JP2001114548A - 繊維補強水硬性硬化体 - Google Patents

繊維補強水硬性硬化体

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JP2001114548A
JP2001114548A JP29055499A JP29055499A JP2001114548A JP 2001114548 A JP2001114548 A JP 2001114548A JP 29055499 A JP29055499 A JP 29055499A JP 29055499 A JP29055499 A JP 29055499A JP 2001114548 A JP2001114548 A JP 2001114548A
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cured product
fibers
reinforcing
rupture rate
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Kiyoshi Takizawa
清 滝沢
Tadashi Saito
忠 斉藤
Isao Sone
勲 曽根
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Kuraray Co Ltd
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    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性に優れた水硬性硬化体およびその製
造方法、さらに水硬性材料補強材を提供する。 【解決手段】 補強繊維が配合されてなる水硬性硬化
体であって、耐久試験を施した後の曲げ試験後の破断面
における補強繊維の非破断率が55〜85%である繊維
補強水硬性硬化体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維補強水硬性硬化体
及びその製造方法、さらに水硬性材料補強材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメント、石膏等の水硬性材料の
補強材として繊維を用いることが検討されている。たと
えば、金属繊維、岩石繊維、ガラス繊維、有機繊維等を
用いることが検討されており、該繊維を配合することに
より、水硬性材料硬化体の曲げ強度を向上させることが
検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に曲
げ強度を高めただけでは耐衝撃性、耐久性に優れた硬化
体を得ることはできない。これまで主として水硬性硬化
体の曲げ強度を高めることを目的として様々な検討がな
されており、たとえば、繊維として高強力高弾性率繊維
を用いるとともに、繊維とマトリックス間を強固に接着
させてブリッジング効果を発現させ、その結果、硬化体
を破断しにくくする(曲げ強度を大きくする)方法が提
案されている。しかしながら、かかる方法によれば外部
応力により破断しにくい硬化体が得られるものの、さら
に大きな応力(限界応力)が加わると繊維が一斉に破断
して脆性破壊が生じる傾向がある。従って、耐衝撃性及
び耐久性に優れた硬化体を得るためには曲げ強度を高め
るだけでは不十分であり、硬化体のタフネス、すなわち
硬化体が破断した後の状態にも留意する必要があるので
ある。本発明の目的は、耐衝撃性に優れた水硬性硬化体
およびその製造方法、さらに水硬性材料補強材を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 補強
繊維が配合されてなる水硬性硬化体であって、耐久試験
を施した後の曲げ試験後の破断面における補強繊維の非
破断率が55〜85%である繊維補強水硬性硬化体、
(2) 耐久試験による補強繊維の非破断率増大幅が2
0%以下である(1)に記載の繊維補強水硬性硬化体、
(3) 補強繊維が、繊度0.1〜100dtex、繊維
長1〜50mmであるポリビニルアルコール系繊維であ
る(1)又は(2)に記載の繊維補強水硬性硬化体、
(4) 硬化体が混練成形体である(1)〜(3)のい
ずれかに記載の繊維補強水硬性硬化体、(5) 繊維補
強水硬性硬化体を製造するにあたり、該水硬性硬化体を
構成する材料を用いて供試体を製造し、耐久試験を施し
た後の曲げ試験後の破断面における補強繊維の非破断率
が55〜85%となるような繊維を選択して補強材とす
る繊維補強水硬性硬化体の製造方法、(6) 繊維及び
水硬性材料を用いて供試体を製造し、該供試体に耐久試
験及び曲げ試験を施した際の破断面における非破断率が
55〜85%となる繊維からなる水硬性材料補強材、に
関する。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は、耐久試験後に
曲げ試験を施した際の補強繊維の非破断率(以下、耐久
試験後の非破断率と称する場合がある)を特定の値、具
体的には55〜85%、好適には65%以上80%以下
とすることによって、耐衝撃性等の諸性能に優れた水硬
性硬化体が得られることを見出したものである。かかる
非破断率とすることにより優れた曲げ強度(最大破壊応
力)が得られるとともに、最大破壊応力以上の外部応力
が加わった場合にもひずみを増大させながら応力を吸収
するため脆弱破壊が生じにくい高タフネスの硬化体が得
られる。一方、非破断率が小さすぎる場合、繊維とマト
リックスの接着力が大きいために外部応力が繊維に伝達
されやすく曲げ強力の大きい硬化体が得られやすいもの
の、繊維の自由度が小さく外部応力を吸収できないこと
から、限界応力が加わると繊維が一斉に破断して脆弱破
壊が生じやすくなる。逆に非破断率が大きすぎる場合に
は、繊維とマトリックス間の接着力が不十分であるため
外部応力が繊維に十分に伝達されず、容易に「抜け」が
生じて補強効果が十分に発揮されない。よって、最大破
壊応力(曲げ強力)が小さくなり、またタフネスも十分
に得られなくなる。
【0006】なお、本発明にいう繊維の非破断率とは、
硬化体に曲げ試験を施した際の破断面において、破断し
た繊維の本数と破断することなく「抜け」が生じた繊維
の本数から求められる値、具体的には(非破断繊維の本
数)/(破断繊維の本数+非破断繊維の本数)×100
で示される値であり、実施例に記載の方法により求める
ことができる。一般に曲げ試験により破断する繊維は、
マトリックスとの接着力が相対的に大きいものであり、
逆に「抜け」が生じた繊維はマトリックスとの接着力が
相対的に小さいものである。繊維とマトリックスが同一
であれば、理論上はその接着力は同一となるはずである
が、実際にはマトリックス中に存在する繊維の状態は同
一でなく、直線状(伸び切った状態)で存在する繊維、
塊状(屈曲等が生じた状態)で存在する繊維などその状
態は様々であり、さらに応力の加わる方向に配向してい
るかどうか(繊維の配向方向と応力方向が大きく異なっ
ているかどうか)によって繊維の挙動は大きく異なる。
その上、一般にマトリックスは複数の素材により構成さ
れるため、繊維が骨材に接触しているかどうか、気泡と
どの程度接触しているか等によって繊維とマトリックス
の接着性にバラツキが生じることとなる。
【0007】従って、1種類の繊維を配合している硬化
体であっても、曲げ試験を行った際の繊維に挙動は同一
でなく、「非破断繊維(「抜け」が生じている繊維)」
及び「破断繊維」がともに生じることとなる。本発明は
このような「非破断(抜け)」「破断」状態をコントロ
ールすることによって、耐衝撃性等の諸性能に優れた水
硬性硬化体が得られることを見出したものである。同一
の系で実質的に同一条件で硬化体を製造すれば、その
「非破断」「破断」の傾向が把握できることから、望ま
しい繊維補強材等を容易に選択し、高性能の水硬性硬化
体を効率的に製造できる。
【0008】また本発明は、耐久試験後の非破断率が特
定の値を有していることに特徴がある。すなわち、水硬
性硬化体は、実際には湿熱下、乾熱下、低温下等のあら
ゆる状況におかれることとなるが、かかる環境の変化に
よって硬化体と補強繊維との関係が変化する。たとえば
マトリックスの強度が低下したり、繊維とマトリックス
との界面でマトリックスのミクロ次元での組成及び配置
の変化等が生じてマトリックスと繊維間の接着力が変化
すると考えられる(一般に耐久試験を施すことにより非
破断率が大きくなる傾向がある)。そのため水硬性硬化
体製造当初は好適な非破断率を有している場合であって
も、時間の経過とともに非破断率が変化し、結果的に耐
衝撃性等の性能に劣る成形体となる可能性がある。以上
のことから、水硬性硬化体製造当初の非破断率ではな
く、耐久試験後の硬化体に曲げ試験を行った際の非破断
率に留意することが重要となる。かかる耐久試験を施す
ことにより、硬化体の実質的な性能をより正確に把握で
きる。
【0009】耐久性等の点からは、耐久試験による補強
繊維の非破断率増大幅は20%以下、特に15%以下、
さらに10%以下であるのが好ましい。非破断率増大幅
が小さいものほど乾熱、湿熱等の条件に影響されにくく
高度の耐久性が奏されやすくなる。なお本発明にいう非
破断率増大幅は実施例に記載の方法により求めることが
できる。耐久試験を施すと種々の条件により非破断率が
変化するが、なかでもマトリックスの配合による影響が
大きい。従って、所望の非破断率、非破断率増大率とす
るためにマトリックスの配合をコントロールするのが好
ましい。
【0010】本発明に使用される水硬性材料は特に限定
されず、セッコウ、セッコウスラグ、マグネシア等が挙
げられるが、なかでもセメントが好適に使用される。ポ
ルトランドセメントがその代表的なものであるが、高炉
セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント
等を使用してもよく、これらを併用してもかまわない。
かかる水硬性材料と水の配合比率によって非破断率増大
幅が変化する。たとえば水セメント比が大きいと非破断
率増大幅が大きくなりやすい。これは、繊維とマトリッ
クスの界面の構造が粗くなり、耐久試験により界面剥離
が生じて「抜け」が生じ易くなるためと解せられる。従
って、非破断率増大幅の変化を小さくする点からは水/
セメント(重量比)を0.5以下,特に0.45以下とす
るのが好ましい。
【0011】また、さらに骨材等を配合してもかまわな
い。骨材としては、細骨材としてたとえば川、海、陸の
各砂、破砂、砕石、シリカ、シリカヒューム、高炉スラ
グ、フライアッシュ等が用いられ、粗骨材としてたとえ
ばぐり石や破石などが使用できる。骨材を配合すること
によって非破断率増大幅が大きくなりやすく、特に骨材
の粒径が大きい場合にはその傾向は顕著になる。従っ
て、骨材としては径の小さい骨材を使用するのが好まし
く、具体的には最大径が2mm以下の細骨材を用いるの
が好ましい。もちろん、場合によって粗骨材を用いても
よいが、非破断率増大幅を小さくするために微粒子、た
とえばフライアッシュ、シリカヒューム等を適宜配合す
るのが好ましい。骨材の添加率は5〜30体積%/水硬
性材料とするのが、成形体の機械的性能、非破断率増大
率の縮小等の点で好ましい。
【0012】もちろん、上記以外の添加剤を添加して成
形体を製造してもかまわない。たとえば、水セメント比
を低減させ(非破断率増大幅を低減させ)、ワーカビリ
テイを高めるために、減水剤、高性能減水剤、高性能A
E減水剤、流動化剤、消泡剤等を適宜添加しても構わな
い。また水セメント比を低下させることにより硬化体の
機械的性能も高まることから優れた効果が得られる。さ
らに補強繊維のセメントフレッシュ中での分散性は必ず
しもよくないので、かかる混和剤を添加することにより
繊維の分散性が改善され、補強繊維の補強効果と耐久性
を有効に引出すことができる。非破断率増大幅が小さ
く、機械的性能に優れた成形体を得るための好適な配合
例としては、実施例で得られた硬化体のような配合が挙
げられる。セメント3000〜5000重量部、シリカ
2000〜4000重量部、水1000〜2500重量
部を配合した組成物とするのが好ましく、さらにメチル
セルロース等の添加剤を適宜配合すればよい。より具体
的には、水/セメント(重量比)を0.5以下、特に
0.45以下とするのが好ましく、流動性を確保する点
から0.2以上、特に0.3以上とするのが好ましい。
また、シリカ/セメント(重量比)を0.5〜1.5、
特に0.7〜1.0とするのが好ましい。
【0013】本発明の水硬性成形体を構成する補強繊維
としては、耐久試験後に所望の非破断率を奏する繊維を
選択して用いればよい。任意のマトリックスについて繊
維を配合して供試体に試験を施すことによって、容易に
好適な補強繊維を判別でき、かかる補強繊維を用いるこ
とによって諸性能に優れた硬化体を効率的に製造でき
る。使用できる補強繊維は、マトリックス、配合等によ
り適宜選択すればよいが、軽量で取扱性、機械的性能に
優れていることから有機繊維を用いるのが好ましく、具
体的にはポリオレフィン系繊維(ポリプロピレン系繊
維、ポリエチレン系繊維等)、ポリアミド系繊維(アラ
ミド繊維を包含する)、ポリビニルアルコール系繊維、
アクリル系繊維、ポリベンゾオキサゾール系繊維、ポリ
エステル系繊維、ポリアミド系繊維(アラミド系繊維を
含む)、レーヨン系繊維(ポリノジックレーヨン繊維、
溶剤紡糸レーヨン繊維等)等が挙げられる。もちろん、
複数種の繊維を併用してもかまわない。一般にアクリル
系繊維、レーヨン繊維は非破断率が小さく、ポリオレフ
ィン系繊維、ポリエステル系繊維、アラミド系繊維は非
破断率が大きく、ポリビニルアルコール系繊維やポリア
ミド系繊維(アラミド繊維を除く)はその中間の非破断
率を示す。マトリックスの構成等により補強繊維を選択
すればよく、また繊維の表面を処理することにより非破
断率をコントロールすることもできる。たとえばアクリ
ル系繊維は非破断率が一般に小さいが、繊維の表面をワ
ックス等で処理することによって非破断率が大きくな
り、硬化体のタフネスを顕著に改善できる。
【0014】なかでも機械的性能、耐アルカリ性、耐候
性に優れるポリオレフィン系繊維及び又はポリビニルア
ルコール系繊維、特にポリビニルアルコール系繊維を少
なくとも用いるのが好ましい。場合によっては、エポキ
シ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、酸化ポリエチレン樹
脂、フッ素系化合物等の疎水性物質を付与又はコーテイ
ングしてマトリックスに対する親和性を低減させてもよ
く、疎水基で変性したPVAを表面に付与しても良い。
このとき繊維への付着率が0.1〜10重量%程度とす
るのが好ましい。
【0015】補強繊維の太さ、長さ等はマトリックスと
補強繊維の親和性、骨材の大きさ、配合量等によって適
宜変更すればよい。マトリックスと繊維との親和性が高
すぎる場合(非破断率が小さすぎる場合)には、繊維径
を太くしたり繊維長を短くすることにより接着力を低減
させることができ、逆にマトリックスと繊維との親和性
が小さすぎる場合(非破断率が大きすぎる場合)には繊
維径を細くしたり長くすることによりコントロールでき
る。マトリックス、繊維の種類等にもよるが、一般にマ
トリックスとの接着性の点から10000dtex以下、
特に1000dtex以下、さらに100dtex以下、また
さらに50dtex以下とするのが好ましく、分散性の点
からは0.1dtex以上、特に1dtex以上とするのが好
ましい。また繊維長は1〜50mm程度とするのが好ま
しい。
【0016】補強効果の点からは繊維の機械的性能は高
い方が好ましく、具体的には6cN/dtex以上、さ
らに7cN/dtex以上であるのが好ましい。また強
度を大きくすることにより、繊維は破断しにくくなり
「抜け」やすくなるので、使用する繊維の強度によって
も非破断率を調整できる。また伸度は6.5〜20%で
あるのが好ましい。また同様に繊維伸度も繊維の「抜
け」、「破断」に影響を与え、伸度が大きくなればなる
ほど抜けやすくなり、伸度が小さくなれななるほど破断
しやすくなる。よって繊維強度と同様に繊維の伸度をコ
ントロールすることにより非破断率を調整できる。繊維
の配合量は適宜決定すればよいが、0.1〜5体積%/
成形体とするのが補強効果及び均一分散性の点で一般的
である。
【0017】かかる材料を用いて成形体を製造すればよ
い。本発明の硬化体の製造方法は特に限定されないが、
なかでも混練成形を行った場合に顕著な効果が得られ
る。すなわち、混練成形を行う場合には補強繊維がマト
リックス中に3次元的にランダムに分散されることとな
り繊維の補強効果発現状態はより複雑になる。しかしな
がら、本発明によれば、得られる硬化体の繊維の耐久試
験後の非破断率をコントロールすることによって、曲げ
強度及びタフネスに優れた硬化体を効率的かつ容易に得
ることができる。たとえば非破断率が小さすぎる場合に
は、繊維とマトリックスとの親和性を低減させる(表面
処理を行う、繊維長を短くする等)により容易に所望の
硬化体が得られる。具体的な成形方法は特に限定されな
いが、例えば、吹付成形法、注入成形法、加圧成型法、
振動成型法、振動及び加圧併用成型法、遠心力成型法、
巻取成型法、真空成型法、そして押出成型法等が利用で
きる。勿論、左官材料として塗り付けて得られる物品
(成形体)も本発明に包含される。
【0018】なお本発明にいう混練成形とは、水の存在
する系において泥濘状態にあるマトリックスと繊維を均
一混練した後に、上記のような成形方法により所望の形
状に成形する方法をいい、従来広く行われている抄造法
とは明確に区別されるものである。本発明においては、
固体成分と水を100/15〜100/60程度の重量
比、特に100/15〜100/40で均一混練して得
られる混合物、すなわち抄造法に比して水の割合が小さ
く流動性の低い混合物とした場合であっても優れた効果
が奏される。上記方法により成形し、所望により養生す
ればよい。養生方法及び養生期間は特に限定されず、常
温養生、オートクレーブ養生等所望の方法により行えば
よい。
【0019】本発明の成形体はあらゆる製品とすること
ができ、たとえばスレ−ト板、パイプ類、壁パネル、床
パネル、屋根板、間仕切り、道路舗装、トンネルライニ
ング、法面保護、コンクリ−ト工場製品等のすべてのセ
メント、コンクリ−ト成形物や2次製品に用いることが
できる。また前述したセメント製品に限らずこれら以外
の構造物、建築内外装部材、土木材料に応用使用するこ
ともできる。また左官用モルタルとして使用してもよ
く、機械用基礎、原子炉圧力容器、液化天然ガスの容器
等として用いてもよい。以下更に本発明を実施例でもっ
て説明するが、本発明は実施例により何等限定されるも
のではない。
【0020】
【実施例】[繊度 dtex]得られた繊維状物の一定試
長の重量を測定して見掛け繊度をn=5以上で測定し、
平均値を求めた。なお、一定糸長の重量測定により繊度
が測定できないもの(細デニ−ル繊維)はバイブロスコ
−プにより測定した。
【0021】[繊維強度 cN/dtex、伸度 %]予
め温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間繊
維を放置して調湿したのち、単繊維を試長20cm、引
張速度10cm/分としてインストロン試験機「島津製
作所製オートグラフ」にて繊維強度を測定した。伸度
は、単繊維破断伸度(cm)/把持長(cm)×100
により算出した。なお繊維長が20cmより短い場合
は、そのサンプルの可能な範囲での最大長さを把持長と
して測定することとする。
【0022】[耐久試験]水硬性硬化体を60℃の温水
中に浸して7日間静置し、次いで該硬化体を液中から取
り出して60℃に設定した乾燥機中に7日間放置して加
温乾燥する。上記のような湿潤下7日間放置と乾燥下7
日間放置を併せた14日間を1サイクルとして,4サイ
クル(計56日間)繰り返す試験を耐久試験とした。 [非破断率 %、非破断増大幅 %]硬化体を後述の
[曲げ強度、タフネス]で示すような条件で曲げ試験を
行い、破断面を顕微鏡で観察して「抜け」が生じた繊維
と破断した繊維の数を数え、(非破断繊維の本数)/
(破断繊維の本数+非破断繊維の本数)×100により
求めた。また(耐久試験後の非破断率―耐久試験前の非
破断率)/(耐久試験前の非破断率)×100により非
破断率増大幅を算出した。なお、「耐久試験後の非破断
率」及び「耐久試験後の非破断率」は同じ硬化体を切出
して測定するのが好ましいが、実質的に同じ組成、製造
方法で得られた硬化体を用いて両性能を測定してもかま
わない。 [曲げ強度 MPa、タフネス J]以下の条件で3点
曲げ試験を行い、最大荷重発生時の曲げ応力を曲げ強
度、荷重−たわみ曲線において荷重が60Nに低下する
までの曲線と横軸(たわみ)とで囲まれる部分の面積を
タフネスで示した。 装置 島津オートグラフAG5000−B 試料 幅25mm,厚さ11mm,長さ130mmの大
きさに切り出したもの 試験速度 0.5mm/分 3点曲げスパン 100mm
【0023】[実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例
6]メチルセルロース(信越シリコン製ハイメトローズ
90SH30000)100g、水1600g及び表1
に記載の繊維を所定量混合してスラリーとし、次いで普
通ポルトランドセメント(秩父小野田製 普通ポルトラ
ンドセメント)4000g、シリカ#4000を320
0g、を徐々に添加して、ダルトン攪拌機により混合し
た。これを真空押出し成形して厚さ11mmの板状物を
複数製造し、これを防湿フィルムで密封して20℃の条
件で28日間気体養生を行って成形体を製造した。得ら
れた成形体の性能を表1に示す。なお表中、ビニロンと
して、実施例1においては株式会社クラレ製ポリビニル
アルコール系繊維「RM182」、実施例2においては
株式会社クラレ製ポリビニルアルコール系繊維「RKW
1502」、またアクリルとして実施例3においては東
洋紡績株式会社製アクリル繊維「SKS T−941」
の表面をポリエチレン系ワックスで処理したもの、比較
例3は同「SKS T−941」の表面をポリエチレン
系ワックスで処理していないもの,比較例4は同「SK
S T−912」の表面をポリエチレン系ワックスで処
理していないものを使用した。またPPとしては、比較
例1においては大和紡績株式会社製ポリプロピレン系繊
維「マーキュリーPZL」の2.2dtexタイプ,比較
例2においては同「マーキュリーPZL」の13.2d
texタイプを使用した。
【0024】
【表1】
【0025】耐久性試験後の非破断率が特定の値を示す
成形体は、曲げ強度及び曲げタフネスともに高く、耐衝
撃性、耐震性に優れたものであった。一方、耐久試験後
の非破断率が高すぎるもの(比較例1、2)は、曲げタ
フネスは高いものの曲げ強度が低く、逆に耐久試験後の
非破断率が低すぎるものは曲げ強度は高いものの曲げタ
フネスが低く、いずれも十分な性能を有していなかっ
た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補強繊維が配合されてなる水硬性硬化体
    であって、耐久試験を施した後の曲げ試験後の破断面に
    おける補強繊維の非破断率が55〜85%である繊維補
    強水硬性硬化体。
  2. 【請求項2】 耐久試験による補強繊維の非破断率増大
    幅が20%以下である請求項1に記載の繊維補強水硬性
    硬化体。
  3. 【請求項3】 補強繊維が、繊度0.1〜100dte
    x、繊維長1〜50mmであるポリビニルアルコール系
    繊維である請求項1又は請求項2に記載の繊維補強水硬
    性硬化体。
  4. 【請求項4】 硬化体が混練成形体である請求項1〜3
    のいずれかに記載の繊維補強水硬性硬化体。
  5. 【請求項5】 繊維補強水硬性硬化体を製造するにあた
    り、該水硬性硬化体を構成する材料を用いて供試体を製
    造し、耐久試験を施した後の曲げ試験後の破断面におけ
    る補強繊維の非破断率が55〜85%となるような繊維
    を選択して補強材とする繊維補強水硬性硬化体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 繊維及び水硬性材料を用いて供試体を製
    造し、該供試体に耐久試験及び曲げ試験を施した際の破
    断面における非破断率が55〜85%となる繊維からな
    る水硬性材料補強材。
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