JP2001108856A - 光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents

光ファイバ及びその製造方法

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JP2001108856A
JP2001108856A JP28297499A JP28297499A JP2001108856A JP 2001108856 A JP2001108856 A JP 2001108856A JP 28297499 A JP28297499 A JP 28297499A JP 28297499 A JP28297499 A JP 28297499A JP 2001108856 A JP2001108856 A JP 2001108856A
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core
optical fiber
clad
cladding
shear rate
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Kenji Matsumoto
研二 松本
Yoshiji Koga
彬士 古閑
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3M Innovative Properties Co
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3M Innovative Properties Co
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2203/00Fibre product details, e.g. structure, shape
    • C03B2203/10Internal structure or shape details
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2203/00Fibre product details, e.g. structure, shape
    • C03B2203/10Internal structure or shape details
    • C03B2203/18Axial perturbations, e.g. in refractive index or composition

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  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定の品質を有し、優れた再現性をもって光
を均一に外部に出射することができる側面出射型の光フ
ァイバを提供すること。 【解決手段】 中央部のコアと、該コアの周縁部に設け
られた、コアよりも低い屈折率を有するクラッドとを備
える光ファイバにおいて、前記コアと前記クラッドとの
間に、ファイバの周方向及び長手方向に沿って凹凸構造
が付与されているように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバに関し、
さらに詳しく述べると、側面部から光を出射させること
を可能にする側面出射型の光ファイバに関する。本発明
はまた、このような光ファイバの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光灯のような放電管は、特定波長領域
の可視光を発し、通常は照明の用途で用いられている。
また、放電管がネオン管の場合には、いわゆるネオンサ
インの形で広告又は装飾等の表示の用途にも使用されて
いる。放電管は、電圧の印加によって発光し、その際に
熱を発することが一般的である。したがって、放電管を
使用する場合には、漏電及び発熱を考慮する必要があ
る。このような理由により、放電管を例えば水中での照
明又は表示を目的として使用することは実質的に不可能
となる。
【0003】最近になって、上述のような水中あるいは
その他の、光源をその場に配置することが不適当な場所
での照明又は表示を実現するため、照明又は表示を行う
べき場所から遠隔に光源を配置した構造を有する発光装
置が注目されている。すなわち、水中あるいはその他の
不適当な場所以外に光源を配置し、その光源にさらに光
ファイバを接続した発光装置である。このような発光装
置で使用される光ファイバは、一般に、その中央部にい
わゆるコアを備え、かつその周縁部にはコアよりも低い
屈折率を有するクラッドを備え、ファイバの一端から入
射した光をその他端に向かって伝送することができる。
【0004】光ファイバのなかには、その側面部から光
を出射させることを可能にする側面出射型の光ファイバ
が知られている。このような光ファイバは、米国特許第
4,422,719号明細書に典型的に開示されている
ように、例えばアクリル系の樹脂からなるコアと、例え
ばテフロン(登録商標)からなるクラッドとを備えて、
可とう性を有している。また、クラッドは、二酸化チタ
ンのような金属酸化物からなる光散乱体を均一に含んで
いる。
【0005】光散乱体を均一に含むクラッドを備える光
ファイバの代わりに、クラッドとコアとの間に粗い界面
を設けた光ファイバも知られている。このような光ファ
イバは、例えば特開平7−198947号公報、特開平
7−198951号公報及び特開平8−15527号公
報に典型的に開示されているように、適当な方法でクラ
ッドの内面を粗くしている。例えば、特開平7−198
947号公報は、透明なコアとこのコアより屈折率の低
い透明なクラッドとからなる光伝送チューブにおいて、
クラッドを押出し成形でもって形成すると同時に、クラ
ッドの内面を0.05μm以上の表面粗さに形成したこ
とを特徴とするものであり、ブラスト処理でもってクラ
ッドの内面を粗くすることを開示している。また、特開
平8−15527号公報は、コアにプラスチック樹脂、
クラッドにフッ素樹脂を用いたプラスチック光ファイバ
において、コアとクラッドの界面を肌荒れさせたことを
特徴とするもので、クラッドを押出し成形でもって形成
する際に肌荒れを同時に形成することを開示している。
さらに、特開平7−198951号公報は、所望の凹凸
の形状を有する口金を押出し機に取り付けて、クラッド
の内面を周方向に沿って粗くすることを開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−19894
7号公報及び特開平8−15527号公報にはクラッド
の内面を粗くすることについて具体的に開示されていな
い。その結果、内面の粗さを一定の表面粗さでもって制
御することができない。光ファイバを照明及び表示を目
的として使用した場合に、側面部から一定の光を再現性
をもって外部に出射させることができない。
【0007】また、特開平7−198951号公報に開
示されているように凹凸形状の口金を用いてクラッドの
内面を粗くする場合は、一般に、クラッドの内面を周方
向にのみ粗くすることができるだけで、クラッドの長手
方向に沿って粗くすることはできない。したがって、こ
のような周方向にのみ粗くしたクラッドを有している
と、光ファイバは、特定の方向の光しか外部に出射せ
ず、均一の輝度をもつことが求められる通常の照明及び
表示の用途には適しない。また、この公報には、平坦な
内面をもったクラッドの作製後に冷却又は機械的作用に
よりその内面を粗くする方法も開示されている。しかし
ながら、このような粗面化方法は、複数の工程を必要と
し、クラッドを内面を粗くしながら押出し成形で得るこ
とに比べて複雑であり、製造コストも増加する。
【0008】そこで、本発明は、一定の品質を有し、優
れた再現性をもって光を均一に外部に出射することがで
きる側面出射型の光ファイバと、その簡便な製造方法と
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するためになされたものであり、中央部のコア
と、該コアの周縁部に設けられた、コアよりも低い屈折
率を有するクラッドとを備える光ファイバであって、前
記コアと前記クラッドとの間に、ファイバの周方向及び
長手方向に沿って凹凸構造が付与されていることを特徴
とする光ファイバが提供される。
【0010】また、本発明に従うと、中央部のコアと、
そのコアの周縁部の、前記コアよりも低い屈折率を有す
るクラッドとを備える光ファイバの製造方法であって、
クラッド形成材料を押出し成形して管状の前記クラッド
を形成する工程と、前記管状クラッドの中空部にコア形
成材料を充填して前記コアを形成する工程とを備え、か
つ前記クラッド形成工程が、前記コアと前記クラッドと
の間に、ファイバの周方向及び長手方向に沿って凹凸構
造を付与する工程を含むことを特徴とする光ファイバの
製造方法も提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付の図面を参照
しながらその実施の形態にしたがって説明する。なお、
図面中、同一又は相当の部分には同一の符号を付するこ
ととする。図1の斜視図には、本発明の一実施形態の光
ファイバが示されている。この光ファイバ10は、基本
的に、その中央部にいわゆるコア1を備え、かつコア1
の周縁部にコア1よりも低い屈折率を有するクラッド2
を備えている。また、コア1とクラッド2との間、すな
わち、両部材の界面部分には、ファイバの周方向及び長
手方向に沿って凹凸構造11が付与されている。なお、
図示の凹凸構造11は、理解を容易にするために単純な
波形構造としたけれども、以下の説明から理解されるよ
うに、クラッド11の成形時における剪断速度の制御下
においていろいろな構造を有することができる。また、
図1の光ファイバ10の長手方向の断面図は、図2に示
した通りである。
【0012】光ファイバの中心部に配置されるコアは、
石英ガラス、光学ガラス、ポリマー材料などのような光
透過性材料から中実になって形成される。コアの屈折率
は、通常、1.4〜2.0の範囲である。コア形成のた
めの光透過性材料としては、可とう性及び光伝送性の観
点から、通常、1.4〜1.7、好ましくは約1.5の
屈折率をもったポリマーが適当である。好適なポリマー
としては、例えば、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニ
ル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、アクリル樹脂などを挙げることができ
る。特に、アクリル樹脂としては、ビス(4−t−ブチ
ルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートのような
重合開始剤の存在下で、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート及びトリエチレングリ
コールジメタクリレートを重合させることにより調製し
たものが代表的である。
【0013】光透過性材料は、一般には固体であるけれ
ども、それだけに限定されるものではない。光透過性材
料は、無機塩の水溶液、エチレングリコールもしくはグ
リセリン等の多価アルコール、ポリジメチルシロキサン
もしくはポリフェニルメチルシロキサンのようなシリコ
ーンオイル、ポリエーテル類、ポリエステル類、流動パ
ラフィンのような炭化水素、三フッ化塩化エチレンオイ
ルのようなハロゲン化炭化水素、トリ(クロロエチル)
ホスフェートもしくはトリオクチルホスフェートのよう
な燐酸エステル類を含む液体からなっていてもよい。こ
のように光透過性材料が液体からなっている場合には、
一般に、例えば可とう性の樹脂製チューブの中に液体を
封入してコアを形成することができる。
【0014】コアの幅方向(すなわち、長さ方向と直交
する方向)の断面は、本発明の効果を損なわない限り、
特に限定されるものではない。適当な断面形状として、
円形、楕円形、半円形などを挙げることができる。ま
た、したがって、コアの直径も幅広く変更することがで
きる。コアの直径は、その断面が円形である場合、通常
2〜40mm、好適には3〜30mmの範囲である。
【0015】コアの周縁部にそれを取り囲んだ形で設け
れるクラッドは、上述したようにコアよりも低い屈折率
を有している材料から形成される。クラッドは、好まし
くは、図示されるようにコアの外周面と密着して設けら
れる。コアが約1.5の屈折率を有する上述のような光
透過性材料からなっている場合、クラッドは、例えばテ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共
重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン−フッ化ビリニデン共重合体(TH
V)などのような透光性のフッ素系樹脂からなってい
て、しかも1.34〜1.43の屈折率を有しているも
のが好適である。例えば、本発明の実施において有利に
使用することのできる代表的なフッ素系樹脂は、ペレッ
トに加工されたものであって、例えばデュポン社から
「テフロン(登録商標)FEP100−J」なる商品名
で市販されている。また、クラッドの肉厚は、所望とす
る光ファイバの寸法に応じて応じて広く変更し得るとい
うものの、通常、2mm未満であることが好ましい。
【0016】本発明の光ファイバでは、コアとクラッド
との界面に凹凸構造が付与されていることが必須であ
る。この凹凸構造は、光ファイバの長手方向及び周方向
に沿って設けられ、コア内を進行する光の反射を変え
て、コア内を進行する光をその周縁部のクラッドを介し
て光ファイバの外部へ漏出させることを可能にする。凹
凸構造は、本発明の範囲内においていろいろな形状及び
粗さを有することができるけれども、通常、規則的に分
布せしめられた微細な凹部と凸部の組み合わせからな
り、また、その粗さの程度は、好ましくは、クラッドの
内周面の中心線平均粗さ(以下、単に「表面粗さ」とも
いう)Raで表した場合に、周方向に沿って1.22〜
3.10μmの範囲であり、かつ長手方向に沿って0.
75〜3.21μmの範囲である。また、換言すると、
本発明の光ファイバでは、クラッドの内周面の凹凸構造
に対応した形状及び粗さを有する凹凸構造がコアの外周
面に形成されている。上述のような表面粗さを有してい
ると、光ファイバはその側面部から等方的に光を漏出さ
せることができる。この光ファイバは、さらに、上述の
表面粗さの範囲内であれば、その表面粗さの増加に伴っ
てそこから漏出する光の輝度を増大させることができる
こともわかった。したがって、光ファイバが周方向又は
長手方向に沿って凹凸構造の表面粗さを漸次大きく又は
小さくさせて光を一方向から通すときには、ファイバの
長手方向に沿って均一に光を漏出させることができるよ
うになる。
【0017】ところで、本発明の光ファイバの長さは、
その使用目的や所望とする効果などに応じて広く変更す
ることができるというものの、通常2〜50m、好適に
は2.5〜10m、特に好適には3〜5mの範囲であ
る。2m未満の長さであると、光ファイバをネオン発光
装置の代替として使用することができなくなる場合があ
り、反対に50mを上回る長さであると、光ファイバの
全長にわたる輝度の均一性が損なわれるおそれがある。
【0018】本発明の光ファイバを照明装置あるいは表
示装置として使用する場合に、光源としては、メタルハ
ライドランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、発光
ダイオード、蛍光灯等の常用のものを使用することがで
きる。光源の消費電力は、通常、数10mW〜300Wで
ある。本発明による光ファイバは、好ましくは、下記の
工程: (1)クラッド形成工程 上記したようなクラッド形成材料を押出し成形して管状
のクラッドを形成する工程。この工程のなかで、コアと
クラッドとの間に、ファイバの周方向及び長手方向に沿
って凹凸構造を付与する。 (2)コア形成工程 上記したようなコア形成材料を、先のクラッド形成工程
で形成された管状クラッドの中空部に充填してコアを形
成する工程。
【0019】さらに具体的に説明すると、本発明の光フ
ァイバは、例えば、以下のようにして製造することがで
きる。クラッドは、押出し機を用いて上述のクラッド形
成材料から製造することができる。詳細に述べると、樹
脂等のクラッド形成材料を成形温度まで加熱して溶融さ
せた後、押出し機のダイを通して押出し成形する。ここ
で使用するダイは、基本的に、中実な円柱とその円柱の
直径よりも大きい内径をもった中空な円筒とを組み合わ
せて構成される。
【0020】押出し機のダイの剪断速度( sec-1)は、
次式で定義される。
【0021】
【数1】
【0022】上式において、ηはクラッド形成材料の見
掛けの粘度、r1 は中実な円柱の半径、r2 は中空な円
筒の内径、そしてQは体積流量である。この剪断速度
は、上述したクラッドの内周面(あるいは、コアの外周
面)に対する凹凸構造の付与に影響を及ぼす。光ファイ
バがクラッドを介した光の漏出を抑制するように作用す
ることを希望する場合には、剪断速度(以下、本願明細
書では「限界剪断速度」と呼ぶ)でもってクラッドの押
出し成形を行ない、得られるクラッドの内面を0.05
μm以下の表面粗さに調整する。すなわち、このように
して得られるクラッドの内周面は、実質的に平滑な表面
を有している。
【0023】それに対して、本発明の光ファイバでは、
この限界剪断速度より大きい剪断速度をもって押出し成
形を行なって、少なくともクラッドの内周面に上述の凹
凸構造を設けている。特に、剪断速度を変化させた場
合、凹凸構造の表面粗さはクラッドの周方向及び長手方
向に沿ってほぼ正比例して変わることが分かった。かか
る場合、剪断速度を適当に変化させて凹凸構造の表面粗
さを周方向及び長手方向に沿って漸次大きく又は小さく
させることができる。その結果、上述のように一方向に
進む光でも側面部から均一に漏出できる光ファイバを容
易に提供できる。また、本発明では、メルトフラクチャ
ー(溶融破断)を引き起こす、いわゆる臨界剪断速度よ
り小さい剪断速度をもって押出し成形を行なう。剪断速
度が臨界剪断速度より大きいと、不規則な押し出しを提
供するおそれがあるからである。
【0024】本発明に従った典型的な光ファイバは、3
〜18mmの直径を有して、そのときクラッドの肉厚は約
1mmである。このような光ファイバの場合には、上記剪
断速度を約15〜30/ secとしたとき、そのクラッド
の内周面に、押し出し成形と同時に凹凸構造を再現性を
もって容易に設けることができる。すなわち、クラッド
の内周面で、周方向に沿って1.22〜3.10μmの
範囲であり、かつ長手方向に沿って0.75〜3.21
μmの範囲である表面粗さをもった一定の品質の凹凸構
造を再現性をもって容易に得ることができる。本発明に
よれば、剪断速度はフッ素系樹脂等のクラッド形成材料
の押出し速度又は単位時間当たりの吐出量すなわち体積
流量によって制御される。剪断速度がクラッド形成材料
の押出し速度又は体積流量に応じて変化するからであ
る。あるいは、フッ素系樹脂を成形してクラッドを得る
ときには、少なくともダイの円柱の表面温度の制御でも
って剪断速度を変化させてもよい。フッ素系樹脂の粘度
は温度に著しく依存して、剪断速度を変化させ易いから
である。いずれにしても、クラッドの内周面に本発明に
従い剪断速度の調整下に凹凸構造を付与すると、従来の
内面粗化の方法とは異なって、ブラスト処理やその他の
煩雑な処理を押出し成形に組み合わせて実施する必要が
なくなるばかりでなく、凹凸構造を一定の表面粗さで制
御することもでき、また、凹凸構造を周方向及び長手方
向の両方に延在させることもできる。
【0025】クラッドの成形に引き続いて、コアを、例
えば以下のようにして作製する。まず、モノマーの溶液
を調製した後、その溶液に重合開始剤をさらに加えてコ
ア前駆体を得る。つぎに、前述のようにして作製したク
ラッドをU字型に曲げ、一端部からそのクラッドの内部
にコア前駆体を満たしてモノマーの重合開始温度まで加
熱する。モノマーの重合が進行し、固体のコアが得られ
る。コア前駆体の加熱は、基本的に、クラッドのU字型
の底部から上部まで順次なされる。加熱の時、コア前駆
体を窒素、アルゴンなどのような不活性ガスと接触させ
て、それに圧力を与えてもよい。また、その後、コア前
駆体を完全に反応させるために、コア前駆体の全体をク
ラッドとともに所定時間加熱してもよい。さらに、コア
の作製のための上述の加熱は、クラッドの熱収縮を引き
起こすのに十分な程度に行うことが好ましく、これによ
って、コアとクラッドがより良好に密着し結合した目的
とする光ファイバを得ることができる。
【0026】
【実施例】引き続いて、本発明をその実施例にしたがっ
て説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定され
ないことはいうまでもない。クラッドの成形 最初に、フッ素樹脂の押出し成形により中空の管状クラ
ッドを成形した。直径50mm及び長さ1300mmのスク
リューを内蔵したプラ技研製の押出し機を用意した。こ
の押出し機のダイは、中実な円柱とその円柱の直径より
も大きい内径をもった中空な円筒とを組み合わせて構成
され、その寸法は、 ダイス 30.00mm、 ポイント 25.00mm、 クリアランス 2.50mm、 平均内周 86.39mm、及び 断面積 215.98mm2 、 であった。この押出し機を加熱して、ダイの温度を37
0℃で維持した。
【0027】デュポン社製のフッ素樹脂「テフロン(登
録商標)FEP100−J」(固体密度215g/c
m3 、溶融密度1.5g/cm3 )を用意し、押出し機
(ダイ温度370℃)に投入した。下記の第1表に記載
のように、異なる押出し条件(剪断速度、吐出量及び押
出し速度)下で押出し成形を行なった。いずれの成形の
場合にも、外径12.45mm、内径10.70mm、肉厚
0.88mm及び断面積31.82mm2 を有する中空の管
状クラッドが得られた。得られたクラッドは、以下、供
試クラッド1〜8と呼ぶ。それぞれの供試クラッドの内
周面には、微細な凹凸構造が付与されていることが認め
られた。
【0028】
【表1】
【0029】光ファイバの作製 コアを以下の手順で作製して側面出射型の光ファイバを
作製した。まず、100重量部の2−エチルヘキシルメ
タクリレート、100重量部のn−ブチルメタクリレー
ト及び2重量部のトリエチレングリコールジメタクリレ
ートを混合してモノマーの混合溶液を調製した。得られ
たモノマー混合溶液にビス(4−t−ブチルシクロヘキ
シル)パーオキシジカーボネート(重合開始剤として)
をさらに加えてコア前駆体を調製した。次いで、先の工
程で作製した供試クラッド1〜8のそれぞれをU字型に
曲げ、一端部からそのクラッドの内部にコア前駆体を注
入した。その後、クラッドに注入したコア前駆体をモノ
マーの熱重合開始温度まで加熱して硬化させたところ、
その外周面がクラッドの内周面に密着した固体のコアが
形成され、よって、目的とする側面出射型の光ファイバ
が得られた。得られた光ファイバは、以下、供試光ファ
イバ1〜8と呼ぶ。クラッドとコアの界面における表面粗さの測定 供試光ファイバ4〜7のそれぞれについて、クラッドと
コアとを切り離し、それらの間の部分の表面粗さを測定
した。詳細に述べると、小坂研究所から「サーフコーダ
SEF−30D」なる商品名で市販されている表面粗さ
計を用いて、クラッド及びコアの周方向及び長手方向に
沿った表面粗さを測定した。ただし、周方向のカットオ
フ値は0.8mmとし、長手方向のカットオフ値は2.5
mmとした。下記の第2表は、得られた測定結果をまとめ
たものである。
【0030】
【表2】
【0031】上記第2表に記載の測定結果から、コアと
クラッドとの間の部分は実質的に平滑ではなく、凹凸構
造を形成していることが分かった。また、表面粗さはク
ラッドの周方向及び長手方向に沿って、剪断速度にほぼ
正比例して変化することも明らかとなった。したがっ
て、剪断速度を適当に変化させて凹凸構造の表面粗さを
周方向及び長手方向に沿って漸次大きく又は小さくさせ
ることができることが分かった。輝度の測定 供試光ファイバ3〜7のそれぞれについて、その側面部
から出射する光の輝度を以下のように測定した。
【0032】図3を参照してこの測定を説明すると、そ
れぞれの光ファイバ10の一端に、光源9として、住友
スリーエム(株)製のメタルハライドランプ(LBM1
30H;消費電力130W)を接続した。それぞれの光
ファイバからの光の輝度は、図示されないが、光源から
20cm離れたところでミノルタ社製の輝度計(CS−1
00)でもって測定した。このとき、輝度計は、光ファ
イバから30cm離れたところに配置した。
【0033】図4には、上記のようにして輝度を測定し
た時の結果が、光ファイバのクラッドの作製時に適用さ
れた剪断速度( sec-1)と輝度(cd/m2)との関係と
してプロットされている。図4のグラフから、光ファイ
バの光の輝度は剪断応力/速度にほぼ正比例して変化す
ることが明らかとなった。したがって、剪断応力/速度
を適当に変化させることによって、輝度を光ファイバの
周方向及び長手方向に沿って漸次大きく又は小さくさせ
ることができることが分かった。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明によれば、一定の品質を有し、優れた再現性をもって
光を均一に外部に出射することができる側面出射型の光
ファイバを提供することができる。また、本発明に従う
と、本発明の光ファイバを簡便な方法で再現性よく製造
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ファイバの好ましい一実施形態
を模式的に示した斜視図である。
【図2】図1に示した光ファイバの長手方向を模式的に
示した断面図である。
【図3】本発明による光ファイバにおける側面部からの
出射光の輝度の測定方法について説明した模式図であ
る。
【図4】本発明による光ファイバにおける剪断速度と光
の輝度との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1…コア 2…クラッド 9…光源 10…光ファイバ 11…凹凸構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H050 AA15 AB42X AB43X AB48Y AB50X AC03 AC63 AC71 AC83 4G021 BA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部のコアと、該コアの周縁部に設け
    られた、コアよりも低い屈折率を有するクラッドとを備
    える光ファイバであって、 前記コアと前記クラッドとの間に、ファイバの周方向及
    び長手方向に沿って凹凸構造が付与されていることを特
    徴とする光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記凹凸構造の粗さが、前記クラッドの
    内周面の中心線平均粗さRaで表した場合に、 周方向に沿って1.22〜3.10μmの範囲であり、
    かつ長手方向に沿って0.75〜3.21μmの範囲で
    あることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 【請求項3】 中央部のコアと、そのコアの周縁部の、
    前記コアよりも低い屈折率を有するクラッドとを備える
    光ファイバの製造方法であって、 クラッド形成材料を押出し成形して管状の前記クラッド
    を形成する工程と、 前記管状クラッドの中空部にコア形成材料を充填して前
    記コアを形成する工程とを備え、かつ前記クラッド形成
    工程が、前記コアと前記クラッドとの間に、ファイバの
    周方向及び長手方向に沿って凹凸構造を付与する工程を
    含むことを特徴とする光ファイバの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記クラッド形成工程において、限界剪
    断速度より大きくかつ臨界剪断速度より小さい剪断速度
    でもって押出し成形を行い、よって、前記クラッドの内
    周面の中心線平均粗さRaで表した場合に、 周方向に沿って1.22〜3.10μmの範囲であり、
    かつ長手方向に沿って0.75〜3.21μmの範囲で
    ある粗さをもった前記凹凸構造を設けることを特徴とす
    る請求項3に記載の光ファイバの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記剪断速度を15〜30/ secとする
    ことを特徴とする請求項4に記載の光ファイバの製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008190910A (ja) * 2007-02-01 2008-08-21 Nagoya Institute Of Technology 曲がり度合い検出装置およびそれを用いた曲がり度合い検出方法
JP2011013359A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Hitachi Cable Ltd 光コネクタ
KR101332973B1 (ko) * 2013-04-17 2013-11-25 (주)디아이디 광 파이버를 이용한 어류 양식 시스템

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