JP2001105750A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JP2001105750A
JP2001105750A JP28676699A JP28676699A JP2001105750A JP 2001105750 A JP2001105750 A JP 2001105750A JP 28676699 A JP28676699 A JP 28676699A JP 28676699 A JP28676699 A JP 28676699A JP 2001105750 A JP2001105750 A JP 2001105750A
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Yasuteru Kajikawa
泰照 梶川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スティッキング現象やブロッキング現象を発
生させることなく、保存安定性及び印字品質に優れた熱
転写記録媒体を提供すること。 【解決手段】 支持体表面に熱転写性インク層を設け、
且つ支持体の他の表面に耐熱保護層を設けてなる熱転写
記録媒体において、該耐熱保護層が水酸基含有セルロー
ス誘導体に環状エステルを開環グラフト重合させた環状
エステル変性セルロース誘導体からなることを特徴とす
る熱転写記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録媒体に関
し、詳しくは、スティッキング現象やブロッキング現象
を発生させることなく、保存安定性及び印字品質に優れ
た熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写記録方式においては、支持体及び
その支持体の表面に設けられた熱転写性インク層からな
る熱転写記録媒体の熱転写性インク層と被転写紙とを加
圧接触させ、支持体の熱転写性インク層の反対の面(裏
面)にサーマルヘッドを接触させた状態でヘッドにパル
ス状の信号電流を送ってサーマルヘッドを加熱させ、こ
の熱により熱転写性インク層を溶融あるいは昇華させ、
被転写紙に印字記録させるようにしている。
【0003】熱溶融型転写方式は、黒色印字ではインク
層にカーボンブラックを加えた熱転写記録媒体により印
字し、カラー印字ではイエロー、マゼンタ、シアンの3
原色の熱転写記録媒体を別個に用意し、同一被転写紙に
各3原色を3回重ね転写し、画像形成する方法を採って
いる。
【0004】一方、昇華型熱転写方式は、昇華するイン
ク量をサーマルヘッドの熱量によって制御し、容易に階
調印字ができる。高濃度に画像を印字するには、印加電
圧を上げるか又は電流パルスの印加時間を長くすればよ
く、また低濃度に画像を印字するには、印加電圧を下げ
るか又は電流パルスの印加時間を短くすればよい。カラ
ー印字は、熱溶融型と同様の方法により行なうことがで
き、サーマルヘッド上の熱量を変化させることにより、
階調性のあるカラー印字が可能となる。
【0005】ところで従来より、熱溶融型又は昇華型熱
転写記録媒体の支持体には、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)などのプラスチックフィルムが汎用されて
いる。ただ、PET等のプラスチックフィルムは、転写
時のサーマルヘッドの熱でサーマルヘッドに接する部分
が融解してサーマルヘッドに融着し、記録媒体が安定し
た速度で搬送できなくなる。この現象(スティッキング
現象)は、印字品質を著しく低下させるだけでなく、融
着したフィルムがサーマルヘッドから剥がれる時に大き
な騒音を発生させたり、融着したまま記録媒体の搬送を
停止させたり、あるいは支持体を破断させたりする原因
になる。このスティッキング現象を防止するため、支持
体の一方の面(熱転写性インク層と反対側でサーマルヘ
ッドに接する面)に耐熱保護層を形成する方法が種々提
案されている。
【0006】例えば、特開昭55−7467号及び同6
3−172688号公報等には、支持体の一方の面にシ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂
又はセルロース樹脂等からなる耐熱保護層を設けること
が提案されている。
【0007】また、特開昭60−201989号公報に
は、芳香族ポリアミドからなる耐熱保護層を設けること
が、さらに特開昭60−201989号公報には、芳香
族ポリサルフォン系樹脂からなる耐熱保護層を設けるこ
とが、それぞれ提案されている。しかし、これらの耐熱
保護層は、スティッキング現象を防止するには不十分で
あるし、熱転写記録媒体をロール状態にして保存した場
合に耐熱保護層と熱転写性インク層とが張り付く、いわ
ゆるブロッキング現象が発生する。ブロッキング現象が
発生すると、ロール状態の熱転写記録媒体が円滑に搬送
されなくなったり、耐熱保護層に移植・付着したインク
層成分がサーマルヘッドの発熱体及びその近傍に融着又
は付着し、印字品質を著しく低下させた。
【0008】また、特開昭61−143195号公報に
は、シリコーングラフト又はブロックアクリル系共重合
体からなる背面層(耐熱保護層)を設けることが提案さ
れている。シリコーングラフト又はブロックアクリル系
共重合体からなる背面層は、スベリ性に優れスティッキ
ング現象を防止し、耐熱性及び耐ブロッキング性に優れ
ている。しかし、シリコーングラフト又はブロックアク
リル系共重合体は、成膜性に劣るため、この共重合体か
らなる背面層は連続印字の際、サーマルヘッドにより削
られ、サーマルヘッドの発熱体及びその近傍に背面層構
成物が融着又は付着し、ブロッキング現象の発生の場合
と同様な印字品質の低下が発生するため、良好な印字品
質を得るには、サーマルヘッドの清掃を頻繁に行なわれ
なければならないという欠点がある。
【0009】特開平1−221281号公報には、エチ
ルセルロース樹脂にシリコーンオイルを添加した耐熱保
護層を設けることが提案されているが、これは常温で固
体又は半固体の界面活性剤などを添加した樹脂層を設け
る方法(特開昭57−129789号公報)と同様に、
高温下での放置又は長期間の保存中に、シリコーンオイ
ル又は界面活性剤などの添加物がインク層に移行し、転
写むら及び画像の欠けを発生させ、著しく印字品質を低
下させるという難点がある。
【0010】特開平1−234292号公報には、アセ
テート基を含むセルロースエステル樹脂又はこの樹脂に
シリコーンオイルを添加した層を耐熱保護層として設け
ることが、特開平7−172076号公報にはアクリル
樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体などにワッ
クス類、高級脂肪酸のアミドまたはエステルなどを添加
した保護層を設けることが記載されているが、このもの
では前記スティッキング現象、ブロッキング現象、添加
物のインク層への移行による転写ムラ及び画像の欠けの
発生等の不都合が依然として残されている。
【0011】特開平6−270561号公報にはセルロ
ース及び/又はセルロース誘導体を幹ポリマーとし、且
つ反応性シリコーンオイルとビニル単量体との共重合体
を枝ポリマーとしたセルロース変性重合体を保護層に用
いることが提案されている。セルロース誘導体へのビニ
ル単量体の導入方法は二通り提案されている。一つはセ
ルロースの活性水素を引抜き、そこからビニル単量体の
重合を開始する方法であり、もう一つはセルロース誘導
体にビニル基を導入し、それを他のビニル単量体と重合
させる方法である。また反応性シリコーンオイルの導入
方法も二通り提案されており、一つはビニル基含有反応
性シリコーンオイルを他のビニル単量体および上記セル
ロース誘導体と反応させる方法である。もう一つは末端
に水酸基、エポキシ基等を有する反応性シリコンオイル
をビニル基含有イソシアネート化合物と結合させ、二重
結合を導入した上で他のビニル単量体および上記セルロ
ース誘導体と反応させる方法である。このように特開平
6−270561号公報で云う、セルロース変性重合体
の製造工程は複雑であり、生産性が悪く、また使用する
モノマーも高価でコストの面で好ましくない。以上述べ
たように、これまで熱転写記録媒体の耐熱保護層として
は種々のものが提案されているが、長時間印字等の条件
下では、搬送不良やサーマルヘッドの摩耗が発生したり
或いは支持体の破断等が発生したりなどして、印字品質
の低下を引き起こし、しかも耐ブロッキング性、耐サー
マルヘッドカス性等の面も不充分であって、未だ満足さ
れるものは見出されていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ステ
ィッキング現象の発生を防止でき、熱転写記録媒体をロ
ール状態で長期間又は高温下で保存した場合にも、耐熱
保護層の構成成分がインク層表面に移行したり、ブロッ
キング現象が発生せず、耐熱保護層がサーマルヘッドと
の摩擦力によって削られることなく、良好な印字品質が
得られ、更に、高速度プリンターに適用した場合にも前
記の性質が維持できる熱転写記録媒体を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するために種々検討を行なった結果、特定のセル
ロース誘導体が熱転写記録媒体の耐熱保護層として望ま
しいことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち本発明は、支持体表面に熱転写性
インク層を設け、且つ支持体の他の表面に耐熱保護層を
設けてなる熱転写記録媒体において、該耐熱保護層が水
酸基含有セルロース誘導体に環状エステルを開環グラフ
ト重合させた環状エステル変性セルロース誘導体からな
る熱転写記録媒体を提供する。前記発明において水酸基
含有セルロース誘導体がセルロースアセテートである熱
転写記録媒体及び環状エステルがε−カプロラクトンで
ある熱転写記録媒体を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を更に詳細に説明
する。本発明で使用される環状エステル変性セルロース
誘導体は、水酸基含有セルロース誘導体に環状エステル
をグラフトさせて得られる。原料として使用する水酸基
含有セルロース誘導体はセルロースの水酸基の一部をエ
ステル化又はエーテル化等して得られる、水酸基が残存
するセルロース誘導体である。
【0016】水酸基含有セルロース誘導体としては、例
えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートブ
チレート、セルロースアセテートプロピオネート、セル
ロースアセテートフタレート、及び硝酸セルロース等の
セルロースエステル類、あるいはエチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシセルロース、及びヒドロキ
シプロピルメチルセルロース等のセルロースエーテル類
が挙げられる。
【0017】このうち、環状エステル類への溶解性が良
く、比較的安価で、工業的に入手しやすいことから、セ
ルロース脂肪酸エステル類を本発明に使用することが好
ましく、さらに取り扱いやすいことから、セルロースア
セテート、セルロースアセテートブチレート、セルロー
スアセテートプロピオネートが好ましい。特に好ましく
は、アセチル基置換度1.5〜2.8(酢化度39〜6
0%)のセルロースアセテート;プロピオニル基置換度
0.5〜2.8(プロピオニル化度12〜63%)、ア
セチル基置換度0.5〜2.8(酢化度16〜60%)
のセルロースアセテートプロピオネート;又はブチリル
基置換度0.5〜2.5(ブチリル化度14〜67
%)、アセチル基置換度0.5〜2.8(酢化度16〜
60%)のセルロースアセテートブチレートである。
【0018】また本発明で環状エステル変性、すなわち
水酸基含有セルロース誘導体の水酸基にグラフト重合す
るのに使用する環状エステルとしては、開環重合し得る
ものであればよく、例えば、β−プロピオラクトン、δ
−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、α,α−ジメ
チル−β−プロピオラクトン、β−エチル−δ−バレロ
ラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、β−メチ
ル−ε−カプロラクトン、γ−メチル−ε−カプロラク
トン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、
エナントラクトン等のラクトン類;グリコリド、ラクチ
ド等のヒドロキシカルボン酸の環状二量体を挙げること
ができる。またこれらを複数組み合わせて用いてもよ
い。とりわけ工業的に入手しやすく比較的安価で、セル
ロースアセテートなどのセルロース誘導体との相溶性の
優れたε−カプロラクトンを用いるのが有利である。
【0019】本発明において、水酸基含有セルロース誘
導体と環状エステルの比率には特に制限はないが、一般
に環状エステル変性を行うには、水酸基含有セルロース
誘導体1〜85質量%、更には30〜70質量%と環状
エステル99〜15質量%、更には70〜30質量%が
好ましい。水酸基含有セルロース誘導体の仕込み比率が
85質量%より大きくなると、反応系の粘度は著しく高
くなり、取り扱いにくくなる。また水酸基含有セルロー
ス誘導体の仕込み比率が1質量%未満では、生産性が低
下する。なお粘度が特に高い場合には、必要に応じて二
軸エクストルーダーなどを用いるリアクティングプロセ
ッシング装置を、モノマーの真空留去回収装置とともに
用いてもよい。
【0020】また粘度が高い場合には、必要に応じて第
三成分としてセルロースアセテート、及び環状エステル
との相溶性のよい活性水素を持たない有機溶剤、系の粘
度を取り扱いやすい範囲に下げて、反応させることも可
能である。これらの溶剤としては、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢
酸ブチル及びセロソルブアセテートなどのケトン系及び
エステル系溶剤、又はこれらの混合溶剤を挙げることが
できる。
【0021】一般に、水酸基含有セルロース誘導体に、
環状エステル類をグラフト重合させる反応に用いられる
触媒としては、通常環状エステルの開環反応に用いられ
る触媒、すなわち、ナトリウムやカリウムなどのアルカ
リ金属及びそのアルコキシドなどの誘導体、チタン酸テ
トラブチルで代表されるアルコキシドチタン化合物、オ
クチル酸スズ、ジブチルスズラウリレート等の有機金
属;塩化スズなどの金属ハロゲン化物が挙げられ、これ
らは、一般的に、広く文献に記載されている。
【0022】しかし、本発明に用いられる好ましい触媒
は、オクチル酸スズである。また、反応時間は、水酸基
含有セルロース誘導体と環状エステルの種類、及び仕込
み比率、触媒の種類と量、反応温度、さらには、反応装
置により異なり、特に制限はないが、好ましくは1時間
〜8時間である。特に、二軸エクストルーダーなどのリ
アクティングプロセッシング装置を未反応モノマーの真
空留去回収装置と共に用いる場合には、反応時間を10
分以下など極端に短くして、目的を達成することも可能
である。
【0023】また本発明に用いるグラフト重合体を得る
に際して、用いる原料および反応器パージ用窒素、反応
器等については、十分に乾燥しておくことが好ましい。
反応系の水分が0.1質量%以下、好ましくは0.00
1質量%以下である。重合温度は、通常、環状エステル
の開環重合に適用されている温度が好適で、100〜2
10℃が好ましい。
【0024】このようにして得られる環状エステル変性
セルロース誘導体の分子量は、原料の水酸基を有するセ
ルロースエステルの分子量や、グラフトさせる環状エス
テルの種類によっても左右される。質量平均分子量が5
万〜100万の範囲のものが好ましく用いられる。ま
た、原料の水酸基含有セルロース誘導体と環状エステル
(例えばε−カプロラクトン)の割合を前記の範囲内で
重合した平均的なグラフト重合体は、グルコース単位1
モル当たり、ε−カプロラクトン1〜50モル、好まし
く2〜30モル、さらに好ましくは2〜20モル付加重
合してなる構造を有する。
【0025】本発明における支持体としては、前記した
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリフェニルエーテル、ポリアミド
イミド、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリ
フェニルスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、フ
ッ素樹脂などのフィルムの他に、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン
などのフィルムが使用できる。好ましくは2軸配向性を
有するフィルムである。
【0026】本発明では、熱転写性インク層として、従
来公知の溶融型及び昇華型熱転写性インク層がそのまま
用いられ、特に制限されるものではない。即ち、本発明
で用いる熱転写性インク層は、着色剤、ワックス類、樹
脂類及び滑剤、界面活性剤等の添加剤などから構成され
る。
【0027】着色剤としては、例えば、カーボンブラッ
ク、ベンガラ、レーキレッドC、ファーストスカイブル
ー、ベンジジンイエロー、フタロシアニングリーン、フ
タロシアニンブルー、直接染料、油性染料、塩基性染料
等の顔料、染料等が使用される。ワックス類としては、
例えば、カルナバワックス、オリキュリーワックス、キ
ャンデリラワックス、ジャパンワックス、ケーンワック
ス、モンタンワックス、オゾケライト、マイクロクリス
タリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワック
スなどの天然ワックスや、フィッシャー・トロプシュワ
ックス、低分子ポリエチレン、酸化ワックス、水素化ワ
ックスなどの合成ワックスが挙げられる。
【0028】また、樹脂類としては、例えば、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、
ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリ
スチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂:エチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒ
ドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
メチルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース系
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、エポキ
シ樹脂、テルペン樹脂、ロジン樹脂、フッ素樹脂、シリ
コーン樹脂などが挙げられる。
【0029】添加剤としては、脂肪酸、脂肪酸の金属
塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、無機塩、非イオン
系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面
活性剤、両性界面活性剤などが使用でき、特に制限され
るものではない。熱転写性インク層の形成は、公知の方
法を用いて行うことができる。例えば、溶融型熱転写性
インク組成の具体例としては実施例1を、昇華型熱転写
性インク組成の具体例については、実施例3で示した。
【0030】環状エステル変性セルロース誘導体を溶剤
により粘度調整して、塗布が可能な状態として、熱転写
性インク層が設けられている支持体面の反対側の面に塗
布して、50〜150℃で、乾燥し耐熱保護層とする。
耐熱保護層中の環状エステル変性セルロース誘導体の割
合は、耐熱保護層の固形分に対して40〜100質量
%、更には60〜100質量%が好ましい。厚さは0.
01〜2.00μm、更には0.05〜0.75μmが
好ましい。このようにして、支持体表面に熱転写性イン
ク層、その支持体の該インク層と反対側の表面に環状エ
ステル変性セルロース誘導体からなる耐熱保護層を設け
た熱転写記録媒体を得ることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下
に示す部及び%はすべて質量基準である。尚、評価は以
下の方法で行った。 (1)スティッキング防止性 以下に示す昇華型プリンター又はライン型プリンターを
用いて評価した。(A−1)溶融型プリンター:TEC
B−30(東京電気社製)を用いて25mJ/mm2
印字エネルギーで、2″/secの速度にて印字した。
(A−2)溶融型プリンター:SWEDOT196(U
BI社製)を用いて23mJ/mm2の印字エネルギー
で、7″/secの速度にて印字した。(B)昇華型プ
リンター:シャープカラービデオプリンターGZ−P1
1を用い、印加電圧14Vで転写した。◎:全くスティ
ッキングせず、安定して搬送する。○:殆どスティッキ
ングしない。△:若干スティッキングする。×:スティ
ッキングが著しく、搬送しない。
【0032】(2)ブロッキング防止性 1)インク層と耐熱保護層を重ね合わせ、392.3k
Pa(4.0kgf/cm2)の圧力下、40℃で72
時間放置し、剥離させた時のインク層の耐熱保護層への
転写の程度を観察した。 2)インク層と耐熱保護層を重ね合わせ、392.3k
Pa(4.0kgf/cm2)の圧力下、50℃で72
時間放置し、剥離させた時のインク層の耐熱保護層への
転写の程度を観察した。○:全くブロッキングによる転
写がない。△:若干ブロッキングによる転写が認められ
る。×:明らかに転写している。 (3)耐熱保護層のインク層への移行性 インク層と耐熱保護層を重ね合わせ、392.3kPa
(4.0kgf/cm 2)の圧力下、室温で72時間放
置し、以下に示す昇華型プリンター又はライン型プリン
ターを用いて評価した。(A)溶融型プリンター:In
termec8646の標準の転写エネルギー(約17
mj/mm2)で印字し、耐熱保護層と接触させない
で、上記と同様にして得られた画像と比較した。(B)
昇華型プリンター:シャープカラービデオプリンターG
Z−P11を用い、印加電圧12Vで転写し、耐熱保護
層と接触させないで、上記と同様にして得られた画像と
比較した。○:全く同様の画像が得られる。△:画像ヌ
ケや転写ムラが若干見られる。×:画像ヌケや転写ムラ
が著しい。
【0033】(4)サーマルヘッドの汚れ性 以下に示すプリンターで、連続で500m転写し、サー
マルヘッドの汚れを観察した。また、最初と最後の印字
品質を比較した。(A−1)溶融型プリンター:TEC
B−30(東京電気社製)を用い、20mJ/mm2
印字エネルギーで4″/secの速度にて印字した。
(A−2)溶融型プリンター:SWEDOT196を用
い、22mJ/mm2の印字エネルギーで、7″/se
cの速度にて印字した。(B)昇華型プリンター:シャ
ープカラービデオプリンターGZ−P11を用い、印加
電圧12Vで転写した。○:全くサーマルヘッドの汚れ
がない。△:少量の汚れがあり、印字品質に若干の低下
がある。×:かなりひどく汚れ、印字品質が著しく低下
する。 (5)熱感度 スティッキング防止性テストで高速プリンター(A−
2)によりスティッキングがなく良好な画像が得られた
ことで確認した。
【0034】(製造例1)攪拌機、温度計、還流冷却器
を備え、十分に乾燥した反応器に、乾燥した窒素雰囲気
下で、ε−カプロラクトン50部に、予め十分に乾燥し
た酢酸セルロース(ダイセル化学製、酢化度55.2
%、置換度2.43)100部を、攪拌下に、180℃
で添加し、均一に溶解させた後、オクチル酸スズ0.1
2部仕込み、3時間反応を続けた。かくしてわずかに黄
色の透明なグラフト重合体が得られた。該グラフト重合
体をアセトンを用いて50℃の極限粘度を求めたとこ
ろ、[η]=0.75dl/gであった。これを樹脂Aと
する。
【0035】(製造例2)攪拌機、温度計、還流冷却器
を備え、十分に乾燥した反応器に、乾燥した窒素雰囲気
下で、ε−カプロラクトン70部に、予め十分に乾燥し
た酢酸セルロース(ダイセル化学製、酢化度55.2
%、置換度2.43)100部を、攪拌下に、180℃
で添加し、均一に溶解させた後、オクチル酸スズ0.1
2部仕込み、3時間反応を続けた。かくしてわずかに黄
色の透明なグラフト重合体が得られた。該グラフト重合
体をアセトンを用いて50℃の極限粘度を求めたとこ
ろ、[η]=0.50dl/gであった。これを樹脂Bと
する。
【0036】(実施例1)製造例1で得られた樹脂Aの
4%のメチルエチルケトン/シクロヘキサノン(9/
1)溶液を約4.5μm厚のポリエチレンテルフタレー
ト(PET)フィルムの下面にワイヤーバーで塗布し、
90℃で30秒間乾燥し、約0.5μm厚の耐熱保護層
を設けた。また、フィルムの上面には、下記の溶融型熱
転写性インク(a)の分散液を塗布・乾燥して、約2.
8g/m2の付着量を有するインク層を設けて、熱転写
記録媒体を得た。 溶融型熱転写性インク(a) カルナバワックス 6部 パラフィンワックス 8部 カーボンブラック 4部 トルエン 82部
【0037】(実施例2)製造例2で得られた樹脂Bの
5%のメチルエチルケトン/シクロヘキサノン(9/
1)溶液を約4.5μm厚のPETフィルムの下面にワ
イヤーバーで塗布し、90℃で30秒間乾燥し、約0.
5μm厚の耐熱保護層を設けた。また、フィルムの上面
には実施例1と同様にしてインク層を設けて、熱転写記
録媒体を得た。
【0038】(実施例3)製造例1で得られた樹脂Aの
7%のメチルエチルケトン/シクロヘキサノン(9/
1)溶液を約6.0μm厚のPETフィルムの下面にワ
イヤーバーで塗布し、90℃で30秒間乾燥し、約0.
6μm厚の耐熱保護層を設けた。また、フィルムの上面
には、下記の昇華型熱転写性インク(b)の分散液を塗
布・乾燥し、約0.8g/m2の付着量を有するインク
層を設けて、熱転写記録媒体を得た。 昇華型熱転写性インク(b) MSレッドG 6部 ポリビニルブチラール 5部 1,4−ジオキサノン 55部 トルエン 17部 メチルエチルケトン 17部
【0039】(実施例4)製造例2で得られた樹脂Bの
7%のメチルエチルケトン/シクロヘキサノン(9/
1)溶液を約6.0μm厚のPETフィルムの下面にワ
イヤーバーで塗布し、90℃で30秒間乾燥し、約0.
6μm厚の耐熱保護層を設けた。また、フィルムの上面
には、実施例1と同様にして、インク層を設けて、熱転
写記録媒体を得た。以上の各実施例で得られた熱転写記
録媒体について印字を行ない、スティッキング防止性、
ブロッキング防止性、耐熱保護層のインク層への移行
性、サーマルヘッドの汚れ性及び熱感度を比較した。そ
れらの結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果から、本発明の熱転写記録媒体
は、スティッキング防止性に優れ、且つ、高速度プリン
ターに対応できる熱感度を有し、さらにブロッキング防
止性、耐熱保護層のインク層への移動性及びサーマルヘ
ッドの汚れ性にも優れていることが分かる。
【0042】
【発明の効果】環状エステル変性セルロース誘導体から
なる耐熱保護層を熱転写性インク層のある支持体面と反
対側の面に設けることにより、次のような卓越した効果
を奏し、良好な印字品質を得ることができる。(イ)ス
ティッキング現象の発生を充分に防止することができ
る。(ロ)熱転写記録媒体をロール状態で長期間又は高
温下で保存した場合にも、耐熱保護層の構成成分がイン
ク層表面に移行したり、ブロッキング現象が発生したり
することが抑制される。(ハ)耐熱保護層がサーマルヘ
ッドとの摩擦力によって削られるてサーマルヘッドが汚
れることが抑制される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体表面に熱転写性インク層を設け、
    且つ支持体の他の表面に耐熱保護層を設けてなる熱転写
    記録媒体において、該耐熱保護層が水酸基含有セルロー
    ス誘導体に環状エステルを開環グラフト重合させた環状
    エステル変性セルロース誘導体からなることを特徴とす
    る熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 水酸基含有セルロース誘導体がセルロー
    スアセテートであることを特徴とする請求項1記載の熱
    転写記録媒体。
  3. 【請求項3】 環状エステルがε−カプロラクトンであ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写記
    録媒体。
JP28676699A 1998-11-13 1999-10-07 熱転写記録媒体 Pending JP2001105750A (ja)

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EP04016416A EP1466933A3 (en) 1998-11-13 1999-11-15 Aliphatic copolyester resin and method for preparing the same
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US10/991,658 US7220469B2 (en) 1998-11-13 2004-11-18 Aliphatic copolyester resin, a preparation method, an aliphatic polyester resin composition, uses thereof, a coating composition, a particle-state composition for agriculture and gardening coated by degradable layer
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