JP2001101519A - 飲料抽出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料容器にノズルを差し込むことによって飲
料を抽出する構造においても、飲料抽出後に原料容器を
ノズルから確実に分離することのできる飲料抽出装置を
提供する。 【解決手段】 原料カートリッジＡにノズル２ａを差し
込む際、上下動部材７ｄによって原料カートリッジＡが
上昇すると、原料カートリッジＡの上面がスプリング１
０の当接部材１０ｂに当接し、当接部材１０ｂがスプリ
ング１０の付勢力に抗して原料カートリッジＡと共に上
昇する。次に、原料カートリッジＡから飲料が抽出され
た後、上下動部材７ｄが下降すると、原料カートリッジ
Ａはスプリング１０によって下方に付勢されているた
め、原料カートリッジＡのみがノズル２ａに差し込まれ
たまま残ることなくノズル２ａから確実に分離する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば挽き豆を原
料に用いてコーヒー飲料を抽出する飲料抽出装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の飲料抽出装置としては、
例えば特開平７−３７１５８号公報に記載されているよ
うに、液体を透過可能な容器にコーヒーの挽き豆を一杯
分だけ封入した原料容器を所定位置に搬出し、この原料
容器に温水を供給することにより、原料の容器からコー
ヒー飲料を抽出するようにしたものが知られている。即
ち、この装置では、温水の供給される筒状の抽出器の下
端に原料容器を圧着させるとともに、密閉した抽出器内
を加圧して抽出器内の温水を原料の容器に吐出するよう
にしている。また、他の飲料抽出装置としては、特開平
４−２３６９２１号公報に記載されているように、原料
容器の上面にノズルを差し込み、ノズルから原料容器内
に温水を吐出することにより、原料容器から飲料を抽出
するようにしたものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前者の飲料
抽出装置では抽出器の下端に原料容器を圧着させて抽出
器を密閉するようになっているため、抽出器と原料容器
とを確実に圧着させるための厳密な構造を必要とする。
一方、後者の飲料抽出装置では、原料容器に差し込んだ
ノズルから原料容器内に温水を吐出するようにしている
ことから、前者の飲料抽出装置のように抽出器と原料容
器との厳密な圧着構造を必要としない点で有利である。
しかしながら、後者の飲料抽出装置では、飲料を原料容
器から抽出した後、原料容器を載置したホルダをノズル
側から離れる方向に移動しても、原料容器がノズルに差
し込まれたままノズルから分離せず、飲料抽出後におけ
る原料容器の搬送動作に支障を来す恐れがあった。

【０００４】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、原料容器にノズルを
差し込むことによって飲料を抽出する構造においても、
飲料抽出後に原料容器をノズルから確実に分離すること
のできる飲料抽出装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項１では、所定の原料を封入した原料
容器を温水吐出用ノズルの先端に向かって移動させるこ
とにより、原料容器にノズルを差し込み、ノズルから原
料容器内に温水を吐出するようにした飲料抽出装置にお
いて、前記ノズルに差し込まれた原料容器をノズルへの
差し込み方向に対して反対方向に付勢する付勢手段を備
えている。これにより、ノズルに差し込まれた原料容器
が付勢手段によってノズル差し込み方向の反対方向に付
勢されることから、飲料抽出後、原料容器がノズルに差
し込まれたまま残ることなくノズルから確実に分離す
る。

【０００６】また、請求項２では、請求項１記載の飲料
抽出装置において、前記付勢手段をノズルの周囲に配置
されたコイル状のスプリングによって形成するととも
に、スプリングの一端をノズル側に固定し、その他端側
を原料容器に当接するように配置している。これによ
り、請求項１の作用に加え、ノズルに差し込まれた原料
容器がスプリングによって付勢される。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１乃至図８は本発明の一実施形
態を示すもので、図１は飲料抽出装置の概略構成図、図
２は制御系を示すブロック図、図３は飲料抽出装置の要
部を示す一部断面正面図、図４乃至図７は飲料抽出装置
の動作説明図、図８はその要部動作説明図である。

【０００８】この飲料抽出装置は、内部に温水を貯溜可
能な抽出器１と、抽出器１内の温水を原料に供給する温
水管路２と、抽出器１内に温水を供給する温水タンク３
と、抽出器１内に空気を圧入するエアポンプ４と、原料
カートリッジＡを収納する原料収納部５と、原料収納部
５から原料カートリッジＡを搬出する原料搬出機構６
と、原料収納部５から搬出された原料カートリッジＡを
所定位置に搬送する原料搬送機構７と、飲料抽出動作を
制御する制御部８とから構成されている。

【０００９】抽出器１は上面に開口部１ａを有し、開口
部１ａは抽出器１の内側に配置された開閉弁１ｂによっ
て開閉するようになっている。開閉弁１ｂは上下方向に
移動自在なシャフト１ｃに取付けられ、シャフト１ｃは
ソレノイド等からなる駆動機構１ｄによって上下に移動
するようになっている。即ち、駆動機構１ｄによって開
閉弁１ｂを上昇させると抽出器１の開口部１ａが閉鎖
し、開閉弁１ｂを下降させると開口部１ａが開放される
ようになっている。また、シャフト１ｃは内部に空気を
流通可能なパイプ状に形成されている。

【００１０】温水管路２は上端を抽出器１の下面に接続
され、その他端には温水吐出用のノズル２ａが取付けら
れている。また、温水管路２には自動開閉弁からなる抽
出弁２ｂが設けられている。

【００１１】温水タンク３は図示しないヒータの加熱に
よって９０℃前後の温水を生成するもので、所定量の温
水を吐出管３ａから吐出するようになっている。吐出管
３ａの先端は抽出器１の開口部１ａに臨んでおり、吐出
管３ａには自動開閉弁（電磁弁等）からなる給湯弁３ｂ
が設けられている。

【００１２】エアポンプ４は抽出器１のシャフト１ｃに
可撓性のチューブ４ａを介して接続され、チューブ４ａ
及びシャフト１ｃを通じて抽出器１内に空気を供給する
ようになっている。

【００１３】原料収納部５は下端を開口し、その内部に
原料カートリッジＡを上下方向に積み重ねて収納してい
る。原料カートリッジＡは、上面側に前記ノズル２ａを
差し込み可能に形成されるとともに、その下面側をフィ
ルタ等の液体透過可能な部材によって形成された容器内
にコーヒーの挽き豆を封入したものからなり、コーヒー
飲料一杯分の抽出に供されるようになっている。

【００１４】原料搬出機構６は原料収納部５の下端に設
けられ、原料収納部５内の最下位の原料カートリッジＡ
に係止し、最下位の原料カートリッジＡから順に一つず
つ下方に落下するように構成されている。本実施形態で
は図示を省略したが、原料搬出機構６は、例えばソレノ
イドによって動作する複数の係止部材によって原料カー
トリッジＡを保持及び解放する機構からなる。

【００１５】原料搬送機構７は、原料カートリッジＡを
保持可能な可動部７ａと、可動部７ａを幅方向に移動さ
せる駆動部７ｂとを備え、可動部７ａは原料収納部５の
下方、ノズル２ａの下方（飲料抽出位置）及び上面を開
口した排出物容器９の上方に移動するとともに、ノズル
２ａの下方では上下動部材７ｃによって原料カートリッ
ジＡを上方に押し上げるようになっている。この場合、
上下動部材７ｃは原料カートリッジＡの下面から抽出さ
れる飲料を通過するための貫通孔７ｄを有し、図示しな
い駆動機構によって上下方向に移動するようになってい
る。

【００１６】制御部８はマイクロコンピュータによって
構成され、開閉弁１ｂの駆動機構１ｄ、温水管路２の抽
出弁２ｂ、温水タンク３の給湯弁３ｂ、エアポンプ４、
原料搬出機構６及び原料搬送機構７に接続されている。

【００１７】また、前記ノズル２ａには、原料カートリ
ッジＡを下方に付勢するコイル状のスプリング１０が取
り付けられている。スプリング１０はノズル２ａの周囲
に配置され、その上端をノズル２ａに設けたフランジ１
０ａに固定されている。また、スプリング１０の下端に
は原料カートリッジＡの上面に当接可能な当接部材１０
ｂが取付けられ、当接部材１０ｂはノズル２ａに上下方
向に移動自在に係合している。

【００１８】以上のように構成された飲料抽出装置にお
いては、図示しないカップ搬出機構によって飲料抽出位
置の下方にカップＢが搬出されると、図４に示すように
原料搬送機構７の可動部７ａが原料収納部５の下方に移
動し、原料搬出機構６によって原料収納部５から搬出さ
れた原料カートリッジＡが可動部７ａに受容されるとと
もに、温水タンク３の給湯弁３ｂが開放されて抽出器１
内に温水が供給される。次に、図５に示すように原料カ
ートリッジＡを保持した可動部７ａがノズル２ａの下方
に移動し、上下動部材７ｃ（図４乃至図７では図示省
略）によって原料カートリッジＡが上昇してノズル２ａ
が差し込まれるとともに、駆動機構１ｄによって抽出器
１の開閉弁１ｂが上昇し、抽出器１の開口部１ａが閉鎖
される。この後、図６に示すようにエアポンプ４が作動
して抽出器１内に空気が送り込まれるとともに、温水管
路２の抽出弁２ｂが開放される。これにより、抽出器１
内の空気圧によってノズル２ａから原料カートリッジＡ
内に温水が吐出され、原料カートリッジＡの下面からコ
ーヒー飲料が抽出されてカップＢに注入される。次に、
コーヒー飲料の抽出が完了すると、上下動部材７ｃによ
って原料カートリッジＡが下降し、図７に示すように原
料カートリッジＡを保持した可動部７ａが排出物容器９
の上方に移動するとともに、可動部７ａから原料カート
リッジＡが落下され、不要となった原料カートリッジＡ
が排出物容器９に排出される。

【００１９】また、前記飲料抽出装置において、原料カ
ートリッジＡにノズル２ａを差し込む際、図８(a) に示
すように上下動部材７ｃによって原料カートリッジＡが
上昇すると、原料カートリッジＡの上面がスプリング１
０の当接部材１０ｂに当接し、当接部材１０ｂがスプリ
ング１０の付勢力に抗して原料カートリッジＡと共に上
昇する。次に、原料カートリッジＡから飲料が抽出され
た後、図８(b) に示すように上下動部材７ｃが下降する
と、原料カートリッジＡはスプリング１０によって下方
に付勢されているため、原料カートリッジＡのみがノズ
ル２ａに差し込まれたまま残ることなくノズル２ａから
確実に分離し、上下動部材７ｄと共に下降して可動部７
ａに保持される。

【００２０】このように、本実施形態の飲料抽出装置に
よれば、ノズル２ａに取付けたスプリング１０によって
原料カートリッジＡを下方に付勢するようにしたので、
ノズル２ａに差し込まれた原料カートリッジＡをノズル
２ａから確実に分離することができ、飲料抽出後におけ
る原料カートリッジＡの搬送動作を常に支障なく行うこ
とができる。

【００２１】尚、前記実施形態では、原料カートリッジ
Ａにノズル２ａを差し込む際、上下動部材７ｄによって
原料カートリッジＡを上昇させるようにしたものを示し
たが、上下動部材７ｃを省略し、原料カートリッジＡを
保持した可動部７ａを上昇させるように構成してもよ
い。また、前記実施形態では、エアポンプ４の吐出圧に
よって抽出器１内の温水を送り出すようにしたものを示
したが、流体ポンプ等により抽出器１内の温水を吸入
し、原料カートリッジＡ側に吐出するようにしたもので
あってもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の飲料抽
出装置によれば、原料容器にノズルを差し込むことによ
って飲料を抽出する構造においても、飲料抽出後に原料
容器をノズルから確実に分離することができるので、飲
料抽出後における原料容器の搬送動作を常に支障なく行
うことができる。

【００２３】また、請求項２の飲料抽出装置によれば、
請求項１の作用に加え、スプリングの付勢力によって原
料容器がノズルから分離されるので、構造が簡単で確実
に動作させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す飲料抽出装置の概略
構成図

【図２】制御系を示すブロック図

【図３】飲料抽出装置の要部を示す一部断面正面図

【図４】飲料抽出装置の動作説明図

【図５】飲料抽出装置の動作説明図

【図６】飲料抽出装置の動作説明図

【図７】飲料抽出装置の動作説明図

【図８】飲料抽出装置の要部動作説明図

【符号の説明】

１…抽出器、２…温水管路、２ｂ…抽出弁、３…温水タ
ンク、４…エアポンプ、７…原料搬送機構、１０…スプ
リング。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の原料を封入した原料容器を温水吐
   出用ノズルの先端に向かって移動させることにより、原
   料容器にノズルを差し込み、ノズルから原料容器内に温
   水を吐出するようにした飲料抽出装置において、 前記ノズルに差し込まれた原料容器をノズルへの差し込
   み方向に対して反対方向に付勢する付勢手段を備えたこ
   とを特徴とする飲料抽出装置。
2. 【請求項２】 前記付勢手段をノズルの周囲に配置され
   たコイル状のスプリングによって形成するとともに、ス
   プリングの一端をノズル側に固定し、その他端側を原料
   容器に当接するように配置したことを特徴とする請求項
   １記載の飲料抽出装置。