JP2001114993A - リン含有エポキシ樹脂の製造方法及びリン含有エポキシ樹脂 - Google Patents

リン含有エポキシ樹脂の製造方法及びリン含有エポキシ樹脂

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JP2001114993A
JP2001114993A JP30062599A JP30062599A JP2001114993A JP 2001114993 A JP2001114993 A JP 2001114993A JP 30062599 A JP30062599 A JP 30062599A JP 30062599 A JP30062599 A JP 30062599A JP 2001114993 A JP2001114993 A JP 2001114993A
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Yuei Yamazaki
勇英 山▲崎▼
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分子内に少なくとも1個のP−H結合を有する
リン化合物をエポキシ樹脂骨格に効率よく組み込み、し
かも、エポキシ基の3次元架橋等の副反応を抑制して、
難燃性に優れたリン含有エポキシ樹脂を製造する方法を
提供する。 【解決手段】分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有
するエポキシ樹脂と、分子内に少なくとも1個のP−H
結合を有するリン化合物とを反応触媒の存在下で反応さ
せてなるリン含有エポキシ樹脂の製造方法であって、該
エポキシ基の該P−H結合に対する当量比(エポキシ基
/P−H結合)は、 (エポキシ基/P−H結合)>1 の関係を満たすものであり、該反応触媒は、亜鉛の有機
酸塩を必須成分として含有するリン含有エポキシ樹脂の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン含有エポキシ
樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、熱的、電気的、機械的
特性等の基本性能に優れた硬化物を与えるものである。
また、エポキシ樹脂に難燃性が付与されたものは、プリ
ント基板等の積層板、成形物、封止材、注型材、接着
剤、電気絶縁塗料、車両、船舶、航空機、建材、ハウジ
ング類等の難燃性が要求される様々な用途に広く用いる
ことができる。
【0003】エポキシ樹脂に難燃性を付与するため、例
えば、プリント基板等の分野では、通常、臭素原子等か
らなるハロゲン基を導入することが行われている。しか
しながら、ハロゲン原子を多く含んだエポキシ樹脂は、
確実な難燃性は獲得できるものの、不要となった後に廃
棄するときに環境を汚染してしまうおそれがあるため、
昨今の環境問題への意識の高まりから、ノンハロゲン系
難燃性エポキシ樹脂やその組成物が求められている。
【0004】ノンハロゲン系難燃性エポキシ樹脂組成物
として、トリフェニルホスフィン等のリン化合物を難燃
剤として含むものが有望視されている。しかしながら、
一般に、このようなリン化合物は、樹脂組成物に単に添
加することにより用いられるので、成形時や経時的に、
難燃剤がブリードすることで均一な難燃効果が得られな
いおそれがあり、更にまた、硬化物の熱的、電気的、機
械的特性等が低下するおそれがあった。そこで、これら
の問題点を解決するために、リン原子が樹脂骨格に組み
込まれたものの開発が求められている。
【0005】特開平11−166035号公報には、硬
化性エポキシ樹脂中にエポキシ樹脂としてノボラック型
エポキシ樹脂を20重量%以上含有し、下記一般式
(1);
【0006】
【化1】
【0007】(Rは、同一若しくは異なって、水素原
子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)で表されるリン化
合物をリン原子の含有量が0.8〜8重量%となるよう
に反応してなるリン含有エポキシ樹脂組成物が開示され
ている。この樹脂組成物は、それに含まれるリン含有エ
ポキシ樹脂の樹脂骨格に一般式(1)で表されるリン化
合物を組み込み、エポキシ樹脂用硬化剤により硬化し
て、リン化合物がブリードするおそれがない硬化物を形
成するものである。
【0008】しかしながら、リン含有エポキシ樹脂を得
るためのP−H結合とエポキシ基との反応では、通常、
125℃以上の反応温度が必要であるため、エポキシ基
の3次元架橋等による副反応が起こる可能性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、分子内に少なくとも1個の
P−H結合を有するリン化合物をエポキシ樹脂骨格に効
率よく組み込み、しかも、エポキシ基の3次元架橋等の
副反応を抑制して、難燃性に優れたリン含有エポキシ樹
脂を製造する方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子内に少な
くとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、分子
内に少なくとも1個のP−H結合を有するリン化合物と
を反応触媒の存在下で反応させてなるリン含有エポキシ
樹脂の製造方法であって、上記エポキシ基の上記P−H
結合に対する当量比(エポキシ基/P−H結合)は、 (エポキシ基/P−H結合)>1 の関係を満たすものであり、上記反応触媒は、亜鉛の有
機酸塩を必須成分として含有するリン含有エポキシ樹脂
の製造方法である。本発明はまた、上記リン含有エポキ
シ樹脂の製造方法により製造されてなるリン含有エポキ
シ樹脂でもある。以下に、本発明を詳述する。
【0011】本発明のリン含有エポキシ樹脂の製造方法
は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポ
キシ樹脂と、分子内に少なくとも1個のP−H結合を有
するリン化合物とを反応触媒の存在下で反応させてな
る。本明細書中において、エポキシ基とは、エポキシ環
を1個含有する基を意味する。上記エポキシ樹脂の分子
内に存在するエポキシ基は、グリシジル基由来のものも
含まれる。
【0012】上記分子内に少なくとも2個のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂としては特に限定されず、例え
ば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水素
化ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0013】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂及び上
記水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂としては特に限
定されず、例えば、エピクロルヒドリンやメチルエピク
ロルヒドリンと、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS等との反応により得られるグリシ
ジルエーテル型のエポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS等のアルキレンオキ
サイド付加物と、エピクロルヒドリンやメチルエピクロ
ルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂;これ
らの水素化物等が挙げられる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0014】上記ノボラック型エポキシ樹脂及び上記水
素化ノボラック型エポキシ樹脂としては特に限定され
ず、例えば、フェノールノボラックやクレゾールノボラ
ックと、エピクロルヒドリンやメチルエピクロルヒドリ
ンとの反応により得られるエポキシ樹脂;これらの水素
化物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0015】上記分子内に少なくとも1個のP−H結合
を有するリン化合物としては特に限定されず、例えば、
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナントレン−10−オキシド、ジフェニルホスフィンオ
キシド、ジフェニルホスファイト、フェニルホスフィン
酸等が挙げられる。これらの中でも、リン含有エポキシ
樹脂が難燃性に優れたものとなることから、9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン
−10−オキシドが好ましい。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。上記9,10−ジヒ
ドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−1
0−オキシドとしては、市販品として、例えば、HCA
(商品名、三光化学社製)を用いることができる。
【0016】上記分子内に少なくとも2個のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂と、上記分子内に少なくとも1個
のP−H結合を有するリン化合物とを反応触媒の存在下
で反応させるにあたって、上記エポキシ基の上記P−H
結合に対する当量比(エポキシ基/P−H結合)は、 (エポキシ基/P−H結合)>1 の関係を満たすものである。
【0017】上記分子内に少なくとも2個のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂と、上記分子内に少なくとも1個
のP−H結合を有するリン化合物とは、上記エポキシ基
の上記P−H結合に対する当量比(エポキシ基/P−H
結合)が上記の関係を満たすような割合として反応させ
る必要がある。
【0018】本明細書中において、エポキシ基のP−H
結合に対する当量比(エポキシ基/P−H結合)とは、
反応系中における分子内に少なくとも2個のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂、及び、分子内に少なくとも1個
のP−H結合を有するリン化合物において、該エポキシ
基の該P−H結合に対するモル比を意味する。上記エポ
キシ基の上記P−H結合に対する当量比(エポキシ基/
P−H結合)が、1以下であると、エポキシ基とP−H
結合とを充分に反応させた場合に、得られる反応物にお
けるエポキシ基の残存量が少なくなり過ぎるため、リン
含有エポキシ樹脂が充分に硬化しないものとなるおそれ
がある。
【0019】上記エポキシ基の上記P−H結合に対する
当量比(エポキシ基/P−H結合)としては、上記の関
係を満たすものであれば特に限定されず、例えば、1.
25〜20であることが好ましい。1.25未満である
と、反応時間が著しく長くなり、副反応等の起こる可能
性が大きくなる。より好ましくは、2〜10である。
【0020】上記反応触媒は、亜鉛の有機酸塩を必須成
分として含有する。上記亜鉛の有機酸塩としては特に限
定されず、例えば、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、
ラウリル酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、安息香酸亜鉛、サ
リチル酸亜鉛、パラオキシ安息香酸亜鉛、クレソチン酸
亜鉛、2,3−オキシナフトエ酸亜鉛等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。これらの中でも、入手が容易であることから、オク
チル酸亜鉛が好ましい。
【0021】上記亜鉛の有機酸塩の使用量としては特に
限定されず、例えば、反応原料の合計重量に対して、
0.005〜3.0重量%となるように設定することが
好ましい。0.005重量%未満であると、反応が充分
促進されない可能性があり、3.0重量%を超えると、
反応がそれ以上促進されない。より好ましくは、0.0
5〜1.0重量%である。尚、本明細書中において、反
応原料とは、リン含有エポキシ樹脂を形成することとな
る原料を意味する。
【0022】上記反応触媒は、更に、塩基性触媒を含有
することが好ましい。これにより、分子内に少なくとも
1個のP−H結合を有するリン化合物をエポキシ樹脂骨
格に更に効率よく組み込むことができ、しかも、エポキ
シ基の3次元架橋等の副反応が更に抑制されることとな
る。
【0023】上記塩基性触媒としては特に限定されず、
例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等
のアミン類;アミン類の酸付加物;テトラメチルアンモ
ニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムク
ロライド等の第4級アンモニウム塩;アミド類;イミダ
ゾール類;ピリジン類;トリフェニルホスフィン等のホ
スフィン類;テトラブロモホスホニウムブロマイド等の
ホスホニウム塩やスルホニウム塩;スルホン酸類等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0024】上記塩基性触媒の使用量としては特に限定
されず、例えば、反応原料の合計重量に対して、0.0
01〜3.0重量%となるように設定することが好まし
い。より好ましくは、0.01〜1.0重量%である。
上記反応触媒は、上述した亜鉛の有機酸塩や塩基性触媒
の奏する作用を損なわない範囲内で、これら以外の触媒
を含んでもよい。
【0025】上記反応における反応系において、反応時
の発熱等を制御するために溶媒を用いることが好まし
い。また、反応系の雰囲気は、特に限定されない。上記
溶媒としては特に限定されず、例えば、沸点(蒸気圧)
が80℃以上のものが好ましく、キシレン、トルエン、
スチレン、メチルブチルケトン、ブチルセロソルブ、エ
チレングリコールジエチルエーテル、ブチルセルソルブ
アセテート、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。上記溶剤の使用量としては特に限定されず、
例えば、反応時の反応物の粘度や反応時の発熱の制御等
を考慮して、適宜設定すればよい。
【0026】上記反応における反応条件としては特に限
定されず、例えば、反応温度を80℃〜125℃に設定
することが好ましい。80℃未満であると、反応が完結
しない可能性があり、125℃を超えると、エポキシ樹
脂の3次元架橋等の副反応が起こる可能性が大きくな
る。より好ましくは、100℃〜120℃である。ま
た、反応時間は、反応を追跡し、終点までの時間を適宜
設定すればよい。
【0027】上記反応の追跡は、反応物中の酸価とし
て、分子内に少なくとも1個のP−H結合を有するリン
化合物の残存量で確認する方法;エポキシ当量の追跡に
より理論エポキシ当量への到達度で確認する方法;液体
クロマトグラフィー等で残存する分子内に少なくとも1
個のP−H結合を有するリン化合物を確認する方法等が
挙げられる。上記反応の終点は、例えば、酸価で確認す
る場合には、反応初期の酸価の1/100以下の値にな
った時点とすればよい。また、エポキシ当量の追跡によ
り確認する場合には、理論エポキシ当量の99%以上に
なった時点とすればよい。
【0028】本発明のリン含有エポキシ樹脂の製造方法
において、リン含有エポキシ樹脂中のリン原子の含有量
としては特に限定されず、例えば、0.7〜10.0重
量%となるように設定することが好ましい。0.7重量
%未満であると、得られるリン含有エポキシ樹脂を硬化
してなる硬化物の難燃性が不充分となる。10.0重量
%を超えると、得られるリン含有エポキシ樹脂を硬化さ
せる際の架橋密度が低下して、硬化物の耐熱性、耐湿性
等が悪くなる。より好ましくは、1.5〜8.0重量%
である。
【0029】本発明のリン含有エポキシ樹脂の製造方法
は、上記エポキシ基の上記P−H結合に対する当量比
(エポキシ基/P−H結合)が、 (エポキシ基/P−H結合)>1 の関係を満たし、分子内に少なくとも1個のP−H結合
を有するリン化合物をエポキシ樹脂骨格に効率よく組み
込み、しかも、エポキシ基の3次元架橋等の副反応を抑
制して、難燃性に優れたリン含有エポキシ樹脂を製造す
ることができるものである。
【0030】本発明のリン含有エポキシ樹脂は、上述し
たリン含有エポキシ樹脂の製造方法により製造されてな
るものである。従って、本発明のリン含有エポキシ樹脂
は、その分子内に存在するエポキシ基によって充分に硬
化させることにより、熱的、電気的、機械的特性等の基
本性能に優れた硬化物を与えることができるものであ
り、しかも、難燃性に優れたものであることから、プリ
ント基板等の積層板、成形物、封止材、注型材、接着
剤、電気絶縁塗料、車両、船舶、航空機、建材、ハウジ
ング類等の難燃性が要求される様々な用途に好適に用い
ることができるものである。
【0031】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。尚、「部」は、「重量部」を示す。
【0032】実施例1 温度計、攪拌機、ガス吹込管、及び、還流冷却管を備え
た四つ口フラスコを反応容器として、分子内に少なくと
も2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としてアラル
ダイトAER250(商品名、平均エポキシ当量185
のビスフェノールA型エポキシ樹脂、旭チバ社製)37
0部、分子内に少なくとも1個のP−H結合を有するリ
ン化合物としてHCA(商品名、9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オ
キサイド、三光化学社製)216部、亜鉛の有機酸塩と
してオクチル酸亜鉛1.6部、及び、溶媒としてキシレ
ン195部を仕込んで、空気気流中で攪拌しながら11
5℃で7時間反応し、酸価が0.3mg/KOHになっ
たことを確認した。また、得られた樹脂の固形分換算の
エポキシ当量は、反応が完結した場合の理論エポキシ当
量586.0g/eqに対して、583.6g/eqで
あり、HCAがエポキシ樹脂と反応して、リン含有エポ
キシ樹脂が生成したことを確認した。
【0033】実施例2 実施例1において、更に、塩基性触媒としてトリフェニ
ルホスフィン1.6部を追加して、空気気流中で攪拌し
ながら115℃で5時間反応し、酸価が0.1mg/K
OH以下になったことを確認した。また、得られた樹脂
の固形分換算のエポキシ当量は、反応が完結した場合の
理論エポキシ当量586.0g/eqに対して、58
5.2g/eqであり、HCAがエポキシ樹脂と反応し
て、リン含有エポキシ樹脂が生成したことを確認した。
【0034】実施例3 実施例1と同様の反応容器に、分子内に少なくとも2個
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としてアラルダイト
EPN1179(商品名、平均エポキシ当量174のノ
ボラックフェノール型エポキシ樹脂、旭チバ社製)34
8部、HCA162部、オクチル酸亜鉛1.3部、及
び、キシレン170部を仕込んで、空気気流中で攪拌し
ながら115℃で6時間反応し、酸価が0.1mg/K
OH以下になったことを確認した。また、得られた樹脂
の固形分換算のエポキシ当量は、反応が完結した場合の
理論エポキシ当量408.0g/eqに対して、40
7.6g/eqであり、HCAがエポキシ樹脂と反応し
て、リン含有エポキシ樹脂が生成したことを確認した。
【0035】実施例4 実施例1と同様の反応容器に、分子内に少なくとも2個
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としてアラルダイト
ECN1273(商品名、平均エポキシ当量220のク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、旭チバ社製)44
0部、HCA108部、オクチル酸亜鉛1.4部、及
び、キシレン183部を仕込んで、空気気流中で攪拌し
ながら115℃で6時間反応し、酸価が0.1mg/K
OH以下になったことを確認した。また、得られた樹脂
の固形分換算のエポキシ当量は、反応が完結した場合の
理論エポキシ当量365.3g/eqに対して、36
5.0g/eqであり、HCAがエポキシ樹脂と反応し
て、リン含有エポキシ樹脂が生成したことを確認した。
【0036】実施例5 実施例3において、分子内に少なくとも1個のP−H結
合を有するリン化合物としてHCAの代わりに、ジフェ
ニルホスフィンオキシド152部を仕込んで、同様に空
気気流中で攪拌しながら115℃で5時間反応し、酸価
が0.1mg/KOH以下になったことを確認した。ま
た、得られた樹脂の固形分換算のエポキシ当量は、反応
が完結した場合の理論エポキシ当量400.0g/eq
に対して、399.6g/eqであり、ジフェニルホス
フィンオキシドがエポキシ樹脂と反応して、リン含有エ
ポキシ樹脂が生成したことを確認した。
【0037】実施例6 実施例3において、分子内に少なくとも1個のP−H結
合を有するリン化合物としてHCAの代わりに、ジフェ
ニルホスファイト176部を仕込んで、空気気流中で攪
拌しながら115℃で5時間反応し、酸価が0.1mg
/KOH以下になったことを確認した。また、得られた
樹脂の固形分換算のエポキシ当量は、反応が完結した場
合の理論エポキシ当量419.2g/eqに対して、4
18.8g/eqであり、ジフェニルホスファイトがエ
ポキシ樹脂と反応して、リン含有エポキシ樹脂が生成し
たことを確認した。
【0038】実施例7 実施例3において、亜鉛の有機酸塩としてオクチル酸亜
鉛の代わりに、ラウリル酸亜鉛1.3部を仕込んで、同
様に空気気流中で攪拌しながら115℃で6時間反応
し、酸価が0.1mg/KOH以下になったことを確認
した。また、得られた樹脂の固形分換算のエポキシ当量
は、反応が完結した場合の理論エポキシ当量408.0
g/eqに対して、407.5g/eqであり、HCA
がエポキシ樹脂と反応して、リン含有エポキシ樹脂が生
成したことを確認した。
【0039】比較例1 実施例3において、オクチル酸亜鉛の代わりに、トリフ
ェニルホスフィン1.3部を仕込んで、同様に空気気流
中で攪拌しながら115℃で8時間反応したが、酸価が
51.4mg/KOHで一定となりこれ以上の酸価の低
下は見られなかった。また、得られた樹脂の固形分換算
のエポキシ当量は、反応が完結した場合の理論エポキシ
当量408.0g/eqに対して、272.4g/eq
であり、HCAとエポキシ樹脂の反応が完結していない
ことを確認した。
【0040】比較例2 実施例3において、オクチル酸亜鉛の代わりに、ベンジ
ルジメチルアミン1.3部を仕込んで、同様に空気気流
中で攪拌しながら115℃で8時間反応したが、酸価が
55.7mg/KOHで一定となりこれ以上の酸価の低
下は見られなかった。また、得られた樹脂の固形分換算
のエポキシ当量は、反応が完結した場合の理論エポキシ
当量408.0g/eqに対して、265.0g/eq
であり、HCAとエポキシ樹脂の反応が完結していない
ことを確認した。
【0041】比較例3 実施例3において、オクチル酸亜鉛の代わりに、テトラ
メチルアンモニウムクロライド1.3部を仕込んで、同
様に空気気流中で攪拌しながら115℃で8時間反応し
たが、酸価が52.6mg/KOHで一定となりこれ以
上の酸価の低下は見られなかった。また、得られた樹脂
の固形分換算のエポキシ当量は、反応が完結した場合の
理論エポキシ当量408.0g/eqに対して、27
0.2g/eqであり、HCAとエポキシ樹脂の反応が
完結していないことを確認した。
【0042】
【発明の効果】本発明のリン含有エポキシ樹脂の製造方
法は、上述の構成よりなるので、分子内に少なくとも1
個のP−H結合を有するリン化合物をエポキシ樹脂骨格
に効率よく組み込み、しかも、エポキシ基の3次元架橋
等の副反応を抑制して、プリント基板等の積層板、成形
物、封止材、注型材、接着剤、電気絶縁塗料、車両、船
舶、航空機、建材、ハウジング類等の様々な用途に好適
に用いることができる難燃性に優れたリン含有エポキシ
樹脂を製造することができるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に少なくとも2個のエポキシ基を
    有するエポキシ樹脂と、分子内に少なくとも1個のP−
    H結合を有するリン化合物とを反応触媒の存在下で反応
    させてなるリン含有エポキシ樹脂の製造方法であって、
    該エポキシ基の該P−H結合に対する当量比(エポキシ
    基/P−H結合)は、 (エポキシ基/P−H結合)>1 の関係を満たすものであり、該反応触媒は、亜鉛の有機
    酸塩を必須成分として含有することを特徴とするリン含
    有エポキシ樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記反応触媒は、更に、塩基性触媒を含
    有することを特徴とする請求項1記載のリン含有エポキ
    シ樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のリン含有エポキシ
    樹脂の製造方法により製造されてなることを特徴とする
    リン含有エポキシ樹脂。
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JP30062599A Pending JP2001114993A (ja) 1999-10-22 1999-10-22 リン含有エポキシ樹脂の製造方法及びリン含有エポキシ樹脂

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014055209A (ja) * 2012-09-11 2014-03-27 Fuji Xerox Co Ltd ポリ乳酸、樹脂組成物、および樹脂成形体

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