JP2001116194A - 液化ガス蒸発装置 - Google Patents

液化ガス蒸発装置

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JP2001116194A
JP2001116194A JP29658999A JP29658999A JP2001116194A JP 2001116194 A JP2001116194 A JP 2001116194A JP 29658999 A JP29658999 A JP 29658999A JP 29658999 A JP29658999 A JP 29658999A JP 2001116194 A JP2001116194 A JP 2001116194A
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air
combustion
internal pressure
flow path
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Kazuhiro Oki
和広 大木
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液化ガス蒸発装置において、少ないスペース
とエネルギーで安全に液化ガス液を蒸発させ、周囲にL
Pガスが滞留した場合に接触する恐れのある部分の表面
温度を温度上昇限度以下に維持する。 【解決手段】 燃料ガス流路に介装され通電時にのみ燃
料ガス流路を開いてバーナ112に燃料ガスを送る電磁
弁216,217及び点火用電線333を大気圧を超え
る圧力に加圧可能な内圧容器209に内装し、燃焼ガス
を放出する排気筒152Aを可燃性ガスが滞留する恐れ
のない領域(非危険場所)に開口させ、排気筒152A
の外周を覆って形成され前記非危険場所に開口する吸込
み管207を介して吸込んだ空気を内圧容器209及び
空気室211を経てバーナ112に送給するように構成
し、内圧容器209の内圧が大気圧を越える所定の圧力
以上になって一定時間経過後、電磁弁216,217及
び点火用電線333に通電する制御盤319を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化ガスが燃焼し
た熱を利用して熱媒液を加温し、熱交換器内部のLPG
液を前記加温された熱媒液で加熱し蒸発させる液化ガス
蒸発装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来技術に係る液化ガス蒸発装
置の概略構造図である。従来の液化ガス蒸発装置60
は、熱媒水wを加熱する熱源機61と、液化ガス、たと
えば液化石油ガスの液である液化石油液(「LP液」ま
たは「LPG液」ともいう)Lを熱媒水wで加熱し蒸発
させて液化石油ガス(「LPガス」または「LPG」と
もいう)GpにするLPG蒸発器74とを備えている。
【0003】熱源機61は、LPG液をガス化した燃料
ガスGfを燃料として空気とともに燃焼させ熱媒水wを
加熱するものである。燃料ガスGfは、電磁弁62と調
整器63を介してバーナ65に供給される。バーナ65
には、送風機66によって燃焼用空気が空気室67を介
して供給される。バーナ65の燃焼によって生成された
燃焼ガスGgは周囲の熱媒水wを加熱しつつ排気筒に導
かれ、熱源機外に放出される。温水温度センサ69は、
熱源機の本体61a内の熱媒水wの温度を検知し、その
信号を熱源機制御盤68に入力する。熱源機制御盤68
は、熱媒水wの温度信号を受けて電磁弁62、バーナ6
5および送風機66を制御する。また、熱源機の本体6
1aには、空焚きを防止する空焚き防止器71が設けら
れ、その信号も熱源機制御盤68に入力される。
【0004】LPG蒸発器74は、その蒸発器本体74
a内に熱交換器75を有し、熱交換器75の一方の端の
LP液入口76から流入するLP液Lは、温水循環ポン
プ72によって送られる熱媒水wの熱を受けて蒸発し、
熱交換器75の他方の端のLPガス出口77からLPガ
スGpとして流出する。熱交換器75で熱交換し温度の
低下した熱媒水wは、循環用温水配管73を通って熱源
機61側に戻される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】LPG蒸発器74の周
囲は、異常時にLPガスが滞留する恐れがあるので(破
線で示す危険場所58)、火気・電気の使用は制限を受
ける。また、前記危険場所では、LPガスが滞留したと
きに接触するおそれのある部分の表面温度を、所定の温
度上昇限度以下(LPガスが接触したときに着火源とな
らない温度、通常、250℃以下)に維持する必要があ
る。このため熱源機61は、図2に示すように、LPG
蒸発器74から一定の距離をとって、2点鎖線で示す非
危険場所57に配置されている。したがって、熱媒水w
の循環用温水配管73を熱源機61と蒸発器74との間
に設け、熱媒水wを常時温水循環ポンプ72によって循
環させる。このため、LPG蒸発器74と熱源機61を
別体に分けて配置しなければならず、設置スペースが大
きくなるとともに温水循環ポンプ72の電気代がかか
り、省スペース・省エネルギー性に欠けていた。
【0006】本発明の課題は、液化ガスが燃焼した熱を
利用して熱媒液を加温し、熱交換器内部のLPG液を前
記加温された熱媒液で加熱し蒸発させる液化ガス蒸発装
置において、従来よりも少ないスペースとエネルギーで
安全に液化ガス液を蒸発させるとともに、LPガス蒸発
装置の周囲にLPガスが滞留した場合に接触する恐れの
ある部分の表面温度を温度上昇限度以下(LPガスの着
火温度よりも低い温度)に維持することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】装置の設置スペースを少
なくするためには、上記熱源機61とLPG蒸発器74
を一体型にするのがよい。その為には、火気、電気を使
用する機器の周辺にLPガスや、未燃ガスが滞留した
り、流入したりするのを防止する必要がある。本発明
は、火気、電気を使用する機器、特に電気を使用する機
器を、容器内に収容し、さらにこの容器の内圧を、可燃
性ガスが滞留する恐れのない領域から取込んだ空気で大
気圧以上に維持することにより、それら機器の通電時に
可燃性ガスが該容器内に入り込むのを防止するものであ
る。
【0008】さらに、装置の周囲にLPガスが滞留した
場合に接触する恐れのある部分の表面温度を温度上昇限
度以下に維持するために、バーナが取付けられている燃
焼室外壁を空気室で覆うとともに、燃焼ガスの大気放出
位置をLPガスが滞留する恐れのない場所(非危険場
所)とし、かつ前記LPG蒸発器外の燃焼ガスの流路
(排気筒)の外周を燃焼用空気の通路として、LPガス
が滞留する恐れのある領域で大気と接する部分の表面温
度が、LPガスの着火温度になるのを防止する。
【0009】すなわち、上記課題を解決する本発明の液
化ガス蒸発装置は、燃料ガス流路を経て供給される燃料
ガスと空気供給手段から供給される空気を燃焼させて燃
焼ガスを生成する加熱手段と、前記燃焼ガスを導いて大
気に放出する燃焼ガス流路と、前記加熱手段を配置する
燃焼室を有し該燃焼室で発生する燃焼熱で加熱される熱
媒液を保持する熱媒液槽と、該熱媒液槽内に設けられ前
記熱媒液の熱で液化ガス液を蒸発させる熱交換手段と、
前記燃料ガス流路に介装され通電時にのみ燃料ガス流路
を開として前記加熱手段に燃料ガスを送る燃料ガス流路
開閉手段と、前記燃料ガス流路開閉手段を含む制御機器
が内部に設けられ前記空気供給手段により大気圧を超え
る圧力に加圧することが可能な内圧容器と、該内圧容器
に連通し前記空気を溜めて前記加熱手段に供給する空気
室と、前記熱媒液の温度および前記内圧容器の圧力に基
づいて前記空気供給手段及び前記制御機器を制御する制
御盤とを備えてなり、前記燃焼ガス流路は大気側開口を
LPガスの滞留の恐れのない非危険場所に位置させて配
置され、前記空気供給手段を構成する吸込み空気流路は
前記燃焼ガス流路の前記非危険場所外の部分の外周全体
を覆うように形成され、前記空気供給手段は、前記吸込
み空気流路を介して空気を非危険場所から導入するよう
に構成されている。
【0010】前記制御機器として、燃料ガス流路開閉手
段に加え、バーナに点火するための点火手段である点火
用電線を内圧容器内及び空気室内に配置するようにして
もよい。
【0011】空気供給手段は、非危険場所から吸込んだ
空気を、吸込み空気流路、内圧容器、空気室、加熱手段
を介して(一部、空気室から直接)燃焼室に空気を供給
する。空気供給手段は、空気を空気流路、内圧容器、空
気室、加熱手段を経て燃焼室に導入するので、内圧容器
内に配置された制御機器に通電する前、燃焼室で燃料を
燃焼する前に、予め上記燃焼用空気を内圧容器、空気室
及び燃焼室に供給して、内部に洩れこんだLPガスある
いは内部に残留する未燃焼燃料や未燃焼ガスなどの可燃
性ガスを、可燃性ガスを含まない新たな燃焼用空気で置
き換えることにより、安全に燃焼を開始できる。加熱手
段は、供給される燃料と空気を燃焼室で燃焼させる。熱
媒液槽内に保持される熱媒液は、燃焼室で発生する燃焼
熱で加熱される。熱媒液槽内に設けられる熱交換手段
は、この加熱され昇温された熱媒液の熱で液化ガス液を
蒸発させる。
【0012】ここで、上記非危険場所とは、次のような
場所である。すなわち、 異常時に液化ガスが漏れて滞留する恐れのある本装置
(液化ガス蒸発装置)の周りから離れた清浄な空気のあ
る場所、 本装置が一つの室や仕切り壁で囲まれて設けられる場
合には、その室や仕切り壁の外側の清浄な空気のある場
所、 異常時に漏れる液化ガスが空気より重く、床面近くに
滞留する場合には、床面から離れた高い位置の清浄な空
気のある場所、 その他清浄な空気の得られる場所、である。要する
に、上記非危険場所とは、異常時に漏れる液化ガスを含
む空気を空気供給手段に吸引しない場所である。
【0013】内圧容器は、大気圧を超える圧力に加圧可
能な耐圧性を有し、空気供給手段により空気を供給して
大気圧を超える圧力に加圧することができる。この内圧
容器の内部に上記制御機器を設け、内圧容器に空気を送
って大気圧を超える圧力に加圧することにより、前記制
御機器を防爆型の機器とすることなく、内圧容器の外側
の液化ガスを含む空気が内部に侵入して通電時に爆発す
る危険を防ぐ。また、加熱手段に連通して空気を供給す
る空気室は内圧容器に連通しており、内圧容器に供給さ
れて内圧容器を加圧する空気は空気室に流入する。した
がって、内圧容器を加圧するのに使われた空気は、加熱
手段の燃焼用空気として利用することができ、液化ガス
蒸発装置を小型のものとし、省スペース化を図ることが
できる。空気室はまた、加熱手段が配置された燃焼室の
外面(熱媒液に接する壁面以外の壁面)を覆うように形
成されているから、燃焼によって高温になった壁面が外
気に直接接することがない。空気室には、加熱手段の燃
焼中、常に空気が流れているから空気室の大気に接する
壁面は常に空気で冷却され、前記空気室の大気に接する
壁面は前記温度上昇限度以下に保持される。
【0014】そして、前記内圧容器の圧力が大気圧を超
えたことを確認して、前記制御機器および前記加熱手段
に通電を開始し、該加熱手段に燃焼を行わせる制御装置
を備える。
【0015】制御装置により、内圧容器の圧力が大気圧
を超えたことを確認し、さらに好ましくは内圧容器の圧
力が大気圧を超えてから内圧容器、空気室及び燃焼室の
内部に滞留していた気体を空気供給手段から送りこまれ
る新しい空気で置き換えるのに必要な一定時間を予め決
めておき、この一定時間が経過したことを確認してか
ら、内圧容器に設ける制御機器や加熱手段に通電を開始
し、燃料ガスの加熱手段への送給を開始して燃焼を行わ
せることにより、燃焼を安全に開始させることができ
る。
【0016】熱媒液槽外面から非危険場所までの間、す
なわち非危険場所外の部分では、燃焼ガス流路の外周が
吸込み空気流路で覆われているので、LPガスが滞留す
る恐れのある領域では、燃焼ガス流路の外周面は吸込み
空気流路を介して大気に接する。したがって、直接大気
に接する吸込み空気流路の外周面は、内周側からの輻射
熱を受けても、加熱手段の燃焼中、常に流れている空気
によって冷却され、前記温度上昇限度よりも、十分低い
温度に保持される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液化ガス蒸発
装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】図1は、本発明に係る液化ガス蒸発装置の
実施の形態を示す概略構造図である。本実施の形態の液
化ガス蒸発装置は、LP液を熱媒液(以下、熱媒水とい
う)で加熱してLPガスを発生させるLPG蒸発器10
0と、LPG蒸発器に燃料ガス及び燃焼用空気を供給す
る燃料空気供給部200と、装置の動作を制御する制御
部300とから構成される。
【0019】LPG蒸発器100は、燃料ガスであるL
PガスGfと燃焼用空気Gaを供給されて燃焼させ、燃
焼ガスを生成させる加熱手段としてのバーナ112と、
バーナ112を配置する燃焼室152を有し、この燃焼
室152で発生する燃焼熱で加熱される熱媒水(熱媒
液)wを保持する温水槽(熱媒液槽)151と、この温
水槽151内に設けられ熱媒水wの熱でLP液(液化ガ
ス液)Lを蒸発させてLPガスを発生させる熱交換手段
である熱交換器153と、前記燃焼室152に接続して
配置され前記温水槽151外部の、異常時にLPガスが
滞留する恐れのない非危険場所に開口して燃焼ガスを放
出する排気筒152Aと、を含んで構成されている。バ
ーナ112は、燃焼室152の外壁に形成された開口部
156に装着されている。
【0020】燃料空気供給部200は、非危険場所に吸
込み口208を位置させた吸込み管207と、吸込み管
207に吸込み側を接続して配置された防爆型の送風機
206と、送風機206の吐出側に接続して配置された
大気圧を超える圧力に加圧可能な内圧容器209と、こ
の内圧容器209に連通するとともに前記温水槽151
壁面をその壁面の一部として配置され、燃焼用空気Ga
を溜めてバーナ112に供給(一部の空気は直接燃焼室
に供給される)する空気室211と、前記内圧容器20
9の壁面を貫通して配置され、内圧容器209内で電磁
弁216、217を順に介装した供給管215と、供給
管215の下流端に入り側を接続された燃料流量調整手
段である燃料ガス調整器218と、上流端を燃料ガス調
整器218の出側に接続し、前記空気室211の壁面を
貫通して配置され下流端を前記バーナ112に接続した
バーナ配管215Dと、を含んで構成されている。
【0021】前記空気室211は、燃焼室152の、前
記バーナ112が配置された開口部156が形成された
外壁面を覆うように形成され、前記バーナ配管215D
が貫通している壁を介して内圧容器209に隣接してい
る。
【0022】燃料ガス流路は、供給管215及びバーナ
配管215Dで構成されている。吸込み管207と送風
機206で空気供給手段が構成されている。燃料ガス流
路開閉手段である電磁弁216、電磁弁217は、いず
れも通電時開の開閉2位置電磁弁である。
【0023】前記排気筒152Aと吸込み管207は二
重管で構成され、排気筒152Aが内筒、吸込み管20
7が外筒となっている。内筒、外筒はいずれも非危険場
所で大気に開口しており、内筒の開口と外筒の開口(吸
込み口208)は、内筒から放出された燃焼ガスが吸込
み口208から吸い込まれないよう、十分な間隔をおい
て配置されている。また、外筒は、温水槽151の外面
から前記非危険場所で開口している吸込み口208の間
の内筒の全長に亙って内筒外周をを覆っている。送風機
206の吸込み側は、前記吸込み管207、すなわち前
記二重管の外筒に接続されている。
【0024】制御部300は、温水槽151に設けられ
て熱媒水Wの温度を検出し、温度信号として出力する温
度センサ323と、同じく温水槽151に設けられた過
熱防止器331と、同じく温水槽151に設けられて熱
媒水Wの水位を検出し、水位信号として出力する水位検
出器332と、前記内圧容器209内及び空気室211
内を通って配線され前記バーナ112に接続された点火
手段である点火用電線333と、前記内圧容器209に
取付けられて内圧容器209の内圧(すなわち燃焼用空
気の圧力)を検出して圧力信号として出力する圧力スイ
ッチ334と、前記温度センサ323、過熱防止器33
1、水位検出器332、圧力スイッチ334、点火用電
線333、送風機206、電磁弁216、217に接続
され、前記温度センサ323、過熱防止器331、水位
検出器332、圧力スイッチ334の出力に基づいて点
火用電線333への通電、送風機206、電磁弁21
6、217の動作を制御する制御盤319と、制御盤3
19に接続され、非危険場所に配置されて運転状態や警
報を表示する表示盤335と、を含んで構成されてい
る。
【0025】前記電磁弁216、217および点火用電
線333をまとめて制御機器と呼ぶ。制御盤319と各
機器を接続する配線は防爆配線(各機器の黒印)として
ある。
【0026】ここで、送風機206は、吸い込み管20
7の吸い込み口208から、非危険場所の空気を吸込み
内圧容器209に吐出する。内圧容器209に吐出され
た空気は、空気室211を経て燃焼用空気Gaとしてバ
ーナ112に供給される。また、LPガスGfは、供給
管215、電磁弁216,217,燃料ガス調整器21
8、バーナ配管215Dを経てバーナ112に供給され
る。そして、バーナ112は、供給されるLPガスGf
と燃焼用空気Gaとを燃焼室152に噴射し燃焼させ、
発生する燃焼ガスGgは排気筒152Aを経て大気に排
気される。バーナ112に供給されるLPガスGfは、
電磁弁216,電磁弁217で流路が開閉され,燃料ガ
ス調整器218で流量調整が行われる。
【0027】温水槽151内に設けられる熱交換器15
3は、LP液入口154から流入したLP液Lを熱交換
器153の中を流通させる間に熱媒水wから熱を受けて
蒸発させ、熱交換器153のLPガス出口155からL
PガスGpとして流出させる。
【0028】上記構造を有する本実施の形態の液化ガス
蒸発装置は、次のように動作する。制御盤319に装置
の起動が指示されると、水位検出器332の出力が所定
の水位以上であるかどうかが確認され、所定の水位以下
であると、表示盤335に警報が表示され、水位が所定
の水位になるまで、あるいは別の指示が入力されるま
で、装置の動作は停止される。検出された水位が所定の
水位以上であれば、熱媒水wの温度が、温度センサ32
3によって検出される。検出値が第1の設定温度以下で
あれば、制御盤319はバーナ112を燃焼させるよう
に制御する。この際、先ず送風機206が駆動され、非
危険場所の吸込み口208から取込まれた燃焼用空気G
aが吸込み管207、内圧容器209、空気室211を
介してバーナ112に供給され、燃焼室152に流入す
る。吸い込み管207の吸い込み口208は非危険場所
に開口し、送風機206により空気室211に圧送され
る燃焼用空気Gaは、この非危険場所から導入される、
可燃性ガスを含まない空気である。
【0029】制御盤319は、送風機206の運転開始
後、内圧容器209に設けられた圧力スイッチ334に
より、内圧容器209の圧力が大気圧+ΔP(大気圧を
超える所定の圧力)以上であることが確認されたとき、
好ましくは内圧容器209の圧力が大気圧を超える所定
の圧力以上に予め決められた一定時間以上保持されたと
き、バーナ112に点火する制御を行う。
【0030】ここで、ΔPの概略値は、たとえば5mm
H2O(50Pa)程度である。圧力スイッチ334に
より内圧容器209の空気圧力が大気圧+ΔP以上であ
ること、好ましくは、内圧容器209の空気圧力が大気
圧+ΔP以上で一定時間保持されたことが圧力スイッチ
334により確認されると、燃焼室152内に残ってい
た燃焼ガスや未燃の可燃性ガスは燃焼用空気Gaにより
置換されたと判断され、制御盤319は電磁弁216,
217に通電して電磁弁216,217を開きバーナ1
12に燃料ガスを供給するとともに、点火用電線333
に通電してバーナ112から噴出されるLPガスに着火
する。
【0031】バーナ112の燃焼により発生する燃焼ガ
スGgは熱媒水wと熱交換したあと、排気筒152Aか
ら排気され、大気に放出される。排気筒(すなわち二重
管の内筒)152Aの外周壁面は、内部を流れる燃焼ガ
スによって加熱されて温度が高くなるが、その外周側が
外筒で覆われた燃焼空気の流路(吸込み管207)にな
っているため、直接外気に接するのは外筒表面であり、
外筒表面はバーナ112の燃焼中、常に内部を流れる燃
焼用空気にさらされているため、温度が前記温度上昇限
度以上になることはない。一方、外筒(すなわち吸込み
管207)を流れる空気は、内筒外面の熱により加熱さ
れ、昇温されてバーナ112に送りこまれるから、燃焼
ガスの熱が回収されて有効に活用され、燃焼効率の向上
をもたらして省エネルギーの効果がある。
【0032】温度センサ323によって検出された熱媒
水wの温度が前記第1の温度より高い第2の設定温度以
上であれば、制御盤319はバーナ112の燃焼を停止
させるように制御する。この際、先ず電磁弁216、2
17への通電が停止されて燃料ガスの供給が断たれ、次
いで所定時間経過後(燃焼室掃気後)、送風機206が
停止される。
【0033】制御盤319は、所定の時間間隔で前記温
度センサ323の出力をチェックして熱媒水の温度が前
記第1の温度と第2の温度の間に維持されるように制御
する。第1の温度と第2の温度の設定値は、LPガスの
負荷の大きさに応じて変えるようにしてもよい。
【0034】また、何らかの原因により危険場所にLP
ガスが滞留しても、送風機206は、非危険場所から燃
焼用空気Gaを取込むので、内圧容器209、空気室2
11、および燃焼室152に前記滞留したLPガスが流
入することは無く、また、これら各室内部の圧力も送風
機運転中は大気圧を超える圧力であるため、内圧容器2
09の周囲に滞留LPガスがあっても、その滞留LPガ
スが内圧容器209に侵入することはない。そして、内
圧容器209内の電気機器に通電中は、常に送風機20
6の送風により内圧容器209内の圧力は大気圧よりも
高く維持されているから、周囲の可燃性ガスが内圧容器
内に入り込むことはなく、それら電気機器の爆発に対す
る安全性は常に確保されている。なお、制御機器の電気
部品は防爆配線(図の各黒印)される。また、送風機を
非危険場所に置いて送風すれば送風機への配線を防爆配
線にする必要がなくなる。
【0035】制御盤319は、装置起動時(燃焼開始
時)、内圧容器9の圧力が大気圧を超えたこと、さらに
好ましくは、内圧容器9の圧力が大気圧を超えた状態が
予め決められた一定時間経過したこと、すなわち内圧容
器209、空気室211及び燃焼室152の掃気完了を
確認して、電磁弁216、217および点火用電線33
3に通電を開始し、バーナ112に燃焼を行わせる。し
たがって、内圧容器209内の電気機器は防爆型電磁弁
などを使用することなく安全性が確保される。ただし、
送風機206、温度センサ323、過熱防止器331、
圧力スイッチ334、制御盤319などは防爆型とする
必要がある。
【0036】また、装置の運転停止中(送風機の運転停
止中)に何らかの原因によって、内圧容器209内にL
Pガスが侵入しても、バーナ112の燃焼が開始される
ときは、非危険場所から導入される清浄な(LPガスな
どの可燃性ガスを含まない)燃焼用空気Gaによって内
圧容器209、空気室211、及び燃焼室152が掃気
されてから、内圧容器9内の電気機器に通電が開始さ
れ、バーナ112への着火が行われるため、危険性はな
い。また、何らかの原因で内圧容器209内の圧力が降
下すると、制御盤319は内圧容器209内の機器への
通電を停止するから、電磁弁216,217が閉じて燃
料ガス(LPガス)のバーナ112への送給が停止さ
れ、バーナ112は消火する。
【0037】燃料ガス(LPガス)の制御は、LPガス
の流路の開閉を行う電磁弁216,217と、LPガス
の流量調整を行う燃料ガス調整器218によって行われ
る。
【0038】上記実施の形態の液化ガス蒸発装置によれ
ば、次のa〜fの効果がある。
【0039】a.従来の液化ガス蒸発装置(図2)におけ
る熱源機61とLPG蒸発器74を結合して一体化した
形となるので設置スペースが少なくて済み、熱源機61
とLPG蒸発器74の一体化により温水循環ポンプ72
と循環用温水配管73が不要となる。
【0040】b.従来の液化ガス蒸発装置(図2)におけ
る温水循環ポンプ72の電力が不要になり、かつ循環用
温水配管73もないので放熱もなく省エネルギーの効果
がある。
【0041】c. 熱源機61とLPG蒸発器74の一
体化により設置工事が簡単となり、温水循環ポンプ7
2、循環用温水配管73に伴う工事が不要となり、設置
工事性が向上する。また、排気筒152A、吸込み管2
07が二重管で構成されているから、それらを別々に導
設するよりも工事が簡便になり、工事費が低減される。
【0042】d.LP液を蒸発させてLPガスを生成す
る熱交換器に近接した位置にバーナ112、電磁弁21
6、217を設置しても、漏洩ガスによる爆発に対して
安全性を確保できる。
【0043】e.高温になる恐れのある排気筒の外周に
燃焼用空気の流路を配置したので、排気筒の外周が直
接、大気に接触することがなくなり、異常時に装置周辺
にLPガスが滞留しても、そのガスの着火源となるよう
な温度になる部分がなくなる。同時に、燃焼用空気が燃
焼ガスと熱交換して昇温されるので、燃焼効率が上昇
し、省エネルギーの効果がある。上昇する燃焼効率は吸
込み管の長さによって異なるが、平均して5%程度の効
率上昇が期待できる。
【0044】f.燃焼室152の、バーナ112が装着
される開口部156が設けられている外壁面を覆うよう
に空気室211が形成、配置され、前記外壁面が直接、
大気に接触することがなくなり、異常時に装置周辺にL
Pガスが滞留しても、そのガスの着火源となるような温
度になる部分がなくなる。
【0045】次に、上記液化ガス蒸発装置の実施の形態
の運転方法について、図1を利用して説明する。本実施
の形態の液化ガス蒸発装置では、起動時(燃焼開始
時)、非危険場所から導入する燃焼用空気Gaを内圧容
器209、空気室211を経て燃焼室152に流入さ
せ、内圧容器209の空気圧力が大気圧を超えたこと、
好ましくは大気圧を越える状態が所定の時間継続したこ
とを確認して、バーナの燃焼を開始させる。ここで、非
危険場所は、先に述べた〜の場所である。
【0046】燃焼用燃料Gfと燃焼用空気Gaを燃焼室
52で燃焼させて、その発生する燃焼熱により熱媒液w
を加熱し、加熱された熱媒液wの熱で熱交換器153に
供給される液化ガス液Lを蒸発させる。この際、非危険
場所から燃焼用空気Gaを導入し内圧容器209、空気
室211を経て燃焼室152に流す。供給される燃焼用
空気Gaは、内圧容器209、空気室211及び燃焼室
52に残留している気体を掃気し、新たな空気で内圧容
器209、空気室211及び燃焼室152を満たす。こ
の内圧容器209の空気圧力が大気圧よりも高い所定の
圧力を超えたことを確認し、好ましくは、内圧容器20
9の空気圧力が大気圧よりも高い所定の圧力を超えて予
め決められた一定時間経過したことを確認し、燃焼を開
始させることにより、燃焼開始時の安全性を確保するこ
とができる。
【0047】
【発明の効果】本発明の液化ガス蒸発装置によれば、少
ないスペースとエネルギーで安全に液化ガス液を蒸発さ
せ、LPガスを発生させることができるとともに、LP
ガス蒸発装置の周囲にLPガスが滞留した場合に接触す
る恐れのある部分の表面温度を、LPガスが着火する危
険のない、温度上昇限度以下の温度に維持することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液化ガス蒸発装置の実施の形態を
示す概略構造図である。
【図2】従来技術に係る液化ガス蒸発装置の概略構造図
である。
【符号の説明】
100 LPG蒸発器 112 バーナ(加熱手段) 151 温水槽(熱媒液槽) 152 燃焼室 152A 排気筒 153 熱交換器(熱交換手段) 154 LP液入口 155 LPガス出口 156 開口部 200 燃料空気供給部 206 送風機(空気供給手段) 207 吸い込み管(空気供給手段) 208 吸込み口 209 内圧容器 211 空気室 215 供給管 215D バーナ配管 216,217 電磁弁(制御機器) 218 燃料ガス調整器 300 制御装置 319 制御盤 323 温度センサ 331 過熱防止器 332 水位検出器 333 点火用電線(制御機器) 334 圧力スイッチ 335 表示盤 w 熱媒水(熱媒液) L LP液(液化ガス液) Ga 燃焼用空気 Gf 燃料ガス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ガス流路を経て供給される燃料ガス
    と空気供給手段から供給される空気を燃焼させて燃焼ガ
    スを生成する加熱手段と、前記燃焼ガスを導いて大気に
    放出する燃焼ガス流路と、前記加熱手段を配置する燃焼
    室を有し該燃焼室で発生する燃焼熱で加熱される熱媒液
    を保持する熱媒液槽と、該熱媒液槽内に設けられ前記熱
    媒液の熱で液化ガス液を蒸発させる熱交換手段と、前記
    燃料ガス流路に介装され通電時にのみ燃料ガス流路を開
    として前記加熱手段に燃料ガスを送る燃料ガス流路開閉
    手段と、前記燃料ガス流路開閉手段を含む制御機器が内
    部に設けられ前記空気供給手段により大気圧を超える圧
    力に加圧可能な内圧容器と、該内圧容器に連通し前記空
    気を溜めて前記加熱手段に供給する空気室と、前記熱媒
    液の温度及び前記内圧容器の圧力に基づいて前記空気供
    給手段及び前記制御機器を制御する制御盤とを備えてな
    り、前記燃焼ガス流路は大気側開口をLPガスの滞留の
    恐れのない非危険場所に位置させて配置され、前記空気
    供給手段を構成する吸込み空気流路は前記燃焼ガス流路
    の前記非危険場所外の部分の外周全体を覆うように形成
    され、前記空気供給手段は、前記吸込み空気流路を介し
    て空気を非危険場所から導入するように構成されている
    LPガス蒸発装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のLPガス蒸発装置におい
    て、前記制御機器は通電時に前記加熱手段に点火する点
    火手段を含んでいることを特徴とするLPガス蒸発装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のLPガス蒸発装
    置において、前記制御盤は、前記内圧容器の圧力が大気
    圧を越える所定の圧力以上のとき、前記制御機器に通電
    するよう構成されていることを特徴とする液化ガス蒸発
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006029479A1 (en) * 2004-09-17 2006-03-23 John Burton Biocidal treatment device
JP2018126933A (ja) * 2017-02-08 2018-08-16 株式会社カネカ 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置、及び発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法

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