JP2001098439A - 格子状構造体及びその製造方法 - Google Patents

格子状構造体及びその製造方法

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JP2001098439A
JP2001098439A JP27911899A JP27911899A JP2001098439A JP 2001098439 A JP2001098439 A JP 2001098439A JP 27911899 A JP27911899 A JP 27911899A JP 27911899 A JP27911899 A JP 27911899A JP 2001098439 A JP2001098439 A JP 2001098439A
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Ichiro Hanamori
一郎 花森
Takao Shimizu
隆夫 清水
Kazumasa Kusudo
一正 楠戸
Tomokazu Ise
智一 伊勢
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Kuraray Co Ltd
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 補強効果、耐久性等の諸性能に一層優れた格
子状構造体及び該格子状構造体の効率的な製造方法、さ
らに該格子状構造体からなる特に土木用に好適な補強材
を提供する。 【解決手段】 メッシュ状布帛及び樹脂から構成された
格子状構造体であって、該布帛を構成する糸が樹脂によ
り被覆され、かつ該樹脂により該糸同志の交点が固定さ
れており、樹脂付着量が250重量%以上/布帛、格子
開口面積が50mm2以上である格子状構造体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂付着率の高い格子
状構造体及びその効率的な製造方法、さらに該格子状構
造体からなる土木用に好適な補強材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、メッシュ状布帛は各種補強材等と
して広く使用されており、特にマトリックス等への剪断
抵抗に優れていることから盛土等の補強材に適したもの
である。しかしながら、メッシュ状布帛と土質等との摩
擦が繰り返されると繊維性能が損われやすいことから、
該メッシュ状織編物に樹脂、ゴム、暦青材料等を含浸・
コーテイングすることが提案されている(実公平2―1
7030号公報等)。該方法によれば、耐摩耗性及び耐
久性が改善できることから優れた補強効果が得られる。
【0003】
【本発明の課題】本発明者の目的は、補強効果、耐久性
等の諸性能に一層優れた格子状構造体及び該格子状構造
体の効率的な製造方法、さらに該格子状構造体からなる
特に土木用に好適な補強材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) メッ
シュ状布帛及び樹脂から構成された格子状構造体であっ
て、該布帛を構成する糸が樹脂により被覆されており、
かつ該樹脂により該糸同志の交点が固定されており、樹
脂付着量が250重量%以上/布帛、格子開口面積が5
0mm2以上である格子状構造体、(2) 芯糸が熱可
塑性樹脂により被覆されてなる樹脂付着量250重量%
以上の樹脂被覆糸を用いてメッシュ状布帛を製造し、次
いで熱処理することにより得られる格子開口面積50m
2以上の格子状構造体、(3) (1)又は(2)に
記載の格子状構造体からなる補強材、(4) (1)又
は(2)に記載の格子状構造体からなる盛土用補強材,
(5) 芯糸が熱可塑性樹脂により被覆されてなる樹脂
付着量250重量%以上の樹脂被覆糸を用いてメッシュ
状布帛を製造し、次いで熱処理することにより格子開口
面積50mm2以上の格子状構造体を製造する方法,に
関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、メッシュ状布帛を構成
する糸が樹脂により被覆された格子状構造体に関し、樹
脂付着量及び格子開口面積を特定の範囲とすることによ
り顕著な効果が得られることを見出したものである。ま
ず、本発明に用いられるメッシュ状布帛としては、織
物、編物、不織布(湿式、乾式)等のあらゆる布帛を用
いることができるが、機械的性能、取扱性等の点からは
織編物とするのが好ましい。該メッシュ状布帛の開口面
積は、格子状構造体としたときの開口面積が所望の値と
なるような開口面積とするのが好ましく、具体的には、
メッシュ状布帛の開口面積を60mm2以上、特に11
0mm2以上、さらに310mm2以上、またさらに41
0mm2以上とするのが好ましい。かかる開口面積とす
ることにより、格子状構造体とした後も十分な開口面積
が確保でき、よってマトリックス等への剪断抵抗が大き
くなり、補強材として優れた効果が奏される。また同理
由から該布帛の開口率は、50面積%以上、特に70%
以上、さらに80%以上、またさらに90%以上である
のが好ましい。
【0006】しかしながら、開口面積が大きくなりすぎ
るとマトリックスとの摩擦抵抗が逆に小さくなり、また
機械的性能が不十分になる可能性があることから、メッ
シュ状布帛の開口面積を2000cm2以下、特に10
00cm2以下、さらに800cm2以下とするのが好ま
しく、開口率は99面積%以下であるのが好ましい。な
お本発明にいう布帛の開口面積とは、布帛に形成された
1つの格子の開口部(繊維が存在しない部分)の面積を
示したものであり、布帛の開口率とは布帛における開口
部の面積割合を示したものである。もちろん、布帛の部
位によって開口面積が異なっていてもよく、また本発明
の効果を損わない範囲であれば、開口面積が小さい部分
や実質的に開口部の存在しない部分が存在していてもか
まわない。また該メッシュ状布帛は、軽量性及び機械的
性能等の点から目付50〜2000g/m2程度、特に
100〜600g/m2程度であるのが好ましい。
【0007】該布帛を構成する繊維は特に限定されず、
たとえば各種無機繊維、合成繊維、天然繊維等を用いる
ことができる。具体的には無機繊維としてガラス繊維、
カーボン繊維、有機繊維としてはポリエチレンテレフタ
レート繊維等のポリエステル系繊維(溶融液晶性ポリエ
ステル繊維を含む)、ポリアミド系繊維(アラミド系繊
維を含む)、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコ
ール系繊維、フッ素系繊維(テトラフルオロエチレン繊
維等)、ポリベンゾオキサゾール系繊維等が挙げられ
る。本発明においてはこれらを複数種併用してもかまわ
ないし、異形断面繊維、複合繊維(芯鞘型等)、海島構
造繊維等を用いることもできる。該繊維には、適宜、酸
化チタン、カオリン、シリカ、硫酸バリウム、カ−ボン
ブラック、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、難燃剤等が含まれていてもよい。
【0008】さらに細径繊維であっても優れた補強効果
が得られ、開口面積が大きく剪断抵抗の大きい格子状構
造体が得られやすい点、さらに細径化できることから織
編工程が効率的に行える点等からは高強力高弾性率繊維
を用いるのが好ましい。より具体的には、引張強度5c
N/dtex以上、特に10cN/dtex以上、さら
に15cN/dtex以上の繊維が好ましい。また耐熱
性等の点からは流動開始温度150℃以上、特に200
℃以上、またさらに250℃以上の素材により構成され
た繊維を用いるのが好ましい。機械的性能、耐熱性、耐
薬品性(耐アルカリ性、耐酸性等)などの点からは、ポ
リビニルアルコール系繊維、溶融液晶性ポリエステル繊
維、ポリオレフィン系繊維の少なくとも1種類を用いる
のがより好ましく、なかでも、機械的性能、耐久性、耐
熱性等の点からは、溶融液晶性ポリエステル繊維を用い
るのがより好ましい。
【0009】布帛を構成する糸の形態は、フィラメント
糸(モノフィラメント、マルチフィラメント)、カット
ファイバー、紡績糸、テープ状スプリットヤーン等適宜
選択すればよい。布帛が織編物である場合には、機械的
性能の点からフィラメント糸を使用するのが好ましく、
単繊維デニールを1〜3000d,特に3〜2000d
程度とするのが好ましい。なかでも、機械的性能、柔軟
性、樹脂との接着性等の点からはマルチフィラメント糸
を用いるのが好ましく、マルチフィラメント糸の総デニ
ールは500〜10000dtex,特に1000〜3
000dtexであるのが好ましく、フィラメント数は
10〜500程度であるのが好ましい。また複数のマル
チフィラメントをさらに撚糸・集束した糸条(ストラン
ド等)を用いてもかまわない。
【0010】布帛を織物とする場合、縦糸と緯糸の太
さ、強度が相違していてもかまわない。たとえば格子状
構造体を盛土等の補強材として用いる場合には、縦方向
に大きな力が加わることから経糸により強力の高い糸を
用いたり、また緯糸に比して経糸の太さを太くするのが
好ましい。補強効果等の点からは、格子状構造体の少な
くとも1方向の引張強度は3N/本以上、特に4N/本
以上、特に5N/本以上であるのが好ましく、引張伸度
は3〜8%程度であるのが好ましい。
【0011】本発明の格子状構造体は、布帛を構成する
糸が樹脂により十分に被覆されており、摩擦等により繊
維性能が損われにくいものであるが、さらに構成糸の交
点が該樹脂により固定されていることから機械的性能、
形態安定性等の点で優れた効果が得られる。メッシュ状
布帛を構成する糸を被覆する樹脂は特に限定されない
が、加工性等の点からは熱可塑性樹脂であるのが好まし
い。より具体的には加工性の点からは流動開始温度70
〜250℃、特に80〜150℃であるのが好ましい。
流動開始温度が低すぎると太陽熱吸収に伴う製品の温度
上昇により樹脂性能が低下し、製品に粘着現象が生じた
り格子状構造体の目合強度を低下させるために好ましく
ない。また流動開始温度が高すぎる場合には加工性が不
十分となる。また溶融指数(MFR)は1〜50g/1
0minであるのが好ましい。かかるMFRを有する熱
可塑性樹脂を用いることにより、単に熱処理するだけで
強固な格子状構造物を得ることができる。MFRが低す
ぎると樹脂の熱流動性が不十分となり、逆にMFRが高
すぎると熱加工性の点でさらなる利点は得られず、むし
ろ樹脂の分子量低下にともなう目止強度の低下が生じる
こととなる。
【0012】好適な樹脂としては、加工性、耐気性等の
点からポリオレフィン系樹脂を用いるのが好ましい。な
かでも、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン
樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレンー酢酸ビニル
共重合体樹脂が好適に使用でき、特に高密度ポリエチレ
ン樹脂を用いるのが好ましい。勿論、複数の樹脂により
構成されていてもよく、本発明の効果が損われない範囲
であれば、可塑剤、顔料(有機、無機)、熱安定化剤、
耐候安定剤、各種の無機充填材(吸熱性無機充填剤
等)、難燃剤(リン系難燃剤等)等の添加剤が添加され
ていても構わない。
【0013】また本発明においては格子状構造体の開口
面積を50mm2以上とする必要があり、100mm2
上、さらに300mm2以上、またさらに400mm2
上とするのがより好ましい。かかる開口面積とすること
によりマトリックス等への剪断抵抗が大きくなり、補強
材として優れた効果が奏される。同理由から格子状構造
体の開口割合は50面積%以上、特に60面積%以上、
さらに70体積%以上、またさらに75体積%以上であ
るのが好ましい。逆に格子状構造体の開口面積が大きく
なりすぎるとマトリックスとの摩擦抵抗が逆に小さくな
ることから、格子状構造体の開口面積は2000cm2
以下、特に1000cm2以下、さらに800cm2以下
とするのが好ましく、機械的性能等の点から格子状構造
体の開口率は98面積%以下、特に95面積%以下であ
るのが好ましい。なお本発明にいう格子状構造体の開口
面積とは、1つの格子の空隙部(繊維及び樹脂が存在し
ない部分)の面積を示したものであり、格子状構造体の
開口率は格子状構造体における空隙部(繊維及び樹脂が
存在しない部分)の面積割合を示したものである。もち
ろん、部位によって開口面積が異なっていてもよく、ま
た本発明の効果を損わない範囲であれば、開口面積が小
さい部分や実質的に開口部の存在しない部分が存在して
いてもかまわない。
【0014】また本発明においては、樹脂付着量を25
0重量%以上/織編物、好ましくは350重量%以上/
織編物とする必要がある。樹脂付着量が少なすぎると摩
擦等により樹脂が容易に脱落して繊維が損傷して十分な
補強効果が得られにくくなる。かかる樹脂付着率とする
ことにより耐衝撃性(載荷試験後の強度保持率)の高い
格子状構造体が得られ、具体的には耐衝撃性88%以
上、特に90%以上、またさらに93%以上とすること
ができる。しかしながら、一般に開口部面積の大きいメ
ッシュ布帛に多量の樹脂を付与するのは困難である。す
なわち、目合の小さい(開口部面積の小さい)布帛の場
合には布帛を樹脂に含浸することにより容易に多量の樹
脂を付与することができるが、本発明のように目合の大
きい布帛を用いた場合には、開口部では実質的に樹脂を
保持できずに脱落し、さらに繊維部分に保持できる樹脂
量にも限界があることから、せいぜい150重量%/織
編物程度しか樹脂を付与できない。したがって、得られ
た格子状構造物に摩擦や剪断力が加わると樹脂の脱落が
生じるとともに繊維性能が損われることとなる。
【0015】以上のことから、本発明は特定の方法を採
用することにより、所望の格子状構造物が効率的に得ら
れることを見出したものである。具体的には、芯糸が熱
可塑性樹脂により被覆されてなる樹脂付着量250重量
%以上の樹脂被覆糸を用いてメッシュ状布帛を製造し、
次いで熱処理することにより効率的に所望の格子状構造
体を製造できる。樹脂被覆糸の製造方法は特に限定され
ず、従来公知の方法により製造すればよい。樹脂被覆糸
を構成する糸は機械的性能の点からマルチフィラメント
であるのが好ましく、樹脂との接着性、柔軟性等の点か
らはマルチフィラメント糸であるのが好ましい。マルチ
フィラメント糸の総デニールは500〜10000dt
ex,特に1000〜3000dtexであるのが好ま
しく、フィラメント数は10〜500程度であるのが好
ましい。また樹脂被覆糸における芯糸に対する樹脂付着
量は、繊維性能を保持する点から250重量%以上/芯
糸、好ましくは350重量%以上/芯糸とするのが好ま
しく、軽量化、取扱性等の点からは芯糸に対する樹脂付
着量は2000重量%以下、特に1500重量%以下、
またさらに800重量%以下であるのが好ましい。
【0016】これまで、土木シートとして高密度ポリエ
チレン(HDPE)やポリプロピレンの樹脂シートに穴
を開けた後に1軸または2軸方向に加熱延伸したものが
提案されている。該シートは耐摩耗性・耐久性に優れた
ものであるものの、繊維のように高倍率延伸が不能であ
るために所望の機械的性能を得るためにシート厚みを十
分に確保する必要があり、そのため固くて重いために施
工時の取扱性に劣る問題があった。しかしながら、本発
明においては樹脂シートに比して機械的性能に優れる繊
維を用いていることから軽量化が可能であり取扱性に優
れたものが得られる。軽量性、取扱性の点からは、格子
状構造体の目付は1000g/m2以下、特に500g
/m2以下とするのが好ましく、耐候性等の点からは2
00g/m2以上とするのが好ましい。また同理由から
格子状構造体における樹脂の付着量は2000重量%以
下/布帛、特に1500重量%以下/布帛、またさらに
800重量%以下/布帛であるのが好ましい。かかる樹
脂被覆糸を用いて布帛を製造すればよく、場合によって
はマルチフィラメントをさらに撚糸・集束した糸条(ス
トランド等)を用いて布帛を構成してもかまわない。
【0017】次いで熱処理を行って樹脂被覆糸を構成す
る樹脂を溶融軟化させることにより、開口面積が大きい
にもかかわらず樹脂付着率の高い格子状構造体が得られ
る。加熱温度は適宜検討すればよいが、樹脂被覆糸を構
成する樹脂の流動開始温度よりも10℃以上高い温度、
特に30℃以上高い温度、さらに50℃以上高い温度で
熱処理をするのが、繊維及び樹脂間を強固に一体化する
とともに布帛構成糸同志を十分に固定する点で好まし
い。コスト、効率性及び繊維性能の点からは、樹脂被覆
糸を構成する樹脂の流動開始温度をA℃としたとき、A
+100℃以下、特にA+80℃以下で熱処理を行うの
が好ましい。熱処理時間は適宜設定すればよいが、30
秒〜10分間程度が好適に採用できる。
【0018】本発明の格子状構造物はあらゆる用途に使
用できるが、なかでも剪断抵抗が大きくかつ耐久性、耐
摩耗性、形態安定性等に優れていることから、樹脂、ア
スファルト、ゴム、水硬性材料、土砂(土壌)等の補強
材として優れた性能を有している。なかでも本発明の格
子状構造体は、一般には繊維が損傷を受けやすい砕石等
が存在している場合であっても優れた補強効果及び耐久
性を奏することから、土壌補強材として特に優れた効果
を有している。砕石等の非常に粗な土砂中で転圧処理等
を受けても優れた効果が奏されることから、なかでも盛
土補強材、道路の轍掘れ抑制用補強材、各種建築補強
材、特に盛土用補強材料としてとして好適に使用でき
る。この場合、土壌等に本発明の格子状構造体を埋め込
むことにより優れた補強効果が発現される。
【0019】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】[流動開始温度 ℃]JIS K7210の
「熱可塑性プラスチックの流れ試験方法」に記載の装置
を用い、カバーヤーンから繊維を分離した樹脂を室温
(40℃以下)にて装置のシリンダーに充填し、荷重1
0.00kgf(98.07N)を載せた後、1分間毎
に温度設定を変更して3℃/minの昇温度速度で温度上
昇させ、ノズルから樹脂が吐出し始める温度を樹脂の流
動開始温度として評価した。
【0020】[樹脂の溶融指数MFR(g/min)]
JISK7210の「熱可塑性プラスチックの長さ試験方
法」の操作A法により、条件4(試験温度190℃、試
験荷重5.00kgf)で測定した値を樹脂の溶融指数
MFRとして測定、定義した。
【0021】[樹脂付着量 重量%]格子状構造体を5
0℃真空乾燥機で重量平衡まで絶乾してサンプル重量W
1を測定した。次いで該サンプルから樹脂又は布帛を溶
解除去し、同方法にて重量平衡まで絶乾してサンプル重
量W2を測定し、W1及びW2から布帛に対する樹脂の
付着量の割合を求めた。 [格子状構造体の引張強度 N/本、引張伸度 %、耐
衝撃性 %]格子状構造体を温度20±2℃、湿度±5
℃RHの雰囲気下で16時間以上放置し、次いで該格子
状構造体を構成するストランド1本を定速伸張型引張試
験機を用いて引張ひずみ速度50%/minの条件で引
張強度及び破断伸度を測定し、N=5の平均値を引張強
度(W0)及び引張伸度として評価した。また別に幅3
00mm×長さ500mm×深さ400mmの箱にクラ
ッシャラン(C−40)を入れ、そのほぼ中層部深さ約
200mm部に格子状構造体を敷き込んだ。次いでクラ
ッシャラン上面に幅150mm×300mmの鉄製の押
え治具を置いて10kgf/cm2の荷重を3分間載荷
する、という操作を繰返して箱全面に載荷する。次い
で、載荷試験後の試料を温度20±2℃、湿度±5℃R
Hの雰囲気下で16時間以上放置し、次いで格子状構造
体を構成するストランド1本を定速伸張型引張試験機を
用いて引張ひずみ速度50%/minの条件で引張強度
を測定し、N=5の平均値をW1とし、W1/W0×1
00により耐衝撃性を求めた。
【0022】[取扱性]2m×5mの格子状構造体を男
子1名で容易に敷設可能なものを取扱性良好、敷設困難
のものを取扱性困難として評価した。
【0023】[実施例1〜4、比較例1]1667dt
ex/200フィラメントからなる引張強度が22cN
/dtexのポリアリレート系繊維(株式会社クラレ製
「ベクトラン HT1500―200、タイプT−11
8」 流動開始温度250℃以上)および高密度ポリエ
チレン(日本ポリケム株式会社製「ノバテックHJ29
0」 流動開始温度130℃、MFR21g/10mi
n)を用い、表1のような樹脂付着量を有する樹脂被覆
糸を製造した。得られた樹脂被覆糸1本を緯糸、該樹脂
被覆糸3本からなるストランドを経糸として、経糸及び
緯糸のストランド打込み本数5本/10cmの条件で模
紗織組織の織物(開口面積575mm2、開口率92面
積%)を製造し、該織物を190℃で2分間熱処理する
ことにより、構成糸が樹脂により被覆され、かつ糸交点
が該樹脂により強固に固定された格子状構造体を製造し
た。結果を表1に示す。
【0024】[比較例2]実施例1で用いたポリアリレ
ート繊維を用いて同様に織布を製造し、該布帛にポリ塩
化ビニル系樹脂(日本ゼオン製「Geon121」)1
00PHR、DOP50PHR、安定剤5PHRからな
るPVCオルガノゾルにデイップ/ニップして樹脂を付
与した後、130℃×3分間および180℃×1分間熱
処理して格子状構造体を製造した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例によれば効率的に格子状構造体を製
造可能であり、しかも製造された格子状構造体は、構成
糸が樹脂により十分に被覆され、かつ糸間が強固に固定
されていることから機械的性能及び耐久性に優れるもの
であった。なかでも実施例1〜3により得られた格子状
構造体は軽量で取扱性にも優れていた。
フロントページの続き Fターム(参考) 2D043 DA03 DD04 2D044 CA04 4L033 AB04 AC11 AC15 CA12 CA70 4L048 AA19 AA48 BA01 BA07 CA01 CA15 DA30 DA41 EB00 EB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッシュ状布帛及び樹脂から構成された
    格子状構造体であって、該布帛を構成する糸が樹脂によ
    り被覆され、かつ該樹脂により該糸同志の交点が固定さ
    れており、樹脂付着量が250重量%以上/布帛、格子
    開口面積が50mm2以上である格子状構造体。
  2. 【請求項2】 芯糸が熱可塑性樹脂により被覆されてな
    る樹脂付着量250重量%以上の樹脂被覆糸を用いてメ
    ッシュ状布帛を製造し、次いで熱処理することにより得
    られる格子開口面積50mm2以上の格子状構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の格子状構
    造体からなる補強材。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の格子状構
    造体からなる盛土用補強材。
  5. 【請求項5】 芯糸が熱可塑性樹脂により被覆されてな
    る樹脂付着量250重量%以上の樹脂被覆糸を用いてメ
    ッシュ状布帛を製造し、次いで熱処理することにより格
    子開口面積50mm2以上の格子状構造体を製造する方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006326524A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Jfe Engineering Kk 散気装置

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