JP2001110717A - ステージ装置およびステージ制御方法並びに露光装置 - Google Patents

ステージ装置およびステージ制御方法並びに露光装置

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JP2001110717A
JP2001110717A JP29168999A JP29168999A JP2001110717A JP 2001110717 A JP2001110717 A JP 2001110717A JP 29168999 A JP29168999 A JP 29168999A JP 29168999 A JP29168999 A JP 29168999A JP 2001110717 A JP2001110717 A JP 2001110717A
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Masato Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステージ本体の移動に伴う反力の影響を抑止
する。 【解決手段】 試料を保持して駆動されるステージ本体
2、5と、ステージ本体2,5の駆動に伴う反力に対抗
する推力を発生する推力発生機構13、46、31、4
8とを備えたステージ装置4、7において、ステージ本
体2、5の作動に要する時間と推力発生機構の作動に要
する時間との時間差に基づいてステージ本体2、5およ
び推力発生機構13、46、31、48の作動タイミン
グを調整する調整装置62を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクや基板等の
試料を保持するステージ本体が移動するステージ装置、
およびこのステージ装置に保持されたマスクと基板とを
用いて露光処理を行う露光装置に関し、特に半導体集積
回路や液晶ディスプレイ等のデバイスを製造する際に、
リソグラフィ工程で用いて好適なステージ装置および露
光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイスの製造工程の
1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレ
チクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パ
ターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガ
ラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用
いられている。
【0003】例えば、半導体デバイス用の露光装置とし
ては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターン
の最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチ
クルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転
写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0004】この縮小投影露光装置としては、レチクル
のパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領
域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の
静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)
や、このステッパを改良したもので、特開平8−166
043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハと
を一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ
上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキ
ャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニン
グ・ステッパ)が知られている。
【0005】これらの縮小投影露光装置においては、ス
テージ装置として、床面に先ず装置の基準になるベース
プレートが設置され、その上に床振動を遮断するための
防振台を介してレチクルステージ、ウエハステージおよ
び投影光学系(投影レンズ)等を支持する本体コラムが
載置されたものが多く用いられている。最近のステージ
装置では、前記防振台として、内圧が制御可能なエアマ
ウント、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを備
え、本体コラム(メインフレーム)に取り付けられた、
例えば6個の加速度計の計測値に基づいて前記ボイスコ
イルモータ等を制御することにより本体コラムの振動を
制御するアクティブ防振台が採用されている。
【0006】ところで、上記のステッパ等は、ウエハ上
のあるショット領域に対する露光の後、他のショット領
域に対して順次露光を繰り返すものであるから、ウエハ
ステージ(ステッパの場合)、あるいはレチクルステー
ジおよびウエハステージ(スキャニング・ステッパの場
合)の加速、減速運動によって生じる反力が本体コラム
の振動要因となって、投影光学系とウエハ等との相対位
置誤差を生じさせ、ウエハ上で設計値と異なる位置にパ
ターンが転写されたり、その位置誤差に振動成分を含む
場合には像ボケ(パターン線幅の増大)を招く原因にな
るという不都合があった。
【0007】従って、係る不都合を抑制するためには、
上記のアクティブ防振台等により本体コラムの振動を十
分に減衰させる必要がある。例えばステッパの場合に
は、ウエハステージが所望の位置に位置決めされ十分に
整定されるのを待ってアライメント動作や露光動作を開
始する必要がある。また、スキャニング・ステッパの場
合には、レチクルステージとウエハステージとの同期整
定を十分に確保した状態で露光を行う必要があった。こ
のため、スループット(生産性)を悪化させる要因とな
っていた。
【0008】そこで、従来、上記のようなアクティブ防
振台では、定盤上をステージ本体が移動する際に定盤に
加わる反力を加速度計により計測し、この反力を相殺す
る推力(以後、カウンターフォースと称する)をアクチ
ュエータで発生させることによって上述した不都合を抑
制していた。すなわち、図7に示すように、防振ユニッ
トにおいては、ステージ推力信号に対して向きが反対で
大きさの等しい推力信号がステージ本体の加速、減速の
それぞれに応じて発せられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のステージ装置およびステージ制御方法並
びに露光装置には、以下のような問題が存在する。ステ
ージおよびアクティブ防振台ユニット等、すべてのユニ
ットがデジタル処理化されており、ステージとアクティ
ブ防振台ユニットとのサンプリング時間が異なっていた
り(例えば、0.5mmsecと1mmsec)、これ
らの制御プログラム、各ユニットのアンプの性能等の影
響に起因して、図7に示されるように、防振ユニット推
力信号とステージ推力信号との間に時間的なずれΔtが
生じることがある。
【0010】この場合、ステージ本体の移動に伴う反力
とカウンターフォースとの間でも、例えば3mmsec
〜5mmsec程度の時間的なずれが生じるために本体
コラムに残留振動が発生し、ステージの整定時間の悪化
や、同期精度の低周波成分の悪化を誘発することにな
り、近年の半導体デバイスの微細化や露光処理の高速化
といった要請に応えられない可能性があった。
【0011】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、ステージ本体の移動に伴う反力の影響を抑
止可能なステージ装置およびステージ制御方法、並びに
露光精度を向上してデバイスの微細化や高速処理に寄与
する露光装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、実施の形態を示す図1ないし図5に対応
付けした以下の構成を採用している。本発明のステージ
装置は、試料(R、W)を保持して駆動されるステージ
本体(2、5)と、ステージ本体(2、5)の駆動に伴
う反力に対抗する推力を発生する推力発生機構(13、
46または31、48)とを備えたステージ装置(4、
7)において、ステージ本体(2、5)の作動に要する
時間と推力発生機構(13、46または31、48)の
作動に要する時間との時間差に基づいてステージ本体
(2、5)および推力発生機構(13、46または3
1、48)の作動タイミングを調整する調整装置(6
2)を備えることを特徴とするものである。
【0013】従って、本発明のステージ装置では、調整
装置(62)によりステージ本体(2、5)および推力
発生機構(13、46または31、48)の作動タイミ
ングを同期させることで、ステージ本体(2、5)の移
動に伴う反力を推力発生機構(13、46または31、
48)のカウンターフォースにより時間的なずれを、ス
テージ本体および推力発生機構のサンプリング時間すな
わち、時間分解能レベルで相殺できる。そのため、本体
コラムに残留振動が発生せず、整定時間が短くなるとと
もに、同期精度の低周波成分の悪化を防止できる。
【0014】また、本発明の露光装置は、マスクステー
ジ(2)に保持されたマスク(R)のパターンを基板ス
テージ(5)に保持された基板(W)に露光する露光装
置(1)において、マスクステージ(2)と基板ステー
ジ(5)との少なくとも一方のステージとして、請求項
1または2に記載されたステージ装置(4、7)が設置
されることを特徴とするものである。
【0015】従って、本発明の露光装置では、マスク
(R)または基板(W)を保持するステージ本体(2、
5)の整定時間が短くなりスループットが向上するとと
もに、ステージ本体(2、5)に加わる振動の影響を抑
制して位置制御性を維持できるので、高精度の露光を行
うことがで
【0016】そして、本発明のステージ制御方法は、試
料(R、W)を保持するステージ本体(2、5)の駆動
に伴う反力を、該反力に対抗する推力を発生させて制御
するステージ制御方法において、ステージ本体(2、
5)の作動に要する時間と、推力の発生に要する時間と
の時間差に基づいてステージ本体(2、5)の駆動およ
び推力の発生のタイミングを調整することを特徴とする
ものである。
【0017】従って、本発明のステージ制御方法では、
ステージ本体(2、5)および推力発生の作動タイミン
グを同期させることで、ステージ本体(2、5)の移動
に伴う反力を、この反力に対抗するカウンターフォース
(推力)により時間的なずれを生じることなく相殺でき
る。そのため、本体コラムに残留振動が発生せず、整定
時間が短くなるとともに、同期精度の低周波成分の悪化
を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のステージ装置およ
びステージ制御方法並びに露光装置の第1の実施の形態
を、図1ないし図4を参照して説明する。ここでは、例
えば露光装置として、レチクルとウエハとを同期移動し
つつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回路パタ
ーンをウエハ上に転写する、スキャニング・ステッパを
使用する場合の例を用いて説明する。また、この露光装
置においては、本発明のステージ装置をレチクルステー
ジおよびウエハステージの双方に適用するものとする。
【0019】図2に示す露光装置1は、光源(不図示)
からの露光用照明光によりレチクル(マスク)R上の矩
形状(あるいは円弧状)の照明領域を均一な照度で照明
する照明光学系IU、試料であるレチクルRを保持する
マスクステージとしてのレチクルステージ(ステージ本
体)2および該レチクルステージ2を支持するレチクル
定盤3を含むステージ装置4、レチクルRから射出され
る照明光をウエハ(基板)W上に投影する投影光学系P
L、別の試料であるウエハWを保持する基板ステージと
してのウエハステージ(ステージ本体)5および該ウエ
ハステージ5を保持するウエハ定盤6を含むステージ装
置7、上記ステージ装置4および投影光学系PLを支持
するリアクションフレーム8とから概略構成されてい
る。なお、ここで投影光学系PLの光軸方向をZ方向と
し、このZ方向と直交する方向でレチクルRとウエハW
の同期移動方向をY方向とし、非同期移動方向をX方向
とする。また、それぞれの軸周りの回転方向をθZ、θ
Y、θXとする。
【0020】照明光学系IUは、リアクションフレーム
8の上面に固定された支持コラム9によって支持され
る。なお、露光用照明光としては、例えば超高圧水銀ラ
ンプから射出される紫外域の輝線(g線、i線)および
KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外
光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長19
3nm)およびF2レーザ光(波長157nm)等の真
空紫外光(VUV)などが用いられる。
【0021】リアクションフレーム8は、床面に水平に
載置されたベースプレート10上に設置されており、そ
の上部側および下部側には、内側に向けて突出する段部
8aおよび8bがそれぞれ形成されている。
【0022】ステージ装置4の中、レチクル定盤3は、
各コーナーにおいてリアクションフレーム8の段部8a
に防振ユニット11を介してほぼ水平に支持されており
(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せ
ず)、その中央部にはレチクルRに形成されたパターン
像が通過する開口3aが形成されている。防振ユニット
11は、内圧が調整可能なエアマウント12とボイスコ
イルモータ13とが段部8a上に直列に配置された構成
になっている。これら防振ユニット11によって、ベー
スプレート10およびリアクションフレーム8を介して
レチクル定盤3に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶
縁されるようになっている。また、図1に示すように、
このステージ装置4には、レチクル定盤3を±X方向お
よび±Y方向にそれぞれ付勢するボイスコイルモータ4
6が床上に固定された不図示の支柱に固定されて設けら
れている(図1では、1つのみ図示)。これらボイスコ
イルモータ13、46によってレチクルステージ2の移
動(駆動)に伴う反力に対抗するための推力発生機構が
構成されている。
【0023】レチクル定盤3上には、レチクルステージ
2が該レチクル定盤3に沿って2次元的に移動可能に支
持されている。レチクルステージ2の底面には、複数の
エアベアリング(エアパッド)14が固定されており、
これらのエアベアリング14によってレチクルステージ
2がレチクル定盤3上に数ミクロン程度のクリアランス
を介して浮上支持されている。また、レチクルステージ
2の中央部には、レチクル定盤3の開口3aと連通し、
レチクルRのパターン像が通過する開口2aが形成され
ている。
【0024】レチクルステージ2について詳述すると、
図3に示すように、レチクルステージ2は、レチクル定
盤3上を一対のYリニアモータ15、15によってY軸
方向に所定ストロークで駆動されるレチクル粗動ステー
ジ16と、このレチクル粗動ステージ16上を一対のX
ボイスコイルモータ17Xと一対のYボイスコイルモー
タ17YとによってX、Y、θZ方向に微小駆動される
レチクル微動ステージ18とを備えた構成になっている
(なお、図2では、これらを1つのステージとして図示
している)。
【0025】また、レチクルステージ2は、図1に示す
ように、これらYリニアモータ15、15、Xボイスコ
イルモータ17X、Yボイスコイルモータ17Yから構
成されるRS駆動部61を介してステージコントローラ
(調整装置)62によって、その駆動を制御されてい
る。そして、ステージコントローラ62は、照明光学系
IUや投影光学系PL等と共に制御装置47によって統
括的に制御されている。
【0026】各Yリニアモータ15は、レチクル定盤3
上に非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エ
アパッド)19によって浮上支持されY軸方向に延びる
固定子20と、この固定子20に対応して設けられ、連
結部材22を介してレチクル粗動ステージ16に固定さ
れた可動子21とから構成されている。
【0027】レチクル粗動ステージ16は、レチクル定
盤3の中央部に形成された上部突出部3bの上面に固定
されY軸方向に延びる一対のYガイド51、51によっ
てY軸方向に案内されるようになっている。また、レチ
クル粗動ステージ16は、これらYガイド51、51に
対して不図示のエアベアリングによって非接触で支持さ
れている。
【0028】レチクル微動ステージ18には、不図示の
バキュームチャックを介してレチクルRが吸着保持され
るようになっている。レチクル微動ステージ18の−Y
方向の端部には、コーナキューブからなる一対のY移動
鏡52a、52bが固定され、また、レチクル微動ステ
ージ18の+X方向の端部には、Y軸方向に延びる平面
ミラーからなるX移動鏡53が固定されている。そし
て、これら移動鏡52a、52b、53に対して測長ビ
ームを照射する3つのレーザ干渉計(いずれも不図示)
が各移動鏡との距離を計測することにより、レチクルス
テージ2のX、Y、θZ(Z軸周りの回転)方向の位置
が高精度に計測される。
【0029】図2に戻り、投影光学系PLとして、ここ
では物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両
方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や
蛍石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)から
なる1/4(または1/5)縮小倍率の屈折光学系が使
用されている。このため、レチクルRに照明光が照射さ
れると、レチクルR上の回路パターンのうち、照明光で
照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射
し、その回路パターンの部分倒立像が投影光学系PLの
像面側の円形視野の中央にスリット状に制限されて結像
される。これにより、投影された回路パターンの部分倒
立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW
上の複数のショット領域のうち、1つのショット領域表
面のレジスト層に縮小転写される。
【0030】投影光学系PLの鏡筒部の外周には、該鏡
筒部に一体化されたフランジ23が設けられている。そ
して、投影光学系PLは、リアクションフレーム8の段
部8bに防振ユニット24を介してほぼ水平に支持され
た鋳物等で構成された鏡筒定盤25に、光軸方向をZ方
向として上方から挿入されるとともに、フランジ23が
係合している。
【0031】フランジ23の素材としては、低熱膨張の
材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、
マンガン0.25%、および微量の炭素と他の元素を含
む鉄からなる低膨張の合金)が用いられている。このフ
ランジ23は、投影光学系PLを鏡筒定盤25に対して
点と面とV溝とを介して3点で支持する、いわゆるキネ
マティック支持マウントを構成している。このようなキ
ネマティック支持構造を採用すると、投影光学系PLの
鏡筒定盤25に対する組み付けが容易で、しかも組み付
け後の鏡筒定盤25および投影光学系PLの振動、温度
変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できるという
利点がある。
【0032】防振ユニット24は、鏡筒定盤25の各コ
ーナーに配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットにつ
いては図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント26
とボイスコイルモータ27とが段部8b上に直列に配置
された構成になっている。これら防振ユニット24によ
って、ベースプレート10およびリアクションフレーム
8を介して鏡筒定盤25(ひいては投影光学系PL)に
伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようにな
っている。
【0033】ステージ装置7は、ウエハWを保持するウ
エハステージ5、このウエハステージ5をXY平面に沿
った2次元方向に移動可能に支持するウエハ定盤6を主
体に構成されている。ウエハステージ5の底面には、非
接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッ
ド)28が固定されており、これらのエアベアリング2
8によってウエハステージ5がウエハ定盤6上に、例え
ば数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持され
ている。
【0034】ウエハ定盤6は、ベースプレート10の上
方に、防振ユニット29を介してほぼ水平に支持されて
いる。防振ユニット29は、ウエハ定盤6の各コーナー
に配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットについては
図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント30とボイ
スコイルモータ31とがベースプレート10上に並列に
配置された構成になっている。これら防振ユニット29
によって、ベースプレート10を介してウエハ定盤6に
伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようにな
っている。また、図1に示すように、このステージ装置
7にも、ウエハ定盤6を±X方向および±Y方向にそれ
ぞれ付勢するボイスコイルモータ48が床上に固定され
た不図示の支柱に固定されて設けられている(図1で
は、1つのみ図示)。これらボイスコイルモータ31、
48によってウエハステージ5の移動(駆動)に伴う反
力に対抗するための推力発生機構が構成されている。
【0035】図1に示すように、上記ボイスコイルモー
タ13、46および31、48は、防振ユニットコント
ローラ64によって、それぞれその駆動を制御されてい
る。また、この防振ユニットコントローラ64とステー
ジコントローラ62との間には、ステージコントローラ
62から出力されるレチクルステージ2およびウエハス
テージ5のステージ推力信号に基づいて、各ステージ
2、5の移動に伴う反力に対抗するカウンターフォース
を演算するカウンターフォース演算部49が設けられて
おり、ここで演算されたカウンターフォースが防振ユニ
ットコントローラ64に出力される。
【0036】ウエハステージ5は、該ウエハステージ5
をX方向に駆動する一対のリニアモータ32(ウエハス
テージ5よりも紙面手前側のリニアモータは図示せず)
と、ウエハステージ5をY方向に駆動する一対のリニア
モータ33とによってウエハ定盤6上をXY2次元方向
に移動自在になっている。リニアモータ32の固定子
は、ウエハステージ5のY方向両外側にX方向に沿って
延設されており、一対の連結部材34によって両端部相
互間が連結されて、矩形の枠体35が構成されている。
リニアモータ32の可動子は、ウエハステージ5のY方
向両側面に固定子に対向するように突設されている。
【0037】また、枠体35を構成する一対の連結部材
34またはリニアモータ32の下端面には、電機子ユニ
ットからなる可動子36,36がそれぞれ設けられてお
り、これらの可動子36,36に対応する磁石ユニット
を有する固定子37,37がY方向に延設されてベース
プレート10に突設されている。そして、これら可動子
36および固定子37によってムービングコイル型のリ
ニアモータ33が構成されており、可動子36は固定子
37との間の電磁気的相互作用によりY方向に駆動され
るようになっている。すなわち、このリニアモータ33
によって枠体35と一体的にウエハステージ5がY方向
に駆動されるようになっている。
【0038】また、ウエハステージ5は、図1に示すよ
うに、これらリニアモータ32、33から構成されるW
S駆動部63を介して上記ステージコントローラ62に
よって、その駆動を制御される構成になっている。
【0039】ウエハステージ5の上面には、ウエハホル
ダ41を介してウエハWが真空吸着等によって固定され
る。また、ウエハステージ5のX方向の位置は、投影光
学系PLの鏡筒下端に固定された参照鏡42を基準とし
て、ウエハステージ5の一部に固定された移動鏡43の
位置変化を計測するレーザ干渉計44によって所定の分
解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイ
ムに計測される。なお、上記参照鏡42、移動鏡43、
レーザ干渉計44とほぼ直交するように配置された不図
示の参照鏡、移動鏡、レーザ干渉計によってウエハステ
ージ5のY方向の位置が計測される。なお、これらレー
ザ干渉計の中、少なくとも一方は、測長軸を2軸以上有
する多軸干渉計であり、これらレーザ干渉計の計測値に
基づいてウエハステージ5(ひいてはウエハW)のXY
位置のみならず、θ回転量あるいはこれらに加え、レベ
リング量をも求めることができるようになっている。
【0040】また、本露光装置1には、上記レチクル定
盤3、ウエハ定盤6、鏡筒定盤25のZ方向の振動を計
測する3つの振動センサ(例えば加速度計;不図示)
と、XY面内方向の振動を計測する3つの振動センサ
(例えば加速度計;不図示)とがそれぞれ設けられてい
る。後者の振動センサのうち2つは、各定盤のY方向の
振動を計測し、残りの振動センサはX方向の振動を計測
するものである(以下、便宜上これらの振動センサを振
動センサ群と称する)。そして、これらの振動センサ群
の計測値に基づいてレチクル定盤3、ウエハ定盤6、鏡
筒定盤25の6自由度(X、Y、Z、θX、θY、θ
Z)の振動をそれぞれ求めることができる。
【0041】さらに、投影光学系PLのフランジ23に
は、異なる3カ所に3つのレーザ干渉計45が固定され
ている(ただし、図1においてはこれらのレーザ干渉計
のうち1つが代表的に示されている)。各レーザ干渉計
45に対向する鏡筒定盤25の部分には、開口25aが
それぞれ形成されており、これらの開口25aを介して
各レーザ干渉計45からZ方向の測長ビームがウエハ定
盤6に向けて照射される。ウエハ定盤6の上面の各測長
ビームの対向位置には、反射面がそれぞれ形成されてい
る。このため、上記3つのレーザ干渉計45によってウ
エハ定盤6の異なる3点のZ位置がフランジ23を基準
としてそれぞれ計測される(ただし、図1においては、
ウエハステージ5上のウエハWの中央のショット領域が
投影光学系PLの光軸の直下にある状態が示されている
ため、測長ビームがウエハステージ5で遮られた状態に
なっている)。なお、ウエハステージ5の上面に反射面
を形成して、この反射面上の異なる3点のZ方向位置を
投影光学系PLまたはフランジ23を基準として計測す
る干渉計を設けてもよい。
【0042】次に、上記のように構成された露光装置1
の走査露光時の動作について説明する。まず、走査露光
を開始する前に、予め実験等によりレチクルステージ2
と防振ユニット11のボイスコイルモータ13、46と
に関して、作動に要する時間差ΔtR(図7のΔtに相
当)を求めて装置定数として設定する。同様に、ウエハ
ステージ5と防振ユニット29のボイスコイルモータ3
1、48とに関しても、作動に要する時間差ΔtW(図
7のΔtに相当)を求めて定数として設定する。
【0043】そして、この露光装置1では、露光時に照
明光学系IUからの露光用照明光により、レチクルR上
の所定の矩形状の照明領域が均一な照度で照明される。
この照明領域に対してレチクルRがY方向に走査される
のに同期して、この照明領域と投影光学系PLに関して
共役な露光領域に対してウエハWを走査する。これによ
り、レチクルRのパターン領域を透過した照明光が投影
光学系PLにより1/4倍に縮小され、レジストが塗布
されたウエハW上に照射される。そして、ウエハW上の
露光領域には、レチクルRのパターンが逐次転写され、
1回の走査でレチクルR上のパターン領域の全面がウエ
ハW上のショット領域に転写される。
【0044】この露光装置1では、上記の走査露光の際
に、制御装置47によりレチクルステージ2をY方向に
速度βVで走査(1/β;投影光学系PLの縮小倍率)
させ、ウエハステージ5を−Y方向に速度Vで同期走査
させるための指令信号がステージコントローラ62に出
力される。ステージコントローラ62では、レーザ干渉
計の計測値をモニタしつつ、レチクルステージ2および
ウエハステージ5を所定位置に所定の速度で走査するよ
うに制御する。
【0045】この場合において、レチクルステージ2お
よびウエハステージ5は、リニアモータ15、ボイスコ
イルモータ17X、17Yおよびリニアモータ32、3
3によって走査されるので、レチクルステージ2および
ウエハステージ5が移動する際の加速、減速に伴う反力
が発生する。ここで、制御装置47からの指令により、
ステージコントローラ62は、例えば図4(b)に示さ
れるプロファイルの推力信号を送信する。
【0046】そして、カウンターフォース演算部49で
は、図4(c)に示すように、送信された推力信号を相
殺するプロファイルの推力信号を演算して防振ユニット
コントローラ64へ出力する。防振ユニットコントロー
ラ64は、演算された推力信号に基づいて防振ユニット
11、29、即ち、ボイスコイルモータ13、46およ
び31、48を駆動する。このとき、ボイスコイルモー
タ13、46および31、48は、ステージコントロー
ラ62から推力信号が送信されてから作動するまでに時
間差ΔtRおよびΔtWを要するため、ステージコント
ローラ62はレチクルステージ2およびウエハステージ
5が走査移動を始める前に防振ユニットコントローラ6
4へ向けて推力信号を送信する。
【0047】換言すると、ステージコントローラ62
は、図4(a)に示すように、防振ユニットコントロー
ラ64へ向けて推力信号を送信して時間差ΔtRおよび
ΔtW経過した後に、レチクルステージ2およびウエハ
ステージ5が走査移動を開始するように作動タイミング
を遅延(調整)して推力信号を出力する。これにより、
ボイスコイルモータ13、46および31、48は、各
ステージ2、5の移動に伴う反力が発生するタイミング
と同調してそれぞれ作動し、アクチュエータとして発生
する力で反力を相殺することができる。
【0048】本実施の形態のステージ装置およびステー
ジ制御方法並びに露光装置では、ボイスコイルモータ1
3、46および31、48の作動に要する時間がレチク
ルステージ2およびウエハステージ5の作動に要する時
間より大きくても、ステージコントローラ62がレチク
ルステージ2およびウエハステージ5の作動タイミング
を調整するので、各ステージ2、5の移動に伴う反力に
対してカウンターフォースをサンプリング時間レベルで
同調させることができる。そのため、この反力とカウン
ターフォースとの時間的なずれに起因する露光装置1の
残留振動を最小限に抑えることが可能になり、ステージ
2、5の整定時間の短縮化によるスループットの向上
や、同期精度の低周波成分悪化の抑止効果による転写精
度の向上に寄与することができる。
【0049】しかも、本実施の形態では、レチクルステ
ージ2、ウエハステージ5および投影光学系PLが防振
ユニット11、29、24によって振動的に独立してい
るので、各ステージ2、5の位置制御性を維持すること
ができるとともに、レチクルステージ2および上ウエハ
ステージ5の駆動に起因する振動が投影光学系PLに伝
わることを防止でき、投影光学系PLの振動に起因する
パターン転写位置のずれや像ボケ等の発生を効果的に防
止して露光精度の向上を図ることもできる。
【0050】図5は、本発明のステージ装置およびステ
ージ制御方法並びに露光装置の第2の実施の形態を示す
図である。この図において、図1ないし図4に示す第1
の実施の形態の構成要素と同一の要素については同一符
号を付し、その説明を省略する。第2の実施の形態と上
記の第1の実施の形態とが異なる点は、ステージコント
ローラ62の構成であるので、以下これについて説明す
る。
【0051】図5に示すように、本実施の形態のステー
ジコントローラ62には、計測部50が備えられてい
る。計測部50は、ボイスコイルモータ13、46およ
び31、48の作動に要する時間と、レチクルステージ
2およびウエハステージ5の作動に要する時間との時間
差ΔtR、ΔtWをそれぞれ計測し、この計測結果をス
テージコントローラ62に出力するものである。他の構
成は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0052】第1の実施の形態では、時間差ΔtR、Δ
tWを不変の装置定数として扱ったが、本実施の形態で
は、計測部50がこれらの時間差ΔtR、ΔtWを適宜
計測して、ステージコントローラ62にフィードバック
できるので、第1の実施の形態と同様の作用・効果が得
られることに加えて、ボイスコイルモータ13、46お
よび31、48の作動特性が変動しても、常に最新の正
確な時間差ΔtR、ΔtWに基づいて上記作動タイミン
グの調整を実行することができ、より一層の整定時間の
短縮化によるスループットの向上や、同期精度の低周波
成分悪化の抑止効果による転写精度の向上を実現するこ
とが可能になる。
【0053】なお、上記実施の形態において、ボイスコ
イルモータ13、46および31、48の作動に要する
時間がレチクルステージ2およびウエハステージ5の作
動に要する時間よりも大きい場合の例で説明したが、レ
チクルステージ2およびウエハステージ5の作動に要す
る時間の方が大きい場合には、上記と逆にボイスコイル
モータ13、46および31、48の作動を遅延させれ
ばよい。
【0054】また、上記実施の形態では、ステージコン
トローラ62によってレチクルステージ2とウエハステ
ージ5双方の駆動タイミングを調整する構成としたが、
これに限定されるものではなく、どちらか一方のステー
ジの駆動タイミングを調整する構成や、各ステージ2、
5毎ににステージコントローラを設ける構成であっても
よい。さらに、防振ユニットの全てがアクティブに防振
を行う構成としたが、これらの全て、これらのいずれ
か、あるいは任意の複数がパッシブに防振を行うような
構成であってもよい。
【0055】また、上記実施の形態では、本発明のステ
ージ装置を露光装置1に適用する構成としたが、これに
限定されるものではなく、露光装置1以外にも転写マス
クの描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等の
精密測定機器にも適用可能である。
【0056】なお、本実施の形態の基板としては、半導
体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディス
プレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用の
セラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマス
クまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)
等が適用される。
【0057】露光装置1としては、レチクルRとウエハ
Wとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光す
るステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置
(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、
レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRの
パターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させる
ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステ
ッパー)にも適用することができる。
【0058】露光装置1の種類としては、ウエハWに半
導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用
の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露光装置
や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチ
クルなどを製造するための露光装置などにも広く適用で
きる。
【0059】また、露光用照明光の光源として、超高圧
水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h
線(404.7nm)、i線(365nm))、KrF
エキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ
(193nm)、F2レーザ(157nm)のみなら
ず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができ
る。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱
電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タ
ンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線
を用いる場合は、レチクルRを用いる構成としてもよい
し、レチクルRを用いずに直接ウエハ上にパターンを形
成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体
レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0060】投影光学系PLの倍率は、縮小系のみなら
ず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光
学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用
いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過
する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射
屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型
タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には
光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学
系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真
空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系
PLを用いることなく、レチクルRとウエハWとを密接
させてレチクルRのパターンを露光するプロキシミティ
露光装置にも適用可能である。
【0061】ウエハステージ5やレチクルステージ2に
リニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)
を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型お
よびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮
上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ2、5
は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを
設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0062】各ステージ2、5の駆動機構としては、二
次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二
次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電
磁力により各ステージ2、5を駆動する平面モータを用
いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニット
とのいずれか一方をステージ2、5に接続し、磁石ユニ
ットと電機子ユニットとの他方をステージ2、5の移動
面側(ベース)に設ければよい。
【0063】以上のように、本願実施形態の露光装置1
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光
装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0064】半導体デバイスは、図6に示すように、デ
バイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設
計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するス
テップ202、シリコン材料からウエハを製造するステ
ップ203、前述した実施形態の露光装置1によりレチ
クルのパターンをウエハに露光するウエハ処理ステップ
204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、
ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検
査ステップ206等を経て製造される。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るス
テージ装置は、調整装置がステージ本体の作動に要する
時間と、推力発生機構の作動に要する時間との時間差に
基づいてステージ本体および推力発生機構の作動タイミ
ングを調整する構成となっている。これにより、このス
テージ装置では、ステージ本体の移動に伴う反力とカウ
ンターフォースとの時間的なずれに起因する残留振動を
最小限に抑えることが可能になり、ステージ本体の整定
時間の短縮化や、同期精度の低周波成分の悪化を抑止で
きるという効果が得られる。
【0066】請求項2に係るステージ装置は、調整装置
が計測部の計測した時間差に基づいて作動タイミングを
調整する構成となっている。これにより、このステージ
装置では、常に最新の正確な時間差に基づいて作動タイ
ミングの調整を実行することができ、より一層の整定時
間の短縮化、同期精度の低周波成分の悪化抑止を実現で
きるという効果が得られる。
【0067】請求項3に係る露光装置は、マスクステー
ジと基板ステージとの少なくとも一方のステージとし
て、請求項1または2記載のステージ装置が設置される
構成となっている。これにより、この露光装置では、ス
テージ本体の移動に伴う反力とカウンターフォースとの
時間的なずれに起因する残留振動を最小限に抑えること
が可能になり、ステージ本体の整定時間の短縮化による
スループットの向上や、同期精度の低周波成分悪化の抑
止効果による転写精度の向上に寄与でき、デバイスの微
細化および露光処理の高速化が実現するという効果が得
られる。
【0068】請求項4に係るステージ制御方法は、ステ
ージ本体の作動に要する時間と、推力の発生に要する時
間との時間差に基づいてステージ本体および推力発生の
作動タイミングを調整する手順となっている。これによ
り、このステージ制御方法では、ステージ本体の移動に
伴う反力とカウンターフォースとの時間的なずれに起因
する残留振動を最小限に抑えることが可能になり、ステ
ージ本体の整定時間の短縮化や、同期精度の低周波成分
の悪化を抑止できるという効果が得られる。
【0069】請求項5に係るステージ制御方法は、時間
差に基づいてステージ本体の駆動を遅延させる手順とな
っている。これにより、このステージ制御方法では、ス
テージ本体の駆動を遅延させることで、ステージ本体の
移動に伴う反力とカウンターフォースとの時間的なずれ
に起因する残留振動を最小限に抑えることが可能にな
り、ステージ本体の整定時間の短縮化や、同期精度の低
周波成分の悪化を抑止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す図であっ
て、レチクルステージおよびウエハステージの制御系を
示す構成図である。
【図2】 レチクルステージ、ウエハステージおよび
投影光学系が振動に関して独立して配置された露光装置
の概略構成図である。
【図3】 同露光装置を構成するレチクルステージの
外観斜視図である。
【図4】 ステージ推力信号、防振ユニット推力信
号、ステージコントローラ送信信号のタイムチャート図
である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態を示す図であっ
て、レチクルステージおよびウエハステージの制御系を
示す構成図である。
【図6】 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフ
ローチャート図である。
【図7】 従来のステージ推力信号、防振ユニット推
力信号のタイムチャート図である。
【符号の説明】
R レチクル(マスク、試料) W ウエハ(基板) 1 露光装置 2 レチクルステージ(ステージ本体、マスクステー
ジ) 4、7 ステージ装置 5 ウエハステージ(ステージ本体、基板ステージ) 13、46、31、48 ボイスコイルモータ(推力発
生機構) 50 計測部 62 ステージコントローラ(調整装置)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を保持して駆動されるステージ本
    体と、該ステージ本体の駆動に伴う反力に対抗する推力
    を発生する推力発生機構とを備えたステージ装置におい
    て、 前記ステージ本体の作動に要する時間と前記推力発生機
    構の作動に要する時間との時間差に基づいて前記ステー
    ジ本体および前記推力発生機構の作動タイミングを調整
    する調整装置を備えることを特徴とするステージ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のステージ装置におい
    て、 前記時間差を計測する計測部を備え、 前記調整装置は、前記計測部の計測結果に基づいて前記
    作動タイミングを調整することを特徴とするステージ装
    置。
  3. 【請求項3】 マスクステージに保持されたマスクの
    パターンを基板ステージに保持された基板に露光する露
    光装置において、 前記マスクステージと前記基板ステージとの少なくとも
    一方のステージとして、請求項1または2に記載された
    ステージ装置が設置されることを特徴とする露光装置。
  4. 【請求項4】 試料を保持するステージ本体の駆動に
    伴う反力を、該反力に対抗する推力を発生させて制御す
    るステージ制御方法において、 前記ステージ本体の作動に要する時間と、前記推力の発
    生に要する時間との時間差に基づいて前記ステージ本体
    の駆動および前記推力の発生のタイミングを調整するこ
    とを特徴とするステージ制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のステージ制御方法にお
    いて、 前記時間差に基づいて、前記ステージ本体の駆動を遅延
    させることを特徴とするステージ制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006024919A (ja) * 2004-06-14 2006-01-26 Asml Netherlands Bv 位置決め装置及びデバイス製造方法
JP2009524237A (ja) * 2006-01-18 2009-06-25 エレクトログラス・インコーポレーテッド プロービング・システムにおける改良した安定のための方法及び装置

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