JP2001098402A - 二部式着物 - Google Patents

二部式着物

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JP2001098402A
JP2001098402A JP27598799A JP27598799A JP2001098402A JP 2001098402 A JP2001098402 A JP 2001098402A JP 27598799 A JP27598799 A JP 27598799A JP 27598799 A JP27598799 A JP 27598799A JP 2001098402 A JP2001098402 A JP 2001098402A
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cloth
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garment
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Akemi Okudaira
朱美 奥平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着付けが簡単で着崩れを生じない二部式着物
に関する。 【解決手段】 二部式着物の上衣1の後身頃4、5に、
両端に連結具11をそなえた弾性紐9の中央部を支持さ
せる。弾性紐9の左側の端部を身八つ口8から通し、右
側の端部を右脇から身体の前に回して、それぞれ右前身
頃2、左前身頃3の衿縁に連結具11を介して連結さ
せ、前身頃を合わせ方向に引っ張らせる。前身頃の内側
に、胸部の調整布を収納するポケット13を設ける。重
ね衿芯は、下縁両側に胸部で重わせる当て布を縫着して
中央部下縁で取り付け、衿を合わせたときの当て布の重
なり部に対面止着具を設けている。また、下衣は上端の
縁布の両側にそれぞれ固定用弾性紐を取り付け、おくみ
の上部側縁に連結して合わせ方向に引っ張らせ下衣の重
なりを保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、二部式着物の上衣およ
び下衣に関するもので、着付けを簡単にし、着崩れや衿
崩れ、および裾の乱れを生じないようにしたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】着物(和服)を着る場合は、通常は肌着
の上に長襦袢を重ね、その上に着物を着るのが一般的で
あるが、最近は普段着として着物を用いることがほとん
どないために、着物を着るためのテクニックを会得して
いない人が多く、このため、たとえば実開昭63−85
607号公報や特開平10−88406号公報などに示
されているように、身体の上半身を包む上衣と、下半身
を包む下衣に分割した二部式着物が用いられている。ま
た、このような二部式着物の着付けに際しては、特開平
3−21003号公報のように、上衣の前身頃下端部に
縫着した紐を身体の後ろに回して結ぶとともに、後身頃
に縫着した紐を身体の前に回して上衣の前面で結ぶこと
によって、上衣を身体に密着させるようにしたものや、
実用新案登録第3057068号のように、衿の部分に
後衿調整紐を取り付けて下方から引っ張ることによりえ
もんの抜き加減を調節し、後衿を整えるものなどが提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、二部式着物
は、上衣と下衣に分割されて上衣および下衣の丈が短い
ため、着付け後の身体とくに上半身の動きにより着付け
の変形いわゆる着崩れを生じやすく、そのため、前記し
たように、上衣の下端部と後身頃の両方に紐を取り付け
て、複数の紐で締め付けており、身体の前後で紐を結ぶ
手数があるだけでなく、和服は胸部から脇にかけてのた
るみやしわがないように整える必要があるが、着付けの
要領を会得していない人、とくに手の不自由な人には、
後ろで結んだり、たるみやしわをとるための整形が難し
く、また、着崩れをなくすために紐を強く締め付けると
圧迫感が強く、自由な運動を妨げるなどの問題があっ
た。
【0004】また、着付け後の身体の動きにより前身頃
のずれや衿元の崩れを生じやすく、後衿を調整紐で引き
下げても胸部や衿の合わせ目に生じるたるみを調整する
ことはできなかった。なお、下衣もスカートのように円
筒形でなく、前で重ね合わせる必要があるので、裾が長
い着物では合わせ目のずれを生じやすく、裾前の乱れを
直すことは簡単でなく、着物姿の美観を損なう欠点があ
る。本発明は、圧迫感をなくして簡単に着用でき、とく
に胸部の形を整えやすくするとともに、着崩れや衿崩れ
を生じないようにした二部式の上衣と、裾の乱れを生じ
させないようにした下衣を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、上衣の後身頃
に中央部を支持させた全体に伸縮性を有する弾性紐を設
け、この弾性紐の両端に連結具を取り付け、弾性紐の一
方の端を左の身八つ口から身体の前に通して右前身頃の
衿縁に連結具により連結し、他方の端を右脇から身体の
前に回して左前身頃の衿縁に連結具により連結し、それ
ぞれ弾性紐により左右の前身頃を重ね合わせた方向に引
っ張るようにしている。なお、左右の前身頃の内側に、
胸部の形を補正するための調整布を収納するポケットを
設けることにより、必要な量の調整布を簡単に取り付け
られるとともに着付け中および着付け後のバッドの落下
やずれを防ぐことができる。また、衿の内側に取り付け
る重ね衿は、重ね衿芯の下縁両側に前身頃の一部に相当
する形状の胸で重ねる当て布を縫着し、この重ね衿芯を
上衣の衿に重ね合わせて下縁中央部分で取り付け、衿合
わせをしたときに左右の当て布相互の重なり部を、なる
べく重ね衿に近い位置で連結する対面止着具を設けてい
る。
【0006】また、下衣は上縁に縁布を設け、前記縁布
に取り付けて左後身頃部分の内側から突出させて、裾前
を合わせたときに右おくみの上部側縁に着脱可能に連結
させる左固定用弾性紐と、右後身頃部分に取り付けて左
おくみの上部側縁の衿裾に着脱可能に連結させる右固定
用弾性紐とをそなえ、左右の固定用弾性紐により左右の
おくみを重ね方向に引っ張るとともに、連結位置によっ
て裾両端の高さ位置を調整して裾を美しくさせ、着付け
を容易にし裾崩れを防ぐようにしている。なお、下衣の
縁布の両端部分に、一方端を縁布の左後身頃部分から内
側に短く突出させた左固定用弾性紐と、他方端を右おく
み側縁から身体の後ろに回して右脇に引き伸ばせるよう
にした右固定用弾性紐とをそなえ、前記それぞれの固定
用弾性紐の両端に左右の上部側縁に着脱可能に連結させ
る連結具を設けるようにしてもよい、また、縁布の左後
身頃部分の内側に取り付け、身頃幅程度に短くした左固
定用弾性紐と、縁布の右後身頃部分の外側に取り付けた
同様の短い右固定用弾性紐を別個に設けることもでき
る。また、必要によっては、重ね合わされる下衣の左右
のおくみと前身頃の合わせ面の縁布寄りに、少なくとも
左右の一方、とくにおくみの部分に裾の重なり状態を保
持させるずれ防止片を取り付けて裾合わせを保持させ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】上衣の後身頃中央部の帯でかくれ
る位置に、両端に連結具をそなえた平ゴム紐からなる弾
性紐を、両端が身体の両脇に向かうように中央部で折り
返して折り返し部を縫着し、左方端は身八つ口から身体
の前に通して、連結具により右前身頃の衿縁に連結さ
せ、右方端は脇から前に回して連結具により左前身頃の
衿縁に連結させて、それぞれ衿の下部とともに前身頃を
引っ張って胸部の形を整えるようにしている。なお、弾
性紐は、後身頃中央部に紐通しを取り付けて、縫着しな
いで中央部を支持させるようにしてもよく、左右を別個
にして取り付けてもよい。また、前身頃の内側にポケッ
トを取り付け、着付けの際に胸部の形を補正するために
必要な量の調整布を収納できるようにしておくことが望
ましい。
【0008】長襦袢を省略して衿の部分に重ね衿を取り
付けるようにした上衣では、半衿を取り付ける重ね衿芯
の下縁両側に、前身頃の一部に相当する形状の当て布を
縫着し、この重ね衿芯の下縁中央部を上衣の衿に合わせ
て取り付け、衿合わせをしたときの前記当て布の交差さ
せた重なり部を、左右の当て布の衿縁に近い位置にそれ
ぞれ設けた対面止着具によって固定させ、衿合わせを簡
単にし、衿の崩れを防ぐようにしている。
【0009】下衣は、下衣を構成する左右の後身頃と前
身頃およびおくみを縫合わせた上縁に縁布を設け、この
縁布に沿って弾性紐を取り付け、弾性紐の左側端を左後
身頃部分の内側から突出させて、裾前を合わせたときに
右おくみの上部側縁に着脱可能に連結させる左固定用弾
性紐を形成させ、他方の右側端は、縁布の端から突出さ
せて身体の後ろを回すように長くし、左おくみ上部に設
けた衿裾の側縁に着脱可能に連結させる右固定用弾性紐
を形成させ、左右の固定用弾性紐によって右おくみと左
おくみを重ね合わせた方向に引っ張るとともに、連結位
置によって裾両端の高さ位置を調整して裾を美しくさ
せ、着付けを容易にし裾崩れを防ぐようにしている。な
お、縁布の左後身頃部分の内側に取り付けた左固定用弾
性紐と、縁布の右後身頃部分の外側に取り付けた右固定
用弾性紐を別個に設け、両方の固定用弾性紐を身頃幅程
度の長さにしてそれぞれのおくみの上部側縁に連結させ
ることもできる。
【0010】なお、必要によっては、右おくみと右前身
頃の上部外面、および左おくみと左前身頃の上部内面の
少なくとも一方、とくにおくみの部分に、布との摩擦接
触によって重ねた布相互のずれを生じさせないゴム紐
や、対面止着具のようなずれ防止片を取り付けて、裾の
重なり状態を保持させるようにすることができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例を示す図について詳述する。図
1および図2において、1は上衣、2は右前身頃、3は
左前身頃、4は右後身頃、5は左後身頃、6は衿、7は
袖、8は身頃と袖の継ぎ目の下方に設けた身八つ口、9
は山形に折り返して、この折り返し部10を後身頃の中
央位置に縫着した弾性紐で、偏平なゴム編み紐を用いて
構成し、全体に伸縮性を有しており、両端に連結具11
の差込体11aを取り付けている。12、12は衿6の
交差した重なり部より下方に取り付けた短い弾性紐で、
連結具11の受け体11bを取り付けている。
【0012】この実施例における連結具11は、図3に
示すように、差込ピース11aと受入ピース11bから
なり、差込ピース11aは、それぞれ係止部20を形成
した1対の差込片21をそなえ、弾性紐9を連結してお
り、受入ピース11bは、前記係止部20に係合する係
止片22と、支持片23の両側に支持され差込片21を
押さえるばね片24、前記ばね片24を押して差込片2
1の係合を外す押圧片25をそなえ、弾性紐12を連結
している。差込ピース11aの差込片21を受入ピース
11bに下半分を破線で示すように差し込むと、係止部
20が係止片22に係合して連結され、押圧片25を押
して係止部20を押すことによって係合を解除して差込
ピース11aを押し出すもので、市販されているものを
用いており、これに限定するものではない。13は左右
の前身頃の内側に設けた調整布のポケットである。
【0013】なお、弾性紐9は、後身頃中心の帯でかく
れる位置に紐通しを取り付けて、縫着しないで中央部を
支持させるようにしてもよく、また、左右の弾性紐を別
個にして縫い付けることもできる。また、連結具11
は、実施例のものに限られず、衿6を前で合わせた状態
で弾性紐を衿の側縁に着脱容易に連結できるものであれ
ばよく、たとえば、ズボン吊りなどに用いられているよ
うな挟み具を用いて衿の側縁を挟むようにし、あるいは
羽織紐の止め金のように鉤と輪で連結するものや、ズボ
ンやスカートに用いる鉤ホック、ベルトと同様なバック
ルなどを用いることができ、弾性紐の端と衿の縁に取り
付けた結び紐で連結することも可能である。
【0014】この上衣1を身体に付ける場合は、弾性紐
9の左側を引き伸ばしながら、連結具11の差込ピース
11aを取り付けた端部を、左の身八つ口8から左前身
頃3の内側に通し、衿が交差した重なり部から15cm
程度下方に縫着した弾性紐12に取り付けた受入ピース
11bに、差込ピース11aを差し込んで右衿縁に連結
し、右前身頃2を衿とともに左脇の方向に引っ張って身
体に密着させる。なお、あまり強く引っ張らなくてもよ
いように弾性紐9の長さを調節しておけばよい。つぎに
弾性紐9の右側を引き伸ばして上衣の右脇から身体の前
に回し、連結具11の差込ピース11aを左前身頃3の
衿縁に取り付けた受入ピース11bに差し込んで連結さ
せ、左前身頃3を右脇の方向に引っ張って身体に密着さ
せる。このように、弾性紐9で左右の前身頃2、3を合
わせ方向に引っ張らせ、後身頃の縫い目位置を整えるよ
うに後身頃4、5を左右の脇から引っ張り、前身頃のし
わがないように衿合わせを整えることで上衣の着付けが
終了する。
【0015】弾性紐9は全体に伸縮性を有するので、後
身頃4、5を十分な接触圧力で身体に密着させるととも
に、左右の前身頃2、3を胸部のたるみやしわをなくす
方向に引っ張った状態で身体に固定させることができ、
後身頃の形や前身頃の重なり具合を確実に保持させて、
たるみやずれを生じさせることがなく、上衣1の下端を
別個の紐で結ぶなどの手数を必要とせずに、弾性紐だけ
で簡単に上衣の着付けを行うことができ、着付け後も着
崩れを生じることがない。なお、胸部の形を整えるた
め、左右の前身頃内側にポケット13を設けて必要量の
タオル、あるいはあらかじめ成形したパッド、接着芯な
どの調整布を収納するようにしておけば、着付け中に調
整布が落ちることがなく、着付けを容易にし胸をふくよ
かな形に整えることができ、着付け後も調整布のずれを
生じることがない。
【0016】図4および図5は、上衣の衿の内側に重ね
衿を設けて長襦袢を省略するようにしたときの半衿を取
り付ける重ね衿芯の構成を示すものである。26は重ね
衿芯で、下縁中央部に別布27設け、上衣の衿の内側に
重ねた状態で簡単に縫い付けるか、あるいは上衣の内側
と別布にそれぞれ対面止着具たとえばスナップ(ホッ
ク)や面ファスナーたとえばマジックテープ(登録商
標)を取り付けて着脱可能に取り付けるようにしてい
る。28、29は重ね衿芯26の下縁両側に縫着した前
身頃の一部に相当する適宜な形状の当て布、30は後衿
調整紐、31、32は重ね衿を胸で合わせたときに当て
布28、29相互が重なる部分に設けた対面止着具で、
スナップの一方31を当て布28の裏側(外側)に取り
付け、スナップの他方32を当て布29の表側(内側)
に取り付けており、なるべく衿芯の下縁に近い位置に設
けている。
【0017】なお、衿の合わせ目は、若い人は高目に
し、中年の人は低目にするように、人による好みがあ
り、異なる合わせ目を形づくるように共通して対応させ
るためには、対面止着具のスナップを複数位置に設けて
おけばよく、図の実施例では、前記31、32の他に3
3、34を設けており、この方を使えば合わせ目を高く
することになる。対面止着具は、2組に限られるもので
はなく、必要に応じて3組以上設けてもよい。また、破
線で示した35、36は、対面止着具に前記スナップに
替えて面ファスナーを用いたときの例を示すもので、合
わせ目を変えるために衿縁に沿って長くした場合を示し
ているが、スナップのときと同様に小さいものを複数位
置に設けるようにしてもよい。
【0018】重ね衿芯26に半衿を重ね、両側を胸で交
差させて対面止着具31と32を止着する。これによ
り、半衿を付けた重ね衿芯26は胸の低目の合わせ位置
に整えられて交差した状態で固定保持され、当て布2
8、29が上衣の前身頃の内側に接触して押さえられ、
重ね衿の位置をしっかりと保持させる。なお、当て布2
8、29を広くしておけば上衣との接触面が増大して衿
位置を安定させる。対面止着具33と34を選んで止着
すれば、衿の合わせ目を高目にすることができる。
【0019】つぎに下衣を図6ないし図8に示す実施例
について説明する。図6は下衣40を開いて内面(裏
側)を示した実施例で、右後身頃41、左後身頃42の
両側に右前身頃43と右おくみ44、左前身頃45と左
おくみ46をそれぞれ縫い合わせている。47は上端縁
に縫い付けた縁布、48は帯より下に出る衿裾で、上前
になる左おくみ46だけに設けておけばよい。50は弾
性紐たとえば平編みゴム紐で、縁布47の内側面に沿っ
て縫着し、その一方の端部を左後身頃42の端部分から
身頃幅程度に短く突出させて左固定用弾性紐51を形成
し、他方の端部を右おくみ44の端から身体の後ろを回
して右脇に引き伸ばせるように長く突出させて右固定用
弾性紐52を形成させている。11aは前記左右の固定
用弾性紐51、52の端に設けた連結具の差込ピース、
12は衿裾48および右おくみ44に取り付けた短い弾
性紐で、端部に連結具の受入ピース11bをそなえてい
る。差込ピース11aおよび受入ピース11bからなる
連結具は、左固定用弾性紐51と右固定用弾性紐52を
それぞれ下衣両側端、すなわち左おくみ46の衿裾48
と右おくみ44の上部側縁に着脱可能に連結するもの
で、前記上衣1の連結具11と同じもの(図3)を用い
ているが、ズボン吊りなどに用いられている挟み具、あ
るいは羽織紐の止め金のように鉤と輪で連結するもの
や、ズボンやスカートに用いる鉤ホック、ベルトと同様
なバックルなどを使用することもでき、弾性紐51と右
おくみの上部、および弾性紐52と衿裾48にそれぞれ
取り付けた結び紐で連結してもよい。また、体格や好み
によって裾の上げ方を変える必要がある場合は、挟み具
や面ファスナーなど着脱位置を任意に変えられる連結具
を用いるのが好ましい。なお、面ファスナーなどの対面
止着具が見えないようにするためには、衿裾48やおく
み46の内側で連結すればよい。
【0020】この下衣40を着用するには、上縁に補正
布を付けた裾よけを着用した上に、下衣40の縁布47
を腰より上に当てて右前身頃43と右おくみ44を身体
の前に回し、図7に示すように、右おくみ44の裾端を
少し上げるようにして右おくみ44に取り付けた弾性紐
12の受入ピース11bに、左固定用弾性紐51の差込
ピース11aを連結させて、右おくみ44を引っ張り気
味に保持させる。つぎに左前身頃45と左おくみ46を
右前身頃43の外側に重ね、左おくみ46の裾端を少し
上げるように裾前を整え、身体の後ろから右脇に回した
右固定用弾性紐52の差込ピース11aを、衿裾48に
取り付けた受入ピース11bに連結させて左おくみ46
を引っ張り気味に保持させる。このように、身体の前で
重ねた裾の両側を適当に高くし、前身頃とおくみを重ね
方向に引っ張った状態で全体の姿勢を整えて着付けを完
了させる。なお、図6の実施例では左固定用弾性紐51
と右固定用弾性紐52を連続した1本の弾性紐50の両
端で形成させて縁布47に取り付けているが、それぞれ
を別個に形成して縁布47に取り付けるようにしてもよ
い。
【0021】図8は、別の実施例を示すもので、左固定
用弾性紐51を縁布47の左後身頃45部分の内側面に
取り付け、右固定用弾性紐52を縁布47の外側面の右
後身頃41部分の外側面に取り付けるようにしている。
この右固定用弾性紐52は、左固定用弾性紐51と同様
に、身頃幅程度に短くし、身体の後ろに回さないで連結
具の差込ピース11aを左おくみ46の衿裾48に取り
付けた受入ピース11bに差し込んで連結させる。図6
および図8の実施例においては、左右のおくみの上側縁
に縫着した短い弾性紐12を介して連結具の一方11b
を取り付けているが、必要によっては弾性紐12を縫着
するかわりに安全ピンなどで取り付けるようにすれば、
挟む形式の連結具のときと同様に、取り付け位置を変え
ることができる。
【0022】53は右おくみ44の上部内面に取り付け
た摩擦片、54は左おくみ46の上部内面に取り付けた
摩擦片で、布との摩擦係数が大きい平ゴム紐や対面止着
具たとえば面ファスナーなどを用いており、できるだけ
右前身頃43および左前身頃45まで延長させておくと
よい。この摩擦片54、55を設けておけば、右おくみ
43を前に合わせたときに、摩擦片53が裾よけと接触
しておくみの裾を上げた状態でずれを防ぎ、左前身頃4
5を重ねたときに摩擦片54が右前身頃43の外面と接
触して、着付けをした位置でずれを防ぎ、裾の乱れを生
じさせないとともに、合わせ位置が保持され着付けを容
易に行うことができる。なお、摩擦片53、54は、た
とえばゴムや面ファスナーの片方のような布との摩擦係
数の大きいものを取り付ければよく、一方の摩擦片53
を省略してもよい。
【0023】
【発明の効果】このように本発明は、上衣と下衣に分割
して着用する二部式着物において、上衣の後身頃に中央
部を支持させた全体に伸縮性を有する弾性紐を設け、こ
の弾性紐の両端を、一方の端部は左の身八つ口から通
し、他方の端部は右脇からそれぞれ身体の前へ回して、
両端に取り付けた連結具で前身頃の衿縁に連結し、衿と
ともに前身頃を合わせ方向に引っ張るようにしているの
で、身体の前面で左右の衿縁にそれぞれ1本の弾性紐を
簡単に連結させることにより、後身頃を押さえ前身頃の
しわをなくして身体に密着させた着付けを行うことがで
き、弾性紐の全体が伸縮性を有しているのであまり強く
締め付けなくても布地との強い接触でずれをなくし、着
付けを容易にするとともに圧迫感がなく、弾性紐との強
い接触で後身頃のずれを防いで後姿を保持させることが
でき、前身頃を常に左右から引っ張っているので、着付
け後も身体の動きによる着物じわや着崩れを確実に防止
し得るとともに、身体の前で両側の連結具を止着するだ
けでよいので、手を後ろに回したり、身体の後ろで結ぶ
などの必要がなく、手の不自由な人も容易に着付けをす
ることができる効果がある。
【0024】また、左右の前身頃の内側に胸の調整布を
収納するポケットを設けることにより、着付け時の調整
布の落下を防いで着付けを容易にし、着付け後に調整布
がずれて形を崩すことがない。
【0025】衿の内側に設ける重ね衿は、半衿を取り付
ける重ね衿芯を上衣の衿に合わせて中央部下縁で取り付
け、この重ね衿芯の下縁両側に前身頃の一部に相当し胸
部で重ね合わせる形状の当て布を縫着しており、この当
て布相互の重なる部分の重ね衿芯に近い位置に対面止着
具を設けて衿合わせをした状態で止着させるので、重ね
衿芯自体に対面止着具を付ける必要がなく、半衿を付け
るときに対面止着具が邪魔になることがない。また、当
て布が上衣との重なりによって身体に密着して衿位置を
保持し、衿の崩れを防ぎ胸元の美しさを保持でき、自分
に合った衿合わせを対面止着具の取り付け位置によって
簡単に得られる利点がある。
【0026】下衣は、その上縁に縁布を設け、前記縁布
の両側に左固定用弾性紐と右固定用弾性紐をそなえ、裾
合わせをしたときの下衣の両側縁に前記固定用弾性紐を
連結させて着付けを行うので、固定用弾性紐の伸縮力に
よって下衣の上部を腰の回りに密着させ、両側のおくみ
を重ね方向に引っ張っており、裾前の形を整えた状態で
身体に保持させるとともに、おくみとの連結位置によっ
て裾両端の高さ位置を調節でき、着付けを容易にし、美
しい裾の重なり状態を保って裾崩れを防止できる効果が
得られる。
【0027】また、左固定用弾性紐を身頃幅程度に短く
して縁布の内側面の左後身頃部分に取り付け、右固定用
弾性紐を身体の後ろに回すように長くして縁布の右側端
に取り付けることにより、縁布と右固定用弾性紐が二重
に身体に巻き付けられて下衣を身体に確実に保持させる
ことができる。なお、左固定用弾性紐を縁布内側面の左
後身頃部分に取り付け、右固定用弾性紐を縁布外側面の
右後身頃部分に取り付けることによって左右の固定用弾
性紐を短くでき、着付け時の連結具の着脱を簡単にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の上衣の実施例を示す正面図で、左前身
頃の一部を省いている。
【図2】図1の後面図で、着付け前の状態を示してい
る。
【図3】実施例で使用した連結具の例を示す断面図であ
る。
【図4】重ね衿芯の例を示す正面図である。
【図5】重ね衿芯を合わせた状態を示す正面図である。
【図6】本発明の下衣の実施例を示す内面図である。
【図7】図6の下衣を着用したときの状態を説明する前
面図で、左前身頃の一部を切り欠いである。
【図8】下衣の別の実施例を示す内面図である。
【符号の説明】
1 上衣 2 右前身頃 3 左前身頃 4 右後身頃 5 左後身頃 6 衿 7 袖 8 身八つ口 9 弾性紐 10 折り返し部 11 連結具 11a 差込ピース 11b 受入ピース 12 弾性紐 13 ポケット 26 重ね衿芯 27 別布 28、29 当て布 31、32、33、34 対面止着具 40 下衣 41 右後身頃 42 左後身頃 43 右前身頃 44 右おくみ 45 左前身頃 46 左おくみ 47 縁布 48 衿裾 50 弾性紐 51 左固定用弾性紐 52 右固定用弾性紐 53、54 摩擦片

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上衣と下衣に分割して着用する二部式着
    物において、上衣の後身頃に、全体が伸縮性を有し両端
    に連結具をそなえた弾性紐の中央部を支持させ、前記弾
    性紐の一方の端部を左の身八つ口から通して右前身頃の
    衿縁に連結具により連結し、他方の端部を右脇から左前
    身頃の衿縁に連結具により連結し、それぞれ弾性紐によ
    り前身頃を合わせ方向に引っ張るようにしたことを特徴
    とする二部式着物。
  2. 【請求項2】 前記上衣の前身頃の内側に、胸部の調整
    布を収納するポケットを設けた請求項1の二部式着物。
  3. 【請求項3】 上衣と下衣に分割して着用し、上衣に重
    ね衿をそなえた二部式着物において、重ね衿芯の下縁両
    側に前身頃の一部に相当する形状の当て布を縫着し、こ
    の重ね衿芯を上衣の衿の内側に重ねて取り付け、衿合わ
    せをしたときの前記当て布の重なり部を、重ね衿の下縁
    に近い位置で止着させる対面止着具を設けたことを特徴
    とする二部式着物。
  4. 【請求項4】 上衣と下衣に分割して着用する二部式着
    物において、下衣の上縁に縁布を設け、この縁布の両端
    部分に取り付けて、裾前を合わせたときにそれぞれ下衣
    の両側縁に着脱可能に連結させる右固定用弾性紐と左固
    定用弾性紐をそなえ、左右の固定用弾性紐によって右お
    くみと左おくみを重ね方向に引っ張るとともに、連結位
    置によって裾両端の高さ位置を調節させることを特徴と
    する二部式着物。
  5. 【請求項5】 前記下衣の左固定用弾性紐が、身頃幅程
    度に短くして縁布内側面の左後身頃部分に取り付けら
    れ、右固定用弾性紐が、身体の後ろに回して右脇に引き
    伸ばせるように長くして縁布の右おくみ側端に取り付け
    られている請求項4の二部式着物。
  6. 【請求項6】 前記下衣の左固定用弾性紐が、身頃幅程
    度に短くして縁布内側面の左後身頃部分に取り付けら
    れ、右固定用弾性紐が、身頃幅程度に短くして縁布外側
    面の右後身頃部分に取り付けられている請求項4の二部
    式着物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006043227A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Yokoi:Kk 立体マスク
JP2018131725A (ja) * 2018-05-09 2018-08-23 有限会社コミューン 上衣の身八つ口の下方において前身頃と後身頃とが離れた二部式着物及び着付け方法

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