JP2001119562A - 画像処理装置及び方法及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
し情報を埋め込む場合において、できるだけ人間の目に
画質の劣化が目立ちにくい様に上記電子透かし情報を埋
め込む。 【解決手段】 マスクを構成する各係数を2値化し、こ
こで得られる2値情報の空間周波数領域上において周期
的または擬似周期的なピークが発生する様な2次元マス
クを発生する発生手段と、画像データを入力する第1入
力手段と、付加情報を入力する第2入力手段と、前記2
次元マスクの各係数と前記付加情報を構成する各ビット
情報とを対応付ける手段と、前記対応付けの結果、及び
前記画像データ上に前記2次元マスクを割り当てた際の
位置関係に基づいて、前記画像データを加減算すること
により、該画像データに前記各ビット情報を埋め込む電
子透かし埋め込み手段とを有する。
Description
電子透かし情報を人間の目に識別しにくく埋め込む為の
画像処理装置及び方法及びこの方法を記憶した記憶媒体
に関するものである。
のの急速な発達及び普及により、文字データ、画像デー
タ、音声データなど、多種の情報がディジタル化されて
いる。ディジタル情報は、経年変化などによる劣化がな
く、いつまでも完全な状態で保存できる一方、容易に複
製が可能であり、著作権の保護が大きな問題となってい
る。
技術は急速に重要性を増している。
し”である。電子透かしとは、ディジタルの画像データ
や音声データ、文字データなどに人に知覚出来ない形で
著作権保有者の名前や購入者のIDなどを埋めこみ、違
法コピーによる無断の使用を追跡する技術である。
く、あらかじめディジタルデータに情報を埋めこみ、デ
ィジタルデータの埋めこまれた規則による情報の整合性
を取ることで、ディジタルデータに加えられた改竄位置
検出などの技術にも応用されている。
の中で変更が加えられても人が知覚しにくい部分を加工
することにより、情報を埋めこむ方法を用いているた
め、電子透かしが埋めこまれたディジタルデータの「オ
リジナルと比較した品質」「電子透かしの耐性の強さ」
「埋め込み可能な情報量」の3つはトレードオフの関係
になっている。
が埋めこまれたディジタルデータにさまざまな加工編集
が加えらた後にも、埋めこまれた情報が抽出できること
を意味している。
報の埋め込み方法が知られている。これは画像の一部の
値を意図的に増加させる一方、別の一部を意図的に減少
させることにより画像全体の値は実質的に保存しつつ
も、何らかの付加的な情報を埋め込むことができるとい
うものである。
ク法等を用いた画像の埋め込み位置の決定方法は、人間
の目に識別しにくい様に埋め込むことの必要性が知られ
てはいるが、未だ確立されていなかった。
電子透かし情報を埋め込む場合を想定すると、変調する
位置をランダムに決定する方法が1つに考えられるが、
この様な方法では画質を高く維持する方法として十分で
はなかった。
であり、画像の一部を加減算することにより電子透かし
情報を埋め込む場合において、できるだけ人間の目に画
質の劣化が目立ちにくい様に上記電子透かし情報を埋め
込むことを目的とする。
本発明の画像処理装置によれば、マスクを構成する各係
数を2値化し、ここで得られる2値情報の空間周波数領
域上において周期的または擬似周期的なピークが発生す
る様な2次元マスクを発生する発生手段と、画像データ
を入力する第1入力手段と、付加情報を入力する第2入
力手段と、前記2次元マスクの各係数と前記付加情報を
構成する各ビット情報とを対応付ける手段と、前記対応
付けの結果、及び前記画像データ上に前記2次元マスク
を割り当てた際の位置関係に基づいて、前記画像データ
を加減算することにより、該画像データに前記各ビット
情報を埋め込む電子透かし埋め込み手段とを有すること
を特徴とする。
以下、本実施の形態における電子透かし埋め込み装置の
概要について図を用いて説明する。
埋め込み装置を示す。図1に示す様に、電子透かし埋め
込み装置は、色成分抽出手段0101、レジストレーシ
ョン信号埋め込み手段0102、埋め込み位置決定手段
0103、付加情報埋め込み手段0104、色成分合成
手段0105から構成される。
Iが入力される。これは1画素当たり所定の複数ビット
が割り当てられた多値画像データである。また本実施の
形態では、入力される画像データIがグレイスケール画
像データであってもカラー画像データであっても対応可
能である。グレイスケール画像データは、1画素当たり
1種類の要素から構成されているものであり、カラー画
像データは、1画素当たり3種類の要素から構成されて
いるものとする。この3種類の要素とは本実施の形態で
は赤色成分、青色成分、緑色成分である。しかしなが
ら、別の色成分の組み合わせにも本発明は適用可能であ
る。
データIは、まず色成分抽出手段0101に入力され
る。
タである場合には、色成分抽出手段0101においてこ
のカラー画像データから青色成分だけを分離し、後段の
レジストレーション信号埋め込み手段0102に出力す
る。
段0105に出力する。即ちここでは、電子透かし情報
が埋め込まれるべき色成分のみが分離されて電子透かし
の処理系に送出される。
電子透かし情報の埋め込みが行われる。これは赤色成
分、青色成分、緑色成分の中で、人間の視覚にとっては
青色成分が最も鈍感であることによる。よって青色成分
に電子透かし情報を埋め込むことは、他の色成分に対し
て電子透かし情報を埋め込むことに比べて、電子透かし
情報による画質劣化が人間の目に知覚しにくくなる効果
がある。
ケール画像データである場合には、色成分抽出手段01
01はグレイスケール画像データを一旦疑似的なカラー
画像データに変換する。ここで疑似的なカラー画像デー
タとは、1画素当たり3種類の要素から構成されるカラ
ー画像データであるが、この場合、3種類の要素の値が
全て等しい画像データである。グレイスケール画像デー
タは上記疑似的なカラー画像データに変換され、このカ
ラー画像データの中で青色成分を分離し、レジストレー
ション信号埋め込み手段0102へ出力される。
段0105に出力する。この様にして、上述したカラー
画像データの場合と同様に、青色成分に対して電子透か
し情報が埋め込まれる。
ラー画像データである場合とグレースケール画像データ
である場合とは、できるだけ区別しない様にして説明す
る。即ち、カラー画像データと擬似的なカラー画像デー
タとは区別せずに説明する。
段0102について説明する。ここで、レジストレーシ
ョン信号とは、電子透かし情報の抽出の前処理として幾
何的な補正を実行する為に必要とされる信号である。
には、色成分抽出手段0101で得られた青色成分の画
像データが入力される。レジストレーション信号埋め込
み手段0102では、画像データに対して一種の電子透
かしの技術を用いてレジストレーション信号が埋め込ま
れる。即ち、レジストレーション信号を埋め込まれた画
像データにおいて、人間の視覚はレジストレーション信
号を知覚することができない。このレジストレーション
信号の埋め込み方法等、詳細は後述する。
02はレジストレーション信号が埋め込まれた画像デー
タを出力する。
ジストレーション信号埋め込み手段0102から入力さ
れる画像データにおける、付加情報Infの埋め込み位置
を決定する。
れた画像データと共に、画像中に付加情報Infを埋め込
む位置を表す制御データを付加情報埋め込み手段010
4に出力する。
像データと制御データに加えて、付加情報Inf(複数の
ビット情報)を入力する。この付加情報Infは、青色成
分の画像データにおける上記決定された埋め込み位置
に、電子透かし技術を用いて埋め込まれる。この電子透
かしの技術を用いた付加情報Infの埋め込みについても
後述する。
情報Infが埋め込まれた画像データが出力され、色成分
合成手段0105に入力される。
報埋め込み手段0104)までに処理された青色成分
と、色成分抽出手段0101から直接入力される赤色成
分及び緑色成分とを用いて、通常のカラー画像データの
形態に合成する。
号及び付加情報Infが電子透かし技術によって埋め込ま
れた画像データwIが出力される。
に種々の幾何的な歪みを生じる攻撃が加えられるものと
して説明する。例えば、ユーザーによる意図的な画像編
集であり、或いは画像データwIを印刷した後、印刷物を
スキャナ等でスキャンニングする動作である。攻撃を受
けた画像データは後述する図2のwI'となる。
図31に示すフローチャートを用いて説明する。
Iが色成分抽出手段0101に入力される。これは写真
や印刷物をスキャナなどで読み取り、画像データを生成
する工程も含む。更に青色成分を分離し、後段のレジス
トレーション信号入力に使用する。
レーション信号を発生し、このレジストレーション信号
がステップ3404で埋め込まれる。このステップ34
04におけるレジストレーション信号埋め込み処理は、
図1におけるレジストレーション信号埋め込み手段01
02の内部で実行される処理に相当し、詳細な説明は後
述する。
成され、作成されたマスクは、ステップ3406に入力
され、埋め込みビット情報と埋め込み位置の関係を規定
する。ステップ3407ではマスクを拡大マスクに拡張
する。このマスク・パターン配列対応手段についても詳
細な説明は後述する。
ストレーション信号が埋め込まれた画像データに対し
て、ステップ3408において付加情報Infが埋め込ま
れる。この付加情報埋め込み処理はマクロブロック単位
で付加情報Infを画像全体に繰り返し埋め込む。この処
理は後述の図10で詳細に述べる。ここで、マクロブロ
ックとは、最小埋め込み単位のことを示し、このマクロ
ブロックに相当する画像領域に1つの完結した付加情報
Infの全情報が埋め込まれる。
め込まれた後に、ステップ3409により、電子透かし
情報が埋め込まれた画像データwIが出力される。
する図32の電子透かし抽出開始処理が実行される前
に、種々の幾何的な歪みを生じる攻撃が加えられるかも
しれない。
の形態における電子透かし抽出装置の概要について説明
する。
抽出装置を示す。図2に示す様に、電子透かし抽出装置
は、色成分抽出手段0201、レジストレーション手段
0202、及び付加情報抽出手段0203から構成され
る。
が入力される。画像データwI'は画像データwIに対して
種々の幾何的な歪みを生じる攻撃を受けている可能性を
有する画像データである。攻撃には、JPEG圧縮などの非
可逆圧縮、スケーリング、回転、印刷&スキャニングな
ど種々のものを含み、更にこれらの組合せも考えられ
る。
一であることが理想的ではあるが、実際にはこの2つの
画像データは内容が著しく異なっていることが多い。
I'を入力し、青色成分を抽出した後、この青色成分の画
像データを後段のレジストレーション手段0202へ出
力する。画像データwI'のうち、青色成分以外の赤色成
分、及び緑色成分は必要無いのでここで廃棄される。
成分抽出手段0201で得られた青色成分の画像データ
wI1'が入力される。そしてこの青色成分の画像データwI
1'を用いて、幾何学的な歪みが補正された画像データwI
2'を生成し、付加情報埋め込み開始点pを判別する。
タwIとは異なるスケールである可能性を有するのに対
し、画像データwI2'は画像データwIと必ず同一のスケー
ルになる。この理由、及び画像データwI2'を画像データ
wIと同じスケールにする処理の詳細は後述する。
ジストレーション手段0202の後段の付加情報抽出手
段0203が実行する抽出処理の開始点を示す情報であ
る。これに関しても詳細は後述する。
データwI2'及び付加情報埋め込み開始点pの情報を、付
加情報抽出手段0203に出力する。
め込み手段0103での埋め込み方式に合わせた所定の
処理を施こすことによって、画像データwI2'に埋め込ま
れている電子透かし情報を抽出することが可能であり、
抽出された付加情報Infを出力する。
図32のフローチャートを用いて説明する。まずステッ
プ3502では画像データwI'が入力される。この画像
データwI'は、画像データwIであると予想される画像デ
ータをネットワークやメモリから読み出したり、画像デ
ータwIに基づいて印刷した物をスキャナ等でスキャンニ
ングしたりすることで得られる。後者の場合には画像デ
ータwI'が画像データwIとは著しく異なっている可能性
が非常に高い。
を抽出され、次のステップに使用される。
青色成分の画像データwI1'のスケールが補正される。
色成分の画像データのオフセットwI1'が補正される。こ
のスケール合わせ処理、及びオフセット合わせ処理は、
図2のレジストレーション手段0202の内部で実行さ
れる処理であり、詳細な説明は後述する。
がステップ3506において、第2のパターン配列を用
いた抽出処理がステップ3505において、スケールと
オフセットが既に補正された画像データwI2'から、夫々
埋め込まれている付加情報Infが抽出される。
された電子透かし情報の確からしさを算出、判定され、
正しい電子透かし情報ではないと判定されればステップ
3502に戻り、電子透かし情報が埋め込まれていると
考えられる画像を入力しなおす。一方、充分正確な電子
透かし情報であると判定された場合には、ステップ35
08の比較処理により電子透かし情報(付加情報Inf)
の抽出を行う。また、ステップ3510では上記確から
しさを示す情報を後述する信頼性指標Dとして表示す
る。
理、及び第2のパターン配列を用いた抽出処理、及び統
計検定処理、及び比較処理は、図2の付加情報抽出手段
0203の内部で実行される処理であり、詳細な説明は
後述する。
な説明をする。
レーション手段0202、ステップ3503、ステップ
3504が実行するレジストレーションという処理につ
いて説明する。
報の抽出の際に、電子透かし抽出装置に入力された画像
データwI'から電子透かし情報が抽出できる様にする前
処理である。以下では、まず印刷系の処理が施された画
像データがどの様な変化を受けるかを考える。そして、
その様な変化に対するレジストレーション処理を考察
し、印刷系に対するレジストレーション処理を考える。
込み装置から出力された画像データwIがそのまま入力さ
れるとは限らない。
ェットプリンタによって印刷され、この印刷物をスキャ
ナでスキャンニングする場合を挙げて考察する。
キャナによる入力解像度が異なる場合には、元のカラー
画像データwIとスキャンニングで得られた画像データの
スケールは異なってしまう。よって、得られた画像デー
タwI'からはそのまま正確に電子透かし情報を抽出でき
る可能性は少ない。従って、これらのスケールの違いを
補正できる手段を備えておくことが必要である。
度の両方が既知である為、これらの比からスケールの比
を算出できる。例えば、出力解像度が600dpiであり
入力解像度が300dpiである場合には、印刷前の画像
とスキャンニング後の画像のスケールの比は2倍であ
る。よって、算出されたスケールの比にしたがって、適
当なスケーリングアルゴリズムを用いて画像データwI'
に対してスケーリングを施す。これにより画像データwI
と画像データwI'が表す画像サイズを同じスケールにで
きる。
が既知であるとは限らない。双方の解像度が既知でない
場合には、上述の方法は使用できない。この場合には、
スケールの違いを補正する手段に加えて、更にスケール
の比を知る手段が必要である。
れた画像は、スキャナのスキャンニングにより入力され
た後には図3に示す様な画像となる。図3においては0
301全体が画像データwI'が表す画像である。この画
像データ0301は、画像データwIにより表される本来
の画像0302と白色の余白部分0303から構成され
る。この様な余白は、ユーザーがマウスなどによって切
り取った場合には不正確になってしまう。
画像データwI'を表す画像には、必ず生じていると考え
られ、画像データwIに印刷系の処理が施される場合であ
れば、これらを解決する必要がある。
処理を少なくとも1度介してから画像データを得る場合
について説明したが、この様な状況は人為的な編集によ
っても起こり得る。
問題を解決する為の処理であり、付加情報抽出処理の前
処理として定義される。
を想定し、上記問題点を解決する為に備えられた、レジ
ストレーション信号埋め込み手段及びレジストレーショ
ン手段について説明する。
み処理]まず、レジストレーション信号埋め込み手段0
102(ステップ3404)について詳細を説明する。
02は、付加情報埋め込み手段0104の前段に位置す
るものである。この手段0102は、図2のレジストレ
ーション手段における画像データwI'のレジストレーシ
ョンに参照されるレジストレーション信号を、元の画像
データに予め埋め込むものである。このレジストレーシ
ョン信号は、電子透かし情報として人間の目に見えにく
く画像データ(本実施の形態ではカラー画像データの青
色成分)に埋め込まれる。
段0102の内部構成を示す。レジストレーション信号
埋め込み手段0102は、図4のブロック分割手段04
01、フーリエ変換手段0402、加算手段0403、
逆フーリエ変換手段0404、ブロック合成手段040
5から構成される。以下、各手段の詳細について解説す
る。
画像データを互いに重ならない複数のブロックに分割す
る。このブロックのサイズは本実施の形態においては2
のべき乗に定める。実際はこれ以外のサイズでも適応可
能であるが、ブロックのサイズが2のべき乗である場合
は、ブロック分割手段0401の後に結合されるフーリ
エ変換手段0402において高速の処理を行うことが可
能である。
たブロックは、二つの集合I1とI2に分けられ、このうち
I1は後段のフーリエ変換手段0402に入力され、I2は
後段のブロック合成手段0405に入力される。本実施
の形態では、I1としては、ブロック分割手段0401に
より得られた各ブロックのうち、画像データIの中で最
も中心付近に位置する一つのブロックが選択され、残り
のブロックは全てI2として選択される。
ブロックを用いることで実現可能であり、ブロックの数
が少ない方が処理時間を短縮できることによる。しかし
ながら本発明はこれに限らず、I1として二つ以上のブロ
ックを選択する場合も範疇に含む。
れ、どのブロックがレジストレーション信号の埋め込み
対象に選択されるかという情報は、電子透かし埋め込み
装置と、電子透かし抽出装置で共有する必要がある。
た画像データの一部I1は、フーリエ変換手段0402に
入力される。
れた画像データI1に対してフーリエ変換を施す。入力さ
れた画像データI1の元のデータ形態を空間領域と呼ぶの
に対して、フーリエ変換された後のデータ形態を周波数
領域と呼ぶ。フーリエ変換は、入力された全てのブロッ
クに対して施される。なお本実施の形態では、入力され
るブロックのサイズが2のべき乗であるので、処理の高
速化の為に高速フーリエ変換を用いる。
×n回の演算量を必要とするのに対して、(n/2)log
2(n)の演算量で実行可能な変換アルゴリズムである。た
だしここでnは正の整数である。高速フーリエ変換とフ
ーリエ変換は、演算結果を得る為の速度が違うだけであ
り、両者からは等しい結果が得られる。よって本実施の
形態では、高速フーリエ変換とフーリエ変換を区別して
説明しない。
域の画像データは振幅スペクトルと位相スペクトルによ
って表現される。このうち振幅スペクトルだけが加算手
段0403に入力される。一方で、位相スペクトルは逆
フーリエ変換装置0404に入力される。
る。加算手段0403には、上記振幅スペクトルと共
に、レジストレーション信号と呼ばれる信号rが別に入
力される。レジストレーション信号の例としては、図5
に示す様なインパルス信号が挙げられる。
次元空間周波数成分のうちの振幅スペクトルが示されて
いる。中心が低周波成分、周囲が高周波数成分である。
0501は本来の画像成分が持っている信号成分の振幅
スペクトルであり、写真等の自然画像に相当する信号で
は低域に多くの大きな信号が集中する。一方で高域には
ほとんど信号が存在しない。
処理を施すことを想定して説明するが、本発明はこれに
限らず、文書画像、CG画像等も同様に処理しても良
い。ただし、本実施の形態は中間濃度が比較的多い自然
画像を処理する場合に特に有効である。
に対して周波数領域の信号の水平垂直ナイキスト周波数
成分にインパルス信号0502、0503、0504、
0505を加えた本実施の形態の一例である。この例の
様に、レジストレーション信号はインパルス性の信号で
あることが望ましい。これは後述する電子透かし抽出装
置において、レジストレーション信号だけを抽出しやす
いからである。
に対してインパルス信号を加えているが、本発明はこれ
に限定されることはない。即ち、電子透かし情報が埋め
込まれた画像が攻撃を受けた場合にもレジストレーショ
ン信号が除去されないものであれば良い。上述した様
に、JPEG圧縮などの非可逆圧縮方式はローパスフィルタ
的な効果がある。よって、ここでの情報圧縮の対象とな
る高周波成分へインパルス信号を埋めこんでも、圧縮・
伸張処理により除去されてしまう可能性がある。
込みは、高周波成分への埋め込みと比べて、人間の視覚
特性からノイズとして知覚されやすいという欠点があ
る。よって、本実施の形態では人間の視覚に認識しにく
い第1の周波数以上であり、かつ非可逆圧縮・伸張処理
により容易に除去されない第2の周波数以下である中間
レベルの周波数へインパルス信号を埋め込むものとす
る。また、このレジストレーション信号は、加算手段0
403に入力された各ブロック(本実施の形態では1ブ
ロック)に対して加えられる。
ータの振幅スペクトルにレジストレーション信号が加え
られた信号を逆フーリエ変換手段0404に出力する。
た周波数領域の画像データに対して逆フーリエ変換を施
す。この逆フーリエ変換は、入力された全てのブロック
に対して施される。上述のフーリエ変換手段0402の
場合と同様に、入力されたブロックのサイズが2のべき
乗であるので処理の高速化の為に高速フーリエ変換を用
いる。逆フーリエ変換手段0404へ入力された周波数
領域の信号は、逆フーリエ変換されることにより空間領
域の信号に変換され出力される。
た空間領域の画像データは、ブロック結合手段0405
に入力される。
割手段0405で行われた分割と逆の処理を行う。ブロ
ック結合手段0405の処理の結果、画像データ(青色
成分)が再構成されて出力される。
号埋め込み手段0102の詳細を述べた。
リ変換領域において埋め込む方式を説明した。一方で、
レジストレーション信号を空間領域において埋め込む方
式も考えられる。この方式を図29を用いて説明する。
算手段3202、ブロック合成手段3203、逆フーリ
エ変換手段3204から構成される。
成手段3203は、図4におけるブロック分割手段04
01及びブロック合成手段0405と同様の動作をす
る。レジストレーション信号埋め込み手段0102に入
力される画像データはまずブロック分割手段3201に
入力され、分割される。ここで得られたブロックは加算
手段3202に入力される。一方で、レジストレーショ
ン信号rは逆フーリエ変換手段3204に入力され、逆
フーリエ変換処理により信号r'に変換される。ここで、
レジストレーション信号rは、図5に示したものと同様
に周波数領域上の信号である。加算手段3202には、
ブロック分割手段3201からのブロックと逆フーリエ
変換手段3204からの信号r'が入力され、夫々加算さ
れる。加算手段3202から出力された信号はブロック
合成手段3203に入力され、画像データ(青色成分)
が再構成されて出力される。
と同様の処理を空間領域で行うものである。図4の手段
構成に比べて、フーリエ変換手段を必要としないので高
速な処理を行うことが可能である。
ータIに対して独立な信号である。よって信号r'の算
出、即ち逆フーリエ変換手段3204の処理は入力画像
データIが入力される毎に実行される必要はなく、予め
r'を生成しておくことが可能である。この場合には、図
29の手段構成から逆フーリエ変換手段3204を除去
することもでき、更に高速にレジストレーション信号を
埋め込むことができる。このレジストレーション信号を
参照するレジストレーション処理については後述する。
付加情報Infの埋め込みの為にパッチワーク法と呼ばれ
る原理を用いている。そこで、まずパッチワーク法の原
理を説明する。
りを生じさせることによって付加情報Infの埋め込みを
実現している。
おいては、3301、3302は各々画素の部分集合、
3303は画像全体である。画像全体3303から二つ
の部分集合A 3301とB 3302を選択する。
重ならならなければ本実施の形態におけるパッチワーク
法による付加情報Infの埋め込みが実行可能である。た
だし、この二つの部分集合の大きさや選択方法は、この
パッチワーク法によって埋め込まれた付加情報Infの耐
性、即ち画像データwIが攻撃を受けた際に付加情報Inf
を失わない為の強度に大きく影響を及ぼす。これについ
ては後述する。
{an}、部分集合Bの要素の持つ値を{bn}とする。{an}、
{bn}は具体的には、各部分集合に含まれる各画素の値
(本実施の形態ではカラー画像データ中の青色成分の値
に相当)である。
る。
合Aと部分集合Bを選択し、指標dを定義すると、 d ≒ 0 となる性質がある。以降ではdを信頼度距離と呼ぶ。
の埋め込み操作として、 a'i = ai + c b'i = bi − c という操作を行う。これは部分集合Aの要素全てに対し
て値cを加え、部分集合Bの要素全てに対してcを減ずる
という操作である。
fが埋め込まれた画像から部分集合Aと部分集合Bを選択
し、指標dを計算する。
対して信頼度距離dを算出することによって、d≒0なら
ば付加情報Infは埋め込まれておらず、一方でdが0から
一定量以上離れた値であるなら付加情報Infが埋め込ま
れていると判断できる。
ある。
施の形態では複数のビットの情報を埋め込む。本方法に
おいては、部分集合Aと部分集合Bの選択の方法について
もパターン配列によって定義している。
素に対してパターン配列の要素を加えたり減じたりする
ことによって、付加情報Infの埋め込みを実現してい
る。
9は、1ビットを埋め込む為に8×8画素を参照する場
合の、元の画像からの画素値の変更量を示すパターン配
列である。図9の様に、パターン配列は正の値を持つ配
列要素、負の値を持つ配列要素、及び0の値を持つ配列
要素から構成される。
で示される位置は対応位置の画素値をcだけ上昇させる
位置を示し、上述した部分集合Aに相当する位置であ
る。一方−cの配列要素で示される位置は対応位置の画
素値をc減少させる位置を示し、上述した部分集合Bに
相当する位置である。また0で示される位置は上述した
部分集合A,B以外の位置であることを示す。
変化させない為にも正の値を持つ配列要素の個数と負の
値を持つ配列要素の個数を等しくしている。即ち、1つ
のパターン配列において全ての配列要素の和が0になっ
ている。なお、後述する付加情報Infの抽出操作の時に
はこの条件が必須である。
Infを構成する各ビット情報の埋め込み操作を行う。
画像データにおける互いに異なる領域に複数回配置して
画素値を上昇/減少させることにより、複数のビット情
報、即ち付加情報Infを埋め込む。言い換えれば、1つ
の画像の互いに異なる領域に、部分集合AとBの組み合わ
せだけでなく、部分集合A’とB’、部分集合A”とB”、
…という複数の組み合わせを想定することで、複数のビ
ットからなる付加情報Infを埋め込む。
大きい場合には、繰り返し付加情報Infを埋め込むこと
になる。これはパッチワーク法が統計的性質を利用して
いるものであることから、統計的性質が現れるのに充分
な数を必要とすることによる。
込む際にパターン配列を用いて画素値を変更する領域が
重ならない様にする為、予め互いのビット同志でパター
ン配列を使用する相対位置を決定する。即ち、付加情報
Infを構成する1ビット目の情報を埋め込む為のパター
ン配列の位置と、2ビット目の情報を埋め込む為のパタ
ーン配列の位置の関係は適切に定められる。
れていれば、1〜16ビット目の夫々の8×8画素のパ
ターン配列の位置関係は、32×32画素よりも大きい
サイズの領域上で画質劣化が少なくなる様に相対的に与
えられる。
各ビット情報)は、画像データが大きい場合には、でき
るだけ多くの回数繰り返して埋め込む。これは、付加情
報Infの各ビットを正しく抽出可能とすることが目的で
ある。特に本実施の形態では、同一の付加情報Infが繰
り返し埋め込まれていることを利用した統計的な計測を
行うので、上記繰り返しは重要である。
図1における埋め込み位置決定手段0103において実
行される。次に、この埋め込み位置決定手段の動作につ
いて説明する。
め込み位置決定手段0113の内部構成を記している。
情報Infを構成する各ビット情報の埋め込み位置を規定
する為のマスクの作成を行う。マスクとは、各ビット情
報に対応するパターン配列(図9参照)の相対的な配置
方法を規定する位置情報を備えたマトリクスである。
マスクの内部には夫々係数値が割り当てられており、各
々の係数値はマスク内で等しい出現頻度を有している。
このマスクを用いる場合であれば、最大16ビットから
なる付加情報Infを埋め込むことが可能である。
成手段1101で作成したマスクを読みこみ、マスク内
の各係数値と、各ビット情報が何ビット目かの情報を対
応付けて、各ビット情報を埋め込む為のパターン配列の
配置方法を決定する。
3は、マスク内の各係数値の位置に各パターン配列の配
列要素(8×8サイズ)を展開する。即ち、図17の1
701に示されるマスクの各係数値(1マス)を、同図
1702の様に8×8倍にして各パターン配列の埋め込
み位置として参照可能とする。
図17の埋め込み先頭座標1702を参照して、パター
ンサイズを用いて各ビット情報を埋め込むことになる。
101に、画像データ(青色成分)を入力する毎に上記
マスクを作成する。よって、大きいサイズの画像データ
を入力する場合には、複数回繰り返して同一の付加情報
Infを埋め込むことになる。
出する場合に、上記マスクの構成(係数値の配列)が鍵
の役割を果たす。即ち、鍵の所有者だけが情報の抽出を
行えるという効果がある。
成せずに、予め作成しておいたマスクをマスク作成手段
1101の内部記憶手段などに記憶させておき、必要時
に呼び出す場合も範疇に含む。この場合には高速に後段
の処理に移行することができる。
で実行される各処理の詳細を説明する。
マスク作成手段1101について説明する。
め込みにおいて、攻撃耐性を強める為に画素値に大きな
操作を加えて情報を埋め込んだ場合(例えばパターン配
列のCの値を大きく設定した場合)には、元の画像デー
タが表す画像において画素値の急激な変化の有るいわゆ
るエッジ部分では画質の劣化は比較的目立ちにくいが、
画素値の変化の少ない平坦部では画素値を操作した部分
がノイズとして目立ってしまう。
性を示す。横軸は空間周波数(Radial Frequency)を示
し、縦軸は視覚の応答値である。画素値を操作し、情報
を埋めこんだ場合、人間の目が敏感に知覚できる低周波
数領域では画質劣化が目立つことが図13から分かる。
化処理に通常使用されているブルーノイズマスクやコー
ンマスクの特性を考慮し、各ビットに対応するパターン
の配置を行う。
特性について簡単な説明を行う。
いて説明する。
化してもブルーノイズパターンとなる特性を有する。こ
のブルーノイズパターンとは空間周波数が高周波領域に
偏った周波数特性を示すパターンである。
を示す。
値化したブルーノイズマスクの空間周波数特性の概略図
を示す。
り、ブルーノイズマスクをフーリエ変換したときの原点
(直流成分)からの距離を示している。縦軸はPower sp
ectrumであり、横軸Radial Frequencyの示す距離にある
振幅成分の2乗和をとり平均化した値である。なお、同
図は画像の2次元周波数特性を1次元グラフ化し視覚的
に分かりやすくしたものである。
スクは高周波成分に偏りがある為、人間の目に知覚され
にくいことが分かる。従って、インクジェットプリンタ
等では、ドットを用いた面積階調で多値画像の階調を表
現する際に、ブルーノイズマスクを用いることで、空間
周波数成分を高周波に偏らせ、人の目に目立つことなく
面積階調を表現できることが知られている。
を以下に示す。 1. ホワイトノイズを生成する 2. 階調gの2値画像Pgl(初期値はホワイトノイズマス
ク)にローパスフィルタリングを行い、多値画像P'glを
生成 3. 階調 g (初期値:127)の画像とローパスフィルタ
リング画像P'gl(多値)を比較し、誤差の大きい順に、
2値画像Pgの白黒の画素を反転させ、2値画像Pgl+1を
得る。 4. 誤差が最小になるまで、2,3の操作を繰り返し、
2値画像Pgl(初期値はホワイトノイズマスク)を少しづ
つ階調 g(初期値:127) の2値画像Pg(ブルーノイズ
マスク)に変えていく。 5. Pg画像に階調g+1(g-1)の2値の黒(白)の点を
ランダムな位置に与え、2,3の操作を繰り返し、P
g+1(Pg-1)を得る。
階調でのブルーノイズマスクを作成し、ディザマトリク
スを生成する。
は1階調ごとに4点増加(減少)する。
前の階調gで決まった黒(白)のビットは反転できない
為、低または高階調では制限条件が厳しくなり、一様性
に乏しいランダムパターンしか得られないという欠点が
ある。
係数の出現頻度分布(ヒストグラム)1201を示す。
図12では0〜255の全ての値(係数)がマスク内に
同数存在している。
化に用いられる技術は良く知られており、例えば、「J.
Opt.Soc.Am A/Vol.9, No.11/November 1992 Digital ha
lftoning technique using a blue-noise mask Tehopha
no Mitsa, Kevin J.Parker」等に詳しく開示されてい
る。
る。
係数を2値化した場合に、ここで得られた2値情報を表
す空間周波数領域上で、図14の1402に示される様
に、周期的または擬似周期的なピークが発生することを
1つの特徴とする。ただし、低周波領域ではピークが立
たない様に設計されている。
一部を示す。
にも、ドット間で適度な距離が保たれる為、低周波領域
でのピークは立たない。
10で2値化した場合の空間周波数特性の概略図を示
す。1401のブルーノイズマスクの空間周波数特性と
同じく、1402の特性でも低周波成分が少ないことが
分かる。
あっても高い場合であっても、ブルーノイズマスクが持
つ低域周波数より高い周波数からピークが発生する為、
ブルーノイズマスクに比べて埋め込み位置に密集した部
分が少なくなる。その為、付加情報Infを埋め込んだ際
に生じる埋め込みノイズは、ブルーノイズに比べて更に
目立たなくなる利点がある。
度も、ブルーノイズマスクの時と同じく、図12の12
01で示す出現頻度分布(ヒストグラム)になる。
付加情報Infを構成する各ビット情報に対応するパター
ンを、画像データに埋め込む様にするならば、この画像
データ中には各ビット情報に対応するパターンを同数配
置することができ、結果的に付加情報Infをバランス良
く埋め込むことができる。
参照マスクにコーンマスクを用いることとする。
手段1101で作成されたマスク(コーンマスク)は、
マスク参照手段1102に入力される。
込むNビットの情報の埋め込み位置とマスクの番号(画
素値)を対応付けて、埋め込み位置を決定する。
置決定方法を説明する。
用いるが、ここでは説明を分かりやすくする為、図15
の1501に示す4×4マスクを用いて説明する。
し、0〜15までの係数値を1つずつ配置しているマス
クである。この4×4マスクを用い付加情報Infの埋め
込み位置の参照を行う。この説明で用いるマスクの場合
には最大16ビットで構成される付加情報Infを埋め込
むことができるが、以下8ビットの付加情報Infを埋め
込む場合を説明する。
て説明する。同図の様に付加情報Infは、スタートビッ
トInf1と利用情報Inf2から構成される。
実際の付加情報Infが埋め込まれている位置がずれてい
ることを認識し、これに合わせて電子透かし(付加情報
Inf)の抽出開始位置を補正する為に、電子透かし抽出
装置側に含まれるオフセット合わせ手段で用いられる。
詳細については後述する。
即ち実際に画像データIの付加的情報として利用される
情報である。この情報には、例えば画像データwIの不正
利用の際に原因を追跡することを目的とするならば、図
1に示す装置のID或いはユーザーのID等が含まれ
る。また、画像データwIの印刷物をコピー禁止にするの
であれば、コピーが禁止であることを示す制御情報が含
まれる。
ットとし、「11111」というビット列を用いる。し
かし、本発明はこれに限らず、付加情報Infのうち5ビ
ット以外のビット数をスタートビットとして用いること
も可能であり、同様に「11111」というビット列以
外を用いることも可能である。ただし、スタートビット
のビット数とビット系列は電子透かし埋め込み装置と電
子透かし抽出装置で共有しておく必要がある。
ンマスクを用いて、スタートビット5ビット、利用情報
3ビットの合計8ビットの付加情報Infを埋め込む簡単
な例について説明をする。
ものではない。例えば32×32のコーンマスクを用い
て、スタートビット5bit、利用情報64bitからなる合
計69bitの付加情報Infを埋め込み場合等にも適用可能
である。
「11111」で利用情報が3ビット「010」とす
る。夫々1番目が1、2番目が1、3番目が1、4番目
が1、5番目が1、6番目が0、7番目が1、8番目が
0のビット情報を持つ。
参照)の夫々をコーンマスクの係数の1つずつに対応す
る位置に割り当て、この位置関係に従って元の画像デー
タの各画素値を±c変更する。これにより、1つのコー
ンマスクに相当するサイズの元の画像データに対して、
1つの付加情報Infが埋め込まれることとなる。
む為に最低限必要なビット数に基づいて、ある閾値を決
定し、上記コーンマスクにおける、この閾値以下の係数
が配置されている位置に、対応する各ビット情報を埋め
こむ。これにより付加情報Infのビット数に関わらず1
つのコーンマスクには1つの付加情報Infが埋め込まれ
る。
値以上の係数が配置されている位置に、対応する各ビッ
ト情報が埋め込まれる様にし、これを前提に閾値を決定
する様にしても良い。
閾値以下の係数の個数が、マスク全体の係数の個数にお
いて占める割合を、埋め込み充填率と呼ぶことにする。
め込むには、図15のマスク1501内においてどの係
数を埋め込み参照位置に用いるかを決定する為の閾値
は、8或いは16である必要が有る。この閾値は、耐性
及び画質への影響を考慮して最適なものが決定される。
は、埋め込み充填率は50%となる。即ち、上記マスク
と照らし合わされる元の画像データのうち50%が、図
9のパターン配列を用いた処理の対象になる。
の一例を対応表1に示す。
いる位置合わせの為のビット情報(スタートビット)で
ある。1〜5は5ビットの利用情報である。
1で表現された係数(0〜7)の位置に相当する入力画
像データの画素の位置に各ビット情報がパターン(図9
参照)を用いて埋め込まれる。埋め込むビット情報の順
序とマスク内の係数値の対応関係は鍵情報の一部であ
り、この対応関係を知ることなしに各ビット情報の抽出
を行うことはできない。本実施の形態では説明を簡単に
する為、対応表1の様に0から閾値までの係数値に順に
S1〜S5と利用情報の3ビットを対応させることとす
る。
マスクを用いて埋めこむ場合の充填率についても少し述
べておく。なお、処理の手順はマスク1501を用いた
場合と同じである。
考慮し、付加情報Infの埋め込みを整数回正しく行う為
に必要な閾値を決定する。
等しい繰り返し数で埋め込まれる様にする為、閾値以下
の係数の数を付加情報Infを構成するビット数Nで割り、
1つのマスクサイズで各ビットを何回埋め込めるかを決
定する。
る元の画像データに、上述した一例のスタートビット5
ビットと利用情報64ビットからなる、69ビットの付
加情報Infを埋めこむ場合には、例えば閾値を137に
設定する。
138個となる。1つの付加情報Infを表すのに必要な
ビット数は69個であるから、1つのマスクサイズにお
いては各ビット情報は138/69=2回ずつ埋め込む
ことができる。
を決定する時に、ある閾値以下の係数値を持つ全ての点
に対して埋め込みを行う理由は、空間周波数の低周波成
分にピークが立たないというコーンマスクの特性を生か
す為である。
果、埋め込み充填率50%、埋め込み情報量69ビット
となる場合には、付加情報Infを構成する各ビット情報
とコーンマスクを構成する各係数値との関係は対応表2
の様になる。
わせ処理装置で用いる位置合わせの為のビット情報であ
る。1〜64は利用情報である。
から閾値(または閾値から255)までの係数の位置の
全てに、図9のパターンを使用して各ビット情報を順に
埋め込むならば、各ビット情報と各係数値との対応関係
は別のものであっても良い。
つのマスク内に同じ係数を持つ位置が夫々4個存在す
る。
の画像データに各ビット情報を埋め込む場合、32×3
2,64×64等の大きいサイズのコーンマスクなら
ば、付加情報Infを構成する各ビット情報はほぼ等しい
回数埋め込まれる。また、元の画像データにおいて同一
のビット情報が拡散して埋め込まれる。
対応するパターン(図9参照)が互いに重なり合わない
様にランダム的に埋め込み位置を選んでいたが、本実施
の形態では、上記コーンマスクを参照することにより同
様の効果を得る事ができ、更に画質劣化も少ない。
は、各ビット情報に対応する埋め込み位置の座標(x,y)
を得る。
現すると、bitは対応表1の場合、スタートビットS1〜
S5と利用情報1〜3ビットを表す。またnumはコーンマ
スク内で繰り返し表れる各係数に付けられる順序であ
る。(x,y)にはマスク内での相対座標が収められる。
う。
手段]マスク参照手段1102で得られた各ビット情報
のコーンマスク内での埋め込み位置は、マスク・パター
ン配列対応手段1103に入力される。
み位置は夫々のビット情報のパターンの位置(8×8画
素分)であるので、パッチワーク法では更に図9に示さ
れる加算領域(+c)と減算領域(−c)とそれ以外
(0)とを割り当てる必要がある。この為、マスク参照
手段1102で参照したコーンマスクの全ての位置に図
9に相当する8×8サイズのパターン配列を展開する操
作をマスク・パターン配列対応手段1103で行う。
れた配列S[bit][num]=(x,y)の座標に対して、x座標に
はパターン配列の横方向のサイズを掛け、y座標にはパ
ターン配列の縦方向のサイズを掛ける操作を行う。その
結果、図17のマスク内の座標1701は、マスク内の
1画素が1パターン配列に拡大された先頭座標1702
となる。
ン配列を用いると、パターン配列の大きさを持つ領域1
703に重なり合わず埋め込みを行うことが可能にな
る。
列S[bit][num]のbitとnumは変化しない。
付加情報Infを(x',y')をパターン配列を埋め込む先頭位
置とし、複数のビット情報の埋め込みが可能になる。
03によりコーンマスクの各係数が、8×8のパターン
配列に展開(拡大)された大きなマスクを、拡大マスク
と呼ぶ。
×(32×8)サイズとなり、このサイズが付加情報In
fを少なくとも1つ埋め込む為に必要な最低限の画像単
位(マクロブロックとする)となる。
03で行われる操作である。
作成時にドットの配置位置に自由度が少なく、コーンマ
スクの様な所望の特性を持つマスクの作成が難しい。例
えば小さなマスクを画像データの全体に繰り返し割り当
てることで付加情報Infを埋め込む場合には、小さなマ
スクの持つ空間周波数が画像データ全体に出現する。
付加情報Infが抽出されるので、マスクのサイズを大き
く設定することによって、切り抜き耐性(部分的な画像
データwI’から付加情報Infを抽出できる可能性)は小
さくなってしまう。ゆえに、上記切り抜き耐性と画質劣
化のバランスを考慮し、マスクのサイズを決定する必要
がある。
3で行われる処理である。
して決定された、画像データへの各ビット情報の埋め込
み位置を参照して、図1の付加情報埋め込み手段010
4は実際に付加情報Infを埋め込む。
む処理の動作の流れを示す。
て可能なマクロブロックを複数個割り当て、更に、これ
ら全マクロブロックに対してまず1ビット目のビット情
報を繰り返して埋め込み、続いて2ビット目、3ビット
目…という様に繰り返して埋め込む。これは未だ埋め込
み処理が行われていないビット情報が有れば、未処理の
マクロブロックの全てに1001〜1003の埋め込み
処理を施す手順により構成されている。
2つのループ処理の内外関係を逆にしても良い。即ち、
未処理のマクロブロックが有れば、これに対して未だ埋
め込んでいないビット情報を全て埋め込む手順に変更し
ても良い。
め込まれる各ビット情報が“1”の場合には図9のパタ
ーン配列を加える。また埋め込むビットが“0”の場合
には図9のパターン配列を減ずる、即ち図9の正負符号
を反転したものを加算する。
替え手段1001を、埋め込むビット情報に応じて切り
替え制御することによって実現される。即ち、埋め込ま
れるビット情報が“1”の時は加算手段1002に接続
し、上記ビット情報が“0”の時は減算手段1003に
接続する。これら1001〜1003の処理はビット情
報とパターン配列の情報を参照しながら行われる。
る様子を図19に示す。同図では埋め込まれるビット情
報が“1”、即ちパターン配列を加える場合の例を示
す。
P(x,y)が8×8のパターン配列である。8×8のパター
ン配列を構成する各係数は、このパターン配列と同じサ
イズの元の画像データ(青色成分)に重ね合わせられ、
同位置の値同志が加減算される。その結果、I'(x,y)が
算出され、ビット情報が埋め込まれた青色成分の画像デ
ータとして図1の色成分合成手段0104へ出力され
る。
減算処理を、上記対応表2で決定された埋め込み位置
(各ビット情報を埋め込む為のパターン配列を割り当て
た位置)の全てに対して繰り返し行う。
る様子を図18に示す。
込む為に、画像データ全体1801(1803)全体に、
マクロブロック1802を左上から右下までラスター順
に繰り返し割り当てて埋め込み(図10の1001〜1
003)を行う。
の操作が行われ、付加情報Infが画像全体に埋め込まれ
る。
報Infが埋め込まれる。この付加情報Infが埋め込まれた
画像データの各画素が、十分少ないドット数で表現され
るのであれば、パターン配列の大きさも十分小さくなる
ので、これらパターン配列の1つ1つ非常に小さい点で
しか人間の目には知覚されない。よって、コーンマスク
の空間周波数特性も維持され、人間の目に見えにくい。
に、電子透かし抽出装置側に備えられる、図2における
レジストレーション手段0202について詳細を説明す
る。
加情報抽出手段0203の前段に位置する手段であり、
付加情報Inf抽出処理の前処理である。レジストレーシ
ョン手段0202には、前段の色成分抽出手段0201
により抽出された青色成分の画像が入力される。
子透かし埋め込み装置から出力された画像データwIと、
電子透かし抽出装置に入力された画像データwI’のスケ
ールの違いが補正される。
図7に示す。図7に示す様に、レジストレーション手段
0202は、ブロック分割手段0701、フーリエ変換
手段0702、インパルス抽出手段0703、スケーリ
ング率算出手段0704、スケーリング手段0705か
ら構成される。
レジストレーション信号埋め込み手段0102(ブロッ
ク分割手段0401)と同様のブロック分割処理が行わ
れる。この処理によって、一般的にはレジストレーショ
ン信号埋め込み手段0102(ブロック分割手段040
1)と同様のブロックを抽出することは困難である。こ
れは電子透かし情報が埋め込まれた画像データwIが印刷
系の処理を施されることによって、大きさが変化し、更
に位置がずれることによるものである。
っていても問題はない。これは、電子透かし埋め込み装
置において、レジストレーション信号が画像データのう
ち振幅スペクトルに埋め込まれているからである。振幅
スペクトルは、画像データの空間領域における位置ずれ
には影響されないという性質がある。よって、電子透か
し埋め込み装置と電子透かし抽出装置の夫々において、
各々のブロック分割手段により分割されたブロックが、
空間領域で多少の位置ずれが生じていても問題はない。
した画像データをフーリエ変換手段0702に出力す
る。フーリエ変換手段0702は上述したレジストレー
ション信号埋め込み手段0102の場合と同様に、空間
領域の画像データを周波数領域の画像データに変換す
る。フーリエ変換された周波数領域の画像データは振幅
スペクトルと位相スペクトルによって表現される。この
うち振幅スペクトルだけがインパルス抽出手段0703
に入力される。一方で、位相スペクトルは破棄される。
パルス抽出手段0703に入力される。インパルス抽出
手段0703では、周波数領域に変換された画像データ
からインパルス性の信号だけを抽出する。即ち、既に画
像データに埋め込まれている図5の0502,0503,
0504,0505を抽出する。
とが可能である。例えば、周波数領域に変換された画像
データを閾値処理することで実現できる。この例を図8
(a)に示す。図8(a)にはインパルス抽出手段0703に
入力された振幅スペクトル0801を閾値0802によ
って閾値処理する様子を示す。なお説明の為、図8にお
いて変換された画像データを1次元で表現した。適当な
閾値0802を選択することによってインパルス信号を
抽出することが可能である。しかしながら、低域に存在
するインパルス信号と同じ程度の大きさを持つ様な本来
の画像データも同時に抽出してしまう。
図8(b)に示す。周波数領域に変換された画像データ0
801に対して2次微分処理を施す。これはラプラシア
ンフィルタ等を施すことに等しい。周波数領域に変換さ
れた画像データ0801に対して2次微分を施したもの
を0803に示す。このデータ0803に対して適当な
閾値0804を選択し閾値処理を施すことによって、イ
ンパルス信号を抽出可能である。
し詳細な原理を図26を用いて説明する。なお、この図
では上述したレジストレーション信号埋め込み側の処理
も記載している。
02においては、空間領域の画像データ2601が周波
数領域に変換され画像データ2602となり、周波数領
域においてインパルス信号2603が加えられる。
号)2603が加えられた周波数領域の画像データは、
逆周波数変換されることによって空間領域の信号260
1’へ再び戻る。再び空間領域へ戻された画像データ2
601’にはインパルス信号が付加された影響があるは
ずであるが、人間の目には知覚しにくく、実質的には画
像データ2601と画像データ2601’は同一物に見
える。これは、周波数領域で加えられたインパルス信号
2603が逆フーリエ変換によって、画像データ全体に
小さな振幅で分布するからである。
加えられた場合は、ある一定の周波数成分を持つ画像デ
ータが空間領域に加えられたことに等しくなる。この加
えられたインパルス信号が人間の知覚できる周波数より
も大きく、更に振幅が人間の知覚できる限度以下である
ならば、加えられたインパルス信号は人間の目には見え
ない。よって、上記レジストレーション信号の埋め込み
自体も一種の電子透かし処理であると言える。
1にレジストレーション信号2603が埋め込まれ、更
に実際に埋め込むべき付加情報Infが埋め込まれた後、
空間領域の信号2601’を復元する。
ョン信号は、抽出の際に再びフーリエ変換が施される。
これによって、空間領域では一度画像データ全体に拡散
されたレジストレーション信号2603が、周波数領域
に変換され再びインパルス信号として現れる。
圧縮等の非可逆圧縮などの攻撃を受けた場合、このイン
パルスは振幅が小さくなる可能性が高い。一方で、スケ
ーリングなどの幾何的な攻撃を受けた場合、このインパ
ルスはその位置が移動する。いずれの場合も上述した様
な適当なインパルス抽出処理を施すことによって、イン
パルス信号は抽出可能であり、元の画像データからの変
化を推測できる。この変化を補正すれば本実施の形態で
埋め込まれる付加情報Infを確実に抽出できる状態を作
り出せる。
手段0703からは上述したインパルス信号が出力さ
れ、スケーリング率算出手段0704に入力される。ス
ケーリング率算出手段0704は、入力されたインパル
ス信号の座標を用いてどの様なスケーリングが施された
かを算出する。
は、予めどの周波数成分にインパルス信号を埋め込んだ
かを知っているものとする。この場合には、この予め埋
め込まれた周波数と、インパルスが検出された周波数の
比によりスケーリング率を算出することが可能である。
例えば、予めインパルス信号が埋め込まれた周波数を
a、検出されたインパルス信号の周波数をbとすると、a/
b倍のスケーリングが施されていることがわかる。これ
は良く知られたフーリエ変換の性質である。以上の処理
により、スケーリング率算出手段0704からはスケー
リング率が出力される。
透かし埋め込み装置側から必要に応じてレジストレーシ
ョン信号を埋め込んだ位置(周波数)の情報を受信する
様にしても良い。例えばこの位置情報は暗号化信号とし
て受信し、上記スケーリング率の算出処理を行う形態も
本発明の範疇に含まれる。こうすることによって、付加
情報Infを正しく抽出できるのはレジストレーション信
号を知っている人だけとなる。この場合、レジストレー
ション信号を付加情報Infを抽出する為の鍵として使用
できる。
されたスケーリング率は、スケーリング手段0705に
入力される。スケーリング手段0705には画像データ
wI1'も入力され、画像データwI1'は入力されたスケーリ
ング率によってスケーリング処理が施される。スケーリ
ング処理はバイリニア補間やバイキュービック補間など
種々のものが適応可能である。そして、スケーリング手
段0705からはスケーリング処理が施された画像デー
タwI2'が出力される。
の付加情報埋め込み手段0103で付加情報Infが埋め
込まれた画像データwI’の青色成分からこの付加情報In
fを抽出する図2の付加情報抽出手段0203の動作に
ついて述べる。
を図20に示す。
20に示す様に、まず埋め込み位置決定手段2001に
おいて、画像データwI2'(青色成分)中のどの領域から
付加情報Infを抽出するかを決定する。この埋め込み位
置決定手段2001によってなされる動作は、前述した
埋め込み位置決定手段0103と同じであり、その為、
0103と2001によって決定される領域は同一のも
のとなる。
用い、更に図9に示されるパターン配列を用いて付加情
報Infが抽出される。
た領域に対してパターン配列を畳み込むことによって実
現される。
距離dは埋め込んだ情報を抽出する際に必要となる計算
値である。
める方法を図6に示す。
01で行う処理を図21及び図22を用いて説明する。
する1ビットの情報を抽出する例を示す。
ット情報が埋め込まれた画像データ(青色成分)I''(x,
y)に対してこの1ビット情報の抽出処理を行った例、そ
して図22は上記1ビット情報が埋め込まれていない画
像データI''(x,y)に対して1ビット情報の抽出処理を行
おうとした例である。
が埋め込まれた画像データ、P(x,y)が畳み込み処理に用
いられる8×8のパターン配列(付加情報Inf抽出用の
パターン配列)である。この8×8のパターン配列を構
成する各要素(0,±c)は、入力画像データI''(x,y)
の同位置に配置されている画素値に積算され、更に各積
算値の和が算出される。即ち、I''(x,y)に対してP(x,y)
が畳み込まれる。ここで、I''(x,y)は、画像データI'
(x,y)が攻撃を受けた場合の画像を含んだ表現である。
攻撃を受けていない場合には、I''(x,y)=I'(x,y)であ
る。I''(x,y)に1ビット情報が埋め込まれている画像で
ある場合には、畳み込みの結果、図21に示す様に非零
の値が得られる可能性が非常に高い。特にI''(x,y)=I'
(x,y)の時には畳み込みの結果は32c2となる。
るパターン配列と抽出に用いるパターン配列は同様のも
のを用いている。しかしながら、これは本発明において
限定されるものではない。一般的には、埋め込みに用い
るパターン配列をP(x,y)、抽出に用いるパターン配列を
P'(x,y)とした場合には、P'(x,y)=aP(x,y)という関係に
変形できる。ここでaは任意の実数であり、本実施の形
態では、簡単の為、a=1の場合について説明する。
同様の演算が1ビット情報が埋め込まれていない画像デ
ータI''(x,y)に対して施されている。原画像(画像デー
タIに相当)からは畳み込み演算の結果、図22に示す
様に零の値が得られる。
情報の抽出方法を説明した。しかし、以上の説明は、付
加情報Infが埋め込まれる対象の画像データIにおいて畳
み込み演算の結果が0である場合であり、非常に理想的
な場合である。一方で、実際の画像データIの8×8の
パターン配列に相当する領域においては畳み込み演算の
結果が0であることはなかなか少ない。
×8のパターン配列に相当する領域について、図9のパ
ターン配列(コーンマスクも配置情報として参照)を用
いて畳み込み演算を行った場合、理想と異なり、非零の
値が算出されることもある。逆に、付加情報Infが埋め
込まれた画像(画像データwI)における8×8のパター
ン配列に相当する領域について、同じく畳み込み演算を
行った結果が“32c2“でなく“0”になってしまう
こともある。
ット情報の夫々は、通常、元の画像データに複数回埋め
込まれている。即ち付加情報Infが画像に複数回埋め込
まれている。従って、各ビット情報が埋め込まれている
n個のマクロブロックにおいて、8×8パターン配列毎
の畳み込み演算を行い、ここで得られる各ビット情報毎
のn個の畳み込み演算結果に基づいて“各ビット情報が
埋め込まれているのか否か”或いは“各ビット情報が1
か0か”等を統計的に判断すれば良い。これら統計的な
判断の方法については後述する。
情報Infを構成する各ビット情報に1ついて、夫々複数
の畳み込み演算結果の和を求める。例えば、付加情報In
fが8ビットであれば、8個の和が得られる。この各ビ
ット情報に対応する和は平均計算手段0602に入力さ
れ、夫々が全マクロブロックの数nで割られて平均化さ
れる。この平均値が信頼度距離dである。即ち、この信
頼度距離dは、図21の“32c2”と“0”のどちらに
類似しているかを多数決的に生成した値である。
ク法の説明ではd = 1/N Σ(ai-bi)と定義していたの
で、厳密には信頼度距離dは、P'(x,y) = 1/c P(x,y)を
用いて畳み込み演算を行った結果の平均値である。しか
しながら、P'(x,y) = aP(x,y)を用いて畳み込み演算を
行っても、畳み込み演算結果の平均値は、上記信頼度距
離dの実数倍になっているだけであり、本質的には同様
の効果が得られる。よって本発明には、P'(x,y) = aP
(x,y)を用いた畳み込み演算結果の平均値を信頼度距離d
に用いることも十分可能である。
媒体に蓄えられる。
fを構成する各ビットについて上記信頼度距離dを繰り返
し生成し、順次記憶媒体0603に格納する。
する。元の画像データIに対して図9のパターン配列
(コーンマスクも配置情報として参照)を用いて算出さ
れる信頼度距離dは理想的には0である。しかしながら
実際の画像データIにおいては、この値は非常に0に近
くはあるが非零の値が多い。各ビット情報について発生
する信頼度距離dの頻度分布を調べると、図23の様に
なる。
に発生する信頼度距離dの値であり、縦軸はその信頼度
距離dを生じる畳み込みが行われたビット情報の数(信
頼度距離dの出現頻度)を示している。図を見ると正規
分布に類似していることがわかる。また、元の画像デー
タIにおいては信頼度距離dは必ずしも0ではないが、そ
の平均値は0(或はそれに非常に近い値)である。
の様にビット情報“1”を埋め込んだ後の画像データ
(青色成分)をI’(x,y)に上記畳み込みを行った場合に
は、信頼度距離dは図24に示す様な頻度分布となる。
即ち、図の様に図23の分布形状を保ったまま、右方向
にシフトしている。この様に、付加情報Infを構成する
ある1ビットを埋め込んだ後の画像データは、信頼度距
離dが必ずしもcという訳ではないが、その平均値はc
(或はそれに非常に近い値)となる。
込んだ例を示したが、ビット情報“0”を埋め込んだ場
合は図23に示した頻度分布が、左にシフトすることに
なる。
て付加情報Inf(各ビット情報)を埋め込む場合には、
埋め込むビット数(パターン配列の使用回数)を出来る
だけ多くした方が、図23及び図24に示す様な統計的
分布が正確に現れやすい。即ち、付加情報Infを構成す
る各ビット情報が埋め込まれているか否か、或いは埋め
込まれているビット情報が“1”か“0”かを検出でき
る精度が高くなる。
にオフセット合わせ手段2002の構成について解説す
る。
なスケーリングを施された後の画像データwI2'が入力さ
れる。この後、図6の信頼度距離演算を用い、スタート
ビットを検出する。なお、オフセット合わせ手段200
2はスタートビットInf1の5ビット分に対応する5つの
信頼度距離だけを生成する。スタートビットInf1とは、
図36に示す様に、付加情報埋め込み手段0104にお
いて予め埋め込んである付加情報Infの一部であり、本
実施の形態では5ビット分である。
的には最初の5ビット分であるが、付加情報Infが埋め
込まれている画像においては隣接、密集して存在する訳
ではなく、むしろ点在している。これは、対応表2のコ
ーンマスクを構成する各係数値に対応付けて順に埋め込
まれる為である。
ローチャートを図28に示す。以下の解説は図28のフ
ローチャートの流れに沿って行う。
された画像データwI2'に対して、ステップ2801によ
り、まず最も左上の座標を埋め込み開始座標と仮定す
る。同時に、最大値MAXを0に設定する。そして、ステ
ップ2802により、図6の信頼度距離演算手段を用い
て、スタートビットの検出を試みる。
が、ステップ2803により正しいスタートビット「1
1111」であるかどうかを判定する。この点が正しい
埋め込み開始座標であれば検出結果として5つの連続し
た正の信頼度距離dが検出されるが、そうでない場合に
は正の信頼度距離dが5つ連続しないことが多い。上記
判断を順次行い、正しいスタートビットInf1が検出でき
る位置を、埋め込み開始座標であると決定すれば良い。
座標以外の点でも正しいスタートビットInf1が検出され
てしまう場合も有り得る。この原因を図27を用いて説
明する。
ーク法で埋め込まれた付加情報Infを抽出する為、付加
情報Infの埋め込み時に用いたものと同一のパターン配
列(2702、2704)(コーンマスクも配置情報と
して参照)を用いて、畳み込みを行いながら本来のマク
ロブロックの位置(2701、2703、2704)を
探索する様子を示している。左の図から右の図へ向かっ
て探索が連続的に進んでいるものとする。
一部である1つのマクロブロック(付加情報Infが抽出
できる最小単位)に注目している。この図の1マスは1
ビット情報を埋め込む為のパターン配列の大きさの概念
を示している。
関係を有する場合、即ち2702が実際のマクロブロッ
ク2701よりも左上に位置して場合、元の画像と付加
情報Inf抽出用のパターン配列の位置は、斜線領域のみ
で重なっている。
中の位置と実際のマクロブロックの位置が完全に一致し
ている場合が示されている。この状態では、畳み込み対
象のパターン配列とマクロブロックが最大面積重なって
いる。
際に付加情報Infが埋め込まれているマクロブロックの
位置よりも右下に位置している。この状態では、この状
態では、畳み込み対象のパターン配列とマクロブロック
は斜線領域のみで重なる。
象のパターン配列とマクロブロックが十分に重なってい
れば正しいスタートビットInf1を抽出することが可能で
ある。ただし、これら3つの場合は重なる面積が異なっ
ているので信頼度距離dが異なる。
置き換えて考えることができる。即ち、畳み込み対象の
パターン配列とマクロブロックの位置関係が完全に一致
していれば、各ビット情報共に信頼度距離dは上述した
±32cに非常に近くなる。
の様に、ステップ2803において正しいスタートビッ
トInf1でないと判定された場合には、ステップ2807
によりラスタ順で次の探索点に移動する。一方で、正し
いスタートビットInf1であると判定された場合には、ス
テップ2804により、信頼度距離dが最大値MAXより大
きいかどうかを判定する。最大値MAXより小さな場合に
は、ステップ2807によりラスタ順で次の探索点に移
動する。一方で、信頼度距離dが最大値MAXよりも大きな
場合には、最大値MAXを現在の信頼度距離dに更新し、同
時に現在の探索点を埋め込み開始点として記憶する。そ
して、ステップ2806において全ての探索点を探索し
たかどうかを判定し、全て終了していない場合には、ス
テップ2807によりラスタ順で次の探索点に移動す
る。一方で、全て終了している場合には、その時記憶さ
れている埋め込み開始点を出力し処理を終了する。
おけるオフセット合わせ手段2002は、スタートビッ
トInf1を検出し、正しいスタートビットInf1が得られた
座標の中で、最も信頼度距離dの大きな座標の情報を、
付加情報Infの埋め込み開始点であると判断し、埋め込
み開始座標として後段へ出力する。
抽出手段2003は、前段のオフセット合わせ手段20
02から埋め込み開始座標、及び付加情報Infが埋め込
まれた画像データを入力し、図6で説明した動作を同じ
く用いて、ここでは利用情報Inf2を構成する各ビット情
報のみについて信頼度距離dを算出し、これらビット情
報に対する信頼度距離d1を後段の統計検定手段2006
に出力する。
報に相当する信頼度距離d1を得ることは、実質的には、
埋め込まれた利用情報Inf2の各ビットを抽出することに
相当する。これについては後述する。
込み開始座標に基づいて、各信頼度距離dを算出するの
みであり、スタートビットInf1の5ビット分については
抽出しない。
6では、図20の利用情報抽出手段2003で得られる
信頼度距離d1の信頼性を判定する。この判定は、付加情
報Inf(利用情報Inf2)の抽出に用いた第1のパターン
配列とは異なる第2のパターン配列を用いて信頼度距離
d2を生成し、この信頼度距離d2の出現頻度分布を参照し
て信頼性指標Dを生成することで行われる。
003において利用情報Inf2を抽出するために、第1の
パターン配列(コーンマスクも配置情報として参照)を
用いて得られる信頼度距離であり、信頼度距離d2は第1
のパターン配列をは異なる後述する第2のパターン配列
を用いて得られる信頼度距離である。第1のパターン配
列は、通常付加情報Inf(スタートビットInf1,利用情
報Inf2)を埋め込む際に用いた図9のパターン配列であ
る。
についての詳細は後述する。
抽出処理] ≪ 中心極限定理 ≫{an},{bn}はn個の要素からなる画素
値の集合で、夫々図30に示される様な部分集合Aと部
分集合Bの要素の持つ画素値とする。
数 nで{an}, {bn}を取る場合、画素の値anとbnには相関
がなく、信頼度距離dの期待値は0になる。また中心極
限定理より信頼度距離dの分布は独立な正規分布をと
る。
る。
布でなくても良い)から大きさncの任意標本を抽出した
時、標本平均値Scの分布はncが大きくなるにつれて正規
分布N(mc,(σc/√nc)^2)に近づくことを示す定理であ
る。
とが多いが、サンプル数ncが十分大きく、母集団の数Nc
がサンプル数ncに比べてさらに十分大きいときは標本の
標準偏差scをσcの代わりに用いても実用上ほとんど差
し支えない。
情報抽出手段2003で求められた信頼度距離d1の出現
頻度分布は、利用情報Inf2を正しく抽出できたか否かで
大きく異なる。
があった場合(オフセット合わせに失敗した場合)等に
は、利用情報Inf2が埋め込まれているはずの位置には実
際にはビット情報が埋め込まれていないので、信頼度距
離d1の出現頻度分布は図25の正規分布2501の様に
なる。
用情報Inf2を構成するビット情報“1”に対応する各信
頼度距離d1が正規分布2502の位置に累積され、利用
情報Inf2を構成するビット情報“0”に対応する各信頼
度距離d1が正規分布2503の位置に累積される。よっ
て、この場合には2つの“山”が現れる。この2つの
“山”の大きさの比は、利用情報Inf2を構成するビット
情報“1”と“0”の比とほぼ等しい。
ない元の画像に対して第1のパターン配列で畳み込み処
理を行って得られる信頼度距離d1が、正規分布2501
の様になることを前提としたものである。
らない限り、正しく抽出できているか否かの判断を行う
ことは出来ない。
まれていても元の画像の状態を十分判別できる、いわゆ
る第2のパターン配列を用いて、信頼度距離d2の正規分
布を生成し、この正規分布を2501として考えること
によって、利用情報Inf2が正しく抽出できているか否か
の判断を行う。
2501を構成する斜線部分(中心から95%までの構
成要素)より外側に信頼度距離d1の出現頻度分布が存在
すれば、対象となっている画像に統計的偏りが存在し、
利用情報Inf2が埋め込まれていると確定できる。考える
ことができ、利用情報Inf2の確からしさを統計的に判断
することができる。この詳しい方法については後述す
る。
め込まれている画像データを用いて、付加情報Infが埋
め込まれる前の信頼度距離d1の出現頻度分布に類似する
もの(図25の様な正規分布2501)を生成する方法
を説明する。
よる抽出手段2005を用いて、正規分布2501に類
似する分布を構成する信頼度距離d2を求める。
5は、利用情報抽出手段2003に用いた第1のパター
ン配列と“直交する”第2のパターン配列を用いて、信
頼度距離d2を求める手段であり、畳み込み処理を行う点
等、利用情報抽出手段0203と動作自体はほぼ同じで
ある。
003で用いた図9のパターン配列、及びこのパターン
配列を配置する位置を参照する為のマスク(コーンマス
ク)を、夫々「第1のパターン配列」、及び「第1の位
置参照マスク」と呼び、第1のパターン配列に“直交す
る”パターン配列、及びこのパターン配列を配置する位
置を参照する為のマスクを、夫々「第2のパターン配
列」、及び「第2の位置参照マスク」と呼ぶ。
5に、まず、オフセット合わせ手段2002から埋め込
み開始座標を入力し、上述した図6の信頼度距離演算を
用いて信頼度距離d2の計算も行う。
ターン配列は埋め込みに用いた図9のパターン配列09
01ではなく、このパターン配列0901に“直交す
る”パターン配列3601或いは3602を用いる。
1及び3602を用いて計算される信頼度距離d2には、
付加情報Infの埋め込みに用いた図9のパターン配列0
901で操作した影響がまったく反映されない為であ
る。
901とこれにこれに“直交する”上記パターン配列3
601とを畳み込み処理した結果は0である。これはパ
ターン配列3602についても同様である。即ち、第
1、第2のパターン配列の畳み込み結果は0である。従
って、元の画像の濃度が第1のパターン配列を用いて変
更されていたとしても、第2のパターン配列を用いて畳
み込み処理を行って得られる信頼度距離dには全く影響
が無い。
画像に対して上記第2のパターン配列を用いた畳み込み
処理を施して得られる信頼度距離d2の出現頻度分布は、
図25の正規分布2501とほぼ同様のものになる。従
って上記出現頻度分布を正規分布2501とみなす。
2の3507の統計検定処理に必要な判断基準となる。
5は、上述の様に図33の3601、3602の様な
「第1のパターンとは“直交する”パターン配列」と、
図35の3802に示す第2の位置参照マスクを用い
て、信頼度距離d2の正規分布を生成するである。
パターン配列」の条件を以下に示すと、 (1)図33に示す様に、図9の0901と同じサイズ
であること (2)パターン配列3601、3602の様に、付加情
報Infの埋め込み時に用いた図9のパターン配列090
1との畳み込み処理の結果が0になることである。
1及び図22に示される畳み込み処理と同じである。
なることを、ベクトルの内積が直交する場合に0になっ
ていることになぞらえ、「互いのパターン配列が“直交
している”」と呼ぶ。従って図33の3601、360
2は「図9のパターン配列0901に“直交する”パタ
ーン配列」である。
ン配列に“直交する”パターン配列を信頼度距離d2の計
算に用いる理由は、信頼度距離d2の分布に統計的な偏り
を存在させない、即ち0を中心の出現頻度分布を生成す
る為である。
パターン配列」は、 (3)利用情報抽出処理2003に用いたパターン配列
の非零の要素と等しい数の非零の要素を持ち、正と負の
要素の数が夫々等しいことも必要な条件である。これは
同一の演算条件で、信頼度距離d1と信頼度距離d2が抽出
される様にする為である。
マスク」は、付加情報Infの埋め込み時に用いた380
1とは別のパターンを有し、かつ3801とは異なるサ
イズの、図35の3802に示される参照マスクを用い
る。
なっていれば信頼度距離d2の出現頻度分布はほぼ正規分
布2501となる。
が完全でない場合等には、第2のパターン配列を用いて
畳み込みを行ったにも拘わらず統計的な偏りが検出され
てしまう可能性も有る。本実施の形態ではこの可能性も
考慮して、第1と第2の位置参照マスクの大きさを異な
らせることで、周期的な要素を打ち消す様にする。或い
はマスク内の各パターン配列の配置方法を異ならせるこ
とで、同一領域での畳み込みを行わない様にする。
ク」は、これを構成する各係数がランダムに分布してい
れば良く、コーンマスクでなくとも構わない。
が、「第1の埋めこみ位置参照マスク」と異なる様に設
定する場合には、「第2の埋めこみ位置参照マスク」は
図20の埋めこみ位置決定手段2004で作成すること
とする。
して、第1の位置参照マスク(コーンマスク)は、付加
情報Infの埋め込み対象となる画像データ全体に対して
それほど大きなサイズを取ることは考えられない。よっ
て、「第2の位置参照マスク」は比較的大きなものを用
いると良い。本実施の形態では、付加情報Infを埋め込
む時に参照する第1のマスクよりも、付加情報Inf側で
信頼度距離d1を計算する際に用いる第2のマスクのサイ
ズが大きくなる様に設定することとする。
のマスクサイズが等しくてもある程度の効果を奏する。
従って、「第2の位置参照マスク」は図20の埋めこみ
位置決定手段2001で作成されるものでも良い。
いのマスクに適用される付加情報Infを構成する各ビッ
トの繰り返し数が、同一サイズの画像領域内で等しいこ
とが必要である。
で十分な結果が得られない場合は、上述した条件を備え
る別の第2のパターン配列や第2の位置参照マスクを用
いて、再度信頼度距離d2を計算することにより、理想的
な出現頻度分布である図25の2501を生成できる可
能性も有る。
005の具体的な操作を示す。
が32×32のコーンマスクで、第2の位置参照マスク
が64×64のコーンマスクとし、2つのマスクにおい
て、各係数の相対的な配列は全く異なっているとする。
2005では、抽出位置の決定は以下の対応表3に従っ
て行うこととする。
がマスク内に各16個存在する。一方、32×32の第
1の位置参照マスクは、先の対応例2でマスクの参照を
行っている場合、32×32の中で同一係数の繰り返し
数は4個である。即ち、同一サイズの画像データにおい
ては、第1の位置参照マスクも第2の位置参照マスクも
同じ値の係数は同数存在する。
従った位置関係に第2のパターン配列を割り当て、順次
畳み込み処理を行い、各ビット情報に対応する69個の
信頼度距離d2を算出する。
ン配列による抽出手段2005にて生成される信頼度距
離d2は、ほぼ正規分布2501と同一の分布で出現する
が、正規分布においては、一般的に以下の式(25.1)
の範囲で95%のサンプル(信頼度距離d2)が出現する
ことが知られている。
り、mは平均である。
頼区間”と呼ぶ。
ン配列による抽出手段2005で信頼度距離d2が得られ
た後、これを用いて計算される。
段2006に入力される信頼度距離d1の出現頻度分布
は、ビット情報が“1”の場合は図25の正規分布25
02になり、ビット情報が“0”の場合は正規分布25
03になるので、利用情報Inf2に対応する信頼度距離d1
は、第2のパターン配列による抽出手段2005で求め
られる95%の信頼区間(図25の斜線部分)の外に存
在する確率が非常に高い。
の処理時点で、この処理の対象となる画像に利用情報In
f2が存在しない場合には、信頼度距離d1の出現頻度分布
も正規分布2501の様になる。
の信頼度距離d1の全てが式(25.1)の信頼区間に含ま
れない確率は、(1−0.95)の64乗と非常に小さ
い。
2501を求めておけば、この正規分布の大半を占める
範囲に、信頼度距離d1に基づいて求められた出現頻度分
布が含まれるか否かを考えることにより、付加情報Inf
(利用情報Inf2)が埋め込まれているか否かをほぼ確実
に判断できる。
性質を用いて付加情報Inf(利用情報Inf2)が埋め込ま
れていることの信頼度を判断する。
まれていることの信頼度を、信頼性指標Dとして扱う。
003で生成する全ての信頼度距離d1における、式(2
5.1)の範囲の外に存在する信頼度距離d1の個数の割合
で定義される。
Dが閾値αより大きければ、信頼度距離d1の総合的な出
現頻度分布は図25の2502や2503の様な位置に
人為的に偏らされているもの、即ち利用情報Inf2が確実
に埋め込まれている画像であると判断する。
距離d1自体が、信頼性の有る情報であると考え、この信
頼度距離d1を更に後段の比較手段2007へ転送するこ
とを許可する。
示ステップ3510に示される様に、利用情報Inf2の信
頼性指標D、或いは指標Dに基づくメッセージをモニタ
等に表示しても良い。
ない場合は、「利用情報Inf2は正確に抽出できていませ
ん」との趣旨のメッセージを表示させ、図32の統計検
定ステップ3507から画像を再度入力するステップ3
502に戻る。
007は、利用情報抽出手段2003と統計検定手段2
006とを経て出力された信頼度距離d1の値を入力す
る。ここに入力される信頼度距離d1は信頼性の高い情報
であるので、ここでは信頼度距離d1に対応する各ビット
情報が“1”と“0”の何れであるかを単純に判定する
だけで良い。
ビット情報の信頼度距離d1が正であれば、このビット情
報が“1”であると判定し、信頼度距離d1が負の場合は
このビット情報が“0”であると判定する。
ユーザーの参照情報、或いは制御信号にする為の最終的
なデータとして出力される。
の一連の処理の説明を終わる。
加情報Inf(利用情報Inf2)には誤り訂正符号化された
ものを用いることも可能であり、そうする事によって、
更に抽出された利用情報Inf2の信頼性が向上する。
トコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリン
タ等)から構成されるシステムの1部として適用して
も、1つの機器(たとえば複写機、ファクシミリ装置)
からなるものの1部に適用してもよい。
為の装置及び方法のみに限定されるものではなく、上記
システム又は装置内のコンピュータ(CPUあるいはMPU)
に、上記実施の形態を実現する為のソフトウエアのプロ
グラムコードを供給し、このプログラムコードに従って
上記システムあるいは装置のコンピュータが上記各種デ
バイスを動作させることにより上記実施の形態を実現す
る場合も本発明の範疇に含まれる。
ラムコード自体が上記実施の形態の機能を実現すること
になり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラ
ムコードをコンピュータに供給する為の手段、具体的に
は上記プログラムコードを格納した記憶媒体は本発明の
範疇に含まれる。
媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディス
ク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD
-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を
用いることができる。
ログラムコードのみに従って各種デバイスを制御するこ
とにより、上記実施の形態の機能が実現される場合だけ
ではなく、上記プログラムコードがコンピュータ上で稼
働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他
のアプリケーションソフト等と共同して上記実施の形態
が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明
の範疇に含まれる。
が、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接
続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された
後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡
張ボードや機能格納ユニットに備わるCPU等が実際の処
理の一部または全部を行い、その処理によって上記実施
の形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
用いて電子透かし情報を埋め込む場合について説明した
が、本発明はこれに限らない。特にブルーノイズマスク
を用いて電子透かし情報を埋め込む場合も本発明の範疇
に含まれる。
1つを含む構成であれば本発明の範疇に含まれる。
化に使用されているコーンマスクが有する視覚特性を利
用して電子透かし情報の埋め込みを行う様にしたので、
画像の一部を加減算することにより電子透かし情報を埋
め込む場合において、できるだけ人間の目に画質の劣化
が目立ちにくい様に上記電子透かし情報を埋め込むこと
が可能となる。
ータの一例を示す図
ク図
ーン配列を示す図
図
波数特性を示す図
図
様子を示す図
要な領域のを示す図
出しようとした様子を示す図
想的な出現頻度分布を示す図
離dを抽出した場合を示す図
現頻度分布の例を説明する図
原理を説明する図
ある
ャート
め込み手段のブロック図
する図
ローチャート
チャート
を示す図
図
図
26)
の急速な発達及び普及により、文字データ、画像デー
タ、音声データなど、多種の情報がディジタル化されて
いる。ディジタル情報は、経年変化などによる劣化がな
く、いつまでも完全な状態で保存できる一方、容易に複
製が可能であり、著作権の保護が大きな問題となってい
る。
し”がある。電子透かしとは、ディジタルの画像データ
や音声データ、文字データなどに人に知覚出来ない形で
著作権保有者の名前や購入者のIDなどを埋めこみ、違
法コピーによる無断の使用を追跡する技術である。
が埋めこまれたディジタルデータにさまざまな加工編集
が加えられた後にも、埋めこまれた情報が抽出できるこ
とを意味している。
02には、色成分抽出手段0101で得られた青色成分
の画像データが入力される。レジストレーション信号埋
め込み手段0102では、画像データに対して一種の電
子透かしの技術を用いてレジストレーション信号が埋め
込まれる。即ち、レジストレーション信号を埋め込まれ
た画像データにおいて、人間の視覚はレジストレーショ
ン信号を知覚することができない。このレジストレーシ
ョン信号の埋め込み方法等、詳細は後述する。
成分抽出手段0201で得られた青色成分の画像データ
wI1'が入力される。そしてこの青色成分の画像データwI
1'を用いて、幾何学的な歪みが補正された画像データwI
2'を生成する。
データwI2'を、付加情報抽出手段0203に出力する。
め込み手段0104での埋め込み方式に合わせた所定の
処理を施こすことによって、画像データwI2'に埋め込ま
れている電子透かし情報を抽出することが可能であり、
抽出された付加情報Infを出力する。
が抽出され、次のステップで使用される。
色成分の画像データwI1'のオフセットが補正される。
された電子透かし情報の確からしさが算出、判定され、
正しい電子透かし情報ではないと判定されればステップ
3502に戻り、電子透かし情報が埋め込まれていると
考えられる画像を入力しなおす。一方、充分正確な電子
透かし情報であると判定された場合には、ステップ35
08の比較処理により電子透かし情報(付加情報Inf)
の抽出を行う。また、ステップ3510では上記確から
しさを示す情報を後述する信頼性指標Dとして表示す
る。
レーション手段0202、ステップ3503が実行する
レジストレーションという処理について説明する。
リエ変換領域において埋め込む方式を説明した。一方
で、レジストレーション信号を空間領域において埋め込
む方式も考えられる。この方式を図29を用いて説明す
る。
め込み位置決定手段0103の内部構成を記している。
3は、マスク内の各係数値の位置に各パターン配列の配
列要素(8×8サイズ)を展開する。即ち、図17の1
701に示されるマスクの各係数値(1マス)を、同図
1703の様に8×8倍にして各パターン配列の埋め込
み位置として参照可能とする。
図17の埋め込み先頭座標1702を参照して、パター
ン配列を用いて各ビット情報を埋め込むことになる。
いる位置合わせの為のビット情報(スタートビット)で
ある。1〜3は3ビットの利用情報である。
配列を用いると、パターン配列の大きさを持つ領域17
03に重なり合わず埋め込みを行うことが可能になる。
P(x,y)が8×8のパターン配列である。8×8のパター
ン配列を構成する各係数は、このパターン配列と同じサ
イズの元の画像データ(青色成分)に重ね合わせられ、
同位置の値同士が加減算される。その結果、I'(x,y)が
算出され、ビット情報が埋め込まれた青色成分の画像デ
ータとして図1の色成分合成手段0105へ出力され
る。
報Infが埋め込まれる。この付加情報Infが埋め込まれた
画像データの各画素が、十分少ないドット数で表現され
るのであれば、パターン配列の大きさも十分小さくなる
ので、これらパターン配列の1つ1つは非常に小さい点
でしか人間の目には知覚されない。よって、コーンマス
クの空間周波数特性も維持され、人間の目に見えにく
い。
の付加情報埋め込み手段0104で付加情報Infが埋め
込まれた画像データwI’の青色成分からこの付加情報In
fを抽出する図2の付加情報抽出手段0203の動作に
ついて述べる。
ット情報が埋め込まれた画像データ(青色成分)I''(x,
y)に対してこの1ビット情報の抽出処理を行った例、そ
して図22は上記1ビット情報が埋め込まれていない画
像データI(x,y)に対して1ビット情報の抽出処理を行お
うとした例である。
同様の演算が1ビット情報が埋め込まれていない画像デ
ータI(x,y)に対して施されている。原画像(画像データ
Iに相当)からは畳み込み演算の結果、図22に示す様
に零の値が得られる。
情報Infを構成する各ビット情報に1ついて、夫々複数
の畳み込み演算結果の和を求める。例えば、付加情報In
fが8ビットであれば、8個の和が得られる。この各ビ
ット情報に対応する和は平均計算手段0602に入力さ
れ、夫々が全マクロブロックの数nで割られて平均化さ
れる。この平均値が信頼度距離dである。即ち、この信
頼度距離dは、図21の“32c2”と“0”のどちらに
類似しているかを多数決的に生成した値である。
ーク法で埋め込まれた付加情報Infを抽出する為、付加
情報Infの埋め込み時に用いたものと同一のパターン配
列(2702、2705)(コーンマスクも配置情報と
して参照)を用いて、畳み込みを行いながら本来のマク
ロブロックの位置(2701、2703、2704)を
探索する様子を示している。左の図から右の図へ向かっ
て探索が連続的に進んでいるものとする。
置き換えて考えることができる。即ち、畳み込み対象の
パターン配列とマクロブロックの位置関係が完全に一致
していれば、各ビット情報共に信頼度距離dは上述した
±32c2に非常に近くなる。
003において利用情報Inf2を抽出するために、第1の
パターン配列(コーンマスクも配置情報として参照)を
用いて得られる信頼度距離であり、信頼度距離d2は第1
のパターン配列とは異なる後述する第2のパターン配列
を用いて得られる信頼度距離である。第1のパターン配
列は、通常付加情報Inf(スタートビットInf1,利用情
報Inf2)を埋め込む際に用いた図9のパターン配列であ
る。
2501を構成する斜線部分(中心から95%までの構
成要素)より外側に信頼度距離d1の出現頻度分布が存在
すれば、対象となっている画像に統計的偏りが存在し、
利用情報Inf2が埋め込まれていると考えることができ、
利用情報Inf2の確からしさを統計的に判断することがで
きる。この詳しい方法については後述する。
5は、利用情報抽出手段2003に用いた第1のパター
ン配列と“直交する”第2のパターン配列を用いて、信
頼度距離d2を求める手段であり、畳み込み処理を行う点
等、利用情報抽出手段2003と動作自体はほぼ同じで
ある。
ン配列に“直交する”パターン配列を信頼度距離d2の計
算に用いる理由は、信頼度距離d2の分布に統計的な偏り
を存在させない、即ち0が中心の出現頻度分布を生成す
る為である。
従った位置関係に第2のパターン配列を割り当て、順次
畳み込み処理を行い、各ビット情報に対応する69個の
信頼度距離d2を算出する。
ータの一例を示す図
ク図
ーン配列を示す図
値の出現頻度分布を示す図
波数特性を示す図
図
様子を示す図
要な領域を示す図
出しようとした様子を示す図
想的な出現頻度分布を示す図
離dを抽出した場合を示す図
現頻度分布の例を説明する図
原理を説明する図
ート
め込み手段のブロック図
する図
ローチャート
チャート
を示す図
図
図
Claims (4)
- 【請求項1】 マスクを構成する各係数を2値化し、こ
こで得られる2値情報の空間周波数領域上において周期
的または擬似周期的なピークが発生する様な2次元マス
クを発生する発生手段と、 画像データを入力する第1入力手段と、 付加情報を入力する第2入力手段と、 前記2次元マスクの各係数と前記付加情報を構成する各
ビット情報とを対応付ける手段と、 前記対応付けの結果、及び前記画像データ上に前記2次
元マスクを割り当てた際の位置関係に基づいて、前記画
像データを加減算することにより、該画像データに前記
各ビット情報を埋め込む電子透かし埋め込み手段とを有
することを特徴とする画像処理装置。 - 【請求項2】 前記電子透かし埋め込み手段は、前記各
ビット情報の内容に応じて、前記画像データを構成する
画素の値を加減算することにより、前記画像データ前記
各ビット情報を埋め込むことを特徴とする請求項1に記
載の画像処理装置。 - 【請求項3】 マスクを構成する各係数を2値化し、こ
こで得られる2値情報の空間周波数領域上において周期
的または擬似周期的なピークが発生する様な2次元マス
クを発生する発生ステップと、 画像データを入力する第1入力ステップと、 付加情報を入力する第2入力ステップと、 前記2次元マスクの各係数と前記付加情報を構成する各
ビット情報とを対応付けるステップと、 前記対応付けの結果、及び前記画像データ上に前記2次
元マスクを割り当てた際の位置関係に基づいて、前記画
像データを加減算することにより、該画像データに前記
各ビット情報を埋め込む電子透かし埋め込みステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項4】 マスクを構成する各係数を2値化し、こ
こで得られる2値情報の空間周波数領域上において周期
的または擬似周期的なピークが発生する様な2次元マス
クを発生する発生ステップと、 画像データを入力する第1入力ステップと、 付加情報を入力する第2入力ステップと、 前記2次元マスクの各係数と前記付加情報を構成する各
ビット情報とを対応付けるステップと、 前記対応付けの結果、及び前記画像データ上に前記2次
元マスクを割り当てた際の位置関係に基づいて、前記画
像データを加減算することにより、該画像データに前記
各ビット情報を埋め込む電子透かし埋め込みステップと
を有する画像処理プログラムをコンピュータから読み取
り可能な状態に記憶する記憶媒体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29817099A JP3809310B2 (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | 画像処理装置及び方法及び記憶媒体 |
US09/615,577 US6993148B1 (en) | 1999-07-16 | 2000-07-13 | Image processing apparatus and method, and storage medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29817099A JP3809310B2 (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | 画像処理装置及び方法及び記憶媒体 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001119562A true JP2001119562A (ja) | 2001-04-27 |
JP2001119562A5 JP2001119562A5 (ja) | 2005-04-07 |
JP3809310B2 JP3809310B2 (ja) | 2006-08-16 |
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ID=17856119
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---|---|---|---|
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JP2019004313A (ja) * | 2017-06-15 | 2019-01-10 | 河村 尚登 | 電子透かし装置および方法 |
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