JP2001115638A

JP2001115638A - 床暖房用床構造

Info

Publication number: JP2001115638A
Application number: JP29560099A
Authority: JP
Inventors: Masanao Yamanaka; 政直山中; Sei Aoki; 勢青木; Koichi Negishi; 公一根岸
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1999-10-18
Filing date: 1999-10-18
Publication date: 2001-04-24

Abstract

(57)【要約】【課題】発熱手段の配設を容易とし、床下の構造を簡
素化し、暖房効率を向上させる。【解決手段】床基盤１０上に床下地パネル２０を載置
し、この床下地パネル２０上に発熱手段４を配設すると
ともに、この発熱手段４の上方に仕上材５を設けたもの
であって、中空の樹脂材料からなるパネル本体１の中空
内部に発泡体３を充填して上記床下地パネル２０を構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、床暖房用床構造
に関し、特にコンクリートスラブなどの床基盤上に床下
地パネルを直貼りするタイプの床構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の床暖房用床構造は、図１０に示す
ように、コンクリートスラブ１００上に断熱材１０１を
施工し、断熱材１０１上に金網付きの防湿シート１０２
を敷き、このシート１０２上に温水パイプ１０３を配置
し、これら温水パイプ１０３をモルタル１０４中に埋め
込み、モルタル１０４上に仕上材１０５を施工してい
た。

【０００３】また、木質系材料、例えばパーティクルボ
ードで床下地パネルを形成し、この床下地パネルの表面
に温水パイプを埋め込んだ床構造も知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の温水パイプ埋め
込み式では、施工に時間がかかるとともに、コスト高と
なり、パイプの配設変更もほとんど不可能であった。ま
た、下地材に温水パイプを埋め込んだものでは、木質系
材料であるため熱効率が悪かった。

【０００５】そこで、この発明は、温水パイプの配設が
容易であり、床下の構造も簡素化し、設計変更も簡単に
行なえ、暖房効率も向上させ、低コストで施工できる床
暖房用床構造を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、コンクリートスラブなどの床基盤上に
床下地パネルを載置し、この床下地パネル上に発熱手段
を配設するとともに、この発熱手段上方に仕上材を設け
た床暖房用床構造であって、中空の樹脂材料からなるパ
ネル本体の中空内部に発泡体を充填して上記床下地パネ
ルを構成したものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施例
を図面を参照にして説明する。

【０００８】図１は、この発明の好適な実施例を示し、
コンクリートスラブなどの床基盤１０上に載置される床
下地パネル２０は、樹脂材料をブロー成形した中空のパ
ネル本体１の中空内部で樹脂材料を発泡成形して発泡体
３を充填し、パネル本体１のブロー成形時にその表面に
発熱手段４を配設するための溝２を形成してあるもので
ある。このような床下地パネル２０の上側には直接仕上
材（木質系）５を貼付した。また、溝２の幅を９．５ｍ
ｍとしたとき、発熱手段４としての温水パイプの外径は
１０．３ｍｍとし、温水パイプを強制的に溝２に嵌め込
むようにし、抜け止めを図った。また、温水パイプとし
てはポリブテン製の可撓性を有するパイプが好適に使用
できる。

【０００９】パネル本体１を成形する樹脂材料として
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、Ａ
ＢＳ樹脂などが好適に使用できる。このブロー成形品で
あるパネル本体１の肉厚は、０．２〜７ｍｍ、強度と重
量とのバランスを考慮すると好適には０．５〜４ｍｍと
する。パネル本体１の中空内部への発泡体３の充填は、
パネル本体１をブロー成形すると同時に或いはブロー成
形した後に発泡体の材料を注入して発泡させたりするこ
とができる。発泡体３の材料としては、ポリウレタン、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ＡＢＳ
樹脂等を発泡成形したものが好適に使用できる。この発
泡体３は断熱機能を有する。溝２は、パネル本体１のブ
ロー成形時に成形されるが、この溝２の形状は、図１に
示すものに限定されるものではない。

【００１０】図２に示す実施例では、床下地パネル２０
の上側に捨張材２１を貼付し、この捨張材２１の上に仕
上材５を貼付した例を示し、仕上材５として絨毯のよう
な軟質材を予定している。

【００１１】図３に示す実施例では、床下地パネル２０
の下面、すなわちパネル本体１の下面に複数の凸部６を
形成し、凸部６間に空洞部７を形成したものである。複
数の凸部６は、床下地パネル２０の支持脚となり、空洞
部７は床下空気の通り道となる。

【００１２】図４に示す実施例は、隣り合って敷設され
た床下地パネル２０同士を互いに係合させる手段の一例
を示すものである。すなわち、一方の床下地パネル２０
には係合部８を、他方の床下地パネル２０には被係合部
９を夫々形成し、係合部８と被係合部９とを係合させて
パネル同士が離れるのを防止している。図５及び図６は
係合部８と被係合部９の夫々別の例を示すものである。

【００１３】図７乃至図９は、溝２に配設した発熱手段
４として用いた温水パイプの温水の流れる方向の各例を
夫々示すものである。

【００１４】また図示しないが、補強のための合板や金
属をパネル本体１にインサートすることもできる。さら
に、捨張材や仕上材を取付けるための合板などをパネル
本体１の表面または裏面に成形時にインサートしておく
こともできる。このような合板をパネル本体１の表面側
に設けておけば、仕上材（木質系）５の表面側から合板
に釘を打ちつけて仕上材５を床下地パネル２０に強固に
取付けることができる。

【００１５】実施例１コンクリートスラブ上に厚さ３５ｍｍの床下地パネル２
０を載置し、この床下地パネル２０の溝２に内径７ｍｍ
の温水パイプを配設し、この上に厚さ０.１ｍｍのアル
ミシートを敷き、アルミシート上に直接木質系の仕上材
５（厚さ１２ｍｍ）を敷設した。室内温度及び床下温度
をともに１５℃とした状態において温水パイプに６０℃
の温水を流した。このときの室内放熱量は２３１Ｗ／ｍ
^２、床下放熱量は４５Ｗ／ｍ^２、仕上材５の表面温度は
３８.１℃、床下地パネル２０の下面温度は１９.１℃で
あった。放熱量の効率Ｃを、室内放熱量をＡ、床下放熱
量をＢとしたとき、Ｃ（％）＝［Ａ／（Ａ＋Ｂ）］×１
００となり、この実施例では８３.７％であった。この
効率Ｃが高いものは、室内が速く暖まり、省エネ効果も
あることを意味する。実際に家庭の給湯器から供給され
る熱量は一定であるため、床下放熱量が少ないほど室内
により多くの熱がくることとなり、より速く、より暖か
くなる。

【００１６】実施例２実施例１における仕上材５の替りに、ベニア合板とカー
ペットから成る総厚み１２ｍｍの仕上材を用いた構造
で、温水パイプに５５℃の温水を流した。床下、室内温
度は１５℃に設定した。その結果は、室内放熱量（Ｗ／ｍ^２）２０５床下放熱量（Ｗ／ｍ^２）４０効率（％）８３.７仕上材表面温度（℃）３５.５床下地パネル下面温度（℃）１８.６

【００１７】比較例１図１０に示す従来例の構造とし、モルタル１０４の厚さ
を３５ｍｍ、仕上材１０５の厚さを１２ｍｍ、温水パイ
プ１０３の内径を７ｍｍとした。室内温度、床下（断熱
材１０１の下面）温度はともに１５℃とした。温水パイ
プ１０３に６０℃と５５℃の温水を流したときの放熱量
などは以下の通りの結果となった。

【００１８】

【表１】

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、コンクリートスラブなどの床基盤上に床下地パネル
を載置し、この床下地パネル上に発熱手段を配設すると
ともに、この発熱手段上方に仕上材を設けた床暖房用床
構造であって、中空の樹脂材料からなるパネル本体の中
空内部に発泡体を充填して床下地パネルを構成したの
で、この床下地パネルは従来の木質系のものに比べては
るかに断熱効果が高く、暖房効率も向上する。床下地パ
ネルの断熱効果が高いということは、パネル下の放熱量
が低く、そのため床表面が速く暖まり、省エネ効果も高
いものとなる。また、床下地パネルは床基盤上に敷いて
いくだけでよく、発熱手段をこの床下地パネル上に配設
するので、施工が容易となる。また、床下地パネルのパ
ネル本体下面に凸部を形成したものにあっては、凸部が
パネル本体全体の補強を図る役目を果すとともに、凸部
間に形成される空洞部により階下への音の伝達を防止す
る機能も果し得る。なお、床基盤面と接する部分にゴム
や樹脂の発泡体等からなる弾性体を設置することで、音
の伝達防止や歩行感をさらに向上させることができる。
また、このパネルは床基盤と接着などで固定しても良
い。

【００２０】隣り合う床下地パネルを係合部と被係合部
とを係合させることで連結した場合、床下地パネルのズ
レを防止することができる。さらに、樹脂材料をブロー
成形した中空のパネル本体の中空内部で樹脂材料を発泡
成形し、パネル本体のブロー成形時にその表面に温水パ
イプを配設するための溝を形成したものでは、この表面
の溝に温水パイプを配設していけば、簡単に床暖房を構
築できる。また、温水パイプの配設の変更も容易に行な
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の好適な実施例を示す断面図。

【図２】他の実施例を示す断面図。

【図３】床下地パネルの下面に凸部を設けた実施例の断
面図。

【図４】床下地パネル同士の連結手段の一例を示す断面
図。

【図５】連結手段の一例を示す斜視図。

【図６】連結手段の他の例を示す斜視図。

【図７】温水パイプの温水の流れの一例を示す平面図。

【図８】温水の流れの他の例を示す平面図。

【図９】温水の流れのさらに別の例を示す平面図。

【図１０】従来の床暖房構造の一例を示す断面斜視図。

【符号の説明】

１パネル本体２溝３発泡体４発熱手段５仕上材１０床基盤２０床下地パネル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】コンクリートスラブなどの床基盤上に床
下地パネルを載置し、この床下地パネル上に発熱手段を
配設するとともに、この発熱手段上方に仕上材を設けた
床暖房用床構造であって、中空の樹脂材料からなるパネル本体の中空内部に発泡体
を充填して上記床下地パネルを構成したことを特徴とす
る床暖房用床構造。
【請求項２】床下地パネルのパネル本体下面に複数の
凸部を形成したことを特徴とする請求項１に記載の床暖
房用床構造。
【請求項３】互いに隣り合う床下地パネルの一方に係
合部、他方にこの係合部に係合される被係合部を形成し
たことを特徴とする請求項２又は３に記載の床暖房用床
構造。
【請求項４】床下地パネルのパネル本体をブロー成形
するときにその表面に発熱手段としての温水パイプを配
設するための溝を形成したことを特徴とする請求項１な
いし３のいずれか１項に記載の床暖房用床構造。