JP2001119577A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2001119577A
JP2001119577A JP29444699A JP29444699A JP2001119577A JP 2001119577 A JP2001119577 A JP 2001119577A JP 29444699 A JP29444699 A JP 29444699A JP 29444699 A JP29444699 A JP 29444699A JP 2001119577 A JP2001119577 A JP 2001119577A
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Toyohisa Matsuda
豊久 松田
Teruhiko Matsuoka
輝彦 松岡
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多値画像の2値化処理において、背景を確実
に除去する。 【解決手段】 画像処理装置の2値化部15において、
第1の2値化閾値算出部23は、多値画像の単位領域毎
に、各輝度値の画素の出現度数の分布に基づいた特徴量
に基づき、該単位領域の第1の2値化閾値を算出する。
第2フィルタ処理部25は、特徴量および予め定めるフ
ィルタ係数を用いたエッジ検出処理の結果に基づいてフ
ィルタ係数を設定し、該フィルタ係数を用いたエッジ検
出フィルタ処理を、多値画像の単位領域に対して施す。
第2の2値化閾値算出部26は、第2フィルタ処理部2
5の処理結果に基づき、各単位領域の第2の2値化閾値
を算出する。2値化処理部27は、単位領域毎に、特徴
量に応じて、多値画像の単位領域および該単位領域に対
する第2フィルタ処理手段の結果のうちのいずれか一方
を、第1および第2の2値化閾値のうちのいずれか一方
によって2値化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多値画像のデータ
を2値化する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像のデータを処理する画像処理装置
は、入力された多値画像のデータに対して2値化処理を
施すことによって、画像のデータのデータ量を削減する
ものが多い。たとえば画像通信を行うファクシミリ装置
において、画像のデータのデータ量の削減は、通信量の
削減、すなわちコスト削減に貢献する。また複写機やプ
リンタに代表されるような、記憶媒体上に画像を形成す
る装置において、入力された多値画像のデータを疑似中
間調等の2値表現方式のデータに変更することによっ
て、画像形成を比較的容易に制御することができる。ま
た前記画像を形成する装置およびファクシミリ装置は、
画像のデータを記憶するためのデータメモリを、内部に
備えている。画像のデータのデータ量が減少させられる
場合、データメモリの容量が少なくて済む。このように
画像のデータに2値化処理を施すことは、装置コストの
削減に直接貢献する。
【0003】従来技術の画像処理装置における多値画像
のデータの2値化処理の手法には、原稿の読取り濃度に
対応した閾値によって多値画像のアナログ信号を直接2
値化する第1の2値化手法と、アナログ/デジタル変換
によって多値画像のアナログ信号を多値画像のデジタル
信号に一旦変換し、該デジタル信号を2値化する第2の
2値化手法とがある。
【0004】第1の2値化手法を用いる従来技術の画像
処理装置は、入力された多値画像の2値化処理を、以下
の手順で実現している。まず、画像のアナログ信号が、
画像処理装置に入力される。次いで、自動背景制御等に
よって制御された電圧をピーク値としてシェーディング
補正電圧が生成され、該シェーディング補正電圧が分圧
される。これによって、2値化の際の基準電圧が生成さ
れる。続いて、多値画像のアナログ信号と生成された基
準電圧とが比較され、比較結果に応じて多値画像のアナ
ログ信号が2値化されて出力される。
【0005】第2の2値化手法を用いる従来技術の画像
処理装置は、入力された多値画像の2値化処理を、以下
の手順で実現している。まず、アナログ/デジタル変換
手段における負の基準電圧となる固定値が設定され、自
動背景制御等によって制御された電圧をピーク値として
生成されるシェーディング補正電圧が、正の基準電圧と
して適用される。次いで、前記アナログ/デジタル変換
手段によって、入力された多値画像のアナログ信号が多
値画像のデジタル信号に変換される。次いで、多値画像
のデジタル信号に、エッジ強調処理等の所定の画像処理
が施される。次いで、画像処理後の多値画像のデジタル
信号と固定値である閾値とが比較され、比較結果に応じ
て多値画像のデジタル信号が2値化されて出力される。
【0006】上述した第1の2値化処理において、2値
化に用いられる閾値は、シェーディング補正電圧に基づ
いて設定されている。また第2の2値化処理において、
2値化に用いられる閾値は固定値になっている。2値化
に用いられる閾値の決定方式には、この他に、多値画像
における画素の輝度値の出現度数の分布を示す度数ヒス
トグラムを求め、度数ヒストグラムの形状に基づき2値
化処理の閾値を決定する手法がある。このような2値化
処理の閾値の決定方式は、特開平6−326871号公
報および特開平9−69941号公報に開示されてい
る。
【0007】特開平6−326871号公報の2値化閾
値決定方式においては、量子化された画像における各濃
度レベルの画素の出現頻度を示すヒストグラムが生成さ
れ、該ヒストグラムにサーチ領域が設定され、該ヒスト
グラムの該サーチ領域内の部分に基づいて2値化処理の
閾値が決定される。特開平9−69941号公報の画像
処理装置は、多値画像の1ライン分の領域毎に、該領域
内の複数個の画素の輝度信号を複数の各閾値によってそ
れぞれ2値化し、該領域における各閾値によって2値化
された各輝度値の画素の出現頻度をそれぞれ計数し、計
数結果に基づいて、各閾値によって2値化された輝度値
のうちのいずれかを選択して出力する。
【0008】さらにまた本件出願人は、特公平7−43
760号公報において、度数ヒストグラムに基づいた2
値化処理の閾値を用いた2値化処理を含む画像処理方式
を開示している。特公平7−43760号公報の画像処
理方式においては、ディザ法による閾値と単純な2値化
処理の閾値とが予め用意されている。画像内の帯状の単
位領域毎に、各輝度値の画素の出現頻度を示すヒストグ
ラムと、対数変換された各輝度値の画素の出現頻度を示
すヒストグラムとが作成され、2種類のヒストグラムと
2種類の閾値とに基づいて、単位領域内の画素の2値化
処理に用いる閾値が決定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記第1および第2の
2値化処理を行う従来技術の画像処理装置は、白い紙面
に文字が描かれているような、原稿自体が2値化されて
いる原稿の読取り結果である多値画像に対しては良好に
2値化処理を行うことが可能である。しかしながら前記
従来技術の画像処理装置は、文字部の画素の輝度値と背
景部の画素の輝度値とが近接しているような文字原稿の
読取り結果である多値画像を2値化の対象にした場合、
良好な処理結果を得ることが困難である。また特開平6
−326871号公報および特開平9−69941号公
報に開示される従来技術の画像処理装置において、度数
ヒストグラムの形状に基づいて2値化閾値を決定する場
合でも、文字部の画素の輝度値と背景部の画素の輝度値
とにそれほど差がないときには、良好な処理結果を得る
ことは難しい。したがって2値化処理の精度の良い2値
化閾値を得るには、ヒストグラム作成時の量子化レベル
の個数を多くする必要があり、処理が複雑化してしま
う。
【0010】本発明は、入力された多値画像のデータに
対して、所定サイズの単位領域毎に2値化処理を行うこ
とによって、文字再現性を向上し、背景を除去し、さら
に符号化効率を向上させることができる画像処理装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、多値画像が入
力される画像処理装置において、入力された多値画像を
予め定める大きさの単位領域に区分し、単位領域毎に、
各輝度値の画素の出現度数の分布を示す度数ヒストグラ
ムを生成するヒストグラム生成手段と、各単位領域の度
数ヒストグラムに基づき、多値画像の各単位領域の特徴
量を求める特徴抽出手段と、特徴抽出手段によって求め
られた各単位領域の特徴量に基づき、各単位領域におけ
る第1の2値化閾値を算出する第1の2値化閾値算出手
段と、多値画像の各単位領域に対して、エッジ検出のた
めの処理を施す第1フィルタ処理手段と、単位領域毎
に、特徴量および第1フィルタ処理手段の処理結果に基
づいてフィルタ係数を設定し、多値画像の単位領域に対
して、設定されたフィルタ係数を用いたエッジ検出のた
めのフィルタ処理を施す第2フィルタ処理手段と、第2
フィルタ処理手段の各単位領域の処理結果に基づき、各
単位領域における第2の2値化閾値を算出する第2の2
値化閾値算出手段と、各単位領域毎に、特徴抽出手段に
よって求められた特徴量に応じて、多値画像の単位領域
および第2フィルタ処理手段によって処理された単位領
域のうちのいずれか一方の単位領域を選択し、かつ第1
の2値化閾値および第2の2値化閾値のうちのいずれか
一方を選択し、選択された単位領域内の画素の輝度値を
選択された2値化閾値によって2値化する2値化処理手
段とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0012】本発明に従えば、画像処理装置において、
ヒストグラム生成手段と特徴抽出手段とによって多値画
像の各単位領域の特徴量が求められ、特徴量に応じて各
単位領域の2値化処理手法が切換えられる。すなわち本
発明の画像処理装置は、多値画像の単位領域内の背景部
の画素の輝度値と単位領域内の背景部以外の残余部の画
素の輝度値とに充分な差がある場合、前記特徴量を基に
該単位領域を2値化し、背景部と残余部との画素の輝度
値に充分な差がない場合、第1フィルタ処理手段および
第2フィルタ処理手段によって、背景部と残余部とを精
度良く分離しつつ単位領域を2値化することが可能にな
っている。これによって画像処理装置は、多値画像を精
度良く2値化することが可能となる。さらに第2フィル
タ処理手段において、単位領域の特徴量の変化に応じて
エッジ検出のためのフィルタ係数が変化するので、2値
化処理をさらに精度良く行うことができる。
【0013】本発明の画像処理装置は、前記特徴抽出手
段が、多値画像の各単位領域の特徴量として、第1輝度
境界値と第2輝度境界値とを検出し、第1輝度境界値
は、単位領域の度数ヒストグラムにおいて、下限の輝度
値から上限の輝度値に至る方向に向かって度数を検査し
た場合、予め定める基準度数を越える度数から該基準度
数以下の度数に最初に変化する変化点に対応する輝度値
であり、第2輝度境界値は、単位領域の度数ヒストグラ
ムにおいて、上限の輝度値から下限の輝度値に至る方向
に向かって度数を検査した場合、前記基準度数を越える
度数から該基準度数以下の度数に最初に変化する変化点
に対応する輝度値であることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、画像処理装置において、
多値画像の単位領域の特徴量として、第1輝度境界値お
よび第2輝度境界値が求められる。これによって特徴抽
出手段は、多値画像の単位領域の特徴を的確に抽出する
ことができる。
【0015】本発明の画像処理装置は、前記第1の2値
化閾値算出手段が、前記特徴抽出手段によって求められ
た第1および第2輝度境界値の中間の輝度値を、前記第
1の2値化閾値として算出することを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、画像処理装置において、
第1および第2輝度境界値の中間の輝度値が、第1の2
値化閾値として算出される。これによって第1の2値化
閾値算出手段は、第1の2値化閾値を的確に求めること
ができる。
【0017】本発明の画像処理装置は、前記第2フィル
タ処理手段が、前記特徴抽出手段によって求められた特
徴量に基づいたフィルタ係数の設定に、前記第1および
第2輝度境界値の差分の絶対値を用いることを特徴とす
る。
【0018】本発明に従えば、画像処理装置において、
第1および第2輝度境界値の差分の絶対値を用いて、第
2フィルタ処理手段におけるフィルタ係数が設定され
る。これによって第2フィルタ処理手段は、多値画像の
単位領域に適したフィルタ係数を設定することができ
る。
【0019】本発明の画像処理装置は、前記第2フィル
タ処理手段は、単位領域の全画素に対する前記設定され
たフィルタ係数を用いたフィルタ処理の結果が予め定め
る条件を満たすまで、前記特徴量に基づいたフィルタ係
数設定およびフィルタ処理を繰返し、前記フィルタ処理
の結果が満たすべき条件は、単位領域の全画素に対する
該フィルタ処理の結果が、単位領域の背景部と残余部と
をエッジに基づいて分離可能な値になっている場合に満
たされることを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、画像処理装置において、
第2フィルタ処理手段のフィルタ処理の結果が予め定め
る条件を満たすまで、フィルタ係数設定およびフィルタ
処理が繰返される。これによって第2フィルタ処理手段
は、多値画像に適したフィルタ係数を最終的に設定する
ことができるので、背景部の画素の輝度値と背景部以外
の残余部の画素の輝度値とに差が殆どない多値画像を、
精度良く2値化することができる。
【0021】本発明の画像処理装置は、前記第2フィル
タ処理手段は、前記単位領域の全画素に対する前記設定
したフィルタ係数を用いたフィルタ処理の結果の平均値
が予め定める基準範囲に含まれている場合、該単位領域
の全画素に対する該設定されたフィルタ係数を用いたフ
ィルタ処理の結果が前記予め定める条件を満たしている
と判断することを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、画像処理装置において、
第2フィルタ処理手段において設定されたフィルタ係数
の決定条件として、単位領域の全画素に対する第2フィ
ルタ処理手段の処理結果の平均値が用いられる。これに
よって第2フィルタ処理手段は、多値画像の各単位領域
に適したフィルタ係数を設定することができる。
【0023】本発明の画像処理装置は、前記第2フィル
タ処理手段が、前記多値画像の単位領域の各画素に対す
る前記設定されたフィルタ係数を用いたフィルタ処理の
結果を、該各画素の輝度値と、前記第1フィルタ処理手
段で求められた該各画素のエッジ検出のための処理結果
とに基づいて算出することを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、画像処理装置において、
第2フィルタ処理手段は、各画素に対する設定されたフ
ィルタ係数を用いたフィルタ処理の演算を行う代わり
に、該フィルタ処理の処理結果を、各画素の輝度値と該
各画素の前記第1フィルタ処理手段の処理結果とに基づ
いて算出する。これによって第2フィルタ処理手段は、
処理結果の算出のための演算量を軽減することが可能に
なる。
【0025】本発明の画像処理装置は、前記第2の2値
化閾値算出手段が、前記単位領域の全画素に対する前記
第2フィルタ処理手段の処理結果の平均値を、該単位領
域における第2の2値化閾値とすることを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、画像処理装置において、
多値画像の単位領域の全画素に対する第2フィルタ処理
手段の処理結果の平均値が、第2の2値化閾値として算
出される。これによって第2の2値化閾値算出手段は、
多値画像の各単位領域に適した第2の2値化閾値を算出
することができる。
【0027】本発明の画像処理装置は、前記ヒストグラ
ム生成手段が、前記多値画像の単位領域の各画素の輝度
値を予め定める段階数の量子化レベルに量子化し、各単
位領域の画素の量子化レベルの出現度数を示す度数ヒス
トグラムを生成し、量子化レベルの段階数は、多値画像
の画素の輝度値の階調数よりも少ないことを特徴とす
る。
【0028】本発明に従えば、画像処理装置において、
輝度値の出現度数を示す度数ヒストグラムの代わりに、
量子化された輝度値である量子化レベルの出現度数を示
す度数ヒストグラムが作成されている。これによって画
像処理装置の処理量を軽減することが可能になる。
【0029】本発明の画像処理装置は、前記ヒストグラ
ム生成手段が、前記多値画像の単位領域の全画素の輝度
値のうちの最大輝度値および最小輝度値を求め、最大輝
度値と最小輝度値との間の階調を、予め定める段階数の
量子化レベルに量子化することを特徴とする。
【0030】本発明に従えば、画像処理装置において、
単位領域内の全画素の輝度値のうちの最大輝度値と最小
輝度値との間の階調がPレベルに量子化される。これに
よってヒストグラム生成手段が度数ヒストグラムをより
精度良く生成することが可能となるので、特徴抽出手段
は多値画像の各単位領域の特徴を的確に抽出することが
できる。
【0031】本発明の画像処理装置は、輝度値と量子化
レベルとの関係を示す量子化ルックアップテーブルを記
憶する量子化ルックアップテーブル記憶手段をさらに含
み、前記ヒストグラム生成手段が、前記多値画像の単位
領域の全画素の輝度値のうちの最大輝度値および最小輝
度値を求め、最大輝度値と最小輝度値との間の階調を、
量子化ルックアップテーブルに基づいて予め定める数の
レベルに量子化することを特徴とする。
【0032】本発明に従えば、画像処理装置において、
ヒストグラム生成手段が、量子化ルックアップテーブル
に基づいて、最大輝度値と最小輝度値との間の階調を量
子化する。これによってヒストグラム生成手段は、単位
領域毎に、輝度値を精度良く量子化することが可能とな
る。この結果ヒストグラム生成手段は、各単位領域の量
子化レベルの度数ヒストグラムを、より精度良く生成す
ることができる。
【0033】本発明の画像処理装置は、前記特徴抽出手
段が、多値画像の各単位領域の特徴量として、第1輝度
境界レベルと第2輝度境界レベルとを検出し、第1輝度
境界レベルは、単位領域の度数ヒストグラムにおいて、
下限の量子化レベルから上限の量子化レベルに至る方向
に向かって度数を検査した場合、予め定める基準度数を
越える度数から該基準度数以下の度数に最初に変化する
変化点に対応する量子化レベルであり、第2輝度境界レ
ベルは、単位領域の度数ヒストグラムにおいて、上限の
量子化レベルから下限の量子化レベルに至る方向に向か
って度数を検査した場合、前記基準度数を越える度数か
ら該基準度数以下の度数に最初に変化する変化点に対応
する量子化レベルであり、前記第1の2値化閾値算出手
段が、第1および第2の輝度境界レベルに基づいて画素
の量子化レベルを2値化するための閾値を算出し、算出
された閾値を前記量子化ルックアップテーブルを用いて
逆変換し、逆変換された閾値を前記第1の2値化閾値と
することを特徴とする。
【0034】本発明に従えば、画像処理装置において、
多値画像の単位領域の特徴量として、第1輝度境界レベ
ルおよび第2輝度境界レベルが求められ、かつ量子化ル
ックアップテーブルと第1および第2輝度境界レベルと
を用いて、第1の2値化閾値が算出される。これによっ
て第1の2値化閾値算出手段は、輝度値が量子化されて
いる場合であっても、第1の2値化閾値を的確に算出す
ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある画像処理装置1を示すブロック図である。画像処理
装置1は、γ補正部12と、フィルタ処理部13と、解
像度変換処理部14と、2値化部15とを含む。画像処
理装置1には、画像入力装置11から、処理対象となる
多値画像のデータが与えられる。
【0036】画像入力装置11は、たとえばCCDイメ
ージセンサを用いたスキャナによって実現される。前記
スキャナは、原稿表面に光を照射し、原稿表面からの反
射光を光電変換することによって原稿表面が写る多値画
像のアナログ信号を生成し、多値画像のアナログ信号を
アナログ/デジタル変換する。この結果生成されたデジ
タル化された多値画像の信号、すなわち多値画像のデー
タが、画像処理装置1のγ補正部12に与えられる。な
お画像処理装置1がアナログ/デジタル変換部をさらに
備え、アナログ/デジタル変換部がγ補正部12の前段
に配置され、多値画像のアナログ信号が画像処理装置1
に与えられ、画像処理装置1において多値画像のアナロ
グ信号のアナログ/デジタル変換処理が行われてもよ
い。
【0037】γ補正部12は、多値画像のデータに対し
て、多値画像の階調再現性を高めるためのγ補正処理を
施す。フィルタ処理部13は、γ補正された多値画像の
データに対して、多値画像の画質を向上させるためのフ
ィルタ処理を施す。解像度変換処理部14は、多値画像
のデータに対して、フィルタ処理された多値画像の解像
度を要求される解像度に変換するための処理を施す。要
求される解像度は、たとえば画像処理装置1から出力さ
れる画像のデータを利用する装置の仕様に応じて決定さ
れてもよく、画像処理装置1を備える装置の利用者から
の指示によって決定されてもよい。2値化部15は、解
像度が変換された多値画像のデータに対して、多値画像
のデータを2値画像のデータに変換するための2値化処
理を施す。これによって得られた2値画像のデータが、
画像処理装置1から出力される。
【0038】画像処理装置1内部において、画像はデー
タの形態で取扱われる。画像のデータは、画像を構成す
る複数の各画素の輝度を表す輝度値を少なくとも含んで
いる。多値画像の画像データにおいて、輝度値が取得る
値は3階調以上ある。2値画像の画像データにおいて、
輝度値が取得る値は2階調だけである。本明細書におい
て、「画像」は「画像のデータ」の概念を含んでいる。
【0039】図1の画像処理装置1は、2値化部15に
おける2値化処理に特徴がある。2値化部25は、概略
的には、解像度変換処理部14から与えられた多値画像
を予め定める大きさの単位領域に分割し、画像のデータ
内の各単位領域を示す部分に注目して、単位領域毎に2
値化のための処理を行う。単位領域は、M行N列(N×
M)個の画素から構成される。Mは、1以上であって、
かつ多値画像の1行を構成する画素の数以下の自然数で
ある。Nは、1以上であって、かつ多値画像の1列を構
成する画素の数以下の自然数である。
【0040】図2は、図1の2値化部15の具体的な構
成を示すブロック図である。2値化部15は、ヒストグ
ラム生成部21、特徴抽出部22、第1の2値化閾値算
出部23、第1フィルタ処理部24、第2フィルタ処理
部25、第2の2値化閾値算出部26、および2値化処
理部27を含む。
【0041】ヒストグラム生成部21は、最初に、多値
画像を予め定める大きさの単位領域に区分し、単位領域
毎に、多値画像の単位領域を構成する各画素の輝度値I
N[i][j]をP階調単位で量子化する。量子化され
た輝度値である量子化レベルの取得る段階数は、2段階
以上でありかつ輝度値が取得る階調数未満の自然数であ
る。次いでヒストグラム生成部21は、量子化された多
値画像の単位領域毎に、各量子化レベルの画素の出現度
数の分布を示す度数ヒストグラムを生成する。特徴抽出
部22は、単位領域毎に、度数ヒストグラムの形状に基
づき、多値画像の単位領域の特徴量を算出する。第1の
2値化閾値算出部23は、多値画像の各単位領域の特徴
量に基づき、該各単位領域の第1の2値化閾値BT1を
求める。
【0042】第1フィルタ処理部24は、入力された多
値画像の各単位領域の画素の輝度値IN[i][j]に
対して、エッジ検出のための処理を施す。第2フィルタ
処理部25は、単位領域毎に、まず、特徴抽出部22に
よって求められた多値画像の単位領域の特徴量、および
単位領域に対する第1フィルタ処理部24の処理結果E
A[i][j]に基づき、単位領域のエッジ抽出のため
のフィルタ係数を設定する。第2フィルタ処理部25
は、次いで、単位領域毎に、入力された多値画像の単位
領域の画素の輝度値IN[i][j]に対して、設定さ
れたフィルタ係数を用いたエッジ検出のためのフィルタ
処理を施す。第2フィルタ処理部25が設定するフィル
タ係数は、行列である。多値画像の各画素の輝度値IN
[i][j]を、該輝度値に対する第2フィルタ処理部
25の処理結果EB[i][j]に置換えた画像を、以
後「エッジ画像」と称する。第2の2値化閾値算出部2
6は、各単位領域の画素に対する第2フィルタ処理手段
の処理結果EB[i][j]に基づき、各単位領域の第
2の2値化閾値BT2を算出する。
【0043】2値化処理部27は、単位領域毎に、ま
ず、特徴抽出部22によって求められた多値画像の単位
領域の特徴量に基づき、入力された多値画像の単位領域
と、第2フィルタ処理部によって処理された該単位領域
とのうちから、2値化処理の対象となる単位領域を選択
する。すなわち、単位領域毎に、特徴量に基づき、多値
画像の画素の輝度値IN[i][j]と該画素の第2フ
ィルタ処理部25の処理結果EB[i][j]とのうち
から、2値化処理の対象になる値を選択する。2値化処
理部27は、同時に、単位領域毎に、多値画像の単位領
域の特徴量に基づき、第1の2値化閾値BT1および第
2の2値化閾値BT2のうちのいずれか一方を選択す
る。次いで2値化処理部27は、単位領域毎に、選択さ
れた単位領域の画素の輝度値を、選択された2値化閾値
によって2値化する。この結果得られた値が、2値画像
の画素の輝度値として、2値化部15から出力される。
【0044】以上説明したように、第1の実施の形態の
2値化部15は、多値画像内の所定サイズの単位領域毎
に、量子化レベルの度数ヒストグラムに基づいて特徴量
を算出し、該特徴量に応じて画素の2値化対象の値およ
び2値化閾値を切換える。これによって2値化部15
は、多値画像をより精度良く2値化することができる。
【0045】2値化部15内の各処理部における単一の
単位領域に対する処理について、以下に詳細に説明す
る。なお以下の説明では、多値画像が256階調の白黒
画像であり、処理対象の単位領域が図3に示すような3
行8列(8×3)の画素から構成されており、かつ図4
に示す多値画像において太線で囲んだ単位領域31を処
理対象とする場合を例としている。図4において、行列
状に配置された各矩形枠が画素に相当し、矩形枠内の数
値が画素の輝度値を示す。なお本明細書および図面にお
いて、単位領域のj+1行i+1列の画素〔i,j〕に
対応付けられる各種数値の参照符には、図3の多値画像
の単位領域のマスクに示すように、添字「[i]
[j]」を付している。iは0以上N−1以下の整数で
ある。jは0以上M−1以下の整数である。
【0046】ヒストグラム生成部21は、単位領域の各
画素の輝度値をP階調単位のレベルに量子化し、単位領
域における量子化レベルの度数ヒストグラムを作成す
る。このようにヒストグラム生成部21は、輝度値の出
現度数を直接示す度数ヒストグラムの代わりに、量子化
された輝度値である量子化レベルの出現度数を示す度数
ヒストグラムを作成している。量子化レベルの度数ヒス
トグラムが特徴抽出部22で用いられる場合、輝度値の
度数ヒストグラムが特徴抽出部22で用いられる場合よ
りも、画像処理装置の処理量が軽減される。
【0047】輝度値の量子化のために、ヒストグラム処
理部21は、たとえば、上限輝度値と下限輝度値との間
の階調をP階調単位の区間に予め分割して各区間に量子
化レベルを対応付けておき、各画素の輝度値を該輝度値
を含む区間の量子化レベルに置換えればよい。上限輝度
値は、輝度値が取得る最大値であり、本実施の形態では
真白に対応する輝度値「255」である。下限輝度値
は、輝度値が取得る最小値であり、本実施の形態では真
黒に対応する輝度値「0」である。量子化レベル数P
は、単一の量子化レベルに対応する区間内の輝度値の階
調数である。多値画像が256階調である場合、量子化
レベル数Pは、好ましくは16である。図5は、量子化
レベル数Pが16である場合における図4の多値画像の
単位領域31の量子化レベルの度数ヒストグラムであ
る。本実施の形態において、量子化レベルが取得る最小
値である下限量子化レベルは「0」であり、量子化レベ
ルが取得る最大値である上限量子化レベルは「15」で
ある。
【0048】特徴抽出部22は、量子化レベルの度数ヒ
ストグラムに基づき、単位領域の特徴量として、第1輝
度境界レベルLL1と、第2輝度境界レベルLL2と、
単位領域の全画素の輝度値の平均値IAVEとを算出す
る。第1輝度境界レベルLL1は、度数ヒストグラムに
おいて、下限量子化レベルから上限量子化レベルに至る
方向である増加方向D1に向かって度数を検査した場
合、予め定める基準度数HRを越える度数から基準度数
HR以下の度数に最初に変化する変化点に対応する量子
化レベルである。第2輝度境界レベルLL2は、度数ヒ
ストグラムにおいて、上限量子化レベルから下限量子化
レベルに至る方向である減少方向D2に向かって度数を
検査した場合、基準度数HRを越える度数から基準度数
HR以下の度数に最初に変化する変化点に対応する量子
化レベルである。このように、多値画像の単位領域の特
徴量として第1輝度境界レベルLL1および第2輝度境
界レベルLL2が求められる場合、特徴抽出部22は多
値画像の単位領域の特徴を的確に抽出することができ
る。基準度数HRは、好ましくは、量子化レベルの全段
階数の4分の1である。量子化レベルの段階数が16で
ある場合、基準度数HRは4である。
【0049】第1輝度境界レベルLL1を得るために、
特徴抽出部22は、最初に、増加方向D1に向かって度
数ヒストグラムを検索し、出現度数が基準度数HRを最
初に越える量子化レベルを検出する。次いで特徴抽出部
22は、検出された量子化レベルから増加方向D1に向
かって度数ヒストグラムをさらに検索し、出現度数が最
初に基準度数HR以下になる量子化レベルを検出する。
このようにして検出された量子化レベルが、第1輝度境
界レベルLL1として設定される。
【0050】図6は、特徴抽出部22における増加方向
D1への度数ヒストグラムの検索処理のフローチャート
である。度数ヒストグラムの完成後、ステップA0から
ステップA1に進む。ステップA1において、判断対象
の量子化レベルXとして、初期値である下限量子化レベ
ル「0」が設定される。次いでステップA2において、
最新の判断対象の量子化レベルXの画素の出現度数が基
準度数HRを越えたか否かが判断される。判断対象の量
子化レベルXの画素の出現度数が基準度数HR以下のと
きには、ステップA3において、判断対象の量子化レベ
ルXが増加方向D1に1段階だけ移動させられ、ステッ
プA2に戻る。ステップA2〜A3の処理は、判断対象
の量子化レベルの出現度数が基準度数HRより大きくな
るまで繰返される。判断対象の量子化レベルXの画素の
出現度数が基準度数HRを越えるときには、ステップA
2からステップA4に移行する。
【0051】基準度数HR以上の量子化レベルが求めら
れた場合、ステップA4において、判断対象の量子化レ
ベルXの画素の出現度数が基準度数HR以下になったか
否かが判断される。判断対象の量子化レベルXの画素の
出現度数が基準度数HRより大きければ、ステップA5
において、判断対象の量子化レベルXが増加方向D1に
1段階だけ移動させられる。ステップA4に戻る。ステ
ップA4〜A5の処理は、判断対象の量子化レベルXの
出現度数が基準度数HR以下になるまで繰返される。判
断対象の量子化レベルXの出現度数が基準度数HR以下
になったならば、ステップA4からステップA6に移行
する。ステップA6において、現在の判断対象の量子化
レベルXが、第1輝度境界レベルLL1として記憶され
る。変数代入後、ステップA7において増加方向D1へ
の検索処理が終了する。
【0052】第2輝度境界レベルLL2を得るために、
特徴抽出部22は、最初に、減少方向D2に向かって度
数ヒストグラムを検索し、出現度数が基準度数HRを最
初に越える量子化レベルを検出する。次いで特徴抽出部
22は、検出された量子化レベルから減少方向D2に向
かって、度数ヒストグラムをさらに検索し、出現度数が
最初に基準度数HR以下になる量子化レベルを検出す
る。このようにして検出された量子化レベルが、第2輝
度境界レベルLL2として設定される。特徴抽出部22
における減少方向D2への度数ヒストグラムの検索処理
は、図6のフローチャートにおいて、判断対象の量子化
レベルXの初期値として上限量子化レベル「255」を
用い、かつステップA3,A5において判断対象の量子
化レベルXが減少方向D2に1段階だけ移動させられる
構成になっていればよい。
【0053】基準度数HRが4である場合、図4の多値
画像の単位領域31の特徴量算出処理は、以下のとおり
になる。図5の度数ヒストグラムに基づいた第1輝度境
界レベルLL1の算出のために、特徴抽出部22は、ま
ず初期値を0とし、次いでステップA2,A3の処理に
よって、出現度数が4を超えるまで判断対象の量子化レ
ベルXを増加方向D1に順次移動させる。図5の度数ヒ
ストグラムにおいては、量子化レベルが7のとき出現度
数が4を超えるので、判断対象の量子化レベルXが7で
ある時点で、ステップA2からステップA4に移行す
る。次に特徴抽出部22は、ステップA4,A5の処理
によって、出現度数が4以下となるまで、増加方向D1
への判断対象の量子化レベルXの移動と出現度数の判定
とを繰返す。図5の度数ヒストグラムにおいては、量子
化レベルが8のとき出現度数が4以下となるので、第1
輝度境界レベルLL1は8になる。同様にして、第2輝
度境界レベルLL2を算出すると、第2輝度境界レベル
LL2は6になる。また図4の多値画像の単位領域31
の輝度値平均値IAVEは、106になる。
【0054】第1の2値化閾値算出部23は、単位領域
毎に、ヒストグラム生成部21によって求められた第1
輝度境界レベルLL1および輝度境界レベルLL2、な
らびに量子化レベル数Pに基づいて、第1の2値化閾値
BT1を算出する。たとえば第1の2値化閾値BT1
は、以下の式1に示すように、第2輝度境界レベルLL
2と第1輝度境界レベルLL1との平均値に対応する輝
度値であり、該平均値に対して量子化の逆変換を施して
得られる。図4の多値画像の単位領域31においては、
第1輝度境界レベルLL1が8であり、第2輝度境界レ
ベルLL2が6であり、量子化レベル数Pが16なの
で、式2に示すように、第1の2値化閾値BT1は11
2になる。このように、第1の2値化輝度値として、第
1および第2輝度境界レベルの中間値に対応する輝度値
が算出される場合、第1の2値化閾値算出部23は、第
1の2値化閾値を的確に求めることができる。 BT1 =((LL2+LL1)÷2)× P …(1) BT1 =((8+6)÷2)× 16 = 112 …(2)
【0055】第1フィルタ処理部24は、単位領域毎
に、以下の処理を行う。まず多値画像の単位領域の各画
素の輝度値IN[i][j]に対して、予め定めるフィ
ルタ係数を用いたエッジ検出のためのフィルタ処理が施
される。これによって各画素の制限前のフィルタ処理結
果YA[i][j]が得られる。次いで各画素のフィル
タ処理結果YA[i][j]が、輝度値の許容範囲内の
値EA[i][j]に制限される。輝度値の許容範囲
は、下限輝度値以上上限輝度値以下の範囲である。さら
に、各画素の制限前のフィルタ処理結果YA[i]
[j]の平均値が求められ、求められた平均値が輝度値
許容範囲内の値PAVEに制限される。以後、「第1フ
ィルタ処理部24における各画素のフィルタ処理結果の
制限後の値EA[i][j]」を「第1フィルタ処理結
果EA[i][j]」と称し、「第1フィルタ処理部2
4における各画素の制限前のフィルタ処理結果YA
[i][j]の平均値の制限後の値PAVE」を「第1
エッジ平均値PAVE」と称する。
【0056】入力された多値画像の単位領域の任意の画
素〔i,j〕の輝度値IN[i][j]に対する制限前
のフィルタ処理結果YA[i][j]は、以下の式3に
よって定義される。式3において、F[p][q]は第
1フィルタ処理部24が用いるフィルタ係数内のq+1
行p+1列の要素である。I1およびI2はフィルタサイ
ズを表す。I1はフィルタ係数の列の本数であり、I2
フィルタ係数の行の本数である。
【0057】
【数1】
【0058】図4の多値画像の単位領域31の画素
〔1,3〕の輝度値IN[1][3]に対して、図7に
示す3行3列のフィルタ係数の要素を用いてフィルタ処
理を行う場合、式4に示すように、制限前のフィルタ処
理結果YA[1][3]は71になる。71は輝度値の
許容範囲内の値なので、画素〔1,3〕の第1フィルタ
処理結果EA[1][3]は71になる。 YA[1][3]= −2×(108+61+115+64+65) +3×(63+112+62+62) = 71 …(4)
【0059】図4の単位領域31の他の各画素について
も、画素〔1,3〕と同様に処理される。これによっ
て、単位領域の全画素の第1フィルタ処理結果が得られ
る。図4の多値画像の単位領域31の各画素の第1フィ
ルタ処理結果EA[i][j]は、図8のように分布す
る。図8において、各矩形枠が単位領域内の画素に対応
し、矩形枠内の数値が、該矩形枠に対応する画素の第1
フィルタ処理結果EA[i][j]を示す。また図4の
多値画像の単位領域31の第1エッジ平均値PAVE
は、232になる。ただし図4の多値画像は256階調
になっているので、第1フィルタ処理の制限前の結果Y
A[i][j]が255を超える場合には、第1フィル
タ処理結果EA[i][j]を255にしている。平均
値は、制限前のフィルタ処理結果が255を超えていて
も、制限前のフィルタ処理結果をそのまま用いて算出さ
れる。算出された平均値が255を超えるとき、該平均
値は255に制限される。したがって、第1エッジ平均
値PAVEは、図8に示す制限後の第1フィルタ処理結
果EA[i][j]の平均値とは異なることがある。
【0060】第2フィルタ処理部25は、単位領域毎に
以下の処理を行う。最初に、第1エッジ平均値PAVE
と、第1輝度境界レベルLL1と、第2輝度境界レベル
LL2とに基づいて、第2フィルタ処理部25で用いら
れるフィルタ係数の中心要素が変更される。第2フィル
タ処理部25における中心要素変更前のフィルタ係数
は、第1フィルタ処理部24で用いられるフィルタ係数
と等しい。次いで、単位領域の各画素の輝度値に対し
て、中心要素を変更したフィルタ係数を用いたエッジ検
出のためのフィルタ処理(以後「設定係数フィルタ処
理」と称する)が施される。これによって各画素の制限
前の設定係数フィルタ処理結果Y2[i][j]が得ら
れる。次いで、各画素の制限前の設定係数フィルタ処理
結果Y2[i][j]が、輝度値の許容範囲内の値EB
[i][j]に制限される。さらに、制限前の設定係数
フィルタ処理結果Y2[i][j]の平均値が算出さ
れ、求められた平均値が輝度値の許容範囲内の値QAV
Eに制限される。以後、「第2フィルタ処理部25にお
ける各画素の設定係数フィルタ処理結果Y2[i]
[j]の制限後の値EB[i][j]」を「第2フィル
タ処理結果EB[i][j]」と略称し、「第2フィル
タ処理部25の制限前の設定係数フィルタ処理結果Y2
[i][j]の平均値の制限後の値QAVE」を「第2
エッジ平均値QAVE」と略称する。
【0061】図9は、第2フィルタ処理部25における
処理を説明するためのフローチャートである。処理対象
の単位領域に対する第1フィルタ処理部24の処理が完
了すると、ステップB0からステップB1に進む。ステ
ップB1において、第2フィルタ処理部25は、単位領
域の各画素の第1フィルタ処理結果EA[i][j]
を、該各画素の第2フィルタ処理結果EB[i][j]
の初期値にし、かつ第1エッジ平均値PAVEを、第2
エッジ平均値QAVEの初期値にする。
【0062】ステップB2において、第2フィルタ処理
部25は、最新の第2エッジ平均値QAVEと、第2エ
ッジ平均値の予め定める許容範囲の上限閾値および下限
閾値と比較する。最新の第2エッジ平均値QAVEが前
記許容範囲に含まれない場合、ステップB3において、
第2フィルタ処理部25のフィルタ係数の中心要素FC
[n]を変更する。中心要素FC[n]は、第1輝度境
界レベルLL1と輝度境界レベルLL2の差分の絶対値
に基づいて、式5に示すように定義される。式5におい
て、nは、中心要素設定処理の現在の繰返し回数nであ
り、kは所定の係数であり、FC[n−1]は1回前に
設定された中心要素を示す。
【0063】
【数2】
【0064】フィルタ係数の中心要素は、該中心要素の
初期値よりも、中止要素設定処理の繰返し回数に比例し
て増加し、1回の増加分は、第1および第2輝度境界レ
ベルLL1,LL2の差の絶対値に対するフィルタ係数
設定の係数kの比率と等しい。フィルタ係数設定の係数
kが小さいほど、単位領域における背景部と背景部以外
の残余部との分離の精度、たとえば背景部と文字部との
分離精度が向上する。かつ係数kが小さいほど、処理量
が増加する。係数kは、分離精度および処理量がそれぞ
れ適当な値になるように、設定されている。このように
第1および第2輝度境界レベルの差分の絶対値を用い
て、第2フィルタ処理部におけるフィルタ係数が設定さ
れる場合、第2フィルタ処理部は、多値画像の単位領域
に適したフィルタ係数を設定することができる。
【0065】ステップB4において、第2フィルタ処理
部25は、変更後のフィルタ係数を用いて、第2フィル
タ処理結果EB[i][j]および第2エッジ平均値Q
AVEをを求める。ステップB4の演算処理は、第1フ
ィルタ処理結果EA[i][j]および第1エッジ平均
値PAVEの演算処理と比較して、フィルタ係数がステ
ップB3で設定された最新のフィルタ係数になっている
点だけが異なり、他は等しい。計算完了後、ステップB
4からステップB2に戻る。
【0066】ステップB2〜B4の処理は、最新の第2
エッジ平均値QAVEが許容範囲内の値になるまで繰返
される。ステップB2において、最新の第2エッジ平均
値QAVEが許容範囲内の値であると判断されれば、最
新のフィルタ係数が確定され、ステップB2からステッ
プB5に移行する。第2フィルタ処理部25は、ステッ
プB5において、最新の第2フィルタ処理結果EB
[i][j]および最新の第2エッジ平均値QAVEを
そのまま出力し、ステップB6でフローチャートを終了
する。
【0067】以上説明したように、第2フィルタ処理部
25は、最新の第2フィルタ処理の結果が予め定める条
件を満たすまで、フィルタ係数設定および設定係数フィ
ルタ処理を繰返すので、多値画像に適したフィルタ係数
を最終的に設定することができる。このようなフィルタ
係数を用いた第2フィルタ処理の平均値に基づいた第2
の2値化閾値は、背景部の画素の輝度値と残余部の画素
の輝度値とに差が殆どない多値画像を精度良く2値化す
ることができる。また第2フィルタ処理部25は、フィ
ルタ係数の決定条件として、単位領域の全画素の輝度値
に対する設定係数フィルタ処理の結果の平均値である第
2エッジ平均値を用いる。これによって第2フィルタ処
理部25は、多値画像の各単位領域に適したフィルタ係
数を設定することができる。
【0068】フィルタ係数の決定条件である第2エッジ
平均値の許容範囲は、以下のように設定されている。多
値画像の単位領域において、背景部の空間周波数成分
は、背景以外の残余部たとえば文字部等の空間周波数成
分よりも高く、高周波成分を多く含んで構成されてい
る。第2エッジ平均値の許容範囲は、第2フィルタ処理
結果を輝度値とするエッジ画像の単位領域において、空
間周波数の高周波成分を多く含む領域と空間周波数の低
周波成分を多く含む領域との分離ができているかを判定
するための指標として用いられる。画素の出現頻度のヒ
ストグラムを用いて算出された第1の2値化閾値が正し
くない場合、第2フィルタ処理結果EB[i][j]を
用いて、単位領域内の背景部と残余部とのエッジを検出
し、かつ該背景部と残余部とを分離することが可能にな
るように、第2エッジ平均値の許容範囲は設定されてい
る。すなわち、単位領域の全画素の第2フィルタ処理結
果EB[i][j]が、多値画像の単位領域における背
景部と残余部とのエッジを明示するような値になる場
合、第2エッジ平均値が許容範囲に含まれるように、第
2エッジ平均値の許容範囲は設定されている。
【0069】第2エッジ平均値QAVEの許容範囲が式
6で示すように240以上に定義され、かつ式7に示す
ように中心要素設定時の係数kが2である場合、たとえ
ば、図4の多値画像の単位領域31に対する第2フィル
タ処理部25の処理は以下のとおりになる。第2エッジ
平均値QAVEの初期値は209なので、初回のステッ
プB2〜B4の処理によって、フィルタ係数の中心要素
が変更される。フィルタ係数の中心要素の初期値FC
[0]は、第1フィルタ処理部24のフィルタ係数の中
心要素「−2」である。第1輝度境界レベルLL1は8
であり、第2輝度境界レベルLL2は6であるので、第
1輝度境界レベルLL1と第2輝度境界レベルLL2の
差分の絶対値である2を用いて、式8に示すように、変
更後の中心要素FC[1]は−1になる。 255 ≧ 第2エッジ平均値QAVE > 240 …(6) k = 2 …(7) 中心要素FC[1]= −2 + 2 ÷ 2 = −1 …(8)
【0070】そして、ステップB4によって、変更後の
フィルタ係数を用いた第2フィルタ処理結果および第2
エッジ平均値QAVEが求められ、ステップB2に戻
る。フィルタ係数の中心要素が−1のとき、第2エッジ
平均値QAVEは240より大きくなるので、ステップ
B5へ移行し、現在の第2フィルタ処理結果EB[i]
[j]および現在の第2エッジ平均値QAVEを出力す
る。この結果図4の単位領域31の例では、第1フィル
タ処理部でのフィルタ係数が図7の行列である場合、確
定された変更後のフィルタ係数は図10の行列になる。
【0071】第2フィルタ処理部25は、ステップB4
において、フィルタ係数を用いた行列演算を行う代わり
に、各画素の第2フィルタ処理結果EB[i][j]を
各画素の第1フィルタ処理結果EA[i][j]および
各画素の輝度値IN[i][j]を用いて算出し、かつ
各単位領域の第2エッジ平均値QAVEを、該各単位領
域の第1エッジ平均値PAVEと該各単位領域の輝度値
平均値IAVEとを用いて算出してもよい。このような
簡易的算出手法について以下に詳細に述べる。
【0072】式9に示すように、各画素の制限前の設定
係数フィルタ処理結果YB[i][j]として、該各画
素の輝度値IN[i][j]と、該各画素の第1フィル
タ処理結果EA[i][j]との和が求められる。この
ように求められた設定係数フィルタ処理結果YB[i]
[j]を輝度値許容範囲内の値に制限することによっ
て、第2フィルタ処理結果EB[i][j]が得られ
る。また式10に示すように、全画素の制限前の設定係
数フィルタ処理結果YB[i][j]の平均値として、
単位領域の全画素の輝度値平均値IAVEと、該単位領
域の第1エッジ平均値PAVEとの和が求められる。こ
のように求められた平均値を輝度値許容範囲内の値に制
限することによって、第2エッジ平均値QAVEが得ら
れる。このように、設定係数フィルタ処理の演算の代わ
りに、第2フィルタ処理結果が各画素の輝度値と該各画
素の第1フィルタ処理結果とに基づいて算出される場
合、第2フィルタ処理部25は、処理結果算出のための
演算量を軽減することができる。 YB[i][j]= EA[i][j]+IN[i][j] …(9) QAVE = PAVE + IAVE …(10)
【0073】図4の単位領域31の例では、図8に示す
第1フィルタ処理結果EA[i][j]が得られてい
る。画素〔1,4〕の輝度値が74であって、画素
〔1,4〕の第1フィルタ処理結果が63なので、式1
1に示すように、画素〔1,4〕の第2フィルタ処理の
結果EB[1][4]は137になる。図4の単位領域
31の各画素の第2フィルタ処理結果は、図11に示す
ように分布する。また図4の単位領域31の制限前の設
定係数フィルタ処理結果YB[i][j]の平均値は、
式12に示すように255を越えるので255に限定さ
れ、第2エッジ平均値QAVEは255になる。 YB[1][4]= 74+63 =137= EB[1][4] …(11) 平均値 = 232 + 106 …(12)
【0074】ただし、図4の多値画像は256階調なの
で、制限前の設定係数フィルタ処理結果が255を超え
る場合には値を255に制限する。これによって、第2
フィルタ処理結果EA[i][j]を256階調にする
ことができる。また、第2エッジ平均値の算出時には、
制限前の設定係数フィルタ処理結果が255を超えてい
ても、制限前の設定係数フィルタ処理結果をそのまま用
いて平均値を算出する。算出された平均値が255を超
えるならば、該平均値を255に制限する。したがっ
て、第2エッジ平均値QAVEは、図11に示した第2
フィルタ処理結果の平均値とは異なることがある。図1
1に示したような、各画素の第2フィルタ処理結果EB
[i][j]を各画素の輝度値とみなした単位領域が、
設定されたフィルタ係数を用いたエッジ検出のためのフ
ィルタ処理が施された多値画像の単位領域、すなわちエ
ッジ画像の単位領域に相当する。
【0075】第2の2値化閾値算出部26は、第2フィ
ルタ処理部25によって求められた第2エッジ平均値Q
AVEに基づいて、第2の2値化閾値BT2を算出す
る。第1の実施の形態では、第2エッジ平均値QAVE
が、第2の2値化閾値として、そのまま用いられる。し
たがって、図4の多値画像の単位領域31に対しては、
第2エッジ平均値QAVEが255なので、第2の2値
化閾値BT2として255を得る。第2エッジ平均値Q
AVEがそのまま第2の2値化閾値BT2として用いら
れる場合、第2の2値化閾値算出部26は、多値画像の
各単位領域に適した第2の2値化閾値BT2を算出する
ことができる。
【0076】2値化処理部27は、最初に、ヒストグラ
ム生成部21によって求められた単位領域の特徴量に応
じて、単位領域の全画素の輝度値IN[i][j]と該
単位領域の全画素の第2フィルタ処理結果EB[i]
[j]とのうちから、2値化処理の対象となるいずれか
一方の値を選択する。すなわち入力された多値画像の単
位領域とエッジ画像の単位領域とのうちから、2値化処
理の対象となるいずれか一方の単位領域が選択される。
同時に2値化処理部27は、単位領域の特徴量に応じ
て、第1および第2の2値化閾値BT1,BT2のうち
から、いずれか一方の閾値を選択する。2値化処理部2
7は、選択された閾値を用いて、選択された2値化処理
の対象値を2値化する。単一画素の2値化処理において
は、選択された対象値と選択された閾値とが比較され、
対象値が閾値以上であれば、2値画像における該画素の
輝度値が0および1のいずれか一方に設定され、対象値
が閾値未満であれば、2値画像における該画素の輝度値
が0および1のいずれか他方に設定される。
【0077】図12は、任意の単位領域における2値化
処理を説明するためのフローチャートである。第2フィ
ルタ処理処理部25における処理が完了した後、ステッ
プC0からステップC1に進む。ステップC1におい
て、2値化処理部27は、第1輝度境界レベルLL1と
輝度境界レベルLL2との間が、背景部と文字部とが容
易に分離可能な程度に充分に離れているか否かを判断す
る。このために、式13に示すように、第1輝度境界レ
ベルLL1と第2輝度境界レベルLL2との差が予め定
める基準値を越えるか否がを判断される。多値画像が2
56階調であって量子化レベル数Pが16である場合、
基準値は2である。 LL2 − LL1 > 2 …(13)
【0078】第1輝度境界レベルLL1と輝度境界レベ
ルLL2との間が充分に離れている場合、つまり式13
が満たされる場合、入力された多値画像の単位領域が2
値化対象として選択され、かつ第1の2値化閾値BT1
が使用すべき2値化閾値として選択される。この場合2
値化処理部27は、ステップC2において、第1の2値
化閾値BT1を用いて、入力された多値画像の輝度値I
N[i][j]を2値化する。単位領域の全画素の2値
化が終了すれば、ステップC6で2値化処理を終了す
る。
【0079】式13が満たされない場合、2値化処理部
27は、ステップC3において、入力された多値画像の
画素の輝度値IN[i][j]が、高い輝度値あるいは
低い輝度値に集中して分布しているかどうかを判断す
る。このために2値化処理部27は、第1および第2輝
度境界レベルLL1,LL2が所定幅の範囲内の集中し
ているか否かを判断している。集中している場合、多値
画像の単位領域が2値化対象として選択され、かつ上限
輝度値と下限輝度値との中間の輝度値である128がが
使用すべき2値化閾値として選択される。この場合2値
化処理部27は、ステップC4において、中間の輝度値
「128」を用いて、入力された多値画像の輝度値IN
[i][j]を2値化する。単位領域の全画素の2値化
が終了すれば、ステップC6で2値化処理を終了する。
【0080】多値画像の単位領域内の画素の輝度値が集
中していない場合、エッジ画像の単位領域が2値化対象
として選択され、かつ第2の2値化閾値BT2が使用す
べき2値化閾値として選択される。この場合2値化処理
部27は、ステップC5において、第2値化閾値BT2
を用いて、単位領域の全画素の第2フィルタ処理結果E
B[i][j]を2値化する。単位領域の全画素の2値
化が終了すれば、ステップC6で2値化処理を終了す
る。
【0081】図4の多値画像の単位領域31において
は、式14に示すように、第2輝度境界レベルLL2と
第1輝度境界レベルLL1との差が2未満なので、度数
ヒストグラムの度数の分布パターンにピークが1つしか
ないことが分かる。また、入力された多値画像の画素の
輝度値は、高い輝度値あるいは低い輝度値に集中してい
ない。したがって、2値化対象は図11の第2フィルタ
処理結果EB[i][j]を輝度値とする単位領域にな
り、第2の2値化閾値BT2である255が2値化閾値
として決定される。図13は、図4の単位領域31に対
する本発明の2値化処理の結果を示す図である。図13
において、各矩形が単位領域内の画素に対応し、黒の矩
形に対応する画素の2値化後の輝度値は「0」であり、
白の矩形に対応する画素の2値化後の輝度値は「1」で
ある。 LL2 − LL1 < 2 …(14)
【0082】以上説明したように第1の実施の形態の画
像処理装置1は、単位領域毎に、度数ヒストグラムに基
づいて多値画像の単位領域の特徴量を求め、該特徴量に
応じて2値化処理の手法を切換えることを特徴とする。
多値画像に文字が描かれているならば、第1の実施の形
態のの画像処理装置は、文字部の画素の輝度値と背景部
の画素の輝度値とに充分な差がある場合、前記特徴量を
基に多値画像を2値化し、文字部と背景部との輝度値に
充分な差がない場合、第1フィルタ処理部24と第2フ
ィルタ処理部25とによって、文字部と背景部とを精度
良く分離して2値化することが可能となる。これによっ
て画像処理装置1は、2値化処理の精度を向上させるこ
とが可能になる。さらに第2フィルタ処理部25におい
て、単位領域の特徴量の変化に応じてエッジ検出のため
のフィルタ係数が変化するので、2値化処理をさらに精
度良く行うことができる。
【0083】図14は、本発明の第2の実施の形態であ
る画像処理装置に含まれる2値化部41の具体的構成を
示すブロック図である。第2の実施の形態の説明におい
て、第1の実施の形態と同じ機能の処理部および同じ意
味の数値には、同じ参照符を付し、説明は省略する。第
2の実施の形態の画像処理装置は、2値化部41の他
に、γ補正部12とフィルタ処理部13と解像度変換部
14とをさらに含んでいても良い。第2の実施の形態の
2値化部41は、ヒストグラム生成部43、量子化ルッ
クアップテーブル記憶部(以後「量子化LUT記憶部」
と略称する)44、特徴抽出部22、第1の2値化閾値
算出部45、第1フィルタ処理部24、第2フィルタ処
理部25、第2の2値化閾値算出部26、および2値化
処理部27を含む。
【0084】量子化LUT記憶部44は、複数種類の量
子化ルックアップテーブルを記憶している。量子化ルッ
クアップテーブルは、量子化レベルと輝度値との対応関
係を示すものである。複数種類の量子化ルックアップテ
ーブルは、下限量子化レベルに対応する輝度値の区間の
下限値、上限量子化レベルに対応する輝度値の区間の上
限値、および各量子化レベルに対応する区間の幅である
3条件の組合せが、相互に異なる。単一の量子化ルック
アップテーブルにおいて、および各量子化レベルに対応
する区間の幅は、均一であってもよく、相互に異なって
いてもよい。各量子化ルックアップテーブルにおける量
子化レベルと輝度値との対応関係は、画像の全画素の輝
度値のうちの最小輝度値および最大輝度値ならびに該最
小輝度値から最大輝度値までの差分値との組合せが、下
限量子化レベルに対応する輝度値の区間の下限値と上限
量子化レベルに対応する輝度値の区間の上限値と該下限
値および上限値の差分値に対応する組合わせである場
合、該画像の画素の輝度値を最も良好に量子化すること
ができるように、設定されている。
【0085】ヒストグラム生成部43は、入力された多
値画像を所定サイズの単位領域に分割し、単位領域毎
に、単位領域内の全画素の輝度値のうちの最小輝度値お
よび最大輝度値を検出する。次いでヒストグラム生成部
43は、最小輝度値と最大輝度値との間の区間をPレベ
ルに量子化するために、最大輝度値、最小輝度値、およ
び最大輝度値と最小輝度値との差分値をインデックスと
して、量子化LUT記憶部44内の全量子化ルックアッ
プテーブルのうちから、いずれか1つの量子化ルックア
ップテーブルを選択する。次いでヒストグラム生成部4
3は、選択された量子化ルックアップテーブルを用い
て、最小輝度値と最大輝度値との間の区間の階調をPレ
ベルに量子化する。このように量子化された多値画像に
基づいて、ヒストグラム生成部43は、量子化レベルの
度数ヒストグラムを作成する。
【0086】以上説明したようにヒストグラム生成部4
3は、度数ヒストグラムの生成に先立ち、単位領域内の
全画素の輝度値のうちの最大輝度値と最小輝度値との間
の階調をPレベルに量子化する。これによってヒストグ
ラム生成部43が度数ヒストグラムをより精度良く生成
することが可能となる。またヒストグラム生成手段は、
最大輝度値と最小輝度値との間の階調を、量子化ルック
アップテーブルに基づいて量子化しているので、単位領
域毎に、輝度値をより精度良く量子化することが可能と
なる。この結果ヒストグラム生成部43は、各単位領域
の量子化レベルの度数ヒストグラムを、より精度良く生
成することができる。
【0087】図4に示した多値画像の単位領域31にお
いては、最小輝度値が61であり、最大輝度値が130
である。図15は、最小輝度値「61」と最大輝度値
「130」との組合せに応じて選択される量子化ルック
アップテーブルを示している。図16は、図15の量子
化ルックアップテーブルを用いて図4の多値画像の単位
領域31の量子化を行った場合における量子化レベルの
度数ヒストグラムを示す。単位領域31の最大輝度値お
よび最小輝度値に応じた量子化ルックアップテーブルが
用いられる場合、多値画像の単位領域において背景部の
画素の輝度値と文字部の画素の輝度値とに大きな差がな
くても、量子化レベルの度数ヒストグラムにおける度数
の分布パターンに、背景部と文字部とにそれぞれ対応す
るような極大値が現れる。
【0088】度数ヒストグラムが作成された後、第1の
実施の形態で説明したように、特徴抽出部22によっ
て、多値画像の単位領域の特徴量が求められる。図4の
多値画像の単位領域31の例では、最初に、図16の度
数ヒストグラムを用い、図6のフローチャートに沿って
第1境界レベルLL1が求められる。このためには、ま
ず、判断対象の量子化レベルが0にされる。画素の度数
が4を超えるまで、判断対象の量子化レベルが増加方向
D1に移動するべきだが、量子化レベルが0のとき度数
が4を超えているので、ステップA2からステップA4
に進む。次に、ステップA2,A3の処理によって、度
数が4以下となるまで量子化レベルを増加方向D1に移
動させる。量子化レベルが1のとき度数が4以下となる
ので、第1輝度境界レベルLL1として1が求まる。同
様の処理によって、第2輝度境界レベルLL2は12に
なる。第2の実施の形態では、度数ヒストグラムがより
精度良く生成されているので、特徴抽出部22は多値画
像の各単位領域の特徴をより的確に抽出することができ
る。
【0089】第1の2値化閾値算出部45は、まず、第
1境界レベルLL1および第2輝度境界レベルLL2に
基づき、第1の2値化閾値BT1に対応する値を算出す
る。第1の2値化閾値BT1に対応する値は、前述の式
1に示すように、第1境界レベルLL1および第2輝度
境界レベルLL2の平均値である。次いで第1の2値化
閾値算出部45は、ヒストグラム生成部43が選択した
量子化ルックアップテーブルを用いて、求められた平均
値を逆変換し、逆変換によって得られた輝度値を第1の
2値化閾値BT1とする。図16の度数ヒストグラムの
例では、第1輝度境界レベルLL1が1であり第2輝度
境界レベルLL2は12であるので、式1に基づいて、
両輝度境界レベルの平均値は6になる。選択された量子
化ルックアップテーブルを用いて平均値「6」を逆変換
した場合、量子化レベル「6」に対応する輝度値区間の
下限値は「93」なので、第1の2値化閾値BT1とし
て93を得る。これによって第1の2値化閾値算出部4
5は、第1の2値化閾値を的確に算出することができ
る。
【0090】第1の2値化閾値の算出と前後してまたは
並行して、第1の実施の形態で説明したように、第1フ
ィルタ処理部24は、入力された多値画像の各単位領域
の各画素の第1フィルタ処理結果EA[i][j]およ
び第1エッジ平均値PAVEを算出する。図4の単位領
域31の例では、図9に示した第1フィルタ処理結果が
得られる。第2フィルタ処理部25は、第1エッジ平均
値PAVEと第1輝度境界レベルLL1および輝度境界
レベルLL2とに応じてフィルタ係数の中心要素を変更
し、かつ該第1フィルタ処理結果EA[i][j]およ
び多値画像の輝度値IN[i][j]に基づいて第2フ
ィルタ処理結果EB[i][j]と第2エッジ平均値Q
AVEとを算出する。
【0091】図4の多値画像の単位領域31の例では、
図4の単位領域31が図10のフローチャートに沿って
処理される。フィルタ係数設定のための係数kが2であ
り、式15に示すようにフィルタ係数設定のための所定
条件が第2エッジ平均値が240を越える場合に満たさ
れるならば、図4の例における第2エッジ平均値QAV
Eの初期値、すなわち第1エッジ平均値PAVEは23
2であるので、ステップB2,B3の処理によって、フ
ィルタ係数が変更される。第1輝度境界レベルLL1が
1であり、第2輝度境界レベルLL2は12であるの
で、第1輝度境界レベルLL1と輝度境界レベルLL2
の差分の絶対値である11を用い、式16に示すよう
に、フィルタ係数の中心要素は−20/11になる。図
17は、1回目の変更後のフィルタ係数を示す。
【0092】
【数3】
【0093】そして、ステップB4において、変更後の
フィルタ係数を用いた第2フィルタ処理結果YB[i]
[j]が求められ、さらに該第2エッジ平均値QAVE
が求められる。図4の例においては、式17で示すよう
に、画素〔1,4〕の第2フィルタ処理結果YB[1]
[4]が85になり、式18に示すように、第2エッジ
平均値QAVEは251になる。フィルタ変更後の1回
目演算時の第2エッジ平均値が240を越えるので、1
回目の第2エッジ平均値およびフィルタ処理結果が確定
される。この結果、第2フィルタ処理結果は、図18の
ようになる。第2の2値化閾値算出部26は、第2の2
値化閾値を251に設定する。 YB[1][4]=74+2÷11×63=85=EB[1][4] …(17) 平均値=232+2÷11×106=251=QAVE …(18)
【0094】2値化処理部27は、ヒストグラム生成部
43で求められた特徴量に応じて、画素の2値化処理の
対象値を選択する。図16の度数ヒストグラムでは、第
1輝度境界レベルLL1が1であり第2輝度境界レベル
LL2が12であるので、第1および第2境界レベルL
L2の差は2未満になる。したがって、図12のフロー
チャートに基づき、画素の2値化対象の値は図4の入力
された多値画像の輝度値になり、第1の2値化閾値BT
1である93が2値化閾値として決定される。図19
は、図4の単位領域31に対する第2の実施の形態の2
値化部における2値化処理の結果を示す図である。図1
9において、各矩形が単位領域内の画素に対応し、黒の
矩形に対応する画素の2値化後の輝度値は「0」であ
り、白の矩形に対応する画素の2値化後の輝度値は
「1」である。
【0095】以上説明したように、本発明の第2の実施
の形態において、ヒストグラム生成部43は、より精度
のよい度数ヒストグラムを生成することができる。これ
によって第2の実施の形態の画像処理装置は、多値画像
をさらに精度良く2値化することができる。
【0096】第1および第2の実施の形態の画像処理装
置は本発明の画像処理装置の例示であり、主要な構成お
よび動作が等しければ、他の様々な形で実現することが
できる。特に画像処理装置の各構成部品の詳細な構成お
よび動作は、同じ効果が得られるならば、上述の構成お
よび動作に限らず他の構成および動作によって実現され
てもよい。たとえば第1および第2の実施の形態の画像
処理装置は、2値化部25,41を最低限含んでいれば
よい。γ補正部12とフィルタ処理部13と解像度変換
処理部14とのうちの少なくとも1つは、省略されても
よい。また、画像入力装置11から2値化部15,41
までの間に、上記3つの処理部以外の他の処理部がさら
に備えられてもよい。さらにまた第1および第2の実施
の形態の画像処理装置は、2値化部15,41から出力
された2値画像に対して処理を施す処理部をさらに備え
ていてもよい。
【0097】また第1の実施の形態のヒストグラム生成
部43は、多値画像の画素の輝度値を量子化せず、単位
領域毎に、単位領域における各輝度値の画素の出現頻度
の分布を示すヒストグラムを作成してもよい。この場合
特徴抽出部22は、輝度値の度数ヒストグラムに基づ
き、単位領域の特徴量として、第1輝度境界値と第2輝
度境界レベル値と単位領域の全画素の輝度値の平均値I
AVEとを算出する。第1輝度境界値は、輝度値の度数
ヒストグラムにおいて、下限輝度値から上限輝度値に至
る方向に向かって度数を検査した場合、予め定める基準
度数HRを越える度数から基準度数HR以下の度数に最
初に変化する変化点に対応する輝度値である。第2輝度
境界値は、輝度値の度数ヒストグラムにおいて、上限輝
度値から下限輝度値に至る方向に向かって度数を検査し
た場合、基準度数HRを越える度数から基準度数HR以
下の度数に最初に変化する変化点に対応する輝度値であ
る。多値画像の単位領域の特徴量として第1輝度境界値
および第2輝度境界値が求められる場合であっても、特
徴抽出部22は多値画像の単位領域の特徴を的確に抽出
することができる。
【0098】さらに、これら画像処理装置は、上述の2
値化部15およびその他の処理部11〜14の処理をコ
ンピュータに実行するためのソフトウエアを、多値画像
データの入力と記憶とが可能なコンピュータにインスト
ールし、該ソフトウエアに基づき中央演算処理回路を動
作させることによって、実現されてもよい。このような
ソフトウエアは、コンピュータによって読出し可能な記
憶媒体に予め記憶されている。この記憶媒体は、たとえ
ば、CD−ROMに代表される光記憶媒体、フロッピー
ディスクに代表される磁気記憶媒体、およびMOに代表
される光磁気記憶媒体のいずれかで実現される。前記ソ
フトウエアをインストールするためには、前記記憶媒体
がコンピュータの記憶媒体読出し装置に装着され、該記
憶媒体から該ソフトウエアを読出させてコンピュータ内
の記憶装置に記憶されればよい。
【0099】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、画像処理
装置において、多値画像の各単位領域の特徴量に応じ
て、各単位領域の2値化処理手法が切換えられる。多値
画像の単位領域内の背景部と該単位領域内の残余部との
画素の輝度値に充分な差がある場合、前記特徴量に基づ
いて該単位領域が2値化される。単位領域内の背景部と
残余部との画素の輝度値に充分な差がない場合、特徴量
の変化に応じて設定されたフィルタ係数を用いたエッジ
検出のためのフィルタ処理の結果に基づいて、背景部と
残余部とを精度良く分離しつつ単位領域が2値化され
る。これによって画像処理装置は、多値画像を精度良く
2値化することが可能となる。
【0100】また本発明によれば、多値画像の単位領域
における各輝度値の画素の出現頻度のヒストグラムにお
いて、画素の出現頻度が基準の頻度を越える頻度から基
準頻度未満に低下する箇所の輝度値である第1輝度境界
値および第2輝度境界値が、単位領域の特徴量として求
められる。これによって多値画像の単位領域の特徴が的
確に抽出される。さらにまた本発明によれば、前記特徴
量に基づく2値化処理に用いられる第1の2値化閾値と
して、第1および第2輝度境界値の中間の輝度値が算出
される。これによって、第1の2値化閾値が的確に求め
られる。
【0101】また本発明によれば、単位領域に対してエ
ッジ検出のためのフィルタ処理を施す第2フィルタ処理
手段において用いられるフィルタ係数は、第1および第
2輝度境界値の差分の絶対値を用いて設定される。これ
によって、多値画像の単位領域に適したフィルタ係数が
設定される。さらにまた本発明によれば、第2フィルタ
処理手段のフィルタ処理の結果が予め定める条件を満た
すまで、フィルタ係数設定およびフィルタ処理が繰返さ
れる。これによって最終的に得られるフィルタ処理結果
に基づいて2値化処理が行われる場合、背景部の画素の
輝度値と背景部以外の残余部の画素の輝度値とに差が殆
どない多値画像が、精度良く2値化される。また本発明
によれば、前記フィルタ係数の決定条件として、単位領
域の全画素の輝度値に対する前記設定したフィルタ係数
を用いたフィルタ処理の結果の平均値が用いられる。こ
れによって、多値画像の各単位領域に適したフィルタ係
数が設定される。
【0102】さらにまた本発明によれば、第2フィルタ
処理手段は、各画素の輝度値に対する設定されたフィル
タ係数を用いたフィルタ処理の処理結果を、各画素の輝
度値と、各画素に対する予め定めるフィルタ係数を用い
たフィルタ処理の結果とに基づいて算出する。これによ
って第2フィルタ処理手段の処理結果の算出のための演
算量が軽減される。また本発明によれば、フィルタ処理
の結果に基づく2値化処理に用いられる第2の2値化閾
値として、多値画像の単位領域の全画素に対する第2フ
ィルタ処理手段の処理結果の平均値が算出される。これ
によって、多値画像の各単位領域に適した第2の2値化
閾値が算出される。
【0103】さらにまた本発明によれば、画像処理装置
において、量子化された輝度値である量子化レベルの出
現度数を示す度数ヒストグラムが作成されている。これ
によって画像処理装置の処理量が軽減される。また本発
明によれば、単位領域内の全画素の輝度値のうちの最大
輝度値と最小輝度値との間の階調が、Pレベルに量子化
される。これによって、度数ヒストグラムに基づき、多
値画像の各単位領域の特徴が的確に抽出される。さらに
また本発明によれば、画像処理装置において、ヒストグ
ラム生成手段が、量子化ルックアップテーブルに基づい
て、最大輝度値と最小輝度値との間の階調を量子化す
る。これによって各単位領域の量子化レベルの度数ヒス
トグラムを、より精度良く生成することができる。また
本発明によれば、画像処理装置において、多値画像の各
単位領域において、度数ヒストグラム内の画素の出現頻
度が基準の頻度を越える頻度から基準頻度未満に低下す
る箇所の量子化レベルである第1輝度境界レベルおよび
第2輝度境界レベルが、特徴量として求められる。か
つ、量子化ルックアップテーブルと第1および第2輝度
境界レベルとを用いて、第1の2値化閾値が算出され
る。これによって第1の2値化閾値が的確に算出され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である画像処理装置
1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置の2値化部の具体的構成を
示すブロック図である。
【図3】図2の2値化部において用いられる8×3の入
力多値画像マスクである。
【図4】図2の2値化部において処理対象となる多値画
像の8×3の単位領域を示す図である。
【図5】第1の実施の形態における量子化後の図4の単
位領域の量子化レベルの度数ヒストグラムである。
【図6】図2の2値化部内の特徴抽出部における処理を
説明するためのフローチャートである。
【図7】エッジ検出のためのフィルタ処理に用いられる
初期のフィルタ係数である。
【図8】第1の実施の形態における図4の単位領域に対
する2値化部内の第1フィルタ処理部の処理結果を示す
図である。
【図9】図2の2値化部内の第2フィルタ処理部におけ
る処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態におけるエッジ検出のため
のフィルタ処理に用いられる中心値変更後のフィルタ係
数である。
【図11】第1の実施の形態における図4の単位領域に
対する第2フィルタ処理部の処理結果を示す図である。
【図12】図2の2値化部内の2値化処理部における処
理を説明するためのフローチャートである。
【図13】図4の単位領域に対する2値化処理部の処理
結果を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態である画像処理装
置に含まれる2値化部の具体的構成を示すブロック図で
ある。
【図15】本発明の第2の実施の形態である画像処理装
置の2値化部において用いられる量子化ルックアップテ
ーブルである。
【図16】第2の実施の形態における量子化後の図4の
単位領域の量子化レベルの度数ヒストグラムである。
【図17】第2の実施の形態におけるエッジ検出のため
のフィルタ処理に用いられる中心値変更後のフィルタ係
数である。
【図18】第2の実施の形態における図4の単位領域に
対する第2フィルタ処理部の処理結果を示す図である。
【図19】第2の実施の形態における図4の単位領域に
対する2値化処理部の処理結果を示す図である。
【符号の説明】
15,41 2値化部 21,43 ヒストグラム生成部 22 特徴抽出部 23,45 第1の2値化閾値算出部 24 第1フィルタ処理部 25 第2フィルタ処理部 26 第2の2値化閾値算出部 27 2値化処理部 44 量子化ルックアップテーブル記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA01 BA30 CA08 CA12 CB08 CB12 CC02 CE06 CE12 DA20 DB02 DB09 DC16 5C077 LL02 MP01 MP06 MP07 PP25 PP43 PP47 PQ08 PQ19 RR02 RR15

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多値画像が入力される画像処理装置にお
    いて、 入力された多値画像を予め定める大きさの単位領域に区
    分し、単位領域毎に、各輝度値の画素の出現度数の分布
    を示す度数ヒストグラムを生成するヒストグラム生成手
    段と、 各単位領域の度数ヒストグラムに基づき、多値画像の各
    単位領域の特徴量を求める特徴抽出手段と、 特徴抽出手段によって求められた各単位領域の特徴量に
    基づき、各単位領域における第1の2値化閾値を算出す
    る第1の2値化閾値算出手段と、 多値画像の各単位領域に対して、エッジ検出のための処
    理を施す第1フィルタ処理手段と、 単位領域毎に、特徴量および第1フィルタ処理手段の処
    理結果に基づいてフィルタ係数を設定し、多値画像の単
    位領域に対して、設定されたフィルタ係数を用いたエッ
    ジ検出のためのフィルタ処理を施す第2フィルタ処理手
    段と、 第2フィルタ処理手段の各単位領域の処理結果に基づ
    き、各単位領域における第2の2値化閾値を算出する第
    2の2値化閾値算出手段と、 各単位領域毎に、特徴抽出手段によって求められた特徴
    量に応じて、多値画像の単位領域および第2フィルタ処
    理手段によって処理された単位領域のうちのいずれか一
    方の単位領域を選択し、かつ第1の2値化閾値および第
    2の2値化閾値のうちのいずれか一方を選択し、選択さ
    れた単位領域内の画素の輝度値を選択された2値化閾値
    によって2値化する2値化処理手段とを含むことを特徴
    とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記特徴抽出手段が、多値画像の各単位
    領域の特徴量として、第1輝度境界値と第2輝度境界値
    とを検出し、 第1輝度境界値は、単位領域の度数ヒストグラムにおい
    て、下限の輝度値から上限の輝度値に至る方向に向かっ
    て度数を検査した場合、予め定める基準度数を越える度
    数から該基準度数以下の度数に最初に変化する変化点に
    対応する輝度値であり、 第2輝度境界値は、単位領域の度数ヒストグラムにおい
    て、上限の輝度値から下限の輝度値に至る方向に向かっ
    て度数を検査した場合、前記基準度数を越える度数から
    該基準度数以下の度数に最初に変化する変化点に対応す
    る輝度値であることを特徴とする請求項1記載の画像処
    理装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の2値化閾値算出手段が、前記
    特徴抽出手段によって求められた第1および第2輝度境
    界値の中間の輝度値を、前記第1の2値化閾値として算
    出することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記第2フィルタ処理手段が、前記特徴
    抽出手段によって求められた特徴量に基づいたフィルタ
    係数の設定に、前記第1および第2輝度境界値の差分の
    絶対値を用いることを特徴とする請求項2記載の画像処
    理装置。
  5. 【請求項5】 前記第2フィルタ処理手段は、単位領域
    の全画素に対する前記設定されたフィルタ係数を用いた
    フィルタ処理の結果が予め定める条件を満たすまで、前
    記特徴量に基づいたフィルタ係数設定およびフィルタ処
    理を繰返し、 前記フィルタ処理の結果が満たすべき条件は、単位領域
    の全画素に対する該フィルタ処理の結果が、単位領域の
    背景部と残余部とをエッジに基づいて分離可能な値にな
    っている場合に満たされることを特徴とする請求項1記
    載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記第2フィルタ処理手段は、前記単位
    領域の全画素に対する前記設定したフィルタ係数を用い
    たフィルタ処理の結果の平均値が予め定める基準範囲に
    含まれている場合、該単位領域の全画素に対する該設定
    されたフィルタ係数を用いたフィルタ処理の結果が前記
    予め定める条件を満たしていると判断することを特徴と
    する請求項5記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記第2フィルタ処理手段が、前記多値
    画像の単位領域の各画素に対する前記設定されたフィル
    タ係数を用いたフィルタ処理の結果を、該各画素の輝度
    値と、前記第1フィルタ処理手段で求められた該各画素
    のエッジ検出のための処理結果とに基づいて算出するこ
    とを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の2値化閾値算出手段が、前記
    単位領域の全画素に対する前記第2フィルタ処理手段の
    処理結果の平均値を、該単位領域における第2の2値化
    閾値とすることを特徴とする請求項1記載の画像処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ヒストグラム生成手段が、前記多値
    画像の単位領域の各画素の輝度値を予め定める段階数の
    量子化レベルに量子化し、各単位領域の画素の量子化レ
    ベルの出現度数を示す度数ヒストグラムを生成し、 量子化レベルの段階数は、多値画像の画素の輝度値の階
    調数よりも少ないことを特徴とする請求項1記載の画像
    処理装置。
  10. 【請求項10】 前記ヒストグラム生成手段が、前記多
    値画像の単位領域の全画素の輝度値のうちの最大輝度値
    および最小輝度値を求め、最大輝度値と最小輝度値との
    間の階調を、予め定める段階数の量子化レベルに量子化
    することを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。
  11. 【請求項11】 輝度値と量子化レベルとの関係を示す
    量子化ルックアップテーブルを記憶する量子化ルックア
    ップテーブル記憶手段をさらに含み、前記ヒストグラム
    生成手段が、前記多値画像の単位領域の全画素の輝度値
    のうちの最大輝度値および最小輝度値を求め、最大輝度
    値と最小輝度値との間の階調を、量子化ルックアップテ
    ーブルに基づいて予め定める数のレベルに量子化するこ
    とを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 前記特徴抽出手段が、多値画像の各単
    位領域の特徴量として、第1輝度境界レベルと第2輝度
    境界レベルとを検出し、 第1輝度境界レベルは、単位領域の度数ヒストグラムに
    おいて、下限の量子化レベルから上限の量子化レベルに
    至る方向に向かって度数を検査した場合、予め定める基
    準度数を越える度数から該基準度数以下の度数に最初に
    変化する変化点に対応する量子化レベルであり、 第2輝度境界レベルは、単位領域の度数ヒストグラムに
    おいて、上限の量子化レベルから下限の量子化レベルに
    至る方向に向かって度数を検査した場合、前記基準度数
    を越える度数から該基準度数以下の度数に最初に変化す
    る変化点に対応する量子化レベルであり、 前記第1の2値化閾値算出手段が、第1および第2の輝
    度境界レベルに基づいて画素の量子化レベルを2値化す
    るための閾値を算出し、算出された閾値を前記量子化ル
    ックアップテーブルを用いて逆変換し、逆変換された閾
    値を前記第1の2値化閾値とすることを特徴とする請求
    項11記載の画像処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006509271A (ja) * 2002-06-26 2006-03-16 ソリステイツク 画像シグネチャによる郵便物の識別タグおよび関連するメール操作機
JP2010219858A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Seiko Epson Corp ノイズ成分除去装置、ノイズ成分除去プログラムを記録した媒体
JP2013211750A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Brother Ind Ltd 画像処理装置および画像処理プログラム
JP2014068195A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Nidec Sankyo Corp 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

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