JP2001116792A - 配電線路故障方向標定方法、同標定装置ならびに電界磁界センサ - Google Patents

配電線路故障方向標定方法、同標定装置ならびに電界磁界センサ

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JP2001116792A JP29231799A JP29231799A JP2001116792A JP 2001116792 A JP2001116792 A JP 2001116792A JP 29231799 A JP29231799 A JP 29231799A JP 29231799 A JP29231799 A JP 29231799A JP 2001116792 A JP2001116792 A JP 2001116792A
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恭一 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 供給側電気所片端抵抗接地系架空配電線路に
おける地絡故障や短絡故障発生方向を容易に検出、判定
できるようにする。 【解決手段】 架空配電線路の任意の電柱二本に、標定
装置7a、7bを設け、地絡故障電流6や短絡故障電流
9を検出した標定装置7aと検出しない標定装置7bの
間が故障位置であることを認識する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は配電線路故障方向標定方
法、同標定装置ならびに電界磁界センサに関し、特に通
常接地系統と称される供給側変圧器の中性点が抵抗接地
されている架空配電線路において故障が発生した時に故
障方向を標定するために用いるものに関する。
【0002】
【従来の技術】抵抗接地系統の送電線路の架空地線に変
流器を取り付け、故障時の電流波形を電気所へ伝送し、
その大きさと位相をコンピュータ処理することで故障位
置を求めることができる。
【0003】たとえば6kV配電線三相に光CTを三個
取り付け、その出力を加算して零相電流を作り、零相電
流が増加した時にはこれを地絡故障として検出し、光C
T三個それぞれの出力が大きくなった時にはこれを短絡
故障として検出することができる。
【0004】また、6kV配電線三相にZCTと称する
変流器三個を取り付け、その出力の加算出力が増加した
時にはこれを地絡故障として検出し、変流器それぞれの
出力が大きくなった時にはこれを短絡故障として検出す
ることができる。
【0005】さらに、6kV配電線三相より十分遠い位
置に電磁誘導で検出する磁界センサを取り付け、磁界セ
ンサの出力が零相電流として検出されることを利用し
て、その増加で短絡、地絡故障を検出することもでき
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、架空配電線
路の任意の電柱の架空地線に変流器を設置する方法は、
変流器に雷の直撃を受けやすく、標定器の誤動作や破壊
のおそれがある。また、地絡故障電流は故障電柱で電柱
の接地と架空地線の電源側と負荷側とに分流され、架空
地線電流検出は電流が微弱であり、困難となる。したが
ってこの方式は、送電系統で地絡故障時に200〜30
0Aの地絡電流が流れる系統には適するが、例えば、2
0kV級(22kVと33kV)架空配電線路の地絡電
流が数Aから数十Aとなる系統には適さない。
【0007】また、架空配電線の任意の電柱の配電線三
相に直接光CT三個を設置する方法は、耐圧に対する考
慮と光CT取付部の配電線に対する保護が必要なことか
ら、費用がかさみ、停電作業が必要である。
【0008】さらに、任意の電柱の配電線にZCTと称
する変流器を設置する方法は、費用がかさむこと及び停
電作業が必要であることだけでなく、変流器が大型であ
るため美観を損ないやすい。
【0009】またさらに、任意の電柱の配電線より遠く
に離れた位置、例えば電柱の地上脚部に電流を電磁誘導
で検出するコイル、すなわち磁界センサと称するセンサ
を設置する方法は、6kV配電線や100V、200V
配電線に流れている負荷電流の影響を大きく受けること
から架空配電線の地絡故障と短絡故障を検出することは
できない。
【0010】そこで本発明は、架空地線や配電線に直接
センサを設置しなくて良い非接触式のセンサにより、小
型かつ安価で、停電作業を伴なわずに済み、下相の影響
を受けない故障方向標定方法、同標定装置ならびに電界
磁界センサを提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決しようとするための手段】本発明に係る配
電線路故障方向標定方法は上記目的を達成するために、
配電線路で故障が発生した時の電界と磁界の現象を上記
配電線路をなす配電線に非接触で検出する電界と磁界を
複合させた電界磁界センサを、供給側電気所片端接地系
架空配電線路の任意の電柱に二個配置することにより、
上記供給側電気所片端接地系架空配電線路における故障
方向を標定することを特徴とするものである。
【0012】本発明に係る配電線路故障方向標定装置の
うち請求項2に係るものは、上記目的を達成するため
に、配電線路で故障が発生した時の電界と磁界の現象を
上記配電線路をなす配電線に非接触で検出する電界と磁
界を複合させた電界磁界センサを、供給側電気所片端接
地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置し、上記電界
磁界センサ出力の二個の磁界部の加算により零相電流を
作り、該零相電流の増加で地絡故障が上記供給側電気所
片端接地系架空配電線路における負荷側で発生したこと
を検知することを特徴とするものである。
【0013】同請求項3に係る配電線路故障方向標定装
置は、配電線路で故障が発生した時の電界と磁界の現象
を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出する電界と
磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電気所片端
接地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置し、上記二
個の電界磁界センサの磁界部のいずれか一方もしくは双
方が大きく増加したことを検出した時に短絡故障が上記
供給側電気所片端接地系架空配電線路における負荷側で
発生したことを検知することを特徴とするものである。
【0014】同請求項4に係る配電線路故障方向標定装
置は、配電線路で故障が発生した時の電界と磁界の現象
を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出する電界と
磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電気所片端
接地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置し、上記二
個の電界磁界センサの電界部の出力が双方ともなくなっ
たことを検出した時に上記供給側電気所片端接地系架空
配電線路における送電が遮断されたことを検知すること
を特徴とするものである。
【0015】同請求項5に係る配電線路故障方向標定装
置は、配電線路で故障が発生した時の電界と磁界の現象
を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出する電界と
磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電気所片端
接地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置し、上記二
個の電界磁界センサの二つの電界部の加算により零相電
圧を作り、該零相電圧の増加で地絡故障が上記供給側電
気所片端接地系架空配電線路で発生したことを検知する
ことを特徴とするものである。
【0016】同請求項6に係る配電線路故障方向標定装
置は、配電線路で故障が発生した時の電界と磁界の現象
を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出する電界と
磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電気所片端
接地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置し、上記電
界磁界センサ出力の二個の磁界部の加算により零相電流
を作り、該零相電流の増加で地絡故障が上記供給側電気
所片端接地系架空配電線路における負荷側で発生したこ
とを検知し、上記二個の電界磁界センサの磁界部のいず
れか一方もしくは双方が大きく増加したことを検出した
時に短絡故障が上記供給側電気所片端接地系架空配電線
路における負荷側で発生したことを検知し、上記二個の
電界磁界センサの二つの電界部の加算により零相電圧を
作り、該零相電圧の増加で地絡故障が上記供給側電気所
片端接地系架空配電線路で発生したことを検知し、上記
二個の電界磁界センサの電界部の出力が双方ともなくな
ったことを検出した時に上記供給側電気所片端接地系架
空配電線路における送電が遮断されたことを検知すると
ともに、上記地絡故障や短絡故障を検出した後に上記送
電遮断を検出した時をもって上記供給側電気所片端接地
系架空配電線路で故障が発生したことを認識することを
特徴とする。そして、本発明に係る架空配電線路におい
て、上記地絡故障や短絡故障電流を検出した後に、上記
電界極出力二つがなくなった時をもって送電遮断、すな
わち故障したことを確実とすることを特徴とする標定装
置である。
【0017】本発明に係る電界磁界センサは、上記目的
を達成するために、電圧現象を非接触で検出する電界極
板と電流現象を非接触で検出する磁界コイルと一体複合
化させてなることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】 以下本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は架空配電線路の略図で、図
中1は電気所の送電用変圧器、2はその中性点抵抗、3
は需要側の電気所、4は架空配電線(以下、特に必要が
なければ単に配電線という。)、5は地絡故障点、6は
地絡故障電流、すなわち零相電流が配電線4から大地を
通り中性点抵抗2を通り送電トランス1に流れる様相を
示し、7a、7bは故障方向標定装置である。図2は同
様に架空配電線における短絡故障様相を示した略図で、
図中4a、4b、4cは三相架空配電線、8は短絡故障
点、9は配電線4bから配電線4cを通って流れる短絡
電流を示す。
【0019】図3は、図2に示す故障方向標定装置7
a、7bを構成する一対の非接触電界磁界センサ(以
下、「電界磁界センサ」という。)14を電柱10に配
置した状態の略図で、図中10は配電電柱、11は碍
子、12は架空地線である。
【0020】また図4は、電界磁界センサ14の構成を
示す略図である。電界磁界センサ14は、配電線路の任
意の電柱部材40に三相架空配電線4a、4b、4cの
横または下の位置で取り付け、電圧様相を静電誘導で検
出する電界極板141と、電流様相を電磁誘導で検出す
る磁界空芯コイル142を一体化し、それらの検出信号
を標定装置15へ送る電線143、センサ箱を固定する
ための金具144を備え、故障時電流と故障時電圧現象
を非接触で検出することによって故障方向を判定する。
具体的には、電界は、電界極板141とアース間の電位
情報を電線143で標定装置15まで伝達する。また、
磁界は、磁界空芯コイル142で検出した情報を電線1
43で標定装置15まで伝達する。なお、磁界空芯コイ
ル142は、センサ箱の内部に位置し、図4に示すよう
に内壁側で装着する。また、電界極板141はセンサ箱
の一部を構成している。
【0021】本実施形態では一対の電界磁界センサ14
a、14bを、上側の電界磁界センサ14aは架空配電
線4a、4bの中央よりも配電線4a寄りに設置し、下
側の電界磁界センサ14bは配電線4b、4cの中央よ
りも配電線4c寄りに設置して、送電電圧に対し十分安
全な距離を取ることにより、標定に必要な零相電流と零
相電圧を得て、地絡時の地絡電流検出と地絡電圧検出を
可能にする配置としてある。またこの配置は、短絡電流
検出と送電遮断検出を可能にするものである。6kV配
電線13による電圧の影響は、電界極板141の形状で
感度をなくしており、また架空配電線4a、4b、4c
が22kVあるいは33kV配電線で6kV配電線13
に対して電圧差を有すること及び6kV配電線13がよ
り遠くに位置することでも影響を受けないようになって
いる。また、電流の影響も磁界空芯コイル142が6k
V配電線13に対し感度が出ない方向であること、6k
V配電線13に対し零相となること、さらに距離が遠く
なるため負荷電流の影響は微小といえることから影響を
受けない。すなわち、配電線4a、4b、4cで発生す
る故障現象のみを検出可能としてある。なお、電界磁界
センサ14a、14bの設置位置関係を図6に示す。各
間隔D1、D2、D3間の関係は、
【数1】 である。
【0022】この構成とすることにより、電界磁界セン
サ14a、14bの出力を加算すれば零相電流、零相電
圧を検出し得ることを次に説明する。図5(a)は、配
電線4a、4b、4cの電流Ia、Ib、Icによって
電界磁界センサ14aの磁界コイル142に発生する電
圧E1a、E1b、E1cのベクトル図である。電圧E
1a、E1b、E1cのベクトル和E1が磁界コイル1
42の出力となる。同様に、電界磁界センサ14bにつ
いてのベクトル図を図5(b)に示す。電圧E2a、E
2b、E2cは配電線4a、4b、4cの電流Ia、I
b、Icによる磁界コイル142に発生する電圧であ
り、E2はそのベクトル和である。ベクトル和E1、E
2の大きさが等しく、方向が逆向きとなるような位置に
電界磁界センサ14a、14bを設置する。その場合
に、ベクトル和E1、E2のベクトル和、すなわち両電
圧の加算値は配電線4a、4b、4cの系統が健全時は
零となる。また配電線4a、4b、4cのうちの1本が
地絡した状態(一線地絡時)は、その電流と同位相の零
相電流が流れ、電界磁界センサ14a、14bの電圧の
和は零にならない。零相電流の検出について説明した
が、零相電圧の検出に対しても同様に電界磁界センサ1
4aと14bの電界極板141で検出する零相電圧は、
故障方向標定装置7aと7b、いずれも地絡故障前は0
Vで、一線地絡故障時地絡相が対地相になるため、二相
の零相となり大きな零相電圧を出力する。
【0023】図7は上述した電界磁界センサ14a、1
4bの出力を処理するための標定装置15の電気回路を
示す回路ブロック図で、電界積分回路16は電界極板1
41で検出する電界、すなわち微分波形の積分を行うこ
とで送電電圧と等しい波形にするものである。同様に、
磁界空芯コイル142で検出する磁界も微分波形のため
磁界積分回路24で積分して送電電流と等しい波形とす
る。増幅回路17、25は、電界積分回路16と磁界積
分回路24の出力信号を増幅して後段の回路での処理を
容易にするために適当な信号の大きさとするための回路
である。リレーコイル33とそのリレー接点34は、標
定装置15の検出内容を外部に出力するためのものであ
る。操作スイッチ36は、CPU32を起動した時の初
期設定や標定した時のデータ内容を見る時等に使用す
る。液晶表示器37は、操作スイッチ36で操作した命
令の内容を表示する。また安定化電源35は、電源入力
を例えばAC100Vとし、あるいは太陽電池等からの
電源入力を電子回路が必要とする例えばDC5Vにする
ためのものである。
【0024】上述の構成の標定装置15の検出内容、動
作を以下説明する。図1に示す配電線路において一線地
絡故障5が発生した時、電気所1側の故障方向標定装置
7aが電界磁界センサ14a、14bによりその故障現
象を検出する。故障現象の検出を示す信号は電界積分回
路16を経て増幅回路17で増幅し、アナログ加算回路
18でアナログ加算する。アナログ加算した出力は、零
相電圧のため通常は0Vに近くなっているが、一線地絡
故障時は三相の配電線4a、4b、4cのうちの一線が
大地相になるため、二相の零相となり大きく出力され
る。その大きくなった信号を上限検出回路19で検出
し、タイマ回路20を起動させる。タイマ時間は例えば
10秒とし、地絡故障がどこかで発生したことを検出す
る。需要側の故障方向標定装置7bも同様に検出、増幅
等の動作をする。
【0025】地絡故障発生後、電気所1は送電設備の保
護のために地絡故障の発生後、例えば5秒以内に送電を
遮断する。すると送電電圧がなくなり、二個の電界磁界
センサ14a、14bともに検出出力がなくなる。これ
を下限検出回路21で検出し、二個の電界磁界センサ1
4a、14bとも出力がなくなったことをAND回路2
2で検出し、タイマ回路23が例えば10秒間にわたっ
てこれを示す信号を出力する。送電電圧がなくなったこ
との検出には一個のセンサ出力での検出でも良いが、一
線地絡した時にその相は大地電位となって送電遮断と区
別できないため、AND回路22により二個のセンサの
出力のAND条件を取ることによって検出を確実にして
いる。
【0026】また図1に示す状態では、故障方向標定装
置7aが地絡故障電流6を電界磁界センサ14a、14
bの空芯コイル142で検出し、出力する。この信号を
増幅回路25で増幅し、アナログ加算回路26で加算し
て零相電流を作る。このアナログ加算出力は通常は0V
に近く、地絡電流6が流れた時には大きくなる。その信
号を上限検出回路27で検出し、タイマ回路28を起動
する。タイマ回路28は例えば10秒にわたってこれを
示す信号を出力する。もちろん地絡故障電流6が流れな
い地点に位置する標定装置7bは地絡故障電流6を検出
しないので、故障方向が標定できることになる。また、
詳細説明は略すが、零相電圧と零相電流の位相検出によ
り故障方向を標定することもできる。
【0027】図2のように架空配電線路において短絡故
障8が発生した時、電気所1側の故障方向標定装置7a
は短絡故障電流9が流れる場所にあるため、電界磁界セ
ンサ14a、14bの磁界空芯コイル142で検出した
電流をそれぞれ上限検出回路29で検出し、一個もしく
は二個とも大きくなったことをOR回路30で検出して
タイマ回路31を起動する。タイマ回路31は、例えば
10秒間にわたり出力する。もちろん短絡故障電流9が
流れない場所に位置する標定装置7bは短絡故障電流9
を検出しないので、故障方向が標定できることになる。
【0028】CPU32に対しては、タイマ回路20の
出力が架空配電線4のどこかで地絡したことを知らせ、
タイマ回路23の出力が故障発生後に送電遮断されたこ
とを知らせ、タイマ回路28の出力が地絡故障電流を検
出したことを知らせ、タイマ回路31の出力が短絡故障
電流を検出したことを知らせる。CPU32は、故障の
ない通常状態ではOFFになっており、各タイマ回路2
0、23、28、31の出力でONとなり、所定のデー
タ処理を行う。すなわち、タイマ回路23の出力のみが
入力した時は、標定時刻の記録と一個のリレー出力を行
う。タイマ回路20及びタイマ回路23の出力が入力し
た時は、標定時刻及び電源側(図示の例では送電用変圧
器1側)で地絡故障が発生したことを記録して二個のリ
レー出力を行う。タイマ回路20、23、28の出力が
入力した時は、標定時刻と負荷側(図示の例では電気所
3側)で地絡故障が発生したことを記録して三個のリレ
ー出力を行う。タイマ回路23、31の出力が入力した
時は、標定時刻と負荷側で短絡したことを記録し、二個
のリレー出力を行う。そしてすべてのタイマ回路20、
23、28、31の出力が入力した時は、標定時刻と負
荷側で地絡短絡したことを記録して四個のリレー出力を
行う。
【0029】上記リレー出力は、架空配電線路を管理す
る事務所へ標定装置15の標定内容を伝送するためのも
ので、管理事務所に配された監視用コンピュータによ
り、架空配電線路のどの区間で地絡や短絡故障が発生し
たかを知らせることができる。またデータ伝送しない場
合は、故障発生後に現地へ出向き、標定装置15の操作
スイッチ36の操作で液晶表示器37にメッセージを表
示させ、その表示内容から、故障方向が電源側あるいは
負荷側のどちら側で発生したかを判断できるようにプロ
グラムされている。このようなプログラム内容は周知で
あるので説明を省略する。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る配電線路故障方向標定法、
同標定装置は、以上説明してきたようなものなので、供
給側電気所片端接地系架空配電線路の適当な位置に標定
装置を設置することにより故障区間を限定でき、小人数
で早期に故障箇所の発見を行え、早期に送電することを
可能とする効果を奏する。
【0031】本発明に係る電界磁界センサは、以上説明
してきたようなものなので、供給側電気所片端接地系架
空配電線路において、検出対象でない配電線による影響
を受けずに、故障時に検出対象である配電線に流れる故
障電流と故障時に生じる電圧現象を非接触で検出するこ
とができ、故障方向の判定に用い得る検出出力を提供し
得るようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】架空配電線路で地絡故障が発生した状態と本発
明に係る配電線路故障方向標定方法における配電線路故
障方向標定装置の配置形態を示す概念図である。
【図2】架空配電線路で短絡故障が発生した状態と本発
明に係る配電線路故障方向標定方法における配電線路故
障方向標定装置の配置形態を示す概念図である。
【図3】架空配電線路の適当な位置の電柱に本発明に係
る配電線路故障方向標定装置の一実施形態をなす電界磁
界センサ2個と標定装置を配置した状態を示す概念図で
ある。
【図4】架空配電線の電圧と電流現象を電界と磁界とし
て検出する電界磁界センサの構成を示す概念図である。
【図5】架空配電線の電流により図4に示した電界磁界
センサの磁界コイルに発生する電圧のベクトル図であ
る。
【図6】図3に示す電界磁界センサの取付位置条件を示
す図である。
【図7】本発明に係る配電線路故障方向標定装置の一実
施形態をなす標定装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 供給側の電気所の送電用変圧器 2 中性点抵抗 3 需要側の電気所 4、4a、4b、4c 架空配電線路 5 地絡故障点 6 地絡故障電流 7a、7b 故障方向標定装置 8 短絡故障点 9 短絡故障電流 10 配電電柱 11 碍子 12 架空地線 13 6kV配電線 14、14a、14b 電界磁界センサ 141 電界極板 142 磁界空芯コイル 143 電線 144 金具 15 標定装置 16 電界積分回路 17 増幅回路 18 アナログ加算回路 19 上限検出回路 20 タイマ回路 21 下限検出回路 22 AND回路 23 タイマ回路 24 磁界積分回路 25 増幅回路 26 アナログ加算回路 27 上限検出回路 28 タイマ回路 29 上限検出回路 30 OR回路 31 タイマ回路 32 CPU(マイクロコンピュータ) 33 リレーコイル 34 リレー接点 35 安定化電源 36 操作スイッチ 37 液晶表示器 40 電柱
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月14日(2000.7.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は配電線路故障方向標定方
法、同標定装置に関し、特に通常接地系統と称される供
給側変圧器の中性点が抵抗接地されている架空配電線路
において故障が発生した時に故障方向を標定するために
用いるものに関する。
【0002】
【従来の技術】抵抗接地系統の送電線路の架空地線に変
流器を取り付け、故障時の電流波形を電気所へ伝送し、
その大きさと位相をコンピュータ処理することで故障位
置を求めることができる。
【0003】たとえば6kV配電線三相に光CTを三個
取り付け、その出力を加算して零相電流を作り、零相電
流が増加した時にはこれを地絡故障として検出し、光C
T三個それぞれの出力が大きくなった時にはこれを短絡
故障として検出することができる。
【0004】また、6kV配電線三相にZCTと称する
変流器三個を取り付け、その出力の加算出力が増加した
時にはこれを地絡故障として検出し、変流器それぞれの
出力が大きくなった時にはこれを短絡故障として検出す
ることができる。
【0005】さらに、6kV配電線三相より十分遠い位
置に電磁誘導で検出する磁界センサを取り付け、磁界セ
ンサの出力が零相電流として検出されることを利用し
て、その増加で短絡、地絡故障を検出することもでき
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、架空配電線
路の任意の電柱の架空地線に変流器を設置する方法は、
変流器に雷の直撃を受けやすく、標定器の誤動作や破壊
のおそれがある。また、地絡故障電流は故障電柱で電柱
の接地と架空地線の電源側と負荷側とに分流され、架空
地線電流検出は電流が微弱であり、困難となる。したが
ってこの方式は、送電系統で地絡故障時に200〜30
0Aの地絡電流が流れる系統には適するが、例えば、2
0kV級(22kVと33kV)架空配電線路の地絡電
流が数Aから数十Aとなる系統には適さない。
【0007】また、架空配電線の任意の電柱の配電線三
相に直接光CT三個を設置する方法は、耐圧に対する考
慮と光CT取付部の配電線に対する保護が必要なことか
ら、費用がかさみ、停電作業が必要である。
【0008】さらに、任意の電柱の配電線にZCTと称
する変流器を設置する方法は、費用がかさむこと及び停
電作業が必要であることだけでなく、変流器が大型であ
るため美観を損ないやすい。
【0009】またさらに、任意の電柱の配電線より遠く
に離れた位置、例えば電柱の地上脚部に電流を電磁誘導
で検出するコイル、すなわち磁界センサと称するセンサ
を設置する方法は、6kV配電線や100V、200V
配電線に流れている負荷電流の影響を大きく受けること
から架空配電線の地絡故障と短絡故障を検出することは
できない。
【0010】そこで本発明は、架空地線や配電線に直接
センサを設置しなくて良い非接触式のセンサにより、小
型かつ安価で、停電作業を伴なわずに済み、下相の影響
を受けない故障方向標定方法、同標定装置を提供しよう
とするものである。
【0011】
【課題を解決しようとするための手段】本発明に係る配
電線路故障方向標定方法のうち請求項1に係るものは上
記目的を達成するために、配電線路で故障が発生した時
の電界と磁界の現象を上記配電線路をなす配電線に非接
触で検出する電界と磁界を複合させた電界磁界センサ
を、供給側電気所片端接地系架空配電線路の任意かつ複
の電柱に二個ずつ配置するとともに、いずれかの電柱
において上記二個の電界磁界センサの磁界部の出力のい
ずれか一方もしくは双方が所定値以上に増加したことを
検出した時に、該電柱よりも上記供給側電気所からの電
力供給方向先となる需要側で上記供給側電気所片端接地
系架空配電線路に短絡故障が発生したことを標定するこ
とを特徴とするものである
【0012】本発明に係る配電線路故障方向標定装置の
うち請求項2に係るものは、上記目的を達成するため
に、配電線路で故障が発生した時の電界と磁界の現象を
上記配電線路をなす配電線に非接触で検出する電界と磁
界を複合させた電界磁界センサを、供給側電気所片端接
地系架空配電線路の任意かつ複数の電柱に二個ずつ
するとともに、短絡故障が上記供給側電気所片端接地系
架空配電線路のいずれかで発生したことを検知する標定
手段を備え、該標定手段が、いずれかの電柱において上
記二個の電界磁界センサの磁界部の出力のいずれか一方
もしくは双方が所定値以上に増加したことを検出した時
に、該電柱よりも上記供給側電気所からの電力供給方向
先となる需要側で上記短絡故障が発生したことを標定す
るものであることを特徴とするものである。
【0013】同請求項3に係る配電線路故障方向標定
は、配電線路で故障が発生した時の電界と磁界の現象
を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出する電界と
磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電気所片端
接地系架空配電線路の任意かつ複数の電柱に二個ずつ
置し、上記電界磁界センサ出力の二個の磁界部の加算に
より零相電流が増加した時に、該電柱よりも上記供給側
電気所からの電力供給方向先となる需要側で上記供給側
電気所片端接地系架空配電線路に地絡故障が発生したこ
とを検知し、上記二個の電界磁界センサの磁界部のいず
れか一方もしくは双方が所定値以上に増加したことを検
出した時に、該電柱よりも上記供給側電気所からの電力
供給方向先となる需要側で上記供給側電気所片端接地系
架空配電線路に短絡故障が発生したことを検知すること
を特徴とするものである。
【0014】同請求項4に係る配電線路故障方向標定装
置は、配電線路で故障が発生した時の電界と磁界の現象
を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出する電界と
磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電気所片端
接地系架空配電線路の任意かつ複数の電柱に二個ずつ
置するとともに、短絡故障や地絡故障が上記供給側電気
所片端接地系架空配電線路のいずれかで発生したことを
検知する標定手段を備え、該標定手段が、上記電界磁界
センサ出力の二個の磁界部の加算により零相電流が増加
した時に、該電柱よりも上記供給側電気所からの電力供
給方向先となる需要側で上記供給側電気所片端接地系架
空配電線路に地絡故障が発生したことを検知し、上記二
個の電界磁界センサの磁界部のいずれか一方もしくは双
方が所定値以上に増加したことを検出した時に、該電柱
よりも上記供給側電気所からの電力供給方向先となる需
要側で上記供給側電気所片端接地系架空配電線路に短絡
故障が発生したことを検知するものであることを特徴と
するものである。
【0015】(削除)
【0016】(削除)
【0017】(削除)
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は架空配電線路の略図で、図中
1は電気所の送電用変圧器、2はその中性点抵抗、3は
需要側の電気所、4は架空配電線(以下、特に必要がな
ければ単に配電線という。)、5は地絡故障点、6は地
絡故障電流、すなわち零相電流が配電線4から大地を通
り中性点抵抗2を通り送電トランス1に流れる様相を示
し、7a、7bは故障方向標定装置である。図2は同様
に架空配電線における短絡故障様相を示した略図で、図
中4a、4b、4cは三相架空配電線、8は短絡故障
点、9は配電線4bから配電線4cを通って流れる短絡
電流を示す。
【0019】図3は、図2に示す故障方向標定装置7
a、7bを構成する一対の非接触電界磁界センサ(以
下、「電界磁界センサ」という。)14を電柱10に配
置した状態の略図で、図中10は配電電柱、11は碍
子、12は架空地線である。
【0020】また図4は、電界磁界センサ14の構成を
示す略図である。電界磁界センサ14は、配電線路の任
意の電柱部材40に三相架空配電線4a、4b、4cの
横または下の位置で取り付け、電圧様相を静電誘導で検
出する電界極板141と、電流様相を電磁誘導で検出す
る磁界空芯コイル142を一体化し、それらの検出信号
を標定装置15へ送る電線143、センサ箱を固定する
ための金具144を備え、故障時電流と故障時電圧現象
を非接触で検出することによって故障方向を判定する。
具体的には、電界は、電界極板141とアース間の電位
情報を電線143で標定装置15まで伝達する。また、
磁界は、磁界空芯コイル142で検出した情報を電線1
43で標定装置15まで伝達する。なお、磁界空芯コイ
ル142は、センサ箱の内部に位置し、図4に示すよう
に内壁側で装着する。また、電界極板141はセンサ箱
の一部を構成している。
【0021】本実施形態では一対の電界磁界センサ14
a、14bを、上側の電界磁界センサ14aは架空配電
線4a、4bの中央よりも配電線4a寄りに設置し、下
側の電界磁界センサ14bは配電線4b、4cの中央よ
りも配電線4c寄りに設置して、送電電圧に対し十分安
全な距離を取ることにより、標定に必要な零相電流と零
相電圧を得て、地絡時の地絡電流検出と地絡電圧検出を
可能にする配置としてある。またこの配置は、短絡電流
検出と送電遮断検出を可能にするものである。6kV配
電線13による電圧の影響は、電界極板141の形状で
感度をなくしており、また架空配電線4a、4b、4c
が22kVあるいは33kV配電線で6kV配電線13
に対して電圧差を有すること及び6kV配電線13がよ
り遠くに位置することでも影響を受けないようになって
いる。また、電流の影響も磁界空芯コイル142が6k
V配電線13に対し感度が出ない方向であること、6k
V配電線13に対し零相となること、さらに距離が遠く
なるため負荷電流の影響は微小といえることから影響を
受けない。すなわち、配電線4a、4b、4cで発生す
る故障現象のみを検出可能としてある。なお、電界磁界
センサ14a、14bの設置位置関係を図6に示す。各
間隔D1、D2、D3間の関係は、
【数1】 である。
【0022】この構成とすることにより、電界磁界セン
サ14a、14bの出力を加算すれば零相電圧、零相電
流を検出し得ることを次に説明する。図5(a)は、配
電線4a、4b、4cの電流Ia、Ib、Icによって
電界磁界センサ14aの磁界コイル142に発生する電
圧E1a、E1b、E1cのベクトル図である。電圧E
1a、E1b、E1cのベクトル和E1が磁界コイル1
42の出力となる。同様に、電界磁界センサ14bにつ
いてのベクトル図を図5(b)に示す。電圧E2a、E
2b、E2cは配電線4a、4b、4cの電流Ia、I
b、Icによる磁界コイル142に発生する電圧であ
り、E2はそのベクトル和である。ベクトル和E1、E
2の大きさが等しく、方向が逆向きとなるような位置に
電界磁界センサ14a、14bを設置する。その場合
に、ベクトル和E1、E2のベクトル和、すなわち両電
圧の加算値は配電線4a、4b、4cの系統が健全時は
零となる。また配電線4a、4b、4cのうちの1本が
地絡した状態(1線地絡時)は、その電流と同位相の零
相電流が流れ、電界磁界センサ14a、14bの電圧の
和は零にならない。
【0023】図7は上述した電界磁界センサ14a、1
4bの出力を処理するための標定装置15の電気回路を
示す回路ブロック図で、電界積分回路16は電界極板1
41で検出する電界、すなわち微分波形の積分を行うこ
とで送電電圧と等しい波形にするものである。同様に、
磁界空芯コイル142で検出する磁界も微分波形のため
磁界積分回路24で積分して送電電流と等しい波形とす
る。増幅回路17、25は、電界積分回路16と磁界積
分回路24の出力信号を増幅して後段の回路での処理を
容易にするために適当な信号の大きさとするための回路
である。リレーコイル33とそのリレー接点34は、標
定装置15の検出内容を外部に出力するためのものであ
る。操作スイッチ36は、CPU32を起動した時の初
期設定や標定した時のデータ内容を見る時等に使用す
る。液晶表示器37は、操作スイッチ36で操作した命
令の内容を表示する。また安定化電源35は、電源入力
を例えばAC100Vとし、あるいは太陽電池等からの
電源入力を電子回路が必要とする例えばDC5Vにする
ためのものである。
【0024】上述の構成の標定装置15の検出内容、動
作を以下説明する。図1に示す配電線路において一線地
絡故障5が発生した時、電気所1側の故障方向標定装置
7aが電界磁界センサ141、14bによりその故障現
象を検出する。故障現象の検出を示す信号は電界積分回
路16を経て増幅回路17で増幅し、アナログ加算回路
18でアナログ加算する。アナログ加算した出力は、零
相電圧のため通常は0Vに近くなっているが、一線地絡
故障時は三相の配電線4a、4b、4cのうちの一線が
大地相になるため、二相の零相となり大きく出力され
る。その大きくなった信号を上限検出回路19で検出
し、タイマ回路20を起動させる。タイマ時間は例えば
10秒とし、地絡故障がどこかで発生したことを検出す
る。電気所の送電トランス1からの電力の供給方向で先
側となる需要側の故障方向標定装置7bも同様に検出、
増幅等の動作をする。
【0025】地絡故障発生後、電気所1は送電設備の保
護のために地絡故障の発生後、例えば5秒以内に送電を
遮断する。すると送電電圧がなくなり、二個の電界磁界
センサ14a、14bともに検出出力がなくなる。これ
を下限検出回路21で検出し、二個の電界磁界センサ1
4a、14?とも出力がなくなったことをAND回路2
2で検出し、タイマ回路23が例えば10秒間にわたっ
てこれを示す信号を出力する。送電電圧がなくなったこ
との検出には一個のセンサ出力での検出でも良いが、一
線地絡した時にその相は大地電位となって送電遮断と区
別できないため、AND回路22により二個のセンサの
出力のAND条件を取ることによって検出を確実にして
いる。
【0026】また図1に示す状態では、故障方向標定装
置7aが地絡故障電流6を電界磁界センサ14a、14
bの空芯コイル142で検出し、出力する。この信号を
増幅回路25で増幅し、アナログ加算回路26で加算し
て零相電流を作る。このアナログ加算出力は通常は0V
に近く、地絡電流6が流れた時には大きくなる。その信
号を上限検出回路27で検出し、タイマ回路28を起動
する。タイマ回路28は例えば10秒にわたってこれを
示す信号を出力する。もちろん地絡故障電流6が流れな
い地点に位置する標定装置7bは地絡故障電流6を検出
しないので、故障方向が標定できることになる。
【0027】図2のように架空配電線路において短絡故
障8が発生した時、電気所1側の故障方向標定装置7a
は短絡故障電流9が流れる場所にあるため、電界磁界セ
ンサ14a、14bの磁界空芯コイル142で検出した
電流をそれぞれ上限検出回路29で検出し、一個もしく
は二個とも大きくなったことをOR回路30で検出して
タイマ回路31を起動する。タイマ回路31は、例えば
10秒間にわたり出力する。もちろん短絡故障電流9が
流れない場所に位置する標定装置7bは短絡故障電流9
検出しないので、故障方向が標定できることになる。
【0028】CPU32に対しては、タイマ回路20の
出力が架空配電線4のどこかで地絡したことを知らせ、
タイマ回路23の出力が故障発生後に送電遮断されたこ
とを知らせ、タイマ回路28の出力が地絡故障電流を検
出したことを知らせ、タイマ回路31の出力が短絡故障
電流を検出したことを知らせる。CPU32は、故障の
ない通常状態ではOFFになっており、各タイマ回路2
0、23、28、31の出力でONとなり、所定のデー
タ処理を行う。すなわち、タイマ回路23の出力のみが
入力した時は、標定時刻の記録と一個のリレー出力を行
う。タイマ回路20及びタイマ回路23の出力が入力し
た時は、標定時刻及び電源側(図示の例では送電用変圧
器1側)で地絡故障が発生したことを記録して二個のリ
レー出力を行う。タイマ回路20、23、28の出力が
入力した時は、標定時刻と負荷側(図示の例では電気所
3側)で地絡故障が発生したことを記録して三個のリレ
ー出力を行う。タイマ回路23、31の出力が入力した
時は、標定時刻と負荷側で短絡したことを記録し、二個
のリレー出力を行う。そしてすべてのタイマ回路20、
23、28、31の出力が入力した時は、標定時刻と負
荷側で地絡短絡したことを記録して四個のリレー出力を
行う。
【0029】上記リレー出力は、架空配電線路を管理す
る事務所へ標定装置15の標定内容を伝送するためのも
ので、管理事務所に配された監視用コンピュータによ
り、架空配電線路のどの区間で地絡や短絡故障が発生し
たかを知らせることができる。またデータ伝送しない場
合は、故障発生現地へ出向き、標定装置15の操作スイ
ッチ36の操作で液晶表示器37にメッセージを表示さ
せ、その表示内容から、故障方向が電源側あるいは負荷
側のどちら側で発生したかを判断できるようにプログラ
ムされている。このようなプログラム内容は周知である
ので説明を省略する。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る配電線路故障方向標定法、
同標定装置は、以上説明してきたようなものなので、供
給側電気所片端接地系架空配電線路の適当な位置に標定
装置を複数個設置することにより故障区間を限定でき、
小人数で早期に故障箇所の発見を行え、早期に送電を復
旧することを可能とする効果を奏する。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】架空配電線路で地絡故障が発生した状態と本発
明に係る配電線路故障方向標定方法における配電線路故
障方向標定装置の配置形態を示す概念図である。
【図2】架空配電線路で短絡故障が発生した状態と本発
明に係る配電線路故障方向標定方法における配電線路故
障方向標定装置の配置形態を示す概念図である。
【図3】架空配電線路の適当な位置の電柱に本発明に係
る配電線路故障方向標定装置の一実施形態をなす電界磁
界センサ2個と標定装置を配置した状態を示す概念図で
ある。
【図4】架空配電線の電圧と電流現象を電界と磁界とし
て検出する電界磁界センサの構成を示す概念図である。
【図5】架空配電線の電流により図4に示した電界磁界
センサの磁界コイルに発生する電圧のベクトル図であ
る。
【図6】図3に示す電界磁界センサの取付位置条件を示
す図である。
【図7】本発明に係る配電線路故障方向標定装置の一実
施形態をなす標定装置のブロック図である。
【符号の説明】 1 供給側の電気所の送電用変圧器 2 中性点抵抗 3 需要側の電気所 4、4a、4b、4c 架空配電線路 5 地絡故障点 6 地絡故障電流 7a、7b 故障方向標定装置 8 短絡故障点 9 短絡故障電流 10 配電電柱 11 碍子 12 架空地線 13 6kV配電線 14、14a、14b 電界磁界センサ 141 電界極板 142 磁界空芯コイル 143 電線 144 金具 15 標定装置 16 電界積分回路 17 増幅回路 18 アナログ加算回路 19 上限検出回路 20 タイマ回路 21 下限検出回路 22 AND回路 23 タイマ回路 24 磁界積分回路 25 増幅回路 26 アナログ加算回路 27 上限検出回路 28 タイマ回路 29 上限検出回路 30 OR回路 31 タイマ回路 32 CPU(マイクロコンピュータ) 33 リレーコイル 34 リレー接点 35 安定化電源 36 操作スイッチ 37 液晶表示器 40 電柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 恭一 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社技術開発本部電力 技術研究所内 (72)発明者 福井 信孝 石川県松任市福留南1丁目231番地 Fターム(参考) 2G033 AA01 AB03 AC02 AC04 AD21 AE01 AF01 AF03 AF05 AG10 AG12 AG14 2G035 AA11 AB04 AC12 AC13 AD18 AD19 AD20 AD22 AD27 AD28 AD32 AD41 AD44 AD49

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配電線路で故障が発生した時の電界と磁
    界の現象を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出す
    る電界と磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電
    気所片端接地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置す
    ることにより、上記供給側電気所片端接地系架空配電線
    路における故障方向を標定することを特徴とする配電線
    路故障方向標定方法。
  2. 【請求項2】 配電線路で故障が発生した時の電界と磁
    界の現象を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出す
    る電界と磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電
    気所片端接地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置
    し、上記電界磁界センサ出力の二個の磁界部の加算によ
    り零相電流を作り、該零相電流の増加で地絡故障が上記
    供給側電気所片端接地系架空配電線路における負荷側で
    発生したことを検知することを特徴とする配電線路故障
    方向標定装置。
  3. 【請求項3】 配電線路で故障が発生した時の電界と磁
    界の現象を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出す
    る電界と磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電
    気所片端接地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置
    し、上記二個の電界磁界センサの磁界部のいずれか一方
    もしくは双方が大きく増加したことを検出した時に短絡
    故障が上記供給側電気所片端接地系架空配電線路におけ
    る負荷側で発生したことを検知することを特徴とする配
    電線路故障方向標定装置。
  4. 【請求項4】 配電線路で故障が発生した時の電界と磁
    界の現象を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出す
    る電界と磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電
    気所片端接地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置
    し、上記二個の電界磁界センサの電界部の出力が双方と
    もなくなったことを検出した時に上記供給側電気所片端
    接地系架空配電線路における送電が遮断されたことを検
    知することを特徴とする配電線路故障方向標定装置。
  5. 【請求項5】 配電線路で故障が発生した時の電界と磁
    界の現象を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出す
    る電界と磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電
    気所片端接地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置
    し、上記二個の電界磁界センサの二つの電界部の加算に
    より零相電圧を作り、該零相電圧の増加で地絡故障が上
    記供給側電気所片端接地系架空配電線路で発生したこと
    を検知することを特徴とする配電線路故障方向標定装
    置。
  6. 【請求項6】 配電線路で故障が発生した時の電界と磁
    界の現象を上記配電線路をなす配電線に非接触で検出す
    る電界と磁界を複合させた電界磁界センサを、供給側電
    気所片端接地系架空配電線路の任意の電柱に二個配置
    し、上記電界磁界センサ出力の二個の磁界部の加算によ
    り零相電流を作り、該零相電流の増加で地絡故障が上記
    供給側電気所片端接地系架空配電線路における負荷側で
    発生したことを検知し、上記二個の電界磁界センサの磁
    界部のいずれか一方もしくは双方が大きく増加したこと
    を検出した時に短絡故障が上記供給側電気所片端接地系
    架空配電線路における負荷側で発生したことを検知し、
    上記二個の電界磁界センサの二つの電界部の加算により
    零相電圧を作り、該零相電圧の増加で地絡故障が上記供
    給側電気所片端接地系架空配電線路で発生したことを検
    知し、上記二個の電界磁界センサの電界部の出力が双方
    ともなくなったことを検出した時に上記供給側電気所片
    端接地系架空配電線路における送電が遮断されたことを
    検知するとともに、上記地絡故障や短絡故障を検出した
    後に上記送電遮断を検出した時をもって上記供給側電気
    所片端接地系架空配電線路で故障が発生したことを認識
    することを特徴とする配電線路故障方向標定装置。
  7. 【請求項7】 電圧現象を非接触で検出する電界極板と
    電流現象を非接触で検出する磁界コイルと一体複合化さ
    せてなることを特徴とする電界磁界センサ。
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