JP2001105758A - 感光性平版印刷版及びそれを用いたオフセット印刷方法 - Google Patents

感光性平版印刷版及びそれを用いたオフセット印刷方法

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JP2001105758A
JP2001105758A JP28985399A JP28985399A JP2001105758A JP 2001105758 A JP2001105758 A JP 2001105758A JP 28985399 A JP28985399 A JP 28985399A JP 28985399 A JP28985399 A JP 28985399A JP 2001105758 A JP2001105758 A JP 2001105758A
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Takao Nakayama
隆雄 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ性現像液を必要とせず、簡易に製版
できて、かつ印刷面の画像部と非画像部の識別性が更に
改良された実用レベルの印刷画質及び耐刷性を有し、さ
らに繰り返し再生して使用しても良好な画質を提供する
ことのできる感光性平版印刷版及びそれを用いた印刷方
法を提供すること。 【解決手段】金属酸化物表面に一般式GnJM4-n(式
中、Gは親油性有機基を示し、JはC、Si、Ge、T
i、Zr及びSnから選択される原子価4の元素を示
し、Mはハロゲンまたはアルコキシ基を示し、nは1〜
3の整数を示す。)で表される化合物を反応させること
により形成され、かつ露光により親水性に変化する親油
層を有することを特徴とする感光性平版印刷版。上記化
合物により形成される親油層を設けた感光性平版印刷版
を像様露光して露光部分を親水化した後、未露光部分に
インキを受け入れる印刷面を形成させて印刷を行うオフ
セット印刷方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般軽印刷分野、
とくにオフセット印刷、とりわけ簡易に印刷版を製作で
きる新規な感光性平版印刷版及びそれを用いたオフセッ
ト印刷方法に関するものである。その中でもとくに反復
再生使用を可能にする感光性平版印刷版及びそれを用い
たオフセット印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷法は、数多くの印刷方法
の中でも印刷版の製作工程が簡単であるために、とくに
一般的に用いられてきており、現在の主要な印刷手段と
なっている。この印刷技術は、油と水の非混和性に基づ
いており、画像領域には油性材料つまりインキが、非画
像領域には湿し水が選択的に保持される。したがって印
刷される面と直接あるいはブランケットと称する中間体
を介して間接的に接触させると画像部のインキが転写さ
れて印刷が行われる。
【0003】オフセット印刷の主な方法は、アルミニウ
ム基板を支持体としてその上にジアゾ感光層を塗設した
PS板である。PS板においては、支持体であるアルミ
ニウム基板の表面に砂目立て、陽極酸化、その他の諸処
理を施して画像領域のインキ受容能と非画像部のインキ
反発性を強め、耐刷力を向上させ、印刷面の精細化を図
るなどを行い、その表面に印刷用画像を形成させる。し
たがってオフセット印刷は、簡易性に加えて耐刷力や印
刷面の高精細性などの特性も備わってきている。
【0004】高精細化によってオフセット印刷法の利用
が拡がって一般印刷分野に普及する一方において、オフ
セット印刷法の一層の簡易化が要望され、数多くの簡易
印刷方法が提案されている。
【0005】上記の背景から、画像露光を行ったのちの
アルカリ現像液による現像工程を省略した簡易印刷版の
製作方法の開発が行われてきた。現像工程を省略できる
ことから無処理刷版とも呼ばれるこの簡易印刷版の技術
分野では、これまでに主として像様露光による画像記
録面上の照射部の熱破壊による像形成、像様露光によ
る照射部の疎水性化による画像形成、同じく照射部の
疎水性化であるが、光モード硬化によるもの、ジアゾ
化合物の光分解による表面性質の変化、画像部のヒー
トモード溶融熱転写などの諸原理に基づく手段が提案さ
れている。
【0006】上記のように、製版に際して現像液を必要
としない簡易な印刷方法が数多く考案されているが、疎
水性領域と親水性領域との差異が不十分であること、し
たがって印刷画像の画質が劣ること、解像力が劣り、鮮
鋭度の優れた印刷画面が得にくいこと、画像面の機械的
強度が不十分で傷がつきやすいこと、そのために保護膜
を設けるなどによって却って簡易性が損なわれること、
長時間の印刷に耐える耐久性が不十分なことなどのいず
れか一つ以上の欠点を伴っていて、単にアルカリ現像工
程を無くすだけでは実用性は伴わないことを示してい
る。印刷上必要とされる諸特性を具備し、かつ簡易に印
刷版を製作できる印刷版作成方法への強い要望は、上記
の数々の改良にも係わらず、いまだに十分に満たされて
いない。
【0007】上記した無処理型印刷版の技術開発の一つ
として、ジルコニアセラミックが光照射によって親水性
化することを利用した印刷版作製方法が特開平9−16
9098号で開示されている。しかし、ジルコニアの光
感度は不十分であり、かつ疎水性から親水性への光変換
効果が不十分のため画像部と非画像部の識別性が不足し
ており、無処理による簡易化の課題を解決するにいたっ
ていない。藤嶋達は、親水性酸化チタン電極を化学修飾
して疎水化し、光分解により親水化する現象を印刷へ利
用できる可能性を示唆している(電気化学、54、15
3(1986))が、電解を伴うために簡易化できな
い。
【0008】また、現像液を必要としない簡易性の追求
とともに、コストの低減と廃棄物の軽減の2面から、使
用済みの平版印刷版を簡単に再生して再使用できる再生
技術の開発も要望されている。平版印刷版の再生使用に
は、その再生操作の簡易性が実用価値を左右するが、再
生操作の簡易化は難度の高い課題であり、従来殆ど検討
されきておらず、わずかに上記の特開平9−16909
8号でジルコニアセラミックという特殊な平版印刷版用
材料について開示されているに過ぎない。本出願人は、
上記事情に鑑みてアルカリ性現像液を必要とせず、簡易
に製版できて、かつ印刷面の画像部と非画像部の識別性
が改良された実用レベルの印刷画質及び耐刷性を有し、
さらに平版印刷版を繰り返し再生て使用することのでき
る印刷方法及びそれを適用した装置を提案した。しかし
ながら、上記提案は、以下の点で更に改善の余地を残し
ている。有機化合物によって平版印刷版の表面を疎水性
化することにより、画像部と非画像部との識別性が向上
したが、該識別性を更に高めるために吸着性のつよい有
機化合物を用いると、親水性領域となる照射部に有機化
合物が残ってしまい湿し水を完全に受け入れていない場
合が起こることがあり、画像品質が常に安定性して得ら
れない場合が生じたり、再生して平版印刷版を用いる場
合にも有機化合物の除去が完全でなくなり前記と同様に
品質が低下するという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルカリ性
現像液を必要とせず、簡易に製版できて、かつ印刷面の
画像部と非画像部の識別性が更に改良された実用レベル
の印刷画質及び耐刷性を有し、さらに繰り返し再生して
使用しても良好な画質を提供することのできる感光性平
版印刷版及びそれを用いた印刷方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者たちは、上記の
目的を達成するために、鋭意検討の結果、感光性平版印
刷版を構成する金属酸化物の表面は、親油性有機基を有
した特定構造の反応性有機化合物の作用によって表面を
親油化できることを認め、この性質を版面上への印刷用
画像の形成に利用した印刷用画像形成方式に応用できる
ことを見いだした。さらに、本発明者たちは、上記反応
性有機化合物によって親油化された感光性平版印刷版表
面を像様露光すると露光部分が効果的に親水化すること
も見いだした。すなわち、本発明は、下記の通りであ
る。
【0011】1 金属酸化物表面に下記一般式(1)で
表される化合物を反応させることにより形成され、かつ
露光により親水性に変化する親油層を有することを特徴
とする感光性平版印刷版。 GnJM4-n (1) (式中、Gは親油性有機基を示し、JはC、Si、G
e、Ti、Zr及びSnから選択される原子価4の元素
を示し、Mはハロゲンまたはアルコキシ基を示し、nは
1〜3の整数を示す。) 2 金属酸化物表面に前記1記載の一般式(1)で表さ
れる化合物を反応させることにより形成される親油層を
設けた感光性平版印刷版を像様露光して露光部分を親水
化した後、未露光部分にインキを受け入れる印刷面を形
成させて印刷を行うことを特徴とするオフセット印刷方
法。 3 印刷後、版面に残存するインキを洗浄除去した後、
前記2に記載の方法を反復することを特徴とするオフセ
ット印刷方法。 また、本発明は以下の態様が好ましい。
【0012】1 上記一般式(1)で表される化合物
「以下、「反応性有機化合物」とも言う」の気体を含有
する雰囲気への暴露によって、あるいは液状反応性有機
化合物又は反応性有機化合物含有液体の塗布、噴霧又は
浸漬によって、感光性平版印刷版を反応性有機化合物と
接触させることにより、親油層を形成すること。
【0013】2 感光性平版印刷版の表面の金属酸化物
層が、周期律表の第3〜6周期に属していて、かつ0及
びVII A族(ハロゲン元素)族以外の元素から選ばれる
金属の酸化物からなる群の少なくとも一つによって構成
されていること。 3 感光性平版印刷版の表面が、TiO2 、RTiO3(R
はアルカリ土類金属原子)、AB2-x Cx D3-x Ex O10(A
は水素原子又はアルカリ金属原子、Bはアルカリ土類金
属原子又は鉛原子、Cは希土類原子、Dは周期律表の5
A族元素に属する金属原子、Eは同じく4A族元素に属
する金属原子、xは0〜2の任意の数値を表す)、Sn
2 ,GeO2 ,SiO2 ,Bi23 ,Al23 ,Z
nO及びFeOx (x=1〜1.5)から選ばれる金属
酸化物の少なくとも一つによって構成されていること。
【0014】4 像様露光後、水洗することで露光部分
を更に親水化すること。 5 感光性平版印刷版を印刷機に装着された状態で、前
記本発明によって親水性領域と親油性領域の像様分布を
形成させ、親油性領域がインキを受け入れた印刷面を形
成させて印刷を行うこと。
【0015】本発明の感光性平版印刷版は、「像様露光
することで親油層の露光部分を親水化させる特性を有す
る金属酸化物」(以下、「光触媒能を有する金属酸化
物」ともいう。)からなる層をその表面に担持してい
る。像様露光とは、金属酸化物を介して親油層の露光部
分を親水化させる特定波長の光乃至それを含む光を照射
する意味である。光触媒能を有する金属酸化物は、たと
えば酸化チタンが挙げられ、上述のようにその物質の表
面に光照射するとその表面が親水性に変化するという光
物性変化を行う物質である。また、このようなこの光物
性変化を引き起こす特定波長の光を「活性光」と呼んで
いる。
【0016】本発明の感光性平版印刷版において、光触
媒能を有する金属酸化物は、特定の官能基を有した一般
式(1)で表される化合物と結合すると親油性となると
いうさらなる発見に基づいて行われたものであり、その
本発明の要諦は、反応性有機化合物と結合して親油化し
た表面に像様露光を行って露光部分、即ち、照射部分を
親水化し、未露光部分、即ち、非照射部の親油性領域を
インク受用性として印刷版とすることである。
【0017】また、本発明の印刷方法は、第1段階とし
てまず上記金属酸化物の表面に反応性有機化合物を気相
で曝すか、又は液体又は溶液状態で浸漬や塗布などを行
ってその表面に反応性有機化合物を結合させることによ
り親油層を設け、第2段階として光触媒能を有する金属
酸化物を像様露光して、その表面に露光部分に対応する
親水性領域と未露光部分に対応する親油性領域の像様の
分布を形成させ、次いで第3段階として親油性領域に印
刷用インキを保持させてオフセット印刷を行う方法であ
る。さらに、印刷の終了後に使用済みの印刷版のインキ
を洗浄除去した後、必要により更に加熱によるかもしく
は光照射及び更に水洗によって残存した親油層を除去し
た後、その感光性平版印刷版は、上記した工程を繰り返
して反復して印刷に用いることができる。
【0018】光触媒能を有する金属酸化物の表面は、光
照射によって、表面を親油性から親水性にすると、その
表面は、室温下においても履歴効果によって実用的に十
分な時間その親水性が維持される。したがって、反応性
有機化合物との接触・結合によって親油化を十分に促進
させた表面に効果的な親水性領域が像様に形成され、該
親水性領域及び親油性領域が実用的な時間にわたって維
持される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 〔感光性平版印刷版材料〕はじめに、感光性平版印刷版
材料について説明する。本発明で用いる光照射によって
親水性となる「光触媒能を有する金属酸化物」は、セラ
ミックや半導体の中にも見られる。光触媒能を有するセ
ラミックは、複合金属酸化物からなっており、光触媒能
を有する半導体の多くは、基底順位と伝導体が近い真正
半導体と不純物準位に依存する酸化バナジウムや酸化銅
などの仮性半導体との両方に見られる。これらセラミッ
ク及び半導体は、本発明が利用する光触媒能の上では、
他の光触媒能を有する金属酸化物と同様であるので、そ
れらを「光触媒能を有する金属酸化物」に含めて以下に
説明する。
【0020】光触媒能を有する好ましい金属酸化物は、
周期律表の第3〜6周期に属していて、かつ0及びVII
A族(ハロゲン元素)族以外の元素から選ばれる金属の
酸化物からなる群の少なくとも一つによって構成されて
いる。その中でもとくに、TiO2 、RTiO3 (Rはアル
カリ土類金属原子)、AB2-xCx D3-x Ex O10(Aは水素
原子又はアルカリ金属原子、Bはアルカリ土類金属原子
又は鉛原子、Cは希土類原子、Dは周期律表の5A族元
素に属する金属原子、Eは同じく4A族元素に属する金
属原子、xは0〜2の任意の数値を表す)、SnO2
GeO2 ,SiO2 ,Bi23 ,Al23 ,ZnO及
びFeOx(x=1/0〜1.5)から選ばれる金属酸
化物が好ましい。
【0021】これらの金属酸化物は、いろいろの形態の
金属酸化物に見られ、単一の金属酸化物、複合酸化物の
いずれの場合もあり、また後者の場合は、固溶体、混
晶、多結晶体、非晶質固溶体、金属酸化物微結晶の混合
物のいずれからもこの特性を有するものが認められる。
【0022】なお、本発明に用いることのできる光触媒
能を有する金属酸化物は、印刷版として使用する際に湿
し水に対して過度に溶解してはならないので、水に対す
る溶解度は、水100ミリリットルについて10mg以
下、好ましくは5mg以下、より好ましくは1mg以下
である。
【0023】光触媒能を有する個々の金属酸化物につい
て説明する。金属酸化物の中でも、酸化チタンと酸化亜
鉛は好ましく、これらについてまず説明する。これら
は、いずれも本発明の感光性平版印刷版材料として利用
できる。特に酸化チタンが感度(つまり表面の光物性変
化の敏感性)などの点で好ましい。酸化チタンは、イル
メナイトやチタンスラグの硫酸加熱焼成、あるいは加熱
塩素化後酸素酸化など既知の任意の方法で作られたもの
を使用できる。あるいは後述するように金属チタンを用
いて印刷版製作段階で真空蒸着によって酸化物皮膜とす
る方法も用いることができる。
【0024】酸化チタン又は酸化亜鉛を含有する層を表
面に設け感光性平版印刷版とするには、たとえば、酸
化チタン微結晶又は酸化亜鉛微結晶の分散物を平版印刷
版上に塗設する方法、塗設したのち焼成してバインダ
ーを減量或いは除去する方法、平版印刷版上に蒸着、
スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの
方法で酸化チタン(又は酸化亜鉛)膜を設ける方法、
例えばチタニウムブトキシドのようなチタン有機化合物
を平版印刷版上に塗布したのち、焼成酸化を施して酸化
チタン層とする方法など、既知の任意の方法を用いるこ
とができる。本発明においては、真空蒸着又はスパッタ
リングによる酸化チタン層が特に好ましい。
【0025】上記又はの酸化チタン微結晶を塗設す
る方法には、具体的には無定形酸化チタン微結晶分散物
を塗布したのち、焼成してアナターゼまたはルチル型の
結晶酸化チタン層とする方法、酸化チタンと酸化シリコ
ンの混合分散物を塗布して表面層を形成させる方法、酸
化チタンとオルガノシロキサンなどとの混合物を塗布し
てシロキサン結合を介して支持体と結合した酸化チタン
層を得る方法、酸化物層の中に酸化物と共存するできる
ポリマーバインダーに分散して塗布したのち、焼成して
有機成分を除去する方法などがある。酸化物微粒子のバ
インダ−には、酸化チタン微粒子に対して分散性を有
し、かつ比較的低温で焼成除去が可能なポリマーを用い
ることができる。好ましいバインダーの例としては、ポ
リエチレンなどのポリアルキレン、ポリブタジエン、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリ蟻酸ビニル、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコ
ール、部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリスチレンな
どの疎水性バインダーが好ましく、それらの樹脂を混合
して使用してもよい。
【0026】上記の酸化チタンの真空蒸着を行うに
は、通常、真空蒸着装置内の蒸着用加熱の熱源に金属チ
タンを置き、真空度10-5〜10-8Torrで全ガス圧10
-2〜10-5Torr、酸素分圧比が30〜90%になるよう
にしながら、チタン金属を蒸発させると、蒸着面には酸
化チタンの蒸着薄膜が形成される。また、スパッタリン
グによる場合は、例えばスパッタ装置内にチタン金属タ
ーゲットをセットしてAr/O2 比が60/40(モル
比)となるようにガス圧を5×10-3Torrに調整したの
ち、RFパワー200Wを投入してスパッタリングを行
って酸化チタン薄膜を基板上に形成させる。
【0027】一方、本発明に酸化亜鉛層を使用する場
合、その酸化亜鉛層は既知の任意の方法で作ることがで
きる。とくに金属亜鉛板の表面を電解酸化して酸化皮膜
を形成させる方法と、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング,CVDなどによって酸化亜鉛皮膜を
形成させる方法が好ましい。酸化亜鉛の蒸着膜は、上記
の酸化チタンの蒸着と同様に金属亜鉛を酸素ガス存在下
で蒸着して酸化膜を形成させる方法や、酸素のない状態
で亜鉛金属膜を形成させたのち、空気中で温度を約70
0℃にあげて酸化させる方法を用いることができる。そ
のほか、蓚酸亜鉛の塗布層やセレン化亜鉛の薄層を酸化
性気流中で加熱しても得られる。
【0028】蒸着膜の厚みは、酸化チタン層、酸化亜鉛
層いずれの場合も1〜100000オングストロ−ムが
よく、好ましくは10〜10000オングストロ−ムで
ある。さらに好ましくは3000オングストロ−ム以下
として光干渉の歪みを防ぐのがよい。また、光活性化作
用を十分に発現させるには厚みが50オングストローム
以上あることが好都合である。
【0029】酸化チタンはいずれの結晶形のものも使用
できるが、とくにアナターゼ型のものが感度が高く好ま
しい。アナターゼ型の結晶は、酸化チタンを焼成して得
る過程の焼成条件を選ぶことによって得られることはよ
く知られている。その場合に無定形の酸化チタンやルチ
ル型酸化チタンが共存してもよいが、アナターゼ型結晶
が40%以上、好ましくは60%以上含むものが上記の
理由から好ましい。酸化チタンあるいは酸化亜鉛を主成
分とする層における酸化チタンあるいは酸化亜鉛の体積
率は、それぞれ30〜100%であり、好ましくは50
%以上を酸化物が占めるのがよく、さらに好ましくは酸
化物の連続層つまり実質的に100%であるのがよい。
しかしながら、表面の親水性/親油性変化特性は、酸化
亜鉛を電子写真感光層に用いるときのような著しい純度
による影響はないので、100%に近い純度のもの(例
えば98%)をさらに高純度化する必要はない。それ
は、本発明に利用される物性は、導電性とは関係ない膜
表面の親水性/親油性の性質変化特性、すなわち界面物
性の変化特性であることからも理解できることである。
【0030】次に、本発明に用いることができる別の化
合物である一般式RTiO3で示したチタン酸金属塩に
ついて記す。一般式RTiO3 において、Rはマグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリ
ウムなどの周期律表のアルカリ土類元素に属する金属原
子であり、とくにストロンチウムとバリウムが好まし
い。また、2種以上のアルカリ土類金属原子をその合計
が上記の式に化学量論的に整合する限り共存することが
できる。
【0031】次に、一般式AB2-x Cx D3-x Ex O10で表さ
れる化合物について説明する。この一般式において、A
は水素原子及びナトリウム、カリウム、ルビジウム、セ
シウム、リチウムなどのアルカリ金属原子から選ばれる
1価原子で、その合計が上記の式に化学量論的に整合す
る限りそれらの2種以上を共存してもよい。Bは、上記
のRと同義のアルカリ土類金属原子又は鉛原子であり、
同様に化学量論的に整合する限り2種以上の原子が共存
してもよい。Cは希土類原子であり、好ましくは、スカ
ンジウム及びイットリウム並びにランタン、セリウム、
プラセオジウム、ネオジウム、ホルミウム、ユウロピウ
ム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム、イッテルビ
ウム、ルテチウムなどのランタノイド系元素に属する原
子であり、また、その合計が上記の式に化学量論的に整
合する限りそれらの2種以上を共存してもよい。Dは周
期律表の5A族元素から選ばれた一種以上で、バナジウ
ム、ニオブ、タンタルが挙げられる。また、化学量論関
係を満たす限り、2種以上の5A族の金属原子が共存し
てもよい。Eは同じくチタン、ジルコニウム、ハフニウ
ムなどの4A族元素に属する金属原子であり、また、2
種以上の4A族の金属原子が共存してもよい。xは0〜
2の任意の数値を表す。
【0032】RTiO3 、一般式AB2-x Cx D3-x Ex O10で表
される上記化合物、SnO2,Bi23,FeOx (x
=1〜1.5)で示される酸化鉄系の化合物のいずれの
薄膜形成にも、酸化チタン及び酸化亜鉛を設ける前記の
方法を用いることがでる。すなわち、金属酸化物の微
粒子の分散物を印刷版の原板上に塗設する方法、塗設
したのち焼成してバインダーを減量或いは除去する方
法、印刷版の原板上に上記酸化物を各種の真空薄膜法
で膜形成する方法、例えば金属元素のアルコレートの
ような有機化合物を原板上に塗布したのち、加水分解さ
せ、さらに焼成酸化を施して適当な厚みの金属薄膜とす
る方法、上記金属元素の塩酸塩、硝酸塩などの水溶液
を加熱スプレーする方法など、既知の任意の方法を用い
ることができる。
【0033】例えば、上記、の塗設方法によってチ
タン酸バリウム微粒子を塗設するには、チタン酸バリウ
ムとシリコンの混合分散物を塗布して表面層を形成させ
る方法、チタン酸バリウムとオルガノポリシロキサンま
たはそのモノマ−との混合物を塗布する方法などがあ
る。また、酸化チタンの項で述べたように、酸化物層の
中に酸化物と共存できるポリマーバインダーに分散して
塗布した後、焼成して酸化物層とすることもできる。酸
化物微粒子のバインダ−として好ましいポリマーの例
は、酸化チタン層の項で述べたものと同じである。この
方法によって、チタン酸バリウム以外にチタン酸マグネ
シウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム
又はそれらの分子間化合物、混合物も同様に薄膜形成可
能である。
【0034】同様にして上記、の塗設方法によって
CsLa2NbTi210微粒子を塗設することも可能で
ある。CsLa2NbTi210微粒子は、その化学量論
に対応するCs2CO3, La23, NbO5, TiO2
を乳鉢で微粉砕して、白金るつぼに入れ、130℃で5
時間焼成し、それを冷却してから乳鉢に入れて数ミクロ
ン以下の微粒子に粉砕する。このCsLa2NbTi2
10微粒子を前記のチタン酸バリウムと同様にバインダー
の中に分散し、塗布して薄膜を形成した。この方法は、
CsLa2NbTi210型微粒子に限らず、HCa1.5
La0.5Nb2.5Ti0.510,HLa2NbTi210
ど前述のAB2-x Cx D3-x Ex O10(0≦x≦2)に適用さ
れる。
【0035】上記の真空薄膜形成法を用いた光触媒能
を有する金属酸化物層の形成方法としては、一般的には
スパッタリング法あるいは真空薄膜形成法が用いられ
る。スパッタリング法では、あらかじめ単一もしくは複
合型の酸化物ターゲットを準備する。例えば、チタン酸
バリウムターゲットを用いて蒸着膜用の支持体の温度を
450℃以上に保ち、アルゴン/酸素混合雰囲気中でR
Fスパッタリングを行うことによりチタン酸バリウム結
晶薄膜が得られる。結晶性の制御には必要に応じてポス
トアニーリングを300〜900℃で行えばよい。本方
法は前述のRTiO3 (Rはアルカリ土類金属原子)を
はじめ他の前記した金属酸化物にも、結晶制御に最適な
基板温度を調整すれば同様の考え方で薄膜形成が可能で
ある。例えば酸化錫薄膜を設ける場合には基板温度12
0℃、アルゴン/酸素比50/50の混合雰囲気中でR
Fスパッタリングを行うことにより酸化錫結晶の本目的
に沿う薄膜が得られる。
【0036】上記の金属アルコレートを用いる方法
も、バインダーを使用しないで目的の薄膜形成が可能な
方法である。チタン酸バリウムの薄膜を形成するにはバ
リウムエトキシドとチタニウムブトキシドの混合アルコ
ール溶液を表面にSiO2 を有するシリコン基板上に塗
布し、その表面を加水分解したのち、200℃以上に加
熱してチタン酸バリウムの薄膜を形成することが可能で
ある。本方式の方法も前述した他のRTiO3 (Rはア
ルカリ土類金属原子)、AB2-x Cx D3-x Ex O10(A,
B,C,D,Eはそれぞれ前記の定義の内容を表す)、
SnO2 ,SiO2,Bi23 及びFeOx(x=1〜
1.5)で示される酸化鉄系の化合物の薄膜形成に適用
することができる。
【0037】上記によって金属酸化物薄膜を形成させ
る方法も、バインダーを含まない系の薄膜の形成が可能
である。SnO2 の薄膜を形成するにはSnCl4 の塩
酸水溶液を200℃以上に加熱した石英又は結晶性ガラ
ス表面に吹きつけて薄膜を生成することができる。本方
式も、SnO2 薄膜のほか,前述したRTiO3 (Rはア
ルカリ土類金属原子)、AB2-x Cx D3-x Ex O10(A,
B,C,D,Eはそれぞれ前記の定義の内容を表す)、
Bi23 及びFeOx (x=1〜1.5)で示される
酸化鉄系の化合物のいずれの薄膜形成にも適用すること
ができる。
【0038】金属酸化物薄膜の厚みは、上記のいずれの
場合も1〜100000オングストロ−ムがよく、好ま
しくは10〜10000オングストロ−ムである。さら
に好ましくは3000オングストロ−ム以下として光干
渉の歪みを防ぐのがよい。また、光活性化作用を十分に
発現させるには厚みが50オングストローム以上あるこ
とが好都合である。
【0039】バインダーを使用した場合の上記光触媒能
を有する金属酸化物の薄層において、金属酸化物の体積
率は50〜100%であり、好ましくは90%以上を酸
化物が占めるのがよく、さらに好ましくは酸化物の連続
層つまり実質的に100%であるのがよい。
【0040】そのほか、ZnO,TiO2 ,SnO2
Al23 ,FeOx (x=1〜1.5)で示される酸
化鉄系の化合物は、それぞれの金属板の表面を陽極酸化
して得ることもできる。とくにZnO,TiO2 ,Al
23 は、陽極酸化によって容易に光触媒能を有する金
属酸化物の皮膜として支持体付きの形で得られる。陽極
酸化の方法は、たとえば、特開平6−35174号公報
の3〜5頁に詳記されている方法、その中に引用されて
いる方法、特開昭52−37104号公報に記載の方法
及び本発明の感光性平版印刷版用のアルミニウム支持体
の陽極酸化方法として後述する方法など、公知の適当な
方法や、それに準じた方法で行われる。陽極酸化によっ
て感光性平版印刷版を作る場合には、その酸化皮膜の厚
みは、上記した厚みでもよいが、さらに厚くてもよく、
2.0ミクロン以下、好ましくは1.0ミクロン以下で
用いられる。
【0041】以上で本発明に用いる光触媒能を有する金
属酸化物についての説明を終わる。
【0042】〔感光性平版印刷版の形態〕次に感光性平
版印刷版の形態について述べる。本発明に係わる感光性
平版印刷版は、いろいろの形態と材料を用いることがで
きる。例えば、光触媒能を有する金属酸化物の薄層を印
刷機の版胴の基体表面に蒸着、浸漬あるいは塗布するな
ど上記した方法で直接設けたもの、光触媒能を有する金
属酸化物を担持する支持体や、あるいは支持体を持たな
い光触媒能を有する金属酸化物の薄板を版胴の基体に巻
き付けて印刷版とするものなどを用いることができる。
また、勿論版胴上で製版する上記形態以外に、一般的に
行われているように、製版を行った印刷版を輪転式ある
いは平台式印刷機に装着する形態を採ってもよい。
【0043】光触媒能を有する金属酸化物が支持体上に
設けられる場合、使用される支持体は、寸度的にも安定
な板状物であり、アルミニウム板、SUS鋼板、ニッケ
ル板、銅板などの金属板が好ましく、特に可撓性(フレ
キシブル)の金属板を用いることが好ましい。また、ポ
リエステル類やセルローズエステル類などのフレキシブ
ルなプラスチック支持体も用いることが出来る。防水加
工紙、ポリエチレン積層紙、含浸紙などの支持体上に酸
化物層を設けてもよく、それを印刷版として使用しても
よい。
【0044】具体的には、紙、プラスチックシート(例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等のシ
ート)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅、ステンレス等)、プラスチックフィ
ルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、
プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セ
ルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポ
リビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネー
ト、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィ
ルム等が挙げられる。
【0045】好ましい支持体は、ポリエステルフィル
ム、ポリイミドフィルム、アルミニウム、又は印刷版上
で腐食しにくいSUS板であり、その中でも寸法安定性
がよく、比較的安価であるアルミニウム板と、製版工程
における加熱操作に対して安定性の高いポリイミドフィ
ルムは特に好ましい。
【0046】好適なポリイミドフィルムは、ピロメリッ
ト酸無水物とm−フェニレンジアミンを重合させたの
ち、環状イミド化したポリイミド樹脂フィルムであり、
このフィルムは市販されている(例えば、東レ・デュポ
ン社製の「カプトン」を挙げることができる)。
【0047】好適なアルミニウム板は、純アルミニウム
板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含
む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしく
は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニ
ウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガ
ン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッ
ケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高
々10重量%以下である。本発明において特に好適なア
ルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋な
アルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅か
に異元素を含有するものでもよい。このように本発明に
適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるも
のではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板
を適宜に利用することができる。本発明で用いられる金
属支持体の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ま
しくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm
〜0.3mmであり、プラスチックや加工紙などその他の
支持体の厚みはおよそ0.1mm〜2.0mm程度、好まし
くは0.2mm〜1.0mmである。
【0048】アルミニウム支持体を用いる場合は、表面
を粗面化して用いることが好ましい。その場合、所望に
より、粗面化に先立って表面の圧延油を除去するため
の、例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶
液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表
面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例え
ば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解
粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方
法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨
法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの
公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な
粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または
直流により行うなど公知の方法を利用することができ
る。また、粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じ
てアルカリエッチング処理および中和処理された後、所
望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸
化処理が施される。陽極酸化の電解質の濃度は電解質の
種類によって適宜決められる。
【0049】陽極酸化の処理条件は、用いる電解質によ
り種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電
解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、
電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量が1.0g/m2より少ないと、耐刷性が不十分であっ
たり、平板印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印
刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」
が生じ易くなる。
【0050】以上で本発明の印刷方法に使用する光触媒
能を有する金属酸化物を使用した感光性平版印刷版の構
成について説明したので、次に光触媒能を有する金属酸
化物と反応性有機化合物との反応により、その表面に形
成される親油層による親油化について説明する。
【0051】〔全面親油化〕本発明の反応性有機化合物
は、感光性平版印刷版の金属酸化物層と接触するときに
金属酸化物表面の水酸基と反応して結合し、酸素を介し
て金属酸化物表面に結合し、金属酸化物層上に反応性有
機化合物残基により親油層が形成される。そして、親油
層が設けられた金属酸化物層を像様露光すると露光部分
の上記結合が光触媒能により切断されることにより、そ
の露光部分の親油層が除去され該露光部分が親水化され
る。
【0052】即ち、本発明に使用される反応性有機化合
物は、上記機能を有する一般式(1)で表される化合物
(以下、「化合物(1)」ともいう)である。 GnJM4-n (1) (式中、Gは親油性有機基を示し、JはC、Si、G
e、Ti、Zr及びSnから選択される原子価4の元素
を示し、Mはハロゲンまたはアルコキシ基を示し、nは
1〜3の整数を示す。) 化合物(1)は、上述のように感光性平版印刷版の金属
酸化物層と接触するときにMが空気中の水により加水分
解して水酸化されると共に金属酸化物表面の水酸基と脱
水反応して酸素を介して金属酸化物表面に結合し、金属
酸化物層上に親油性有機基Gによる親油層が形成され
る。そして、親油層が設けられた金属酸化物層を像様露
光すると露光部分の反応性有機化合物と金属酸化物との
結合(即ち、金属酸化物の金属原子−酸素−J原子とい
う結合)における酸素−J間の結合やあるいはGnJに
含まれる結合が切断されることにより、反応性有機化合
物のGnJが脱離乃至分解除去され、該露光部分が親水
化される。光触媒能を有する金属酸化物層の活性光によ
る極性変換よりも化合物(1)が吸着した状態の極性変
換が顕著に大きい。親油性有機基Gは、反応性有機化合
物に上記機能を付与し得、かつ親油層形成の主体となる
機能を担え得るものであれば特に制限はない。具体的に
は親油性有機基Gとしては、好ましくは炭素数1〜32
の、更に好ましくは炭素数3〜18のアルキル基やアリ
ール基が挙げられ、また、これらアルキル基またはアリ
ール基の水素原子がアリール基、ハロゲン原子、エポキ
シ基、アミノ基、ビニル基、ビニル基、メタクリロキシ
基、シアノ基、アルキルチオ基(例えば、炭素数1〜
8)、アルキルオキシ基(例えば、炭素数1〜8)等で
置換された置換アルキル基または置換アリール基が挙げ
られる。
【0053】より具体的には、アルキル基(メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシ
ル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基
等)、モノクロロアルキル基(3−クロロプロピル基、
クロロメチル基、4−クロロブチル基、2−クロロエチ
ル基、5−クロロペンチル基、6−クロロヘキシル基
等)、ポリクロロアルキル基(3,3,3−トリクロロ
プロピル基、トリクロロメチル基、トリクロロブチル
基、トリクロロエチル基、トリクロロペンチル基、3,
3,4,4,5,5,6,6,6−ノナクロロヘキシル
基等)、アセトキシメチル基、アセトキシプロピル基、
4−アミノブチル基、ベンジル基、アミノエチル基、ア
ミノプロピル基、3−アミノフェノキシ基、5−(ビシ
クロヘプテニル)基、尿素プロピル基、ビニルベンジロ
キシ基、チエニル基、フェニルチエニル基、フェノキシ
プロピル基、ビニル基、ブテニル基、オクテニル基、オ
クタジエニル基、モルフォリノプロピル基、モルフォリ
ノエチルチオプロピル基、N−メチルアミノプロピル
基、メトキシフェニル基、メタクリロキシメチル基、O
−メタクリロキシ(ポリエチレンオキシ)エチル基、エ
チルメチルケトキシミノメチル基、5,6−エポキシヘ
キシル基、γ−グリシドキシプロピル基、エポキシエチ
ル基、エポキシメチル基、グリシジル基、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)基、ドコセニル基、o−ト
リル基、p−トリル基、ピリジノ基、ジエチルホスフェ
ートエチル基、N,N−ジエチル−3−アミノプロピル
基、シクロヘキシル基、2−(3−シクロヘキセニル)
エチル基、3−シアノプロピル基、クロロプロピル基、
2−(カルボキシメチルチオ)エチル基等が挙げられ
る。
【0054】JはC、Si、Ge、Ti、Zr及びSn
から選択される原子価4の元素を示す。金属酸化物が酸
化チタンである場合、JはC、Tiが感光性平版印刷版
の再生性能に特に優れる点で好ましい。Mは、ハロゲン
原子またはアルコキシ基を示す。ハロゲン原子として
は、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素で特に塩素が好まし
い。アルコキシ基としては、炭素数1〜12のものが好
ましく、炭素数3〜6のものが更に好ましい。nが1又
は2の場合、複数のMは互いに同一または異なるハロゲ
ン原子及び/又はアルコキシ基が置換されてもよい。n
は1〜3の整数であり、好ましくは1である。
【0055】反応性有機化合物の具体例としては、メチ
ルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピ
ルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ペンチ
ルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘプ
チルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ノ
ニルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ウン
デシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、
トリデシルトリクロロシラン、テトラデシルトリクロロ
シラン、ペンタデシルトリクロロシラン、ヘキサデシル
トリクロロシラン、ヘプタデシルトリクロロシラン、オ
クタデシルトリクロロシラン、ノナデシルトリクロロシ
ラン、エイコシルトリクロロシラン、
【0056】ジメチルジクロロシラン、エチルメチルジ
クロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、ブチル
メチルジクロロシラン、ペンチルメチルジクロロシラ
ン、ヘキシルメチルジクロロシラン、ヘプチルメチルジ
クロロシラン、オクチルメチルジクロロシラン、ノニル
メチルジクロロシラン、デシルメチルジクロロシラン、
ウンデシルメチルジクロロシラン、ドデシルメチルジク
ロロシラン、トリデシルメチルジクロロシラン、テトラ
デシルメチルジクロロシラン、ペンタデシルメチルジク
ロロシラン、ヘキサデシルメチルジクロロシラン、ヘプ
タデシルメチルジクロロシラン、オクタデシルメチルジ
クロロシラン、ノナデシルメチルジクロロシラン、エイ
コシルメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラ
ン、エチルジメチルクロロシラン、プロピルジメチルク
ロロシラン、ブチルジメチルクロロシラン、ペンチルジ
メチルクロロシラン、ヘキシルジメチルクロロシラン、
ヘプチルジメチルクロロシラン、オクチルジメチルクロ
ロシラン、ノニルジメチルクロロシラン、デシルジメチ
ルクロロシラン、ウンデシルジメチルクロロシラン、ド
デシルジメチルクロロシラン、トリデシルジメチルクロ
ロシラン、テトラデシルジメチルクロロシラン、ペンタ
デシルジメチルクロロシラン、ヘキサデシルジメチルク
ロロシラン、ヘプタデシルジメチルクロロシラン、オク
タデシルジメチルクロロシラン、ノナデシルジメチルク
ロロシラン、エイコシルジメチルクロロシラン、
【0057】アセトキシメチルトリクロロシラン、アセ
トキシエチルトリクロロシラン、アセトキシプロピルト
リクロロシラン、アセトキシブチルトリクロロシラン、
アセトキシペンチルトリクロロシラン、アセトキシヘキ
シルトリクロロシラン、アセトキシヘプチルトリクロロ
シラン、アセトキシオクチルトリクロロシラン、アセト
キシノニルトリクロロシラン、アセトキシデシルトリク
ロロシラン、アセトキシウンデシルトリクロロシラン、
アセトキシドデシルトリクロロシラン、アセトキシトリ
デシルトリクロロシラン、アセトキシテトラデシルトリ
クロロシラン、アセトキシペンタデシルトリクロロシラ
ン、アセトキシヘキサデシルトリクロロシラン、アセト
キシヘプタデシルトリクロロシラン、アセトキシオクタ
デシルトリクロロシラン、アセトキシノナデシルトリク
ロロシラン、アセトキシエイコシルトリクロロシラン、
【0058】メチルトリエトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルト
リエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキ
シルトリエトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラ
ン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシ
シラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリエ
トキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシ
ルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラ
ン、ペンタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルト
リエトキシシラン、ヘプタデシルトリエトキシシラン、
オクタデシルトリエトキシシラン、ノナデシルトリエト
キシシラン、エイコシルトリエトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、エチルメチルジエトキシシラン、プ
ロピルメチルジエトキシシラン、ブチルメチルジエトキ
シシラン、ペンチルメチルジエトキシシラン、ヘキシル
メチルジエトキシシラン、ヘプチルメチルジエトキシシ
ラン、オクチルメチルジエトキシシラン、ノニルメチル
ジエトキシシラン、デシルメチルジエトキシシラン、ウ
ンデシルメチルジエトキシシラン、ドデシルメチルジエ
トキシシラン、トリデシルメチルジエトキシシラン、テ
トラデシルメチルジエトキシシラン、ペンタデシルメチ
ルジエトキシシラン、ヘキサデシルメチルジエトキシシ
ラン、ヘプタデシルメチルジエトキシシラン、オクタデ
シルメチルジエトキシシラン、ノナデシルメチルジエト
キシシラン、エイコシルメチルジエトキシシラン、
【0059】トリメチルエトキシシラン、エチルジメチ
ルエトキシシラン、プロピルジメチルエトキシシラン、
ブチルジメチルエトキシシラン、ペンチルジメチルエト
キシシラン、ヘキシルジメチルエトキシシラン、ヘプチ
ルジメチルエトキシシラン、オクチルジメチルエトキシ
シラン、ノニルジメチルエトキシシラン、デシルジメチ
ルエトキシシラン、ウンデシルジメチルエトキシシラ
ン、ドデシルジメチルエトキシシラン、トリデシルジメ
チルエトキシシラン、テトラデシルジメチルエトキシシ
ラン、ペンタデシルジメチルエトキシシラン、ヘキサデ
シルジメチルエトキシシラン、ヘプタデシルジメチルエ
トキシシラン、オクタデシルジメチルエトキシシラン、
ノナデシルジメチルエトキシシラン、エイコシルジメチ
ルエトキシシラン、
【0060】3−クロロプロピルトリクロロシラン、ク
ロロメチルメチルジクロロシラン、4−クロロブチルジ
メチルクロロシラン、2−クロロエチルトリクロロシラ
ン、5−クロロペンチルメチルジクロロシラン、6−ク
ロロヘキシルジメチルクロロシラン、3,3,3−トリ
クロロプロピルトリクロロシラン、トリクロロメチルジ
メチルクロロシラン、トリクロロブチルメチルジクロロ
シラン、トリクロロエチルトリクロロシラン、トリクロ
ロペンチルトリクロロシラン、3,3,4,4,5,
5,6,6,6−ノナクロロヘキシルトリクロロシラ
ン、アセトキシメチルトリクロロシラン、アセトキシプ
ロピルジメチルクロロシラン、4−アミノブチルトリク
ロロシラン、ベンジルメチルジクロロシラン、アミノエ
チルジメチルクロロシラン、アミノプロピルメチルジク
ロロシラン、3−アミノフェノキシトリクロロシラン、
5−(ビシクロヘプテニル)トリクロロシラン、尿素プ
ロピルトリクロロシラン、ビニルベンジロキシトリクロ
ロシラン、チエニルトリクロロシラン、フェニルチエニ
ルジメチルクロロシラン、フェノキシプロピルトリクロ
ロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ブテニルメチ
ルジクロロシラン、オクテニルジメチルクロロシラン、
オクタジエニルトリクロロシラン、モルフォリノプロピ
ルジメチルクロロシラン、モルフォリノエチルチオプロ
ピルジメチルクロロシラン、N−メチルアミノプロピル
メチルジクロロシラン、メトキシフェニルメチルジクロ
ロシラン、メタクリロキシメチルメチルジクロロシラ
ン、O−メタクリロキシ(ポリエチレンオキシ)エチル
ジメチルクロロシラン、エチルメチルケトキシミノメチ
ルトリクロロシラン、5,6−エポキシヘキシルジメチ
ルクロロシラン、γ−グルシドプロピルメチルジクロロ
シラン、エポキシエチルトリクロロシラン、エポキシメ
チルジメチルクロロシラン、グリシジルメチルジクロロ
シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリ
クロロシラン、ドコセニルトリクロロシラン、o−トリ
ルメチルジクロロシラン、p−トリルメチルジクロロシ
ラン、ピリジノメチルジクロロシラン、ジエチルホスフ
ェートエチルトリクロロシラン、N,N−ジエチル−3
−アミノプロピルジメチルクロロシラン、シクロヘキシ
ルジメチルクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニ
ル)エチルジメチルクロロシラン、3−シアノプロピル
ジメチルクロロシラン、クロロプロピルトリクロロシラ
ン、2−(カルボキシメチルチオ)エチルメチルジクロ
ロシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、β(3,4エポキシ
シンクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
【0061】3−クロロプロピルトリエトキシシラン、
クロロメチルメチルジエトキシシラン、4−クロロブチ
ルジメチルエトキシシラン、2−クロロエチルトリエト
キシシラン、5−クロロペンチルメチルジエトキシシラ
ン、6−クロロヘキシルジメチルエトキシシラン、3,
3,3−トリクロロプロピルトリエトキシシラン、トリ
クロロメチルジメチルエトキシシラン、トリクロロブチ
ルメチルジエトキシシラン、トリクロロエチルトリエト
キシシラン、トリクロロペンチルトリエトキシシラン、
3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナクロロヘキ
シルトリエトキシシラン、アセトキシメチルトリエトキ
シシラン、アセトキシプロピルジメチルエトキシシラ
ン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、ベンジルメ
チルジエトキシシラン、アミノエチルジメチルエトキシ
シラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−
アミノフェノキシトリエトキシシラン、5−(ビシクロ
ヘプテニル)トリエトキシシラン、尿素プロピルトリエ
トキシシラン、ビニルベンジロキシトリエトキシシラ
ン、チエニルトリエトキシシラン、フェニルチエニルジ
メチルエトキシシラン、フェノキシプロピルトリエトキ
シシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ブテニルメ
チルジエトキシシラン、オクテニルジメチルエトキシシ
ラン、オクタジエニルトリエトキシシラン、モルフォリ
ノプロピルジメチルエトキシシラン、モルフォリノエチ
ルチオプロピルジメチルエトキシシラン、N−メチルア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、メトキシフェニ
ルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシメチルメチ
ルジエトキシシラン、O−メタクリロキシ(ポリエチレ
ンオキシ)エチルジメチルエトキシシラン、エチルメチ
ルケトキシミノメチルトリエトキシシラン、5,6−エ
ポキシヘキシルジメチルエトキシシラン、エポキシエチ
ルトリエトキシシラン、エポキシメチルジメチルエトキ
シシラン、グリシジルメチルジエトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリエトキシシラ
ン、ドコセニルトリエトキシシラン、o−トリルメチル
ジエトキシシラン、p−トリルメチルジエトキシシラ
ン、ピリジノメチルジエトキシシラン、ジエチルホスフ
ェートエチルトリエトキシシラン、N,N−ジエチル−
3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、シクロヘ
キシルジメチルエトキシシラン、2−(3−シクロヘキ
セニル)エチルジメチルエトキシシラン、3−シアノプ
ロピルジメチルエトキシシラン、クロロプロピルトリエ
トキシシラン、2−(カルボキシメチルチオ)エチルメ
チルジエトキシシラン
【0062】n−オクタデシルトリクロロメタン、n−
オクタデシルトリクロロチタン、フェニルトリクロロゲ
ルマン、O−アリルオキシ(ポリエチレンオキシ)トリ
イソプロポキシチタネート、チタンイソブトキサイド、
チタンイソブトキサイド、チタンn−ノニルオキサイ
ド、ジルコニウムt−ブトキサイド、ジルコニウムn−
プロポキサイド、テトライソプロポキシスズ−イソプロ
パノール、その他、上記例示した反応性シリコン化合物
において、SiをC、Ge、Ti、Zr及びSnで置換
し得る化合物等が挙げられる。
【0063】上記反応性有機化合物は、単独乃至組み合
わせて使用される。また、それらは上記反応性有機化合
物と同様の機能を発揮する基G、J、Mを有した構造の
ものであれば、化合物(1)は脱水縮合反応により、J
−O結合を介してなるオリゴマー化されたものでもよ
い。上記反応性有機化合物は、市販のものが使用でき、
例えば、信越化学工業(株)、チッソ(株)等から入手
できる。
【0064】反応性有機化合物を感光性平版印刷版表面
に接触させる好ましい方法は、低沸点の同化合物の場合
は、蒸気曝気用の外套を設けてその中に同化合物充填容
器を置いて、同化合物の蒸気を外套内に存在させて、外
套内の感光性平版印刷版が蒸気に曝される状態にするの
がよい。また、同化合物を含浸させた紙、布、ゼオライ
ト、珪藻土などを外套内に挿入するのもよい。
【0065】反応性有機化合物が液体の場合は、上記の
外套の中に、同化合物の液体を塗布、噴霧又は浸漬する
装置を設けて感光性平版印刷版表面に同化合物を直接接
触させる。また、固体乃至液体あるいは気体の場合は、
適当な有機溶剤、たとえばメタノール、アセトン、ベン
ゾール、トルエン、2、2、4−トリメチルペンタン又
は前記した本発明に好ましい反応性有機化合物から液体
のものを選んでその中に溶解して溶液として上記した方
法で接触させてもよい。
【0066】上記反応性有機化合物の接触処理は、通
常、室温で実施されるが、その処理系(反応性有機化合
物又はその溶液、感光性平版印刷版及び環境)の温度は
適宜最適化される。また、光触媒能を有する金属酸化物
の表面に付与される反応性有機化合物の量は、感光性平
版印刷版表面に反応性有機化合物の単分子層が形成され
る量が好ましい。この接触処理により親油性となった感
光性平版印刷版表面の水に対する接触角は、通常、40
〜140度、好ましくは60〜120度の範囲であり、
また、この感光性平版印刷版に光照射した部分の同接触
角は、通常、5〜20度、好ましくは5〜10の範囲である。
尚、感光性平版印刷版表面の水に対する接触角は、Cont
act Angle Meter CA-D(協和界面科学(株)製)を用い
た空中水滴法によるものである。
【0067】以上で親油化の方法及び操作の説明を終わ
る。本発明の感光性平版印刷版は、反応性有機化合物と
金属酸化物が反応し、親油層が担持された状態のもので
も、反応性有機化合物が担持されていない状態の感光性
平版印刷版と反応性有機化合物とが組み合わされたキッ
トの形態であってもよい。後者の場合、適宜、反応性有
機化合物を溶解する溶剤、繰り返し再生のための溶剤等
が包含されていてもよい。次の段階である親油化した感
光性平版印刷版表面への像様露光による親水性領域と親
油性領域の像様分布の付与、即ち、像様親水化について
説明する。
【0068】〔像様親水化〕光触媒能を有する金属酸化
物をその表面に有する感光性平版印刷版に光を像様に照
射して親水性領域を形成させる。本発明は、像様露光に
おける光照射により金属酸化物に結合した反応性有機化
合物が光分解して水溶性になるため、露光部分の湿し水
受用性が改善され、識別効果が高まるという効果を奏す
る。光照射の光源は、光触媒能を有する金属酸化物の感
光域の波長の光、すなわち光吸収域に相当する波長を少
なくとも含む光を発する光源である。例えば光触媒能を
有する金属酸化物が酸化チタンの場合では、アナターゼ
型が387nm以下,ルチル型が413nm以下、酸化
亜鉛は387nm以下に、その他の多くの金属酸化物の
場合も250〜390nmの紫外部に感光域を有してお
り、また、酸化亜鉛の場合は、固有吸収波長域(紫外線
領域)のほかに、既知の方法で分光増感を行って適用で
きる光の波長領域を拡げることもでき、したがって使用
される光源は、これらの波長領域の光を発する光源であ
り、主として紫外線を発する光源といえる。光触媒能を
有する金属酸化物層に像様分布を形成させるための露光
手段には、面露光方式、走査方式のいずれでもよい。
【0069】面露光方式の場合は、一様な光照射をマス
ク画像(例えば印刷原稿を現像したリスフィルム)を通
して感光性平版印刷版上に照射して、照射領域の表面を
親水化する方式である。支持体が透明である場合は、支
持体の裏側から支持体とマスク画像を通して露光するこ
ともできる。面露光方式で光照射を行うのに適した光源
は、水銀灯、タングステンハロゲンランプ、その他のメ
タルハライドランプ、キセノン放電灯などである。その
露光時間は、上記の露光強度が得られるように露光照度
を勘案して決定される。
【0070】好ましい光照射の光の強さは、光触媒能を
有する金属酸化物の性質によって異なり、また光の波
長、分光分布によっても異なるが、通常はマスク画像
(例えば現像済みリスフィルム)で変調する前の面露光
強度が0.05〜100joule/cm2 ,好ましく
は0.05〜10joule/cm2,より好ましくは
0.05〜5joule/cm2である。また、光触媒
反応には相反則が成立することが多く、例えば10mW
/cm2で100秒の露光を行っても、1W/cm2で1
秒の露光を行っても、同じ効果が得られる場合も多く、
このような場合には、光を発光する光源の選択の幅は広
くなる。
【0071】後者、すなわち走査式露光の場合には、画
像マスクを使用する代わりにレーザービームを画像で電
気的に変調して感光性平版印刷版上を走査する方式が行
われる。レーザー光源は、光のビームを発振する公知の
レーザーを用いることができる。例えば、励起光として
発振波長を325nmに有するヘリウムカドミウムレー
ザー、発振波長を351.1〜363.8nmに有する
水冷アルゴンレーザー、330〜440nmに有する硫
化亜鉛/カドミウムレーザーなどを用いることができ
る。さらに、紫外線レーザー、近紫外線レーザー発振が
確認されている発振波長を360〜440nmに有する
窒化ガリウム系のInGaN系量子井戸半導体レーザ
ー、及び発振波長を360〜430nmに有する導波路
MgO−LiNb03反転ドメイン波長変換型のレーザ
ーを使用することもできる。レーザー出力が0.1〜3
00Wのレーザーで照射をすることができる。また、パ
ルスレーザーを用いる場合には、ピーク出力が1000
W、好ましくは2000Wのレーザーを照射するのが好
ましい。支持体が透明である場合は、支持体の裏側から
支持体を通して露光することもできる。
【0072】以上で本発明における感光性平版印刷版の
親油性及び像様親水性発現挙動並びにそれらを利用した
印刷用画像形成方法について説明した。つぎにこの感光
性平版印刷版を装着して行う印刷方法および装置につい
て説明する。
【0073】〔印刷〕感光性平版印刷版は、その表面に
ネガモードの親油性・親水性の画像状分布を形成させた
のち、現像処理することなく、そのままオフセット印刷
工程に送ることができる。従って通常の公知の平版印刷
法に比較して簡易性を中心に多くの利点を有する。すな
わち上記したようにアルカリ現像液による化学処理が不
要であり、それに伴うワイピング、ブラッシングの操作
も不要であり、さらに現像廃液の排出による環境負荷も
伴わない。また、上記したような簡易な画像記録手段か
ら容易に印刷を行うことも利点である。
【0074】感光性平版印刷版版の非画像部、即ち、光
照射部分は、十分に親水化しているが、所望により、水
洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガム
や澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理することによ
り、更に親水化を向上させることができる。本発明によ
り得られた印刷用版材の後処理としては、これらの処理
を種々組み合わせて用いることができる。その方法とし
ては、整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、感
光性平版印刷版版上に塗布するか、整面液を満たしたバ
ット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コータ
ーによる塗布などが適用される。また、塗布した後でス
キージー、あるいは、スキージーローラーで、その塗布
量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。整
面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥重
量)が適当である。この様な処理によって得られた感光
性平版印刷版版は、オフセット印刷機等にかけられ、あ
るいは印刷機上で製版され、多数枚の印刷に用いられ
る。
【0075】次に印刷を終えた印刷版の再生工程につい
て記す。 〔感光性平版印刷版の再生〕印刷終了後の印刷版は、通
常、親油性の石油系溶剤を用いて付着しているインキを
洗い落とす。溶剤としては市販の印刷用インキ溶解液と
して芳香族炭化水素、例えばケロシン、アイソパーなど
があり、そのほかベンゾール、トルオール、キシロー
ル、アセトン、メチルエチルケトン及びそれらの混合溶
剤を用いてもよい。画像物質が溶解しない場合には、布
などを用いて軽く拭き取る。また、トルエン/ダイクリ
ーンの1/1混合溶媒を用いるとよいこともある。
【0076】この過程のみの感光性平版印刷版の再生で
も、反応性有機化合物が接触して感光性平版印刷版表面
の親油化は行われるが、必ずしも十分ではない場合は、
印刷に使用した印刷版面上に残存するインキを洗浄除去
したのち、その印刷版に高温親水性発現温度まで加熱す
ることによるかもしくは活性光照射及び必要により更に
水洗によって残存した親油層を除去した版を感光性平版
印刷版として反応性有機化合物による親油化を行うのが
好ましい。本発明に用いる光触媒能を有する金属酸化物
は、通常、加熱によって疎水化し、更に加熱すると親水
性になるという特性を有する。ここで、高温親水性発現
温度とは、光触媒能を有する金属酸化物が親水性になる
温度をいう。
【0077】上記感光性平版印刷版の再生のための加熱
は、200℃以上が好ましく、350〜600℃、0.
5〜5分の処理が更に好ましい。また、光照射は、感光
性平版印刷版に一様に照射されてよく、光触媒能を有す
る金属酸化物上に残存する反応性有機化合物は、光照射
により分解され、次いで施される水洗により効率的に除
去され、感光性平版印刷版の再生品質が向上する。ここ
で、水洗とは、水又は水溶性有機溶剤の水溶液による洗
浄を意味し、当該有機溶剤としては、メタノール、エタ
ノール、、イソプロパノール、アセトン、メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ等があげられる。再生された感
光性平版印刷版は、前記した方法で親油化を行い、版面
全体にわたって均一に親油性を回復する。この親油化操
作は、印刷インキを洗浄除去してから次の製版作業にお
いて光の像様照射を行うまでの間の任意の時期に行って
もよいが、その感光性平版印刷版を次の製版工程に再使
用する際に行うのが感光性平版印刷版の保管中の履歴の
影響を排除できる点で好ましい。
【0078】本発明に係わる感光性平版印刷版の反復再
生可能回数は、完全に把握できていないが、少なくとも
15回以上であり、おそらく版面の除去不能な汚れ、修
復が実際的でない刷面の傷や、版材の機械的な変形(ひ
ずみ)などによって制約されるものと思われる。
【0079】〔装置の態様〕本発明における感光性平版
印刷版の構成材料及び製版操作について説明した。次に
この感光性平版印刷版を装着して印刷を行う方法及び装
置を、図によって説明する。光触媒能を有する金属酸化
物を表面にもつ感光性平版印刷版を担持する部材は、上
記したように版胴の構成部材として固定されていてもよ
く、また着脱自在であってもよい。以下、図1以降の説
明では、本発明の簡易性を顕著に発揮する前者を例に、
すなわち版胴上に感光性平版印刷版が固定されている例
について説明する。
【0080】図1は、本発明の第1の実施形態の一例に
よるオフセット印刷装置の構成を示す図である。図1に
示すように本発明の一つの実施形態によるオフセット印
刷装置は、酸化チタンや酸化亜鉛など前記した光触媒能
を有する金属酸化物を表面に有する版胴1と、版胴1に
対して反応性有機化合物による親油化処理を行って感光
性平版印刷版表面を全面親油化する親油化処理部2と、
全面親油化された版胴1に対して光の像様照射を行って
親水性・親油性の像様分布を形成する光照射部5と、そ
の版胴1にインキおよび湿し水を供給するインキ・湿し
水供給部3と、印刷終了後に版胴1に残存するインキを
除去するインキ洗浄部4と、版胴1に保持されたインキ
を用紙に転写するための中間体としてのブランケット6
と、ブランケット6とともに給送された用紙を保持する
圧胴7とを備え、これらの部材が本体8内に収容されて
なるものである。なお、本体8には、後述するように印
刷原稿を焼き付けて現像済みのリスフィルム9を供給す
るためのフィルム供給部10が設けられている。
【0081】図2は、親油化処理部2の態様の一つを示
したもので、液状反応性有機化合物又は反応性有機化合
物を溶解した溶液(以下、両者を総称して「反応性有機
化合物液体」とも記す)を版胴1に巻き付けられた感光
性平版印刷版表面に塗布して反応性有機化合物の塗膜を
形成させるように組み立てられた親油化処理部である。
処理部の外套40の内部には、反応性有機化合物液体2
7を満たした容器41、その容器内に充填された液体に
下部が浸されて液体を付着させて取り出すディップロー
ラー42、ディップローラーに対向して取り出された液
体を適量だけ受け入れるリバースローラー43、リバー
スローラー43に付着している液体を転着して、それを
感光性平版印刷版表面に転写塗布するコーティングロー
ラー44から成っている。各ローラーの表面は、液体を
適量保持できるように吸液性の被覆が成されている。
【0082】図3は、親油化処理部2の別の態様を示し
たもので、反応性有機化合物の蒸気を発生させて、その
蒸気を含んだ雰囲気中で感光性平版印刷版表面の親油化
を促進できるように、反応性有機化合物蒸気供給手段を
設けた親油化処理部である。
【0083】図3において、反応性有機化合物蒸気供給
手段29では、空気取り入れ口24より空気が取り入れ
られて、内径約30mmの分液ろ斗タイプの硝子管を横
向きに配置した蒸発室26にコック25を経て導かれ
る。蒸発室には反応性有機化合物27(斜線で示す)が
容積率が例えば50%になるように満たされていて、反
応性有機化合物27の内部及び表面を空気が通過する間
に必要量の反応性有機化合物の蒸発気体を取り込んでか
ら、版胴1上の感光性平版印刷版表面に導かれ、反応性
有機化合物と金属酸化物との反応が行われ、金属酸化物
層上に親油層が形成される構造となっている。
【0084】親油化処理部2の外套の内部は、蒸発室2
6、蒸発を促進するために必要であれば使用するための
電熱ヒーター30及び蒸発室26と外套内部空間にそれ
ぞれ配した温度センサー33、32と外套内部温度を室
温付近の適温に制御する温度制御部34が配されてい
る。
【0085】反応性有機化合物27の蒸気の取り込み量
は、感光性平版印刷版の親油性を確保できる量であり、
その量になるように温度制御部34によって蒸発室26
の温度が設定される。蒸発室の温度は、例えば、揮発し
易い低沸点の反応性有機化合物の場合は、蒸発室の下部
に反応性有機化合物27を満たすだけで加熱する必要は
ないが、それでは不十分の沸点のやや高い化合物の場合
には、空隙率の大きい珪藻土、シリカ粒子、沸石粒子な
どを反応性有機化合物27とともに蒸発室内に入れて取
り入れた空気と反応性有機化合物との接触度を高める措
置が取られる。また、反応性有機化合物27が昇華性の
固形物の場合は、蒸発室26に適当な空隙率で充填され
る。さらに沸点が高い反応性有機化合物の場合には、温
度制御部34、電熱ヒーター30及び温度センサー33
によって蒸発室26内部の温度を蒸発に適した温度に調
節できる機構となっている。
【0086】なお、図3には示してないが、当然のこと
ながら蒸気を含んだ空気は、屋外排気される。また、必
要があれば、排気の前に空気浄化も行われる。親油化処
理部2において表面の親油化が行われた感光性平版印刷
版には、光照射部5で光の像様照射が行われる。
【0087】図1に戻って、本形態では光照射部5に光
源として水銀灯を用いているが、キセノン放電灯、高照
度ハロゲン・タングステンランプなどの紫外線成分を含
む他の光源であってもよい。版胴の回転方向に対して直
角方向に配したスリットによって、版胴の回転に伴って
版胴表面に設けた画像マスクすなわちリスフィルム9を
通してスリット光による全面走査露光が施される。スリ
ットの幅は必ずしも狭い必要はなく、光照射部5を通過
中に感光性平版印刷版表面に像様の親水性・親油性分布
が形成されるように照度とスリット幅及び版胴の回転速
度がきめられる。スリットの代わりに版胴の幅に合わせ
た照射幅をもついわゆるがんどう型のランプハウスを用
いてもよい。
【0088】光照射部5の別の態様としては、図1に示
したフィルム供給部10から供給される現像済みリスフ
ィルム9を画像マスクとして用いる代わりに、画像情報
を担持したレーザー光を光照射する方式も用いられる。
図4は、その例で画像情報を担持したレーザー光による
描画の例の構成例である。光照射部17(図1では、
5)は、レーザー光を出射して版胴1に照射するレーザ
ー光源18と、編集・レイアウトW/S20において印
刷すべき画像から信号化されて記録部に入力される画像
信号Sに基づいて、レーザー光源18を駆動してレーザ
ー光を変調させて版胴1の表面に描画を行うためのレー
ザー光源駆動部19とからなる。光源18は出射される
レーザー光を版胴1の回転軸方向に版胴1に対して相対
的に移動して版胴1上を走査するよう構成されており、
版胴1が回転することにより、版胴1の表面が変調され
たレーザー光により露光され、版胴1におけるレーザー
光が照射されなかった部分が親油性の画像領域とされ、
レーザー光が照射された部分が親水性の非画像領域とさ
れて、ネガ型方式による描画がなされるものである。
【0089】レーザー光は、紫外域、可視域又は近赤外
域に発振波長をもち、画像信号によって変調されてい
る。本実施形態では、ヘリウムカドミウムレーザーを搭
載して、そのビーム光が直接版胴の表面に照射される。
この光照射による光反応によって表面が親水化する。レ
ーザービーム幅は、概略30μm、エネルギー強度は1
0mW〜10Wが望ましい。一般に強度が強いとそれだ
け短時間に照射が終わるので実用的には望ましい。な
お、レーザーは、光を発振するものであれば、半導体レ
ーザー、固体レーザーそのほか任意のレーザーを用いる
ことが出来る。
【0090】なお、ここではレーザーを直接変調する方
式を示したが、レーザーと音響光学素子のような外部変
調素子との組み合わせによっても同様に描画できること
はもちろんである。
【0091】次いで、第1の実施形態の動作について像
様の親水化領域の形成を説明する。反応性有機化合物の
接触処理により全面が親油化した版胴は、光照射部5
で、画像マスクを経ることにより、又は画像情報で変調
させることにより、像様分布が付与された光照射を受け
て、照射を受けた露光部分が親水性で、照射を受けなか
った未露光部分は親油性を有する親水性・親油性の画像
状分布が得られる。光照射による描画が終了すると、イ
ンキ・湿し水供給部3よりインキおよび湿し水が版胴1
に供給される。これにより、版胴1の親油性の未露光部
分にはインキを受け入れる印刷面が形成され、親水性の
非画像領域にはインキが保持されることなく湿し水が保
持される。
【0092】その後、ブランケット6と圧胴7との間に
矢印Aに示すように用紙を供給し、版胴1に保持された
インキをブランケット5を介して用紙に転写することに
よりオフセット印刷が行われる。
【0093】印刷終了後、インキ洗浄部4により版胴1
に残存するインキを除去する。また、好ましくは加熱に
よるかもしくは光照射及び必要により更に水洗によって
残存した親油層を除去した後、版胴1を親油化処理部2
を通して親油化することにより、版胴1の像様の親水性
領域は消去されて、親水性領域を形成する像様の光照射
を行う前の状態に戻る。
【0094】このように、本発明によるオフセット印刷
装置によれば、全面親油性の均一表面の形成と光による
像様照射のみで版胴1にネガ型方式の印刷画面を形成す
ることができ、これにより現像が不要でかつ印刷面の鮮
鋭性が保たれたオフセット印刷を行うことができる。ま
た、版胴1を洗浄して再度反応性有機化合物により接触
処理することにより元の状態に戻すことができるため、
版胴1を反復使用することができ、これにより印刷物を
低コストで提供することができることとなる。さらに、
印刷装置から版胴1を取り外す必要がないため、従来の
PS版のように印刷装置に組み込む際にゴミなどが付着
することもなくなり、これにより、印刷品質を向上させ
ることができる。
【0095】また、感光性平版印刷版として版胴1を使
用し、版胴1の周囲に親油化処理部2、インキ・湿し水
供給部3、インキ洗浄部4および光照射部5を配設する
ことにより、単に版胴1を回転させるのみで、感光性平
版印刷版の全面親油化、光による像様照射およびインキ
と湿し水の供給、さらには印刷終了後のインキ洗浄を行
うことができるため、装置をコンパクトに構成すること
ができ、これにより省スペース化を図ることができる。
【0096】さらに、ネガ型の簡易な製版方式の中で
も、ほぼ室温で反応性有機化合物によって全面親油化し
てから像様の親水性領域を形成する本発明は、親油化操
作を行わないで直接、光の像様照射を行う方式に比較し
て、均一性の高い親油性表面が得られ、感光性平版印刷
版材料に適した反応性有機化合物を選択できて、高度に
親油化でき、その光分解性により、高度に親水化される
ため画像領域と非画像領域の識別性の高い画像が安定し
て得られると共に全面露光による反応性有機化合物の除
去性が優れることから、感光性平版印刷版の再生品質が
向上するなどの利点を有している。
【0097】
【実施例】〔実施例1〕99.5重量%アルミニウム
に、銅を0.01重量%、チタンを0.03重量%、鉄
を0.3重量%、ケイ素を0.1重量%含有するJIS
A1050アルミニウム材の厚み0.30mm圧延板を、
400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20重量
%水性懸濁液と、回転ナイロンブラシ(6,10−ナイ
ロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく水で
洗浄した。これを15重量%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウム4.5重量%含有)に浸漬してアルミニ
ウムの溶解量が5g/m2になるようにエッチングした後、
流水で水洗した。更に、1重量%硝酸で中和し、次に
0.7重量%硝酸水溶液(アルミニウム0.5重量%含
有)中で、陽極時電圧10.5ボルト、陰極時電圧9.
3ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.90、
特公昭58−5796号公報実施例に記載されている電
流波形)を用いて160クローン/dm2の陽極時電気量
で電解粗面化処理を行った。水洗後、35℃の10重量
%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム
溶解量が1g/m2になるようにエッチングした後、水洗し
た。次に、50℃、30重量%の硫酸水溶液中に浸漬
し、デスマットした後、水洗した。
【0098】さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液
(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用い
て、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。即ち電流密
度13A/dm2で電解を行い、電解時間の調節により陽極
酸化皮膜重量2.7g/m2とした。この支持体を水洗後、
70℃のケイ酸ナトリウムの3重量%水溶液に30秒間
浸漬処理し、水洗乾燥した。以上のようにして得られた
アルミニウム支持体は、マクベスRD920反射濃度計
で測定した反射濃度は0.30で、中心線平均粗さは
0.58μmであった。
【0099】次いでこのアルミニウム支持体を真空蒸着
装置内に入れて、全圧1.5x10 -4Torrになるように
分圧80%の酸素ガスの条件下でチタン金属片を電熱加
熱して、アルミニウム支持体上に蒸着して酸化チタン薄
膜を形成した。この薄膜の結晶成分はX線解析法によっ
て無定型/アナターゼ/ルチル結晶構造の比が1.5/
6.5/2であり、TiO2薄膜の厚さは2000オングス
トロームであった。これを版胴1の基体に巻き付けて機
上印刷用の感光性平版印刷版とした。
【0100】図2に示した態様の親油化処理部2を使用
し、反応性有機化合物用の容器にはn−オクタデシルト
リクロロシランの0.1%トルエン溶液を充填して、コ
ーティングローラーによって感光性平版印刷版表面にn
−オクタデシルトリクロロシランを塗布し、続いてトル
エンにて洗浄して親油性表面を形成させた。感光性平版
印刷版表面の水に対する接触角をContact Angle Meter
CA-D(協和界面科学(株)製)を用いて空中水滴法で表
面の水に対する接触角を測定したところ、いずれの部分
も115〜120度の間にあった。
【0101】次いで、図4の光照射部5に、US10焼
き付け用光源装置ユニレックURM600形式GH60
201X(ウシオ電気工業(株)製)を用いて光強度1
00mW/cm2 のもとで通過時間が15秒となる回転
速度で版胴を回転させた。フィルム供給装置10から供
給された現像済みフィルムを通して感光性平版印刷版表
面に像様の光露光が行われた。照射後の感光性平版印刷
版表面の水に対する接触角をContact Angle Meter CA-D
(協和界面科学(株)製)を用いて空中水滴法で表面の
水に対する接触角を測定したところ、いずれの照射領域
も7〜9度の間にあった。
【0102】この版胴1をサクライ社製オリバー52片
面印刷機に使用して、インキ・湿し水供給部3において
湿し水を純水、インキを大日本インキ化学工業社製Newc
hampion Fグロス85墨を用いて3000枚オフセット
印刷を行った。スタートから終了まで鮮明な印刷物が得
られ、版胴1の損傷も認められなかった。
【0103】次いで洗浄部4において、版胴1の表面を
印刷用インキ洗浄液ダイクリーンR(発売元;大日本イ
ンキ化学工業社)とトルエンの1/1混合液をウエスに
しみ込ませて丁寧に洗浄してインキを除去した。次い
で、図4の光照射部5で、像様露光と同じUS10焼き
付け用光源装置ユニレックURM600形式GH602
01X(ウシオ電気工業(株)製)を用いて光強度10
0mW/cm2 のもとで通過時間が30秒となる回転速
度で版胴を回転させた。フイルム供給なしで全面露光が
行われた。照射後の感光性平版印刷版表面の水に対する
接触角をContact Angle Meter CA-D(協和界面科学
(株)製)を用いて空中水滴法で表面の水に対する接触
角を測定したところ、いずれの照射領域も7〜9度の間
にあった。この再生された感光性平版印刷版に再び親油
化処理部2において反応性有機化合物であるn−オクタ
デシルトリクロロシランを前記と同様に付与し、前回と
同じ方法で接触角を測定した。版表面のどの部分も11
5〜120度の間にあった。
【0104】次いで、この版胴1の表面に上記と同一の
条件で像様露光を行った。この版胴1をサクライ社製オ
リバー52片面印刷機に使用して、インキ・湿し水供給
部3において湿し水を純水、インキを大日本インキ化学
工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて3000
枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで鮮明
な印刷物が得られ、版胴1の損傷も認められなかった。
【0105】以上の繰り返しを3回実施したところ、印
刷面の画像の鮮明さの変化は認められなかった。この結
果から、酸化チタン層をアルミニウム支持体上に設けた
感光性平版印刷版を使用し、上記印刷装置を用いて反応
性有機化合物による処理と光の像様照射によってネガ方
式の製版による印刷が可能であり、しかも感光性平版印
刷版を反復再生使用できることが示された。 〔実施例2〕実施例1におけるインキの洗浄後の印刷例
において、インキの洗浄の後、感光性平版印刷版に一様
に光照射して再生する方法に代えて、300℃、2分の感光
性平版印刷版の加熱処理を施した以外は実施例1と同様
に印刷を実施した。この再生の繰り返しを3回実施した
ところ、接触角の値、画像の変化はほとんど認められな
かった。
【0106】〔実施例3〕実施例1において使用した反
応性有機化合物の代わりにn−オクタデシルトリクロロ
カーボンを用いた他は、実施例1と同様に3000枚オ
フセット印刷を行った。スタートから終了まで鮮明な印
刷物が得られ、版胴1の損傷も認められなかった。
【0107】次いで洗浄部4において、実施例1と同様
にインキを除去した後、光照射することなく再び親油化
処理部2において上記反応性有機化合物であるn−オク
タデシルトリクロロカーボンを前記と同様にして付与
し、前回と同じ方法で接触角を測定した。版表面のどの
部分も115〜120度の間にあった。
【0108】次いで、この版胴1の表面に上記と同一の
条件で像様露光を行った。この版胴1をサクライ社製オ
リバー52片面印刷機に使用して、インキ・湿し水供給
部3において湿し水を純水、インキを大日本インキ化学
工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて3000
枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで鮮明
な印刷物が得られ、版胴1の損傷も認められなかった。
【0109】以上の繰り返しを5回実施したところ、接
触角の値及び印刷面の画像の鮮明さの変化は認められな
かった。この結果から、酸化チタン層をアルミニウム支
持体上に設けた感光性平版印刷版を使用し、上記印刷装
置を用いて反応性有機化合物による処理と光の像様照射
によってネガ方式の製版による印刷が可能であり、しか
もインキの洗浄除去のみで感光性平版印刷版を反復再生
使用できることが示された。 〔実施例4〕実施例3におけるn−オクタデシルトリク
ロロカーボンをn−オクタデシルトリクロロチタンに代
えた以外は、実施例3と同様に3000枚オフセット印
刷を行った。スタートから終了まで鮮明な印刷物が得ら
れ、版胴1の損傷も認められなかった。
【0110】次いで洗浄部4において、実施例3と同様
にインキを除去し、実施例3と同様にして3000枚オ
フセット印刷を行った。スタートから終了まで鮮明な印
刷物が得られ、版胴1の損傷も認められなかった。
【0111】以上の繰り返しを5回実施したところ、接
触角の値及び印刷面の画像の鮮明さの変化は認められな
かった。 〔実施例5〕実施例1におけるn−オクタデシルトリク
ロロシランの代わりにn−オクタデシルジメチルシラン
を用いた他は、実施例1と同様にして感光性平版印刷版
に親油性表面を形成させた。感光性平版印刷版表面の水
に対する接触角を実施例1と同様に測定したところ、い
ずれの部分も105〜115度の間にあった。
【0112】次いで、実施例1と同様に像様露光を行い
照射後の感光性平版印刷版表面の水に対する接触角を同
様に測定したところ、いずれの照射領域も7〜9度の間
にあった。
【0113】この版胴1を実施例1と同様に使用して、
3000枚オフセット印刷を行った。スタートから終了
まで鮮明な印刷物が得られ、版胴1の損傷も認められな
かった。
【0114】次いで実施例1と同様にインキを除去し、
次いでフイルム供給なしで全面露光を行い、照射後の感
光性平版印刷版表面の水に対する接触角を同様に測定し
たところ、いずれの照射領域も7〜9度の間にあった。
この再生された感光性平版印刷版に再び親油化処理部2
においてn−オクタデシルジメチルクロロシランを前記
と同様に付与し、前回と同じ方法で接触角を測定した。
版表面のどの部分も105〜115度の間にあった。
【0115】次いで、この版胴1の表面に上記と同一の
条件で像様露光を行い、実施例1と同様に3000枚オ
フセット印刷を行った。スタートから終了まで鮮明な印
刷物が得られ、版胴1の損傷も認められなかった。
【0116】以上の繰り返しを3回実施したところ、印
刷面の画像の鮮明さの変化は認められなかった。 〔実施例6〕実施例5におけるインキの洗浄後の印刷例
において、インキの洗浄の後、感光性平版印刷版に一様
に光照射して再生する方法に代えて、300℃、2分の感光
性平版印刷版の加熱処理を施した以外は実施例1と同様
に印刷を実施した。この再生の繰り返しを3回実施した
ところ、接触角の値、画像の変化はほとんど認められな
かった。 〔実施例7〕実施例1のアルミニウム支持体を100ミ
クロン厚みのSUS板に代えた以外は、実施例1と同様
に感光性平版印刷版を作成し、同様に印刷を実施したと
ころ、実施例1と同様に鮮明な印刷物が得られた。ま
た、再生された感光性平版印刷版も実施例1及び2と同
様な性能を示した。 〔実施例8〕実施例1と同様にして陽極酸化処理したア
ルミニウム支持体をCsLa2NbTi210の化学量論
比に相当するセシウムエトキシド、チタンブトキシド、
ランタンイソブトキシド、ニオブエトキシドを含む20
%のエタノール溶液に浸漬して表面を加水分解したのち
280℃に加熱してアルミニウム支持体表面にCsLa
2NbTi210の厚み1000オングストロームの薄膜
を形成させた。
【0117】この複合金属酸化物薄膜付きアルミニウム
支持体を版胴の基体に巻き付けて感光性平版印刷版とし
た以外は、実施例1と同じ製版、印刷及びインキ洗浄除
去、全面照射または加熱処理、再印刷を行った。親油性
領域の水に対する接触角は、1回目及び2回目とも10
5〜110度であり、また、活性光の照射領域の接触角
は、10〜14度であった。印刷面の品質も1回目及び
2回目とも地汚れはなく、画像領域と非画像領域の識別
性も十分であった。
【0118】〔実施例9〕実施例1におけるn−オクタ
デシルトリクロロシランに代えて3−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランを用いて、感光性平版印刷版上
に親油層を形成した以外は、実施例1と同じ製版、印刷
及びインキ洗浄除去、全面照射、再印刷を行ったとこ
ろ、実施例1と同様に鮮明な印刷物が得られた。また、
実施例2と同様な再生処理された感光性平版印刷版も上
記と同様な性能を示した。
【0119】
【発明の効果】本発明は光触媒能を有する金属酸化物を
画像形成層とした感光性平版印刷版に反応性有機化合物
を接触させてその表面を親油性として、その表面に光を
像様照射して、親水性と親油性の像様分布を形成させて
印刷版を作成するものであり、現像などの処理を必要と
せず、直接印刷版を作成することができ、かつ印刷終了
後、印刷版のインキを除去して、必要により加熱もしく
は一様露光の後、更に水性洗浄することにより感光性平
版印刷版を再生して反復使用することができる。また、
感光性平版印刷版を印刷機の版胴に装着し、印刷機上
で、親水化、インキ・湿し水供給及び印刷後の感光性平
版印刷版再生を行う印刷装置を用いて簡易で安価なオフ
セット印刷を行うことができる。本発明の感光性平版印
刷版は、ネガ型の製版方式に適用され、かつ反応性有機
化合物は金属酸化物と強固に結合するために未露光の画
像部分は安定した親油性が保持され、かつ非画像部であ
る露光部分では金属酸化物の光触媒能により効果的に親
水化が安定して形成できるので、親油化の処理を行わな
いで像様の親水性領域を形成させる印刷・製版方法等に
比べて画像領域と非画像領域との識別性が高く、印刷品
質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の一例によるオフセッ
ト印刷装置の構成を示す図である。
【図2】反応性有機化合物の供給・適用手段を設けた親
油化処理部の一態様の構成を示す図である。
【図3】反応性有機化合物蒸気の供給・適用手段を設け
た親油化処理部の一態様の構成を示す図である。
【図4】光照射部の一態様の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 版胴 2 親油化処理部 3 インキ・湿し水供給部 4 インキ洗浄部 5 親水性領域描画部(光照射部) 6 ブランケット 7 圧胴 8 本体 17 光照射部 18 レーザー光源 19 レーザー光源駆動部 20 編集・レイアウトW/S 24 空気取り入れ口 25 コック 26 蒸発室 27 反応性有機化合物 29 反応性有機化合物供給手段 30 電熱ヒーター 32 温度センサー 33 温度センサー 34 温度制御部 40 外套 41 容器 42 ディップローラー 43 リバースローラー 44 コーティングローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AB03 AC01 AC08 AD01 BH03 DA37 FA10 2H096 AA06 BA09 BA20 EA02 EA04 EA23 LA30 2H114 AA04 AA22 AA23 BA01 DA08 DA21 EA01 EA03 EA06 EA10 FA16 GA29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物表面に下記一般式(1)で表
    される化合物を反応させることにより形成され、かつ露
    光により親水性に変化する親油層を有することを特徴と
    する感光性平版印刷版。 GnJM4-n (1) (式中、Gは親油性有機基を示し、JはC、Si、G
    e、Ti、Zr及びSnから選択される原子価4の元素
    を示し、Mはハロゲンまたはアルコキシ基を示し、nは
    1〜3の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 金属酸化物表面に請求項1記載の一般式
    (1)で表される化合物を反応させることにより形成さ
    れる親油層を設けた感光性平版印刷版を像様露光して露
    光部分を親水化した後、未露光部分にインキを受け入れ
    る印刷面を形成させて印刷を行うことを特徴とするオフ
    セット印刷方法。
  3. 【請求項3】 印刷後、版面に残存するインキを洗浄除
    去した後、請求項2に記載の方法を反復することを特徴
    とするオフセット印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004066549A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 層状構成物及びその製造方法、平版印刷用版材及びその製造方法並びに印刷機

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