JP2001118536A - 荷電粒子ビーム制御素子および荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム制御素子および荷電粒子ビーム装置

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JP2001118536A JP29684299A JP29684299A JP2001118536A JP 2001118536 A JP2001118536 A JP 2001118536A JP 29684299 A JP29684299 A JP 29684299A JP 29684299 A JP29684299 A JP 29684299A JP 2001118536 A JP2001118536 A JP 2001118536A
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    • H01J37/1472Deflecting along given lines
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 めっきなどの表面処理によって絶縁体上に形
成された電極の表面を高精度に保ちつつ、電極に対し簡
素な構成で電圧印加用配線を接続可能な荷電粒子ビーム
制御素子、およびそれを備えた荷電粒子ビーム装置を提
供すること。 【解決手段】 荷電粒子ビームの軌道または断面形状を
静電界によって制御する荷電粒子ビーム制御素子であっ
て、筒状の絶縁体からなる基体部11と、基体部11に
対する表面処理によって該基体部11の内側面11cに
形成された膜状の導体からなる電極部21と、電極部2
1の一端21aから延在して基体部11の所定面13a
に表面処理によって形成された導体からなる第1の配線
部22と、基体部11の内部を貫いて第1の配線部22
に達する導体からなる第2の配線部23とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子ビームの
軌道または断面形状を静電界によって制御する荷電粒子
ビーム制御素子、およびそれを備えた荷電粒子ビーム装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、荷電粒子ビームの軌道または
断面形状を静電界によって制御する荷電粒子ビーム制御
素子として、静電偏向器や静電レンズ、スティグメータ
などが知られている。図10は、従来の静電偏向器10
0の上面図である。図10のA−A断面,B−B断面
は、図11(a),(b)に示される。
【0003】静電偏向器100は、8極の金属電極10
1が各々、絶縁外筒102の内側に固定用ねじ103,
104で取り付けられたものである(図10,図11
(a))。また、各金属電極101への電圧印加用配線1
05は、配線用ねじ106(図11(b))を用いて金属
電極101に直接固定される。この静電偏向器100に
おいて、各金属電極101の内側面101aに囲まれた
空間107には、各金属電極101への印加電圧に応じ
た静電界が形成される。したがって、空間107を中心
軸Zに沿って通過する荷電粒子ビームは、空間107に
形成された静電界に応じて偏向される。
【0004】ここで、隣り合う金属電極101間の隙間
部分108は、一直線の形状ではなく、2度折れ曲がっ
たのち絶縁外筒102に到達する形状となっている。こ
れは、空間107を通過する荷電粒子ビームから絶縁外
筒102の露出部分109が直視できないようにするた
めである。この構造により、絶縁外筒102の帯電が防
止され、空間107内の静電界を各金属電極101への
印加電圧に応じて精密に制御することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
静電偏向器100は、構造が複雑で部品点数が多く、低
コスト化や小型化が難しいという問題があった。また、
静電偏向器100を構成する8極の金属電極101は、
金属製の円筒を絶縁外筒102の内側にねじ止めしたの
ち分割したものであるため、その分角精度を高めること
が困難であった。さらに、金属電極101の内側面10
1aに囲まれた空間107の真円度を高めることも難し
かった。
【0006】そこで近年、上記の金属電極101の代わ
りに、めっきなどの表面処理によって絶縁体上に形成さ
れた膜状の電極(めっき電極)を用いることが提案され
た(例えば、特開平2−247966号公報)。めっき
電極を用いた静電偏向器では、電極のねじ止め固定が不
要であり、部品点数の削減および小型化が図られる。し
かし、めっき電極を用いた静電偏向器において、上記し
た従来の静電偏向器100と同様、電圧印加用配線をめ
っき電極にねじ止めで直接固定しようとすると、めっき
電極の表面に穴が開いてしまう可能性がある。めっき電
極に穴が開いていると、荷電粒子ビームが通過する空間
内の静電界分布に歪みが生じてしまい、荷電粒子ビーム
に対する偏向制御を高精度に行うことができなくなる。
【0007】このため、特開平2−247966号公報
に開示された静電偏向器では、めっき電極が形成された
絶縁体の支持部をめっき電極と共に絶縁外筒の端部から
突出させ、この突出部分に電圧印加用配線を接続させる
ことにより、めっき電極の表面に穴が開かないようにし
ている。しかし、この配線構造は複雑であり、また、突
出部分に接続した電圧印加用配線の被覆(絶縁体)が、
隣り合うめっき電極間の隙間から見えてしまう可能性も
あった。
【0008】なお、その他の荷電粒子ビーム制御素子
(静電レンズなど)においても、上述した静電偏向器と
同様、めっき電極を用いて構成することが望まれてい
る。そして、この場合でも、めっき電極に対する電圧印
加用配線をどのように接続させるかの工夫が望まれる。
本発明の目的は、めっきなどの表面処理によって絶縁体
上に形成された電極の表面を高精度に保ちつつ、この電
極に対し簡素な構成で電圧印加用配線を接続可能な荷電
粒子ビーム制御素子、およびそれを備えた荷電粒子ビー
ム装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の荷電粒子ビーム
制御素子は、荷電粒子ビームの軌道または断面形状を静
電界によって制御する荷電粒子ビーム制御素子であっ
て、筒状の絶縁体からなる基体部と、基体部に対する表
面処理によって該基体部の内側面に形成された膜状の導
体からなる電極部と、電極部の一端から延在して基体部
の所定面に表面処理によって形成された導体からなる第
1の配線部と、基体部の内部を貫いて第1の配線部に達
する導体からなる第2の配線部とを備えたものである。
【0010】この荷電粒子ビーム制御素子において、基
体部の内側面に形成された電極部には、この電極部の一
端から延在する第1の配線部と第2の配線部とを介し
て、外部からの電圧が印加される。基体部の内側面に囲
まれた空間には、電極部への印加電圧に応じた静電界が
形成される。この空間を通過する荷電粒子ビームは、空
間内の静電界によって、その軌道または断面形状が制御
される。
【0011】第1の配線部を基体部の所定面に、第2の
配線部を基体部の内部に配置するため、電極部に対する
配線構造を簡素に構成できる。また、第1の配線部が電
極部の一端に接続されるので、電極部の表面に穴が開く
ことはなく、電極部の表面が高精度に保たれる。したが
って、歪みのない高精度な静電界を空間に形成できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を詳細に説明する。 (第1実施形態)まず、第1実施形態(請求項1〜請求
項5に対応)について説明する。
【0013】第1実施形態は、電子ビームの軌道を制御
し、電子ビームを偏向する静電型の素子(以下「静電偏
向器10」という)に関する。静電偏向器10は、絶縁
体からなる円筒部材11(基体部)の内面の4箇所に、
導体からなる一続きの導電膜(21〜24)が形成された
静電4極偏向器である。図1,図2を用い、円筒部材1
1の具体的な構造および導電膜(21〜24)の配置につ
いて説明する。図1は静電偏向器10の上面図である。
なお、図1において静電偏向器10の一部分10aは断
面図となっている。また、図1のA−A断面,B−B断
面は図2(a),(b)に示される。図1の一部分10a
は、図2(a)のC−C断面に相当する。
【0014】さて、円筒部材11には、円形断面を有す
る開口12と、L字断面を有する4つの折り返し溝13
(溝部)とが設けられる。これら開口12および各折り
返し溝13は、円筒部材11の一方の端面11aと他方
の端面11bとの間を中心軸Zに沿って貫通している。
開口12は、円筒部材11の内側面11cに囲まれた空
間に相当する。
【0015】4つの折り返し溝13は、開口12の周り
に90度間隔で配置され、その一端13A側で開口12
と連通している。この連通部分により円筒部材11の内
側面11cは4つの領域に分割される。また、各折り返
し溝13の他端側13Bは、開口12を中心軸Zに沿っ
て通過する電子ビームから直視できない領域に位置して
いる。
【0016】さらに、円筒部材11には、折り返し溝1
3の他端側13Bから半径方向に円筒部材11の内部を
貫いて外側面11dに達するねじ穴14(貫通穴)が、
各折り返し溝13ごとに設けられる。各折り返し溝13
と各ねじ穴14との連通部分は、開口12を通過する電
子ビームから直視できない領域に位置する。上記の構造
を有する円筒部材11において、その内面は、開口12
を取り囲む内側面11cと、各折り返し溝13の内側面
13a,13b,13cと、各ねじ穴14の内側面14
aとで構成される。なお、内側面11cは請求項の「基
体部の内側面」に対応し、内側面13aは請求項の「基
体部の所定面」に対応する。
【0017】これら内側面11c,13a〜13c,1
4aのうち、各折り返し溝13の最奥に位置する内側面
13bは、開口12を通過する電子ビームから直視でき
ない領域に位置する。そして、この内側面13bは、円
筒部材11の絶縁体が露出した絶縁部15である。ま
た、残りの内側面11c,13a,13c,14aに
は、一続きの導電膜(21〜24)が一様に形成されてい
る。
【0018】絶縁部15は、円筒部材11の中心軸Zに
沿って、円筒部材11の一方の端面11aから他方の端
面11bまで延在している。このため、一続きの導電膜
(21〜24)は、各折り返し溝13の絶縁部15によ
り、隣り合う別の導電膜(21〜24)と絶縁分離されて
いることになる。このような一続きの導電膜(21〜2
4)は、円筒部材11の内面に90度間隔で4つ配置さ
れる。
【0019】ここで、一続きの導電膜(21〜24)を内
側面11c,13a,13c,14aごとに分けて考え
ることにする。内側面11cに形成された導電膜21
は、開口12を取り囲むように4つ設けられ、開口12
に静電界を形成する電極として機能する。この導電膜2
1は、請求項の「電極部」に対応する。
【0020】また、各導電膜21の一端21aから延在
して内側面13aに形成された導電膜22は、導電膜2
1に電圧を印加する配線として機能する。なお、この導
電膜22には、開口12を通過する電子ビームから直視
できる領域と直視できない領域とが含まれる。導電膜2
2は、請求項の「第1の配線部」に対応する。さらに、
各導電膜22の上記直視できない領域から延在して内側
面14aに形成された導電膜23は、導電膜22と同
様、上記した導電膜21に電圧を印加する配線として機
能する。この導電膜23は、請求項の「第2の配線部」
に対応する。
【0021】なお、上記した各導電膜21の他端21b
から延在して内側面13cに形成された導電膜24、お
よび上記の導電膜21,22は、円筒部材11の中心軸
Zに沿って、円筒部材11の端面11aから端面11b
まで延在している。ここで、上記した静電偏向器10の
製造過程について説明しておく。まず初めに、一体のセ
ラミック絶縁体を図3(a),(b)の形状に成形し、焼成
する(ブランク加工)。その結果、開口12と、4つの
折り返し溝13と、4つのねじ穴14とを有する円筒部
材11が得られる。
【0022】次に、上記の構造を有する円筒部材11に
対して、無電解めっきによる表面処理を施す。例えば、
下地に無電解ニッケルめっきを施したのち、金めっきを
施す。または、無電解金めっきを直接施す。この表面処
理に当たっては、円筒部材11の外側面11dにマスキ
ングを行っておくことが好ましい。その結果、円筒部材
11の内側面11cと、4つの折り返し溝13の内側面
13a〜13cと、4つのねじ穴14の内側面14aと
に対し、一様に、導電膜25が形成される(図4(a),
(b)の状態)。
【0023】次いで、各折り返し溝13の最奥26付近
に機械加工または放電加工を施し、内側面13bに形成
された導電膜25を除去する。その結果、各折り返し溝
13の内側面13bは絶縁部15となり(図1)、導電
膜25が4極に絶縁分離される。このようにして、円筒
部材11の内面の4箇所に一続きの導電膜(21〜24)
が形成された静電4極偏向器(第1実施形態の静電偏向
器10)が得られる。なお、絶縁部15の形成は、表面
処理時に内側面13bをマスキングしておくことにより
行ってもよい。
【0024】この静電偏向器10において、ねじ穴14
の内側面14aには上記の導電膜23が形成されている
ため、このねじ穴14に配線用ねじ16(図2(a))を
挿入して締結することにより、外部からの電圧印加用配
線17を導電膜23に接続することができる。
【0025】このとき、外部からの電圧印加用配線17
は、ねじ穴14の導電膜23と折り返し溝13の導電膜
22とを介して、内側面11cの導電膜21に接続され
たことになる。この接続状態で、外部から導電膜21に
対し所定の電圧を印加することにより、開口12には所
定の静電界が形成される。
【0026】その結果、開口12を中心軸Zに沿って通
過する電子ビームは、開口12に形成された静電界に応
じて、所定方向へ所定距離だけ偏向される。以上説明し
たように、第1実施形態の静電偏向器10によれば、配
線用の導電膜22を折り返し溝13の内側面13aに、
また、配線用の導電膜23をねじ穴14の内側面14a
(円筒部材11の内部)に配置したため、電極用の導電
膜21に対する配線構造の簡素化が図られる。
【0027】また、導電膜21に対する配線構造のため
の特別なスペースを割く必要がなく、静電偏向器10を
小型化できる。さらに、電極用の導電膜21を形成する
ときに、同時に配線用の導電膜22,23も形成できる
ため、製造コストを低減できる。また、配線用ねじ16
で締結するだけで簡単に、電圧印加用配線17と、電極
用の導電膜21との導通を確保することができる。な
お、電圧印加用配線17の着脱も自在となる。
【0028】さらに、配線用の導電膜22が電極用の導
電膜21の一端21aに接続されるので、電極用の導電
膜21の表面に穴が開いたりすることはなく、導電膜2
1の表面(電極面)が高精度に保たれる。したがって、
歪みのない高精度な静電界を開口12に形成できる。ま
た、ねじ穴14と折り返し溝13との連通部分(導電膜
23と導電膜22との接続部分)が、開口12を通過す
る電子ビームから直視できない領域に位置しているた
め、開口12に、より精度の高い静電界を生じさせるこ
とができる。
【0029】さらに、静電偏向器10では、開口12を
通過する電子ビームから絶縁部15が直視できない構造
としたので、絶縁部15の帯電が防止され、開口12内
の静電界を各導電膜21への印加電圧に応じて精密に制
御することができる。また、電圧印加用配線17を円筒
部材11の外側面11dから導電膜23に接続するの
で、開口12を通過する電子ビームから電圧印加用配線
17の被覆が見えることもない。
【0030】(第2実施形態)次に、第2実施形態(請
求項1〜請求項5,請求項7に対応)について説明す
る。第2実施形態の静電偏向器30(図5)は、上記し
た第1実施形態の静電偏向器10と同様、円筒部材36
の内面の4箇所に、一続きの導電膜(31〜34)が形成
された静電4極偏向器である。
【0031】円筒部材36の構造は、上記した円筒部材
11と同じであり、開口12と、4つの折り返し溝13
と、4つのねじ穴14とが設けられる。また、円筒部材
36の内面のうち、各折り返し溝13の最奥に位置する
内側面13bは上記と同様の絶縁部15であり、残りの
内側面11c,13a,13c,14aに一続きの導電
膜(31〜34)が形成される。
【0032】第2実施形態の静電偏向器30の特徴は、
一続きの導電膜(31〜34)にある。この一続きの導電
膜(31〜34)は、図5に示されるように、内側面11
c上の導電膜31に高精度加工が施され(後述する)、
内側面13a,13c,14a上の導電膜32〜34の
膜厚が厚くなっている。ここで、静電偏向器30の製造
過程について説明する。
【0033】まず初めに、上記した第1実施形態と同様
のブランク加工により(図6(a))、開口12と、4つ
の折り返し溝13と、4つのねじ穴14とを有する円筒
部材36を得る(図3も参照)。次に、得られた円筒部
材36に対して、無電解めっきによる表面処理を厚めに
施す。その結果、円筒部材36の内側面11cと、4つ
の折り返し溝13の内側面13a〜13cと、4つのね
じ穴14の内側面14aとに対し、一様に、厚い導電膜
35が形成される(図6(b)の状態)。この表面処理に
当たっては、導電膜35の膜厚を厚くするため、下地に
無電解ニッケルめっきを施したのち、金めっきを施すこ
とが好ましい。
【0034】次いで、各折り返し溝13の最奥26付近
に機械加工または放電加工を施し、内側面13bに形成
された導電膜35を除去する。その結果、各折り返し溝
13の内側面13bは絶縁部15となり(図6(c)の状
態)、導電膜35が4極に絶縁分離される。すなわち、
円筒部材36の内面の4箇所に一続きの導電膜(31〜
34)が形成される。
【0035】そして最後に、円筒部材36の内側面11
cに形成された導電膜31に対し、機械加工または放電
加工による高精度加工を施す。具体的には、導電膜31
の表面(電極面)に対する高精度加工により、開口12
の真円度、直径、偏心を調整する。さらに、導電膜31
の一端31aおよび他端31b(電極分割部分)に対す
る高精度加工により、それぞれの座標を調整する。
【0036】したがって、第2実施形態の静電偏向器3
0(図5)によれば、電極用の導電膜31の分角精度を
高めることができると共に、導電膜31の表面の真円度
を高めることもできる。その結果、開口12に高精度な
静電界を形成することができる。ところで、一般に、焼
成前のセラミック絶縁体は加工しやすいが、焼成時に伸
縮するため、円筒部材36自体に高い寸法精度が期待で
きない。また、表面処理の段階で、導電膜31の一端3
1aおよび他端31bの座標を正確に制御することも非
常に難しい。
【0037】このため、予め厚めの表面処理を行ってお
き、この表面処理後に導電膜31を高精度加工する第2
実施形態によれば、容易かつ低コストで、分角精度が高
く表面の真円度も高い高精度な電極用の導電膜31が得
られる。なお、上記した第1実施形態および第2実施形
態では、ねじ穴14を折り返し溝13に貫通させ、ねじ
穴14の内側面14aの導電膜(23,33)を折り返
し溝13の内側面13aの導電膜(22,33)に導通
させる配線構造の例を説明したが、配線構造はこの構成
に限らない。
【0038】例えば、円筒部材(11,36)の端面1
1aに電極用の導電膜(21,31)から延在する新た
な導電膜を形成し、かつ、端面11aと外側面11dと
の間を貫通するL字型のねじ穴を設け、このL字型のね
じ穴の内側面に形成した導電膜を端面11aの導電膜に
導通させる配線構造でもよい(請求項6)。また、上記
した実施形態では、電子ビームの軌道を制御する素子
(静電偏向器10,30)について説明したが、これら
と同じ構成のものにおいて、各導電膜(21,31)に
印加する電圧の極性を変えることで、電子ビームの断面
形状を制御して整形するスティグメータ(非点収差補正
器)として使用することができる。
【0039】(第3実施形態)次に、第3実施形態(請
求項1〜請求項3,請求項6に対応)について説明す
る。第3実施形態は、電子ビームの断面形状を制御し、
電子ビームを集束する静電型の素子(以下「静電レンズ
40」という)に関する。
【0040】静電レンズ40は、図7の断面図に示され
るように、3枚の電極部41,42,43を中心軸Zに
沿って順に配置した回転対称型の静電レンズである。3
枚の電極部41〜43は筒状体44の中に収納されてい
る。
【0041】ここで、静電レンズ40を構成する中央の
電極部42について説明する。図8は電極部42の上面
図である。また、図7に示される電極部42は、図8の
A−A断面に相当する。電極部42は、絶縁体からなる
円筒部材45(基体部)に、導体からなる一続きの導電
膜(51〜54)が形成されたものである。
【0042】まず、円筒部材45の構造について説明す
る。円筒部材45には、円形断面を有する開口46が設
けられる。開口46は、円筒部材45の一方の端面45
aと他方の端面45bとの間を中心軸Zに沿って貫通し
ている。開口46は、円筒部材45の内側面45cに囲
まれた空間に相当する。さらに、円筒部材45には、そ
の一方の端面45aから円筒部材45の内部を貫いて外
側面45dに達するL字型のねじ穴47(貫通穴)が設
けられる。
【0043】次に、上記の構造を有する円筒部材45に
形成された一続きの導電膜(51〜54)について説明す
る。円筒部材45の内側面45cに形成された導電膜5
1は、開口46に静電界を形成する電極として機能す
る。この導電膜51は請求項の「電極部」に対応し、内
側面45cは請求項の「基体部の内側面」に対応する。
また、導電膜51の一端51aから延在して端面45a
に形成された導電膜52は、導電膜51に電圧を印加す
る配線として機能する。導電膜52は、請求項の「第1
の配線部」に対応し、端面45aは請求項の「基体部の
所定面」に対応する。
【0044】さらに、導電膜52から延在して、ねじ穴
47の内側面47aに形成された導電膜53は、導電膜
52と同様、上記した導電膜51に電圧を印加する配線
として機能する。この導電膜53は、請求項の「第2の
配線部」に対応する。このように構成された電極部42
は、上述した第1実施形態の静電偏向器10と同様の過
程を経て製造される。すなわち、初めに、一体のセラミ
ック絶縁体を成形したのち焼成し、開口46およびねじ
穴47が形成された円筒部材45を得る。そして、上記
の構造を有する円筒部材45に対して、無電解めっきに
よる表面処理を施す。その結果、円筒部材45の内側面
45cおよび端面45a,45bと、ねじ穴47の内側
面47aとに対し、一続きの導電膜(51〜54)が形成
され、電極部42が完成する。
【0045】この電極部42において、ねじ穴47の内
側面47aには上記の導電膜53が形成されているた
め、このねじ穴47に配線用ねじ56を挿入して締結す
ることにより、外部からの電圧印加用配線57を導電膜
53に接続することができる。このとき、外部からの電
圧印加用配線57は、ねじ穴47の導電膜53と端面4
5aの導電膜52とを介して、内側面45cの導電膜5
1に接続されたことになる。この接続状態で、外部から
所定の電圧を導電膜51に対して印加することにより、
開口46に、導電膜51への印加電圧に応じた所定の静
電界を形成させることができる。
【0046】なお、静電レンズ40を構成する外側の2
枚の電極部41,43は、全体が金属にて構成され、そ
れぞれ開口48,49を有する。電極部41,43で
は、開口48,49を取り囲む内側面41a,43aに
位置する金属部分が、開口48,49に静電界を形成す
る電極として機能する。上記のように構成された静電レ
ンズ40において、例えば、中央の電極部42の導電膜
51に対して所定の電圧(≠0)を印加し、外側の電極
部41,43をゼロ電位に設定することで、開口48,
46,49を中心軸Zに沿って通過する電子ビームを集
束させたり発散させたりすることができる。
【0047】以上説明したように、第3実施形態の静電
レンズ40によれば、配線用の導電膜52を円筒部材4
5の端面45aに、また、配線用の導電膜53をねじ穴
47の内側面47a(円筒部材45の内部)に配置した
ため、電極用の導電膜51に対する配線構造の簡素化が
図られる。また、導電膜51に対する配線構造のための
特別なスペースを割く必要がなく、静電レンズ40を小
型化できる。
【0048】さらに、電極用の導電膜51を形成すると
きに、同時に配線用の導電膜52,53も形成できるた
め、製造コストを低減できる。また、配線用ねじ56で
締結するだけで簡単に、電圧印加用配線57と、電極用
の導電膜51との導通を確保することができる。なお、
電圧印加用配線57の着脱も自在となる。
【0049】さらに、配線用の導電膜52が電極用の導
電膜51の一端51aに接続されるので、電極用の導電
膜51の表面に穴が開いたりすることはなく、導電膜5
1の表面(電極面)が高精度に保たれる。したがって、
歪みのない高精度な静電界を開口46に形成できる。ま
た、配線用の導電膜53と導電膜52との接続部分が、
開口46を通過する電子ビームから直視できない領域に
位置しているため、開口46に、より精度の高い静電界
を生じさせることができる。
【0050】さらに、電圧印加用配線57を円筒部材4
5の外側面45dから導電膜53に接続するので、開口
46を通過する電子ビームから電圧印加用配線57の被
覆が見えることもない。また、中央の電極部42の円筒
部材45が絶縁体であるため、この絶縁体が露出してい
る箇所に、外側の電極部41,43を隣接させることに
より、3枚の電極部41〜43を絶縁分離させることが
できる。このため、電極部41,42間および電極部4
2,43間に、絶縁部材を挟む必要がなくなり、静電レ
ンズ40の小型化が図られる。
【0051】なお、第3実施形態の静電レンズ40を製
造するに当たって、上記した第2実施形態と同様に、円
筒部材45に対する表面処理を厚めに施し、この表面処
理後に導電膜51を高精度加工することにより、容易か
つ低コストで、表面の真円度が高い高精度な電極用の導
電膜51が得られる(請求項7)。また、上記した第3
実施形態では、円筒部材45の端面45aに配線用の導
電膜52を形成すると共に、端面45aと外側面45d
との間を貫通するL字型のねじ穴47を設け、このL字
型のねじ穴47の内側面47aに形成した導電膜53を
端面45aの導電膜52に導通させる配線構造の例を説
明したが、配線構造はこの構成に限らない。例えば、円
筒部材45の端面45aに形成された導電膜52から延
在する新たな導電膜を形成し、この新たな導電膜を利用
してねじ穴47の導電膜53と導通を図る配線構造でも
よい。
【0052】さらに、上記した第3実施形態では、外側
の電極41,43を全体が金属である構成とした静電レ
ンズ40の例を説明したが、これらの電極部41,43
も、中央の電極部42と同様の構成としてもよい。 (第4実施形態)次に、第4実施形態(請求項1〜請求
項8に対応)について説明する。
【0053】第4実施形態は、上記した静電偏向器10
(図1,図2)と静電偏向器30(図5)と静電レンズ
40(図7,図8)とを用いた電子ビーム(EB)検査装
置60に関する。EB検査装置60は、図9に示される
ように、一次コラム61と、二次コラム62と、チャン
バー63とで構成されている。このうち一次コラム61
は、二次コラム62の側面に対して斜めに取り付けられ
る。また、二次コラム62の下部に、チャンバー63が
取り付けられる。これら一次コラム61,二次コラム6
2,チャンバー63は、真空排気系(不図示)のターボ
ポンプにより排気されて、内部の真空状態が維持され
る。
【0054】ここで、一次コラム61、二次コラム62
およびチャンバー63の構成について各々説明する。 〔一次コラム〕一次コラム61の内部には、電子銃71
が配置される。電子銃71は、陰極から放出された熱電
子を加速すると共に集束し、電子ビームとして出射する
ものである。この電子銃71の陰極には通常、矩形陰極
で大電流を取り出すことができるランタンヘキサボライ
ト(LaB6)が用いられる。
【0055】また、電子銃71から出射される電子ビー
ム(以下「一次ビーム」という)の光軸上には、一次光
学系73と、一次偏向器74と、アパーチャ75とが配
置される。一次光学系73は、上記した静電レンズ40
(図7,図8)を例えば3段で構成したものである。一
次光学系73によれば、各静電レンズ40のレンズ電圧
を最適化することによって、出射電子を損失することな
く、一次ビームの断面を任意の形状(矩形状や楕円形状
などの面状)に整形することができる。
【0056】また、一次偏向器74は、上記した静電偏
向器10(図1,図2)または静電偏向器30(図5)
にて構成される。一次偏向器74によれば、一次ビーム
の軌道をX方向またはY方向に偏向させることができ
る。なお、一次コラムに配置された電子銃71,一次光
学系73,一次偏向器74,アパーチャ75は、請求項
の「照射手段」に対応する。
【0057】〔チャンバー〕チャンバー63の内部に
は、試料65を載置すると共にXY方向に移動可能なス
テージ78が設置される。このステージ78には、所定
のリターディング電圧Vr(後述する)が印加される。 〔二次コラム〕二次コラム62の内部には、試料65か
ら発生する二次ビーム(後述する)の光軸上に、カソー
ドレンズ81、ニューメニカルアパーチャ82、ウィー
ンフィルタ83、第2レンズ84、フィールドアパーチ
ャ85、第3レンズ86、第4レンズ87、二次偏向器
88および検出器89が配置される。
【0058】このうちカソードレンズ81は、上記した
静電レンズ40(図7,図8)と同様の3枚の電極部4
1〜43にて構成される。この場合、カソードレンズ8
1の下(試料65側)から1つ目の電極部と2つ目の電
極部とに所定の電圧が印加され、3番目の電極部はゼロ
電位に設定される。
【0059】ニューメニカルアパーチャ82は、開口絞
りに相当するもので、上記カソードレンズ81の開口角
を決定する。その形状は、円形の穴が開いた金属製(M
o等)の薄膜板である。そして、ニューメニカルアパー
チャ82は、その開口部がカソードレンズ81の焦点位
置になるように配置される。このため、ニューメニカル
アパーチャ82とカソードレンズ81とは、テレセント
リックな電子光学系を構成する。
【0060】ウィーンフィルタ83は、電磁プリズムと
して作用する偏向器であり、ウィーン条件(E=vB。
なお、vは荷電粒子の速度、Eは電界、Bは磁界を表
し、E⊥Bである。)を満たす荷電粒子(例えば二次ビ
ーム)のみを直進させ、それ以外の荷電粒子(例えば一
次ビーム)の軌道を曲げることができる。第2レンズ8
4,第3レンズ86,第4レンズ87は、すべて上記し
た静電レンズ40(図7,図8)にて構成される。
【0061】フィールドアパーチャ85は、第2レンズ
84と第3レンズ86との間に配置され、光学顕微鏡の
視野絞りと同様、視野を必要範囲に制限している。ま
た、二次偏向器88は、上記した一次偏向器74と同様
の二軸偏向可能な静電偏向器である。この二次偏向器8
8によれば、二次ビームの軌道をX方向またはY方向に
偏向できる。
【0062】また、検出器89は、電子を加速増倍する
MCP(マイクロチャネルプレート)93と、電子像を
光学像に変換する蛍光板94と、光学像を撮像するTD
I(Time Delay and Integration)アレイCCDセンサ
(以下「TDIセンサ」という)95とから構成され
る。なお、蛍光板94とTDIセンサ95との間には、
光学リレーレンズ97が設けられ、蛍光板94での光学
像を約1/3に縮小してTDIセンサ95の撮像面に投
影している。また、蛍光板94と光学リレーレンズ97
との間には、光学像を透過させる透過窓としてのビュー
ポート98が配置される。このビューポート98によっ
て、検出器89内が真空室と大気室とに分けられてい
る。
【0063】次に、第4実施形態のEB検査装置60に
おける一次ビームおよび二次ビームの軌道などについて
順に説明する。 〔一次ビーム〕電子銃71からの一次ビームは、一次光
学系73のレンズ作用を受けながら通過して一次偏向器
74に達する。一次偏向器74に電圧が印加されないと
き、一次ビームは一次偏向器74,アパーチャ75を順
に通過し、ウィーンフィルタ83の中心部に斜めに入射
する。
【0064】ウィーンフィルタ83に入射した一次ビー
ムは、ウィーンフィルタ83の偏向作用により軌道が曲
げられ、ニューメニカルアパーチャ82の開口部に到達
する。このとき、一次ビームはニューメニカルアパーチ
ャ82の開口部で結像する。ニューメニカルアパーチャ
82とカソードレンズ81とがテレセントリックな電子
光学系を構成しているため、ニューメニカルアパーチャ
82の開口部で結像した一次ビームは、カソードレンズ
81を通過して平行ビームとなり、試料65の表面に垂
直かつ均一に照射される。すなわち、光学顕微鏡で云う
ケーラー照明が実現される。
【0065】また、試料65を載置するステージ78に
はリターディング電圧Vrが印加され、カソードレンズ
81と試料65との間に、一次ビームに対して負の電界
が形成されるため、カソードレンズ81を通過した一次
ビームは、試料65の表面に到達するまでに減速され
る。一方、試料65の表面における一次ビーム照射領域
の形状は、一次光学系73のレンズ電圧を制御すること
により、任意の形状(矩形状や楕円形状などの面状)に
整形される。また、一次ビーム照射領域のXY位置は、
一次偏向器74への印加電圧を制御して一次ビームを偏
向させることにより、試料65上を移動可能である。
【0066】〔二次ビーム〕試料65に一次ビームが照
射されると、その照射領域内から、二次電子、反射電
子、または後方散乱電子のうち、少なくとも1種からな
る二次ビームが発生する。この二次ビームは、照射領域
の二次元画像情報を有する。上記のように一次ビームが
試料65の表面に対し垂直に照射されるので、照射領域
の二次元画像は影のない鮮明な像となる。
【0067】ここで、試料65を載置するステージ78
にはリターディング電圧Vrが印加されているため、試
料65とカソードレンズ81との間には、二次ビームに
対して正の電界が形成される。したがって、試料65か
ら発生した二次ビームは、カソードレンズ81に向けて
加速される。そして、二次ビームは、カソードレンズ8
1によって集束作用を受け、ニューメニカルアパーチャ
82を通過すると共に、ウィーンフィルタ83の偏向作
用も受けずにそのまま直進し、第2レンズ84を介して
フィールドアパーチャ85の開口部に結像する。
【0068】なお、ウィーンフィルタ83に印加する電
磁界を変えることで、二次ビームから、特定のエネルギ
ー帯を持つ電子(例えば二次電子、反射電子、または後
方散乱電子)のみを選択して通過させることができる。
そして、フィールドアパーチャ85を通過した二次ビー
ムは、後段に配置された第3レンズ86と第4レンズ8
7とによって集束や発散を繰り返し、二次偏向器88を
通過して、検出器89の検出面に再結像される。
【0069】さらに、検出器89の検出面に再結像した
二次ビームは、検出器89内のMCP93を通過する際
に加速増倍され、蛍光板94で光に変換される。そし
て、蛍光板94からの光は、光学リレーレンズ97を介
してTDIセンサ95の撮像面に結像する。このよう
に、フィールドアパーチャ85の開口部に得られた照射
領域の中間像は、第3レンズ86,第4レンズ87を介
して検出器89の検出面に拡大投影され、蛍光板94に
おいて光学像に変換されたのち、TDIセンサ95の撮
像面に投影される。
【0070】検出器89では、TDIセンサ95からの
出力信号に基づいて試料画像を取得し、この試料画像に
対してテンプレートマッチング等を実行することで、試
料65の欠陥箇所を特定することができる。以上説明し
たように、第4実施形態のEB検査装置60によれば、
一次光学系73,一次偏向器74,カソードレンズ8
1,第2レンズ84,第3レンズ86,第4レンズ8
7,二次偏向器88などの電子ビーム制御素子の小型化
や低コスト化が可能となり、かつ、電子ビーム制御素子
の配線構造の簡素化も図られるため、設計の自由度が拡
大する。さらに、一次ビームおよび二次ビームに対する
軌道の制御を高精度に行うこともできる。
【0071】なお、上記したEB検査装置60の二次コ
ラム62にスティグメータを配置する場合には、上記し
た静電偏向器10(図1,図2)または静電偏向器30
(図5)と同じ構成のものをスティグメータとして使用
できる。また、上記した第4実施形態では、一次ビーム
が試料65に照射されるまでの経路(一次ビーム系)
と、試料65からの二次ビームが検出器89に到達する
までの経路(二次ビーム系)とで、カソードレンズ8
1,ウィーンフィルタ83などを共用したEB検査装置
60を説明したが、一次ビーム系と二次ビーム系とを各
々独立させて、各々にカソードレンズを備える構成であ
っても良い。
【0072】さらに、面状に整形した一次ビームを用い
て検査する装置に限らず、スポット状に絞り込んだ一次
ビームを用いて検査する装置にも、本発明は適用でき
る。EB検査装置に限らず、EB露光装置やEB描画装
置などの電子ビーム装置にも、本発明は適用できる。ま
た、本発明は、電子ビーム以外の荷電粒子ビーム(イオ
ンビームなど)の軌道を制御する素子や、この素子を用
いた荷電粒子ビーム装置にも適用可能である。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
8に記載の発明によれば、めっきなどの表面処理によっ
て絶縁体上に形成された電極の表面を高精度に保ちつ
つ、この電極に対し簡素な構成で電圧印加用配線を接続
させることができ、荷電粒子ビーム制御素子および荷電
粒子ビーム装置の小型化,低コスト化と、荷電粒子ビー
ムの軌道制御の高精度化との双方を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の静電偏向器10の上面図であ
る。
【図2】図1に示す静電偏向器10のA−A断面図
(a)、B−B断面図(b)である。
【図3】静電偏向器10の製造過程を説明する図であ
る。
【図4】静電偏向器10の製造過程を説明する図であ
る。
【図5】第2実施形態の静電偏向器30の上面図であ
る。
【図6】静電偏向器30の製造過程を説明する図であ
る。
【図7】第3実施形態の静電レンズ40の断面図であ
る。
【図8】静電レンズ40を構成する電極部42の上面図
である。
【図9】第4実施形態のEB検査装置60の全体構成を
示す図である。
【図10】従来の静電偏向器100の上面図である。
【図11】図10に示す静電偏向器100のA−A断面
図(a)、B−B断面図(b)である。
【符号の説明】 10,30 静電偏向器 11,36,45 円筒部材 12,46,48,49 開口 13 折り返し溝 14,47 ねじ穴 15 絶縁部 16,56 配線用ねじ 17,57 電圧印加用配線 21,22,23,24,25,31,32,33,3
4,35,51,52,53,54 導電膜 40 静電レンズ 41,42,43 電極部 60 EB検査装置 61 一次コラム 62 二次コラム 63 チャンバー 65 試料 71 電子銃 73 一次光学系 74 一次偏向器 75 アパーチャ 78 ステージ 81 カソードレンズ 82 ニューメニカルアパーチャ 83 ウィーンフィルタ 84 第2レンズ 85 フィールドアパーチャ 86 第3レンズ 87 第4レンズ 88 二次偏向器 89 検出器 93 MCP 94 蛍光板 95 TDIセンサ 97 光学リレーレンズ 98 ビューポート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームの軌道または断面形状を
    静電界によって制御する荷電粒子ビーム制御素子であっ
    て、 筒状の絶縁体からなる基体部と、 前記基体部に対する表面処理によって該基体部の内側面
    に形成された膜状の導体からなる電極部と、 前記電極部の一端から延在して前記基体部の所定面に前
    記表面処理によって形成された導体からなる第1の配線
    部と、 前記基体部の内部を貫いて前記第1の配線部に達する導
    体からなる第2の配線部とを備えたことを特徴とする荷
    電粒子ビーム制御素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の荷電粒子ビーム制御素
    子において、 前記基体部には、該基体部の外側面から内部を貫いて前
    記所定面に達する貫通穴が設けられ、 前記第2の配線部は、前記第1の配線部から延在して前
    記貫通穴の内側面に前記表面処理によって形成された導
    体からなることを特徴とする荷電粒子ビーム制御素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の荷電粒
    子ビーム制御素子において、 前記第1の配線部には、前記基体部の内側面に囲まれた
    空間を通過する前記荷電粒子ビームから直視できない領
    域が含まれ、 前記第2の配線部の一端は、前記第1の配線部の前記直
    視できない領域に位置することを特徴とする荷電粒子ビ
    ーム制御素子。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の何れか1項に記
    載の荷電粒子ビーム制御素子において、 前記基体部には、前記絶縁体が露出した絶縁部を有する
    溝部が設けられ、 前記基体部の内側面には、前記絶縁部によって分離され
    た複数の前記電極部が形成され、 前記複数の電極部各々から延在する前記第1の配線部に
    は、前記溝部に形成された領域が含まれ、 前記第2の配線部の一端は、前記第1の配線部の前記溝
    部に形成された領域に位置することを特徴とする荷電粒
    子ビーム制御素子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の荷電粒子ビーム制御素
    子において、 前記溝部には、前記基体部の内側面に囲まれた空間を通
    過する前記荷電粒子ビームから直視できない領域が含ま
    れ、 前記複数の電極部を分離する前記絶縁部は、前記溝部の
    前記直視できない領域に設けられることを特徴とする荷
    電粒子ビーム制御素子。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項3の何れか1項に記
    載の荷電粒子ビーム制御素子において、 前記第1の配線部には、前記荷電粒子ビームが前記基体
    部の内側面に囲まれた空間に入射する側または該空間か
    ら出射する側の端面に形成された領域が含まれ、 前記第2の配線部の一端は、前記第1の配線部の前記端
    面に形成された領域に位置することを特徴とする荷電粒
    子ビーム制御素子。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6の何れか1項に記
    載の荷電粒子ビーム制御素子において、 前記電極部は、前記表面処理の後に高精度加工が施され
    たものであることを特徴とする荷電粒子ビーム制御素
    子。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7の何れか1項に記
    載の荷電粒子ビーム制御素子と、 前記荷電粒子ビーム制御素子によって制御された荷電粒
    子ビームを試料に対して照射する照射手段とを備えたこ
    とを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
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