JP2001100870A - 情報処理装置 - Google Patents

情報処理装置

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JP2001100870A
JP2001100870A JP27399999A JP27399999A JP2001100870A JP 2001100870 A JP2001100870 A JP 2001100870A JP 27399999 A JP27399999 A JP 27399999A JP 27399999 A JP27399999 A JP 27399999A JP 2001100870 A JP2001100870 A JP 2001100870A
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Gensou Matsubara
玄宗 松原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯型情報処理装置において問題となるバッ
テリー駆動による利用可能時間の問題を、利用者の情報
処理装置に対する明示的な意図によらない制御手段を用
いて解決する情報処理装置の提供。 【解決手段】 情報処理装置31を使用する利用者の状
況あるいは該利用者の周囲の状況を物理量として検出す
る少なくとも1つのセンサ手段32と、このセンサ手段
32の出力信号を処理し、検出された状況があらかじめ
設定された状況のいずれに該当するかを判定する状況判
定手段33と、この状況判定手段33による判定結果に
基づいて、情報処理手段36の消費電力を制御する電力
制御手段35とを具備したことを特徴とする情報処理装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利用者によって使
用される情報処理装置であって、利用者に装着された各
種状況センサ、あるいは、利用者の周囲に設置された各
種状況センサからの信号を用いて該情報処理装置の動作
状況を的確に制御し、外部からの電力供給を受けること
なしでの長時間の動作を確保することにより、利用者が
必要とするサービスを長時間にわたり継続的に提供する
ような情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯される情報処理装置、例えばノート
ブック型コンピュータについては、動力としてリチウム
イオン電池等の外界から直接的にはエネルギー供給を受
けないような手段を用いることが一般的であるが、携帯
されるという特性から電池の容量にはおのずから制約が
ある。一方、半導体技術の進歩により、年々演算能力が
高まっているマイクロプロセッサに代表される半導体部
品がこういった情報処理装置においても広く利用されて
いるが、動画像処理のような高い演算能力が必要とされ
るような処理がマルチメディア応用を中心として使用さ
れるようになり、演算性能向上とは背反の関係にある消
費電力低減にはかなりの妥協がなされてきた。
【0003】この結果、携帯型情報処理装置の機能をフ
ル稼動させた状態では、該装置に内蔵される電池の持続
時間が最悪で1時間以下程度にまで短縮されてしまい、
長時間にわたり安定して使用できるものとはなっていな
かった。
【0004】このため、従来の技術では、例えば図1に
示すような情報処理装置11に搭載されているキーボー
ド12やポインティングデバイス (他にはマウス/ト
ラックパッド等)13,14、といった、利用者が情報
処理装置11に対し、文字や座標値の変化、あるいはボ
タンのオンオフ等のデジタル化された形態の信号によっ
て命令を発するために用いられるデバイスからの入力を
監視することで、一定時間入力が無いことを持って装置
を構成しているマイクロプロセッサや画像表示デバイス
15等の各要素の動作を制御することにより、バッテリ
ー16の消費電力を低減するといった対応策がとられて
いた。
【0005】図2に、マイクロプロセッサや画像表示デ
バイス等の各要素の動作を制御するためのフローチャー
トを示す。消費電力制御管理部の初期化によって、キー
ボードとポインティングでバイスを監視する条件、たと
えば両者からの入力が、前もって設定された時間以上な
かった場合に、図1に示すような画面表示装置15への
表示を停止させるといったパワーダウンモードでの動作
環境を設定し(ST21)、監視状態に移行する(ST
22)。そして、判定部にてST22で設定した時間の
間、キーボードあるいはポインティングデバイスからの
入力信号がなかったと判定された場合に(ST23)、
ST21にてあらかじめ設定されたパワーダウンモード
への移行が実施され(ST24)、例えば画面への表示
が停止して消費電力が低減される。その後、再びキーボ
ードあるいはポインティングデバイスからの入力を監視
し(ST25)、入力があればパワーダウンモードを解
除し(ST26)、通常の動作状態に復帰する。このよ
うにすることで、利用者がキーボードあるいはポインテ
ィングデバイスを一定時間操作していないことを以て、
利用者が情報処理装置を使用していないというコンテク
スト(context)を抽出し、その際に必要が無い
と思われる機能への電力供給を停止ないしは低減するこ
とで、低消費電力化が図られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうい
った手法では、キーボードやポインティングデバイスと
いった極めて限られた手段により該情報処理装置の利用
者が装置を利用しようという意図を推測しているに過ぎ
ず、状況入力手段としてのこれらデバイスの役割を考え
た場合に、本当の意味での利用者の利用意図/要求を考
慮した上での消費電力制御とはなっていなかった。
【0007】すなわちキーボードやポインティングデバ
イスを操作していない場合においても、利用者の要求を
満たすためには情報処理装置が稼動している必要がある
場合には、これらのデバイスへの操作がないからといっ
て装置を休止状態とすることはできない。また、キーボ
ードやポインティングデバイスを操作していない場合で
あっても、利用者および利用者の周囲の状況によっては
装置の所定の要素に関する電力供給を休止してもよい場
合がある。
【0008】一方、パフォーマンスという観点について
見ると、従来の技術においては、データ通信におけるモ
デム処理等のハードウエア的に決まるタイミング制約を
有するものを除けば、ある与えられた電力消費制約条件
下において動作している携帯型情報処理装置に対し、処
理時間に制約を課さない、いわゆるソフトリアルタイム
での処理を行っていた。
【0009】この結果、あらゆる処理は情報処理装置の
その時々の処理能力の如何にかかわらず、いわゆるBe
st Effort(最大限の努力)にて実行に付さ
れ、処理能力に十分な余裕があった場合にのみ利用者に
とって満足の行く処理結果(例えばコマ落ちのしない動
画像再生)がなされるといった状況になっていた。
【0010】したがって、処理能力が不足していた場合
には、途端に利用者は不便を感じることとなる。また、
反対に処理能力が大きく余ってしまうような場合には、
情報処理装置はいわゆるアイドリングの状態に入ってし
まうことから、有効な処理のために電力が使用されてい
ない状況となり、電池の持続時間が無駄に短縮されるこ
とになる。
【0011】こういった状況については、個々の機能に
特化したようなデバイス、例えば無線電話通話を行うだ
けであれば携帯型電話機を、また音楽を聴くだけであれ
ば携帯型音楽プレーヤーを個別に携帯するといったこと
で解決を図ることも可能であるが、最終的には利用者が
携帯できる機器のサイズや重量に制約があり、今後増え
ていく多様な機能への要求に応えていくことには限界が
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記したような課題を解
決するために、本発明では、少なくとも一つの情報処理
手段を備え、該情報処理手段を用いて情報の処理を行う
情報処理装置であって、当該情報処理装置を使用する利
用者の状況あるいは該利用者の周囲の状況を物理量とし
て検出する少なくとも1つのセンサ手段と、このセンサ
手段の出力信号を処理し、当該情報処理装置を使用する
利用者の状況あるいは該利用者の周囲の状況があらかじ
め設定された状況のいずれに該当するかを判定する状況
判定手段と、この状況判定手段による判定結果に基づい
て、前記情報処理手段の消費電力を制御する電力制御手
段とを具備したことを特徴とする情報処理装置を提供す
る。
【0013】ここで、前記センサ手段は当該情報処理装
置から独立して設けられ、該センサ手段の出力信号を送
信するためのセンサ信号送信手段と、前記出力信号を受
信するためのセンサ信号受信手段を備えるようにしても
よい。
【0014】また、本発明では、少なくとも一つの情報
処理手段を備え、該情報処理手段を用いて情報の処理を
行う情報処理装置であって、当該情報処理装置の外部か
ら、当該情報処理装置を使用する利用者の状況あるいは
該利用者の周囲の状況を物理量として検出した外部セン
サ信号を受信するための外部センサ信号受信手段と、こ
の外部信号受信手段により受信した信号を処理し、当該
情報処理装置を使用する利用者の状況あるいは該利用者
の周囲の状況があらかじめ設定された状況のいずれに該
当するかを判定する状況判定手段と、この状況判定手段
による判定結果に基づいて、前記情報処理手段の消費電
力を制御する電力制御手段とを具備したことを特徴とす
る情報処理装置を提供する。
【0015】ここで、当該情報処理装置を使用する利用
者の状況あるいは該利用者の周囲の状況を物理量として
検出する少なくとも1つのセンサ手段を備え、前記状況
判定手段は、このセンサ手段の出力信号を処理し、当該
情報処理装置を使用する利用者の状況あるいは該利用者
の周囲の状況があらかじめ設定された状況のいずれに該
当するかを判定するものであってもよい。
【0016】また、前記センサ手段は当該情報処理装置
から独立して設けられ、該センサ手段の出力信号を送信
するためのセンサ信号送信手段と、前記出力信号を受信
するためのセンサ信号受信手段を備えるようにしてもよ
い。
【0017】また、前記外部センサ信号は、該信号に基
づく第1の特徴量を暗号化した暗号化信号を含み、前記
暗号化信号から前記第1の特徴量を復号する復号手段
と、前記外部センサ信号に基づいて、第2の特徴量を算
出する第2の特徴量計算手段と、前記復号手段により復
号された前記第1の特徴量と前記第2の特徴量とを比較
することにより受信された前記外部センサ信号を検証す
る外部センサ信号認証手段とを備えるようにしてもよ
い。
【0018】また、前記外部センサ信号は、該外部セン
サ信号に関する認証情報を含み、前記認証情報とあらか
じめ設定された認証情報とを照合することによって、利
用者が前記外部センサ信号を受信する資格を有するか否
かを判断する資格認証手段を備えるようにしてもよい。
【0019】更に、上記した各情報処理装置において、
次のような構成としてもよい。
【0020】まず、前記電力制御手段の指示による処理
を行う第1の演算処理手段と、その他の処理を行う第2
の演算処理手段とを独立に備えるようにしてもよい。
【0021】また、前記情報制御手段は、利用者に対し
同一内容の情報を提示可能な複数の情報提示手段を含
み、前記電力制御手段は、該情報提示手段のいずれを使
用するかを選択的に制御するようにしてもよい。
【0022】また、利用者個人のスケジュールを記憶す
る記憶手段と、日時を取得する計時手段とを備え、前記
電力制御手段は、前記スケジュール及び前記日時の情報
に基づいて前記情報処理手段の消費電力を制御するよう
にしてもよい。
【0023】また、他の情報処理装置と接続可能な情報
通信手段と、当該情報処理装置と前記他の情報処理装置
のいずれかを用いて情報の処理を行うかを決定する処理
実行制御手段とを備えるようにしてもよい。
【0024】また、前記情報処理装置を構成する回路の
少なくとも一部を非同期回路にて構成するようにしても
よい。
【0025】このように、本発明においては利用者によ
って使用され、利用者および利用者の周囲の状況をより
詳しく取得するためのセンサ手段を用いる。センサ手段
は、利用者自身の状況や利用者が置かれている周囲の状
況を、映像、音、振動、温度、位置、障害物までの距離
といった物理量を種々のトランスデューサーにて電気信
号に変換したり、切り替えスイッチのような明示的な指
示手段を用いることで認識するものであり、利用者が装
着したり、利用者の周囲に配置したりすることによっ
て、情報処理装置を使用している個々の利用者に固有な
情報を得るものである。
【0026】従来はキーボードあるいはマウス等、直接
情報処理装置に指示を行うためのデバイスを通じて、利
用者の意図的な情報処理要求を検出することによっての
み利用者の状況検出を行っていたのに対し、こういった
様々なセンサからの情報を用いることで、飛躍的に多様
かつ精度の高い状況認識を行うことができるようにな
る。こうして収集された情報を用いて、携帯型情報処理
装置の電力制御を行うことにより、従来の技術では困難
であった長い駆動時間を実現できる。
【0027】このとき、センサ手段を初めとするシステ
ム構成要素を利用者自身に装着することで、利用者の置
かれている状況といったプライバシーに関わる情報の漏
えいを防ぐこともできる。
【0028】ここで、センサ手段として、利用者に装着
される加速度センサのような運動センサを用いること
で、歩行、走行といった利用者の自発的な運動と、利用
者が電車に乗って移動しているといった種類の運動とを
加速度の周波数パターンから認識することができる。こ
のことにより、利用者が自発的に運動している場合に
は、携帯型情報処理装置の画像表示装置に対する利用者
の視覚における集中の度合いが低下することから、画面
を更新する周期を長くすることで消費電力の低減を図る
ことができる。つまり、画面表示においては、通常人間
の目に画像を書き換えたことが感知されなくなる周波数
として毎秒60回ないし100回の割合で画面の書き換
えを行っているが、この際には画面を保持するためのメ
モリへの書き込みと読み出しがその都度発生しているた
めに大きな電力を消費している。ところが、利用者が歩
行している等で自発運動を行っている際には、利用者が
感知できる画像書き換えの周波数の上限が低下すること
から、このような場合には書き換え周期を長くする、す
なわち書き換え周波数を低くしても利用者に不利益を与
えることなく消費電力を低減させることができる。
【0029】更には、センサ信号の正当性を認証する仕
組みを、暗号技術ならびに信号の特徴量計算技術を用い
て実現することで、センサ信号伝送時における雑音等に
よる信号の劣化が無いことが保証される。また、センサ
手段が利用者と離れて設置されている場合や、無線によ
ってセンサ信号が伝送されているような場合に、第三者
による偽のセンサ信号送信による攻撃にも耐え得るよう
なシステムが構築できることから、安心して利用できる
システムとすることができる。
【0030】また、センサ情報処理を含めた電力制御に
関わる一連の処理を行う演算手段と、一般の情報サービ
スに関する処理を行う演算手段とを分離することで、そ
れぞれの処理特性に合わせたマイクロプロセッサ等の計
算機資源を割り当てることで、提供される情報サービス
の種類によっては、両方の処理を同一の計算機資源で実
行する場合よりも電力消費を低減する。すなわち、処理
量としては小さいものの、ある程度恒常的に処理が行わ
れるセンサ情報処理を含めた一連の処理における演算に
は、演算速度よりも動作時の消費電力低減を優先したマ
イクロプロセッサを配し、ユーザの要求により恒常的で
はないものの高い処理能力を要求されることの多い情報
サービスに関する演算処理には、演算速度を最優先した
マイクロプロセッサを配することで、全体としての消費
電力量を低減しつつ、高度な演算機能を利用者に提供で
きる。
【0031】さらには、携帯型情報処理装置の外部にお
いて、より強力な電源が得られる、演算処理能力が高
い、等の事情が異なる情報処理装置との間で情報処理の
分担を行うことで、利用者によって携帯され、電力事情
の厳しい装置における消費電力低減を進め、利用可能時
間を延長することもできる。
【0032】携帯型情報処理装置に、2つ以上の異なる
モダリティ、例えば、音声と画像による情報提示手段が
具備されている場合においては、同一内容の情報を出力
する際に、利用者のコンテキストをセンサ手段で取得す
ることで、より消費電力的に有利なものを、利用者の状
況に併せて選択することにより、利用者に対するサービ
スをできる限り低下させないで、消費電力を低減するこ
とができる。
【0033】また、利用者によって携帯される情報処理
装置においては、利用者のスケジュールを記憶する行動
予定記憶手段と、現在の日時を取得する計時手段とを用
いることで、センサ手段による各種計測の結果と併せ
て、より精度の高いコンテキストセンシングを実現し、
消費電力低減の効率を高めることも可能である。
【0034】また、いわゆるイベントドリブンの原理に
よって動作し、信号入力が無い時には自動的に殆ど電力
を消費しなくなる非同期回路によって情報処理装置の各
要素を構成することにより、常にクロック信号入力等の
定常的な電力を消費する同期回路による構成に比べ、大
きな電力低減の効果を得ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
面を参照しつつ詳細に説明する。
【0036】図3は、本発明の第1の実施形態に係る低
消費電力携帯型情報処理装置31の構成図である。ここ
では、利用者あるいは利用者の周囲の状況を物理量とし
て検出する1つ以上のセンサ手段32(1〜N)が、利
用者によって携帯されている。ここで、センサ手段32
は、利用者の意図的な情報処理要求を検出するものは含
まないものとする。
【0037】これらによって、得られた物理量は光波、
音波、電気信号といった、情報処理装置31において処
理可能な形態におけるセンサ信号1〜センサ信号Nとし
て出力されており、次いで状況判定手段33にて解析さ
れる。その結果、得られた利用者状況信号34により、
情報処理装置31における各構成要素に対し電力制御に
係る指示を電力制御手段35において形成し、最終的に
は個別の情報処理手段である電力制御対象36において
電力制御が実行される。ここで、電力制御手段35にお
いては、該情報処理装置を構成するマイクロプロセッサ
等の演算処理手段の動作速度や、利用者によって携帯さ
れ、該情報処理装置を駆動するバッテリーの残り容量、
利用者が意図的に手指を使って操作するキーボードやポ
インティングデバイスといったユーザインタフェース機
器からの入力の有無や履歴、更にはハードディスクドラ
イブ等の周辺デバイスの動作状況といった、情報処理装
置自身の動作状況に関する情報を取得する装置動作状況
取得手段37からの信号も入力されており、制御内容の
決定に際し前記利用者状況信号34と併せて使用される
ことが望ましい。
【0038】図4はセンサ手段の1つとして用いられる
装着型加速度センサ41の例を示したものであり、例え
ば利用者42に対し、腰の位置といった利用者42の運
動方向/速度を代表するような部位に装着することによ
って、加速度変化パターン43が得られる。この加速度
変化パターン43は、例えば歩行時、階段昇降時、車両
での移動時等、利用者の運動状況によって異なることか
ら、加速度変化パターン43を計測することにより、そ
の周波数スペクトラムを分析することで、利用者42の
動作状況を推測することができる。つまり、歩行に同期
するような周波数、例えば1Hz〜2Hz程度にてスペ
クトラムにピークが現れれば、歩行に伴うスペクトラム
であると推定できる。この他、装着型加速度センサ41
を複数個、利用者42の各部位に装着して、腕や足とい
った細分化された部分での運動パターンを知ることで、
より詳細な情報を得る構成とすることができる。
【0039】ここで、装着型加速度センサ41は、図示
しないが、例えばシリコン基板上に力を感知する重り
と、その位置変化を電極間静電容量の変化として検出す
る周辺回路とを1つのICとして集積することで構成さ
れており、小型化されることによって消費電力としては
高々数ミリワットのオーダーにある。また、加速度の周
波数スペクトラムの計算については、組み込み型の小型
マイコン等を用いることにより、やはり数ミリワット程
度での実行が可能であり、センサ手段ならびに状況検出
手段での消費電力を、高々10ミリワット程度とするこ
とができる。
【0040】図5は、超音波発信部53と超音波受信部
54とを組み合わせた障害物探知センサ51の例であ
り、超音波を送信してから反射波が帰ってくる時間を測
定することで、障害物55までの距離を測定できる。ま
た、超音波の伝搬速度は温度の関数になっていることか
ら、温度測定部56により音速を補正することで、より
正確な距離測定を行うことも可能である。このようなセ
ンサを利用者52に装着することで、利用者52の周囲
における障害物の状況を知ることができる。この結果、
例えば区間Aに示すように、障害物55までの距離が変
化しておらず、かつ図4に示した加速度センサによる測
定結果から、利用者が運動していないという情報を組み
合わせることで、「利用者は、動かない障害物の近くで
静止している」というコンテクストを推定することがで
きる。また、区間Bに示すように、超音波受信部54に
反射波が帰ってこない、つまり、有効な範囲内に障害物
55が無いという状況が続くことが検出された場合に
は、利用者52は少なくともかなり広い空間にいるとい
うコンテクストが得られる。
【0041】このようにして得られた付近の障害物55
に関する情報を、図4の加速度センサによる情報と重ね
合わせることで、例えば、付近の障害物55までの距離
があまり変化していないのに、結構大きな加速度の変化
が検出されるような場合には、利用者は電車や車の中と
いった、狭い空間の中に閉じ込められつつ移動するよう
な交通手段を使用していることが推測でき、歩行等の自
発運動による加速度変化との区別を明確にすることで、
誤って電力制御が行われることによる利用者の不便を軽
減することができる。
【0042】あるいは、利用者の顔面と並行に超音波送
信部53を装着し、情報処理装置の画面表示装置の表示
面に超音波受信部54を置くことで、超音波の指向性の
高さにより利用者が画面表示装置の方向を向いているか
否か、更には向いている場合にはどのくらいの距離だけ
離れているのかを計測することができ、利用者が画面を
注視している場合に限り表示装置を駆動するといった制
御を行うことも可能である。
【0043】図6は、前記の装着型加速度センサをコン
テキストセンサとして用いた情報処理装置及びそのシス
テムの例である。ここでは、加速度センサ41は利用者
に対し装着する部位を選ぶことによって、得られる情報
の種類や精度が変化することから、情報処理装置61本
体とは分離して設けられている。すなわち、利用者の頭
部に近い部分に加速度センサを装着すれば、利用者の視
線の動きに応じた運動情報が、また、利用者の腰の部分
に装着することでは、体全体の運動方向に関する情報が
得られるが、腕や足といった運動自由度の高い部位に取
り付けた場合には、これらとは全く異なる情報が得られ
ることになる。電力制御部63に関しては、制御対象で
ある情報処理装置61の各構成要素に関する消費電力
や、情報処理装置61において実行される各処理に対す
る消費電力/エネルギーの見積もり量が記載されてお
り、電力制御部63において電力制御の方針を決定する
際に参照される。また、電力制御部63に対しては、図
3における装置動作状況取得手段を構成するものとし
て、バッテリーの残り容量や、現時点の消費電流といっ
た状況を監視する電源状況監視部64からの信号が接続
されている。
【0044】ここで、図6の構成を用いた情報処理装置
61の動作の例として、利用者に装着されて画像情報を
表示するヘッドマウントディスプレイのような表示装置
67の消費電力を低減する事例について述べる。
【0045】図7は、図6の構成において実施される電
力制御の流れを示したものであり、電源投入後等に行わ
れる電力制御部63の初期化(ST71)を経て、加速
度センサが稼動を開始する(ST72)。この時点よ
り、加速度センサによって得られた情報に基づいた、利
用者のコンテクストの推定が図6における状況判定部6
5にて開始され、利用者が自発的に運動していないと判
断される場合には(ST74)、情報処理装置61は通
常の動作モードにて動作している。ここで、利用者が歩
行を開始したことにより、自発的運動として検知される
と、前もって定められた自発運動時における電力低減手
順が発動する(ST76)。つまり、歩行中といった、
利用者が自発的に運動している状況においては、利用者
の視覚はもはやヘッドマウントディスプレイの画像のみ
に集中することは困難となるため、画像表示の書き換え
の頻度を若干低下させても、利用者にとっては感知する
ことができず、書き換え頻度低下による消費電力低減を
図ることができるようになる。例えば、640ドット×
480ドットといった標準的なパーソナルコンピュータ
画面を表示するヘッドマウントディスプレイを考える
と、通常は毎秒60ないし80回程度の画面書き換えを
行うことで、利用者に対しちらつきのない映像を提供し
ている。そして、この状況においては、カラー画像であ
れば、画像を記録しておくメモリへの書き込みと読み出
しのために、概ね200ないし500ミリワット程度の
電力を消費している。ところが、この書き換え周波数を
例えば1/2に下げることで、消費電力は100ないし
250ミリワットの低下となり、センサ手段(加速度セ
ンサ41)及び状況判定手段(状況判定部65)におけ
る消費電力の増加分を大きく上回る効果が得られる。更
には、表示装置67における画面の更新頻度が小さくな
ることから、動画表示のような処理を演算処理部66に
おいて行っているような場合には、演算処理部66にて
画像生成の頻度を下げることにより、更なる低消費電力
化を達成することができる。
【0046】なお、利用者により電源切断の指示がなけ
れば電力制御が繰り返し行われ、利用者による電源切断
の指示があれば、電力制御は停止し電源が切断される
(ST77)。
【0047】この他、状況を調べるために用いられるセ
ンサならびに、消費電力低減の手法としては、利用者の
周囲の電界強度を計測し、周波数帯別に電波到達状況を
計測することで、利用者が無線通信の手段によってデー
タ通信を行おうとした際の通信可能性を判断する電波状
況センサにより、無駄に電波を発信しつづけることを抑
制する、利用者に画像を提示するディスプレイ装置の表
示面に焦電型赤外線センサを設置し、該ディスプレイ装
置の前面において熱反応がなければ、利用者はディスプ
レイ装置を注視していないと判断する、そして、ディス
プレイの輝度を落とす、ディスプレイの書き換え頻度を
下げる、あるいはディスプレイ自体への電力供給を止め
ること等で消費電力を低減する、といったものが挙げら
れる。そして、これらのセンサをそれぞれ、場合によっ
ては組み合わせて用いることにより、利用者が明示的に
携帯型情報処理装置に指示することなしに、利用者なら
びに利用者の周囲の状況を推定することで、状況に対応
した低消費電力化の措置を講じることができるようにな
る。
【0048】本実施形態においては、従来のキーボード
とマウスからの入力を監視するだけといった、いわば利
用者が情報処理装置に対して意図的に情報処理要求を行
うか否かを検出することにより、使用していない際には
各部の動作を停止させる等して消費電力低減を図るとい
った方法に対し、利用者の明示的な指示によらずに利用
者ならびに利用者の周囲の状況を反映させた形で消費電
力の低減を図れる。このことから、よりきめ細かな消費
電力低減を、利用者にとって性能上の不利を感じさせな
いように実現することで、携帯型情報処理装置にとって
は最も大きな問題の1つである電池での連続使用時間を
延長させることができるようになる。
【0049】図8は、本発明の第2の実施形態に係る低
消費電力携帯型情報処理装置81及びそのシステムの構
成図である。ここでは、利用者によって携帯される携帯
型センサ手段82(1〜N)に対し、それぞれ有線ある
いは無線においてセンサ信号の送信を行うセンサ信号送
信手段83(1〜N)と、これらの信号を受信し、状況
判定手段85へと出力するセンサ信号受信手段84(1
〜N)が利用者によって携帯されている。また、利用者
によって携帯されない外部センサ手段86(1〜M)に
ついては、外部センサ信号送信手段87を通じて有線ま
たは無線により利用者によって携帯される情報処理装置
81における外部センサ信号受信手段88へと外部セン
サ信号情報が伝送され、状況判定手段85への入力とな
る。なお、センサの実装に関しては、携帯型のみ、外部
のみ、携帯型と外部の併用のいずれであっても良い。
【0050】ここで、利用者が装着していない外部セン
サ手段86からのデータ取得を行うことによっては、取
得に伴う消費電力を考えなくても良くなる場合があり、
その分の消費電力低減効果を、データ通信の電力と引き
換えに得ることができる。例えば、駅の構内のような場
所において、混雑度を画像や音声により計測するセンサ
が、商用電源によって駆動されており、その結果が近傍
に無線にて流されているようなケースでは、この無線を
受信した情報処理装置81では、このような場所に近付
いた際に、衝突等の危険を防止するためにディスプレイ
の輝度を落としつつ、ディスプレイの書き換え頻度を下
げて低消費電力化を図るといったことができる。
【0051】また、利用者によってセンサ手段82なら
びに情報処理装置81が携帯されている場合であって
も、重量やサイズの関係から鞄の中等の限られた場所に
該情報処理装置81を設置するしかないような場合に
は、センサ信号送受信手段83を用いてセンサ手段82
と情報処理装置81とを分離することにより(図中の点
線で示す、以下の図面において同様)、より効果的に利
用者の状況を検出できる位置へのセンサ手段82の設営
が可能となり、センサ情報を用いた消費電力低減の効果
を高めることができる。
【0052】本実施形態においては、外部センサ手段8
6を利用者が装着しておらず、またセンサ手段82が利
用者の携帯する情報処理装置81と直接有線にて結合さ
れていないような場合であっても、これらのセンサ情報
を活用して該情報処理装置81の低消費電力化が行なえ
るようになる。
【0053】また、利用者が携帯しない外部センサ手段
については、その電力を商用電源等の固定の電源より供
給することで、利用者が携帯する情報処理装置での電力
消費を行わないで、利用者ならびに利用者の周囲の状況
をセンスすることで低消費電力化を達成し、結果的には
該情報処理装置81のバッテリ等での連続使用時間を延
長することができるようになる。
【0054】さらには、センサ手段82と情報処理装置
81の両方を利用者が携帯している場合であっても、設
置上の問題から情報処理装置81の携帯場所に制限があ
るような場合には、センサ手段82との間で信号を送受
信することで、センサ手段設置位置の自由度が上がり、
状況推定の精度が上昇することから電力低減の効果を高
めることができる。
【0055】図9は、本発明の第3の実施形態に係る低
消費電力携帯型情報処理装置91及びそのシステムにお
ける、暗号認証の手法によるセンサ情報正当性検証の仕
組みを示したものである。
【0056】ここで、利用者によって携帯されていない
外部センサ手段92からの信号については、とりわけ無
線にて接続されているような場合、該センサ信号に対し
作為的に雑音を混入させるといった行為によって誤った
センサ情報が送り込まれてしまう危険性がある。そこ
で、外部センサ手段92にて得られた情報に対し、いわ
ゆるハッシュ関数等の手法を用いた特徴量計算を行う。
すなわち、得られた特徴量からは、元になった外部セン
サ手段92からの情報を再現することが極めて困難であ
り、あるいは同じ特徴量を有する偽のセンサ情報を生成
することが極めて困難となるように、第1の特徴量計算
手段93により特徴量の計算を行い、更にこれを暗号化
手段94により暗号化して外部センサ信号送信手段95
を介して伝送する。そして、利用者によって携帯される
情報処理装置91の側では、外部センサ信号受信手段9
6を介してこの暗号化された特徴量信号を受信し、復号
化手段97において復号すると同時に、外部センサ手段
92側における第1の特徴量計算手段93と同じ手法を
用いる第2の特徴量計算手段98において、受信したセ
ンサ信号について特徴量の計算を行い、これらを照合す
る。もしも受信されたセンサ信号が雑音等の影響により
変化していたり、第三者により改竄されていたような場
合にはこの照合が不一致となり、このような事態の発生
を検知することができる。また、もしも照合が一致して
いれば、得られたセンサ信号は当該外部センサ手段92
において生成されたことが確実となり、状況判定手段9
90以降における処理に供することができるようにな
る。
【0057】また、図9における暗号化手段94と復号
化手段97については、外部センサ手段92側と、利用
者との間で共通の秘密鍵を用いることもできるが、外部
センサ手段92側が、いわゆる公共のインフラとしての
性格を有する場合には、公開鍵暗号の手法により、外部
センサ手段92側において対となる秘密鍵と公開鍵とを
準備した上で、公開鍵のみを広く利用者に公開し、図9
における暗号化手段94における暗号化鍵として秘密鍵
を、また利用者側の情報処理装置91における復号化手
段における復号鍵として公開鍵を用いることで、誰でも
簡単に受信したセンサ情報が正当な送り主からのもので
あることを確認することができるようになる。
【0058】また、携帯型センサ手段991がセンサ信
号送信手段992及びセンサ信号受信手段993を介し
て無線にて情報処理装置91と結合されているような場
合についても、同様な認証の仕組みを導入し、利用者の
中だけで閉じた暗号鍵体系を用いることで、他者による
無線妨害等でのセンサ信号改竄の危険を低減させると同
時に、得られたセンサ信号情報が雑音によって劣化して
いないことを確認でき、極めて信頼性の高いシステムを
構築することができる。
【0059】図10は、本発明の第4の実施形態に係る
低消費電力携帯型情報処理装置101及びそのシステム
における、センサ情報利用資格認証の仕組みを示したも
のである。
【0060】図10における外部センサ手段にて取得さ
れた情報は、認識情報記憶手段103に記憶された該外
部センサ情報を利用する場合の条件等からなる認証情報
とともに暗号化手段104においてその全部または一部
が暗号化され、外部センサ信号送信手段105にて送信
される。この送信信号を、利用者によって携帯される情
報処理装置101に設置された外部センサ信号受信手段
106が受信し、該情報処理装置101に利用者認識情
報記憶手段107に記憶されたライセンス情報等の利用
者認証情報をもとに、資格認証手段108において受信
されたセンサ信号を利用する資格が該利用者に与えられ
ているかどうかを調べる。そして、有資格であることが
認証された場合には、外部センサ信号復号手段109に
よって、送られてきた外部センサ信号を復号し、これを
状況判定手段1000の入力とすることで電力制御が行
われる。ここで、利用者認証情報記憶手段107につい
ては、該情報処理装置101を利用者が操作する際にパ
スワード入力や指紋、声紋等による照合を求める等して
個人認証を行った上で、ライセンス情報を用いて資格認
証を行うことを許可する構成とすることもできる。ま
た、全てのセンサ信号を暗号化すると、受信側での復号
に時間がかかったり、そのための処理に大きな電力が消
費されたりするような場合には、例えば外部センサ手段
102からの信号のうち、一部のみを暗号化すること
で、処理の効率化を図ることもできる。
【0061】本実施形態は、外部センサ手段102によ
る情報取得を1つのサービスとして捉え、料金を支払っ
ている特定の利用者にのみ公開するような場合に有効な
解決策を与えている。すなわち、ライセンス情報を有し
ない利用者は、外部センサ信号受信手段106において
受信されるセンサ信号が暗号化されているために、その
ままでは利用できない。ただし、この場合にはセンサ情
報全体を復号して調べるよりは、かなり短い時間かつ少
ない処理量にて実行可能な手段として資格認証の手法を
用いていることから、利用者が無意識のうちにライセン
スを持たない外部センサ手段からの暗号化されたセンサ
信号を受信してしまった場合においても、情報処理装置
101における、電力や処理量に対する負担を最小限度
に抑えることができる。
【0062】図11は、本発明の第5の実施形態に係る
低消費電力携帯型情報処理装置111及びそのシステム
において、演算処理を行う計算機資源を、電力制御に関
わる部分と、それ以外の処理とに分割した場合の構成例
を示したものである。
【0063】ここでは、各部分の制御や、様々な処理を
行うための演算処理手段を、該情報処理装置111にお
ける情報サービスを提供している部分を担当する第1の
演算処理手段112と、センサ手段113からの入力信
号の管理や、認識、更には電力制御にかかる状況判定
や、各電力制御対象117への指令を発する電力制御手
段115等の、電力制御に係る部分を担当する第2の演
算処理手段116とに分割している。
【0064】ここで、一般的に演算処理手段は、中央情
報処理装置(CPU)と呼ばれる半導体集積回路部品、
1次記憶メモリ、2次記憶メモリ、入出力制御装置とい
った、コンピュータを構成している各要素から構成され
る。また、情報サービスを提供している第1の演算処理
手段112では、利用者に対し多様なサービスを提供す
ることから、汎用性の高いCPU構成とすることが多
く、ある特定の処理のみを恒常的に行わせる場合には、
消費電力的にはあまり効率が良く無い。すなわち、第1
の演算処理手段112については、例えば利用者による
情報検索の要求や、辞書参照を行いながらの文書作成、
携帯型カメラからの映像を録画しながらの音声による説
明の入力といった、様々な処理を行う必要があることか
ら、一般的にこれらのうち最も高い処理能力を要求する
ものに合わせたハードウエア実装となっていることが多
い。このため、実装としては最高性能を重視した設計と
なることが多く、消費電力を第一に考えるような構成は
広く受け入れられるには至っていない。また、CPUや
周辺のデータバス等に接続される回路においては、非常
に高い周波数の信号を扱っているために、あまり急激に
は動作速度を変化させることはできず、演算速度をダイ
ナミックに変化させることで消費電力が十分小さくなる
ように制御を行うことは困難である。さらには、汎用で
あるがゆえに、大きな容量の半導体メモリ等、定常的に
かなりの電力を消費するような回路が使用されているこ
とが多く、センサ信号処理だけのために使用したのでは
無駄が大きい。
【0065】そこで、センサ信号処理を初めとする消費
電力制御関係の処理を、ユーザに対する情報サービスを
行う演算処理手段とは別の演算処理手段において独立し
て処理することにより、トータルでは消費電力を低減さ
せることができる。すなわち、常時動作していなければ
ならないメモリ等の容量も必要最小限度で済む。また、
処理速度という観点から見ると、例えば加速度センサか
らの利用者の運動情報を知るには、人間の運動における
時定数が概ね最大でも100Hz程度であることから、
これよりも遥かに高い周波数にて処理を行う必要はな
く、最近では500MHzを超えているようなクロック
周波数を有する高速処理向け汎用マイクロプロセッサを
使用する必要性が無い。また、各センサ手段が間欠的に
信号を発しており、定期的にこれを処理する演算処理手
段を起動しているような状況においても、汎用であるが
ゆえに多くの回路部品が接続されており、再起動時の消
費電力が大きい第1の演算処理手段112を起動するよ
りも、専用であるがゆえにセンサ信号処理に特化した低
消費電力設計ができる小型の第2の演算処理手段116
を起動した方が、消費電力を低く抑えることができる。
【0066】例えば、高速処理を必要とする第1の演算
処理手段112をクロック周波数300MHz程度の汎
用マイクロプロセッサにて構成した場合、その消費電力
はメモリや画像表示回路等の周辺回路を含めると10な
いし20ワット程度にも達するが、加速度センサからの
信号処理に必要な小形のマイクロプロセッサでは、せい
ぜい最大でも0.5ワット程度の電力しか消費しない。
従って、もしも第1の演算処理手段112における、汎
用かつ高速なマイクロプロセッサのみを用いてセンサ信
号処理ならびに消費電力制御を行おうとすると、たとえ
センサによる状況判定の結果、マイクロプロセッサを停
止させても良い状況になったとしても、消費電力制御の
継続のために、一般的には2ないし3ワット程度の定常
的に電力消費が必要となってしまう。
【0067】これに対し、第2の演算処理手段116を
用いてセンサ信号処理ならびに消費電力制御を行う構成
とした場合、たとえ定常的にマイクロプロセッサが動作
したとしても、高々1ワット未満程度の消費電力に留ま
ることから、本実施形態による構成とすることで、大き
な消費電力低減を達成することができるようになる。
【0068】更には、シリコンミュージックと呼ばれる
ハードディスクやメモリ等に記憶されたデジタル情報を
クオリティの高い音声として再生する仕組みでは、音楽
の再生という定常的な処理が演算処理手段に委ねられる
こととなる。しかしながら、それほど高い処理能力が要
求されるものではないことから、やはり第1の演算処理
手段112のみで処理するよりも、消費電力制御に使用
される第2の演算処理手段116にて処理を行うか、あ
るいは独立に第3の演算処理手段(図示せず)にて処理
を行った方が、消費電力を低減できる可能性が高い。そ
こで、こういった用途に供される可能性がある情報処理
装置については、これを構成する演算処理手段が分割さ
れていることが望ましい。
【0069】図12は、本発明の第5の実施形態に係る
低消費電力携帯型情報処理装置及びそのシステムの適用
例に関する構成図である。ここでは、利用者によって携
帯される機器として、演算能力は高いものの、重量やサ
イズ等の点で常時手に持ったり、体の一部に装着してお
くことが難しい演算処理装置122に対して、センサ情
報処理や、画像、音声等の入出力処理等に専念すること
で、利用者の腰やポケット等に入れて常時装着している
ことのできる重量ならびにサイズとなっている演算処理
装置121が、無線データ通信部123,124を介し
て接続されている。これらの演算処理装置121,12
2については、それぞれ別個のバッテリーにて駆動され
ており、演算処理装置122を停止させた状態において
も、演算処理装置121単独である程度の情報処理、例
えば脱着可能記憶メディア125に記録された音楽デー
タをステレオ再生するといったことが可能となってい
る。また、演算処理装置121に対しては、利用者の頭
部に装着することで、映像の入出力を行うデジタルイメ
ージセンサ126及びフェイスマウントディスプレイ1
201、音声の入出力を行う音声認識用マイクロフォン
127及びステレオヘッドフォン128、による運動状
況のセンスを行う加速度センサ129等を備えたヘッド
セットが有線にて接続されており、演算処理装置121
に対して、センサ情報を伝送するようになっている。
【0070】この構成では、例えば、演算処理装置12
1に利用者の状況を調べる状況判定手段(図示せず)を
実装し、その結果にてフェイスマウントディスプレイ1
201の表示書き換え頻度を変更することで演算処理装
置121における低消費電力化が達成できる。また、演
算処理装置121の処理能力を超えるような処理への要
求が発生した場合に、演算処理装置122に対して処理
要求ならびに状況判定結果を送付することで、演算処理
装置122においても利用者の状況に応じた電力制御を
行いつつ、要求された処理を実行するといったことが可
能となる。
【0071】例えば、ヘッドセットに取り付けられたデ
ジタルイメージセンサ126にて、特徴のある画像のみ
を記録することで、利用者の行動記録を効率的にとるよ
うな場合においては、加速度センサ129にて頭部の動
きをセンスし、動きがあった場合にのみデジタルイメー
ジセンサ126の画像を演算処理装置121に取り込む
ことで、無駄な画像の取り込みを防ぐことができる。そ
して、演算処理装置121にて簡単な画像処理を行い、
前にとった何枚かの画像との類似度を計算した結果、類
似度が高くない、すなわち別の特徴をもった画像である
ことが判明した場合に限り、無線によって演算情報処理
装置122にデータを送付することで、全ての画像を演
算情報処理装置122にて処理する場合に比べ、消費電
力の低減を図ることができる。この場合、演算処理装置
121からの情報処理要求が一定時間途絶えた場合に
は、演算処理装置122のみを停止させるといった制御
によって更なる消費電力の低減を図ることができるよう
になる。
【0072】本実施形態によれば、利用者ならびに利用
者の周囲の状況を、ある程度常時センスしている必要の
ある電力制御に関わる部分と、利用者の要求によって始
めて情報処理が行われる部分を、それぞれに特化した計
算機資源において実現することができる。
【0073】また、一般的には電力制御に関わる部分で
は、定常的にあまり変化しない演算処理を要求されるの
に対し、利用者に対するサービスを提供する部分では、
動作させるアプリケーションプログラムや、利用者の要
求の仕方によって、演算処理量が動的に大きく変化する
ため、これらを1つの計算機資源において実現するより
も、適材適所にて資源を分割することで、より低い消費
電力を達成することができる。
【0074】図13は、本発明の第6の実施形態に係る
低消費電力携帯型情報処理装置及びそのシステムにおい
て、利用者によって携帯される第1の情報処理装置13
1とは別個に、1つ以上の情報処理装置132を設け、
これらの間で情報通信を行いつつ処理の分担を行う場合
の構成例を示したものである。
【0075】図13における、第1の携帯型情報処理装
置131では、利用者によって携帯されるセンサ手段1
33ならびに状況判定手段134を備えており、判定結
果に基づいて電力制御を行う構成となっている。さらに
は、第1の携帯型情報処理装置131には、個々の情報
処理に伴う消費電力量ならびに処理速度、所要メモリ容
量等の資源消費量に関する情報があらかじめ記載された
処理能力/消費電力量記憶手段135が併せて備えられ
ており、ある処理を行う際に、どの程度の演算負荷や電
力消費が発生するのかを前もって知ることができるよう
になっている。
【0076】ここで、第1の携帯型情報処理装置131
とは別個の第2の情報処理装置132が、第1のデータ
通信手段136及び第2のデータ通信手段137を経由
して通信可能な状態となった時、第2の情報処理装置1
32からは、該第2の情報処理装置132に固有の処理
能力/消費電力量記憶手段138の情報を第1の携帯型
情報処理装置131へと送付する。そして、第1の携帯
型情報処理装置131の処理実行制御手段139では、
どちらの情報処理装置にて処理を行った方が有利である
のかを、処理時間、消費電力、通信コスト等を考慮に入
れた上で判断し、それぞれの演算処理実行手段130
1,1302(第1の携帯型情報処理装置131におい
ては、電力制御対象1〜K)のいずれにて処理するのか
を決定する。最後に、その結果に基づいて、必要なデー
タがデータ通信路1303を介して伝送され、それぞれ
の有する処理実行制御手段139,1304により情報
処理がなされる。
【0077】また、第2の情報処理装置132が商用電
源等のバッテリー持続時間を考慮する必要がないような
電源に接続されているような場合においては、第2の情
報装置132において情報処理を行うことで第1の携帯
型情報処理装置131では第1のデータ通信手段136
を介したデータ通信に掛かる消費電力のみにて結果を受
け取ることができるようになる。この結果、第1の携帯
型情報処理装置131が単独にて情報処理を行う場合よ
りも、利用者が携帯している情報処理装置全体での消費
電力が低減され、電源供給を受けないで連続的に使用で
きる時間が延長される。
【0078】なお、図13においては、データ通信路1
303に関し、暗号認証の手法によって第1の携帯型情
報処理装置131と、第2の情報処理装置132との間
で正当性の認証を行い、第2の情報処理装置132から
の演算結果がデータ通信路1303上で改竄を受けてい
ないかや、第1の携帯情報処理装置131側に第2の情
報処理装置132の計算機資源を利用する資格があるか
等を調べることができる。そして、第2の情報処理装置
132の利用におけるセキュリティ確保や、課金制御と
いった仕組みを実現することもできる。
【0079】本実施形態では、例えば第2の情報処理装
置132が商用電源によって運転されており、第1の携
帯型情報処理装置131におけるバッテリ寿命の問題を
考慮しなくとも良いような場合においては、第1の携帯
型情報処理装置131における処理を第2の情報処理装
置132が肩代わりすることによって、利用者側におけ
る情報処理装置の可用性を大幅に向上させることができ
る。また、センサ手段133による状況判定手段134
を備えていることで、利用者が自発的に運動しており、
近距離無線によって確立されているデータ通信路130
3が不安定であること等を検出できるような構成とでき
ることから、単に外部に置かれた情報処理装置と通信
し、処理を分担するような構成に比べて、格段に信頼性
の高いシステムを実現することができるようになる。
【0080】図14は、本発明の第7の実施形態に係る
低消費電力携帯型情報処理装置141及びそのシステム
において、利用者に情報を提示する経路が複数個存在し
ている場合の構成例を示したものである。
【0081】ここでは、電力制御対象となる機器とし
て、利用者に対し情報の提示を行う、異なる手法による
情報提示手段142が複数個接続されており、これらの
情報提示手段142の1つまたはいずれかを通じて利用
者に対し同一の内容を有する情報を提示することができ
るように構成されている。例えば、ある文書メッセージ
を利用者に提示する場合では、情報提示の方法として
は、音声によるメッセージの読み上げ、低解像度のモノ
クロ文字ディスプレイへの表示、高解像度のカラーディ
スプレイへの表示、といった手法が考えられる。
【0082】こういった状況において、センサ手段14
3により利用者ならびに利用者の周囲の状況が推定され
れば、例えば利用者が歩行中であることを図4に示した
加速度センサが感知することで、カラーディスプレイよ
りは消費電力の低いが、視認度の高いモノクロ文字ディ
スプレイに表示したり、周囲の騒音を計測した結果利用
者に音声で伝えることが可能と推定される場合には、よ
り電力の小さな音声による情報提示を選択したりするこ
とで、状況に応じた低消費電力動作が達成される。
【0083】例えば、画像ならびに音声を用いた鉄道等
の事故情報を携帯端末にて受信しつつ、640ドット×
480ドットのVGAサイズのTFT液晶型カラーディ
スプレイにて表示する場合には、表示部分だけでも典型
的には3ワットないし5ワット程度の電力を消費する
が、音声のみにて出力すれば、イヤホーン等の効率の良
いデバイスを使用することで、10ミリワット程度位に
は低減することができる。この時、例えば周囲の騒音を
音響センサで計測し、音声によって情報提示する際の音
量を調節することで、利用者の状況に応じた低消費電力
化を、機能を損なうことなく達成することができる。
【0084】また、この他の応用としては、電力制御手
段144において、情報処理装置141の電池残量が一
定以下となると、消費電力の大きな高解像度カラーディ
スプレイの使用を停止し、緊急性のある通報のみを音声
またはモノクロ文字ディスプレイで提示するといった制
御も行なえることから、事故等の非常時に際しても可用
性が確保されるようなシステムを構築することができる
ようになる。
【0085】次に、本発明の第8の実施形態について説
明する。
【0086】個人情報を記録する、いわゆるPIM端末
では、会議や交通機関による移動等のスケジュールを記
載し、正確な時計と連動させることで個人のスケジュー
ル管理を行なえることが特徴である。ここで、利用者個
人のスケジュールは、利用者の行動に関する状況を推定
する上での有力な情報源と成り得る。
【0087】図15は、個人スケジュール表と、携帯型
情報処理装置とを連動させることで、電力消費量の計画
を作成する本実施形態において用いられるスケジュール
表と状況予測表を示しており、利用者のスケジュールか
ら電力事情を推定することで、電力制御を行っている。
すなわち、図15の例では、左側に記されているスケジ
ュール表に利用者が、あらかじめ定められたある一定の
ルールに従って、記入を行う。そして、その結果から例
えば→という記号が記されている場所は移動を意味して
おり、「出勤」「帰宅」「社内会議」「社外会議」とい
ったキーワードは、それぞれが意味するコンテキストに
対応づけられているといった一定のルールに従って右側
に記されている状況予測表が作成される。つまり、移動
中であって歩行等により不安定な情報処理装置使用状況
になる可能性が高い時間帯、固定した電源に接続される
チャンスが少なく、電池駆動を強いられる可能性が高い
時間帯、更には業務時間帯にあり、該情報処理装置が業
務の為に使用される可能性がある時間帯といった利用者
ならびに該情報処理装置をとりまく状況の予測値を得る
ことができる。そこで、移動中とされた時間帯では、加
速度センサによる利用者の運動状況監視を強化するとい
った制御を行うことで、状況推定を補助することができ
るようになる。あるいは、業務利用可能性のある時間が
多く残っている時間帯に、電池使用の可能性が高いAの
ような時間帯が残っていることが分かれば、利用者に対
しメッセージを送付して、電池の充電や、予備電池の準
備を促すといった事前措置を要求するようなこともでき
るようになる。
【0088】この他、正確な時刻が分かれば、一般的な
常識を用いて利用者の状況推定を強化することもでき
る。例えば、平日の午後2時近辺は、通常勤務中である
といった、いわゆる暗黙のスケジュール表といったもの
を仮定できることから、そういった時間帯においては、
業務関連のメッセージ以外は処理しないといった制御を
行うことも可能となる。
【0089】本実施形態では、スケジュール表への入力
といった、日常的な操作ならびに、技術的にはほとんど
問題の無い正確な時刻の取得という操作を通じて、利用
者が現在置かれている状況に加え、未来における状況を
もある程度推定できるようになることを利用して、携帯
型情報処理装置の電源制御を行っていくことで、こうい
った知識が全くなかった場合に比べて格段に装置の使用
可能時間を延長することができるようになる。
【0090】本発明における第9の実施形態では、上記
した第1〜第8の発明における情報処理装置を構成する
演算処理手段等に対し、非同期回路の原理において動作
するデバイスを使用する。ここで、非同期回路とは、ク
ロック信号のような同期信号を供給することによって動
作するのではなく、データの入力によって自律的に処理
が進行するような回路形式であり、データを処理してい
ない時には、殆ど電力を消費しなくなるという特性があ
る。また、クロック信号を使用していないことから、従
来の高速な同期回路における数100MHz〜数GHz
といった周波数での正確なクロック信号を発生させる回
路といった、電源投入から安定して動作するまでに一定
の時間を要するようなデバイスが必要無く、必要な処理
が終われればただちに電力消費を停止し、データの入力
に同期して電力供給が開始されるといった構成をとるこ
とができる。
【0091】ここで、センサ入力による利用者あるいは
利用者の周囲状況のセンシングでは、データが更新され
る時定数は人間の動作が有する時定数に準じている場合
が多く、現在の高性能マイクロプロセッサ等で実現され
る、ナノ秒周期オーダーでの処理が必要とされない場合
が多い。この場合、常時クロック信号を供給し続けなけ
ればならない同期回路に対し、非同期回路では人間系に
おける、ほとんど任意の時定数に対してデータ到着をま
って演算を開始し、その際にのみ電力が消費されるとい
った構成が可能になることから、同期回路を用いる場合
に比べて格段の消費電力低減を図ることができるように
なる。例えば、現在知られている非同期型マイクロプロ
セッサでは、待機時の消費電力は約1マイクロワットで
あり、同期型の汎用マイクロプロセッサを停止させた場
合の消費電力が数100ミリワットであるのに比べて相
当小さい。このため、例えばマイクロプロセッサが停止
している時間の割合が大きくなればなるほど、この差が
全体の消費電力に大きく響いてくる。また、非同期型マ
イクロプロセッサには、そもそもクロック信号が存在し
ておらず、投入された命令に応じて動作することから、
急激な処理量の増減に対しても追随性が高い。このた
め、同期型プロセッサにおいて必要であるような処理量
に対するクロック周波数の増減といった制御は必要無
く、間欠的に動作する際の消費電力低減効果が大きい。
【0092】図16は、本発明の第10の実施形態に係
る低消費電力携帯型情報処理装置及びシステムの構成例
を示したものである。本実施形態では、図8に示した本
発明の第2の実施形態に係る携帯型情報処理装置161
に対し、これとは別個である第2の情報処理装置162
を加えると共に、両者の間で情報通信を行う第1のデー
タ通信手段163及び第2のデータ通信手段164をそ
れぞれ第1の携帯型情報処理装置161並びに第2の情
報処理装置162に備えている。さらには、第1の携帯
型情報処理装置161には、個々の情報処理に伴う消費
電力量ならびに処理速度、所要メモリ容量等の資源消費
量に関する情報があらかじめ記載された処理能力/消費
電力量記憶手段165が併せて備えられており、ある処
理を行う際に、どの程度の演算負荷や電力消費が発生す
るのかを前もって知ることができるようになっている。
また、第1の携帯型情報処理装置161は、装置を構成
している各部分における演算処理等の処理の実行を制御
する処理実行制御手段166を備えている。
【0093】ここで、第1の携帯型情報処理装置161
とは別個の第2の情報処理装置162が、第1のデータ
通信手段163及び第2のデータ通信手段164を経由
して通信可能な状態となった時、第2の情報処理装置1
62からは、該第2の情報処理装置162に固有の処理
能力/消費電力量記憶手段167の情報を第1の携帯型
情報処理装置161へと送付する。この結果、第1の携
帯型情報処理装置161の処理実行制御手段165で
は、どちらの情報処理装置にて処理を行った方が有利で
あるのかを、処理時間、消費電力、通信コスト等を考慮
に入れた上で判断し、それぞれの演算処理実行手段16
8,169(第1の携帯型情報処理装置においては、電
力制御対象1〜K)のいずれにて処理するのかを決定す
る。その結果に基づいて、必要なデータがデータ通信路
1601を介して伝送され、それぞれの有する処理実行
制御手段166,1602により情報処理の開始が指示
される。
【0094】例えば、もしも第2の情報処理装置162
が商用電源に接続されているような場合においては、第
2の情報処理装置162において一部の情報処理を行う
ことで第1の携帯型情報処理装置161では第1のデー
タ通信手段163を介したデータ通信に掛かる消費電力
のみにて結果を受け取ることができるようになる。この
結果、第1の携帯型情報処理装置161が単独にて情報
処理を行う場合よりも、消費電力が低減される。
【0095】また、図13に示した本発明の第6の実施
形態に関わる構成として、センサ手段1603をセンサ
信号送信手段1604及びセンサ信号受信手段1605
を用いて他の部分とは分離することができるようになっ
ていることから、利用者に装着されるセンサ手段160
3については、装着する部位により得られる情報の精度
や意味が異なるような場合においても対応できるように
なっている他、利用者の外部に設置された外部センサ手
段1606からの信号をも用いることで、より広範囲な
利用者ならびに利用者の周囲の状況に関する情報を得ら
れることから、低消費電力制御にかかる状況判定手段1
609の動作を強化し、電力低減の効果を更に高めるこ
とができる。
【0096】なお、図16においては、データ通信路1
601に関し、暗号認証の手法によって第1の携帯型情
報処理装置161と、第2の情報処理装置162との間
で正当性の認証を行い、第2の情報処理装置162から
の演算結果がデータ通信路1601上で改竄を受けてい
ないかや、第1の携帯情報処理装置161側に第2の情
報処理装置162の計算機資源を利用する資格があるか
等を調べることで、第2の情報処理装置162の利用に
おけるセキュリティ確保や、課金制御といった仕組みを
実現することもできる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
利用者に装着されたセンサ手段、あるいは、利用者の周
囲に設置された外部センサ手段からの信号を用いて該情
報処理装置の動作状況を的確に制御し、外部からの電力
供給を受けることなしでの長時間の動作を確保すること
により、利用者が必要とするサービスを長時間にわたり
継続的に提供することが可能な情報処理装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術による携帯型情報処理端末の構成
例。
【図2】 従来技術による電力消費制御のフローチャー
ト。
【図3】 本発明の第1の実施形態に係る携帯型情報処
理装置の構成例。
【図4】 センサ手段としての装着型3軸加速度センサ
の例。
【図5】 センサ手段としての超音波障害物検知センサ
の例。
【図6】 装着型加速度センサを用いた本発明の第1の
実施形態を示すに係る携帯型情報処理装置の構成例。
【図7】 第1の実施形態における装置の動作を示すフ
ローチャート。
【図8】 本発明の第2の実施形態に係る携帯型情報処
理装置およびそのシステムの構成例。
【図9】 本発明の第3の実施形態に係る携帯型情報処
理装置およびそのシステムの構成例。
【図10】 本発明の第4の実施形態に係る携帯型情報
処理装置およびそのシステムの構成例。
【図11】 本発明の第5の実施形態に係る携帯型情報
処理装置およびそのシステムの構成例。
【図12】 本発明の第5の実施形態に係る携帯型情報
処理装置およびそのシステムの適用例。
【図13】 本発明の第6の実施形態に係る携帯型情報
処理装置およびそのシステムの構成例。
【図14】 本発明の第7の実施形態に係る携帯型情報
処理装置およびそのシステムの構成例。
【図15】 本発明の第9の実施形態におけるスケジュ
ール表ならびに状況予測表の構成例。
【図16】 本発明の第10の実施形態に係る携帯型情
報処理装置およびそのシステムの構成例。
【符号の説明】
11,31,61,81,91,101,111,131,
132,141,161,162 情報処理装置 32,82,991,113,133,143,160
3 センサ手段 83,992,1604 センサ信号送信手段 84,993,1605 センサ信号受信手段 33,85,990,1000,114,134,16
04 状況判断手段 35,115,144 電力制御手段 36,117 電力制御対象 86,92,102,1606 外部センサ手段 87,95,105,1607 外部センサ信号送信手
段 88,96,106,1608 外部センサ信号受信手
段 93,98 特徴量計算手段 94,104 暗号化手段 97 復号化手段 103 認証情報記憶手段 136,137,163,164 データ通信手段 1303,1601 データ通信路 139,166 処理実行制御手段 1301,1302,168,169 演算処理実行手
段 142 情報提示手段

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一つの情報処理手段を備え、該
    情報処理手段を用いて情報の処理を行う情報処理装置で
    あって、 当該情報処理装置を使用する利用者の状況あるいは該利
    用者の周囲の状況を物理量として検出する少なくとも1
    つのセンサ手段と、 このセンサ手段の出力信号を処理し、当該情報処理装置
    を使用する利用者の状況あるいは該利用者の周囲の状況
    があらかじめ設定された状況のいずれに該当するかを判
    定する状況判定手段と、 この状況判定手段による判定結果に基づいて、前記情報
    処理手段の消費電力を制御する電力制御手段とを具備し
    たことを特徴とする情報処理装置。
  2. 【請求項2】前記センサ手段は当該情報処理装置から独
    立して設けられ、該センサ手段の出力信号を送信するた
    めのセンサ信号送信手段と、前記出力信号を受信するた
    めのセンサ信号受信手段を備えたことを特徴とする請求
    項1記載の情報処理装置。
  3. 【請求項3】前記センサ手段は、当該情報処理装置を使
    用する利用者の運動状況を物理量として検出するセンサ
    であることを特徴とする請求項1または2のいずれか一
    項に記載の情報処理装置。
  4. 【請求項4】前記電力制御手段の指示による処理を行う
    第1の演算処理手段と、その他の処理を行う第2の演算
    処理手段とを独立に備えたことを特徴とする請求項1ま
    たは2のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  5. 【請求項5】前記情報処理手段は、利用者に対し同一内
    容の情報を提示可能な複数の情報提示手段を含み、前記
    電力制御手段は、該情報提示手段のいずれを使用するか
    を選択的に制御することを特徴とする請求項1または2
    のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 【請求項6】利用者個人のスケジュールを記憶する記憶
    手段と、日時を取得する計時手段とを備え、前記電力制
    御手段は、前記スケジュール及び前記日時の情報に基づ
    いて前記情報処理手段の消費電力を制御することを特徴
    とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の
    情報処理装置。
  7. 【請求項7】他の情報処理装置と接続可能な情報通信手
    段と、当該情報処理装置と前記他の情報処理装置のいず
    れかを用いて情報の処理を行うかを決定する処理実行制
    御手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. 【請求項8】当該情報処理装置を構成する回路の少なく
    とも一部が非同期回路にて構成されていることを特徴と
    する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装
    置。
  9. 【請求項9】少なくとも一つの情報処理手段を備え、該
    情報処理手段を用いて情報の処理を行う情報処理装置で
    あって、 当該情報処理装置の外部から、当該情報処理装置を使用
    する利用者の状況あるいは該利用者の周囲の状況を物理
    量として検出した外部センサ信号を受信するための外部
    センサ信号受信手段と、 この外部信号受信手段により受信した信号を処理し、当
    該情報処理装置を使用する利用者の状況あるいは該利用
    者の周囲の状況があらかじめ設定された状況のいずれに
    該当するかを判定する状況判定手段と、 この状況判定手段による判定結果に基づいて、前記情報
    処理手段の消費電力を制御する電力制御手段とを具備し
    たことを特徴とする情報処理装置。
  10. 【請求項10】当該情報処理装置を使用する利用者の状
    況あるいは該利用者の周囲の状況を物理量として検出す
    る少なくとも1つのセンサ手段を備え、 前記状況判定手段は、このセンサ手段の出力信号を処理
    し、当該情報処理装置を使用する利用者の状況あるいは
    該利用者の周囲の状況があらかじめ設定された状況のい
    ずれに該当するかを判定するものであることを特徴とす
    る請求項9記載の情報処理装置。
  11. 【請求項11】前記センサ手段は当該情報処理装置から
    独立して設けられ、該センサ手段の出力信号を送信する
    ためのセンサ信号送信手段と、前記出力信号を受信する
    ためのセンサ信号受信手段を備えたことを特徴とする請
    求項10記載の情報処理装置。
  12. 【請求項12】前記外部センサ信号は、該信号に基づく
    第1の特徴量を暗号化した暗号化信号を含み、 前記暗号化信号から前記第1の特徴量を復号する復号手
    段と、 前記外部センサ信号に基づいて、第2の特徴量を算出す
    る第2の特徴量計算手段と、 前記復号手段により復号された前記第1の特徴量と前記
    第2の特徴量とを比較することにより受信された前記外
    部センサ信号を検証する外部センサ信号認証手段とを備
    えたことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項
    に記載の情報処理装置。
  13. 【請求項13】前記外部センサ信号は、該外部センサ信
    号に関する認証情報を含み、 前記認証情報とあらかじめ設定された認証情報とを照合
    することによって、利用者が前記外部センサ信号を受信
    する資格を有するか否かを判断する資格認証手段を備え
    たことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に
    記載の情報処理装置。
  14. 【請求項14】前記電力制御手段の指示による処理を行
    う第1の演算処理手段と、その他の処理を行う第2の演
    算処理手段とを独立に備えたことを特徴とする請求項9
    乃至11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  15. 【請求項15】前記情報制御手段は、利用者に対し同一
    内容の情報を提示可能な複数の情報提示手段を含み、前
    記電力制御手段は、該情報提示手段のいずれを使用する
    かを選択的に制御することを特徴とする請求項9乃至1
    1のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  16. 【請求項16】利用者個人のスケジュールを記憶する記
    憶手段と、日時を取得する計時手段とを備え、前記電力
    制御手段は、前記スケジュール及び前記日時の情報に基
    づいて前記情報処理手段の消費電力を制御することを特
    徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の情報
    処理装置。
  17. 【請求項17】他の情報処理装置と接続可能な情報通信
    手段と、当該情報処理装置と前記他の情報処理装置のい
    ずれを用いて情報の処理を行うかを決定する処理実行制
    御手段とを備えたことを特徴とする請求項9乃至16の
    いずれか一項に記載の情報処理装置。
  18. 【請求項18】前記情報処理装置を構成する回路の少な
    くとも一部が非同期回路にて構成されていることを特徴
    とする請求項9乃至17のいずれか一項に記載の情報処
    理装置。
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