JP2001113500A - 半導体基板上に構造物を有する装置の製造方法 - Google Patents

半導体基板上に構造物を有する装置の製造方法

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JP2001113500A
JP2001113500A JP29283799A JP29283799A JP2001113500A JP 2001113500 A JP2001113500 A JP 2001113500A JP 29283799 A JP29283799 A JP 29283799A JP 29283799 A JP29283799 A JP 29283799A JP 2001113500 A JP2001113500 A JP 2001113500A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂の構造物をアクチュエータの上部にもつ
光スイッチング素子を製造できる方法を提供する。 【解決手段】 アクチュエータ部6あるいは樹脂製の光
学素子部3を形成するときの犠牲層32および34をア
モルファスシリコンにして、光学素子部3、半導体基板
20などに影響を与えないで犠牲層32および34をフ
ッ化ガス48により除去できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CMOS基板上に
スイッチング素子などとして機能する構成物を有する装
置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CMOS基板上にDMD(Deformable M
irror Device または Digital Mirror Device)に製
造する技術がテキサスインスツルメント社に付与された
米国特許5,018,256に記載されている。この米
国特許では、有機系のスペーサを基板上に塗布してUV
硬化させることにより電極、ヒンジおよびビームを形成
し、その有機系のスペーサをプラズマエッチングで除去
することによりヒンジやビームの下に空間を形成するこ
とが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようにしてCMO
S基板上に電気機械的な構成を作り込むことにより、C
MOS基板と電気機械的な構成を一体化することが可能
である。したがって、DMDであればスイッチング速度
が早く、コントラストも大きな映像デバイスなどの装置
を非常にコンパクトに製造することができる。
【0004】紫外線(UV)硬化樹脂のような有機系の
スペーサは、ハンドリングも簡単であり、シリコン製の
CMOS基板と比較しても素材が異なるのでエッチング
による除去も容易である。したがって、半導体基板上に
構造物を作り込む技術として適している。
【0005】しかしながら、本願発明者らは、この技術
では製造可能な装置に限界があることに気が付いた。す
なわち、DMDのように、電極と光反射形のビームなど
から構成されるデバイスでは、CMOS基板上に積層さ
れるのはアルミニウムなどの金属層であり、上記の製造
方法で問題なく製造することができる。これに対し、本
願出願人は、樹脂製の光学素子を静電アクチュエータに
よって駆動することにより光をスイッチング可能な素子
を開発したが、半導体基板上に構成した構造物が樹脂な
ので、スペーサを除去するときに侵食などの影響を受け
てしまい製造が非常に難しくなる。
【0006】そこで、本発明においては、金属の代わり
に、あるいは金属に加えて、樹脂からなる構造物を、C
MOS基板などの半導体基板上に容易に形成できる製造
方法を提供することを目的としている。そして、半導体
基板上に樹脂あるいは樹脂と金属などの組み合わせから
なる構造物を形成することが要求される複合デバイスを
実際に製造および量産することができる製造方法を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては、有機
系のスペーサの代わりに無機系のスペーサを採用するよ
うにしている。すなわち、本発明の製造方法は、集積回
路の形成された半導体基板の上に、少なくとも1つの無
機系の素材からなる犠牲層を挟み、あるいはパターニン
グして少なくとも1つの構造層を形成する工程と、犠牲
層を除去する工程とを有することを特徴としており、こ
れらの工程を有する製造方法により、半導体基板上に構
造物を有する装置を製造するようにしている。無機系の
犠牲層であれば、半導体基板上の構造物となる構造層の
少なくとも1つを有機系の素材からなるものにしても、
その有機系の構造層に影響を与え、あるいは侵食するこ
となく犠牲層をエッチングなどにより除去できる条件を
容易に設定できる。したがって、本発明の製造方法によ
り、半導体基板上に樹脂からなる構造物、あるいは樹脂
と他の素材あるいは部材が組み合わされた構造物を形成
した複合デバイスを実際に製造することが可能となる。
また、有機材料の構造層を光学素子として機能させるこ
とが可能となり、本願出願人が開発した光スイッチング
素子、あるいは空間光変調装置を実際に量産することが
可能となる。
【0008】半導体基板が通常のCMOS基板であれ
ば、半導体基板は酸化物あるいは窒化物の層が最上面に
形成されている。したがって、犠牲層としてはアモルフ
ァスシリコンを用い、フッ化キセノン(FXe)ガスな
どのフッ素系のガスによりドライエッチングすることに
より半導体基板に影響を与えずアモルファスシリコンを
除去できる。また、樹脂により構造層を形成する場合
は、フッ素系の樹脂を採用することにより、アモルファ
スシリコンの犠牲層を除去する際に構造層が侵食などの
影響を受けないようにすることができる。さらに、アモ
ルファスシリコンは200℃程度あるいはそれ以下の温
度でディポジットできるので、半導体基板に構成された
集積回路に影響を与えることもない。また、アルミニウ
ムなどの金属に対しても影響を与えずにアモルファスシ
リコンの犠牲層を除去することができる。
【0009】したがって、本発明の製造方法により、ア
ルミニウムなどの金属による構造物を作り込むことも可
能であり、構造層の少なくとも1部によりアクチュエー
タを形成することができる。バイメタルなどの電動でな
いアクチュエータを作り込むことも可能である。しかし
ながら、CMOSなどの半導体基板に作り込まれた集積
回路によって機能を制御できる静電アクチュエータを備
えた装置が本発明の製造方法を用いるのに適している。
そして、アクチュエータによって駆動される被駆動部を
構造層の他の1部により形成し、さらに、被駆動部を樹
脂製にして光学素子として機能するものとすることによ
り、光スイッチングデバイス、映像デバイス、表示装置
またはこれらを構成する部品を本発明の製造方法で容易
に量産することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明をさ
らに説明する。以下ではエバネセント波結合を用いて光
をスイッチングする素子を、半導体基板上に構造物を有
する装置の例として用い本発明の製造方法を説明する
が、まず、図1ないし図3に基づき、本例の光スイッチ
ング素子の概要について説明する。図1および図2に示
すように、本例の光スイッチング素子10は、単体では
導入された光2を全反射して伝達可能な導光板1と、こ
の導光板1に接近および離反する光学素子部3と、この
光学素子部3を駆動するアクチュエータ部6と、このア
クチュエータ部6を制御する回路が作り込まれた半導体
基板20とを備えている。
【0011】光学素子部3は、導波路としての機能を果
たす導光板1の面(全反射面)1aに密着する面(接触
面または抽出面)3aと、この面3aが全反射面1aに
密着したときに漏れ出たエバネセント波を抽出して内部
で導光板1に対しほほ垂直な方向に反射するV字型の反
射プリズム(マイクロプリズム)4と、このV字型のプ
リズム4を支持するサポート構造5とを備えている。
【0012】アクチュエータ部6は、光学素子部3を静
電駆動できるようになっており、光学素子部3のサポー
ト構造5が機械的に連結された上電極7と、この上電極
7と対峙した下電極8とを備えている。そして、下電極
8と、上電極7のアンカープレート9は半導体基板20
の最上面21に積層されている。上電極7はアンカープ
レート9から上方に伸びた支柱11により支持されてお
り、下電極8と上電極7との間に空間12が形成されて
いる。したがって、上電極7と下電極8に極性の異なる
電圧を加えると上電極7が下方に動き、これに連動して
光学素子部3が導光板1から離れるようになっている。
一方、上電極7は弾性部材としての機能を部分的に備え
ており、上電極7と下電極8に同一極性の電圧が加えら
れると下電極8から上電極7が離れ、上電極7の弾性に
より光学素子部3が導光板1に密着するようになってい
る。
【0013】導光板1には適当な光源から照明光2が略
平行に供給されており、その内部の全ての界面、すなわ
ち、光学素子部(光スイッチング部)3に面した側1a
と、上方の面(出射面)において光が繰り返し全反射
し、導光板1の内部が光線で満たされる。したがって、
この状態で巨視的には照明光2は導光板1の内部に閉じ
込められ、その中を損失なく伝播している。一方、微視
的には、導光板1の全反射している面1aの付近では、
導光板1から光の波長程度のごく僅かな距離だけ、照明
光2が一度漏出し、進路を変えて再び導光板1の内部に
戻るという現象が起きている。このように面1aから漏
出した光を一般にエバネッセント波と呼ぶ。このエバネ
ッセント波は、全反射面1aに光の波長程度またはそれ
以下の距離で他の光学部材を接近させることにより取り
出すことができる。本例の光スイッチング素子10は、
この現象を利用して導光板1を伝達する光を高速で変
調、すなわち、スイッチング(オンオフ)することを目
的としてデザインされている。
【0014】図1は、光スイッチング素子10がオンの
状態を示してある。この状態では、光学素子部3が導光
板1の全反射面1aに接触しているので、光学素子部3
の面3aによりエバネセント波を抽出することができ、
光学素子部3のマイクロプリズム4で抽出した光の角度
を変えている。図2は、光スイッチング素子10がオフ
の状態を示してある。この状態では、上下電極7および
8に極性の異なる電圧が印加して静電力を発生させ、そ
の力により光学素子部3を導光板1から離している。し
たがって、光学素子部3によってエバネセント波は抽出
されず、光2は導光板1の内部から出ない。本例の光ス
イッチング素子10では、上電極7を支持するポスト1
1の近傍に下電極8に向かって凸となるへこみ(ディン
プル)13が形成されており、これがストッパーとなっ
て上下の電極7および8が密着してしまうのを防止して
いる。したがって、本例の光スイッチング素子10は、
アクチュエータ6を構成する電極7および8に供給する
電圧を制御することにより、導光板1の内部を伝達する
光2を外部に取り出したり取り出さなかったりという処
理ができる機能を備えた光変調装置である。
【0015】図3に、アクチュエータ6を構成する上電
極7の平面構成を示してある。アクチュエータ6、およ
びこの上に連結支持されスイッチングを行う光学素子部
3は、単独でも光をスイッチングできるが、1次元ある
いは2次元方向に並べて配置することができる構成にな
っている。特に、これらアクチュエータ6と光学素子部
3の組み合わせである光スイッチング素子10を2次元
にアレイ状に並べて配置することにより、液晶あるいは
DMDと同様の映像デバイス50あるいは画像表示装置
としての機能を果たす装置を提供することができる。そ
して、本例の光スイッチング素子10では、光学素子部
3の移動距離がサブミクロンオーダとなるので、液晶よ
り1桁あるいはそれ以上応答速度の速い画像表示装置を
提供することが可能となる。
【0016】このようなエバネセント波を利用した光ス
イッチング素子10を半導体基板20の上にアレイ状に
並べ、半導体基板20のCMOS回路によって各々の光
スイッチング素子を制御する映像デバイス(光スイッチ
ング素子アレイ)50が検討されている。以下では、図
4ないし図11に基づき、本発明の製造方法を用いて、
上記の光スイッチング素子10を半導体基板20の上に
アレイ状に並べて形成し、映像デバイスあるいは画像表
示装置を製造する様子を説明する。
【0017】図4に示してあるように、CMOSが構成
されている基板20の上面21に第1の構造層となる第
1の電極層(Al膜)31をディポジットする。次に、
その電極層31にパターニング41を行って、下電極8
と、ばねおよび上電極を兼ねた構造のアンカー部分9を
形成する。
【0018】図5に示してあるように、電極層31の上
に犠牲層32をディポジットする。この犠牲層32はア
モルファスシリコンで数十℃から百数十℃でディポジッ
トでき、下に存在する半導体基板20に形成されたCM
OS回路にダメージを与えることがない。その犠牲層3
2にストッパーの役目をするディンプル42を掘り、ま
た、ポストとなる部分をパターニング43する。
【0019】図6に示してあるように、犠牲層32の上
に、ばねと上電極を兼ねた構造7を形成する第2の構造
層となる第2の電極層(Al膜)33をディポジットす
る。さらに、図6には示されていないが、図3に示した
形状となるように電極層33をパターニングする。この
段階でポスト11も形成され、アクチュエータ部6とし
ての構造が半導体基板20の上に形成される。
【0020】次に、このアクチュエータ部6の上にマイ
クロ光学素子部3を形成するプロセスに移行する。ま
ず、図7に示してあるように、第2の電極層33の上に
第1の犠牲層32と同じ物質であるアモルファスシリコ
ンを第2の犠牲層34としてディポジットし、パターニ
ング44する。
【0021】次に、図8に示すように、第2の犠牲層3
4の上に、V型をしたV溝状のパターン(サポート構
造)5を形成するため、第3の構造層となる樹脂35を
塗布する。そして、V溝の型により上記でできたばね層
(第2の電極層)33および第2の犠牲層34の上部に
樹脂からなる構造であるサポート構造5を転写する。こ
の樹脂層35はフッ化系の樹脂である。光重合系の樹脂
を用いればUV照射などにより簡単に硬化させることがで
きる。硬化した後に、転写型をはずし、V溝45の上部
に反射膜46をつける。
【0022】図9に示してあるように、第4の構造層と
なる透明な樹脂36をV溝に成型された樹脂層35に塗
布し、さらにその上から平坦な型を転写してV溝45を
平坦に埋める。この樹脂36はフッ化系の透明な樹脂で
あり、この工程で抽出したエバネセント光を上方に反射
するマイクロプリズム4が形成され、光学素子部3も形
成される。したがって、上記の4層の構造層、すなわ
ち、第1の電極層31、第2の電極層(ばね層)33、
樹脂層35および36により、光学素子部3およびアク
チュエータ部6からなる構造が半導体基板20の上に形
成される。
【0023】次に、半導体基板20の上に積層された部
材および部分で不要なものを除去するプロセスに移行す
る。まず、図10に示すように、映像デバイスあるいは
画像表示装置として本例の光スイッチング素子アレイ5
0を用いる場合に、個々の画素を構成する個々のマイク
ロ光学素子3を分離するため、第2の犠牲層34の上に
積層された樹脂層35および36を垂直方向に犠牲層3
3が現れるまでプラズマエッチングなどにより掘る。そ
して、光学素子部3の間に隙間47を形成して分離す
る。この状態では、まだ、犠牲層は共に除去されていな
い。
【0024】図11に示した工程は、犠牲層32および
34を上記で構成した光学素子3の隙間47をとおして
除去する。ここでは、犠牲層32および34を形成する
アモルファスシリコンをドライエッチングするためにフ
ッ化キセノン(FXe)ガス48が用いられる。光学素
子3を構成している樹脂35および36はフッ化系であ
るので、FXeガスでは侵食されない。これらに対し、
フッ化ガスはシリコンを効率よくエッチングする。一
方、半導体基板の保護膜として最上層21を形成してい
る酸化シリコンに対するエッチング速度は2桁程度小さ
く、最上層21が窒化シリコンの場合はほとんど侵食し
ない。また、Al層もフッ化ガスでは侵食されない。し
たがって、フッ化ガスでエッチングすることにより、半
導体基板20およびその上に構成される樹脂およびアル
ミニウムからなる構造物に影響を与えることなくアモル
ファスシリコンの犠牲層32および34を除去すること
ができる。さらに、フッ化ガスによりドライエッチング
で除去するので、電極間などの狭い隙間なども吸着とい
う問題を起こすことなく完全に犠牲層を除去することが
でき、電極間に駆動用の空間12を確実に形成できる。
したがって、信頼性のあるアクチュエータ部6を実現で
きる。
【0025】このようにして半導体基板20の上にアク
チュエータ部6および光学素子部3が垂直に積み重ねあ
わされた装置が製造され、これと導光板1とを組み合わ
せることにより図1および図2に基づき説明した光スイ
ッチング素子10を提供することができる。したがっ
て、本発明により光スイッチング素子アレイ50を実際
に量産可能な技術を提供することことが可能となり、こ
の光スイッチング素子アレイ50により映像デバイスあ
るいは画像形成装置、さらには光コンピュータ、光プリ
ンタなどの多種多様な装置を提供することが可能とな
る。
【0026】以上のように、本例においては、アモルフ
ァスシリコンを犠牲層として用いることにより、樹脂と
金属(アルミニウム)からなる構造物に対し影響を与え
ずに、また、半導体基板20にも影響を与えずに犠牲層
を除去することができる。したがって、樹脂からなる微
細構造物を簡単に半導体基板の上に構築することができ
るので光学素子あるいはその他の樹脂特有の特性、たと
えば、透過度、硬度などの調整が要求される構造物を半
導体基板に重ねて構築することができる。また、機械的
な動きを行うための空間を含んだ構造も半導体基板の上
に簡単に構築できるので微細構造を伴うアクチュエータ
も簡単に構築することができ、本例のように光学素子と
アクチュエータとを組み合わせた複合的な構造物を半導
体基板上に構築するのにまさに適した製造方法である。
【0027】従来の有機物をスペーサとした製造方法で
は、スペーサを除去するときに樹脂が侵食されてしまう
ので、樹脂を構造物として使用することはほとんど不可
能である。万一、樹脂を使用しようとすると、侵食され
ないように金属などによって樹脂の構造物の面を保護す
る必要がある。したがって、同様の構造を半導体基板上
に実現しようとすると、重ね合わせる層の数が大幅に増
加することになり、工程が複雑で製造コストがアップす
る。また、ピンホールなどが発生しないようにディポジ
ットするための最小厚みを考慮すると、半導体基板上に
形成する構造物のデザインも制限されたものなり、本例
のようなデザインは採用できない可能性が高い。したが
って、本発明の製造方法は、樹脂からなる構造層を備え
た構造部を基板上に成型するのに適した方法であり、工
数も最小限にとどめることができ、また、構造物のデザ
インの自由度も増加するという効果が得られる。
【0028】なお、本例では半導体基板20の最上層2
1の上に構造層をすぐに積層する例を示してあるが、最
上層21の平坦度がそれほど良好でない場合、ピンホー
ルや突起がある可能性がある場合、さらには、基板上に
形成される電極層と、基板内の回路との間に寄生容量な
どが発生する可能性がある場合には、最上層21にさら
に重ねてアモルファスシリコンからなる犠牲層を形成
し、その犠牲層の上に上記のような製造プロセスを施す
ことも可能である。この最上層21を覆う犠牲層もフッ
化ガスにより、半導体基板あるいは上記のプロセスで構
築された構造物に影響を与えることなく取り除かれるの
で、回路などへの影響もない。
【0029】また、本例では、CMOS基板の上に構造
物を構成する例を説明しているが、バイポーラ回路基
板、半導体レーザ基板あるいはその他の半導体基板上に
樹脂製の微細構造物を構築する場合に本発明を適用でき
ることはもちろんである。また、シリコン系の半導体基
板に限らず、ガリウム系などの他の半導体材料からなる
基板上に樹脂を含む構造物を構築する場合であっても、
犠牲層となる適当な無機系の素材と、有機系の構造物用
の樹脂およびエッチングガスを選択することが可能であ
り、本発明を適用して半導体基板上に水平あるいは垂直
な構造物を積み重ねて形成することが可能である。
【0030】さらに、上記では、半導体基板上に静電ア
クチュエータ部と、光学素子部が垂直に積み重ねられた
光スイッチング素子を例に説明しているが、ピエゾ効果
などの他の電気機械的な効果を用いたアクチュエータ部
を構築することももちろん可能である。また、スイッチ
ングする対象はエバネセント波に限定されることはな
く、他の光学系においてスイッチング作用を示す光学素
子アレイも同様に製造することができる。もちろん、ス
イッチングの対象は光に限らず、流体などの他の媒体で
あってもよい。また、上述したように、アクチュエータ
部とスイッチング部の組み合わせに限らず、半導体基板
上に光学素子をダイレクトに積層するような装置、たと
えば、面発光レーザ基板などに対しても本発明を適用す
ることができる。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、集積回路が形成された半導体基板上に構造物を積み
重ねた装置を製造する際に、アモルファスシリコンのよ
うな無機系の素材により犠牲層を形成することにより、
構造物の素材として樹脂を必要とする装置を製造するこ
とが可能となる。したがって、本発明により半導体基板
上に構造物を構築する複合デバイスのデザインの自由度
が増し、さまざまな分野の装置に本発明を適用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる光スイッチング素
子の全体構成を示す断面図であり、オン状態を示す図で
ある。
【図2】図1に示す光スイッチング素子のオフ状態を示
す断面図である。
【図3】図1に示す光スイッチング素子の上部電極の構
造を示す平面図である。
【図4】図1に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、半導体基板の上に第1の電極層を形成
した状態を示す図である。
【図5】図1に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、第1の電極層の上に第1の犠牲層を形
成した状態を示す図である。
【図6】図1に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、第1の犠牲層の上に第2の電極層(ば
ね層)を形成した状態を示す図である。
【図7】図1に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、第2の電極層の上に第2の犠牲層を形
成した状態を示す図である。
【図8】図1に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、第2の犠牲層の上に第1の樹脂層を形
成した状態を示す図である。
【図9】図1に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、第1の樹脂層の上に第2の樹脂層を形
成した状態を示す図である。
【図10】図1に示す光スイッチング素子の製造プロセ
スを示す図であり、樹脂層を分離した状態を示す図であ
る。
【図11】図1に示す光スイッチング素子の製造プロセ
スを示す図であり、犠牲層を除去した状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 導光板 2 照明光 3 光学素子部 4 マイクロプリズム 5 V型のサポート構造 6 アクチュエータ部 7 上電極およびばね構造 8 下電極 9 アンカー 10 光スイッチング素子 11 ポスト(支柱) 12 作動用の空間 13 ディンプル 20 半導体基板 32、34 犠牲層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集積回路の形成された半導体基板の上
    に、少なくとも1つの無機系の素材からなる犠牲層を挟
    み、あるいはパターニングして少なくとも1つの有機系
    素材からなる構造層を形成する工程と、 前記犠牲層を除去する工程とを有する、半導体基板上に
    構造物を有する装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記有機系の構造層
    は光学素子として機能する、半導体基板上に構造物を有
    する装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記半導体基板は酸
    化物あるいは窒化物の層が最上面に形成されており、前
    記犠牲層はアモルファスシリコンからなることを特徴と
    する、半導体基板上に構造物を有する装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記半導体基板はC
    MOS基板である、半導体基板上に構造物を有する装置
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記構造層の少なく
    とも1部によりアクチュエータを形成する、半導体基板
    上に構造物を有する装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記アクチュエータ
    は静電アクチュエータであり、前記構造層の他の1部に
    より該アクチュエータにより駆動される有機系の素材か
    らなる被駆動部を形成する、半導体基板上に構造物を有
    する装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記被駆動部が光学
    素子として機能する、半導体基板上に構造物を有する装
    置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記半導体基板上に
    構造物を有する装置は、光スイッチングデバイス、映像
    デバイス、表示装置またはこれらを構成する部品である
    ことを特徴とする、半導体基板上に構造物を有する装置
    の製造方法。
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