JP2001118429A - ノンハロゲン難燃性樹脂組成物 - Google Patents

ノンハロゲン難燃性樹脂組成物

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JP2001118429A
JP2001118429A JP30019399A JP30019399A JP2001118429A JP 2001118429 A JP2001118429 A JP 2001118429A JP 30019399 A JP30019399 A JP 30019399A JP 30019399 A JP30019399 A JP 30019399A JP 2001118429 A JP2001118429 A JP 2001118429A
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Takashi Edo
崇司 江戸
Hirotaka Sawada
広隆 沢田
Koichi Iinuma
浩一 飯沼
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】PVCと同程度の難燃性を有し、焼却処理時に
有害なガスを発生せず、かつPVCとの比重分別が可能
である樹脂組成物を提供する。 【解決手段】エチルアクリレートの含有量が5重量%以
上25重量%以下のエチレン−エチルアクリレート共重
合体100重量部に対して、難燃剤として水酸化マグネ
シウム5重量部以上50重量部未満、および難燃助剤を
1重量部以上50重量部以下混合してなり、比重が1.
14以下で、かつ電線、ケーブルまたはその類似品の被
覆材料として用いたときに、電気用品取締法、UL規
格、IEEE規格383、およびIEC規格332−1
にそれぞれ制定されている燃焼試験の少なくとも1つに
合格するノンハロゲン難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビニル
(PVC)組成物と同等の難燃性を有し、比重がPVC
組成物よりも小さくて比重分別が可能であり、ハロゲン
を含まず、焼却処分可能な難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】PVC組成物は電気絶縁性が良く、自消
性の難燃性を有していることから、電線被覆、チュー
ブ、テープ、包装材、建材等に広く使用されている。と
ころでPVC組成物は、ハロゲンである塩素(Cl)を
含んでいるため、燃焼時にHCl等の腐食性ガスやダイ
オキシン等の有毒ガスを発生する可能性がある。このた
め各種のPVC製品が廃棄物となった場合に、これらを
焼却処分できない場合があった。そこで現状では埋立処
分がなされているが、PVC組成物には添加剤としてP
b系の安定剤が用いられていることが多く、これが土壌
等に溶出するおそれがあるため、産業廃棄物として処理
が困難になってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、PVC
に代わる樹脂組成物として、ハロゲンを含まないポリエ
チレン(PE)やポリプロピレン(PP)を用いれば、
燃焼時に有害ガスが発生しないので焼却処分が可能であ
るが、これらのハロゲンを含まない樹脂組成物はPVC
に比べて難燃性が劣るという欠点があった。例えば、樹
脂組成物の難燃性の評価尺度である酸素指数(OI)を
比較すると、PVCのOIが23〜40であるのに対し
て、PE、PPのOIは17〜19程度と劣っているこ
とがわかる。
【0004】そこで、PEやPPといったハロゲンを含
まない樹脂組成物に難燃性を付与するために、通常、こ
れらにMg(OH)2などの含水無機化合物を添加する
ことが行われている。しかしながら、含水無機化合物は
比重が大きい上に、PVCと同程度の難燃性を得るため
には含水無機化合物を120重量部以上添加する必要が
あるので、含水無機化合物を添加して得られるハロゲン
を含まない難燃性樹脂組成物は比重がPVCと同程度と
なってしまう。このため、以下に述べるような水を比重
液に用いたプラスチックの比重分別ができないという問
題があった。すなわち、回収されたプラスチックは、リ
サイクルするために、あるいは燃焼時にダイオキシンを
発生するPVCを除去するために、一様に流れる水中に
プラスチックを投入し、プラスチックの比重差によって
分別することが行われる。例えば図1に示すように、P
PやPEなどのオレフィン系プラスチック1は水より比
重が小さい(比重約0.9)ので水面に浮き上がり、水
より比重の大きいPVC2(比重約1.3)は水中に沈
む。またスチレン系プラスチック3(比重約1.1)
は、比重が水より大きく、かつPVC2より小さいの
で、PVC2とは異なる沈降軌跡をたどり、その結果、
選別槽の底には、スチレン系プラスチック3とPVC2
の2種類の蓄積分布ができる。したがって、この特性を
利用することによって、上記3系統のプラスチックを分
別することが可能であるが、上述したハロゲンを含まな
い難燃性樹脂組成物とPVCとは比重が同程度であるの
で、これらを分別することができないという不都合があ
った。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、PVCと同程度の難燃性を有し、焼却処理時に有害
なガスを発生せず、かつPVCとの比重分別が可能であ
る樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は、エチルアク
リレートの含有量が5重量%以上25重量%以下のエチ
レン−エチルアクリレート共重合体100重量部に対し
て、難燃剤として水酸化マグネシウム5重量部以上50
重量部未満、および難燃助剤を1重量部以上50重量部
以下混合してなり、比重が1.14以下で、かつ電線、
ケーブルまたはその類似品の被覆材料として用いたとき
に、電気用品取締法、UL規格、IEEE規格383、
およびIEC規格332−1にそれぞれ制定されている
燃焼試験の少なくとも1つに合格することを特徴とする
ノンハロゲン難燃性樹脂組成物によって解決できる。あ
るいは、エチルアクリレートの含有量が5重量%以上2
5重量%以下のエチレン−エチルアクリレート共重合体
を10重量%以上99重量%以下含み、残りが他のポリ
オレフィン系樹脂からなるベース樹脂100重量部に対
して、難燃剤として水酸化マグネシウム5重量部以上5
0重量部未満、および難燃助剤を1重量部以上50重量
部以下混合してなり、比重が1.14以下で、かつ電
線、ケーブルまたはその類似品の被覆材料として用いた
ときに、電気用品取締法、UL規格、IEEE規格38
3、およびIEC規格332−1にそれぞれ制定されて
いる燃焼試験の少なくとも1つに合格することを特徴と
するノンハロゲン難燃性樹脂組成物によっても解決でき
る。前記ベース樹脂中の前記他のポリオレフィン系樹脂
としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
プロピレンゴム、ポリプロピレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、および超低密度ポリエ
チレンからなる群から選ばれる1種または2種以上が好
ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明においては、ベース樹脂としてエチレン−エチル
アクリレート共重合体(EEA)、またはEEAとその
他のポリオレフィン系樹脂との混合物が用いられる。E
EAは、ここに含まれるEA基により燃焼時に不燃性ガ
スが発生して難燃性の向上に寄与するので、他のポリオ
レフィン系樹脂に比べて樹脂自体の難燃性が高く、難燃
剤の添加量を減少させて低比重、高難燃性を同時に達成
するのに好ましい。特に本発明においては、エチルアク
リレート(EA)の含有量が5重量%以上25重量%以
下のEEAが使用される。EEAのEA含有量が25重
量%より多いと、比重を小さくするために水酸化マグネ
シウムの添加量を50重量部未満に抑えた本発明の難燃
性樹脂組成物において、燃焼時にドリップが生じやすく
なり、ドリップが生じた部分から再度着火してしまうた
め、好ましい難燃性が得られない。またEA含有量が5
重量%未満であると、難燃性向上に寄与するEA基が少
なすぎて好ましい難燃性が得られない。
【0008】ベース樹脂としてEEAのみを用いてもよ
いが、EEAと他のポリオレフィン系樹脂との混合物を
用いてもよい。この場合EEAと他のポリオレフィン系
樹脂との混合割合は重量比で、EEA:他のポリオレフ
ィン系樹脂=10:90〜99:1の範囲が好ましい。
EEAが10重量%より少ないと、EEAを使用するこ
とによる有利な効果が小さくなってしまい、他のポリオ
レフィン系樹脂が1重量%より少ないと混合することに
よる利点が得られない。EEAと混合する他のポリオレ
フィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、ポ
リプロピレン(PP)、低密度ポリエチレン(LDP
E)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、およ
び超低密度ポリエチレン(VLDPE)が好ましく、こ
れらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。これらのポリオレフィン系樹脂をEEAと混合して
用いることにより、難燃性樹脂組成物の諸特性を改善す
ることができる。例えば、EEAにEVAを混合すると
柔軟性あるいは可撓性が向上し、EPRを混合すると架
橋が可能になり熱老化、加熱変形特性が向上する。また
PPを混合すると非架橋での加熱変形特性が向上し、L
DPE、LLDPE、またはVLDPEを混合すると、
物性をほとんど変えずに低価格化できる。
【0009】本発明では難燃剤として水酸化マグネシウ
ムが用いられる。特にステアリン酸等の高級飽和脂肪酸
によって表面処理された水酸化マグネシウムを用いると
樹脂との親和性や熱分解特性が改善される。あるいはモ
リブデン酸アンモニウムなどのモリブデン化合物で表面
処理した水酸化マグネシウムを用いると、燃焼時にチャ
ー(殻)を生成し易くなるので好ましい。水酸化マグネ
シウムの添加量は、上記のベース樹脂100重量部に対
して5重量部以上50重量部未満の範囲とされる。水酸
化マグネシウムの添加量が少なすぎると好ましい難燃性
が得られず、多すぎると得られるノンハロゲン難燃性樹
脂組成物の比重が大きくなりすぎて、PVCとの比重分
別ができなくなってしまう。
【0010】本発明において水酸化マグネシウムと併用
される難燃助剤としては、密度が1.5g/cm3未満
で、水酸化マグネシウムと併用した際に、少量の添加で
難燃性の向上に寄与する材料であれば有機物、無機物の
いずれでもよい。Pb等の重金属を含まないものが好ま
しい。このような難燃助剤は燃焼による高温(500℃
以上)によって、殻状の断熱層を形成するようなもの、
また高温(400℃)によって著しく発泡してその中に
水蒸気(水)を閉じこめるような作用を生ずるもの、も
しくはそれらの効果を同時に生じるようなものである。
難燃助剤の添加量は、水酸化マグネシウムと併用した場
合にノンハロゲン難燃性樹脂組成物の比重が1.14を
超えないように設定され、好ましくはベース樹脂100
重量部に対して1重量部以上50重量部以下の範囲内と
される。
【0011】本発明における難燃助剤の一例としてシリ
コーン化合物が挙げられる。シリコーン化合物の好まし
い例としては、ガム状シリコーンオイル、シリコーンパ
ウダーが挙げられる。シリコーンパウダーはオルガノポ
リシロキサンポリマーで、メチル基、フェニル基を有す
るものである。ガム状シリコーンオイルは分子量が30
万〜100万程度の高粘度のものである。これらのシリ
コーン化合物は、燃焼によって殻状の断熱層を形成し、
難燃性を向上させるものである。また水酸化マグネシウ
ムに比べてガム状シリコーンオイルやシリコーンパウダ
ーは密度が小さいので、水酸化マグネシウムの添加量を
減らし、その代わりにガム状シリコーンオイルおよび/
またはシリコーンパウダーを添加することにより低比重
と高難燃性を同時に実現することが可能となる。そして
特にガム状シリコーンは、シリコーンパウダーに比較し
て比重が軽いため、これを用いることによって水酸化マ
グネシウムの配合割合を増やすことができるので、低比
重高難燃性の樹脂組成物を得るのに有効である。一方、
シリコーンパウダーは、粉体であるので他の粉体材料に
予め分散させておくことができるなど、ガム状シリコー
ンオイルに比べて分散させ易いので、混練時間の短縮が
図れるという点で有利である。難燃助剤としてシリコー
ンパウダーを用いる場合、その添加量はベース樹脂10
0重量部に対して1重量部以上20重量部以下の範囲内
とするのが好ましい。また、難燃助剤としてガム上シリ
コーンオイルを用いる場合、その添加量はベース樹脂1
00重量部に対して1重量部以上20重量部以下の範囲
内とするのが好ましい。
【0012】また上記のガム状シリコーンオイルおよび
/またはシリコーンパウダー以外のシリコーン化合物と
しては、シリコーン変性ポリマーも使用可能である。具
体的にはシリコーン変性ポリエチレン、シリコーン変性
エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーン変性エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、シリコーン変性エチ
レン−メチルメタクリレート共重合体などが挙げられ
る。難燃助剤としてシリコーン変性ポリマーを用いる場
合、その添加量はベース樹脂100重量部に対して1重
量部以上30重量部以下の範囲内とするのが好ましい。
【0013】難燃助剤として、これらのシリコーン化合
物を添加した場合は、樹脂の耐候性を向上させることが
できる。従来より樹脂の耐候性を向上させるためにカー
ボンブラックを添加することが広く知られているが、カ
ーボンブラックを添加すると樹脂組成物が黒く着色され
てしまうので、他の色調に着色することが難しくなる。
これに対してシリコーン化合物を添加すれば、耐候性を
向上できるとともに、樹脂が濃色になることがないので
着色性が良好な樹脂組成物が得られる。
【0014】さらに無機系の難燃補助剤の例としてモリ
ブデン化合物が挙げられる。具体的には、三酸化モリブ
デン等の酸化物、二硫化モリブデン等の硫化物、ジモリ
ブデン酸アンモニウム、モリブデン酸カルシウム、モリ
ブデン酸亜鉛、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸ナ
トリウムなどのモリブデン酸塩などが挙げられる。これ
らは単独でも2種以上を併用してもよい。またモリブデ
ン化合物で表面処理した金属水和物でもよい。難燃助剤
としてモリブデン系化合物を用いる場合、その添加量は
ベース樹脂100重量部に対して0.1重量部以上20
重量部以下の範囲内とするのが好ましい。
【0015】本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物
は、ベース樹脂としてEEA、またはEEAと他のポリ
オレフィン系樹脂との混合物を用い、これに水酸化マグ
ネシウムと難燃助剤を必須成分として添加してなるもの
で、電線、ケーブルまたはその類似品の被覆材料として
用いたときに、電気用品取締法、UL規格、IEEE規
格383、およびIEC規格332−1にそれぞれ制定
されている燃焼試験のうちの1以上の試験に合格するよ
うに調製される。また電気用品取締法、IEEE規格3
83、およびIEC規格332−1の3つの燃焼試験に
合格するものがより好ましい。
【0016】また上記の配合剤以外に、老化防止剤を添
加することが好ましい。老化防止剤としては、特に限定
されないが、例えばフェノール系、アミン系のもの等を
好ましく用いることができる。老化防止剤の添加量は少
なすぎると添加効果が得られず、多すぎるとブルーミン
グやブリード・アウトが生じることがあるので、ポリオ
レフィン系樹脂100重量部に対して0.01重量部以
上5.0重量部以下が好ましい。
【0017】さらに、紫外線吸収剤、架橋剤、銅害防止
剤、顔料、染料その他の着色剤、少量のタルクなどの無
機物微粉末など、用途に応じて適宜の添加剤を配合する
ことができるが、添加剤はハロゲンを含まないものが選
択される。また有害な重金属をできるだけ含まないもの
が好ましい。また、本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組
成物は、発泡度が10%未満の範囲で発泡していてもよ
い。さらに、本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物を
絶縁材として用いる場合は、体積抵抗率を1×10
13(Ω・cm)以上とするのが好ましい。また耐熱性が要
求される場合など、必要に応じてノンハロゲン難燃性樹
脂組成物に電子線を照射するなどして、架橋せしめても
よい。
【0018】本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物
は、電線、ケーブルまたはその類似品の被覆材料として
用いたときに、電気用品取締法、UL規格、IEEE規
格383、およびIEC規格332−1にそれぞれ制定
されている燃焼試験のうちの1以上の試験に合格する程
度の高難燃性を有するもので、火災時に燃え難く、発煙
量も少ない。またハロゲンを含まないので、燃焼時にダ
イオキシンやハロゲンガス等の有毒ガスを発生しないの
で、焼却処分することができ、火災時にも有毒ガスを発
生しない。また比重が1.14以下でありPVCよりも
小さいので、流水を比重液に用いた比重分別によってP
VCと容易に分別することができる。したがって分別回
収によりリサイクルが可能となり、燃料として熱回収、
あるいは材料として再利用することができる。特に、本
発明において、ベース樹脂として用いられるEEA、ま
たはEEAと他のポリオレフィン系樹脂との混合物に
は、難燃性を向上させるのに有効なEA基が含まれてい
るので、ベース樹脂自体の難燃性も高い。また EEA
中のEA含有量を25重量%以下とすることによって、
水酸化マグネシウムの添加量が50重量部未満である配
合において燃焼時に生じ易いドリップを抑えることがで
きるので、ドリップした部位が再着火するのを抑制して
高い難燃性を達成することができる。
【0019】本発明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物
は、例えば絶縁電線、電子機器配線用電線、自動車用電
線、機器用電線、電源コード、屋外配電用絶縁電線、電
力用ケーブル、制御用ケーブル、通信用ケーブル、計装
用ケーブル、信号用ケーブル、移動用ケーブル、および
船用ケーブルなどの各種電線・ケーブルの絶縁材、シー
ス材、テープ類、および介在物、ならびにケース、プラ
グ、およびテープなどの電線・ケーブル用付属部品(具
体的には収縮チューブ、ゴムストレスリリーフコーン
等)、電線管、配線ダクト、およびバスダクトなどの電
材製品などの他、農業用シート、水道用ホース、ガス管
被覆材、建築内装材、家具材料、玩具材料およびフロア
材などに好適である。
【0020】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して本発明の効果
を明らかにする。本発明の実施例および比較例として、
下記表1に示す配合割合(単位:重量部)で各種成分を
配合し、混練機で混練して樹脂組成物を得た。燃焼試験
を行うために、2mm2の導体上に混練後押出機を用い
て各樹脂組成物を0.8mmの厚さで被覆して電線をそ
れぞれ製造した。燃焼試験はこの電線を用いて、電気取
締法燃焼試験に制定される60゜傾斜燃焼試験、IEC
規格332−1、およびIEEE規格383に制定され
る垂直トレイ燃焼試験にそれぞれ準じて行った。その合
否を表に示す。またJIS K7201の試験法に準処
する酸素指数(OI)、JIS K6760に記載され
ている方法に準処する引張強度、伸び、および樹脂組成
物の比重を測定した。その結果を表に示す。なお、上記
3つの燃焼試験が全て不合格であったものについては、
これらの測定は行わなかった。
【0021】
【表1】
【0022】尚、上記実施例および比較例において各樹
脂および配合剤としてはそれぞれ次のものを用いた。 EEA1:EA含有量14重量%のエチレンエチルアク
リレート共重合体 EEA2:EA含有量24重量%のエチレンエチルアク
リレート共重合体 EEA3:EA含有量30重量%のエチレンエチルアク
リレート共重合体 EEA4:EA含有量3重量%のエチレンエチルアクリ
レート共重合体 EVA:酢酸ビニル(EV)含有量20重量%のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体 水酸化マグネシウム:ステアリン酸表面処理水酸化マグ
ネシウム 難燃助剤:シリコーン系難燃助剤 老化防止剤:フェノール系酸化劣化防止剤
【0023】表1の結果より、ベース樹脂として、EA
含有量が14重量%または24重量%のEEA、または
これらのEEAとEVAとの混合物を用いた実施例1〜
7では、比重が1.1または1.05と低い上に、上記
3つの燃焼試験の全てに合格できる程度の高い難燃性を
達成することができた。また酸素指数も33以上であ
り、PVCと同程度の数値であった。これに対して、E
A含有量が30重量%と多すぎるEEAを用いた比較例
1,2、またEA含有量が3重量%と少なすぎるEEA
を用いた比較例3,4では、いずれも比重は低いが、燃
焼試験に合格することができず、良好な難燃性は得られ
なかった。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
線、ケーブルまたはその類似品の被覆材料として用いた
ときに、電気用品取締法、UL規格、IEEE規格38
3、およびIEC規格332−1にそれぞれ制定されて
いる燃焼試験のうちの1以上の試験に合格する程度の高
難燃性を有するとともに、比重が1.14以下と低いノ
ンハロゲン難燃性樹脂組成物が得られる。この難燃性樹
脂組成物はハロゲンを含まないので焼却処分が可能であ
り、また比重分別によりPVCとの分別回収が可能であ
るので、環境上好ましく実用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水流中におけるプラスチックの沈降軌跡を示
す説明図である。
【符号の説明】
1…オレフィン系プラスチック、2…ポリ塩化ビニル、
3…スチレン系プラスチック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01B 7/295 H01B 7/34 B (72)発明者 飯沼 浩一 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 鈴木 淳 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 4J002 BB032 BB052 BB062 BB071 BB122 BB152 CP033 DE076 DE097 DE167 FD133 FD136 FD137 GQ01 5G305 AA02 AB25 AB35 AB40 CA01 CA04 CA07 CA51 CD13 CD20 5G315 CA02 CD04 CD14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチルアクリレートの含有量が5重量%
    以上25重量%以下のエチレン−エチルアクリレート共
    重合体100重量部に対して、難燃剤として水酸化マグ
    ネシウム5重量部以上50重量部未満、および難燃助剤
    を1重量部以上50重量部以下混合してなり、比重が
    1.14以下で、かつ電線、ケーブルまたはその類似品
    の被覆材料として用いたときに、電気用品取締法、UL
    規格、IEEE規格383、およびIEC規格332−
    1にそれぞれ制定されている燃焼試験の少なくとも1つ
    に合格することを特徴とするノンハロゲン難燃性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 エチルアクリレートの含有量が5重量%
    以上25重量%以下のエチレン−エチルアクリレート共
    重合体を10重量%以上99重量%以下含み、残りが他
    のポリオレフィン系樹脂からなるベース樹脂100重量
    部に対して、難燃剤として水酸化マグネシウム5重量部
    以上50重量部未満、および難燃助剤を1重量部以上5
    0重量部以下混合してなり、比重が1.14以下で、か
    つ電線、ケーブルまたはその類似品の被覆材料として用
    いたときに、電気用品取締法、UL規格、IEEE規格
    383、およびIEC規格332−1にそれぞれ制定さ
    れている燃焼試験の少なくとも1つに合格することを特
    徴とするノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記ベース樹脂中の前記他のポリオレフ
    ィン系樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
    ン−プロピレンゴム、ポリプロピレン、低密度ポリエチ
    レン、直鎖状低密度ポリエチレン、および超低密度ポリ
    エチレンからなる群から選ばれる1種または2種以上で
    あることを特徴とする請求項2記載のノンハロゲン難燃
    性樹脂組成物。
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