JP2001108794A - 放射性廃棄物溶融炉 - Google Patents
放射性廃棄物溶融炉Info
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- JP2001108794A JP2001108794A JP28569399A JP28569399A JP2001108794A JP 2001108794 A JP2001108794 A JP 2001108794A JP 28569399 A JP28569399 A JP 28569399A JP 28569399 A JP28569399 A JP 28569399A JP 2001108794 A JP2001108794 A JP 2001108794A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 凝固金属を効率よく加熱し、処理能力を高め
ることが可能な放射性廃棄物溶融炉を提供すること。 【解決手段】 加熱コイル4によって誘導加熱される発
熱スリーブ3を備え、発熱スリーブ3の上部開口部6か
ら導入された放射性廃棄物11を発熱スリーブ3で溶融
するとともに、発熱スリーブ3で溶融された放射性廃棄
物11を、発熱スリーブ3の下部開口部7から排出する
放射性廃棄物溶融炉において、発熱スリーブ3の厚み
を、下部側よりも上部側を大きくすること。
ることが可能な放射性廃棄物溶融炉を提供すること。 【解決手段】 加熱コイル4によって誘導加熱される発
熱スリーブ3を備え、発熱スリーブ3の上部開口部6か
ら導入された放射性廃棄物11を発熱スリーブ3で溶融
するとともに、発熱スリーブ3で溶融された放射性廃棄
物11を、発熱スリーブ3の下部開口部7から排出する
放射性廃棄物溶融炉において、発熱スリーブ3の厚み
を、下部側よりも上部側を大きくすること。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば原子力発電
所において発生する放射性廃棄物を溶融して排出する放
射性廃棄物溶融炉の改良に関するものである。
所において発生する放射性廃棄物を溶融して排出する放
射性廃棄物溶融炉の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所などの原子力関連施設から
発生する低レベルの放射性廃棄物を減容する目的で、高
周波誘導加熱を用いた放射性廃棄物溶融炉が一般に用い
られている。
発生する低レベルの放射性廃棄物を減容する目的で、高
周波誘導加熱を用いた放射性廃棄物溶融炉が一般に用い
られている。
【0003】図8は、この種の従来から用いられている
放射性廃棄物溶融炉の構成例を示す正面断面図である。
放射性廃棄物溶融炉の構成例を示す正面断面図である。
【0004】すなわち、従来から用いられている放射性
廃棄物溶融炉は、メインコイル1と、坩堝2と、導電性
の発熱スリーブ3(SiC材が一般に用いられる)と、
下部コイル4と、耐火材5とを備えている。
廃棄物溶融炉は、メインコイル1と、坩堝2と、導電性
の発熱スリーブ3(SiC材が一般に用いられる)と、
下部コイル4と、耐火材5とを備えている。
【0005】メインコイル1は、坩堝2内の金属放射性
廃棄物を、高周波誘導加熱によって溶融する。このメイ
ンコイル1によって溶融された溶融金属10は坩堝2に
そのまま一旦保持される。
廃棄物を、高周波誘導加熱によって溶融する。このメイ
ンコイル1によって溶融された溶融金属10は坩堝2に
そのまま一旦保持される。
【0006】発熱スリーブ3と下部コイル4とは、この
ようにして坩堝2に保持された溶融金属10を栓するた
めのバルブとして機能する。
ようにして坩堝2に保持された溶融金属10を栓するた
めのバルブとして機能する。
【0007】すなわち、坩堝2内に溶融金属10を保持
する場合、下部コイル4に電力を供給しない。これによ
り、メインコイル1によって溶融された溶融金属10
は、上部開口部6から発熱スリーブ3に流れ込み、発熱
スリーブ3内で凝固し、凝固金属11となる。
する場合、下部コイル4に電力を供給しない。これによ
り、メインコイル1によって溶融された溶融金属10
は、上部開口部6から発熱スリーブ3に流れ込み、発熱
スリーブ3内で凝固し、凝固金属11となる。
【0008】その結果、発熱スリーブ3が凝固金属11
によって閉塞する。
によって閉塞する。
【0009】一方、坩堝2内の金属放射性廃棄物を、発
熱スリーブ3から排出する場合には、下部コイル4に電
力を供給して発熱スリーブ3を誘導加熱する。そして、
発熱スリーブ3内で凝固している凝固金属11は、融点
まで加熱されると溶融を開始し、この溶融金属10が発
熱スリーブ3内を下降して、下部開口部7から放射性廃
棄物溶融炉の外へ排出される。
熱スリーブ3から排出する場合には、下部コイル4に電
力を供給して発熱スリーブ3を誘導加熱する。そして、
発熱スリーブ3内で凝固している凝固金属11は、融点
まで加熱されると溶融を開始し、この溶融金属10が発
熱スリーブ3内を下降して、下部開口部7から放射性廃
棄物溶融炉の外へ排出される。
【0010】なお、このような放射性廃棄物溶融炉は、
非常に高温になるために、坩堝2と発熱スリーブ3の内
側、およびメインコイル1と下部コイル4との周囲に
は、耐火材5が設けられている。
非常に高温になるために、坩堝2と発熱スリーブ3の内
側、およびメインコイル1と下部コイル4との周囲に
は、耐火材5が設けられている。
【0011】また、メインコイル1および下部コイル4
は、内部に冷却水22が流通する中空管21により構成
されている。
は、内部に冷却水22が流通する中空管21により構成
されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の放射性廃棄物溶融炉では、以下のような問題
がある。
うな従来の放射性廃棄物溶融炉では、以下のような問題
がある。
【0013】図9は、従来から用いられている放射性廃
棄物溶融炉の発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を
示す模式図である。
棄物溶融炉の発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を
示す模式図である。
【0014】すなわち、従来から用いられている放射性
廃棄物溶融炉では、下部コイル4の周囲に磁束分布aが
形成される。また、発熱スリーブ3における発熱分布b
が、下部コイル4の中心高さにて最大値を示す分布をな
す。そして、下部コイル4より上方または下方になる
と、発熱スリーブ3の発熱分布bは、指数関数的に減少
する。
廃棄物溶融炉では、下部コイル4の周囲に磁束分布aが
形成される。また、発熱スリーブ3における発熱分布b
が、下部コイル4の中心高さにて最大値を示す分布をな
す。そして、下部コイル4より上方または下方になる
と、発熱スリーブ3の発熱分布bは、指数関数的に減少
する。
【0015】その結果、発熱スリーブ3の上部開口部6
付近で凝固している凝固金属11の加熱効率が悪くな
り、発熱スリーブ3の加熱を開始してから、凝固金属1
1を溶融するまでにかなりの時間を要してしまう。
付近で凝固している凝固金属11の加熱効率が悪くな
り、発熱スリーブ3の加熱を開始してから、凝固金属1
1を溶融するまでにかなりの時間を要してしまう。
【0016】発熱スリーブ3の上部開口部6付近で凝固
している凝固金属11を効率よく加熱するためには、下
部コイル4を、上部開口部6側に移動させればよい。し
かしながら、耐火材5の健全性の観点から、炉底とコイ
ルとの距離Hはある一定の値以上を確保しなければなら
ないという制約がある。
している凝固金属11を効率よく加熱するためには、下
部コイル4を、上部開口部6側に移動させればよい。し
かしながら、耐火材5の健全性の観点から、炉底とコイ
ルとの距離Hはある一定の値以上を確保しなければなら
ないという制約がある。
【0017】したがって、従来の放射性廃棄物溶融炉に
おいては、発熱スリーブ3の加熱を開始してから、金属
放射性廃棄物を排出し始めるまでに長時間要することに
なり、処理能力が低下するという問題がある。
おいては、発熱スリーブ3の加熱を開始してから、金属
放射性廃棄物を排出し始めるまでに長時間要することに
なり、処理能力が低下するという問題がある。
【0018】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、下部コイルを上部開口部側に移動すること
なく発熱スリーブの発熱分布のピークを上方にシフトさ
せ、もって、凝固鉄を効率よく加熱し、処理能力を高め
ることが可能な放射性廃棄物溶融炉を提供することを目
的とする。
ものであり、下部コイルを上部開口部側に移動すること
なく発熱スリーブの発熱分布のピークを上方にシフトさ
せ、もって、凝固鉄を効率よく加熱し、処理能力を高め
ることが可能な放射性廃棄物溶融炉を提供することを目
的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、以下のような手段を講じる。
めに、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0020】すなわち、請求項1の発明では、加熱コイ
ルによって誘導加熱される発熱スリーブを備え、発熱ス
リーブの上部開口部から導入された放射性廃棄物を発熱
スリーブで溶融するとともに、発熱スリーブで溶融され
た放射性廃棄物を、発熱スリーブの下部開口部から排出
する放射性廃棄物溶融炉において、発熱スリーブの厚み
を、下部側よりも上部側を大きくする。
ルによって誘導加熱される発熱スリーブを備え、発熱ス
リーブの上部開口部から導入された放射性廃棄物を発熱
スリーブで溶融するとともに、発熱スリーブで溶融され
た放射性廃棄物を、発熱スリーブの下部開口部から排出
する放射性廃棄物溶融炉において、発熱スリーブの厚み
を、下部側よりも上部側を大きくする。
【0021】請求項2の発明では、加熱コイルによって
誘導加熱される発熱スリーブを備え、発熱スリーブの上
部開口部から導入された放射性廃棄物を発熱スリーブで
溶融するとともに、発熱スリーブで溶融された放射性廃
棄物を、発熱スリーブの下部開口部から排出する放射性
廃棄物溶融炉において、加熱コイルの上部に、磁性体を
備える。
誘導加熱される発熱スリーブを備え、発熱スリーブの上
部開口部から導入された放射性廃棄物を発熱スリーブで
溶融するとともに、発熱スリーブで溶融された放射性廃
棄物を、発熱スリーブの下部開口部から排出する放射性
廃棄物溶融炉において、加熱コイルの上部に、磁性体を
備える。
【0022】請求項3の発明では、加熱コイルによって
誘導加熱される発熱スリーブを備え、発熱スリーブの上
部開口部から導入された放射性廃棄物を発熱スリーブで
溶融するとともに、発熱スリーブで溶融された放射性廃
棄物を、発熱スリーブの下部開口部から排出する放射性
廃棄物溶融炉において、発熱スリーブの厚みを、下部側
よりも上部側を大きくし、かつ、加熱コイルの上部に、
磁性体を備える。
誘導加熱される発熱スリーブを備え、発熱スリーブの上
部開口部から導入された放射性廃棄物を発熱スリーブで
溶融するとともに、発熱スリーブで溶融された放射性廃
棄物を、発熱スリーブの下部開口部から排出する放射性
廃棄物溶融炉において、発熱スリーブの厚みを、下部側
よりも上部側を大きくし、かつ、加熱コイルの上部に、
磁性体を備える。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。
いて図面を参照しながら説明する。
【0024】なお、以下の各実施の形態の説明に用いる
図中の符号は、図8から図9と同一部分については同一
符号を付して示すことにする。
図中の符号は、図8から図9と同一部分については同一
符号を付して示すことにする。
【0025】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態を図1から図3を用いて説明する。
の形態を図1から図3を用いて説明する。
【0026】図1は、第1の実施の形態に係る放射性廃
棄物溶融炉の発熱スリーブの構成例を示す断面構成図で
ある。
棄物溶融炉の発熱スリーブの構成例を示す断面構成図で
ある。
【0027】図2は、図1のA−A線に沿った断面図で
ある。
ある。
【0028】本実施の形態に係る放射性廃棄物溶融炉
は、図8に示す従来の放射性廃棄物溶融炉に比べて、発
熱スリーブ3の構成が異なるのみである。したがって、
ここでは発熱スリーブ3の構成について説明し、重複説
明を避ける。
は、図8に示す従来の放射性廃棄物溶融炉に比べて、発
熱スリーブ3の構成が異なるのみである。したがって、
ここでは発熱スリーブ3の構成について説明し、重複説
明を避ける。
【0029】すなわち、本実施の形態に係る放射性廃棄
物溶融炉は、図1に示すように、下部コイル4で誘導加
熱される発熱スリーブ3を備えている。
物溶融炉は、図1に示すように、下部コイル4で誘導加
熱される発熱スリーブ3を備えている。
【0030】発熱スリーブ3は、上部開口部6の付近で
凝固金属11となった放射性廃棄物を溶融して、下部開
口部7から排出するようにしている。
凝固金属11となった放射性廃棄物を溶融して、下部開
口部7から排出するようにしている。
【0031】この発熱スリーブ3は、その厚みを下部側
よりも上部側を厚くしている。すなわち、上部開口部6
および下部開口部7の内径Dに対して、下部側の発熱ス
リーブ3の外径をそれより大きい値である外径D1、上
部側の発熱スリーブ3の外径を更にそれより大きい値で
ある外径D2としている(D2>D1>D)。
よりも上部側を厚くしている。すなわち、上部開口部6
および下部開口部7の内径Dに対して、下部側の発熱ス
リーブ3の外径をそれより大きい値である外径D1、上
部側の発熱スリーブ3の外径を更にそれより大きい値で
ある外径D2としている(D2>D1>D)。
【0032】これによって、上部側の発熱スリーブ3の
厚みは{(D2−D)/2}、下部側の発熱スリーブ3
の厚みは{(D1−D)/2}となる。
厚みは{(D2−D)/2}、下部側の発熱スリーブ3
の厚みは{(D1−D)/2}となる。
【0033】また、下部側の発熱スリーブ3は、下部コ
イル4の下端から長さH1までとしている。
イル4の下端から長さH1までとしている。
【0034】本実施の形態に係る放射性廃棄物溶融炉で
は、下部側の発熱スリーブ3の外径D1を、上部側の発
熱スリーブ3の外径D2に対して4/5程度とし、下部
コイル4の下端から長さH1を、下部コイル4の全長H
2に対して、4/5程度とすることにより、発熱スリー
ブ3の上部側の加熱が顕著となる。
は、下部側の発熱スリーブ3の外径D1を、上部側の発
熱スリーブ3の外径D2に対して4/5程度とし、下部
コイル4の下端から長さH1を、下部コイル4の全長H
2に対して、4/5程度とすることにより、発熱スリー
ブ3の上部側の加熱が顕著となる。
【0035】このように、本実施の形態に係る放射性廃
棄物溶融炉は、発熱スリーブ3の厚みを、下部側よりも
上部側を大きくしている。
棄物溶融炉は、発熱スリーブ3の厚みを、下部側よりも
上部側を大きくしている。
【0036】次に、以上のように構成した本実施の形態
に係る放射性廃棄物溶融炉の作用について説明する。
に係る放射性廃棄物溶融炉の作用について説明する。
【0037】図3は、第1の実施の形態に係る放射性廃
棄物溶融炉の発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を
示す模式図である。
棄物溶融炉の発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を
示す模式図である。
【0038】すなわち、本実施の形態に係る放射性廃棄
物溶融炉では、発熱スリーブ3の上部側の方が厚いため
に、発熱スリーブ3の上部側での発熱が促進される。す
なわち、図3に示すように、高さ方向における発熱分布
Bが、発熱スリーブ3の上部側と下部側との境界高さH
1付近にて最大値を示すような分布をなす。また,磁束
分布Aも、発熱スリーブ3の上部側と下部側との境界高
さH1付近にて歪んだ分布をなす。
物溶融炉では、発熱スリーブ3の上部側の方が厚いため
に、発熱スリーブ3の上部側での発熱が促進される。す
なわち、図3に示すように、高さ方向における発熱分布
Bが、発熱スリーブ3の上部側と下部側との境界高さH
1付近にて最大値を示すような分布をなす。また,磁束
分布Aも、発熱スリーブ3の上部側と下部側との境界高
さH1付近にて歪んだ分布をなす。
【0039】その結果、発熱スリーブ3の上部開口部6
付近で凝固している凝固金属11の加熱効率が改善さ
れ、発熱スリーブ3の加熱を開始してから、凝固金属1
1を溶融するまでに要する時間が短縮され、処理能力の
向上が図られる。
付近で凝固している凝固金属11の加熱効率が改善さ
れ、発熱スリーブ3の加熱を開始してから、凝固金属1
1を溶融するまでに要する時間が短縮され、処理能力の
向上が図られる。
【0040】なお、請求項でいう加熱コイルは本実施の
形態において下部コイル4に相当する。
形態において下部コイル4に相当する。
【0041】上述したように、本実施の形態に係る放射
性廃棄物溶融炉においては、上記のような作用により、
発熱スリーブ3の上部開口部6付近で凝固している凝固
金属11を効率良く加熱することができる。
性廃棄物溶融炉においては、上記のような作用により、
発熱スリーブ3の上部開口部6付近で凝固している凝固
金属11を効率良く加熱することができる。
【0042】その結果、発熱スリーブ3の加熱を開始し
てから、凝固金属11を溶融するまでに要する時間を短
縮することができ、処理能力の向上を図った放射性廃棄
物溶融炉を実現することが可能となる。
てから、凝固金属11を溶融するまでに要する時間を短
縮することができ、処理能力の向上を図った放射性廃棄
物溶融炉を実現することが可能となる。
【0043】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態を図4から図7を用いて説明する。
の形態を図4から図7を用いて説明する。
【0044】図4は、第2の実施の形態に係る放射性廃
棄物溶融炉の発熱スリーブの構成例を示す断面構成図で
ある。
棄物溶融炉の発熱スリーブの構成例を示す断面構成図で
ある。
【0045】図5は、図4のB−B線に沿った断面図で
ある。
ある。
【0046】図6は、下部コイルの上端に接合された強
磁性鋼鈑の構成例を示す斜視図である。
磁性鋼鈑の構成例を示す斜視図である。
【0047】本実施の形態に係る放射性廃棄物溶融炉
は、前述した第1の実施の形態の放射性廃棄物溶融炉に
おける下部コイル4の上端部に、磁性体である強磁性鋼
板15を備えた点のみが異なる。したがって、ここでは
強磁性鋼板15の構成について説明し、重複説明を避け
る。
は、前述した第1の実施の形態の放射性廃棄物溶融炉に
おける下部コイル4の上端部に、磁性体である強磁性鋼
板15を備えた点のみが異なる。したがって、ここでは
強磁性鋼板15の構成について説明し、重複説明を避け
る。
【0048】すなわち、本実施の形態に係る放射性廃棄
物溶融炉は、図4および図5に示すように、下部コイル
4の上方に、2枚の強磁性鋼板15を同心円状に配置
し、さらに各強磁性鋼鈑15の下端を下部コイル4の上
端に、銀ろう付け等により接合している。これにより、
下部コイル4と強磁性鋼鈑15との良好な熱伝導が実現
されるようにしている。
物溶融炉は、図4および図5に示すように、下部コイル
4の上方に、2枚の強磁性鋼板15を同心円状に配置
し、さらに各強磁性鋼鈑15の下端を下部コイル4の上
端に、銀ろう付け等により接合している。これにより、
下部コイル4と強磁性鋼鈑15との良好な熱伝導が実現
されるようにしている。
【0049】この強磁性鋼板15は、肉厚が0.5m
m、高さが(H2−H1)程度とし、図5および図6に
示すように、円周方向に略等間隔で10分割して、その
間に1mm程度の空隙を備えている。
m、高さが(H2−H1)程度とし、図5および図6に
示すように、円周方向に略等間隔で10分割して、その
間に1mm程度の空隙を備えている。
【0050】また、この強磁性鋼板15は、一般的なけ
いそう鋼板を用いることが可能であり、比透磁率および
電気伝導率をそれぞれ、好適な値である比透磁率300
以上、電気伝導率1×106S/m程度としている。
いそう鋼板を用いることが可能であり、比透磁率および
電気伝導率をそれぞれ、好適な値である比透磁率300
以上、電気伝導率1×106S/m程度としている。
【0051】さらに、この強磁性鋼板15の周囲を、耐
火材5で覆うようにしている。
火材5で覆うようにしている。
【0052】このように、本実施の形態に係る放射性廃
棄物溶融炉は、発熱スリーブ3の厚みを、下部側よりも
上部側を大きくし、かつ、下部コイル4の上部に、強磁
性鋼板15を備えている。
棄物溶融炉は、発熱スリーブ3の厚みを、下部側よりも
上部側を大きくし、かつ、下部コイル4の上部に、強磁
性鋼板15を備えている。
【0053】次に、以上のように構成した本実施の形態
に係る放射性廃棄物溶融炉の作用について説明する。
に係る放射性廃棄物溶融炉の作用について説明する。
【0054】図7は、第2の実施の形態に係る放射性廃
棄物溶融炉の発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を
示す模式図である。
棄物溶融炉の発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を
示す模式図である。
【0055】すなわち、本実施の形態に係る放射性廃棄
物溶融炉では、下部コイル4の上端部に強磁性鋼板15
が接合されている。この強磁性鋼板15は、透磁率が大
きくかつ電気抵抗が小さいことから、空気よりも磁束を
導きやすい。
物溶融炉では、下部コイル4の上端部に強磁性鋼板15
が接合されている。この強磁性鋼板15は、透磁率が大
きくかつ電気抵抗が小さいことから、空気よりも磁束を
導きやすい。
【0056】そのため、下部コイル4によって生成され
る磁束が、強磁性鋼板15側にまで導かれる。すなわ
ち、強磁性鋼鈑15の上部にまで磁束分布A’が引き上
げられる。このようにして、発熱スリーブ3の上部側と
下部側との境界高さH1付近にて最大値を示す発熱分布
B’が、第1の実施の形態に比べて更に強調される。
る磁束が、強磁性鋼板15側にまで導かれる。すなわ
ち、強磁性鋼鈑15の上部にまで磁束分布A’が引き上
げられる。このようにして、発熱スリーブ3の上部側と
下部側との境界高さH1付近にて最大値を示す発熱分布
B’が、第1の実施の形態に比べて更に強調される。
【0057】その結果、発熱スリーブ3の上部開口部6
付近で凝固している凝固金属11の加熱効率が第1の実
施の形態に比べて更に改善され、発熱スリーブ3の加熱
を開始してから、凝固金属11を溶融するまでに要する
時間が更に短縮され、処理能力の更なる向上が図られ
る。
付近で凝固している凝固金属11の加熱効率が第1の実
施の形態に比べて更に改善され、発熱スリーブ3の加熱
を開始してから、凝固金属11を溶融するまでに要する
時間が更に短縮され、処理能力の更なる向上が図られ
る。
【0058】なお、下部コイル4に強磁性鋼板15を接
合すると、この強磁性鋼板15は発熱するが、本実施の
形態では、強磁性鋼板15の厚みが0.5mmであり薄
いために発熱量は少ない。この厚みを小さくすれば、発
熱量は更に抑えられる。
合すると、この強磁性鋼板15は発熱するが、本実施の
形態では、強磁性鋼板15の厚みが0.5mmであり薄
いために発熱量は少ない。この厚みを小さくすれば、発
熱量は更に抑えられる。
【0059】また、強磁性鋼板15を円周状に配置する
と、渦電流が増加し、強磁性鋼板15は、この渦電流に
よっても発熱するが、本実施の形態では、円周方向に1
0分割され、更に互いに1mm程度の間隔を確保してい
るので、その影響は緩和される。
と、渦電流が増加し、強磁性鋼板15は、この渦電流に
よっても発熱するが、本実施の形態では、円周方向に1
0分割され、更に互いに1mm程度の間隔を確保してい
るので、その影響は緩和される。
【0060】本実施の形態では、発熱スリーブ3の上部
側と下部側との境界高さH1付近にて最大値を示す発熱
分布が、第1の実施の形態に比べて更に強調されるため
に、炉底と下部コイル4の上端との間にある耐火材の健
全性について懸念されるが、強磁性鋼板15の周囲に耐
火材5(例えば、砂などのスタンプ剤)を埋めること
で、実質的には従来の耐火材5と同様の効果が維持され
る。
側と下部側との境界高さH1付近にて最大値を示す発熱
分布が、第1の実施の形態に比べて更に強調されるため
に、炉底と下部コイル4の上端との間にある耐火材の健
全性について懸念されるが、強磁性鋼板15の周囲に耐
火材5(例えば、砂などのスタンプ剤)を埋めること
で、実質的には従来の耐火材5と同様の効果が維持され
る。
【0061】耐火材5の温度が上昇し、強磁性鋼板15
の融点である1800℃を越えることも考えられる。し
かしながら、強磁性鋼板15は、中空管21の内部に冷
却水22が流通している下部コイル4の上部に接合して
いることから、下部コイル4との熱伝導を通じて冷却さ
れ、強磁性鋼板15の温度は融点以下に抑えられる。
の融点である1800℃を越えることも考えられる。し
かしながら、強磁性鋼板15は、中空管21の内部に冷
却水22が流通している下部コイル4の上部に接合して
いることから、下部コイル4との熱伝導を通じて冷却さ
れ、強磁性鋼板15の温度は融点以下に抑えられる。
【0062】上述したように、本実施の形態に係る放射
性廃棄物溶融炉においては、上記のような作用により、
発熱スリーブ3の上部開口部6付近で凝固している凝固
金属11を効率良く加熱することができる。
性廃棄物溶融炉においては、上記のような作用により、
発熱スリーブ3の上部開口部6付近で凝固している凝固
金属11を効率良く加熱することができる。
【0063】その結果、発熱スリーブ3の加熱を開始し
てから、凝固金属11を溶融するまでに要する時間を短
縮することができ、処理能力の向上を図った放射性廃棄
物溶融炉を実現することが可能となる。
てから、凝固金属11を溶融するまでに要する時間を短
縮することができ、処理能力の向上を図った放射性廃棄
物溶融炉を実現することが可能となる。
【0064】なお、この強磁性鋼板15は発熱するが、
厚みが0.5mmと薄いことから発熱量は少なく、この
厚みを小さくすれば、発熱量は更に少なくなる。
厚みが0.5mmと薄いことから発熱量は少なく、この
厚みを小さくすれば、発熱量は更に少なくなる。
【0065】また、強磁性鋼板15には渦電流が発生
し、この渦電流によっても発熱するが、円周方向に10
分割され、更に互いに1mm程度の間隔を確保している
ことから、その影響は緩和される。
し、この渦電流によっても発熱するが、円周方向に10
分割され、更に互いに1mm程度の間隔を確保している
ことから、その影響は緩和される。
【0066】さらに、強磁性鋼板15は、中空管21の
内部に冷却水22が流通している下部コイル4の上部に
接合していることから、下部コイル4との熱伝導を通じ
て冷却され、強磁性鋼板15は融点に至ることはない。
内部に冷却水22が流通している下部コイル4の上部に
接合していることから、下部コイル4との熱伝導を通じ
て冷却され、強磁性鋼板15は融点に至ることはない。
【0067】炉底と下部コイル4の上端との間にある耐
火材5の健全性についても、強磁性鋼板15の周囲に耐
火材5(例えば、砂などのスタンプ剤)を埋めること
で、実質的には従来の耐火材5と同様の効果が維持でき
る。
火材5の健全性についても、強磁性鋼板15の周囲に耐
火材5(例えば、砂などのスタンプ剤)を埋めること
で、実質的には従来の耐火材5と同様の効果が維持でき
る。
【0068】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、次のようにしても同様に実施できる
ものである。
れるものではなく、次のようにしても同様に実施できる
ものである。
【0069】たとえば、前述した第2の実施の形態に係
る放射性廃棄物溶融炉は、発熱スリーブ3の厚みを、下
部側よりも上部側を大きくし、かつ強磁性鋼板15を、
下部コイル4の上部に備えているが、発熱スリーブ3の
厚みは一様であり、強磁性鋼板15を、下部コイル4の
上部に備えた構成としても良い。
る放射性廃棄物溶融炉は、発熱スリーブ3の厚みを、下
部側よりも上部側を大きくし、かつ強磁性鋼板15を、
下部コイル4の上部に備えているが、発熱スリーブ3の
厚みは一様であり、強磁性鋼板15を、下部コイル4の
上部に備えた構成としても良い。
【0070】これによっても、発熱スリーブ3の発熱分
布のピークを上方にシフトさせることができるので、凝
固鉄の加熱効率を高めることができる。
布のピークを上方にシフトさせることができるので、凝
固鉄の加熱効率を高めることができる。
【0071】以上、本発明の好適な実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
て、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の放射性廃
棄物溶融炉によれば、下部コイルを上部開口部側に移動
することなく発熱スリーブの発熱分布のピークを上方に
シフトさせることができる。
棄物溶融炉によれば、下部コイルを上部開口部側に移動
することなく発熱スリーブの発熱分布のピークを上方に
シフトさせることができる。
【0073】以上により、凝固鉄を効率よく加熱するこ
とが可能となり、もって、処理能力を高めることが可能
な放射性廃棄物溶融炉を実現することができる。
とが可能となり、もって、処理能力を高めることが可能
な放射性廃棄物溶融炉を実現することができる。
【図1】第1の実施の形態に係る放射性廃棄物溶融炉の
発熱スリーブの構成例を示す断面構成図。
発熱スリーブの構成例を示す断面構成図。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図。
【図3】第1の実施の形態に係る放射性廃棄物溶融炉の
発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を示す模式図。
発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を示す模式図。
【図4】第2の実施の形態に係る放射性廃棄物溶融炉の
発熱スリーブの構成例を示す断面構成図。
発熱スリーブの構成例を示す断面構成図。
【図5】図4のB−B線に沿った断面図。
【図6】下部コイルの上端に接合された強磁性鋼鈑の構
成例を示す斜視図。
成例を示す斜視図。
【図7】第2の実施の形態に係る放射性廃棄物溶融炉の
発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を示す模式図。
発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を示す模式図。
【図8】従来から用いられている放射性廃棄物溶融炉の
構成例を示す正面断面図。
構成例を示す正面断面図。
【図9】従来から用いられている放射性廃棄物溶融炉の
発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を示す模式図。
発熱スリーブの高さと発熱分布との関係を示す模式図。
1…メインコイル、 2…坩堝、 3…発熱スリーブ、 4…下部コイル、 5…耐火材、 6…上部開口部、 7…下部開口部、 10…溶融金属、 11…凝固金属、 15…強磁性鋼板、 21…中空管、 22…冷却水。
Claims (3)
- 【請求項1】 加熱コイルによって誘導加熱される発熱
スリーブを備え、前記発熱スリーブの上部開口部から導
入された放射性廃棄物を前記発熱スリーブで溶融すると
ともに、前記発熱スリーブで溶融された放射性廃棄物
を、前記発熱スリーブの下部開口部から排出する放射性
廃棄物溶融炉において、 前記発熱スリーブの厚みを、下部側よりも上部側を大き
くしたことを特徴とする放射性廃棄物溶融炉。 - 【請求項2】 加熱コイルによって誘導加熱される発熱
スリーブを備え、前記発熱スリーブの上部開口部から導
入された放射性廃棄物を前記発熱スリーブで溶融すると
ともに、前記発熱スリーブで溶融された放射性廃棄物
を、前記発熱スリーブの下部開口部から排出する放射性
廃棄物溶融炉において、 前記加熱コイルの上部に、磁性体を備えたことを特徴と
する放射性廃棄物溶融炉。 - 【請求項3】 加熱コイルによって誘導加熱される発熱
スリーブを備え、前記発熱スリーブの上部開口部から導
入された放射性廃棄物を前記発熱スリーブで溶融すると
ともに、前記発熱スリーブで溶融された放射性廃棄物
を、前記発熱スリーブの下部開口部から排出する放射性
廃棄物溶融炉において、 前記発熱スリーブの厚みを、下部側よりも上部側を大き
くし、かつ、前記加熱コイルの上部に、磁性体を備えた
ことを特徴とする放射性廃棄物溶融炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28569399A JP2001108794A (ja) | 1999-10-06 | 1999-10-06 | 放射性廃棄物溶融炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28569399A JP2001108794A (ja) | 1999-10-06 | 1999-10-06 | 放射性廃棄物溶融炉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001108794A true JP2001108794A (ja) | 2001-04-20 |
Family
ID=17694825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28569399A Withdrawn JP2001108794A (ja) | 1999-10-06 | 1999-10-06 | 放射性廃棄物溶融炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001108794A (ja) |
-
1999
- 1999-10-06 JP JP28569399A patent/JP2001108794A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070109 |