JP2001119957A - 電源電流検出装置 - Google Patents

電源電流検出装置

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JP2001119957A
JP2001119957A JP29420999A JP29420999A JP2001119957A JP 2001119957 A JP2001119957 A JP 2001119957A JP 29420999 A JP29420999 A JP 29420999A JP 29420999 A JP29420999 A JP 29420999A JP 2001119957 A JP2001119957 A JP 2001119957A
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power supply
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power
polyphase
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JP29420999A
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Hironori Matsui
太憲 松井
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源の電力を多相電力変換器に供給し、その
出力によって多相電動機を駆動する場合に電源電流を専
用の電流センサを設けることなく、正確に検出する。 【解決手段】 多相電力変換器としての三相インバータ
13から出力される三相電流の内の少なくとも2つの相
電流iU 及びiV を相電流センサ14U,14Vで検出
し、これを演算処理部21に入力することにより、この
演算処理部21で相電流iU 及びiV をもとに残りの相
電流iW を算出し、これら相電流iU 、i V 及びiW
三相インバータ13を駆動する制御信号CSU 、CSV
及びCSWを形成するパルス幅変調処理におけるオン時
間UON、VON及びWONをパルス幅変調周期Tで除したオ
ンデューティ比DU 、DV 及びDW とを個別に乗算した
値を合算することにより、直流電源12の電源電流iB
を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多相電動機を駆動
する多相電力変換器に電力を供給する電源の電源電流を
検出する電源電流検出装置に関し、特に電動スクータ、
補助動力付き自転車、補助動力付き車椅子等の電動車両
やハイブリッド車両に使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ペダルに与えられる踏力やハンド
リムに与えられる人力を検出し、これら踏力や人力等の
入力トルクに見合ったアシストトルクを電動機によって
発生するようにした補助動力付き自転車、補助動力付き
車椅子等の補助動力付き人力車両、トルク指令値に基づ
いて多相電動機を駆動して走行する電動スクータ等の電
動車両やハイブリッド車両が知られている。この種の電
動車両においては、運転者が快適且つ安全に運転を行う
ためには、ペダルやハンドリムに与えられる入力トルク
や加速操作部に与えられるトルク指令値に正確に対応し
たトルクが発生されなければならない。
【0003】従来の電動車両においては、電動機への供
給電、電動機の回転速度及びトルク間に一定の関係が
成立することにより、入力トルク又はトルク指令値に見
合ったトルクを電動機によって発生させている。すなわ
ち、電動機の回転速度を検出し、この回転速度で入力ト
ルク又はトルク指令値に見合ったトルクを得るのに必要
な電動機への供給電流を上記一定の関係に基づいて求め
る。そして、このようにして求めた電流を電動機に供給
することにより必要なトルクを発生させる。
【0004】ところで、上記のような電動車両の動力用
として、ブラシレスDCモータ等の永久磁石内蔵型の回
転子を有する多相電動機を多相電力変換器(インバー
タ)で駆動することが近年検討されている。この多相電
動機は近年高性能な希土類の永久磁石が開発されたこと
により、小型で高出力な電動機を実現することが可能と
なっている。このような多相電動機を駆動制御する場合
には、多相電力変換器にバッテリ等の電源から電力を供
給することから、電源電流を精度よく検出して放電電流
を監視し、この放電電流を制御して電池の残存容量の管
理を行うことにより、電源の寿命を延ばすと共に効率の
良い電動機の駆動制御を行うことが望まれている。
【0005】一方、直流電源をバッテリ等の二次電池で
構成した場合には充電が必要となり、この充電を行うた
めに、エンジン等の回転駆動源の回転駆動力を利用して
多相交流発電機を回転駆動し、この発電機で発電された
多相交流を多相電力変換器(コンバータ)で直流に変換
して直流電源に供給するようにしているが、この場合も
直流電源に対する充電電流を精度良く検出して充電制御
を行うことが望まれている。このため、従来、電源の放
電電流又は充電電流の検出は、電源と多相電力変換器と
の間に、シャント抵抗又は非接触型の電流センサを配設
することによって行っているのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電源電流検出装置にあっては、電源と多相電力変換
器との間にシャント抵抗又は非接触型の電流センサを専
用に設ける必要があり、部品点数が増加してコストが嵩
むと共に、回路面積も大きくなるという未解決の課題が
ある。
【0007】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、電源の放電電流又
は充電電流を、シャント抵抗や非接触型の電流センサ等
の専用部品を設けることなく、精度よく検出することが
できる電源電流検出装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る電源電流検出装置は、直流電源と多
相回転機との間に多相電力変換器を介挿した制御系にお
ける直流電源及び多相電力変換器間の電流を検出する電
源電流検出装置において、前記多相回転機における各相
の瞬時電流値を符号付きで個別に検出する相電流検出手
段と、該相電流検出手段で検出した各相の電流値に、こ
れら各相に対応する前記多相電力変換器の上アーム制御
信号のオンデューティ比を個別に乗算した乗算値を合算
して前記電源電流を演算する電源電流演算手段とを備え
ていることを特徴としている。
【0009】この請求項1に係る発明においては、相電
流検出手段で検出した多相電動機や多相発電機等の多相
回転機における各相の符号付き瞬時電流値と、そのとき
の多相インバータや多相コンバータ等の多相電力変換器
における上アーム制御信号のオンデューティ比とを乗算
することにより、各相の通電量を算出し、これら通電量
を合算することにより、電源電流を算出することができ
る。また、請求項2に係る電源電流検出装置は、直流電
源と多相回転機との間に多相電力変換器を介挿した制御
系における直流電源及び多相電力変換器間の電流を検出
する電源電流検出装置において、前記多相回転機におけ
る各相の瞬時電流値を個別に検出する相電流検出手段
と、該相電流検出手段で検出した各相の電流値の絶対値
の和と、これら各相に対応する前記多相電力変換器の上
アーム制御信号のオンデューティ比の和と乗算した値を
平均化して前記電源電流を演算する電源電流演算手段と
を備えていることを特徴としている。
【0010】この請求項2に係る発明においては、電源
電流演算手段で、各相電流の絶対値の和とオンデューテ
ィ比の和とを乗算する1回の積和演算を行い、これらを
所定周期で平均化して演算負荷を低減する。さらに、請
求項3に係る電源電流検出装置は、請求項1又は2に係
る発明において、前記電源電流演算手段が演算した電源
電流を、当該電源電流、電源電圧、電動機出力、相電
流、電動機回転速度、周囲温度、前記多相電力変換器の
デッドタイム、多相インバータを構成するスイッチング
素子のオンドロップ、配線の損失等の補正パラメータの
少なくとも1つに基づいて算出される補正係数で補正す
る補正手段を有している。
【0011】この請求項3に係る発明においては、電源
電流、電源電圧等の補正パラメータの1つ又は複数の組
み合わせによって算出される補正係数で演算した電源電
流を補正するので、電源電流をより高精度で検出するこ
とができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明を補助動力付き自転
車に適用した場合の一実施形態を示す動力系統図であ
る。図中、1は乗り手の踏力が入力されるクランク軸で
あって、このクランク軸1に入力された入力トルクが一
方向クラッチ2を介して合力軸3に伝達される。一方、
例えばブラシレスDCモータで構成される多相回転機と
しての三相電動機4で発生される補助トルクが減速部5
及び一方向クラッチ6を介して合力軸3に伝達され、こ
の合力軸3でクランク軸1からの入力トルクと三相電動
機4で発生された補助トルクとが合成されて、その出力
トルクがチェーン(図示せず)及びフリーホイール7を
介して後輪8に伝達され、この後輪8が回転駆動され
る。
【0013】また、一方向クラッチ2及び合力軸3間の
動力伝達経路に入力トルクを検出する例えばトーション
バーを有するトルクセンサで構成される踏力センサ10
が設けられ、この踏力センサ10で検出された入力トル
ク検出値が三相電動機4を駆動制御するコントローラ2
0に入力される。図2は本実施形態における制御ブロッ
ク図であり、以下のような要素から構成される。例えば
24Vのバッテリで構成される直流電源12から供給さ
れる直流電力を互いに120°の位相差を有する三相交
流に変換して三相電動機4に供給する多相電力変換器を
構成する電圧型の三相インバータ13と、この三相イン
バータ13から三相電動機4に出力されるU相、V相及
びW相の各相電流を正負の符号付きで検出する例えば非
接触形のホールCTで構成される相電流検出手段として
の相電流センサ14U及び14Vと、三相電動機4の永
久磁石で構成されるロータの回転位相を検出して通電タ
イミング信号TSU 〜TSW を出力するホール素子を含
むホールIC15U、15V及び15Wと、例えば合力
軸3の回転速度を検出して車速VSPを検出する車速セン
サ16と、直流電源12の電源電圧を検出する電源電圧
センサ17と、上記各センサからの検出値に基づいて三
相電動機4で発生させるアシストトルクを演算し、演算
したアシストトルクに基づいて三相インバータ13の各
スイッチング素子に対する制御信号CSU 〜CSW を形
成すると共に、相電流検出値iU 及びiV に基づいて残
りのw相電流検出値iWを算出し、各相電流検出値iU
〜iW と三相インバータ13の上アーム制御信号のデュ
ーティ比とに基づいて電源電流iB を検出し、検出した
電源電流iB に基づいて電源残存容量の管理を行うコン
トローラ20とで構成されている。
【0014】ここで、三相インバータ13は、図3に示
すように、直流電源12の正極側及び負極側間に直列に
接続された一対のMOS電界効果トランジスタで構成さ
れるU相用スイッチング素子Q1,Q2と、これらU相
用スイッチング素子Q1,Q2と並列に接続された一対
のV相用スイッチング素子Q3,Q4及び一対のW相用
スイッチング素子Q5,Q6と、各スイッチング素子Q
1〜Q6と並列に接続されたフリーホイールダイオード
Dとを有し、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲートに
コントローラ20からの制御信号CSU 〜CSW が入力
され、さらにU相用スイッチング素子Q1及びQ2の接
続点が三相電動機4のスター接続されたU相コイルに接
続され、V相用スイッチング素子Q3及びQ4の接続点
が三相電動機4のV相コイルに接続され、W相用スイッ
チング素子Q5及びQ6の接続点が三相電動機4のW相
コイルに接続されている。
【0015】コントローラ20は、踏力センサ10で検
出した入力トルク検出値TP 及び車速センサ16で検出
した車速VSPが入力されると共に、相電流センサ14U
及び14Vで検出した相電流iU ,iV 及びホールIC
15U〜15Wで検出された通電タイミング信号TSU
〜TSW が入力され、これらに基づいて入力トルク検出
値TP に応じたアシストトルクを三相電動機4で発生さ
せるアシスト電流を算出し、これに応じた正弦波三相交
流信号を形成し、これらをパルス幅変調(PWM)した
制御信号CSU 、CSV 及びCSW を出力すると共に、
直流電源12の残容量管理を行う例えばマイクロコンピ
ュータで構成される演算処理部21と、この演算処理部
21から出力される制御信号CSU 〜CSW を増幅して
制御信号CSU1〜CSW2として前記三相インバータ13
の各スイッチング素子Q1〜Q6に供給するゲート駆動
部22とで構成されている。
【0016】ここで、演算処理部21は、踏力センサ1
0で検出した入力トルク検出値TP及び車速センサ16
で検出した車速VSPとに基づいて三相電動機4で所定の
アシストトルクを発生させるアシストトルク制御処理
と、相電流センサ14U及び14Vで検出した相電流i
U 及びiV に基づいて電源電流iB を検出する電源電流
検出処理と、この電源電流検出処理で検出した放電電流
積算値iQ 及び電源電圧VB に基づいて電源残容量管理
を行う直流電源管理処理とを実行し、電源残容量を発光
ダイオードD1及びD2の点灯制御によって表示する。
【0017】アシストトルク制御処理は、図4に示すよ
うに、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込
処理によって実行され、先ず、ステップS1で踏力セン
サ10で検出した入力トルク検出値TP 及び車速センサ
16で検出した車速VSPを読込み、次いでステップS2
に移行して、入力トルク検出値TP をもとに予め記憶さ
れた入力トルク−アシスト量変換テーブルを参照して、
アシストトルクTA を算出する。
【0018】次いで、ステップS3に移行して、車速V
SPをもとに図7に示す車速VSPと係数Kとの関係を示す
係数算出テーブルを参照して係数Kを算出する。ここ
で、係数算出テーブルは、図7に示すように、車速VSP
が零から例えば15km/hまでの間は係数Kが“1”
を保持するが、車速VSPが15km/hを越えると係数
Kが車速VSPの増加に逆比例して減少し、例えば24k
m/h以上で係数Kが“0”に維持される。
【0019】次いで、ステップS4に移行して、ステッ
プS2で算出したアシストトルクT A とステップS3で
算出した係数Kとを乗算して最終的な目標アシストトル
クT A * (=K×TA )を算出し、次いでステップS5
に移行して、目標アシストトルクTA * に基づいてアシ
スト電流値IA を算出し、次いでステップS6に移行し
て、ROMに予め記憶されている基準正弦波三相交流信
号データをホールIC15U〜15Wで検出した通電タ
イミング信号TSU 〜TSW に同期させて読出し、これ
にアシスト電流IA を乗算して正弦波三相交流でなる目
標電動機電流i U * 、iV * 及びiW * を算出する。
【0020】次いで、ステップS7に移行して、相電流
センサ14U及び14Vで検出した相電流iU 及びiV
を読込み、次いでステップS8に移行して、相電流iU
及びiV をもとに下記(1)式の演算を行って相電流i
W を算出し、次いでステップS9に移行して、目標電動
機電流iU * 、iV * 及びiW * と相電流iU 、i V
及びiW との偏差ΔiU 、ΔiV 及びΔiW に予め設定
したフィードバックゲインKF を乗算して相電流指令値
UC(=KF ・ΔiU )、iVC(=KF ・Δi V )及び
WC(=KF ・ΔiW )を算出してからステップS10
に移行する。
【0021】 iW =−(iU +iV ) …………(1) このステップS10では、相電流指令値iUC、iVC及び
WCに対して所定の変調周期Tでパルス幅変調処理を行
ってパルス幅変調信号に変換し、このパルス幅変調信号
を制御信号CSU 〜CSW としてゲート駆動部22に出
力してからタイマ割込処理を終了する。
【0022】また、電源電流検出処理は、所定時間(例
えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行さ
れ、図5に示すように、先ず、ステップS11で相電流
センサ14U及び14Vで検出した相電流iU 及びiV
とを読込み、次いでステップS12に移行して、前記ア
シストトルク制御処理におけるステップS8と同様に前
記(1)式の演算を行ってW相の相電流iW を算出す
る。
【0023】次いで、ステップS13に移行して、その
ときの前記アシストトルク制御処理におけるステップS
7のパルス幅変調処理で設定された制御信号CSU 〜C
Wのオン時間UON、VON及びWONを読込んでからステ
ップS14に移行し、各オン時間UON、VON及びWON
パルス幅変調周期Tで除して各相印加電圧のオンデュー
ティ比DU (=UON/T)、DV (=VON/T)及びD
W (=WON/T)を算出してからステップS15に移行
する。
【0024】このステップS15では、下記(2)式に
従ってオンデューティ比DU 、DV及びDW にこれらに
対応する相電流iU 、iV 及びiW を乗算した値を合算
することにより電源電流iB を算出する。 iB =DU ・iU +DV ・iV +DW ・iW …………(2) 次いで、ステップS16に移行して、電源電流iB を積
分して放電電流積算値iQ を算出し、次いでステップS
17に移行して、算出した電源電流iB 及び放電電流積
算値iQ をRAM等の記憶装置の所定記憶領域に更新記
憶してからタイマ割込処理を終了する。
【0025】この図5の電源電流検出処理において、ス
テップS11,S12の処理及び相電流センサ14U,
14Vが相電流検出手段に対応し、ステップS13〜S
16の処理が電源電流演算手段に対応している。一方、
直流電源管理処理は、メインプログラム処理として実行
され、コントローラ20のメインスイッチ(図示せず)
がオン状態となることにより処理を開始し、図6に示す
ように、先ず、ステップS21で、電源電圧センサ17
で検出した電源電圧VB をオープン電圧VO として読込
み、次いでステップS22に移行して、オープン電圧V
O が予め設定した比較的高い設定電圧VOP1 以上である
か否かを判定する。その判定結果がVO <VOP1 である
ときには直流電源12の充電電圧が不足気味であるが許
容範囲内であると判断してステップS23に移行して、
オープン電圧VO があらかじめ設定した設定電圧VOP1
より小さい設定電圧VOP2 以上であるか否かを判定し、
O ≧VOP2 であるときには電源残容量が不足気味であ
るが許容範囲内であるものと判断して後述するステップ
S34に移行し、VO <VOP2 であるときには直流電源
12の充電電圧が充電を必要とする過放電状態となって
いるものと判断してステップS24に移行し、発光ダイ
オードD1を点滅制御する。
【0026】次いで、ステップS25に移行して、所定
時間例えば1分が経過したか否かを判定し、所定時間が
経過していないときには前記ステップS23に戻り、所
定時間が経過したときにはステップS26に移行して、
三相電動機4への通電を遮断し、この三相電動機4によ
るアシストトルクの発生を停止してから処理を終了す
る。
【0027】一方、前記ステップS22の判定結果が、
O ≧VOP1 であるときには、直流電源12の充電電圧
が十分であるものと判断してステップS27に移行し、
2つの発光ダイオードD1及びD2を点灯制御し、次い
でステップS28に移行して、電源電圧センサ17で検
出した電源電圧VB と図5の電源電流検出処理で記憶し
た電源電流iB 及び放電電流積算値iQ とを読込んでか
らステップS29に移行する。
【0028】このステップS29では、電源電流iB
もとに図8に示す閾値電圧算出マップを参照して電源電
圧の閾値電圧VF1を算出する。ここで、閾値電圧算出マ
ップは図8に示すように、電源電流iB が“0”から所
定値iB1までの間は所定電圧VOP1 と等しい閾値電圧V
F1となり、所定値iB1から所定値iB2までの間は電源電
流iB の増加に逆比例して所定勾配で減少する閾値電圧
F1となり、所定値i B2以上では一定値を維持するよう
に設定されている。
【0029】次いで、ステップS30に移行して、電源
電圧VB が閾値電圧VF1以下であるか否かを判定し、V
B >VF1であるときには、電源電圧は十分であると判断
してステップS31に移行し、放電電流積算値iQ が予
め設定された放電許容値iT1以上であるか否かを判定
し、iQ >iT1であるときには放電電流量に余裕がある
ものと判断して前記ステップS27に戻る。
【0030】また、ステップS30の判定結果がVB
F1であるとき又はステップS31の判定結果がiQ
T1であるときには電源残容量が低下したものと判断し
てステップS32に移行し、発光ダイオードD1は点灯
制御し、発光ダイオードD2については点滅制御し、次
いでステップS33に移行して、所定時間(例えば1
分)が経過したか否かを判定し、所定時間が経過してい
ないときには前記ステップS32に戻り、所定時間が経
過したときにはステップS34に移行する。
【0031】このステップS34では、発光ダイオード
D1を点灯制御し、かつ発光ダイオードD2を消灯制御
し、次いでステップS35に移行して、前記ステップS
28と同様に電源電圧VB 、電源電流iB 及び放電電流
積算値iQ を読込んでからステップS36に移行する。
このステップS36では、電源電流iB をもとに図8に
示す閾値電圧算出マップを参照して閾値電圧VF2を算出
する。ここで、ここで、閾値電圧算出マップは図8に示
すように、電源電流iB が“0”から所定値iB1までの
間は所定電圧V OP2 と等しい閾値電圧VF2となり、所定
値iB1から所定値iB2までの間は電源電流iB の増加に
逆比例して所定勾配で減少する閾値電圧VF2となり、所
定値iB2以上では一定値を維持するように設定されてい
る。
【0032】次いで、ステップS37に移行して、電源
電圧VB が閾値電圧VF2以下であるか否かを判定し、V
B >VF2であるときにはステップS38に移行して、放
電電流積算値iQ が放電許容値iT2以上であるか否かを
判定し、iQ <iT2であるときには電源残容量に余裕が
あるものと判断して前記ステップS34に戻る。一方、
ステップS37の判定結果がVB ≦VF2であるとき及び
ステップS38の判定結果がiQ ≧iT2であるときには
電源残容量に余裕がなく充電を必要とするものと判断し
て前記ステップS24に移行する。
【0033】次に、上記第1の実施形態の動作を説明す
る。今、補助動力付き自転車がメインスイッチをオフ状
態として停車しており、このときの直流電源12がフル
充電されているものとする。この停車状態では、メイン
スイッチがオフ状態であることにより、制御装置11に
は電力が投入されておらず、演算処理部21での演算処
理が停止され、直流電源12から三相インバータ13へ
の電力供給も停止されて三相電動機4の回転が停止して
いる。
【0034】この停車状態からメインスイッチをオン状
態とすると、制御装置11に電力が投入され、これに応
じて演算処理部21で図4〜図6の処理が実行開始され
る。このとき、乗り手がペダルを踏込んでいないときに
は、踏力センサ10で検出される入力トルク検出値TP
が“0”であると共に、車速センサ16で検出する車速
SPも“0”である。
【0035】このため、図4のアシストトルク制御処理
が実行されたときに、ステップS2で算出されるアシス
トトルクTA が“0”となることにより、目標電動機電
流i U * 、iV * 及びiW * も“0”となり、相電流セ
ンサ14U及び14Vで検出した相電流iU 及びiV
“0”となり、これらに基づいて算出する相電流iW
“0”となることにより、相電流指令値iUC、iVC及び
WCも“0”となるため、これら相電流指令値iUC、i
VC及びiWCをパルス幅変調して形成される制御信号CS
U 、CSV 及びCSW もオン時間UON、VON及びWON
“0”となり、三相インバータ13の各スイッチング素
子Q1〜Q6がオフ状態を継続して、三相電動機4に出
力される相電流iU 、iV 及びiW が“0”となって、
この三相電動機4が回転停止状態を継続する。
【0036】一方、図5の電源電流検出処理において
は、相電流センサ14U及び14Vで検出した相電流i
U 及びiV が“0”であり、これらに基づいて算出され
る相電流iW も“0”であり、アシストトルク制御処理
における制御信号CSU 、CS V 及びCSW のオン時間
ON、VON及びWONが“0”であるので、ステップS1
5で算出される電源電流iB も“0”となり、ステップ
S16で算出される放電電流積算値iQ も“0”とな
る。
【0037】また、図6の直流電源管理処理では、電源
電圧センサ17で検出した電源電圧VB がオープン電圧
O として読込まれ、直流電源12がフル充電されてい
るので、オープン電圧VO が設定電圧VOP1 以上とな
り、電源残容量が十分であると判断し、ステップS22
からステップS27に移行して、電源残容量が十分であ
ることを表す発光ダイオードD1及びD2を点灯制御
し、この状態では、三相電動機4が駆動されていないこ
とにより、電力消費量が僅かであるので、電源電圧VB
が閾値電圧VF1を越えており、且つ放電電流積算値iQ
も“0”であるので、ステップS27〜S31の処理を
繰り返す。
【0038】この停車状態から自転車を走行開始させる
ために、乗り手がペダルを漕ぐと、これに応じて踏力セ
ンサ10からペダルに伝達されるトルクに応じた入力ト
ルク検出値TP が出力されることにより、図4のアシス
トトルク制御処理におけるステップS2で入力トルク検
出値TP に応じたアシストトルクTA が算出されると共
に、そのときの車速VSPが“0”であるので、ステップ
S3で算出される係数Kが“1”となるため、ステップ
S4で算出される目標アシストトルクTA * がアシスト
トルクTA と同一値となり、この目標アシストトルクT
A * に基づいてアシスト電流IA が算出される(ステッ
プS5)。
【0039】そして、算出されたアシスト電流IA に基
づいてステップS6で、目標電動機電流iU * 、iV *
及びiW * が算出され(ステップS6)、算出された目
標電動機電流iU * 、iV * 及びiW * とこのときの相
電流iU 、iV 及びiW との偏差ΔiU 、ΔiV 及びΔ
W にフィードバックゲインKF を個別に乗算して図9
(a)、(b)及び(c)で正弦波で示す相電流指令値
UC、iVC及びiWCを算出し(ステップS9)、算出し
た相電流指令値iUC、iVC及びiWCをパルス幅変調処理
することにより、図9(a)、(b)及び(c)で矩形
波で示す制御信号CSU 、CSV 及びCSW を形成し、
これをゲート駆動部22に出力する(ステップS1
0)。
【0040】このため、ゲート駆動部22から制御信号
CSU 、CSV 及びCSW を三相インバータ13の上ア
ームに対応するスイッチング素子Q1、Q3及びQ5の
ゲートに制御信号CSU1、CSV1及びCSW1として出力
すると共に、残りのスイッチング素子Q2、Q4及びQ
6に対して制御信号CSU 、CSV 及びCSW を反転さ
せた制御信号CSU2、CSV2及びCSW2を出力する。
【0041】このため、三相電動機4のU相コイル、V
相コイル及びW相コイルに相電流i U 、iV 及びiW
供給され、目標アシストトルクTA * を発生するように
回転駆動され、この三相電動機4で発生されるアシスト
トルクが減速部5、一方向クラッチ6を介して合力軸3
に供給されて、この合力軸3でクランク軸1から伝達さ
れる乗り手の入力トルクと合成されて、チェーン(図示
せず)及びフリーホイール7を介して後輪8を回転駆動
することにより、軽い踏力で自転車を走行させることが
できる。
【0042】このように、自転車が三相電動機4を回転
駆動しながら走行状態となると、図5の電源電流検出処
理が実行されるタイミング例えば図9(a)〜(c)に
おけるU相電流iU が電気角で110°となる時点t1
で、相電流センサ14U及び14Vで検出される実際に
三相電動機4のU相コイル及びV相コイルに供給されて
いる符号付きの相電流iU 及びiV を読込み(ステップ
S11)、これら相電流iU 及びiV に基づいて前記
(1)式の演算を行って残りの相電流iW を算出する
(ステップS12)。この時点t1 では、図9(a)、
(b)及び(c)から明らかなように、U相電流iU
正の値となるが、V相電流iV 及びW相電流iW は負の
値となり、また相電流iU 、iV 及びiW の和は何れの
時点でも必ず“0”となる。
【0043】このときのパルス幅変調処理におけるU
相、V相及びW相制御信号CSU 、CSV 及びCSW
オン時間UON、VON及びWONは図10(a)、(b)及
び(c)に示すように、相電流iU 、iV 及びiW の電
流値の絶対値に比例したものとなる。このため、各相の
オン時間UON、VON及びWONを読込み(ステップS1
3)、これらをパルス幅変調周期Tで除してオンデュー
ティ比DU 、DV 及びDW を算出し(ステップS1
4)、これらオンデューティ比DU 、DV 及びDW に個
別に相電流iU 、iV 及びiW を乗じて、これらを合算
する前記(2)式の演算を行うことにより、図10
(d)でハッチングを施した面積で表される電源電流i
Bを算出することができる(ステップS15)。
【0044】そして、算出した電源電流iB を積分する
ことにより、放電電流積算値iQ を算出し(ステップS
16)、算出した電源電流iB 及び放電電流積算値iQ
をRAM等の記憶装置の所定記憶領域に更新記憶する。
この走行開始時点では、放電電流積算値iQ も少なく、
電源電圧VB の低下も小さいので、図6の直流電源管理
処理で、ステップS27〜S31を繰り返しているが、
三相電動機4でアシストトルクを発生している状態の走
行距離が長くなると、これに伴って直流電源12の電力
を消費することになり、電源電圧VB が低下すると共
に、放電電流積算値iQ が増加する。
【0045】このとき、放電電流積算値iQ は、平坦な
路面を走行している場合と上り坂を走行する場合とで
は、三相電動機4で必要とするアシストトルクが前者に
対して後者の方が多くなることにより、前者に対して後
者の方が短時間で増大する傾向にある。したがって、平
坦な路面を走行している場合には、放電電流積算値iQ
は緩やかに増加することになり、例えば放電電流積算値
Q が放電許容値iT1以上となる前に電源電圧VB が電
源電流iB をもとに図8の閾値電圧算出マップを参照し
て算出される閾値電圧VF1以下となると、ステップS3
0からステップS32に移行して、発光ダイオードD2
が点滅制御されて電源残容量が低下したことを表示し、
この状態が所定時間継続した後にステップS34に移行
して、発光ダイオードD1のみが点灯される。
【0046】逆に、上り坂を連続走行する場合には、放
電電流積算値iQ が比較的短時間で増加することにな
り、電源電圧VB が閾値電圧VF1以下となる前に放電電
流積算値iQ が放電許容値iT1を以上となり、ステップ
S31からステップS32に移行し、上記と同様に発光
ダイオードD2が点滅制御されて電源残容量の低下が表
示される。
【0047】さらに、三相電動機4でアシストトルクを
発生させた走行を継続して、電源電圧VB が閾値電圧V
F2以下となるか、放電電流積算値iQ が第2の放電許容
値i T2以上となると、ステップS37又はS38からス
テップS24に移行して、発光ダイオードD1を所定時
間点滅させてから図4のアシストトルク制御処理を終了
させて、三相電動機4によるアシストトルクの発生を停
止させ、通常の自転車として走行する状態となる。
【0048】また、メインスイッチをオン状態としたと
きのオープン電圧VO が所定電圧V OP1 より低いが、所
定電圧VOP2 以上であるときには、図6の直流電源管理
処理において、ステップS23からステップS34に移
行し、電源電圧VB が閾値電圧VF2以下となるか、放電
電流積算値iQ が放電許容値iT2以上となるまで、三相
電動機4によるアシストトルクの発生を継続し、さら
に、メインスイッチをオン状態としたときのオープン電
圧VO が所定電圧VOP2 以下であるときには、ステップ
S23からステップS24に移行することにより、発光
ダイオードD1が所定時間点滅制御された後に、図4の
アシストトルク制御処理を終了させて、三相電動機4に
よるアシストトルクの発生を停止させ、通常の自転車と
して走行する状態となる。
【0049】このように、上記第1の実施形態による
と、三相インバータ13から三相電動機4に供給される
各相電流iU 及びiV を三相電動機4のフィードバック
制御用の相電流センサ14U及び14Vで検出すると共
に、検出した相電流iU 及びi V に基づいて残りの相電
流iW を算出し、これら相電流iU 〜iW に個別に相電
流を検出した時点の三相インバータ13に供給する制御
信号CSU 〜CSW のオン時間UON〜WONをパルス幅変
調周期Tで除したオンデューティ比DU 〜DW を乗算し
た値を合算することにより、電源電流iB を検出するよ
うにしたので、三相インバータ13の入力側に電源電流
を検出する電源電流センサやシャント抵抗を設ける必要
がなく、この分部品点数を減少させることができ、製造
コストを低減させることができると共に、コントローラ
20全体の回路面積を減少させることができる。
【0050】なお、上記第1の実施形態においては、電
源電流検出処理を所定時間毎のタイマ割込処理として実
行する場合について説明したが、これに限定されるもの
ではなく、図4のアシストトルク制御処理におけるパル
ス幅変調処理において、各相のオンデューティ比DU
V 及びDW を監視し、これらが予め設定したデューテ
ィ比となる毎に相電流センサ14U及び14Vで検出し
た相電流iU 及びiVを読込むと共に、残りの相電流i
W を算出し、これら相電流iU 、iV 及びiWとオンデ
ューティ比DU 、DV 及びDW とを個別に乗算した値を
合算して電源電流iB を算出するようにしてもよい。
【0051】次に、本発明の第2の実施形態を図11に
ついて説明する。この第2の実施形態では、上述した第
1の実施形態における図5の電源電流演算処理における
ステップS15で前記(2)式の演算で、積和演算を3
回行う必要があり、電源電流演算処理内での負荷が大き
くなり、コントローラ20の演算処理部21を構成する
マイクロプロセッサユニットとして、高速で高価なマイ
クロプロセッサユニットを必要とすることを考慮して、
より簡易な演算処理で電源電流iB を算出するようにし
たものである。
【0052】すなわち、第2の実施形態では、演算処理
部21で、図4のアシストトルク演算処理、図5の電流
検出処理に代えた図11に示す電流検出処理及び図6の
直流電源管理処理を、パルス幅変調周期が可聴周波数領
域(15kHz)を越える16kHzとなるように、5
msec毎のタイマ割込処理として実行する。そして、
図11の電流検出処理は、先ず、ステップS41で、処
理回数Nが予め設定した所定値jに達したか否かを判定
し、これが所定値jに達していないときには、ステップ
S42に移行して、相電流センサ14U及び14Vで検
出した相電流iU,V を読込み、次いでステップS43
に移行して、前記(1)式の演算を行って残りの相電流
W を算出し、次いで、ステップS44に移行して、そ
のときの図4のアシストトルク制御処理におけるステッ
プS7のパルス幅変調処理で設定された制御信号CSU
〜CSW のオン時間UON、VON及びWONを読込んでから
ステップS45に移行し、各オン時間UON、VON及びW
ONをパルス幅変調周期Tで除してオンデューティ比DU
(=UON/T)、DV (=VON/T)及びDW (=WON
/T)を算出してからステップS46に移行する。
【0053】このステップS46では、下記(3)式に
従って相電流iU 、iV 及びiW の絶対値の和にオンデ
ューティ比DU 、DV 及びDW の和を乗算することによ
り電源電流iB を算出し、これをRAM等のメモリに形
成した電源電流記憶領域に記憶する。 iB =(|iU |+|iV |+|iW |)・(|DU |+|DV |+|DW |) …………(3) 次いで、ステップS47に移行して、処理回数Nを
“1”だけインクリメントしてからタイマ割込処理を終
了する。
【0054】一方、前記ステップS41の判定結果が、
処理回数Nが所定値jに達したときには、ステップS4
8に移行して、電源電流記憶領域に記憶されている所定
数j個の電源電流iB1〜iBjを加算し、その加算値を所
定値jで除して平均値でなる電源電流iBMを算出し、次
いでステップS49に移行して、処理回数Nを“0”に
クリアし、次いでステップS50及びS51に移行し
て、前記図5のステップS16及びステップS17と同
様に放電電流積算値iQ を算出すると共に、電源電流i
BM及び放電電流積算値iQ を所定記憶領域に更新記憶し
てからタイマ割込処理を終了する。
【0055】この図11の電源電流検出処理において、
ステップS42,S43の処理及び相電流センサ14
U,14Vが相電流検出手段に対応し、ステップS4
1、S44〜S49の処理が電源電流演算手段に対応し
ている。このように、上記第2の実施形態においては、
電源電流演算処理で、1回の演算処理で前記(3)式に
よる1回の積和演算で電源電流iB を算出し、算出した
電源電流iB をタイマ割込周期をTM としたとき所定周
期j・TM 間で平均化するので、各相電流iU 〜iW
瞬時値と各相印加電圧のオンデューティ比DU 〜DW
の間に位相差を生じるため、両者の乗算値に力率(co
sφ)に相当する誤差分が含まれることになるが、この
力率に相当する誤差分を所定周期間の平均をとることに
より、平滑化して解消することができる。
【0056】すなわち、補助動力付き自転車が走行を開
始する際には、大きなアシストトルクを必要とするた
め、各相電流指令値iUC〜iWCが大きな値となるが、こ
の時点では、三相電動機4の回転速度が遅く、相電流i
U 〜iW の瞬時値と各相印加電圧のオンデューティ比D
U 〜DW との間の位相差を殆ど生じないので正確な電源
電流iB を求めることができる。
【0057】しかしながら、その後車速VSPが増加して
三相電動機4の回転速度が速くなると相電流iU 〜iW
が小さい値となり、相電流iU 〜iW の瞬時値と各相印
加電圧のオンデューティ比DU 〜DW との間の位相差が
大きくなるため、力率に相当する誤差分が大きくなり、
所定周期の間に順次算出される電源電流iB1〜iBjを平
均化することにより、平滑化して誤差分を解消した電源
電流iBMを求めることができる。
【0058】したがって、第2の実施形態によると、図
11の電流検出処理において、通常はステップS46で
一回の積和演算を行うだけでよいので、前述した第1の
実施形態に比較して演算処理負荷を軽減することがで
き、低速で安価なマイクロプロセッサユニットを適用し
て、可聴周波数域を越えたパルス幅変調周期で三相電動
機4を駆動しながら電源電流iBMに基づいて直流電源1
2の管理を行うことができる。
【0059】なお、上記第2の実施形態においては、ス
テップS48で加算平均化処理を行う場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、ステップS4
1、S47〜S49を省略して、これらに代えてステッ
プS46の後に、所定数j個の電源電流iB1〜iBjの移
動平均値を算出するローパスフィルタとなる移動平均処
理を追加して、タイマ割込周期毎に電源電流iB1〜iBj
の移動平均値iBMを算出するようにしてもよい。
【0060】また、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、前記(2)又は(3)式の演算を行って電源電流
B を算出する場合について説明したが、これに限定さ
れるものではなく、電源電流の検出に影響を与える電源
電圧、電動機出力トルク、電動機電流値、電動機回転速
度、算出した電源電流iB の値、周囲温度等の各パラメ
ータと補正係数との関係を表す補正係数算出マップを形
成し、これらの選択された1つ又は複数をROM等の記
憶装置に記憶しておき、選択されたパラメータをもとに
補正係数算出マップを参照して補正係数Aを算出する
か、補正係数算出マップの特性に対応する方程式を求め
てこの方程式にパラメータを代入することにより、補正
係数Aを算出し、算出した補正係数Aを電源電流iB
加算するか又は乗算して、電源電流iB を補正すること
によって、電源電流推定精度をより向上させることが可
能となる。
【0061】また、上記補正係数Aとしては上記補正係
数算出マップを参照したり、方程式に基づいて算出する
場合に限らず、三相インバータ13のスイッチング素子
におけるスイッチング時の短絡による焼損を防止するデ
ッドタイム、スイッチング素子のオンドロップ、配線に
よる電流損失等のパラメータの場合には、これらパラメ
ータの何れか又はこれらの組み合わせによって決定され
る補正係数A2 を予め実験等によって設定しておき、こ
の設定された補正係数A2 を電源電流iB に加算するか
又は乗算するようにしてもよい。
【0062】さらに、上記第1及び第2の実施形態にお
いては、三相電動機4としてブラシレスDCモータを適
用し、このブラシレスDCモータを三相駆動する場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、4
相駆動等の多相駆動することができ、これに応じてイン
バータ13の相数を増加させればよく、このインバータ
の各相電流を検出すると共に、そのときのパルス幅変調
のオン時間をパルス幅変調周期Tで除したオンデューテ
ィ比に相電流を乗算した値を合算すれば、電源電流iB
を検出することができる。
【0063】さらにまた、上記第1及び第2の実施形態
においては、多相電動機としてブラシレスDCモータを
適用した場合について説明したが、これに限定されるも
のではなく、インバータ駆動する三相交流電動機等の多
相交流電動機を適用することができる。なおさらに、上
記実施形態においては、三相電動機4のU相及びV相の
相電流iU 及びiV を相電流センサ14U及び14Vで
検出する場合について説明したが、これに限定されるも
のではなく、U相とW相又はV相とW相とを検出するよ
うにしてもよく、要は電動機4の相数をNとしたときに
(N−1)相の電流を検出すればよく、全相の相電流を
検出してもよいことは言うまでもない。
【0064】また、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、相電流検出手段として、ホールCTを適用した場
合について説明したが、これに限らず、電流の通電方向
を符号付きで検出可能な他の変流器等の電流センサを適
用し得る。さらに、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、演算処理部21で直流電源管理処理を行う場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、電
源残存容量に応じて放電量を制御する放電量制御処理を
行うようにしてもよい。
【0065】さらにまた、上記第1及び第2の実施形態
においては、補助動力付き自転車に本発明を適用した場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、ハンドリムに人力が入力され、これに応じたアシス
トトルクを発生させる補助動力付き車椅子やアクセル等
によってトルク指令値を入力する電動スクータ等の小型
電動車両にも本発明を適用することができ、さらには、
エンジンと電動機とを併用するハイブリッド車両にも本
発明を適用することができる。
【0066】なおさらに、上記第1及び第2の実施形態
においては、直流電源12の放電電流を電源電流として
検出する場合について説明したが、これに限定されるも
のではなく、ハイブリッド車両等で回生制動を行う場
合、発電される電力を電力変換器としての多相コンバー
タを介して直流電源を充電する際に、多相コンバータか
ら直流電源に出力される充電電流を上記第1及び第2の
実施形態と同様の構成によって正確に検出することがで
きる。この他、エンジン等の回転駆動源の回転駆動力を
利用して多相回転機としての多相発電機を回転駆動し、
この多相発電機で発電される多相交流を電力変換器とし
ての多相コンバータで直流に変換してバッテリ等の充電
可能な二次電池を充電する場合にも多相コンバータから
直流電源に出力される充電電流を、多相発電機の各相電
流を検出し、これらに多相コンバータの上アーム制御信
号のオンデューティ比を個別に乗算して合算するか又は
各相電流の和とオンデューティ比の和とを乗算すること
によって正確に検出することができる。
【0067】また、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、電源残容量を発光ダイオードD1,D2の点灯状
態で表示する場合について説明したが、これに限定され
るものではなく、液晶表示装置等の他の表示手段で表示
することもでき、また電源残容量状態を2段階で表示す
る場合に代えて3段階以上の任意の段階表示することも
できる。
【0068】さらに、上記第1及び第2の実施形態にお
いては、電源としてバッテリを適用した場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、一次電池、
二次電池その他の任意の直流電源を適用することができ
る。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、相電流検出手段で検出した多相電動機にお
ける各相の符号付き瞬時電流値と、そのときの多相電力
変換器の上アーム制御信号のオンデューティ比とを乗算
することにより、各相の通電量を算出し、これら通電量
を合算することにより、電源と多相電力変換器との間の
電流を算出するので、電源の放電電流又は充電電流を検
出するために、電源と多相電力変換器との間に別途電流
検出手段を設ける必要がなく、この分部品点数を減少さ
せて製造コストを低減することができると共に、コント
ローラの回路面積を減少させることができるという効果
が得られる。
【0070】また、請求項2に係る発明によれば、電源
電流演算手段で、各相電流の絶対値の和とオンデューテ
ィ比の和とを乗算する1回の積和演算を行い、これらを
所定周期で平均化して演算負荷を低減することができる
という効果が得られる。さらに、請求項3に係る発明に
よれば、請求項1又は2に係る発明で検出した電源電流
を電源電圧、電動機出力トルク、電動機回転速度、電源
電流値、周囲温度、インバータデッドタイム、スイッチ
ング素子オンドロップ、配線による電流損失等の種々の
パラメータの何れか又は組み合わせにより得られる補正
係数で補正するようしたので、より精度良く電源電流を
検出することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を補助動力付き自転車に適用した場合の
概略構成図である。
【図2】図1の制御装置の具体例を示すブロック図であ
る。
【図3】図2の三相インバータの具体例を示す回路図で
ある。
【図4】図2の演算処理部で実行するアシストトルク制
御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】図2の演算処理部で実行する電源電流検出処理
手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】図2の演算処理部で実行する直流電源管理処理
手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図4のアシストトルク制御処理で使用する係数
算出マップを示す特性線図である。
【図8】図6の直流電源管理処理で使用する閾値電圧算
出マップを示す特性線図である。
【図9】アシストトルク制御処理で形成される電流指令
値と制御信号との関係を示すタイムチャートである。
【図10】電源電流検出処理の動作の説明に供する波形
図である。
【図11】本発明の第2の実施形態を示す演算処理部で
実行する電源電流検出処理手順の一例を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
4 三相電動機 12 直流電源 13 三相インバータ 14U,14V 相電流センサ 15U,15V,15W ホールIC 17 電源電圧センサ 20 コントローラ 21 演算処理部 22 ゲート駆動部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源と多相回転機との間に多相電力
    変換器を介挿した制御系における直流電源及び多相電力
    変換器間の電流を検出する電源電流検出装置において、
    前記多相回転機における各相の瞬時電流値を符号付きで
    個別に検出する相電流検出手段と、該相電流検出手段で
    検出した各相の電流値に、これら各相に対応する前記多
    相電力変換器の上アーム制御信号のオンデューティ比を
    個別に乗算した乗算値を合算して前記電源電流を演算す
    る電源電流演算手段とを備えていることを特徴とする電
    源電流検出装置。
  2. 【請求項2】 直流電源と多相回転機との間に多相電力
    変換器を介挿した制御系における直流電源及び多相電力
    変換器間の電流を検出する電源電流検出装置において、
    前記多相回転機における各相の瞬時電流値を個別に検出
    する相電流検出手段と、該相電流検出手段で検出した各
    相の電流値の絶対値の和と、これら各相に対応する前記
    多相電力変換器の上アーム制御信号のオンデューティ比
    の和と乗算した値を平均化して前記電源電流を演算する
    電源電流演算手段とを備えていることを特徴とする電源
    電流検出装置。
  3. 【請求項3】 前記電源電流演算手段は、演算した電源
    電流を、当該電源電流、電源電圧、電動機出力、相電
    流、電動機回転速度、周囲温度、前記多相電力変換器の
    デッドタイム、多相電力変換器を構成するスイッチング
    素子のオンドロップ、配線の損失等の補正パラメータの
    少なくとも1つに基づいて算出される補正係数で補正す
    る補正手段を有することを特徴とする請求項1又は2に
    記載の電源電流検出装置。
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