JP2001105155A - インバータ交流式抵抗溶接方法と制御装置 - Google Patents

インバータ交流式抵抗溶接方法と制御装置

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JP2001105155A
JP2001105155A JP28106299A JP28106299A JP2001105155A JP 2001105155 A JP2001105155 A JP 2001105155A JP 28106299 A JP28106299 A JP 28106299A JP 28106299 A JP28106299 A JP 28106299A JP 2001105155 A JP2001105155 A JP 2001105155A
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inverter
power
frequency
circuit
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JP28106299A
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Kazuyoshi Hasegawa
和芳 長谷川
Minoru Yamato
実 山戸
Toshiyuki Takahashi
俊之 高橋
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Dengensha Toa Co Ltd
Original Assignee
Dengensha Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】インバータ交流式抵抗溶接機等の二次側に発振
する電源周波数を溶接条件変化に応じて可変させ溶接品
質向上を図ること。 【解決手段】 商用交流電源1の交流電力を整流回路2
を介して整流し,前記整流回路2を経て整流化された電
力を平滑回路3で平滑な直流電力に変換し,前記平滑回
路3から得られた直流電力を,インバータ回路4のスイ
ッチング素子群5をスイッチング制御することにより高
周波交流電力に変換し,前記インバータ回路4から得ら
れた高周波交流電圧を抵抗溶接機の溶接トランス6の一
次側に印加させて前記溶接トランス6の二次側の溶接電
極に溶接に必要な商用電源周波数の台形波交流又はこの
波形に近い形態の電流を供給することにより被溶接物を
加圧溶接するインバータ交流式抵抗溶接方法において,
前記電源周波数を被溶接物の板厚及び/又は材質等の溶
接条件に応じて変化させ,それによって溶接通電中の電
流過剰変化を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する利用分野】本発明はインバータ交流式抵
抗溶接方法に関し,とくに商用電源の周波数50Hz,
または60Hzで電流制御していた抵抗スポット・プロ
ジェクション・シーム溶接分野において,溶接電流,加
圧力,通電時間,溶接速度,被溶接物の板厚や材質等の
溶接条件の変化に応じて前記商用電源の電力周波数を変
化させて最適な溶接電力を供給して加圧溶接する場合に
有用なインバータ交流式抵抗スポット・プロジェクショ
ン・シーム溶接等の抵抗溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の抵抗溶接機では,商用電源周波数
は50Hzと60Hzの単相交流式抵抗溶接機か,溶接
機の二次側を整流した直流式抵抗溶接機が主流であっ
た。図4は従来の抵抗スポット溶接機の原理を示す。図
中の41は抵抗溶接機の溶接トランスで,被溶接物(ワ
ーク)を上電極チップ42と下電極チップ43とで挟み
つけ加圧用アクチュエータ44で加圧した後,必要な溶
接電流を上記チップ間に発生させるためのものである。
前記電極チップ42,43は溶接トランス41の二次側
に導電部材を介して接続される。45は溶接電流を制御
するサイリスタ等の電子スイッチ部である。46はサイ
リスタなどの電子スイッチ部をコントロールする電流位
相制御部を示す。
【0003】47は溶接トランス1の一次側の電流を測
定するための一次電流検出器である。48は測定された
一次電流を演算処理に適したアナログ/デジタルに変換
するA/D変換部である。49は電極チップ42,43
のチップ間抵抗の値を検出する電極間抵抗検出部であ
る。
【0004】50は定電力演算部であり,一次電流検出
部47にて検出された半サイクルごとの一次電流値と電
極間抵抗検出部49で検出された半サイクルごとの抵抗
値を用い,前半サイクルで印加された電力を算出し,設
定されている基準電力との差分を算出する。さらに,こ
の差分を補正するための次半サイクルの電流値を算出
し,算出結果を電流位相制御部46に指示する。
【0005】抵抗スポット溶接機は,溶接部に流れる溶
接電流により発生する熱量を用いて溶接を行う。その品
質は主に溶接電流値と通電時間および溶接部に印加する
加圧力などの要素に左右される。このうち特に品質に影
響を与える要因としては溶接トランスの二次側に出力さ
れる電流値である。
【0006】この溶接電流値の制御方法としては,溶接
部の変化に対して常に一定の電流値を流す定電流制御
と,溶接部の変化に対して常に発熱量(電力)を一定に
するよう電流を制御する定電力制御等がある。
【0007】定電力制御では,溶接部の抵抗値を検出
し,抵抗値の変動量をフィードバックして電流を制御
し,溶接部の消費電力(電流の二乗×抵抗値)を一定に
している。抵抗溶接では,溶接部の熱容量がある条件以
上になると,溶接部の溶融物が飛散する散り(スパッタ
等)が発生する。この時,溶接部の抵抗値は急激に低下
する。
【0008】定電力制御にて散りが発生した場合,抵抗
値の激減により電流値を過剰に増加させ,更なる散り発
生要因を生じさせる問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】散りが発生した場合に
は,チップ間抵抗の値が急激に減少する。上記のように
従来方式では,抵抗値の変化が電流値にそのままフィー
ドバックされているため,散りが発生した時の反動とし
て,電流値が急激に増加し,電流過剰状態がさらに加速
され,散りの発生し易い状態が保持されるという問題が
発生する。
【0010】散りの発生は,溶接母材表面にスパッタが
付着し外観を悪くしたり,溶接作業環境を悪化させる等
の問題があり,昨今散り防止の開発が急がれている。
【0011】しかし,溶接すべき金属板が薄板の場合,
大きな熱のかたまり(エネルギー量)を瞬時に何回も投
入すれば,定電流制御がしにくくなり電流過剰となり直
ぐにオーバーヒートとなって溶けてしまう。この場合,
熱の投入は細かく頻繁に行うのが溶接品質上望ましい。
【0012】一方,逆に厚板の場合は熱量の投入が細か
い場合,いつまでたっても温度が上昇しない。このよう
に電極に供給する熱量,つまり溶接電力が不足である場
合は,大きなエネルギー量の投入が必要となる。
【0013】従来の単相交流式抵抗溶接機では商用電源
周波数50/60Hzで制御しているため,熱量の投入
はこの限られた周波数でしか得られない。最近では,単
相交流式の補った効率的な熱量の投入方法として整流式
と称する直流溶接が実用化されているが,この方法でも
溶接母材の板厚,材質の変化に対して細かな制御は不可
能であった。
【0014】また最近ではインバータ交流式溶接電流制
御において,インバータ制御回路のスイッチング素子を
高周波で一定期間交互にスイッチング動作させ,これに
より溶接トランスの二次側に台形波交流を出力させ,こ
の台形波交流の周波数を商用電源の周波数より低く制御
するインバータ交流式抵抗溶接方法が提案されている
(=公開平8−197260号公報)。
【0015】この発明方法によれば,溶接トランスの二
次電流となる台形波交流の周波数を商用電源の周波数よ
り低くすることで,熱効率を有効に活用することがで
き,とくにシーム溶接では溶接速度を速くするという点
で効果があるとされる。
【0016】自動車用燃料タンク類のロボットシーム溶
接ではインバータ交流式抵抗溶接方法を使用して前記ロ
ボットによるワーク送り速度と前記電極輪の回転速度と
を同期するためのプログラム制御を行っている。従来,
自動車用燃料タンクの周囲に形成された二次元又は三次
元方向の直線部とコーナ部とからなるフランジをシーム
溶接する場合,産業ロボットにより前記タンクを保持
し,前記タンクのフランジをシーム溶接用電極輪で挟み
つけて,この電極輪を回転駆動し前記フランジの溶接軌
跡を前記ロボットのプログラム動作により前記電極間に
誘導しながら溶接に必要な電極加圧力を掛けて溶接電流
を流してフランジ全周に形成された溶接線上に連続した
ナゲットを形成して接合している。
【0017】この場合,直線部のシーム溶接では所定の
電源周波数でも溶接速度を上げることができるが,コー
ナ部に入ったときの溶接では溶接スピードを下げて溶接
を安定させる必要がある。
【0018】しかしながら,従来のインバータ交流式抵
抗溶接方法では直線部とコーナ部とでは叙述したように
溶接速度が異なり,安定した電極加圧力が得られず,し
かも溶接電極へ出力する溶接電流の周波数を任意に切替
えることができないため溶接速度変化に対応できず安定
した溶接結果が得られなかった。
【0019】現在,自動車のガソリン燃料タンクのシー
ム溶接方法として高速シーム溶接を実現しようとする場
合,一般にワイヤシーム溶接法か鍛圧ナールを用いたシ
ーム溶接法が採用されてきた。
【0020】そのいずれも電源には商用電源周波数の単
相交流式を使用し,溶接スピード4m/min以上の場
合,断続通電でなく,連続通電を使用しているのが一般
的である。こうしないと,溶接スピードが速い場合,ナ
ゲットが連続してつながらないという理由による。ある
いは,電源方法として直流インバータ方式を使用する場
合もあるが,この方式で連続通電をすると,入力が大き
すぎオーバーヒートとなり条件が出にくいという問題が
ある。
【0021】一般に使用されている商用電源の周波数の
単相交流式を使用し,連続通電すると,フランジの高さ
変化によりピットと称するビード表面に穴が開くことが
ある。これはひどくなると,ガソリンの洩れにつながる
貫通穴となることがある。このピットはプレスの精度に
微妙に対応し,この発生要因を完全になくすことは非常
に困難であった。
【0022】ガソリン燃料タンクのシーム溶接で4m/
min以上の溶接スピードで溶接しようとすると,単相
交流式電源を使用した場合,連続通電が必要である。特
にアルミめっき鋼板の場合,シーム電極輪の銅とアルミ
ニウムが合金化し,電極輪の加圧面が汚れるため,ワイ
ヤ電極を使用したいわゆるワイヤシーム溶接法が採用さ
れている。
【0023】ワイヤシーム溶接法に連続通電を使用した
場合,上下電極の加圧力バランスが崩れることにより,
ピットと称する穴明きが発生する。このピットの発生要
因は上下電極の加圧力バランスの崩れにより,ナゲット
が上か下かに異常成長し,電極加圧力がかからなくなっ
た部位で,分流電流によりさらに加熱されることによ
り,オーバヒートによって破裂,穴明きとなる。
【0024】4m/min以上の高速シーム溶接をする
ために,上記燃料タンクのほか,缶類,各種パイプ類の
溶接には連続通電が使用されている。連続通電でこのよ
うなピットはアルミめっき鋼板の場合,特に問題とな
り,ターンシートの場合は比較すると少ない。ピットに
よる穴明きを防ぐには断続通電とし,クールタイムを入
れた断続通電が必要で高速化のため商用電源の周波数よ
り高くすることが必要である。
【0025】また前記タンクのコーナ溶接では溶接速度
を落とした方が,溶接が安定するためこの部分の溶接電
流の周波数は低くした方が良い。したがって前記燃料タ
ンクのように直線部とコーナ部からなる一連のシーム溶
接過程において溶接部の溶接速度の変化に応じて溶接ト
ランスの二次側に出力する商用電源の交流電力を適切な
出力周波数に切替えられることが必要となる。
【0026】ガソリンタンクの製造方法にはシーム溶接
の高速化として商用周波数単相交流式がワイヤ電極の使
用,不使用にかかわらず採用されている。ところが4m
/min以上のスピードでは連続通電としなければナゲ
ットがつながらない。連続通電の欠点は入熱が大きす
ぎ,オーバヒートとなりビード表面に欠陥が生じる。
【0027】これを防止するには電極輪とワークとの相
対位置を一定にすることしかなく,上下電極加圧力のア
ンバランスから発生する。このアンバランスをなくすた
めには,上下電極輪の加圧駆動にサーボモータを使用
し,加圧力センサを上下からとってバランスをとる方法
も考えられているが,サーボ制御が複雑になるため費用
がかかるほかに設定時間を要するなどの問題があった。
【0028】
【発明の目的】本発明は,叙述したような従来の溶接方
法が内在する多くの問題を一挙に解決するために開発さ
れたもので,被溶接物の板厚・材質,溶接電流値,加圧
力,通電時間,溶接速度等の溶接条件に応じて溶接トラ
ンスの二次側に出力する交流電力の周波数を任意の周波
数に変化させることで溶接電極を介して溶接部に投入す
る熱量を改善し,このことにより,散りの発生しやすい
溶接通電中の電流過剰変化を効率的に抑制するインバー
タ交流式抵抗スポット・プロジェクション・シーム溶接
等の抵抗溶接方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記の目的を
達成するため次のような技術的手段を講じてある。すな
わち,交流電源の交流電力を整流回路を介して整流し,
前記整流回路を経て整流化された電力を平滑回路で平滑
な直流電力に変換し,前記平滑回路から得られた直流電
力を,複数のスイッチング素子を用いたインバータ制御
回路により高周波電圧に変換し,前記インバータ回路か
ら得られた高周波交流電源の出力電圧を抵抗溶接機の溶
接トランスの一次側に印加させて前記溶接トランスの二
次側の溶接電極に溶接に必要な電源周波数の三角波,正
弦波,矩形波,台形波交流等又はこれらの波形に近似し
た形態の溶接電流を供給することにより被溶接物を加圧
溶接するインバータ交流式抵抗溶接方法において,前記
電源周波数を被溶接物の板厚及び/又は材質等の溶接条
件に応じて変化させ,それによって溶接通電中の電流過
剰変化を抑制することを主要な条件とする。
【0030】さらにもう一つの発明は,交流電源の交流
電力を整流回路を介して整流し,前記整流回路を経て整
流化された電力を平滑回路で平滑な直流電力に変換し,
前記平滑回路から得られた直流電力を,複数のスイッチ
ング素子を用いたインバータ制御回路により高周波電圧
に変換し,前記インバータ回路から得られた高周波交流
電圧を抵抗シーム溶接機の溶接トランスの一次側に印加
させて前記溶接トランスの二次側の溶接電極に溶接に必
要な電源周波数の三角波,正弦波,矩形波,台形波交流
等又はこれらの波形に近似した形態の溶接電流を供給す
ることにより被溶接物を加圧溶接するインバータ交流式
抵抗シーム溶接方法において,前記被溶接物に形成され
た直線部とコーナ部からなるフランジを,当該シーム溶
接法で溶接する場合に,前記溶接電流を断続通電し,さ
らに前記フランジの直線部とコーナ部の溶接スピードに
応じて前記溶接電力の周波数を前記溶接過程中において
変化させ,それによって溶接通電中の電流過剰変化を抑
制することを主要な条件とする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下,本発明の方法を実施するた
めの具体的な手段を図1に示すインバータ交流式抵抗シ
ーム溶接機の実施例に基づき説明する。図において,1
は三相交流電源,2は前記交流電源に接続された整流回
路で交流電力を整流化する。3は前記整流回路を経て整
流化された電力を平滑化し直流電力に変換する平滑回路
である。
【0032】4は前記平滑回路から得られた直流電力
を,複数のスイッチング素子を交互にスイッチング制御
することにより高周波交流電力に変換するインバータ制
御回路である。インバータスイッチング素子5はハーフ
又はフルブリッチ構成で,トランジスタ,ダイオード,
GTO,MOSFET等が用いられる。
【0033】6は抵抗溶接機の溶接トランスである。前
記インバータ回路から得られた高周波交流電源の出力電
圧つまり溶接一次電流は電流検出器9により検出され,
その検出値をファンクションジェネレータ7からの信号
基準値と比較し,その比較信号波と搬送波発生回路8の
搬送波とがPWM制御回路10に送られる。
【0034】このフィードバック式のPWM制御回路1
0を経てインバータ出力のパルス幅が調整され,そのパ
ルス幅変調で複数スイッチング素子5を交互にスイッチ
ング動作を制御して,前記トランス6の一次側に印加さ
れる。
【0035】これによって溶接トランスの二次側に接続
されたシーム溶接用の上電極輪11と下電極輪12に,
溶接に必要な商用電源周波数の台形波交流又はこれらの
波形に近い形態の電流波形が形成され,信号波に忠実な
波形で定電力制御が行われる。
【0036】13は設定周波数切替え回路である。前記
電源周波数を被溶接物の板厚及び/又は材質,溶接時
間,溶接電流,加圧力,溶接スピード等の種々の溶接条
件に応じた最適の交流電力周波数に任意に変化させる切
替信号を出力する。
【0037】14は通電時間,実効電流値,クールタイ
ム(停止時間),波形,周波数等をアナログ又はデジタ
ルに変換して設定する設定回路である。前記設定回路に
は予めスイッチング波形と台形波交流の周波数が設定さ
れる。17は加圧力の変化を検出するセンサで,たとえ
ば加圧用アクチュエータ16のシリンダのエア圧,又は
サーボモータのトルク電流値,或いはエンコダから得ら
れる電極変位量などで加圧力を検出する。検出したデー
タは前記設定回路14に送られ予め設定された基準加圧
力と比較され,比較結果により所定の出力電流周波数に
変換される。
【0038】かくしてシーケンス制御装置(図省略)か
らの起動信号で前記設定回路14から設定された周波数
の三角波信号を変調波としてPWM制御回路10に入力
してPWM制御によるパルス幅信号によって一次電流の
パルス幅を半サイクルごとに調整すべくドライブ回路1
5を介してインバータ制御回路4のスイッチング素子5
をオン,オフ制御する。
【0039】前記インバータ制御回路4のスイッチング
素子は設定された電源周波数でオン,オフスイッチング
動作し,設定されたサイクル数だけ繰り返して被溶接物
に加圧用アクチュエータ16によって加圧力を掛けた電
極間に溶接電流が供給されて溶接が行われる
【0040】本実施例では溶接トランス二次側に出力さ
れた溶接電源の交流電力周波数は,たとえば図2に示す
ように断続通電で供給される溶接電流の場合,商用電源
(50/60Hz)の発振周波数より高い出力周波数8
3Hz(12ms)とした場合の1周期のヒートタイム
は2サイクルで,クールタイム1サイクルを挿入した台
形波の溶接電流波形が形成される。
【0041】本発明の実施例による実験値を以下のとお
り示す。
【0042】また図3は前記矩形波電流以外の電流波形
の一例を示したもので,この場合,各半波のパルス波形
の頂点から後方へ傾斜面をもって下降したサイン波の電
流波形を形成することもできる。
【0043】本発明は過去の単相交流式(50/60H
z電源周波数),単相整流式,三相低周波式,三相整流
式,直流インバータ式の欠点を補う電源で幅広い応用が
可能である。単相交流式では50/60Hzの交流電源
であるため,1.0mm厚さ前後の軟鋼板の溶接には最
適である。0.3mm以下の溶接には条件が出しにくく
なる。単相整流式も単相交流式を直流にしただけなの
で,熱の投入効果は同一である。
【0044】三相低周波式の場合,厚板の溶接では溶接
トランスのフトコロが大きくなる電流の立ち上がりが悪
くなり薄板にはむかない。直流インバータなど直流式の
ものは極性効果があり,アルミニウム合金の溶接やめっ
き鋼板の溶接にはむかない。
【0045】本発明は上記問題を解決する電源周波数を
自由に変換させることができる溶接電源を提供する。本
発明の上記実験値によると,板厚が厚くなれば低周波電
源とし,板厚が薄くなれば高い高周波電源を選択すれば
良い。材質的には銅やアルミニウム合金のようにな低抵
抗材料には細かい熱のかたまりを与えても熱伝導が良い
ため熱は直ぐ逃げてしまう。そこで大きな熱のかたまり
を与えてやれば良いが,そのためには電源周波数を低く
してやれば良い。
【0046】逆にステンレスやニッケル合金のような高
抵抗の場合は細かな熱を与えてやることは散りの発生を
防ぎ,安定した溶接が可能となるため,インバータ制御
で高い周波数とすればよい。
【0047】本発明の方法は溶接過程中に板厚,材質,
溶接速度等の変化に応じた最適の周波数に交流インバー
タ電源の周波数を溶接中に可変して,高周波出力周波数
を50/60Hzよりも低い電源周波数から高い数百H
zの電源周波数まで任意に設定することができる。
【0048】
【発明の効果】以上で説明したように,本発明の請求項
1の方法によれば,溶接電流,加圧力,通電時間,被溶
接物の板厚,材質,溶接速度などの溶接条件変化に対応
して抵抗スポット溶接機,プロジェクション溶接機,シ
ーム溶接機等の出力交流の周波数を商用電源の周波数よ
り変化させ,溶接通電中の電流過剰変化を防止するもの
であり,従来の定電力制御時の散り発生要因を最小限に
とどめることができ,抵抗溶接部の品質向上を飛躍的に
図ることができる。これによって溶接母材の汚れをなく
し,溶接作業環境等の改善が可能となる。
【0049】本発明の請求項2の方法によれば,アルミ
ニウム合金又はめっき鋼板等のプレス加工製品として,
例えば自動車用燃料タンクのように二次元又は三次元の
溶接継ぎ手部をシーム溶接する場合に,溶接過程中に発
生する溶接速度の変化に対応して溶接トランスの二次側
に出力する商用電源の交流電力を,適切な出力周波数に
切替えられることで,電極加圧力のアンバランスによっ
て発生する分流電流をなくすことができ,継続してつな
げて形成されるナゲット生成に最適の電源周波数で安定
した電流供給が可能となる。
【0050】本発明の請求項3の方法によれば,前記溶
接電流の断続通電にクールタイムを挿入し,それによっ
て溶接通電中の加圧力バランス変化により発生するピッ
トを抑止することができ,気密性を要すタンク類のシー
ム溶接の品質向上を図れる。
【0051】本発明の請求項4の方法によれば,二次元
又は三次元方向に形成された直線部とコーナ部からなる
フランジを,ロボットで駆動しワイヤー電極を介してロ
ボットシーム溶接することができ,5m/min以上の
超高速シーム溶接が可能となる。
【0052】本発明の制御装置によれば,従来の燃料タ
ンク類の抵抗シーム溶接用電流制御装置に比べ,インバ
ータ交流式抵抗溶接制御装置に交流電源周波数切替え機
能を付加するだけであるから,構造が簡単で安価に開発
することができ,また溶接加圧力のアンバランスにより
溶接中に生じるピットを抑制しシーム溶接部のナゲット
生成位置を連続してつなぐことができ溶接品質の安定確
保を実現することができる。またアルミめっき,亜鉛め
っき,各種めっき鋼板からなる異種材質が混入する生産
ラインにおいても最良の溶接品質を得るための合理的な
電源波形と周波数の設定が容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための抵抗シーム溶接
用制御装置の実施例を示す電気ブロック回路図である。
【図2】本発明の方法により抵抗溶接機の電源周波数を
被溶接物の板厚及び/又は材質等の溶接条件に応じて変
化させた場合の矩形波溶接電流を示す波形図である。
【図3】本発明の方法による上記矩形波交流電源以外の
他の形態を示すサイン波形溶接電流波形図である
【図4】従来の抵抗溶接機における抵抗抵抗機用制御装
置の一例を示す電気ブロック回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源 2 整流回路 3 平滑経路 4 インバータ制御回路 5 スイッチング素子 6 溶接トランス 7 ファンクションジュネレータ 8 搬送波発生回路 9 一次電流又は電圧検出回路 10 PWM制御回路 11 上電極輪 12 下電極輪 13 周波数切替え回路 14 設定回路 16 加圧用アクチュエータ 17 加圧力センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源の交流電力を整流回路を介して
    整流し,前記整流回路を経て整流化された電力を平滑回
    路で平滑な直流電力に変換し,前記平滑回路から得られ
    た直流電力を,複数のスイッチング素子を用いたインバ
    ータ制御回路により高周波交流電力に変換し,前記イン
    バータ回路から得られた高周波電圧を抵抗溶接機の溶接
    トランスの一次側に印加させて前記溶接トランスの二次
    側の溶接電極に溶接に必要な電源周波数の三角波,正弦
    波又は矩形波,台形波交流等又はこれらの波形に近似し
    た形態の溶接電流を供給することにより被溶接物を加圧
    溶接するインバータ交流式抵抗溶接方法において,前記
    電源周波数を被溶接物の板厚及び/又は材質等の溶接条
    件に応じて変化させ,それによって溶接通電中の電流過
    剰変化を抑制することを特徴とするインバータ交流式抵
    抗溶接方法。
  2. 【請求項2】 交流電源の交流電力を整流回路を介して
    整流し,前記整流回路を経て整流化された電力を平滑回
    路で平滑な直流電力に変換し,前記平滑回路から得られ
    た直流電力を,複数のスイッチング素子を用いたインバ
    ータ制御回路により高周波電圧に変換し,前記インバー
    タ回路から得られた高周波交流電圧を抵抗シーム溶接機
    の溶接トランスの一次側に印加させて前記溶接トランス
    の二次側の溶接電極に溶接に必要な電源周波数の三角
    波,正弦波又は矩形波,台形波交流等これらの波形に近
    似した形態の溶接電流を供給することにより被溶接物を
    加圧溶接するインバータ交流式抵抗シーム溶接方法にお
    いて,前記被溶接物の二次元又は三次元方向に形成され
    た直線部とコーナ部からなるフランジを,当該シーム溶
    接法で溶接する場合に,前記溶接電流を断続的に通電
    し,さらに前記フランジの直線部とコーナ部の溶接速度
    の変化に応じて前記溶接電力の周波数を前記溶接過程中
    において変化させ,それによって溶接通電中の電流過剰
    変化を抑制することを特徴とするインバータ交流式抵抗
    シーム溶接方法。
  3. 【請求項3】前記溶接電流の断続通電にクールタイムを
    挿入し,それによって溶接通電中の加圧力バランス変化
    により溶接部に発生するピットを抑止することを特徴と
    する請求項2に記載のインバータ交流式抵抗シーム溶接
    方法。
  4. 【請求項4】前記交流式抵抗シーム溶接方法において,
    前記被溶接物の二次元又は三次元方向に形成された直線
    部とコーナ部からなるフランジを,ワイヤー電極の有無
    にかかわらずシーム溶接することを特徴とする請求項2
    又は3に記載のインバータ交流式抵抗シーム溶接方法。
  5. 【請求項5】 交流電源の交流電力を整流化する整流回
    路,前記整流回路を経て整流化された電力を平滑な直流
    電力に変換する平滑回路,前記平滑回路から得られた直
    流電力を,複数のスイッチング素子を用いた高周波交流
    電力に変換する前インバータ制御回路を有し,前記イン
    バータ回路から得られた高周波電圧を抵抗溶接機の溶接
    トランスの一次側に印加し前記溶接トランスの二次側の
    溶接電極に溶接に必要な交流電源周波数の三角波,正弦
    波又は矩形波,台形波交流等又はこれらの波形に近似し
    た形態の溶接電流を供給することにより被溶接物を加圧
    溶接するインバータ交流式抵抗溶接制御装置において,
    前記交流電源周波数を被溶接物の板厚及び/又は材質,
    溶接速度等の溶接条件に応じて変化させる周波数切替え
    手段を有するインバータ交流式抵抗溶接制御装置。
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