JP2001116610A - 超音波レベル計 - Google Patents

超音波レベル計

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JP2001116610A
JP2001116610A JP29394199A JP29394199A JP2001116610A JP 2001116610 A JP2001116610 A JP 2001116610A JP 29394199 A JP29394199 A JP 29394199A JP 29394199 A JP29394199 A JP 29394199A JP 2001116610 A JP2001116610 A JP 2001116610A
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榮二 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長距離ケーブル状態においてもfo自動追尾を
可能とし、受信信号の振幅最大化を図り得る超音波レベ
ル計を提供する。 【解決手段】可変の駆動周波数(fd)の駆動信号を出力
する駆動回路(10)と、この駆動回路の駆動信号で駆
動され超音波を放射する圧電素子(20)と、この圧電
素子からの信号を受信する受信回路(30)を有する超
音波レベル計であって、前記超音波送受信器を駆動した
ときの残留振動を測定し、その測定結果を基に前記駆動
周波数(fd)が前記超音波送受信器の共振点に追尾する
ように制御する駆動周波数調整回路(40)を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波送受波器か
ら超音波を発信し、反射面で反射された超音波を前記超
音波送受波器で受信し、超音波を発信してから反射波を
受信するまでに要した時間をもとに反射面のレベルを検
出するように構成された超音波レベル計に関し、更に詳
しくは、2相同期積分方式により信号を処理するように
すると共に、前記超音波送受波器の残留振動の信号を基
に超音波送受信器の駆動周波数調整を行なう方式に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の超音波レベル計の一例を示
す図である。駆動回路10は、トランスTを介し数十K
Hzの駆動周波数fdで1KVP-P〜2KVP-P程度のパル
ス列駆動信号を出力する。超音波送受信器(圧電素子が
使用される例が多いため、以後圧電素子という)20
は、ダイオード回路D経由のこの駆動信号に応じて超音
波信号を送信すると共に反射した超音波を受信するセン
サとして働くもので、例えばPZT等が用いられる。
【0003】受信回路30は、圧電素子で受信したダイ
オード回路D経由の反射波を受信する。信号処理回路3
2は、受信信号のエンベロープがしきい値電圧Vthと交
差する点をもって受信位置とみなし、送信から受信まで
の経過時間と音速から被反射物体までの距離を演算す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波レベ
ル計では次のような課題があった。従来の前記駆動周波
数fdは送受信において最大感度となるような周波数に調
整している。しかしながら、その最大感度は受信信号の
振幅を検出して定めているが、駆動周波数fdを調整して
受信信号の振幅を最大化しようとしても振幅の増減が駆
動周波数fdに対して単調変化でないため、複雑な制御が
必要になるという課題があった。
【0005】また、図5は圧電素子と信号変換器部分と
の間をケーブルで接続する接続例である。駆動回路10
は、圧電素子20を800VP-P程度の高電圧で、しか
も数十KHz程度の周波数で駆動した例である。そのた
め、ケーブルを数百mの長距離ケーブルとした場合は芯
線間の静電容量が20000pFと大きくなり、送受信エ
ネルギーの減衰が顕著になる。
【0006】ケーブル容量は、芯線や絶縁体の変更をも
ってしても、汎用の60[pF/m]を40[pF/
m]程度に下げるのが限界である。そこで、図6に示す
ように、低インピーダンス低圧で送信し、圧電素子20
先端で高電圧に変換して、ケーブル容量による減衰を補
うのが一般的な対策である。
【0007】例えば、巻数比1:5のインピーダンスマ
ッチング用トランス60を用いて圧電素子20を駆動す
る場合、ケーブル間は160Vでよく、そして圧電素子
から見た時のケーブル容量は20000×(n1/n2
2pF、すなわち20000×(1/5)2=800pF
と少なくなる。
【0008】ところが、このような容量対策を行なう
と、今度は感度不足となり圧電素子が最大感度となるよ
うな周波数に調整するのが困難になるという課題があっ
た。
【0009】本発明の目的は、上記の課題を解決するも
ので、圧電素子の残留振動を2相同期積分方式により位
相検出して圧電素子が最大感度となるような駆動周波数
を容易に決定することのできる超音波レベル計を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1の発明では、可変の駆動周波数(f
d)の駆動信号を出力する駆動回路(10)と、この駆
動回路の駆動信号で駆動され超音波を放射する超音波送
受信器(20)と、この超音波送受信器からの信号を受
信する受信回路(30)を有する超音波レベル計であっ
て、前記超音波送受信器を駆動したときの残留振動を測
定し、その測定結果を基に前記駆動周波数(fd)が前記
超音波送受信器の共振点に追尾するように制御する駆動
周波数調整回路(40)を備えたことを特徴とする。
【0011】このような構成よれば、被測定物体からの
反射波ではなく、直接超音波送受信器の残留振動の波形
を検出して、容易に共振点の自動追尾ができる。そし
て、このように適正周波数で駆動できることが感度アッ
プとなることは論を待たないが、この感度アップによ
り、長距離ケーブルの場合も容易に共振点自動追尾が可
能となる。
【0012】この場合、請求項2のように、2相同期積
分回路を用いて受信信号の振幅レベルを求めるようにし
てもよい。このような構成によれば、受信信号の位相が
一定で積分値の移動差微分波形が一定な部分を容易かつ
精度良く検出できる。
【0013】また、請求項3のように、駆動周波数調整
は測定開始時またはレベル計測途中のいずれでも実行す
ることができる。
【0014】また、駆動周波数は任意の周波数ではな
く、請求項4のように、超音波送受信器の共振点近傍の
予め定められた複数の周波数の内の1つを選ぶようにし
てある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明を詳しく
説明する。図1は本発明に係る超音波レベル計の一実施
例を示す構成ブロック図である。なお、図1において前
記図4と同一作用をするものには同一符号を付し、その
説明は省略する。
【0016】受信回路30は、プリアンプA1と、D/
A変換器DACと、メインアンプA2が直列接続された
ものである。プリアンプA1は、駆動回路10の駆動信
号の影響を取り除いて圧電素子20から送られる信号を
読み取る。
【0017】D/A変換器は、デジタル・アナログ変換
処理と共に、プリアンプA1から入力された波形信号に
対して時間経過と共にゲインを上げて行くTVG(Time
Variable Gain)処理も行なう。このTVG処理によ
り超音波信号の時間に比例した(換言すれば、距離に比
例した)減衰を補償して測定することができる。ただ
し、圧電素子の駆動周波数調整時にはTVG処理は行な
わないように構成されている。メインアンプA2は、D
/A変換器DACの信号を受信して適宜に増幅し、その
出力を駆動周波数調整回路40に与えている。
【0018】駆動周波数調整回路40は、駆動周波数の
位相(これを第1の位相と呼ぶ)で同期積分する回路4
2と、この第1の位相とは四半周期離れた第2の位相で
同期積分する回路44と、両同期積分回路の出力から受
信波の振幅の増減を求める振幅演算回路46と、振幅演
算回路46で受信波の振幅が増大するときは駆動周波数
を高め、減少するときは駆動周波数を低める調整回路4
8を有する。
【0019】ここで、第1の位相で同期積分する回路
(これを第1の同期積分回路と呼ぶ)42は、フリップ
フロップ、X位相側スイッチ、X位相積分回路およびA
/D変換器で構成される。第2の位相で同期積分する回
路(これを第2の同期積分回路と呼ぶ)44は、フリッ
プフロップ、Y位相側スイッチ、Y位相積分回路および
A/D変換器で構成される。
【0020】駆動回路10の駆動周波数信号発振器の出
力はフリップフロップに印加される。フリップフロップ
の出力は、トランスを介して圧電素子20に送られると
共に、P出力がX位相側スイッチに印加され、Q出力が
Y位相側スイッチに印加される。P出力とQ出力は、位
相が四半周期ずれたもので、オンオフのデューティ比は
50%になっている。
【0021】X位相積分回路は、X位相側スイッチがオ
ンする周期において反射波を同期積分し、A/D変換す
る。Y位相積分回路は、Y位相側スイッチがオンする周
期において反射波を同期積分し、A/D変換する。
【0022】振幅演算回路46は、第1の同期積分回路
42のA/D変換器出力Xと第2の同期積分回路44の
A/D変換器出力Yから反射波の振幅を求める。更に詳
しく説明すれば、振幅演算回路46では、上記のように
して得た各A/D変換器の時系列データをそれぞれ一旦
記憶手段(図示せず)に記憶し、あらためてそのデータ
についての移動差微分をとる。この移動差微分データか
ら反射波の振幅レベルを求める。
【0023】なお、駆動周波数調整時には、被測定物体
からの反射波ではなく、圧電素子20の残留振動の振動
波そのものを振幅演算回路46で測定する。
【0024】さて、通常のレベル測定時には上記のよう
にして求めた振幅のレベルよりエコー波の到達時間を検
出し、反射面のレベルを算出する。そして、調整回路4
8は、振幅演算回路46で算出した振幅情報から、その
振幅が最大になるように駆動回路10に対して周波数の
調整を行なう。
【0025】このような構成において、圧電素子が最大
感度となるときの駆動周波数fdを求める調整動作につ
いてのみ以下に説明する。
【0026】まず、同期積分の期間およびA/D変換の
時点について説明する。図2は駆動信号、残留振動の説
明図である。圧電素子20は、パルス周波数がfdの、連
続パルス(例えば64パルス)で駆動される。パルス駆
動終了後、圧電素子20には図示のように残留振動が残
る。本発明では、この残留振動を直接受信回路30で受
けて周波数調整を行なう。被測定物体からの反射波を受
信し、それに基いて周波数を調整するのではない。
【0027】この残留振動は時間と共に減衰するが、本
発明では図示のようにパルス駆動が終了して残留振動が
始まった後、圧電素子の実際の駆動周波数と共振点との
差が位相変化として顕著に現れる期間に、同期積分を行
なうようにしている。なお、上記共振点とは、本願発明
では、圧電素子からの信号を積分したとき位相が一定で
積分値の微分波形が一定値であるときをもって、その圧
電素子の共振点としている。
【0028】この同期積分の開始時点をt1、この時点t1
から所定時間後(例えば10セル後。なお、ここでセル
とはA/D変換の変換時間間隔を単位とする時間幅を意
味し、例えば1セルは34.58μSなどである。)の時点
をt2とする。A/D変換器は、t2時点まで連続同期積分
を行なった積分値XおよびYをそれぞれA/D変換す
る。
【0029】上記の積分とA/D変換の操作は、駆動周
波数fdを1ステップずつ変えて繰り返し行なう。駆動周
波数fdは、例えば図3に示すように、初期値f1(=38.86
KHz)から最終値f20(=42.01KHz)まで、0.17K
Hz前後の間隔で20ステップある。
【0030】以下手順を追って説明する。 1)f1からf20まで1ステップずつ駆動周波数を上げて
ゆき、全点のX値を収集する。なお、同期積分とA/D
変換は1つの駆動周波数につき1回だけ行なう。 2)全X値のうちの正のピーク値を検索し、そのピーク
値のときの駆動周波数をfn、X値をXnとおく。
【0031】3)fn=f1の場合は、次のY値を調べるこ
となく駆動周波数fdを下限値の周波数f1とする。 4)fn=f20の場合は、次のY値を調べることなく駆動
周波数fdを上限値の周波数f20とする。
【0032】5)上記3),4)項に該当しない場合
は、次のようにY値を考慮して決定する。 5.1)Xnの位置でYn≧0の場合 f(n+1),f(n+2),f(n+3)と順次駆動周波数を上げ、Y<
0となった時点がf(n+k)であれば、求める駆動周波数fd
をf(n+k+1)とする。 5.2)nが20に近い場合、nを20まで上げても常に
Yn>0の状態が続くときは、駆動周波数fdをf20とす
る。
【0033】5.3)Xnの位置でYn<0場合 f(n-1),f(n-2),f(n-3)と順次周波数を下げ、Y>0と
なった時点がf(n-k)であれば、求める駆動周波数fdをf
(n-k+2)とする。 5.4)nが1に近い場合、nを1まで下げても常にY<
0の状態が続くときは、駆動周波数fdをf1とする。
【0034】以上のようにして、圧電素子が最大感度と
なるような駆動周波数、換言すれば共振点、を自動追尾
することができる。
【0035】なお、上記共振点自動追尾動作は超音波レ
ベル測定開始時のみに限定されない。圧電素子の共振点
は雰囲気温度の変化などにより変化するため計測途中に
おいても共振点自動追尾を行なう必要があり、その場合
には次のような手順により計測途中においても共振点追
尾を行なう。
【0036】6)例えば10分間隔で割り込みをかけ、
共振点自動追尾操作を行なう。このような割り込みは、
例えば駆動周波数調整回路40における演算等にマイク
ロプロセッサを用いている場合には、そのマイクロプロ
セッサの制御により行われる。 7)当該駆動周波数におけるY値の正負を調べ、上記
5)項と同様の操作により新規のfdを定める。
【0037】8)駆動周波数fdがf1に設定されている場
合は、X1(駆動周波数をf1としたときのX値)とX2
(駆動周波数をf2としたときのX値)を収集し、X1>
X2であることを確認する。X1>X2であれば、駆動
周波数fdはf1のままとする。もし、X1≦X2であった
場合は、最適周波数が変化したものと判断して前記1)
からの共振点追尾動作に移る。
【0038】9)駆動周波数fdがf20の限界値に設定さ
れている場合は、X20とX19を収集し、X20>X
19であることを確認する。X20>X19であれば、
駆動周波数fdはf20のままとする。もしX20≦X19
であった場合は、最適周波数が変化したものと判断して
前記1)からの共振点追尾動作に移る。
【0039】なお、以上の説明は、本発明の説明および
例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎな
い。したがって本発明は、上記実施例に限定されること
なく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、
変形をも含むものである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば次の
ような効果がある。 1)2相同期積分回路を利用して圧電素子の残留振動を
検出し駆動周波数を調整するようにしたため、精度よく
残留振動の振幅を検出できると共に高感度で共振点自動
追尾を行なうことができる。
【0041】2)圧電素子と信号変換器部分との間が長
距離ケーブルで接続された状態であっても高感度で共振
点自動追尾を容易に行なうことができる。 3)温度変動等に起因して圧電素子の固有振動数が変動
しても、変動した固有振動数と対応するように駆動周波
数を調整するため、受信回路における反射波の振幅が良
好に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波レベル計の一実施例を示す
構成ブロック図である。
【図2】駆動信号、残留振動の説明図である。
【図3】駆動周波数の設定値一覧である。
【図4】従来の超音波レベル計の一例を示す図である。
【図5】圧電素子と信号変換器部分との間をケーブルで
接続する接続例である。
【図6】圧電素子と信号変換器部分との間をケーブルで
接続する他の接続例である。
【符号の説明】
10 駆動回路 20 圧電素子 30 受信回路 40 駆動周波数調整回路 42 第1の同期積分回路 44 第2の同期積分回路 46 振幅演算回路 48 調整回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可変の駆動周波数(fd)の駆動信号を出力
    する駆動回路(10)と、この駆動回路の駆動信号で駆
    動され超音波を放射する超音波送受信器(20)と、こ
    の超音波送受信器からの信号を受信する受信回路(3
    0)を有する超音波レベル計であって、 前記超音波送受信器を駆動したときの残留振動を測定
    し、その測定結果を基に前記駆動周波数(fd)が前記超
    音波送受信器の共振点に追尾するように制御する駆動周
    波数調整回路(40)を備えたことを特徴とする超音波
    レベル計。
  2. 【請求項2】前記駆動周波数調整回路(40)は、四半
    周期位相がずれた2つの同期積分回路で受信信号を積分
    し、その積分結果を位相差微分して受信信号の振幅レベ
    ルを求める手段を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の超音波レベル計。
  3. 【請求項3】前記駆動周波数調整回路(40)は、測定
    開始時またはレベル計測途中で共振点追尾動作を行なう
    ことができるように構成されたことを特徴とする請求項
    1または2記載の超音波レベル計。
  4. 【請求項4】前記駆動周波数調整回路(40)は、前記
    駆動周波数(fd)を前記超音波送受信器の共振点近傍に
    おいて予め定められたステップ状の周波数の内の1つに
    設定するようにしたことを特徴とする請求項1または2
    または3記載の超音波レベル計。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010071814A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Ricoh Elemex Corp 超音波液面計
KR101146264B1 (ko) * 2010-10-05 2012-05-16 주식회사 코아리버 선형 진동 장치의 최대 진동 주파수를 검출하는 방법 및 그 장치
KR101181659B1 (ko) 2011-03-04 2012-09-19 주식회사 코아리버 소형 진동 장치의 최대 진동 주파수를 검출하는 방법 및 그 장치

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